評価結果

標準の評価

基本情報

【事業所名称】

カントリービラ青梅

【サービス種別】

指定介護老人福祉施設【特別養護老人ホーム】

事業者の理念・方針・期待する職員像

事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)

1)その方の人生の結実の時期を誇りを持ってお過ごし頂くため、傍らで見守り、耳を傾け、出来るだけお客様の心情に近いところから必要な手を差し伸べ続けさせて頂くこと
2)この私達に「これから」のお手伝いを委ねて下さったお客様に応えるため、持てる知識、技術、そしてチームワークの全てを尽くすこと。
3)介護給付費収入の最大化をはかり、経営の安定性を確保する。
4)職員の労働環境、スキルアップ、納得できる評価を含め重層的な処遇改善をはかり、職務へのモチベーション向上を促す。
5)地域住民による「支えあい社会」づくりの働きかけを進める。

職員に求めている人材像や役割

(人材)・目の前の課題から目をそらせず、出来る努力を注ぐことが出来る人。・聴く力のある人
(役割)・その方の人生の結実の時期を誇りを持ってお過ごし頂くため、傍らで見守り、耳を傾け、出来るだけお客様の心情に近いところから必要な手を差し伸べ続けること。

職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

今回提唱した「プライド113」をやり切ってほしい。

全体の評価講評

特によいと思う点

事業所の大規模改修は一昨年より計画的に行われており、看取り対応室の設置のほか、老朽化した設備(入浴設備や厨房設備、洗濯設備、昇降機、介護用リフト等)の更新を行った。さらにICT補助金を活用し離床センサーの導入や介護システムの刷新を行っている。結果サービスの質の向上や業務省力化、労働環境の改善につながっている。

社会福祉充実計画を通して地域社会の様々な個人や団体との接点ができ、地域社会の課題やニーズの収集ができたことは評価できる。今後は社会福祉充実計画を継続的なものとするよう更なるボランティアの拡大も視野に入れていくとしているので、今後の継続的な取り組みにも期待したい。

設備更新により、温冷配膳車やテーブルが新たに導入され食堂のイメージがより明るい雰囲気になった。天井や壁面に職員手作りの季節の飾りを施したり、テーブルに折り紙で南欧風の飾りをつけるなど、楽しさも演出している。食形態についても常食・きざみ食・極きざみ食・ペースト・ソフト食がそれぞれ食べやすい味付けと食感に調整されており、配慮が見られる。当日のメニューは食事前に館内アナウンスされるが、利用者の状況に応じて介助者が個々にメニューの説明をすることで、食べる意欲の向上にも努めている。

さらなる改善が望まれる点

今年度の職員自己評価ではほとんどの項目でリーダー層が一般職員よりも肯定的な意見が多いにもかかわらず、職員と組織の能力向上の項目のやる気向上への取り組みについては、一般職員を下回る結果となっている。特に改善したいと思う点については、「職員個々のレベルアップ」や「職員のスキルの差を同じにしたい」との意見も上がり、職員の能力にバラつきがあることも伺える。今後は職員のモチベーションアップとスキルアップにつながる育成計画が課題と言えるだろう。

入所前に聞き取った内容は「入所前面接記録」に記録されているが、前回の第三者評価時において「入居前の記録が形式的」との課題はあったが未解決となっている。ケアプランを見ても本人や家族の希望、要望欄が薄く聞き取りや生活歴の確認が不十分であることが伺える。利用者の生活習慣を尊重し、継続的な支援を実施するためにも生活歴や利用者とその家族のニーズの把握に努めてほしい。

今年度の利用者調査において、健康状態を職員に気にかけてもらっているかを問う項目では、「はい」と回答した利用者が半数を切る結果となった。声掛けがないと回答した利用者も多く、声掛けしてくれる職員もいればそうでない人もいるとの意見もあった。新型コロナウィルスの影響で外出や面会が制限をされるなか、寂しい思いをしている利用者も多いと思われる。1日の中のわずかな時間でも、静かに向かい合い傾聴する時間などを設けてみてはどうだろうか

事業者が特に力を入れている取り組み

事業所は手づかずとなっていたキャリア段位制度の見直しを行った。事業所のキャリアパスにキャリア段位2①の113項目を組み込み評価項目とする「プライド113」を提唱し、113項目については確実に業務に反映させるよう求めていくこととしている。

本年度に全館大規模な改修が行われたことを機に、様々な改善が進んでいる。食堂は車いすで着席しやすい六角形のダイニングテーブルに一新され、雰囲気も明るくなる等、食事環境が改善された。職員が手作りしている季節のデコレーションも、明るく楽しく食事環境に一役買っている。温冷配膳車が導入され、温かいものは温かいまま、冷たいものは冷たいまま提供することが出来るようになっている。

看取りケアに関しては安定的に実施出来ているが、近年、看取り介護へのニーズが更に高まっており、新たに「看取り対応室」の新設を予定している。「看取りマニュアル」も整備されており、研修も実施されている。利用者の体調の急変に合わせて24時間オンコール体制が整えられ、担当看護師も配置されており、看取り体制が確立していると言える。また、デスカンファレンスを実施する等、利用者だけではなく家族にも寄り添う看取りケアを目ざしている。

利用者調査結果

調査概要

  • 調査対象:対象は全入所者。うち、体調不良、会話不能、拒否者を除く、31名からの聞き取りに成功した。70歳未満1人・70歳代10人・80歳代14人・90歳以上6人。生活年数は、1年未満4人・1~3年11人・3~5年8人・5年以上8人。
  • 調査方法:聞き取り方式  
    評価者3名が感染症対策を取り、対面調査に当たった。利用者ひとりと評価者ひとりのマンツーマンで設問を読み上げ、回答を聞き取る方法を取った。調査の場所は居室フロアとは違うフロアにある面会室で、1mの距離を取り、マスクとフェイスシールド着用で行った。
  • 有効回答者数/利用者総数:31/100(回答率 31.0% )

日常的に職員が健康について気にかけてくれているかを尋ねる問4は前回よりポイントが減少し、「はい」が半数を割り込む結果となったが、全体的には満足度が高い傾向が見られた。食事(問1)、日常生活(問3)、プライバシー(問10)について、過去データと比較すると、明確に右肩上がりに上昇しており、いずれも80%前後が「はい」と回答している。接遇マナー(問6)、トラブル対応(問8)については、「いいえ」が0件となった。
今回は感染症対策の観点から、極力生活スペースには入らないこととし、別フロアの面会室で調査を実施した。評価者はマスクとフェイスシールドを着用。利用者との距離は約1m開けた。例年は耳元で大声で話しかけていたが、今回の調査は距離があるうえに音を遮断する物が複数設置されている環境であったため、声が聞こえなかったり、集中力できないケースが多く、例年に比べ日常の様子を聞くことが困難を極めたことを付記する。

