評価機関としての調査結果
調査時に観察したさまざまな場面の中で、調査の視点に基づいて評価機関が選定した場面
車いすに座った利用者は、昼食の準備に取り掛かる職員に視線を送り、両手両足を大きく動かし始めた。職員は準備の手を止めて利用者に歩み寄り、腰をかがめて視線を合わせ、そっと語り掛けている。車いすに座る姿勢を整えながら、やさしい声で話し掛け、利用者の手に自身の手を重ねている。「今日の昼食の献立は何でしょうね」と献立ボードを見ながら、一つひとつのメニューを伝えている。職員と手をつなぐ利用者は、安心したような表情を浮かべ、落ち着きなく動かしていた両手両足は、ゆるやかな動きに変化していった。
選定した場面から評価機関が読み取った利用者の気持ちの変化
昼食準備が始まる慌ただしい雰囲気を察したのか、車いすに座る利用者の両手両足は、落ち着きない動きを続けていた。その様子に気づいた職員は、昼食の準備を優先することなく、利用者の元へ歩み寄っていた。業務を優先させるのではなく、利用者の動作や訴えに臨機応変に対応し、職員同士がフォローし合うチームワークを感じることができた。利用者は言語にて意思を表出することが困難な様子であったが、職員は利用者の目を見て、動きを注意深く見つめ、利用者の気持ちを汲み取ろうとしていた。車いすに座る姿勢を整え、身体的な安楽を確保するとともに、穏やかな声で話し掛け、安心感を与えられるよう努めていた。利用者の手をやさしく握り、隣に寄り添う空間には、昼食準備の慌ただしいフロアとは対照的に、やすらかな時間が流れていた。職員に寄り添われている利用者の表情には、人と人のつながりが与える安心感を有していた。
「評価機関としての調査結果」に対する事業者のコメント
病棟での昼食準備時における職員の利用者に接する態度、声かけと、それに対応する利用者の安心感について観察され、当センターにおける利用者の状況に応じた療育活動の取り組みの一端を、適切に評価していただけたと考えます。
利用者調査においても、「大変満足」と「満足」で98%であるなど、昨年にも増して高い評価をいただけました。また、新型コロナウィルス対策については、感染制御チームを中心にセンター一丸となって徹底した感染対策を実施し感染防御の実績を挙げています。今後は、感染の終息状況を見極めつつ、段階的に面会を再開し、利用者家族のご要望に応えていくこととしています。
1.子どもの様子や支援の内容についての十分な説明があるか |
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2.家族への精神的なサポートの取り組みは十分か |
はい 57%
どちらともいえない 24%
いいえ 9%
無回答・非該当 9%
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3.緊急時の対応体制は信頼できるか |
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4.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか |
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5.職員の接遇・態度は適切か |
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6.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか |
どちらともいえない:4%
いいえ:0%
無回答・非該当:4%
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7.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか |
はい 54%
どちらともいえない 11%
無回答・非該当 35%
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8.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか |
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9.子どものプライバシーは守られているか |
はい 87%
どちらともいえない 6%
無回答・非該当 7%
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10.個別の計画作成時に、子どもや家族の状況や要望を聞かれているか |
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11.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか |
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12.利用者の不満や要望は対応されているか |
はい 72%
どちらともいえない 19%
無回答・非該当 9%
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13.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか |
はい 57%
どちらともいえない 11%
いいえ 7%
無回答・非該当 24%
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