評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1.心と身体のバランスのとれた成長を保障する。
2.ハンディキャップを持った子どもや外国籍の子どもも共に育ち合う保育をする。
3.保護者の社会的地位を守り、安心して仕事が出来るように支援する。
4.働きやすい職場環境をつくり、安心して働けるよう職員処遇の改善に取り組む。
5.暮らしやすい地域づくりの一翼を積極的に担う。
職員に求めている人材像や役割
子どもの思いや願いを尊重し、穏やかに受け入れることの出来る人。向上心をもって感性を磨き、学びの場に積極的に参加し、学んだことを保育に生かせる人。人格を育てる大切な時期という認識を持ち、保育に責任を持ち、他者と協調しながら、常に成長できる人であってほしい。
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
絶えず社会に関心を持ち、より広い視野と見識を持って保育にあたってほしい。子どもの成長発達を見据え、成長過程に合った関わりが出来るよう、日々勉強し、良い成長を促せる保育を展開してほしい。乳幼児期の心の成長が子どもの未来に大きく影響することを重く受け止め、愛情深い関わりをしてほしい。
全体の評価講評
特によいと思う点
規模が大きな園でありながら、各保育室や共用部分の環境設定にこだわり、家庭的で落ち着いた雰囲気を作っている。今回の増改築では、旧園舎部分も全面的なリフォームが行われ、木の質感を活かした空間で、各クラスに応じて職員が創意工夫のもとで環境の作り込みを行っている。職員の手作りのものを中心にした豊富な玩具や遊具、教材も40年の積み重ねの中で揃えられており、年齢発達に応じて自ら選択して遊び込めるようになっている。職員も見守る際の適切な援助を心掛け、子ども主体の生活環境が保障されている。
園の保育課程は独自の形式を取り入れており、理念方針に続けて、保育内容の形で基本的な考え方や具体的な特色の説明が詳細な内容で記述されている。また、職員の心得にも、理念方針と共に保育の場面毎の注意事項や、望ましい職員像が示され、職員への周知を図るための働き掛けも繰り返し行っている。園内研修も「保育の中で大切にしていること」をテーマに、活動の様子をビデオ分析する等、実践的な研修方法を取り入れており、職員同士が話し合いを重ねることで園が目指す保育への共通理解を深めている。
地域の中の施設としての役割を担うことを意識しており、地域連携や地域の子育て支援事業に積極的に取り組んでいる。子育て支援では、園庭開放を随時行うほか、保育所体験や出産前の育児体験も年間を通して多くの機会が用意されている。園の特色を活かしたわらべうたの講座や各種行事等では地域に声をかけて積極的な参加を促している。また市内の保育協議会を会長としてリードし、専門分野別の会合や研修、施設交流会、関係機関との連携強化などを行うことで、地域内の保育力の向上や施設間の連携交流につなげている。
さらなる改善が望まれる点
園舎の増改築は順調に進んでおり、設備面での充実も図られている。園庭についても、天然木の大型遊具を設置する等の取り組みが進んでいる。園としては、今後も引き続き整備を行う必要性を感じており、職員とのディスカッション等を通して課題を整理し、計画的に取り組んでいくこととしている。
子どもの生活の様子を伝える取り組みに力を入れており、掲示等を工夫することで活動内容の周知を図っている。アンケートでは、登降園の時間帯を中心に情報伝達等の面で要望も示されている。園庭側の門の位置や園舎の大きさ等、構造的な要因も考えられるが、園としての改善策を示すことも期待されている。
園児183名という規模の大きな園であり、職員の人数も多くなっている。また、発達に応じた独自のクラス編成を行っており、異年齢保育のグループを含めると全体で11クラスの規模になっている。園では、会議の仕組みを整えることで職員間の情報連携を確実にするようにしており、保育面では必要に応じてクラス年齢を跨いだ連携協力ができる体制になっている。職員のアンケートでは、主に業務面での連携について課題も感じており、改善を図る取り組みが期待されている。
事業者が特に力を入れている取り組み
園の特色としているわらべうたの指導では、「こどもたちに豊かなことばあそびを通して音楽を、音楽を通して人として持ち備えたい温かさ、ともだちへの思いやりなど、深く感じる心を育てています」と、保育課程・保育園のしおりに明記している。子どもたちの伸びやかで澄んだ歌声は、行事の中にも響き、皆が優しい雰囲気に包まれている。乳児・幼児・保育者も皆、園生活の中でも口ずさみ遊び合い声を掛け合っている。乳児が目を輝かせて寄ってきた手遊びでは、この上ない嬉しさに満ちた表情をしていた。園で取り組む遊び歌は、DVDにて紹介している。
