福祉サービス第三者評価情報 > 評価結果検索 > 評価結果一覧 > 全体の評価講評

全体の評価講評・コメント 利用者調査と事業評価(組織マネジメント項目・サービス項目)の評価手法

令和2年度 認定こども園
次の評価結果を見る>>
法人名称
学校法人野澤学園
事業所名称
東村山むさしの第二認定こども園
評価機関名称 株式会社 評価基準研究所
評価者 修了者No.H1302035   修了者No.H2001035   修了者No.H1002055   修了者No.H0305043    
評価実施期間 2020年10月1日~2021年3月26日

全体の評価講評の構成  見たい内容をクリックすると該当部分へジャンプします。


全体の評価講評

特によいと思う点
  • 園庭や中庭、昆虫や野鳥が集まる雑木林など豊かな自然を保育に生かし、子どもの戸外活動や自然体験を豊かなものにしている
    広大な敷地内にある園庭や中庭、雑木林などの自然を生かした戸外活動が充実している。夏は園庭の砂場に水を張って泥んこ遊びを楽しみ、乳児は中庭にある砂場を専用の場所として楽しんでいる。隣接する幼稚園の園児が同じ場所を共有することもあり、良い刺激になっている。また、今年度就任した園長は虫に精通しており、虫を保育を取り入れた「虫育」を大切にしている。今年度はカブトムシやスズムシを幼児組の各部屋で飼育したりして、生き物の命の大切さを学んでいる。これら自然豊かな環境を通して、自然体験が子どもの心に響くものになっている。
  • 妊婦から未就園児まで子育て支援を展開し、老人ホームや小学校への訪問、さらに地域祭りの開催など、子育ての拠点的な役割を担っている
    地域向けの未就園児教室「バギークラブ」は妊婦さんにも開放し、子育てや健康に関するアドバイスをしている。9月の敬老の日には、子どもたちが近隣の老人ホームを訪問し、歌や踊りを披露、また近隣の小学校とも連携し、年に1回園児が小学校を訪問する機会もある。また園は地域向けの地域行事の開催も積極的だ。5月に「むさしのフェスタ」、7月に「むさしの祭り」を主催し、保護者が運営する「むさしの会」はバザーを開いたりしている。乳児から老人まで園への理解が地域へ浸透し、地域の保育文化施設としてなくてはならない強い味方になっている。
  • 新しい園長のもとで子ども主体の保育を充実させるために、応答性の高い職員のチーム力を高めながら、新しいビジョンづくりに着手している
    持ち味の応答性の高い乳児保育を基盤に、広い園庭や体育館、プールや駐車場など共用施設が保育に広がりをもたらしている。また体育、英会話、剣道、サッカー、新体操などの課外教室も受講できる。さらに地域の人材を上手に活かし、心理士やデザイナー、大工さんなどの専門家も保育を補完する。これら法人がリードした経営面に限らず、新たに就任した園長のもとで2年後の50周年に向けた新しいビジョンづくりに着手した。ボトムアップ型のチームワークのよい職員集団が形成されつつあり、保育の可視化とともに新しい保育の土台づくりが始まっている。
さらなる改善が望まれる点
  • 子ども自ら行動できるように、遊び・食事・午睡の場所を独立させてみるなど、室内環境の新たなゾーニングに期待したい
    訪問調査当日、本来2クラスの2歳児は、3歳で単一クラスになる新年度に向けて、1クラスでの移行保育が行われていた。それを参観すると食事と午睡が別の部屋に分かれており生活動線がスムーズだった。また職員があえて声かけをしなくても、子どもは自ら行動できる姿も見られた。食事と午睡が同じ部屋だと、ほこりなどの飛散が懸念されるが、それも避けることができていた。1歳児と2歳児は12人ずつの2クラスになっているが、遊び、食事、午睡を独立させることができるかもしれない。一連の生活の流れの中で食事の場所を離してはどうだろうか。
  • 保育園内での幼児と乳児の交流に留まらず、色々な子どものいる両園の持ち味を活かした協働保育の可能性も追求してみてほしい
    本園は、色々な子どもや親子がいるという人的環境を保育に活かしやすい条件が揃っている。乳児から就学前の園児まで、年齢や発達の異なる子ども同士が触れあうことができるメリットは大きい。例えば今年は新型コロナウイルス感染症対応で中断したが、これまで園の幼児は0?2歳クラスと交流してきた。これは今度も続けたいと考えている。今年度からは幼児教育と小学校教育の連携に詳しい幼稚園の園長と、望ましい未来をつくりだす力の基礎の育成に詳しい保育園の園長が就任した。両園の持ち味をさらに活かしたコラボ保育に期待してみたい。
  • 保育の構造を子どもの経験の過程として捉え直し、その過程の質を高めるために選択できる環境を室内外に用意し、経験の意味も可視化したい
    保育の目的は子どもの発達を遂げさせることであり、その方向目標はどの子も同じであっても内容は個別的である。そこでの生活や遊びは、子どもが選択できるような環境を通して展開される必要がある。一方で保育の質は子どもの経験のプロセスにあり、子どもが主体的に環境に関わって経験することが教育の内容である。このことを踏まえると、保育の質を高める営みは、活動の種類で考えることと同時に子どもの経験の違いとして捉えることも必要になる。当園は保育の可視化に取り組んでいるので、この経験の意味を説明するような内容が増えるといいだろう。

コメント

利用者調査・職員調査は、WEBでの調査を実施し、携帯電話・スマートフォン・パソコンによる回答を中心とし、紙ベース希望者には従来型の紙による回答も可能とした。利用者調査開始時には、調査の趣旨や手法などに関する詳細な説明と個別のID・パスワードを記した案内状を封緘封筒に入れて全家庭に配布し、職員向けにも同様の案内状を配布した。経営層には各標準項目の自己評価を的確に行うための独自資料を提供するなど、事業所向けの配慮も行っている。

サブメニュー