アンケート結果

1.食事の献立や食事介助など食事に満足しているか

はい 25名 (81%)
どちらともいえない 5名 (16%)
いいえ 1名 (3%)

8割の人が「はい」と回答し、おいしいと語った。「どちらともいえない」と回答した人は、こんなものだと諦めていると語った人たち。おいしくないと言った人は一人もいなかった。

2.日常生活で必要な介助を受けているか

はい 24名 (77%)
どちらともいえない 3名 (10%)
いいえ 4名 (13%)

約8割の人が「はい」と回答し、そのうち半数近い11人が入浴介助について言及していた。「いいえ」と回答した人たちは、自分で何でもできるから手を借りないと語った。

3.施設の生活はくつろげるか

はい 27名 (87%)
どちらともいえない 2名 (6%)
いいえ 2名 (6%)

9割近くが「はい」と回答。もっとも満足度が高い項目となった。

4.職員は日常的に、健康状態を気にかけているか

はい 15名 (48%)
どちらともいえない 7名 (23%)
いいえ 9名 (29%)

他の設問より「はい」と回答する人が少なく、「いいえ」と回答する人が多い傾向だった。「いいえ」と回答した人たちは、現在健康であるため特に気にかけてもらってはいないと感じているようだった。

5.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか

はい 27名 (87%)
どちらともいえない 4名 (13%)

9割近くが「はい」と回答。もっとも満足度が高い項目となった。否定的な意見はまったくなかった。

6.職員の接遇・態度は適切か

はい 19名 (61%)
どちらともいえない 10名 (32%)
いいえ 2名 (6%)

6割以上が「はい」と回答。過去データと比較すると、上昇傾向にある。「どちらともいえない」にカウントされているのは普通と答えた人たちである。不満のある人が2名いた。

7.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか

はい 21名 (68%)
どちらともいえない 7名 (23%)
いいえ 3名 (10%)

7割近くが「はい」と回答。そのなかには、自分のエピソードを語ってくれた人たちがいた。「どちらともいえない」と答えた人たちは、具合が悪くなったことがないので分からないと回答した人たちである。「いいえ」の人たちは、特にエピソードがあるわけではない様子だった。

8.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか

はい 20名 (65%)
どちらともいえない 11名 (35%)

6割以上が「はい」と回答。職員に止めに入ってもらったケースと事前に止めてもらったケースが含まれるが、ほとんどはトラブルを見たことはないもののきっと対応してくれると考える人たちである。「どちらともいえない」には、見たことがないので分からないと答えた人たちをカウントしている。

9.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか

はい 21名 (68%)
どちらともいえない 4名 (13%)
いいえ 6名 (19%)

7割近くが「はい」と回答。「いいえ」と答えた人たちは、漠然とであるが不満を感じていることを伝えてくれた。

10.利用者のプライバシーは守られているか

はい 23名 (74%)
どちらともいえない 7名 (23%)
いいえ 1名 (3%)

「はい」と回答した人も、「いいえ」「どちらともいえない」と回答した人も、特段エピソードはなかったが、ニュアンスがはっきりと肯定的な人を「はい」にカウントし、判断付きかねるとした人を「どちらともいえない」にカウントしている。

11.個別の計画作成時に、利用者や家族の状況や要望を聞かれているか

はい 1名 (3%)
どちらともいえない 16名 (52%)
いいえ 14名 (45%)

ケアプランについて記憶している人が1名にとどまった。

12.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか

はい 3名 (10%)
どちらともいえない 14名 (45%)
いいえ 14名 (45%)

「はい」と回答した人は3名いたものの、多くは「どちらともいえない」もしくは「わからない」との回答だった。

13.利用者の不満や要望は対応されているか

はい 17名 (55%)
どちらともいえない 12名 (39%)
いいえ 2名 (6%)

過半数が「はい」と回答した。職員に何かを頼んだことがあり、対応してもらったと答えたのが6名。残りは、頼んだらやってくれそうと回答した人たちである。「どちらともいえない」の数が4割弱ある理由は、頼んだことがないので分からないという人たちが多かったことである。

14.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか

はい 3名 (10%)
どちらともいえない 13名 (42%)
いいえ 15名 (48%)

「はい」と回答した人たちは、第三者委員が訪ねてきたことを記憶していた。

組織マネジメント分析結果

◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合はで、実施できていない場合はで表しています。

【講評】
事業所の理念・基本方針は定着しつつある

「お客様の心に寄り添う介護を」を理念に掲げ、理念に基づく介護の実践となるよう取り組んでいる。事業所の掲げる理念や基本方針はパンフレットや事業計画書に記載されるほか、朝礼時に唱和され理解が深まるよう努めている。職員アンケートでもリーダー層は全員理解し、一般職員は入職したての職員がいる状況にあっても過半数以上が理解できているという結果となり、事業所に定着しつつあることがうかがえる。

重要事項の決定、周知の仕組みは出来上がっている

事業所での重要案件については、各委員会等から課題を吸い上げ、主任会議で検討・決定し、全体会議にて報告される仕組みが出来上がっている。その他、予算や決算、事業計画、事業報告に関わる内容については、上位組織である理事会に諮られ、決定されている。

コーチングによって自主性のあるリーダー層を育てていくことを期待する

経営層は、リーダー層が主任会議に臨む姿勢が上意下達的で、自ら課題を持ち寄る意欲に欠いていると捉えており、これを解消するためにリーダー職員にはコーチングが必要と考えている。自主性と問題意識を持ったリーダー層へと育てていけるよう、今後の取り組みに期待したい。

1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
  • 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
  • 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
  • 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
  • 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  • 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
より積極的に利用者意向の把握に取り組んでほしい

利用者の意向の把握については、日常生活内での把握のほか、不適切ケア改善委員会が中心となって要望や苦情の把握を行っている。昨年度は施設及び職員に対する苦情が17件、要望等については2件となっている。職員自己評価では、リーダー層の約半数が「できている」としたものの残り半数は「わからない」との回答、一般職員については半数が「わからない」と回答し、残り1/4ずつが「できている」「できていない」の回答であるという意識の低さが露見した。今後はより積極的に利用者意向の把握に取り組んでほしい。

職員意向の把握を継続するとともに意見の言いやすい機会づくりにも取り組んでほしい

今年度、事業所は「施設強み弱み職員意識調査」を実施し、職員の職場環境に対する意識調査を行った。第三者評価の職員自己評価においては、職員の意向の把握について「できている」としたのは一般職員では2割弱にとどまり、「職員全員の意見も聞いてほしい」という意見もあった。一般職員のモチベーションが上がるよう、今後は、職員意向の把握を継続するとともに、意見の言いやすい機会づくりにも取り組んでほしい。

