評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1)安心・安全
2)使命感
3)誠実さ
4)主体性
5)創意工夫
職員に求めている人材像や役割
心身のバランスが取れており、自己理解、自己一致ができていること。物事を俯瞰的に見る力があること。
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
一人ひとりの利用者にとって施設の利用と就職がより満足度の高いものとなるように最大限の力を発揮してほしい。
全体の評価講評
特によいと思う点
利用者は毎日、その日の目標設定を行い朝礼で発表し、一日の終わりに振り返りを行い、「振り返りシート」に記録してファイルにまとめています。また、週末には一週間の振り返りと次の目標設定を、担当職員との個別の面談を通して行っています。月の初めにも月間の振り返り面談の時間を設けている他、個別の就活時間や訓練の中にも面談機会を多く取り入れています。意向を確認しながら目標設定と振り返りを繰り返し行う事で、利用者自らが目的を意識し、就労へのモチベーションを維持する事ができるように支援しています。
9人の職員は、殆どが福祉に関する国家資格を所有し、ダブルキャリアも複数おり、業務に対する意欲は強いものがあります。障害者の多様な働き方を事業所の目的として、在宅訓練から在宅就労に向けた取組は都内でも評価されています。昨年9月に開催の「ゆめたまご在宅訓練・在宅就労報告会」は多くの来場者を迎え、「就労支援経験ゼロから在宅訓練を経て在宅就労に至ったケース」の報告例の利用者は、体調に合わせて訓練時間を設定し、在宅勤務者第一号者として勤務しています。コロナ禍の現状では他区からの照会も多くあります。
施設が立地する「すみだ障害者就労支援総合センター」は区の公共施設として、就労支援に関する「総合相談室」と「手話通訳等派遣事務所」と同一の建物内にあり、障害者が地域において経済的、社会的に自立し、安定した生活を送る為に企業への就労、在宅での就労、起業等の機会拡大や就労に向けた支援を目的としています。活動内容を広報誌「ゆめたまご通信」に掲載し関係機関、他区の担当部署、施設卒業生の在籍企業に配布し、又障害者就労支援フェアを開催し、日頃の訓練成果を区民に広くアピールしてます。
さらなる改善が望まれる点
利用者にとってどのような職業訓練の作業が適切かを、利用者や保護者の同意のもとに決めています。職業訓練としては、「パソコンの操作、事務補助、清掃、接客等」があります。職業訓練及び就職支援の利用者向けの作業に対する手順は、内容ごとに利用者に分かり易く説明するための職員の担当分野別の手引書は整備されていますが、職員間で共有できる業務の大きな流れをスムーズに行える手引書の整備が望まれます。例えばヒヤリハット作成マニュアルや個人情報の開示基準マニュアルなど、職員向けのマニュアルの作成、整備が望まれます。
今回の評価に合わせて実施した職員アンケートでは、個別育成に関する項目で厳しい評価が示されており、報酬を含む処遇改善のコメントも寄せられています。施設は区から委託管理を受けて運営されていますが、区が直接運営する他施設と同じビル内に同居しており、連携して利用者支援に当たっています。民間の良さを活かした独自性、創造性を発揮した事業を継続して行っていく為、また、次代の職員を育成する為にも、福利厚生面を含む処遇改善を通して、職員の働き甲斐の一層の向上を図ることを期待します。
区内で唯一の公設の就労支援施設で社会福祉士や精神保健福祉士などの国家資格を有する専門職員が主要メンバーとなっています。しかし募集条件にこれら資格要件をつけると殆ど応募がないのが実情です。現在は有資格者では募集せず、社会人経験のある人を募集するようしていますが、就労移行支援という業務であるがゆえに社会経験のある人の方が利用者に良い支援ができると考えての事です。今後も人材確保に様々な工夫を凝らして募集することを期待します。
事業者が特に力を入れている取り組み
当施設は定員20名で利用者の平均年齢は38歳となっています。また、前年度は退所11名中8名が平均8カ月で就職をしており利用満了期間は2年間ですが平均利用期間は、1年4カ月となっています。作業の実施日は月曜日から金曜日の午前9時から午後5時となっていますが、生活支援として就労者「当施設のOB]に対しては土曜日まで気軽に訪れリラックスした時間を過ごし、いつでも相談、助言できる「あったまろんホール」が用意されています。そして、利用者がOBから体験談を聞いたり余暇支援、仲間作りを行う集団的支援に取り組んでいます。
通所中の一日を訓練の場でありながら、「職場」として意識するように取り組んでいます。服装から言葉遣い、欠席の連絡を入れることも職場で必要とされる行動を促して、常に就労後を意識した環境を設定しています。SSTやJSTといったコミュニケーションに関するトレーニングや、職場での様々な場面を想定したロールプレーを取り入れたセミナー等を訓練に盛り込んでいます。就労において必要な生活の基盤作りやコミュニケーション能力、社会人としてのマナーに関する課題に対してきめ細かな支援提供を行っています。
利用者の職業訓練として毎日、事務補助、清掃、花壇の手入れなどを行っていますが、PCを使ってのより実践に近い訓練プログラムの導入を行っています。協力してくれる企業からデータ提供を受けて、営業目的のダイレクトメールを実際の顧客に対して発信するものです。訓練ですので作業料は発生しませんが、実際の企業活動に参加できることは利用者にとって大きな体験となっています。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:利用者全員を対象としました。
- 調査方法:アンケート方式
事業所を介してアンケート調査票を配布してもらい、回収は返信用封筒で評価機関に直接郵送してもらう方法を取りました。集計結果は別途報告書として事業者に提示しました。 - 有効回答者数/利用者総数:19/21(回答率 90.5% )
総合的な満足度では「大変満足」が26.3%、「満足」が52.6%、「どちらともいえない」が15.8%で、「大変不満」が1件あり5.3%でした。自由意見欄には7件のコメントが寄せられました。ほとんどは利用者個別の問題に対する意見ですが、コロナ禍ゆえの問題点の指摘も1件ありました。
アンケート結果
4~17は選択式の質問のため、該当項目のみ掲載しています。
1.利用者は困ったときに支援を受けているか
「はい」が89.5%、「どちらともいえない」が5.3%で「無回答」が5.3%でした。防災面での不安に関するコメントが家族から1件寄せられました。