園舎改築後の保育室では、子どもが生活しやすく遊びやすいよう子どもたち目線でリフォームを行い、道具棚・遊具・絨毯・カーテン等を徐々に新しく取り替える等、保育環境を整備している。幼児クラスはこれまでの4クラスから5クラス編成となり、新設クラスの環境整備も担当職員が話し合い、家具・遊具を選定の上で導入している。増築棟は和風建築を感じさせる温もりのある造りで、子どもたちがゆったりと遊び活動する姿が見られている。また、本園舎とマッチした図書コーナーでは本の貸し出しを行う他、集いの場としても活かされている。
園では、保育計画の総括を半期毎に行う中で、子どもの実態を出し合い研究している。今年度は「乳児の発達と保育」の続編として、「幼児の発達と保育」を手掛け、3~6歳までの発達を半年毎に区切って特徴やエピソードを文章化し、写真と合わせてわかりやすく提示できるようまとめている。子どもたちの日々の生活体験で感じる興味や関心、心が動く瞬間を記録すると共に、作業に関わる職員チームも発達の順次性を確認でき、その時期に適した保育者の援助方法を再確認できる等、有意義な取り組みとなっている。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:在園児183名(146世帯)の保護者(お子さんが複数通園されている場合は年齢の低いほうのお子さんについて回答を得る)。
- 調査方法:アンケート方式
アンケート方式を採用。標準調査項目に独自項目を追加したアンケートと案内文、共通評価項目のねらいを返信用封筒に同封し、園職員を通じて保護者へ配布。ポストへの直接投函と、園内に設置した箱で並行して回収を行い、弊社事業所にて集計を行った。 - 有効回答者数/利用者家族総数:62/146(回答率 42.5% )
アンケート全体の回答結果として、平均約86%の高い支持を集めている。中でも「心身の発達に役立つ活動」、「興味や関心が持てる活動」、「食事への配慮」の項目では満票に迫る極めて高い支持が得られた他、「施設環境は清潔か」、「自然や社会との関わり」、「職員の子どもへの対応」、「保育時間への対応」、「保育所との信頼関係」、「職員の接遇・態度」、「ケガや体調変化への対応」の項目でも9割台の非常に高い支持を集めている。一方、「外部の苦情窓口の周知」の項目では5割台の認識にとどまっている。自由記述では、保護者対応面に様々な意見や要望が寄せられている他、安全対策、行事日程の設定等に意見が見られた。気に入っている点では、職員の人柄や対応、食事、遊具・玩具を含めた施設環境面等に好意的なコメントが多数寄せられている。
アンケート結果
1.保育所での活動は、子どもの心身の発達に役立っているか
「はい」の回答が98.4%、「どちらともいえない」が0%、「いいえ」が0%となった。満票に迫る極めて高い支持が得られた他、追加項目「子どもの発達に合わせた豊かな感性を育む活動・遊び等が行われているか」でも9割台の支持を集めている。また、自由記述においても、異年齢保育やわらべうた等の活動に関する好意的なコメントが多数寄せられている。
2.保育所での活動は、子どもが興味や関心を持って行えるようになっているか
「はい」の回答が98.4%、「どちらともいえない」が1.6%、「いいえ」が0%となった。満票に迫る極めて高い支持が集まり、前項と併せて、活動に対する支持は広く得られている。
3.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか
「はい」の回答が98.4%、「どちらともいえない」が1.6%、「いいえ」が0%となった。満票に迫る極めて高い支持が得られた他、自由記述においても、食事提供に対する好意的な声が挙がっている。
4.保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか
「はい」の回答が95.2%、「どちらともいえない」が3.2%、「いいえ」が1.6%となった。9割を超える非常に高い支持が集まり、活動に対する支持は広く得られている。
5.保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか
「はい」の回答が91.9%、「どちらともいえない」が4.8%、「いいえ」が0%となった。9割台の非常に高い支持が集まり、柔軟さが高く評価されている結果となった。
6.安全対策が十分取られていると思うか
「はい」の回答が69.4%、「どちらともいえない」が22.6%で全体の「どちらともいえない」の割合の中で最も高く、「いいえ」が8.1%となった。自由記述には、安全面に対する具体的な意見も寄せられている。
7.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か
「はい」の回答が71%、「どちらともいえない」が21%、「いいえ」が8.1%となった。自由記述では、意見や要望も見られたが、設定に対する理解は概ね得られている。
8.子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があるか
「はい」の回答が91.9%、「どちらともいえない」が6.5%、「いいえ」が1.6%となった。9割台の非常に高い支持が集まり、良好な信頼関係が示されている。
9.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