計画の策定、実施とともに、定期的な収支状況の把握も行っている

以前より大規模修繕工事とICT機器導入を計画し実行している。また、昨年度は事業収支が赤字となったことから、前年度より毎月、ベッド稼働率や収支状況の確認とともに加算算定の見直しを行っている。結果、入所受け入れ期間の短縮やベッド稼働率を上げることができ、課題となっていた長期入院患者へのアプローチも行った。収支改善には時間が必要となるが、今後の成果に期待したい。

1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
  • 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
  • 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
  • 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
  • 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
  • 事業所の経営状況を把握・検討している
  • 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
  • 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
  • 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
  • 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
  • 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
コンプライアンス遵守に関する定期的な取り組みが課題

守るべき法や規範倫理の順守については、入職時研修や不適切ケアの事例が発生した場合等に遵守するよう求めているが、定期的はものとはなっていない。不適切ケアについても昨年度から比較し減少しているものの皆無にはなっていない。経営層は定期的にコンプライアンス遵守について理解が深まる取り組みが必要だと考えている。

不適切ケア改善委員会が中心となり、不適切ケアの把握や苦情等の解決に取り組んでいる

事業所において不適切ケアを発見した場合や苦情等の申し出があった際には、不適切ケア改善委員会が中心となり対応策に取り組んでいる。不適切ケアや苦情の内容は、発生原因と対応、今後の対策が記録され、朝礼等で注意喚起を促している。また、これらの内容については事業所のWebサイトでも閲覧できるようになっている。

社会福祉充実計画の実施により地域社会・地域資源とのネットワークを確立している

事業所は以前より実施している社会福祉充実計画(子供食堂、高齢者暮らしの支え合い事業、フードバンク等)を実施しているが、なかでもフードバンクについては多くの事業所や団体、個人と提供先の団体、個人と結び付けるネットワークの役割を担っている。こうした、地域社会との主体的な関わりにより、地域社会の抱える課題や資源の有効活用につなげていることは評価できる。

1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
  • 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
  • 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
  • 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  • 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
  • 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  • 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
  • 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
  • ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
  • 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
  • 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
  • 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
防災委員会を中心にBCP活動の策定と見直しを実施している

事業所に於けるBCP(大規模災害時事業継続計画)活動は防災委員会が中心となり策定、見直しを毎年行っている。毎月開催される避難訓練についても夜間想定訓練を中心に地震想定訓練、炊き出し訓練を実施する等、充実した内容となっている。その上で、防災委員会は長期的な目標として他施設との合同訓練やHUG訓練等を目標として掲げており今後の成果が期待される。

文書管理を見直し整理が必要と考えている

入手した情報は、法人の文書管理規程の保管年数に基づき管理されている。しかし、開所してから34年が経過する当事業所では、保管する文書も膨大なものとなっており、今後は文書管理体制を見直し、特に廃棄を前提にした文書管理体制が必要だと考えている。

入れ替えを行ったPCにも情報漏えい防止のセキュリティをかけている

個人情報の保護については、個人情報保護規程を作成したうえで、各フロアに個人情報保護方針を示す文書を掲示する等して周知を図っている。昨年度からは事業所で実施した大規模改修に伴い、使用するPCのハード及びソフトウエアの入れ替えを行った。新たに導入したPCにもIDやパスワードを設け、情報漏えい防止に取り組んでいる、

1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
  • 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
  • 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
  • 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
  • リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
  • 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
  • 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
  • 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
  • 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
  • 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
働きやすい環境づくりに取り組んでいる

事業所の設備更新とともに、就業環境の整備(ICT設備の導入、OA機器やWi-Fi環境の整備)も行い、業務省力化やサービスの質の向上につなげている。その他、職員の過重労働のチェックや産業医の面談を実施し、過重労働を防止する仕組みもできている。職員自己評価においても「働きやすい職場である」「職員間の工夫で働きやすい環境を実現できている」「就業状況を把握し働きやすい環境づくりに取り組んでいる」といった意見があがっている。

「プライド113」を提唱し人材育成に取り組んでいる

事業所は手づかずとなっていたキャリア段位制度の見直しを行った。キャリア段位2①の113項目を事業所のキャリアパスに組み込んで評価項目とする「プライド113」を提唱している。113項目については確実に業務に反映させるよう求めていくこととしている。

職員のモチベーションアップにつながる目標設定や育成計画を推進してほしい

昨年、事業所が実施した職員の意識調査では、事業所としての強みとして「研修の充実や有給消化」「少ない残業時間等就業環境」が上がり、事業所としての弱みについては「業務のマンネリ化」「若手職員の業務権限の少なさ」等が上がった。今回の職員自己評価においても、サービス分野で「わからない」の回答が多く、業務に対する関心の低さが表れている。今年度から「プライド113」を提唱し、評価、面談を行い、人材育成をするとしているので、モチベーションアップにつながる目標設定や育成計画を推進していってほしい。

1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
  • 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
  • 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
  • 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
  • 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
  • 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
  • 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  • 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
  • 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
  • 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
  • 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
  • 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
  • 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
  • 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
  • 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
  • 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)

【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

昨年度の課題となっていたキャリアパスとキャリア段位制度の整合性や職員のモチベーションアップに繋がるスキルアップ体制の確立を念頭に置き、キャリア段位制度(レベル2①)を基に職員のスキルを再度検証することとなった。

【評語】
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している

今年2月にキャリア段位レベル2①を用いて職員の評価を実施したところ、当初予想していた結果と異なる結果となったことからプライド113を新たに提唱しキャリアパスの項目に加えることになった。今年度の事業計画では、5月末までに現時点でのレベルについて、11月末までに現在のレベル及び目標管理の結果に基づき賞与に反映させる仕組みとし、年度末までに処遇改善手当に反映できる仕組みを整えるとしている。

2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)

【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

昨年度のベッド稼働率の低下や介護報酬の書類不備による減算により赤字決算となった。今後は安定した事業体系となるよう書類管理の見直しに始まり、ベッド稼働率低下の原因究明、継続的な会計システムのチェックをどうするかについて検証、取り組むこととなった。

【評語】
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している

まず、加算算定要件の見直しを行い、算定に必要な書類等の整備を行い、月単位で確認するこにとした。次に会計事務所と契約し、毎月財政状況を監査する仕組みを作った。ベッド稼働率については長期入院患者の退所処理を迅速に行い、空床期間の短縮を試みた。取り組みの結果、加算算定要件の書類不備は解消されたが、長期入院患者へのアプローチは滞っていた。ベッドの稼働率は0.5%上昇した。今後の課題として、入所受け入れ事務の期間の短縮化や、西多摩特養ガイドを活用し積極的に宣伝を行う。また、長期入院患者に対しては改善が見られなかったため、協力医療機関の変更を行った。