2.事業所の設備は安心して使えるか
「はい」が84.2%、「どちらともいえない」が10.5%で「無回答」が5.3%でした。安心できる環境である旨のコメントが1件ありました。
3.利用者同士の交流など、仲間との関わりは楽しいか
「はい」が63.2%で「どちらともいえない」が36.8%でした。基本楽しい、というコメントと、就労に向けて取り組んでいるので楽しいことはない、という2件のコメントがありました。
11.【就労移行支援】
事業所での活動が就労に向けた知識の習得や能力の向上に役立っているか
「はい」が73.7%、「どちらともいえない」が15.8%で、「どちらともいえない」が10.5%でした。調理実習ができないことへの不満と、就職活動が実らないことへの不満のコメントがありました。
12.【就労移行支援】
職場見学・職場実習等の、事業所外での体験は充実しているか
「はい」が31.6%、「どちらともいえない」が47.7%、「いいえ」が5.3%で「「無回答」が15.8%でした。1件のコメントがありました。
13.【就労移行支援】
工賃等の支払いのしくみは、わかりやすく説明されているか
「はい」が47.4%、「どちらともいえない」が26.3%で、「無回答」が26.3%でした。肯定的なコメントが1件ありました。
18.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか
「はい」が94.7%で「どちらともいえない」が5.3%でした。肯定的なコメントが1件ありました。
19.職員の接遇・態度は適切か
「はい」が78.9%で「どちらともいえない」が21.1%でした。1件の具体的なコメントが寄せられました。
20.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
「はい」が73.7%、「どちらともいえない」が5.3%、「いいえ」が5.3%で「「無回答」が15.8%でした。肯定的なコメントが1件ありました。
21.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
「はい」が78.9%、「どちらともいえない」が10.5%で、「いいえ」と「無回答」が5.3%でした。はい、というコメントがありました。
22.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか
「はい」が84.2%で「どちらともいえない」が15.8%でした。わからない旨のコメントが1件ありました。
23.利用者のプライバシーは守られているか
「はい」が94.7%で、「どちらともいえない」が5.3%でした。はい、とのコメントが1件ありました。
24.個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか
「はい」が68.4%、「どちらともいえない」が26.3%で、「いいえ」が5.3%でした。1件のコメントが寄せられました。
25.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
「はい」が78.9%、「どちらともいえない」が15.8%で、「いいえ」が5.3%でした。理解できるが内容には疑問がある旨のコメントがありました。
26.利用者の不満や要望は対応されているか
「はい」が84.2%、「どちらともいえない」が5.3%で、「いいえ」が10.5%でした。受けている支援に疑問のコメントが1件ありました。
27.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
「はい」が57.9%、「どちらともいえない」が21.1%で、「いいえ」と「「無回答」が10.5%でした。3件のコメントが寄せられました。
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
福祉業界の動向は区から、地域の福祉情報はネットワーク連絡会より収集しています
当施設を体験した人から訓練内容のアンケートを収集し、施設の利用者からは毎週の個別相談会を通じて要望、意見等を聴取しています。職員には朝礼や終礼を通じて要望や、問題点等を聴取し、当日解決出来る事はその場で対応し、更に月に1回開かれる職員会議でも要望等は聴取しています。年間4~5回開催される「東京都障害者職業センター」の研修には職員は必ず出席し、研修報告書は職員全員に回覧しています。地域の福祉の現状や当施設の予算進捗状況は毎月の区主催のネットワーク連絡会で情報収集しています。
「働く障害のある方を応援します」を基本理念として実践的な計画を策定しています
3年単位の区の中期計画があり、施設の単年度計画については毎年8月の区の予算要求の際に次年度計画を職員全員で策定する事になっています。管理者を中心に前年度の事業総括を基に新たな事業計画を職員全員で原案を策定し、原案をセンター長の承認を受けて職員に職員会議で周知しています。事業計画には、事業方針と具体的な事業内容があり、日々の予定及び週間予定、年間スケジュールも立て、利用定員も設け、職業訓練及び就労支援等の施策を3か月毎に見直し、利用者の早期就労を図る支援を行っています。
事業内容を明確かつ詳細に記述して関係者に伝えています
事業計画書には実施日及び実施時間を以下の様に明記しています。「実施日は月曜から金曜の午前9時から午後5時までとし、利用者の希望に応じ実際の職場を意識した職業訓練を実施する」その内容は利用者の障害特性、健康状態に配慮し、就労に向けて無理なく適応出来る訓練を提供しています。又企業等での職場実習や委託訓練等の外部訓練を積極的に導入し、利用者の早期就労を図っています。就職準備支援は履歴書や職務経歴書の書き方の支援、模擬面接の実施を行っており、職場定着支援は6か月を目途に、ジョブコーチの活用等の支援を実施しています。
1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
- 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
- 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
- 事業所の経営状況を把握・検討している
- 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
- 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
- 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
