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全体の評価講評・コメント 利用者調査と事業評価(組織マネジメント項目・サービス項目)の評価手法

令和3年度 指定介護老人福祉施設【特別養護老人ホーム】
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法人名称
社会福祉法人安立園
事業所名称
安立園特別養護老人ホーム
評価機関名称 株式会社 医療福祉経営研究所
評価者 修了者No.H0802032   修了者No.H1001029   修了者No.H1202015    
評価実施期間 2021年7月20日~2021年12月13日

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全体の評価講評

特によいと思う点
  • 看取り支援は、家族の想いに寄り添いながら、利用者本人にも希望を聞き取り、やりたいことを叶える取り組みを行っています
    看取り支援は、利用者本人だけでなく、家族の想いに寄り添うことにも重きを置き、何十年前からの家族の関係性を視野に入れて行っていきたいと考えています。看取りについて、家族へ丁寧な説明を行った上で意向を確認し、利用者本人にもどこで最期を迎えたいか、それまでにやっておきたいことなどを聞き取り、希望を叶える支援をしています。お見送りは居室前に献花台を設置して利用者と共に行い、家族には入所当初や入所中、看取りへの想いなどを聞き取り、全職員へ回覧して今後の看取り介護に活かせるよう取り組んでいます。
  • 職員間で風通しの良い関係づくりに努め、委員会は多職種で構成し、協同して利用者・家族の支援に取り組んでいます
    各委員会は、多職種が関わり、利用者の支援方法やサービスの質などについて検討しています。介護支援専門員や生活相談員は、いくつもの委員会メンバーになっており、状況の把握に努め適切な対応ができるよう取り組んでいます。また、看護師は医師と介護職の橋渡しが円滑にできるよう、処置だけでなく食事介助にも全看護師が携わる仕組みがあります。利用者が自然体でいられるよう、極力不必要な薬を減らしていきたいと考え、介護、看護、医師と風通しの良い関係づくりに努めており、多職種が協同して利用者・家族の支援に取り組んでいます。
  • 利用者のこれからの生活を支えていくこと、根拠を持ち利用者と向き合い今後の介護が行えるよう真摯に取り組んでいます
    「利用者プロフィール」には、希望の呼び方、仕事・家事の内容、昔の趣味、好きな歌、よく見たテレビ、好きな動植物、昔好きだった食べ物・お菓子・飲み物、元気な頃の人柄、大事にしている人生観や価値観、食事へのご希望、介護上職員に伝えておきたい事柄・介護への意向などの他、「戦争の時、どこでどうしていましたか?」、本人のお若い頃の写真・エピソードと、利用者の歴史やその人となりを知った中でこれからの生活を支えていくこと、根拠を持ち利用者と向き合い今後の介護が行えるよう真摯に取り組んでいます。
さらなる改善が望まれる点
  • ケアプランで示す目標に対する取り組みは、具体的なサービス内容での検証ができるよう検討することが期待されます
    「利用者プロフィール」に利用者の細やかな情報が収集され、居室担当が作成している「課題分析のための情報シート」にて課題とニーズを抽出し、利用者や家族の意向を把握し、ケアプラン作成時に必要となる参考資料は様々な視点で収集されています。ケアプランは長期目標や短期目標を定め、目標に対する課題やニーズを3点くらいに絞り込み作成していますが、「課題分析のための情報シート」などの情報をケアプランへ反映するという点ではまだ改善の余地があると推察されます。具体的なサービス内容での検証ができるよう検討することが期待されます。
  • 施設のありたい姿や見通しを持った取り組みに対して単年度事業計画に落とし込み、進捗や達成状況の連動性を図っていくことが期待されます
    現在、7か年の中期計画を策定している最中で、単年度事業計画書との連動性は図れていません。上期の事業計画書の中間報告の進捗や達成状況を踏まえ、職員から提出される「幸せ提案書」を基に次年度の事業計画書に反映させて作成しています。今後、中期計画で示される「介護サービス」「人材育成」「地域」といった項目に関するありたい姿や見通しを持った取り組みに対して、逆算して何に取り組まなければならないかを検討し、単年度事業計画に落とし込みながら、進捗や達成状況の連動性を図っていくことが期待されます。
  • マニュアルの変更点は職員が確認しやすく活用できるよう工夫することが期待されます
    職員が統一した見解や日頃の業務の確認や振り返りができるよう、業務の標準化を図るべく「介護マニュアル」を整備しています。マナー、フロア業務、緊急対応、感染症、看取り、事故・ヒヤリハット、配薬、移乗、排泄、入浴など20項目について作成し、マニュアルの見直し後は研修内での説明や、実際にマニュアルに沿って行動してみるなどの取り組みが行われています。しかしながら、どこが変更になったのかなどマニュアルを確認した時に特定しにくい状態にあります。周知徹底とより活用が可能となるよう工夫することが期待されます。

コメント

・聞き取り調査当日の昼食は、試食を兼ねて利用者と同じ食事をとらせていただきました。
・職員の自己評価では、オリジナルの回答シートを用意し、階層別の評点分布だけでなく、より問題点を特定しやすいように集計結果をまとめて、事業所に報告しました。

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