サービス分析結果

6. サービス分析のプロセス
【講評】
定期的に情報紙を発行するなど情報提供に積極的に取り組んでいる

事業所の情報公開に関して積極的に取り組んでいる。ことに、西多摩地区の特別養護老人ホームの検索サイトである「西多摩ガイド」への掲載は閲覧数も多く、入所促進に効果を上げていることから、今後も積極的な情報提供を予定している。また、事業所の情報紙「あかぼこ山」は本年度に新たにソフトを導入し、デザイン、内容ともに大幅にリニューアルされており、好感度が向上している。制作は生活相談員が行っており、地域の回覧板への掲載及び入所者の家族への情報発信の柱と位置付け、年間6回の発行を行っている。

事業所見学に関して土・日曜日を含めて365日対応できる体制を整えている

事業所見学に関しては入居予定者の利便性を考えて、土曜日、日曜日を含めて365日受け入れる態勢が整えられている。また、本年度の大規模改修を機会にエントランスにミーティングルームを新設し、落ち着いて見学者への対応できる環境づくりが進められている。見学者への対応は主に生活相談員が行っており、入居者目線に立った丁寧な説明が心掛けられている。見学者に関する情報はもれなく「施設見学記録」に記載されており、内容等は職員間で共有されているとともに、見学後の入居促進のための資料としても生かされている。

全館リノベーション後の情報も提供する媒体を用意してほしい

事業所のパンフレット、重要事項説明書など入居申し込みに必要な資料は市の介護保険課窓口に常備されている。ただ、パンフレットは全館リノベーション後の情報が反映されておらず、早急な改定が望まれる。

1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
  • 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  • 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  • 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  • 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
利用者の生活歴をより深い聞き取ることが課題となっている

入所に当って生活相談員が自宅を訪問して直接面接し、重要事項説明書等を基に説明を行うとともに、生活歴について聞くようにしている。また、必要に応じて看護師が同行するケースもある。聞き取った内容は「入所前面接記録」に記録し共有されており、入所時における初期の対応に活かされている。ただし、前回の第三者評価において「入居前の記録が形式的」との課題が上がっていたが未解決となっており、介護現場に寄与するより綿密な生活歴の把握に向けた体制づくりと対応が望まれる。

入居当初は心身の状況を細かく把握するよう心がけ、家族にも伝えられている

入所時における入居者の状態は所定の書式によって記録されており、入所後のアセスメント等に反映されている。また、心身共に不安定となる入居後1週間に関しては昼夜をとわず観察を行って記録を取るとともに、声掛けも頻繁に行うことを心がけており、入所時における本人の不安の軽減に努めている。家族に対しては入居後の状況や本人の様子を伝えて安心感を持ってもらうように努めるとともに、入居後もバイタルや食事量を記録した「経過記録」をもとにタイムリーな情報提供に向けた体制が整えられている。

長期入院に際しては退院後の体制を伝えるなど、不安の軽減に努めている

長期入院による退所時、その後の体調変化による退院が可能になった場合に備えて家族との間で「覚書」を交わしており、入院後3カ月間以降であっても速やかに再入所出来るむねを記載する等、本人及び家族の不安軽減への配慮がされている。また、入院及び他施設への転所に際しては「フェースシート」「看護情報」「基本動作表」等を病院・施設に提供し、体調の変化に対応出来る体制を整えている。施設は「サービスは目に見えない」ということを強く認識しており、本人及び家族目線による“安心”をカタチにするべく努力をしている。

1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
  • サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
  • サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
  • サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
  • サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  • 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
  • サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
ICT推進により全職員が利用者情報を共有できる体制が整っている

ICT補助金を使って情報を一括管理するシステムを導入したことで、ケース記録をはじめ施設サービス計画等、職員は随時必要に応じて入力や修正、閲覧が可能となっており、各職員間で情報の共有化が進んでいる。また、手書きによる書類作成が削減される等、業務の大幅な改善が可能となり、職員のモチベーション向上にもつながっている。

課題分析シート及びアセスメントシートによって利用者のニーズを把握している

利用者一人ひとりに関する情報は「ケース記録」に記載されている。また、要望や希望すること等はカンファレンス前に「課題分析シート」を作成し、ケアマネジャーの判断に応じて出来るだけ希望に応える努力がなされている。一例として、故郷に行ってみたいという利用者の希望を実現させたこともある。また、利用者のニーズは「アセスメントシート」にも記載して重要視されており、可能な限りサービスに繋げている。計画の変更に関してはカンファレンスの場において変更が行われており、「カンファレンス実施記録」に記載されている。

連絡ノート等により利用者の状況変化は把握され共有されている

朝礼は全職員を対象に毎朝2階食堂において10分から15分の予定で行われている。また、全職員に関わる情報は随時閲覧出来る「連絡票」によって確認が可能となっており、個々の利用者に関する状況変化等については各フロアに置かれた「引き継ぎノート」とも呼ぶ「連絡ノート」を各職員が出勤時に閲覧し、情報の共有化を図っている。「連絡ノート」に関して記入者は特に決まっておらず、それぞれに記入するシステムになっており、きめ細かく利用者情報を拾い上げ共有するためのツールとして活かされている。

1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
  • 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
  • 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  • アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の施設サービス計画を作成している
  • 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
  • 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  • 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
  • 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  • 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
  • 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
  • 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.施設サービス計画に基づいて自立生活が営めるよう支援を行っている
  • 施設サービス計画に基づいて支援を行っている
  • 利用者の意向や状態に応じて、生活の継続性を踏まえた支援を行っている
  • 介護支援専門員を中心に、介護、看護、リハビリ、栄養管理等の職員が連携して利用者の支援を行っている
【講評】
生活の継続性を念頭に楽しみを交えた支援を行っている

利用者の要望や希望等は「アセスメントシート」を作成する過程において把握するように努められており、一人ひとりの「サービス計画」に反映されている。生活の場として「楽しく暮らせる」ことを重要視しており、月に1回1時間ほど「ホーム喫茶」が開催されているなど、出来るだけ利用者の希望を汲み取る姿勢が見受けられる。また、食堂や各フロアのデイルームに職員手作りの季節ごとのデコレーション飾られるなど、生活を楽しんでほしいという思いがカタチになっている。

職種間の連携が進んだことで、サービスに対する問題意識の変化が見られる

介護、看護、リハビリ及び栄養管理の各職種は、カンファレンスを中心に連携が図られているが、ICTの導入によってケース記録が共有されるなど更に連携がスムースになっている。また、洗濯係は洗濯済みのタオル類を利用者が取り出しやすいように引き出しに整理し、桜が見たいという利用者をベランダに連れて行くなど、ルーティング・ワークが中心になりがちなサービスから、利用者を中心に置いたサービスへと、職員のサービスに対する問題意識が少しづつ変わり始めている。