- 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理を大切にしています
区の専門家が講師を務める、1年に数回行われる人権擁護を主とした研修に、必ず全職員が参加出来る様にしています。参加出来なかった職員には研修報告書を回覧して押印するようになっています。事業所の実施要項には、利用者に対して公平・平等を旨として基本的人権を尊重した支援を行い、日常の支援においては利用者の権利を擁護する立場を常に心がける事をモットーとして揚げられています。更に、緊急事態で止むを得ない場合を除き、利用者に対する身体拘束による苦痛を与えない事を原則としています。
利用者の権利擁護に対してはあらゆる情報を収集し、敏感に対応しています
利用者の意向は多い時には週に1回開催している個人面談において把握し、対応策を職員と利用者の間で考え実行しています。男女各1名の職員を苦情担当者に任命し、利用者に伝えています。又、事業所内に苦情解決の相談窓口として、区の第三者委員の氏名と連絡先、更に施設の相談窓口の責任者として総合相談室のセンター長を指定して、その体制表を施設内の全員が目のつく所に掲示しています。区の虐待防止チェックリスト、マナーアップレポートに基き、職員各自が利用者の権利擁護を図っています。
施設の情報誌「ゆめたまご通信」を年に2回発行しています
「はたらく障害のある方を応援します」のキャッチフレーズのもとに「ゆめたまご通信」を年2回を目途に発行して、地域の町内会、他区の担当課や利用者が過去に就職した企業等を中心に配布しています。過去9年間発行しており、障害者就労支援活動の地域への広報活動を担うと同時に、利用者の就職支援にも大いに役立っています。又、年に2回近隣区(江東、江戸川)の就労支援施設の担当者及び区内の他の就労支援施設担当者と区の担当者が2階の「あったまろんホール」に参り、地域ネットワーク連絡会を開催し、情報交換を行っています。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
- 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
- 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
- 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
- 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
- ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
- 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
- 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
関連施設と共にリスクマネジメントに取り組んでいます
リスクマネジメントとして法令を遵守し、危機管理マニュアルの整備、研修等の実施により、平常時のリスク保全、緊急時の対処に対する意識を高める事に努め、危機管理の充実を図っています。区の策定した管理マニュアルに則り、インフルエンザ、ノロウイルス等については事業所独自の感染症マニュアルを策定してます、新型コロナウイルス対策は国のマニュアルで実施しています。火災、地震、洪水等の危機対策は施設がある「すみだ支援センター」の対応策を用いて、利用者・職員に周知しています。
利用者の個人情報は適正な方法で取得し、保管しています
利用者の個人情報は利用の目的範囲内で使用し、事前に本人の同意を得ずに第三者への提供を行わない事を基本原則としています。利用者との契約書や重要事項説明書は鍵のかかる保管場所で管理しており、鍵は管理者が保管しています。情報セキュリティー研修は職員は入職時に全員受け、情報セキュリティーテストを行い合格点を得る様に指導しています。又、BCPは施設独自のものは策定していませんが、施設のある就労支援総合センターが策定しているBCPを活用しています。
情報の重要性や機密性を守るための対策と規程を設けています
施設における情報の収集、利用、保管、廃棄の各方法については規程、ルールを定めています。職員が理解し、遵守するための取り組みとして、入職時には各自から個人情報保護に関しての誓約書へのサインを求めており、利用者からは契約時に誓約書を貰っています。特に利用者のセンシティブな個人情報は特別厳しく運用しています。センシティブな情報について施設は厳格に対応しており、開示は利用者の応諾を得ながら注意深く対応してます。又契約書の他に日常のケース記録も鍵の掛かる場所に保管しています。
1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
- 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
- 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
- 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
- リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
- 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
- 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
- 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
- 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
- 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
自己研鑽意欲の高い職員構成で利用者支援に当たっています
障害者の就労移行支援に当たってはいくつかの専門的な知識と経験が求められます。当施設は9名の職員で運営されていますが、社会福祉士、精神保健福祉士、手話通訳士、ジョブコーチ、キャリアコンサルタントなど、様々な資格保有者が利用者支援に当たっています。障害者が一般社会、企業で就労する際に受ける様々な困難や障壁を理解して、「障害者の地域での受け皿」としての大きな使命感とプレッシャーを背負って業務に当たっています。自己研鑽意欲の高い職員構成が当施設の特徴です。