「はい」の回答が96.8%、「どちらともいえない」が3.2%、「いいえ」が0%となった。9割を超える非常に高い支持が得られた他、追加項目「子どもが生活するところは落ち着いて過ごせる雰囲気か」でも9割台の支持を獲得している。
10.職員の接遇・態度は適切か
「はい」の回答が91.9%、「どちらともいえない」が6.5%、「いいえ」が1.6%となった。9割台の非常に高い支持が得られた他、追加項目「保育士や職員の姿勢や対応はだいたい同じ(ばらつきが少ない)か」では8割台の支持を集めている。また、自由記述においても、職員の人柄や対応に好意的なコメントが多数寄せられている。
11.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
「はい」の回答が91.9%、「どちらともいえない」が3.2%、「いいえ」が3.2%となった。一部意見も見られたが、9割台の非常に高い支持が集まり、体調変化やケガ等への対応は、保護者からの信頼を広く集めている。
12.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
「はい」の回答が72.6%、「どちらともいえない」が16.1%、「いいえ」が1.6%となった。「無回答・非該当」を除くと高い支持が得られており、トラブル時の対応は保護者からの信頼を広く集めている。
13.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
「はい」の回答が95.2%、「どちらともいえない」が4.8%、「いいえ」が0%となった。9割を超える非常に高い支持が得られた他、追加項目「担当保育士は子どもの良いところや個性を認めているか」でも9割台の支持を獲得している。
14.子どもと保護者のプライバシーは守られているか
「はい」の回答が77.4%、「どちらともいえない」が14.5%、「いいえ」が3.2%となった。特に複数のまとまった意見は見られなかったが、情報の取り扱い等に対する信頼は概ね得られている。
15.保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか
「はい」の回答が88.7%、「どちらともいえない」が8.1%、「いいえ」が1.6%となった。8割を超える高い支持が集まった。
16.利用者の不満や要望は対応されているか
「はい」の回答が79%、「どちらともいえない」が9.7%、「いいえ」が1.6%となった。一部意見も見られたが、要望や不満への対応は保護者からの信頼が概ね得られた結果となっている。
17.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
「はい」の回答が51.6%、「どちらともいえない」が16.1%、「いいえ」が6.5%となった。外部の苦情窓口の存在は、半数の認識にとどまっている。
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念、基本方針)を明確化・周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を明示している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
- 重要な意思決定や判断に迷ったときに、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を思い起こすことができる取り組みを行っている(会議中に確認できるなど)
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、自らの役割と責任に基づいて行動している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件を検討し、決定する手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
職員心得等をもとに法人職員としての基本を学んでいる
入職時には、法人レベルの研修として法人職員心得をもとに、理念方針、大切にしていること、保育の場面毎の注意事項、望ましい職員像、身だしなみについて等を学ぶ機会を作っている。同時に、就業規則等の各種規程や実務に関する基本事項も確認している。園でも、保育の中で大切にしていること等、園職員としての基本を確認している。また、半期のまとめを行う会議の場でも、保育課程をもとに園として大切にしていることを確認している。その際には職員が編集した小冊子等も活用し、より実践的な内容で確認できるようにしている。
地域子育て支援事業では、園の保育の特色が活かされた内容も多くなっている
地域子育て支援事業として園庭開放を常時行っている他、保育所体験や出産前の育児体験も、毎週火曜日から木曜日の間で随時対応できるようにしている。また、子育て支援の取り組みに活用できるスペースも確保しており、わらべうた等の園の特色を活かした講座の開催等を行っている。ホールも地域の会合や研修会等に貸し出す他、音楽イベントを開催して地域からの参加も呼び掛けている。職員も専門性を活かして、絵画指導や文学教育等で地域の講師を務めている。
