評価機関としての調査結果
調査時に観察したさまざまな場面の中で、調査の視点に基づいて評価機関が選定した場面
昼食準備のため、AさんとBさんがテーブルで向かいあい、ざるに入ったもやしの根をとって、自分達の前に広げた広告紙の上に捨てていた。そこにCさんが来て1本を手に取り、「きれいじゃん」と言ったところ、Aさんが「ここを取るの、汚いところを取るのよ」と教えた。Cさんは立ったまま作業を始めたが、キッチンで鍋に火をかけながらその様子を見ていた職員が出てきて、Cさんに「どうぞ座って。完成品はここね」とボールを示し、Cさんは座って作業を始めた。別の職員が通りかかり「すごく早いね。上手。熟練の技ね」と声をかけた。
選定した場面から評価機関が読み取った利用者の気持ちの変化
AさんとBさんはテーブルをはさんで向かいあって座り、昼食に使うもやしの根がうまくとれたかどうかを見せあい、楽しそうに会話しながら作業を進めていた。職員はAさんBさんにとって作業の内容が分かりやすく、自分たちだけで行えるように準備した後は、少し離れたキッチンカウンター越しに、昼食の準備を進めながらその様子を見守っていた。ベランダ掃除から戻ったCさんが近づき、参加したいがやり方がわからない様子で戸惑っていた。職員はCさんに近づきさりげない様子で作業に入れるよう導いていた。Cさんが作業の輪に入ると、すぐにキッチンカウンターの後ろに戻り、昼食の準備を進めながら利用者同士が作業している場面を見守っていた。作業中の利用者の脇を通りかかった職員も、声をかけるだけにとどめ、利用者の持っている力で作業が進むよう見守っていた。仲間に入ることを少し戸惑っていたCさんの気持ちを察した職員の適切な計らいにより、Cさんはスムーズに作業の仲間入りができ、会話も弾み楽し気に作業を続けていた。通りかかった職員の声掛けに対する嬉しそうな表情からは、仲間と一緒に作業する楽しさと昼食づくりの役に立っている喜びがうかがえた。
「評価機関としての調査結果」に対する事業者のコメント
原町グループホームが特に大切にしている考えである「ご利用者の有する能力に応じ、自立した日常生活を営むことができるよう必要な援助を提供します」の通り「自立支援」の考え方に基づいて支援しています。その方の有する能力が発揮できるよう環境を整えたり、声掛けの仕方を工夫したりしています。職員が全てを行なったり、手伝ったりしたほうが早く行えるかもしれませんが、それでは利用者の方の自立を促すことにはつながりません。時間がかかっても、なるべくできる事は、ご自身で行なっていただくようにしています。グループホームで共同生活を行なっていくため、役割を持っていただき、日々の生活をしていくことがリハビリにつながるようにしています。いつまでもその人らしい生活がおくれるよう、これからも支援していきたいと思います。
1.家族への情報提供はあるか |
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2.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか |
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3.職員の接遇・態度は適切か |
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4.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか |
はい 77%
どちらともいえない 15%
無回答・非該当 8%
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5.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか |
はい 54%
どちらともいえない 31%
無回答・非該当 15%
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6.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか |
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7.利用者のプライバシーは守られているか |
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8.個別の計画作成時に、利用者や家族の状況や要望を聞かれているか |
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9.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか |
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10.利用者の不満や要望は対応されているか |
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11.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか |
はい 46%
どちらともいえない 31%
いいえ 15%
無回答・非該当 8%
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