職員の個別育成計画の策定と運用が望まれます
経験豊富な専門性の高い職員が質の高いサービスを提供しており、定着率の高い企業とのマッチングが当施設の強みです。職員には希望する外部研修に参加できるよう計らってきましたが、今年度は多くの研修が中止もしくは縮小に追い込まれました。一部職員は、例えば超短時間雇用に関する研修にオンラインで参加しましたが、ほとんどの職員は希望研修に参加できていません。職員各人の個別の研修計画は策定されていませんが、来年度以降を見据えて個人別の育成計画の策定と運用が望まれます。
長期的な人手不足が継続する中、人材募集への一層の工夫を期待します
人材採用は法人本部で行っていますが、募集や面接には施設が大きく関わっています。社会福祉士や精神保健福祉士などの国家資格を有する専門職員が主要メンバーですが、募集条件にこれら資格要件をつけると殆ど応募がないのが実情です。従って現在は有資格者では募集せず、社会人経験のある人を募集するようになりました。就労移行支援という特殊な業務であるがゆえに社会経験のある人の方が利用者に良い支援ができると考えての事です。今後も人材募集に様々な工夫を期待します。
1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
- 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
- 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
- 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
- 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
- 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
- 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
- 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
- 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
公設民営の施設であり、民間の事業所のように売り上げに追われることのないメリットを感じる一方で数字やコストに対する職員の意識が弱くなりがちになってしまうことが課題でした。これが業務への緊張感や時間配分などへも影響が出ていると感じられたため、良い意味での「経営感覚」を職員に意識付けてもらう目的もあり、安定的な利用者数の維持と年間の就労者数20名を期初の目標に掲げました。利用者の安定確保を図るための取り組みとして、区の担当課と保健センターへ定期的に利用者の状況と施設の空き状況を報告する事としました。利用者の訓練状況や就職活動の様子が行政側にも把握できるというメリットが生じるだけでなく、空き状況を報告することによって新しい利用者の確保につなげることにも取り組みました。施設見学者への対応にも工夫を加え、利用体験者にはアンケート調査を実施して改善点に反映させる取り組みも行いました。結果として目標達成には至りませんでしたが、年明けから利用者数に増加が見られ、取り組みの成果が表れていると実感できています。今年度も引き続き新規就労者20名を目標と定めました。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
当施設は2012年に開設された、行政の持つ総合コーディネート力やネットワーク力と、民間法人の持つ専門性や機動力を併せ持つ障害者総合支援施設で、東京都内では初めてであり全国的にも珍しいスタイルで運営されています。内、就労移行支援施設は区から委託管理を受けた民間法人の運営となっていますが、公設民営ゆえの売上に対する職員の意識付けに取り組む必要性を経営層は感じていました。年間20名の新規就労者確保と、それを補充する新規利用者確保を目標に掲げて取り組みましたが、結果は就労者数、利用者数ともに残念ながら目標値には届きませんでした。新規利用者確保数の低迷が就労者数の低迷につながった一因ですが、下期に入り利用者数の増加が順調に進み、ほぼ定員の20名に達することが出来ました。今後も数値目標を設定して就労希望の障害者支援に努めていくことになります。
2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
2016年度から利用者の在宅訓練を開始し、在宅就労の促進に取り組んでいますが、区内在住の障害者で在宅就労の希望者の発掘が困難な状況が続いています。ハローワークや医療機関、特別支援学校、相談支援事業所等への周知を通じて潜在的なニーズのあることは感じているものの、顕在化しない現状がありました。昨年度も引き続き在宅訓練の実施と在宅就労の実現を目標に定めて取り組みました。在宅就労の専門家による講演会を企画して企業や関係機関に案内したところ、予想を上回る申し込みがあり関心の高さを伺わせました。都内で在宅訓練を実施している施設は当施設を含め数えるほどしかありません。様々な取り組みを通じて問合せはありましたが、残念ながら利用につながる件はありませんでした。2名いた在宅訓練者が就職や体調不良により最終的にゼロになりましたが、パソコンを使えない利用者のための在宅訓練メニューも準備して、次年度以降も取り組んでいく予定です。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
さまざまな障壁がある障害の就労について、情報通信技術の発達や東日本大震災を機とした企業の業務一極集中から地方分散、在宅就労移行支援事業制度の復活などは、在宅就労の機会の拡大につながるものであり、「自宅で働く」という時流に沿った新たな働き方になりつつあります。当施設では在宅就労に向けた在宅訓練を2016年度から利用者の自宅で開始しました。都内での初めての取り組みであり、苦労を重ねながら在宅利用者数を3名程度に目標設定して取り組んできましたが、結果としては2名いた利用者がゼロになり、数字的には振り出しに戻った状態です。新しい就業チャンスを障害者に提供するフロンティアであり、今年度はPCを使えない利用者にPCを貸し出しての在宅訓練メニューも準備してこのプロジェクトに挑戦していく予定です。
サービス分析結果
【講評】
閲覧する利用者の特性に配慮して、ホームページ、パンフレットで情報を提供しています