施設サービス計画に基づいた支援が行われている

利用者に向けた支援は「施設サービス計画」及び「ケース記録」「介護計画書」を基に行われている。施設サービス計画に関しては定期的に開催されるカンファレンスにおける各職種の意見を反映されたものとなっており、当計画にを基に支援が行われている。また、施設サービス計画には入居前に行われる事前面接時の情報及び入居後の経過記録に記載されている情報も反映されており、変化を続ける利用者個別の身体的、心理的状況に応じた支援につなげている。

2.食事の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている
  • 利用者の状態に応じた食事提供や介助を行っている
  • 利用者の栄養状態を把握し、低栄養状態を改善するよう支援を行っている
  • 嚥下能力等が低下した利用者に対して、多職種が連携し、経口での食事摂取が継続できるよう支援を行っている
【講評】
食形態が変わってもおいしく食べられるよう工夫した食事支援を行っている

利用者の食事支援は「栄養ケアマネジメント」に基づいて細かく対応している。入居時に食事状況を確認したうえで、本人にも希望などを聞き取り、問題があれば「食事箋」を基に各職種間で情報を共有して食事介助に取り組んでいる。食事形態は利用者の状況に応じて常食、きざみ食、極きざみ食、ソフト食等から個人の状態に合わせて提供している。きざんだ食事形態のものも、味を付け直し、食感に配慮するなど、食べる楽しみを感じてもらえるよう、工夫を凝らしている。

介護職以外も食事介助を行うことが、情報収集の場ともなっている

利用者の食事摂取量を確保するために、介護職以外にも管理栄養士、生活相談員等が食事介護を行っている。それぞれの立場で利用者の食事場面を観察することで、課題を多面的に確認できる機会となっており、状況を反映した食事支援につながっている、また、覚醒状態に合わせた食事提供及び食事形態、アイスマッサージ、嚥下反射テスト等を行い、経口での食事摂取の継続に取り組んでいる。

治療食及び療養食に対応し、毎食「検食」が行われている

5種類の食形態の他に、治療食や療養食にも対応しており、管理栄養士は全ての献立をチェックしている。利用者の食事形態に応じて補助器具等が定められていると同時に、低栄養状態のリスクがある利用者やすでに低栄養状態の利用者には栄養補助食品等が提供されるなど、栄養確保に向けた取り組みが行われている。また、管理栄養士は出勤時には必ずすべての食形態を検食して味や食感などを確認し、さらにすべての職員が持ち回りで検食を行い、その内容は「検食簿」に記録されており、カンファレンスで意見が出ればすぐに改善される体制が整えられている。

3.利用者が食事を楽しむための工夫をしている
  • 利用者の嗜好を反映した食事を選択できる機会がある
  • 食事時間は利用者の希望に応じて、一定の時間内で延長やずらすことができる
  • テーブルや席は、利用者の希望に応じて、一定の範囲内で選択できる
  • 配膳は、利用者の着席に合わせて行っている
【講評】
温冷配膳車の導入により「美味しいまま」で食事を提供することが可能となった

今年の2月から温冷配膳車3台を導入したことで、温かい食事は温かいまま、冷たい食事は冷たいままに提供することが可能となるなど、食事環境が改善されている。希望者には毎週金曜日の昼食1回ではあるが外注食も選択可能であり、各フロアのデイルームに外注食メニューが掲示されている。

大規模改修により食事環境が改善され、楽しい雰囲気づくりの工夫も見られる

六角形のテーブルが新たに導入され壁紙の張り替えも行われており、食堂のイメージがより明るい雰囲気になった。同時に季節に合わせた職員手作りのデコレーションが飾られる等、利用者が食事を楽しむ工夫もされている。また、当日のメニューは食事前に館内放送でアナウンスされるとともに、利用者の状況に応じて介助者が個々にメニューの説明をし、食べる意欲の向上に努めている。全館リノベーションによって食事環境が大幅に改善されたことは90%近くの利用者から好評を得ている。

独自マニュアルを掲示して配膳・下膳をスムーズに行っている

食事時間に関しては一定の時間内であれば延長したり変更することが出来る。また、希望があれば居室での食事も可能となっている。外注食の他にも、本来であれば外出レクを兼ねた外食も可能となっているが、本年度は新型コロナ感染症の拡大によって実施されなかった。また、配膳は利用者が着席後に行われる。管理栄養士が作成した「配膳・下膳マニュアル」は写真つきで、ひと目で分かるように工夫されており、各フロアに掲示されている。

4.入浴の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている
  • 利用者の意向や状態を把握して、できるだけ自立性の高い入浴形態(個浴、一般浴等)を導入している
  • 入浴の誘導や介助は、利用者の羞恥心に配慮して行っている
  • 認知症の利用者に対し、個別の誘導方法を実施している
  • 利用者が入浴を楽しめる工夫をしている
【講評】
介護用入浴機器をリニューアルし、利用者の状況に配慮した入浴が可能になっている

大規模改修に合わせて浴室及び入浴環境の見直しを行い、チェアインバス等新たに介護用入浴機器を導入した。浴室の改修には職員の意見を取り入れ、個々の利用者の状況に合わせた入浴サービスを提供できる環境に整えた。壁面取付の大型ヒーターを新たに設置し、寒さ対策も行った。また、浴室の壁面には新たに塗装が施され、明るい雰囲気に改善されている。入浴時に使用するブラシ及びタオル類は所定の位置に整然と整理されており、利用者に気持ち良く入浴を楽しんでもらうための配慮も行き届いている。

個浴の実施日を増やす等、入浴を楽しむ環境が整えられている

一週間の内で個浴実施日を増やしたことで、個浴を希望する利用者のニーズに応えることが可能となった。チェアインバスを導入することによりこれまで個浴が不可能であった利用者も対象に加えることができた。また、果物や入浴剤を活用した「季節風呂」や浴室内に音楽を流してくつろいだ雰囲気を演出する等、入浴の楽しさを感じてもらう工夫にも取り組んでいる。なお、体調不良などによって入浴が不可能な利用者に対しては清拭に切り替えることで、身体の清潔維持に配慮している。

希望者には同性介助を行う等、羞恥心への配慮が行われている

同性による入浴介助を希望する利用者には、出来るだけ応えるように配慮している。入浴時における羞恥心に対する対応は「入浴マニュアル」に細かく規定されている。入浴に当たっての認知症の利用者への対応は慎重に行われており、入浴拒否があった場合は少し時間をおいて入浴を促し、場合によっては介助するスタッフを変えてみるなどの配慮が行われている。入浴に関するサービスの在り方は「入浴改善委員会」を設置して協議されており、職員自らのアイディアが活かされる体制が作られていることから、さらに楽しい入浴環境が期待される。

