評価結果概要版 利用者調査と事業評価(組織マネジメント項目・サービス項目)の評価手法

令和5年度 認可保育所
法人名称
株式会社グローバルキッズ
事業所名称
グローバルキッズ飯田橋園
事業所所在地
東京都千代田区富士見2丁目14番36号
富士見ウエスト2階、3階
事業所電話番号
03-3239-8002

事業者の理念・方針

理念・方針
事業者が大切にしている考え(事業者の理念・ビジョン・使命など) 1)企業理念 「子ども達の未来のために」

2)保育理念「豊かに生きる力を育てる」

3)子どもの姿

4)心の育ち

5)保育に関わる配慮
 

全体の評価講評

特によいと思う点
  • 子どもが自分のペースで生活できるよう「遊」「食」「寝」の分離や遊びのゾーニングなど、子どもを中心とした保育を実現しようとしている
  • 本園では、園の基本方針に「子どもを中心とした保育実践」を掲げている。保育室はどのクラスも「遊ぶ」「食べる」「寝る」を分けた環境構成に配慮しており、こうした配慮が大人の指示や都合ではなく子どもが自分のペースで生活することを可能にしている。また遊ぶ環境においても目的や用途ごとにゾーニングをし、子どもの興味に応じて、目の前の遊びに集中できる環境を設定している。誰とどこで遊ぶのかを選び、自分のペースで生活できるよう配慮しており、こうした;配慮が子どもの自立を促し、子どもにとって居心地の良い環境を創造している。
  • 天候に左右されない屋内園庭は、乳幼児期から身体を動かす楽しさを体験でき、身体を通して友だちとの関わりを作れる点で、高く評価できる
  • 本園には屋内園庭と屋内グランドがあり、天候に左右されずに粗大運動や水遊びが可能な環境が整っている。安全性に配慮し、ゴムチップが敷かれた床や起伏のある山、すべり台を設置しており、子どもたちは体幹強化やバランス感覚を養う遊びを楽しめる。さらに、乗用玩具や屋内プール、ルールのある集団遊びを通じて、運動能力の促進や共感力の育成にも寄与している。乳幼児期の頃から、身体を動かす楽しさを体験でき、全身を使った遊びから人間関係の幅を広げる環境があることは、子どもの育ちにとって非常に重要であり、評価できる。
  • 保育者の考えや思いを丁寧に聞き取り、「待つ」という粘り強い園長の姿勢が、保育者同士の調和を生み、結果的に保育の質を向上させている
  • 上意下達による園長のリーダーシップというよりも、むしろ保育者の考えや思いを丁寧に聞き取り、「待つ」という粘り強い園長の姿勢が、保育者同士の調和を生み出している。急かせない園長の姿勢が、保育者自らが環境について考え工夫する風土をつくっており、このことが保育者自身の育ちにも寄与している。具体的には参考になる書籍を保育者に紹介したり、外部の講師を招いた研修等を行ったりすることで、保育者が自ら考え、話し合い、新たな工夫を生み出せるよう配慮している。現場から生まれるアイデアから、理想の保育を実現しようとしている。
さらなる改善が望まれる点
  • 赤ちゃんの頃から意欲や興味をひき出す、子どもの自立に向けた保育者の望ましい関わり方を模索することを期待したい
  • 本園では「子ども達の未来のために」、「子どもの自主性や自立」を目指す保育環境をつくろうとしている。そのために子どもが自分のペースで生活できるよう「遊」「食」「寝」のエリアを分けたり、いろいろな遊びのゾーンを設けたりして環境づくりに力を入れている。今後は人的な環境として核となる保育者が「自立」に向けた関わりを、乳児の頃から意識することだろう。例えば赤ちゃんはスキンシップは必要だが、過度な密着や関わりは自立を阻害する。子どもの意欲や興味をひき出す、自立に向けた保育者の望ましい関わりを模索することを期待したい。
  • 異年齢保育やチーム保育の意義について改めて検討した上で、子ども中心の保育をいかに創造していくのか、職員間で議論することが望まれる
  • 本園では、「保育者がクラスの枠を超えたチームとなって子どもの保育にあたる」ことを目指しているが、実現には至っていない。異年齢の子どもたちへの適切な環境設定や関わり方について、保育者間での意識の共有が不十分であることが一因である。今後は、異年齢保育の意義やチーム保育の必要性を保育者に対して明確に伝えることが求められる。異年齢保育と同年齢保育、チーム保育とクラス保育の間のバランスを考慮し、子ども中心の保育創造に向けた理念と保育計画におけるねらいを踏まえつつ、両方の良さを融合させる方向で検討することが望まれる。
  • 屋内施設の充実は、子どもたちが近隣の自然環境を活用し、地域とのつながりを失うリスクともなることを意識してほしい
  • 園内には充実した屋内園庭・グランドが整備されており、子どもは身体活動を十分に行える環境にある。しかし、この人工的な屋内環境では、子どもたちが自然科学に触れ合う機会が限られている。自然物との出会いは、子どもにとって不確実で予測不可能な経験を提供し、学びの機会を広げる。幸い、園の近隣には豊かな自然環境があり、保育実践を通じて自然の循環を学ぶ機会を増やすことが可能である。屋外へ出ることにより、地域社会との関わりや多様な出来事との出会いも増える。地域資源を活用しつつ、子どもとの自然体験を充実させることが望まれる。