サービス情報は、利用希望者や家族等の特性に配慮して、文字にルビをふったり、写真を用いたりして、表記した内容ができるだけ分かり易いものになるよう努めています。施設のホームページでは、就労移行支援や生活支援の種類や、行う作業等の日々の出来事を毎月の予定表に列記し、その都度更新して一目でその月の予定が分かり易いものになっています。タイムリーな情報提供が様々な特性を持った利用者や家族に役立てられています。
提供する情報は表示や内容を分かり易くして、行政や関係機関に提供されています
施設は、「総合相談室」、「生活支援」、「就労移行支援」、聴覚障害者生活支援としての「手話通訳等派遣事業所」の4つの分野に分けられていて、地域の障害者を支援する「すみだ障害者総合福祉センター」内に置かれています。各分野は青、黄色、ピンク等色分けした表示がされていて、それぞれの支援についてのパンフレットが用意されています。また、事業所の情報は、区役所、ハローワーク、区の関係機関、特別支援学校などにも提供されています。
利用希望者等の見学や問い合わせには柔軟かつ迅速に対応しています
施設の情報はできる限りオープンにして、見学希望者がいつでも気軽に来所出来るように努めています。そして、利用希望者の要望には、できるだけ対応出来るよう心掛けています。また、見学後に希望があれば、速やかに体験利用に繋がるような体制が整えられています。1階にある区の「総合相談室」にも見学や問い合わせが寄せられるので、連携を強化して利用者の個別状況に応じた対応ができるように努めています。今年度に限っては、新型コロナウイルス対策のため、見学者の受入れは感染対策等条件付きで実施しています。
1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
- 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
- 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
サービス開始前に体験通所を行い、利用者の就労の意思の確認をしています
利用開始前に2週間の体験通所を実施して、体験での振り返りをする中で利用者の希望や意向を把握し、利用者の就労への意思確認を行っています。その後、基本的ルール、重要事項説明書などを利用者の特性や状況に応じて説明し、サービス計画書に利用者や家族等の意向や要望を確認して記載しています。その後、愛の手帳、身体者手帳、精神保護福祉手帳などの確認の認定調査、受給者証発行、保険加入手続き等を経て、就労支援に繋げています。
利用開始直後の不安やストレス軽減に努めています
利用者の支援に当たっては、必要な個別情報や要望、課題等はフェイスシートに記録され、それぞれの利用者の個別事情の把握にも取り組んでいます。月に1回は利用者との面談の機会を持ち、利用者の声を聴くことで不安やストレスの軽減に役立てています。そして、サービス開始前の利用者の生活状況を踏まえた、きめ細かな支援を心掛け、利用日数や利用時間の調整等柔軟な対応をしています。
サービスの終了時には十分な説明をして支援の継続性に配慮しています
サービスの終了時には、利用者の環境の変化に配慮して不安を軽減し、支援の継続性に配慮して、ほかの福祉サービスへの移行に繋げるよう努めています。就労を目指す事業所として、新規就労者20名を目標としています。そして、利用者の一般企業への就職や在宅就労、起業に向けた職業訓練及び就労支援を実施して利用者の社会的、経済的自立を目指して取組んでいます。
1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
- サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
- サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
- サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
- サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
利用者の課題を明示し個別状況に対応した支援計画書が策定されています
個別計画策定の前段階としてフェイスシートで利用者の心身状況や家族構成、既往症等の情報を記録して、職員間での共有が図られています。利用者の希望や家族の要望等は、アセスメントシートを作成してきめ細かく情報収集に努めています。そして、「やりたいこと」と「できること」を詳細に把握した上で個別支援計画を策定して職員間での情報共有を図るとともに、個別支援計画は、3カ月に一度の見直しがなされ、利用者の要望や訓練の結果が適宜計画に反映されるよう努めています。
利用者一人ひとりの情報が記録され、変化にも適切に対応出来る体制があります
利用者一人ひとりの必要な情報や希望を尊重して、定期的なモニタリングや振り返りを実施することで利用者が主体的に取り組むことができる仕組みが出来ています。評価ツールを用いた客観的データに基づく記録がなされていて、利用者が目標を掲げ易く、到達点も分かり易いように工夫が凝らされています。このように利用者の希望、状況、経緯に即し、実際の職場を意識した職業訓練が実施され、適切な職業能力評価に基づく就労支援に取り組んでいます。
利用者の状況に関する情報の共有化が図られています
個別支援計画、ケース記録等は、PCに入力され職員間で共有や回覧が随時出来る仕組みが整えられています。また、日々の終礼でも情報を共有し、話し合いや意見を求める内容については、ミーティングや会議等で時間をかけて検討が加えられています。利用者に変化があった場合にも、申し送りや引き継ぎなどにより職員間での情報共有を図ることで、迅速かつ柔軟に対応できる体制が整えられています。
1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
- 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の支援計画を作成している
- 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
- 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
- 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
- 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.個別の支援計画等に基づいて、利用者の望む自立した生活を送れるよう支援を行っている
- 個別の支援計画に基づいて支援を行っている