5.排泄の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている
  • 利用者の意向や状態に応じ、自然な排泄を促すよう支援を行っている
  • 排泄の誘導や介助は、利用者の羞恥心に配慮して行っている
  • 研修等によりオムツ交換、トイレ誘導等の排泄介助方法の向上に取り組んでいる
  • トイレ(ポータブルトイレを含む)は衛生面や臭いに配慮し、清潔にしている
【講評】
天井走行リフトが設置される等、より安定したトイレ介助が可能になった

大規模改修を機にトイレ介助の環境が大幅に改善された。便座の左右にひじ掛けを設け、前方には転倒防止バーが設置された。また、各フロアーの介助用トイレには「天井走行リフト」が設置され、より安全で安定的なトイレ介助が可能となっている。現在、よりスムースなトイレ介助に向けて研修が継続的に行われているとともに、今回の環境改善をトイレでの排泄を促す機会と捉えており、積極的にトイレ誘導に取り組んでいる。排泄介助に関しては「排泄改善委員会」が中心となってマニュアルを作成し、さらなる改善に向けた見直しが行われている。

おむつ外しへの取り組みは実施中、下剤に頼らない排泄支援は継続中の課題となっている

排泄支援の目標として掲げているおむつ外しに取り組んでいる。おむつをしていても職員が声掛けを行って、なるべくトイレでの排泄を促し、便器に座れるように支援を行っている。必要に応じて職員2名体制による排泄介助も行っており、安全を考慮した支援体制が整っている。ただし、前回の第三者評価においても指摘があった「下剤に頼らない排泄に向けた取り組み」がまだ不十分との認識を持っており、実績を積み、事業所全体としての体制づくりを構築していってほしい。

清潔を保つために掃除専門職員を配置した

非常勤ではあるが掃除専門の職員を配置しており、トイレ及びポータブルトイレの清掃が定期的に行われている。各フロアの共有トイレには「清掃チェック表」が常備され、清潔な環境を保つ配慮が成されている。また、パット等の排泄物はビニール袋に入れたうえで廃棄処分がされている。「介護マニュアル」によって排泄時のプライバシー保持に関して細かく規定されており、居室における排泄介助の際は必ずカーテンを閉め、声掛け時には周囲に聞こえないように配慮している。

6.移動の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている
  • 利用者の状態や意向に応じ、できるだけ自力で移動できるよう支援を行っている
  • ベッド移乗、車イスの操作など移動のための介助が安全に行われている
  • 利用者が快適に使用できるよう車イス等の環境整備が行われている
【講評】
「持ち上げない介護」の実現に向けた環境づくりが進んでいる

介護スタッフの健康及び利用者の安全・安心を考慮して、「持ち上げない介護」の実現に取り組んでいる。具体化の一環としてスライディングボードと、重度の利用者が多い居室中心に天井走行リフトの設置が進められている。機械浴においてもスライディングボードを使用することで、ストレッチャーから着替え用ベッドへの移動がスムースになり、利用者及び職員の負担軽減に繋がっている。

短い距離は手引き歩行を行う等、残存能力維持にも配慮した移動支援を行っている

現在は76名の利用者が車椅子を使っているが、短い距離の移動の場合は出来るだけ手引き歩行を行うとともに、杖や歩行器、車椅子等の福祉用具を活用した移動支援も心がけている。この取り組みは、転倒事故が散見されるものの、危険防止が優先されることによって、利用者の残存能力に目が向いていないのではないかとの反省のもとに行われている。個々の利用者の情報はアセスメント等によって職員間で共有されていることで、状況に応じたタイムリーな声掛けが可能となっており、それが移動支援につながっている。

車椅子のシーティングに関して更なるスキルアップが望まれる

車椅子の管理に関しては「車椅子管理表」を基に行われており、職員は使用状況等を事業所内LANによって把握できるようになっている。また、車椅子等の福祉用具の保守・点検は総務委員会が中心となって行われており、安全に使える状況が保たれている。ただし、利用者のQOLを維持し高めるために、車椅子は個々人の身体状況等に合わせた正確なシーティングが必要とされるが、多忙ということもあってOTによる研修まで手が回らない状況がある。メーカーによる研修を活用するなど、車椅子のシーティングに対する意識の向上と実践を期待したい。

7.利用者の身体機能など状況に応じた機能訓練等を行っている
  • 利用者一人ひとりに応じた機能訓練プログラムを作成し、評価・見直しをしている
  • 機能訓練のプログラムに日常生活の場でいかすことができる視点を入れている
  • 機能訓練指導員と介護職員等の協力のもと、日常生活の中でも機能訓練を実施している
  • 福祉用具は、定期的に使用状況の確認をし、必要に応じて対処をしている
【講評】
個別機能訓練計画書に基づいて利用者の状況に合わせた機能訓練を行っている

大規模改修を機に2階食堂の一部にリハビリテーションコーナーを整備した。歩行訓練用の平行棒、階段、エアロバイク等の訓練機器が設置されている。機能訓練は「個別機能訓練計画書」に基づいて訓練指導員が行っている。また、理学療法だけではなく書道や手芸、編み物等の手先を使った作業療法も設けられており、作品は居室前の扉及び廊下などに掲示されている。「個別機能訓練計画書」は3カ月に一度見直しが行われ、内容等はICTシステムによって職員間で共有されている。

日常生活そのものを「生活リハビリ」の場と捉え、様々な工夫が行われている

日常生活における何気ない動作そのものを「生活リハビリ」として位置づけている。リハビリ職も参加するカンファレンスにおいて個々の利用者の日常生活動作を評価し、具体的に目標設定を行い、結果は「個別機能訓練計画書」に反映されている。生活リハビリの一環として、拘縮予防になる車椅子のフットレストから足を下ろす動作及び常態化された手引き歩行が挙げられる。また、車椅子の利用者も食事時には出来る限り椅子に座っていただくように声掛けが行われ、日常生活をリハビリの場として捉えることは職員にとっても無理のない支援につながっている。

職種間の連携を図り「生活リハビリ」がより充実することが望まれる

生活リハビリは利用者の何気ない生活動作がヒントとなって支援につながることから、リハビリ職だけではなく介護職、看護職、生活相談員、そしてケアマネジャー等、職域を超えた連携が求められる。しかし、リハビリ職と介護の現場スタッフとの意見交換の機会が少ないことが課題となっていると認識がされている。リハビリ職はもっと現場に来てほしい、現場で生かせるアイディアが欲しい等といった意見も聞かれ、介護の現場スタッフとリハビリ職の面談などによってコミュニケーションを深め、より実践的な生活リハビリにつなげることが望まれる。

8.利用者の健康を維持するための支援を行っている
  • 利用者の状態に応じた健康管理や支援を行っている
  • 服薬管理は誤りがないようチェック体制の強化などしくみを整えている
  • 利用者の状態に応じ、口腔ケアを行っている
  • 利用者の体調変化時(発作等の急変を含む)に、看護師や医療機関と速やかに連絡が取れる体制を整えている
  • 終末期の対応をすでに行っているか、行うための準備が行われている
【講評】
新たに「看取り対応室」を整備する等、看取り体制の充実を図っている