事業者が特に力を入れている取り組み

  保育室内は、子ども一人ひとりの興味を引き出すような環境づくりを各所に工夫している
本園の保育室には、子ども一人ひとりの興味を引き出すような工夫と、子ども同士の刺激が促される環境がある。子ども一人ひとりの好みや得手不得手、誰とどこで遊ぶかなどを考慮し、子どもが選択できるよう配慮している。実際にロッカーや棚によってエリア分けをしたり、玩具の中味が見える透明の箱を使用していたり、ベッドの下を遊び場にしたり、手作り家具があったりなど、室内各所に工夫が見られる。子どもたちが遊びたいと思ったときに、誘い出す環境が常に用意されており、子どもの意欲や自発性を尊重しようとする姿勢が表れている。
  子どもの興味や関心に応じて、子ども同士の遊びが発展できるゾーンを設定している
各保育室には遊びのセンター(ゾーン)が用意されており、子どもが玩具を自由に使って遊べるように設定されている。子どもたちは、自分の興味や関心に沿って、遊び込んだり、遊びの続きを楽しめるようになっている。また、発達に応じて微細運動、粗大運動を選択することもできる。主活動からのつながりで造形コーナー、ロールプレイのゾーンの内容も変化させている。異年齢保育の特徴も十分活かされており、年長児の遊びを年中児、年少児が観察し、挑戦してみることもできる。子どもの発達を保障し、発達を促す環境づくりに努めている。
  誕生会は、当該月の誕生日に保護者を招いて保育者と共に子どもの成長を祝っている
本園の行事は、子どもたちの興味や体験への願望を叶えるため、保育者と子どもが協力して進める仕組みである。特に誕生会は、子どもの成長を祝う大人の願いを伝えることを目的としており、保護者も参加する。保護者は、保育者や他の園児と共に我が子の誕生日を祝う。一人ひとりの子どもに特別な時間と機会を与え、成長をみんなで一緒に祝い喜ぶこうした行事は、保護者にとって園の思いが伝わる大切なものであろう。今後もこのような行事を通じて、園の理念や子どもたちの成長への喜びを保護者と共有し続けることを望みたい。

利用者調査結果

調査概要

  • 調査対象:調査開始時点での本園の利用世帯96世帯(園児数122名)を対象として実施した。なお、兄弟姉妹がいる世帯は1世帯として扱った。
  • 調査方法:アンケート方式  
    調査項目は共通評価項目に準拠した。回答は、弊社オリジナルのWEBベース方式(パソコン・携帯・スマホ)で行った。WEBで回答できない保護者には書面の回答用紙を配布する。回答用紙は園経由で弊社宛に郵送してもらい、集計に加えることとする。
  • 利用者総数: 122人
  • 利用者家族総数(世帯): 96世帯
  • 共通評価項目による調査対象者数: 96人
  • 共通評価項目による調査の有効回答者数: 60人
  • 利用者家族総数に対する回答者割合(%): 62.5%
  • 調査項目: 共通評価項目
  有効回答者数/利用者総数
60/122
1.保育所での活動は、子どもの心身の発達に役立っているか
はい
95%
 
どちらともいえない:5%  
いいえ:0%  
無回答・非該当:0%
2.保育所での活動は、子どもが興味や関心を持って行えるようになっているか
はい
90%
 
どちらともいえない:10%  
いいえ:0%  
無回答・非該当:0%
3.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか
はい
90%
 
どちらともいえない:8%  
いいえ:0%  
無回答・非該当:2%
4.保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか
はい
78%
どちらともいえない
15%
 
いいえ:5%  
無回答・非該当:2%
5.保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか
はい
75%
無回答・非該当
18%
 
どちらともいえない:7%  
いいえ:0%
6.安全対策が十分取られていると思うか
はい
83%
どちらともいえない
15%
 
いいえ:2%  
無回答・非該当:0%
7.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か
はい
87%
どちらともいえない
13%
8.子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があるか
はい
88%
 
どちらともいえない:10%  
いいえ:2%  
無回答・非該当:0%
9.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
はい
92%
 
どちらともいえない:5%  
いいえ:3%  
無回答・非該当:0%
10.職員の接遇・態度は適切か
はい
93%
 
どちらともいえない:7%  
いいえ:0%  
無回答・非該当:0%
11.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
はい
97%
 
どちらともいえない:2%  
いいえ:2%  
無回答・非該当:0%
12.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
はい
77%
どちらともいえない
12%
無回答・非該当
12%
13.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
はい
93%
 
どちらともいえない:7%  
いいえ:0%  
無回答・非該当:0%
14.子どもと保護者のプライバシーは守られているか
はい
90%
 
どちらともいえない:8%  
いいえ:2%  
無回答・非該当:0%
15.保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか
はい
90%
 
どちらともいえない:8%  
いいえ:2%  
無回答・非該当:0%
16.利用者の不満や要望は対応されているか
はい
77%
どちらともいえない
12%
無回答・非該当
12%
17.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
はい
47%
どちらともいえない
27%
無回答・非該当
18%
 
いいえ:8%

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