- 利用者一人ひとりに合わせて、コミュニケーションのとり方を工夫している
- 自立した生活を送るために、利用者一人ひとりが必要とする情報を、提供している
- 周囲の人との関係づくりについての支援を行っている
【講評】
利用者の意向を踏まえ個別支援計画を作成し、計画に沿った支援を行っています
日頃から、個別の面談機会を多く取り十分な意思疎通を図るように取り組んでいます。日常の活動内において様々な面談の機会を組み込み、意向を確認しています。個別支援計画の作成に当たっては担当職員が素案を作成し、更に職員全体の会議で他の職員からの意見も取り入れています。最終チェックをサービス管理責任者が行い、利用者に関わる全職員で作成されます。計画書の各課題について、本人の役割とそれを達成する為の支援内容がそれぞれ具体的に分かり易く記載され、計画書に沿ったきめ細かいサービスが提供されています。
障害特性を踏まえ、自立した生活を送る為に必要な情報提供と支援を行っています
障害種別の他、利用者一人ひとりの特性を職員間で情報共有し、同じ方向性を持った声掛けや支援提供を行っています。訓練で行う作業工程の指示書についても、文章での説明に加え図や標語を取り入れたり、あらかじめ実物の見本を用意する等して理解しやすいように工夫をしています。また、各関係機関との連携を密に取りながら、利用者それぞれに応じて情報を提供する他、障害年金や生活保護申請、ハローワーク登録手続き等必要な場合は職員が同行しています。
職場を意識した円滑なコミュニケーションの取り方を訓練に取り入れています
毎週各種スキルトレーニングの時間を設け、円滑なコミュニケーションを図る事ができるよう大切な訓練の一つとして組み込んでいます。また、プレワークでは就職後を想定した場面設定をして、ロールプレイでこんな時はどうしたら良いのか、実践を交えたセミナー形式の訓練を取り入れています。就職してからも困らないように、職場における様々な場面を設定した訓練を通して、人との距離の取り方も学べるようにしています。セミナーのテーマや内容は、セミナー担当の職員が参加利用者の特性や状況を加味し、理解度の違いにも配慮しながら設定しています。
2.利用者が主体性を持って、充実した時間を過ごせる場になるような取り組みを行っている
- 利用者一人ひとりの意向をもとに、その人らしさが発揮できる場を用意している
- 事業所内のきまりごとについては、利用者等の意向を反映させて作成・見直しをしている
- 室内は、採光、換気、清潔性等に配慮して、過ごしやすい環境となるようにしている
- 【食事の提供を行っている事業所のみ】
利用者の希望を反映し、食事時間が楽しいひとときになるよう工夫している
【講評】
全利用者が、主体性を持って充実した時間を過ごす事が出来るよう工夫しています
利用者には、一人一つ以上の係の仕事を担当してもらい責任感や、やりがいを感じられるようにしています。仕事の内容は、それぞれの課題や将来の業務に合わせて弁当の注文や、花壇の手入れ、用紙の補充等を用意しています。また、各自で訓練日誌をつけ朝礼で自ら設定した目標を発表する事で、目的意識やモチベーションの維持を図っています。終礼ではその日の振り返りを行い、一日の過ごし方を意識できるようにしています。週末には担当職員との面談の時間を設け、目標の達成度を確認して次週の目標設定をしています。
利用者の意向を反映させたルールを設けています
施設でのきまりについては、「ゆめたまごすみだのルール」として設け皆でルールの確認をしています。休憩時間の過ごし方について、利用者の一言がきっかけとなり職員間のミーティングで情報共有した後に生まれたルールもあり、皆が気持ちよく過ごす事が出来るように考えられています。意志表現が難しい利用者には、こまめに確認する機会を設けたり、言葉が難しい利用者には「はい」「いいえ」で答えられる質問形式にする等の工夫もしています。また必要に応じて連絡帳を活用し、家族との連携を密に取り協力を仰ぎ意向確認を行います。
清潔で、気持ちよく過ごす事が出来る環境を整えています
施設の日常清掃は、専門業者に委託して行う他、清掃の仕事の訓練の一環として週2回は担当する利用者が行っています。ウイルス対策にも配慮し、係の仕事としてこまめに換気を行うと共に、各フロアには空気清浄機を設置しています。室内は、車椅子を使用する利用者にとっても十分なスペースを確保し、各フロアにバリアフリーのトイレも完備しています。訓練スペースは、商業系・事務系訓練と技術系訓練をそれぞれ2フロアに分けて作業環境を整えています。それぞれの目標に向かって快適な環境で訓練が行われています。
3.利用者が健康を維持できるよう支援を行っている
- 利用者の健康状態に注意するとともに、利用者の相談に応じている
- 健康状態についての情報を、必要に応じて家族や医療機関等から得ている
- 通院、服薬、バランスの良い食事の摂取等についての助言や支援を行っている
- 利用者の体調変化(発作等の急変を含む)に速やかに対応できる体制を整えている
- 【利用者の薬を預ることのある事業所のみ】
服薬の誤りがないようチェック体制を整えている
【講評】
健康診断の実施、嘱託医による定期的な健康相談を行っています
嘱託医は、内科と精神科医がそれぞれ1名ずつの配置で毎月来所し、希望者を対象に健康相談を行っています。健康相談の内容は都度、医師が記載した記録用紙をファイリングして、職員間や家族とも情報共有しています。また利用者全員を対象として年に一度、区民検診と同じ内容の健康診断を行っています。職員が同行し、公共の交通機関を使い医療機関に出向いて4月と9月のいずれかで受けています。結果は嘱託医にも見てもらい、必要な指導や助言を行う他、問題があれば家族と連携しながら二次検診等を勧めています。
セミナーを通して、利用者自身が健康管理を意識できるように努めています
季節ごとの健康管理方法について、セミナー形式で利用者に伝えながら注意喚起を行っています。1回の開催で10名程度の参加があり、冬場のインフルエンザやノロウイルス、夏場には食中毒に関する内容ですぐに役立つ対策や情報を提供しています。今年度は、流行中の新型コロナウイルスに関する内容も取り入れ、その時々に応じたセミナーを行っています。施設での食事提供は行っていませんが、今後は栄養バランスや食事の大切さに関するセミナーも取り入れたいと考えています。
体調変化や緊急時に備えた体制を整え、必要に応じた通院同行を行っています
施設内に健康管理室を備えており、嘱託医来所の際の面談室として使用する他、折り畳み式ベッドの設置もあり簡単な処置は対応可能となっています。緊急時には、利用者のフェイスシートと利用者名簿一覧に記載された情報を基にマニュアルに沿った対応ができるよう体制を整えています。また、就労の際に医師の意見書が必要となることが多く、その際には同居家族の有無に関わらず必要があれば職員が通院の同行を行っています。
