評価機関としての調査結果
調査時に観察したさまざまな場面の中で、調査の視点に基づいて評価機関が選定した場面
職員はリビングに座る利用者に乾いた洗濯物を「お願いします」と渡す。3名の利用者が手際よく畳んでいく。職員はAさんに「これはAさんのだからお部屋に持って行きましょう」と声をかける。立ち上がったAさんに洗濯物を渡すと「私歩けないのよ」と言う。職員は「ここにつかまりましょう」と声をかける。自室に入ると職員に「ありがとう」と言い引き出しを見ている。職員は「どこにしまいましょうか」と一番上の引き出しを開ける。「ここはいっぱいね」と言うとAさんは「そこじゃだめなの。私がやるからいい」と言って2段目に洗濯物をしまった。
選定した場面から評価機関が読み取った利用者の気持ちの変化
Aさんは洗濯物を抱えたことで身体を動かすことが出来ないと思ったようで、やや大きな声で歩けないと言った。職員は素早くAさんに右手で洗濯物を抱えてもらい、左手は手すりを握ってもらった。さらに「私は後ろから行きましょう」と声をかけてAさんが自室まで安心して歩けるようにしていた。Aさんはゆっくり歩き自室に入った時は安心した様子だった。職員はそのままAさんの様子を見守っていたが、洗濯物を抱えたまま動きが止まっていたので、どこにしまうかを引き出しを開けてみることで提案していた。Aさんは思い出したように、自分のことは自分でしますというような口調で作業を引き取り、2段目の引き出しを開けて洗濯物をしまい、3段目も開けて中を確認した。洗濯物を引き出しにしまう作業はAさんに任せ、全て終わったことを確認した職員は「きれいにしまえたね」とAさんの作業を声に出して評価した。Aさんはいつもの通り自分でできたことに満足したのだと思われる。「リビングに戻りましょう」と声をかけられると「はい」と返事をして職員の手引き歩行で移動した。
「評価機関としての調査結果」に対する事業者のコメント
私たちは日々の生活において家事や手伝いでご利用者のできることを職員は必要以上に手を出さず声掛けしたり見守りながら、ご利用者自らが行っていただくよう自立支援を常に念頭に置いている。洗濯物を持ちながら歩くことが困難なご利用者も職員が後ろから付添い、安心していただいた上で移動いただく。畳んだ衣類をどこに収納するかわからない時も職員が収納するのではなく、ご利用者に声を掛けてあくまでご利用者自身が収納することで自立支援を促している。収納出来た後はきれいにしまえたことをお伝えし、ご利用者に自分でできたという達成感と常に見守っているという安心感を与えている。こういった日常の作業をご利用者と職員が共同で繰り返し行い、声を掛け合うことで信頼関係を構築している。ご利用者によって出来ることと出来ないことの差は当然あるが、出来ることは継続して行っていただき、残存機能レベルを落とすことなく、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)を維持していくことが私たちの使命であると考えている。またこういった作業をご利用者が義務的に行う事がないよう、職員はご利用者が家事に自発的に参加しやすい環境づくりに取り組んでいる。
1.家族への情報提供はあるか |
|
2.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか |
|
3.職員の接遇・態度は適切か |
|
4.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか |
はい 87%
どちらともいえない 7%
無回答・非該当 7%
|
5.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか |
はい 80%
どちらともいえない 7%
無回答・非該当 13%
|
6.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか |
|
7.利用者のプライバシーは守られているか |
はい 73%
どちらともいえない 20%
無回答・非該当 7%
|
8.個別の計画作成時に、利用者や家族の状況や要望を聞かれているか |
はい 87%
どちらともいえない 7%
無回答・非該当 7%
|
9.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか |
どちらともいえない:0%
いいえ:0%
無回答・非該当:0%
|
10.利用者の不満や要望は対応されているか |
はい 87%
どちらともいえない 7%
無回答・非該当 7%
|
11.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか |
はい 33%
どちらともいえない 40%
いいえ 7%
無回答・非該当 20%
|