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全体の評価講評・コメント 利用者調査と事業評価(組織マネジメント項目・サービス項目)の評価手法

令和2年度 指定介護老人福祉施設【特別養護老人ホーム】
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法人名称
社会福祉法人練馬区社会福祉事業団
事業所名称
上石神井特別養護老人ホーム
評価機関名称 株式会社 ケアシステムズ
評価者 修了者No.H0601057   修了者No.H1401060   修了者No.H1301024    
評価実施期間 2020年8月18日~2021年3月10日

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全体の評価講評

特によいと思う点
  • 利用者の意思を尊重した支援を大切にしている
    利用者がケアを選択できる仕組みがあり、食事の時間や入浴の日にちを希望に応じて変更することは可能であり、利用者の意向に沿って対応をしている。また、ケア開始時には必ず声をかけ、利用者の了解を得ながら支援を行っている。さらに、必要に応じてマンツーマン対応を行い、利用者が静かで落ち着ける場所に移動するなどの配慮をしている。さらに、気に入っている居住空間を確保したり、気の合う利用者間の関係作りに努めている。
  • 組織一丸となって事業を推進する体制作りに取り組んでいる
    法人内で開催されている各種の会議をはじめ、都や区の関連会議にも施設長が出席しており、施設内の各担当部署の責任者が出席する管理運営会議において共有し、全職員に行き渡るようにしている。また、各種の専門委員会を設け、各職種が横断的に業務改善に取り組めるようにしている。法人内においてもユニットケアは当施設のみであることを踏まえ、SWOT分析やユニット目標を明確にすることに取り組み、さらに振り返りの基準を明確にし、常に「利用者本位のサービス提供」ができる体制作りに取り組んでいる。
  • 着実な計画の実行を目指して進捗状況を適切に管理している
    事業計画をもとに各担当部署の目標、職員個人の目標が改定されているため、施設や各職員の目標の進捗状態を管理することが重要となっている。施設の目標策定にあたっては、客観的な評価が可能な指標が示されるように指示している。毎月、事業の進捗状況を確認する指標を作成し、施設ごとの稼働率、利益率、人件費率、人員等が一目でわかるような資料によって、管理運営会議で共有されている。事業の進捗状況について評価・確認をして、必要があれば修正をしており、課題の報告をもとに検討決定する仕組みを設けている。
さらなる改善が望まれる点
  • 日常生活での機能訓練を充実させることを目指している
    利用者の身体状況や意向に応じた支援をするため、機能訓練指導員が動作確認の評価を実施して、移動の状態やシーティング・ポジショニングを評価した上で、自立支援と安全確保の両面から移動方法を実施している。また、レクリエーションや趣味活動などの要素も取り入れながらプログラムを作成し、入居者の有する能力の維持に努めている。現在、看護師を専任として配置しており、効果や利用者からの評価が得られていることがうかがえる。さらに、今後の重度化への対応として、理学療法士や作業療法士の視点を取り入れる工夫も必要とされる。
  • ケアプランのモニタリング手法を標準化することを検討されたい
    利用者の心身状況や生活状況などは共通の記録システムを使用し、状態の把握に努めている。ケアプランに沿った支援が提供できるように、ケアプランの2表と介護記録の連動に取り組んでいる。また、状態観察やニーズを聞き取り、3か月に1度ケアプランのモニタリングを実施している。ただし、モニタリングの記載内容については職員間の差異も見受けられた。ケアプランの達成状況や利用者の満足度を的確に把握するように改善が望まれる。
  • 経営改善をさらに推進させることを目指している
    本年度より新たに赴任した施設長は、前任者からの申し送りなどを踏まえ経営課題を分析し、安定した稼働率の確保と経営支援補助金の取得などによって収支差額の改善に取り組んでいる。特に支出面では派遣職員を利用しないで済むように、職員の離職防止の構築にも継続して取り組むことにしている。ただし、開所から7年を経過しており、設備の至る所に不具合が生じてきていることも事実である。日々のメンテナンスの計画的な実施や修繕計画の策定も含めて、経営的に安定し、さらに利用者が安心して生活できる施設運営を目指している。

コメント

利用者調査は、施設と協議のうえ、アンケート内容の理解が難しい利用者や会話が困難な利用者を除いた全利用者を対象とし、居室や施設内の話を聞きやすい場所で、評価者が個別に聞き取りをした。また、利用者の家族に対してもアンケートを実施し評価の参考とした。
事業評価については、職員からも各標準項目にチェックを入れた分析シートを回収し、集計結果報告に反映した。第三者性確保については、当評価機関と事業者の間には特別な関係は存在せず、中立公正な立場で調査を実施した。

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