4.利用者の意向を尊重しつつ、個別状況に応じて家族等と協力して利用者の支援を行っている
- 家族等との協力については、利用者本人の意向を尊重した対応をしている
- 必要に応じて、利用者の日常の様子や施設の現況等を、家族等に知らせている
- 必要に応じて家族等から利用者・家族についての情報を得て、利用者への支援に活かしている
【講評】
利用者の意向を大切にしながら、家族の協力を得ています
利用者の意向については、施設でのプログラムの中で複数の面談機会を設け、把握に努めています。その上で、家族への協力も積極的にお願いしています。例えば施設での声掛けと家庭内での声掛けを統一する事で、利用者がより意識してその事柄に対して向き合う事ができる場合もあり、家族との連携も大切にしています。家族と疎遠であったり、家族の介入を希望しない利用者に対する支援については、担当職員と利用者共に負担が大きくなることを課題としており、活用できる社会資源や相談機関を探す等して支援の在り方を模索しています。
必要に応じた家族連絡や、希望制による家族面談を行っています
日常の様子や、通所に関係する連絡事項の大半は連絡帳でのやり取りで対応しており、全体の約2割の利用者が連絡帳を使用しています。連絡帳でのやり取りは、基本的には担当職員と家族間で行われますが、内容によっては朝夕の職員ミーティングで周知し、全職員で情報共有し対応しています。急ぎの場合や、内容によっては電話連絡を行う他、家族からの希望があった際には事前予約による家族面談も可能としており、柔軟な対応を行っています。
家族や関係機関の担当者と連携し、利用者支援に活かしています
家族以外にも、利用者一人ひとりの各関係機関担当者とも連携し、利用者支援に取り組んでいます。知的障害者と身体障害者を担当する区の職員や精神障害者を担当する保健センターの担当保健師、相談支援事業所の担当職員をはじめ、利用者を取り巻く様々な関係機関と連絡調整を行いながら必要な情報を共有しています。同居家族のいない独居の利用者も全体の1割程度平均して在籍しており、ケースカンファレンスへも可能な限り出席して情報共有に努め、利用者の支援に活かしています。
5.利用者が地域社会の一員として生活するための支援を行っている
- 利用者が地域の情報を得られるよう支援を行っている
- 利用者が地域の資源を利用し、多様な社会参加ができるよう支援を行っている
【講評】
近隣地域の社会資源の紹介や施設の利用方法等をプログラムに取り入れています
月間スケジュールの中で、プレワークの時間を使って地域の社会資源を紹介したり、施設の利用方法等を詳しく説明する場を設けています。他の民間施設が近隣にも多数開設されており、利用者の希望により適したサービス事業者を選択できるよう、新しい社会資源として紹介しています。希望者には職員が個別に同行し、施設見学を行っています。また、区役所の仕組みや地域の防災に関する事、近隣の医療機関等、身近な生活情報を提供しています。今後はこうした情報をより分かり易く活用できるよう、資源マップやリストの作成を検討しています。
イベントを通して地域交流や、障害者雇用に関する情報を発信しています
年に一度、近隣の区立施設と合同で地域交流と施設や障害者、障害者雇用に関する理解を目的とした「みどりピアまつり」を開催しています。利用者もスタッフの一員としてイベントに参加して近隣の人との交流を図っています。また、単独で行う「就労支援フェア」では、区役所内の一角を借りて施設での活動内容を展示したパネル展で開催しています。その他、区報に施設の情報を載せたり、企業へのアピールも積極的に行って、障害者への理解や障害者の就労に関する理解を深めてもらえるよう、情報発信を行っています。
障害者に関する複合施設の利点を活かした情報の共有と提供を行っています
施設には、障害者就労支援を行う総合相談室、生活支援、就労移行支援の3つの事業所と、手話通訳等派遣事務所が併設されています。障害者の就労についての相談から、就労前の訓練、就労後の支援までを同じ施設内で受けられます。就労後は、就労移行支援事業所での情報を生活支援事業所に切り替えて情報提供し、切れ目のない支援を行っています。
10.【就労移行支援】就労に向けて、必要な知識の習得や能力向上のための訓練等の支援を行っている
- 利用者が働く意欲を持てるような取り組みを行っている
- サービス期間内に就労に結びつくことができるよう工夫している
- 生活リズムや社会人としてのマナーの習得等の就労に向けた支援を行っている
- 就労に向けた職場見学や実習等、実際に職場にふれる機会をとりいれた支援を行っている
- 就労支援機関と密接な連携をとり、利用者が力を発揮できる就労先に結びつくよう支援を行っている
- 就労後も利用者一人ひとりに応じて職場定着等の支援を行っている
【講評】
目標設定を明確にして、モチベーションを上げる工夫をしています
利用者はそれぞれ「週間行動目標・振り返りシート」を活用して、週の終わりに翌週の目標設定と1週間の振り返りを行います。シートに記入し、担当職員との面談を通して確認しています。シートには具体的な振り返りができるよう、目標設定の理由や達成するために工夫した点は何か、等質問に答える形式となっています。このシートを基に担当職員と面談を行い、1週間の振り返りを行った上で次週の目標設定をしています。シートには、職員のコメント欄も設けて客観的な振り返りを行うことでモチベーションアップを目指しています。
社会人としてのマナーや職場を意識した支援を取り入れています
就労して環境が変わってもスムーズに移行する事ができるように、訓練の場を「職場」と意識するように支援しています。服装や言葉遣い、欠席の連絡等についても職場で必要とされる行動を促しています。また、SST(ソーシャルスキルトレーニング)やビジネスマナー、プレワーク等でのセミナーを実施しています。プレワークでは、アドバイザーとして企業の方を招き、面接場面を設定したセミナーを行い、面接官側の意見を直接受ける機会も設けています。就労した方々との交流も多く、実際の職場での体験談を聞く機会にもなっています。
職場見学や実習、在宅就労の訓練も取り入れています
職場見学は、希望する勤務条件の中から利用者の意向に沿った職場を絞って行っています。職場実習に関しても情報提供や同行を行って支援しています。また、多様な働き方についても情報を収集し、在宅就労にも対応した訓練も取り入れています。在宅就労特有のコミュニケーションが必要となる為、コミュニケーションスキルの向上にも繋がっています。現在、3名の利用者が登録しており、パソコンの貸し出しを行いウェブツールを使って在宅での訓練のみ、または通所を交えた訓練に参加し、様々な就労形態に対応した訓練を行っています。