看取りケアに関しては安定的に実施出来ているが、近年、看取り介護へのニーズが更に高まっており、新たに「看取り対応室」の新設を予定している。「看取りマニュアル」も整備されており、研修も実施されている。利用者の体調の急変に合わせて24時間オンコール体制が整えられ、担当看護師も配置されており、看取り体制が確立していると言える。また、デスカンファレンスを実施する等、利用者だけではなく家族にも寄り添う看取りケアを目ざしている。

新たに協力病院を選定し直し、医療体制の充実を図っている

看護師は「看護計画」の作成を行い、個々の利用者が抱える課題を常に把握し、他職種との共有を図っている。また、毎週月曜日に訪問する内科医師、第1第3木曜日に訪問する精神科の医師と情報交換しながら、利用者の健康管理及び体調の急激な変化等に対応している。「急変時マニュアル」も整備されており、24時間オンコールによって夜間でも医療機関と速やかに連携が取れる体制が整えられている。今年度は協力病院を新たに選定し直し、医療体制の充実を図っている。

ダブルチェック等を行って服薬管理を徹底し、更なる誤配薬防止に努めてほしい

服薬管理の強化はかねてから課題となっていたが、配薬チェックを2段階で行い、服薬担当及びチェック担当の2名体制を敷くなど誤配薬防止に務める態勢が整えられている。服薬管理に関しては「医務室マニュアル」によって詳細が規定されており、更なる管理体制の強化が望まれる。口腔ケアは、毎食後にうがい・ブラッシング・清拭することで、口腔環境維持に寄与している。また、利用者の状況に合わせたケアを正確に実施するため、歯科衛生士のアドバイスを受けている。

9.利用者が日々快適に暮らせるよう支援を行っている
  • 起床後、就寝前に更衣支援を行っている
  • 起床後に洗顔や整髪等、利用者が身だしなみを整える際に支援を行っている
  • 利用者が安定した睡眠をとることができるよう支援を行っている
【講評】
利用者が清潔で衛生的な生活を送れるように整容介助を行っている

朝の離床時に夜勤スタッフが洗顔タオルでの洗顔及び整髪による整容介助を行っている。毎朝10時には日勤スタッフによる髭剃りが行われており、清潔で衛生的な日常生活への支援を行っている。また、通常であれば理容師及び美容師が施設を訪問して希望者に理容、美容を行っているが、本年度は新型コロナウイルス感染拡大によって一時中止となったが、現在は再開している。整容記録は「整容記録」に記され、職員によるスケジュール管理が行える体制が整えられている。

更なる更衣支援への取り組みに期待したい

一日中同じ服で過ごすことはQOLの維持・向上にも支障を来たす恐れがあると考え、日中と夜間で出来るだけ服を変えるように進めている。希望者は現在5名となっているが、自分で更衣が出来る利用者が多いためだとも考えられる。しかし、就寝時、起床時に着衣を変えることは最も日常的な行為であり、更衣によって生活にリズムをつくることはQOLの向上につながる可能性もあることから、更衣支援の推進に向けた更なる体制づくりが求められる。

利用者の安定した眠りを推進するために「眠りスキャン」を活用している

不規則な睡眠は著しくQOLの低下を招くと認識していることから、「眠りスキャン」を導入。現在は全館で40台が稼働しており、昼夜逆転をしていないか、頻繁に離床していないか等をチェックしている。急変時には異常音で異変を知らせることから、利用者の見守り役としての機能も果たしたこともあった。さらに、夜勤スタッフの負担軽減にもつながっている。眠りが不安定な利用者はカンファレンスにおいて確認し、「ケース記録」にも記録されており、安定した睡眠確保に向けた体制が整えられている。

10.利用者の施設での生活が楽しくなるような取り組みを行っている
  • 施設での生活は、他の利用者への迷惑や健康面に影響を及ぼさない範囲で、利用者の意思が尊重されている
  • 利用者の意向を反映したレクリエーションを実施している
  • 認知症の利用者が落ち着いて生活できるような支援を行っている
  • 利用者の気持ちに沿った声かけや援助を行っている
【講評】
今年はクラブ活動の一部が不可能になっているが、良い刺激となることを工夫している

クラブ活動として、お散歩クラブをはじめカラオケ、クッキング、レクリエーション、外気浴、手工芸、書道、そして生け花の各クラブが用意されており、利用者は好きなクラブを選んで自由に参加することが出来る。中でも外食なども楽しめる「散歩クラブ」が人気だが、これも新型コロナウイルスの感染拡大に自粛要請をうけ、中止を余儀なくされている。しかし、外出が不可能であってもテラスで花見を楽しんだり、日光浴を行う等、生活を楽しむための工夫が職員のアイディアで実行されている。

各フロアで開催されるレクリエーションが生活に潤いを与えている

外出が難しい中にあって、フロアごとにレクリエーションが行われた(一堂に会することは自粛している)。ケーキを食べたいという利用者の希望にこたえて各階で「ホーム喫茶」が開催され、ケーキとコーヒーが提供された。また、職員の発案によって臨時に「外泊レク」が行えるようになったことで、近県への旅行を実現することが出来た。各階にあるテレビも一新されたのを機にネット配信の番組も視聴できるようになり、古い歌謡曲や映画を楽しむ機会がてえ、利用者の楽しみと同時に回想法の実践としても貴重な機会となっている。

認知症高齢者への対応が形骸化しているの課題

今回の新型コロナウイル感染拡大によって家族等との面会及び外出機会が失われたことによって、改めて認知症高齢者に対するアプローチの在り方を見直す機会となった。受容と傾聴を基本方針に掲げている。接遇に関する意識向上は「OJT委員会」でも議論が重ねられているが、形骸化していると認識されている認知症高齢者に対するアプローチをどのように行い、心と生活の安定に寄与するべきかを改めて検討する機会としたい。

11.地域との連携のもとに利用者の生活の幅を広げるための取り組みを行っている
  • 定期的な散歩や外食、遠出など外出の機会を設けている
  • 利用者が地域の一員として生活できるよう、地域住民が参加できるような行事など、日常的な関わりが持てる機会を設けている
  • 地域の情報を収集し、利用者の状況に応じて提供している
【講評】
市初の子ども食堂「すぺーすまゆだま」が地域活動の拠点となっている

社会福祉充実計画の実施により、地域公益事業として様々な取り組みを実践している。なかでも青梅市初の子ども食堂「すぺーすまゆだま」の活動は本年度で4年目を迎えた。活動の案内は地元自治会の掲示板に掲載されており、多くの住民が事業所を訪れる等、新たに協力関係が生まれている。また、本年度から新たに貧困家庭を食糧の提供で支える市の「フードバンク」への取り組みを開始し、食材の提供を通じて地域のNPOとネットワークを築きたいと意図している。高齢者買物難民への買い物支援活動も継続して行われている。

