現場の視点でテーマを決めて話し合い、保育の質と組織のチーム力の向上を図っている園のその時々に必要なテーマについて、職員が経験・職種などの枠を超えて話し合う「チームブック」の仕組みがあり、本社が系列各園に推奨している。当園ではこの仕組みを、現場の課題解決と組織の同僚性促進に活かしており、昨年度は保育や保護者対応などに関する不安・悩みの解消、今年度は保育環境の充実と不適切保育の排除、職員のモチベーション向上など、毎年度現場からテーマを募り、グループ討議を行っている。話し合いでは付箋ワークなども活用して気づきや提案の促進と共有を図り、園の保育の質と組織のチーム力の向上につなげている。
子ども一人ひとりの表現や、得意・不得意への配慮を大切にしている描画や造形といった制作活動のほか、音楽や英会話などの表現活動に取り組む際には、子どもの自由な表現を保障し、意欲を尊重するため、描画等の作品の内容に関する声かけを行うのではなく、描き上げたことことや表現したこと自体に対する共感を伝えるよう心がけている。また集団演技等の練習は、子どもが楽しく体験することを前提にしており、もっと練習したい子どもの気持ちを尊重しつつ、行き過ぎないよう心がけ、参加が難しい子どもの心情への寄り添いや体験の保障に努めるなど、それぞれの思いや、得意・不得意への配慮を大切に考えている。
栄養士・保育者の連携のもと、多様な体験を重ねられるよう、食育活動に取り組んでいる食育は食や食材への関心を高める活動にとどめず、多様な体験を重ねられるよう取り組んでいる。タマネギの皮むきを機に、皮を使った染め物を行い、色がつく不思議さを体験している。また買い物体験として、お月見のススキや、ずんだ作りの材料である枝豆、餅米などを近隣の商店に買いに出かけている。これらの活動は、栄養士と保育者の連携のもとで進めており、計画を立案する際には、子どもから聞こえてきたエピソードや、子どもの興味などに関する情報が保育者から伝えられるほか、活動当日には、導入や雰囲気づくりのサポートや助言が行われている。