【講評】
利用者の個人情報の取り扱いに配慮し同意を得ています
利用者の個人情報に関しては、施錠できる場所に保管され、毎日の施錠が徹底されています。また、外部への持ち出しも原則厳禁とされています。個人の所有物や個人あて文書の取り扱い等日常の支援の中でも利用者のプライバシー保護と利用者の希望を尊重した支援が行われています。PCなどについても職員が利用する個人情報をメール等で送る際はパスワードが設定され外部への漏れがないよう配慮がなされています。
利用者の羞恥心に配慮した支援が行われています
男女別に個人ロッカーが設置されています。更衣室、トイレには「必ずノックをしてから開けるように」という掲示が扉にされていて、羞恥心にも配慮していることが窺えます。また、就労訓練の中での集団面接の練習の時にも、利用者の意思を尊重して出来る限り無理強いしないよう努めています。そして、どんなん些細なことでも気軽に相談出来るよう、個別活動の時間を多く設けるような取り組みが行われています。
利用者が「ノー」と言える機会を設け、個人の意思を尊重しています
サービスの実施にあたり、利用者の意思を尊重して利用者が「ノ―」と言える機会を設けています。毎月1回の個人面談の機会を設け、利用者の意向や意思確認がなされています。そして、利用者の気持ちを傷つけるような言動や虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動や態度を振り返り、組織的に取り組んでいます。虐待防止チェックリストなども用意されています。年に数回の外部研修への参加等にも取り組んでいます。
1.利用者のプライバシー保護を徹底している
- 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
- 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
- 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
- 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
- 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
職員の担当分野別の手順に沿った支援をしています
職業訓練は、利用者の希望、障害特性、健康状態等を詳細に把握したうえで、就労に向けて無理なく適応できる訓練を提供しています。具体的には、パソコン操作訓練(ワード、エクセル、タイピング等)、データ入力、事務補助、清掃、花壇手入れ、接客、幕張サンプル等があり、それぞれに職員の担当分野が決められていて、スムーズに業務の遂行が出来るよう各職種ごとに手引書が用意されていて、それに基づいた支援が行われています。
提示しているサービスの基本事項は年度末に振り返りが行われています
施設が提供しているサービスには職業訓練及び就職支援等があります。これらは、アセスメントにより利用者のニーズや課題を把握し本人の意向を確認しながら個別支援計画に基づき職業訓練及び就職支援が行われています。個別支援計画は3カ月毎にあるいは目標や目的が変わる毎に見直しが行われていますが、これらの総まとめとして年度末に振り返りの会議を行い、新年度への準備会議で改変・見直しが行われています。
職員や利用者の意見・要望を反映した業務の標準化に取り組んでいます
職員からの意見等は月1回のセンター内連絡会議やセンター内各種部会等を通して聴く機会が設けられています。また、利用者からの希望や要望は毎月の個人面談や3ヵ月に一回の支援計画の見直しの際に把握しています。そして、これらを基により良いサービスの提供に努め、業務の標準化に取り組んでいます。また、職員の自己研鑽を図る職員研修として、実施事業に必要な研修等を履修するとともに、障害者就労に関する支援を行う職員としての資質・能力向上のための研修が行われています。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうかを定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている
事業者のコメント
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評価情報
【評価機関名】
【評価実施期間】
2020年6月25日~2021年1月25日
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【講評】
障害者自らが希望する職に就き働き続けられるよう支援する体制作りを目指しています
当施設のある就労支援総合センターには、障害者就労支援に関する「総合相談室」と「就労障害者生活支援」とが同居しています。施設の目指している事は3年計画で区担当部署より理念、ビジョン、基本方針などが示され、それに基づいて、年度毎に「就労移行支援事業」の事業計画の内容を全員で議論し、完成したものを事業所の基本計画としています。更に、利用者に対しては契約時に契約書の中にある重要事項説明書で理念、方針や事業内容を具体的に説明しています。
区より示される理念、役割は年度事業計画として職員に伝えています
施設管理者は、職員全員の定着支援等の運営項目、定着支援のサービス項目、訓練項目等の役割分担表を作成し、全員が何らかの役割を担う割り振りを行っています。サブの担当者も割り振りますが、職員会議で全職員で討議、決定し、全員が納得する形になっています。日々の管理はスケジュールボードで各職員の役割を明記し、把握しています。施設の管理者は日報で各職員の動きを管理し、指導も行います。日報は区の職員である「就労支援総合センター」のセンター長に報告され区の指示も仰いでいます。
重要な案件は区より事業所の管理者に示され、管理者から職員に示されています
業務委託されている事業の重要な案件は区担当課より総合相談室のセンター長に示され、センター長より施設の管理者に示されます。センター長から通知文書が配布され、管理者は職員にも回覧しています。行政からの通知等は紙ベースで行われますが、パソコンでも見る事は可能となっています。法人本部からは経費等の経営に関する事や、就労に関する情報等が示され、指示があります。又、利用者・保護者に対しての新型コロナウイルス感染防止対応等の重要な案件は、施設からの「お便り」として文書で示しています。