社会福祉充実計画の実施を契機に地域社会との連携に積極的に取り込んでいる

地域におけるコミュニティーの中心として事業所を解放するとともに、地域の各機関との連携を深めており、利用者も地域の一員として関わる機会を持っている。近隣の中学校から職場体験ボランティアの受け入れをしているが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて今年度の活動の多くが自粛となっている。しかし、フードバンク等の新たな取り組みがスタートしている等、地域連携をさらに深める活動は切れ目なく進められている。

散歩及び外食、外泊など、外出の機会を設けている

お散歩クラブなどの活動の一環として外出及び会食の機会が設けられており、利用者から好評を得ている。また、職員の発案による遠出も実現されているなど、柔軟な対応が利用者にとっての生きがいづくりにつながっている。現場スタッフの発案による活動は職場を活性化すると同時に、利用者が任意に参加できる活動が増えることから、今後も利用者ニーズに応える柔軟な発想に基づいた企画を期待したい。

12.施設と家族との交流・連携を図っている
  • 利用者の日常の様子を定期的に家族に知らせている
  • 家族や利用者の意向に応じて、家族と職員・利用者が交流できる機会を確保している
  • 家族または家族会が施設運営に対し、要望を伝える機会を確保している
【講評】
「家族懇談会」では家族からの意見が出やすいように配慮されている

「家族懇談会」は年に1回夏の交流会の際に開催されている。施設からの重要事項を報告する機会ともなっているが、各階ごとの小グループに分かれて話し合う懇談会形式を採用することで、家族からの意見が出やすい場となっている。懇談会で家族から出された意見や感想は報告書にまとめられて施設の全体会議で発表され、全職員で共有されている。今年度は新型コロナウイルスの感染拡大によって開催は中止となったが、家族の要望を聞く貴重な機会となっており今後も引き続き開催することが予定されている。

30年間に渡って続いている「夏の交流会」が家族との貴重な交流の場となっている

家族との交流を深めるため、30年間にわたって「夏の交流会」が開催されている。今年度は新型コロナウイルスの感染拡大によって開催は見送られたが、毎年夏の交流会では家族だけでなく地域の方々も招待して、利用者とともに交流を楽しむ等。今では地域に密着した行事として定着している。また、この夏の交流会を職員と家族が顔の見える関係づくりの絶好の機会と捉えられており、来年度の再開が待たれる。

利用者の様子を伝えている新たな試みに期待したい

年間6回発行し家族にも送付されている事業所の情報紙「あかぼこ山」が今年度全面カラーにリニューアルされ、事業所での行事の様子や利用者の生活風景、事業所からのお知らせ等、これまで以上に利用者の様子が伝わるように工夫されている。遠方に住んでいるために面会が難しい家族や都合で面会に来られなかった家族には、個別に手紙や写真を送って利用者の様子を伝えている。しかし、事業所では利用者の様子を伝えるツールの在り方に改善の必要性を感じており、新たな試みが期待できる。

【講評】
個人情報保護規程は、職員に周知されている

個人情報保護規程に関する書類は事務所及び各フロアに掲示されており、職員はいつでも確認できるようになっている。、また、個人情報の取り扱いに関するマニュアル及びプライバシー保護に関するマニュアルが整備されており、定期的に見直しが行われている。入所に当たっては本人及び家族に重要事項説明書に基づいて個人情報に関する説明を行っている。個人宛ての私信については郵便物記録簿に記入をしたうえで本人に直接手渡すようにしている。個人情報に関わる会話は周辺にいる利用者等に聞こえないように配慮している。

利用者個人の尊厳を守るためにプライバシーを大事にするようにしている

従来型の特別養護老人ホームではあるがプライバシー保護に関しては細心の配慮がなされている。トイレ誘導の際には他の利用者に聞こえないように声掛けを行い、トイレのカーテンは必ず閉めたうえで介助が行われている。また、職員がベッドサイドを訪問する際は必ず声掛けをしたうえでカーテンを開けるようにしており、私物の取り扱いに関しても必ず声掛けをしたうえで整理等を行う等、細心の配慮のもとにサービスを提供するようにしている。

個人の意思を尊重したサービスの提供を心がけている

利用者個人がノーと言える環境づくりに努めている。入浴拒否に関しては時間を変えて誘導したり、職員を変えるなどしてなるべく利用者の意向に沿うように対応している。食事拒否に関しては居室での食事を勧める等の対応を行っている。多床室のため利用者の価値観や生活習慣を全て叶えることは出来ないものの、他の利用者に迷惑が及ばない範囲で出来るだけ対応するようにしている。居室にもWi-Fi環境が整備されたことによって、スマートフォンでのネット番組の鑑賞が可能となり、利用者によろこばれている。

1.利用者のプライバシー保護を徹底している
  • 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
  • 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い、利用者のプライベートな空間への出入り等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
  • 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
  • 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
  • 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
マニュアルが日常的に活用できる工夫が必要である

「介護標準マニュアル」を始めとしてマニュアルが整備されており、ケアの標準的手順として確立されている。また、更新時期を定めて半年に1度のペースで見直しが行われている。マニュアルはパソコンを開けばいつでも確認することが出来るようになっているが、現場においてマニュアルに目を通すことが少ないのが現実となっている。マニュアルが標準的手順となっていることを常に意識しながら、マニュアルの再確認も容易にできるような工夫が必要と思われる。

サービスの質向上を目的に委員会が設置されている

感染予防対策委員会をはじめ事故防止対策、不適切ケア改善、褥瘡防止、食事改善及び排泄改善委員会など、介護現場に直結する課題について検討し、サービス改善に向けて行動するための委員会が充実している。マニュアルの更新は各委員会からの提案によって行われており、サービスの基本事項及び手順等も各委員会において6カ月に1度のペースで見直しが行われている。内容等は各委員会記録に記載されており、職員間で共有されている。

今年度は介護サービスのレべルアップのために内部研修の充実が課題

新人職員及び中堅職員はマニュアルを基にサービスの標準化を図るとともに、OJTによる指導が徹底されているなど、サービスのレベルアップと標準化に取り組んでいる。「介護標準マニュアル」はOJT委員会によって毎年3月と6月に見直しを行われており、サービスの基本事項及び手順等の更新を行っている。通常であれば積極的に外部研修に職員を派遣して、介護技術のレベルアップ及ぶ全般的なスキルアップを図っているが、本年度は全面的に中止となっていることから、内部研修及びOJTの更なる充実が課題となっている。

1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
  • 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  • 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
  • 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている

事業者のコメント

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評価情報

【評価実施期間】

2020年9月17日~2020年12月4日

【評価者修了者No】

H0202041,H1301055,H1501036

評価結果のダウンロード

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