評価機関としての調査結果
調査時に観察したさまざまな場面の中で、調査の視点に基づいて評価機関が選定した場面
デイルームでは、午後の音楽会の準備が進められている。エレクトーンなど、さまざまな楽器がセッティングされるなか、フロアに座る利用者は、楽器に視線を送りながら僅かに身体を動かしている。その様子を見た職員は、利用者へ微笑みかけ、動かせる足の高さに合わせて、シンバルをセッティングする。開始の合図により音楽が鳴り響くと、利用者はリズムに合わせて足でシンバルを叩いている。その隣では臥床した利用者に職員が寄り添い、手を取り合ってリングベルを鳴らしている。ともに音楽を奏でる空間には、利用者と職員の一体感が生まれている。
選定した場面から評価機関が読み取った利用者の気持ちの変化
昼食後の休憩を終えた利用者は、音楽会の準備を見て、活動意欲が喚起されている様子であった。利用者の気持ちを察知した職員は、利用者の身体の特性に合わせて、楽器を選定して、叩きやすい高さにシンバルをセッティングしていた。音楽が流れ始め、リズム良くシンバルを足で叩く利用者の姿には、生き生きとした活力が湧いている様子が見受けられた。臥床している利用者に対しても職員が寄り添い、リングベルなどでともに音楽を奏でていた。利用者の特性に応じて音楽会に参加できるよう配慮し、全員が参加者として奏でる音からは、利用者と職員の一体感が感じられた。音楽会では、利用者に馴染みのある楽曲が続き、シンバルを叩く利用者の表情から、充実感や楽しみを感じている感情を読み取ることができた。
「評価機関としての調査結果」に対する事業者のコメント
通所での療育活動時において職員の支援の下に利用者が鈴を振り、合奏・合唱に参加する場面を通して、利用者が晴れやかな表情で日中活動に参加できている様子を適切に評価していただけたと考えます。
利用者調査においても、「大変満足」と「満足」で88%であり、また、利用者の体調管理や医療的ケアなどにきちんと対応しているとの自由意見をいただくなど、基本的には高い評価をいただけている反面、家族に対する精神的なサポートや苦情窓口の周知という点では比較的満足度が低い結果であったので、より、家族に安心して施設を利用していけるよう、引き続き工夫して取り組んでいきたい。
また、新型コロナウィルス対策については、感染制御チームを中心にセンター一丸となって徹底した感染対策を実施し感染防御の実績を挙げている。この点でも引続き取り組んでいくとともに、終息状況を見極めつつ、事業規模の復旧を図っていく。
1.事業所に通うことが、利用者の身体の機能や健康の維持・促進の役に立っているか |
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2.事業所での活動は、利用者が興味や関心を持てるものになっているか |
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3.事業所に通うことで、利用者の情緒が安定しているか |
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4.事業所での人との関わりは、利用者に良い影響を与えているか |
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5.利用者の様子や支援内容(体調変化時の対応含む)について、事業所と情報共有できているか |
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6.家族に対する精神的なサポート(介護に関する悩み相談や、家族間交流の機会の提供等)は役に立っているか |
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7.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか |
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8.職員の接遇・態度は適切か |
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9.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか |
はい 73%
どちらともいえない 18%
無回答・非該当 9%
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10.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか |
はい 27%
どちらともいえない 27%
無回答・非該当 45%
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11.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか |
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12.利用者のプライバシーは守られているか |
はい 64%
どちらともいえない 18%
無回答・非該当 18%
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13.個別の計画作成時に、利用者や家族の状況や要望を聞かれているか |
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14.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか |
はい 77%
どちらともいえない 14%
無回答・非該当 9%
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15.利用者の不満や要望は対応されているか |
はい 77%
どちらともいえない 14%
無回答・非該当 9%
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16.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか |
はい 50%
どちらともいえない 23%
無回答・非該当 23%
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