関係機関との連携交流を進める役割を担い、活性化につなげている
市内の保育協議会では、園長会を通して共通課題への取り組みを行う他、主任会や看護師会、栄養士会、ハンディキャップ部会等を開催し、施設関係者が協力して学び合うことができるようにしている。園長が会のトップを務めていることもあり、地域内の施設間交流では主導的な役割も担っている。また、地域内の各種関連機関の会合に出席する他、地域内で活動するNPOやサークル等とも積極的な交流を行っており、地域の拠点としての役割も務めている。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知している
- 福祉サービスに従事する者として、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などを明示している
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などの理解が深まるように取り組んでいる
2. 第三者による評価の結果公表、情報開示などにより、地域社会に対し、透明性の高い組織となっている
- 第三者による評価の結果公表、情報開示など外部の導入を図り、開かれた組織となるように取り組んでいる
- 透明性を高めるために、地域の人の目にふれやすい方法(事業者便り・会報など)で地域社会に事業所に関する情報を開示している
1. 事業所の機能や福祉の専門性をいかした取り組みがある
- 事業所の機能や専門性は、利用者に支障のない範囲で地域の人に還元している(施設・備品等の開放、個別相談など)
- 地域の人や関係機関を対象に、事業所の機能や専門性をいかした企画・啓発活動(研修会の開催、講師派遣など)を行っている
2. ボランティア受け入れに関する基本姿勢を明確にし、体制を確立している
- ボランティアの受け入れに対する基本姿勢を明示している
- ボランティアの受け入れ体制を整備している(担当者の配置、手引き書の作成など)
- ボランティアに利用者のプライバシーの尊重やその他の留意事項などを伝えている
3. 地域の関係機関との連携を図っている
- 地域の関係機関のネットワーク(事業者連絡会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働して取り組めるような体制を整えている
【講評】
保護者の要望については個別に記録を取り、必要な対応や配慮ができるようにしている
新入園の際には個別に面談を行い、園生活に関する詳しい説明を行うと共に、保護者の個別ニーズ等を聞き取っている。この記録をもとにミーティングを行い、園としての対応を標準化すると共に、特段の配慮が必要なケースではリーダー会で再確認し、必要に応じて再度面談を設定している。また、進級時にも説明会を行い、前年度との変更点等を伝え保護者の意見を聞き取っている。年3回のクラス別の懇談会や個人面談も行い、常に保護者の要望を把握できるようにしている。
意見要望を集約して、園としての方針や対応を説明している
保護者の意見要望は、毎日の送迎時対応や連絡帳の記述からも把握しており、都度必要な対応を行うことで解決を図っている。その内容については、記録として整理されている。また、懇談会やアンケート等を通して把握した意見要望もまとめており、振り返りの会議等の場で園としての対応について話し合っている。園に対する要望が多様化する傾向にあるが、園として対応できることについては迅速に対応している。また、現状では対応が難しいと思われる内容については、園長から方針について具体的な説明を行うようにしている。
地域関係機関との連携は幅広くなっており、主導的な役割も担っている
市内の保育協議会の活動が充実しており、園長同士の情報交換だけなく、研修等を通して職員同士の連携交流にもつながるようになっている。また、情報収集の面でも強みを持ち、市場動向や行政情報等を幅広く把握できるようになっている。園長がこの会の会長を務めることもあり、活動を通して幅広い関係者との連携を図るための仕組み作りにも取り組んでいる。また、情報の収集だけでなく分析についても力を発揮しており、多くの情報をもとに必要な内容を整理し、職員にも随時伝えている。
1. 利用者一人ひとりの意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応している(苦情解決制度を含む)
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者一人ひとりの意見・要望・苦情に対する解決に取り組んでいる
2. 利用者意向の集約・分析とサービス向上への活用に取り組んでいる
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向を把握することに取り組んでいる
- 事業者が把握している利用者の意向を取りまとめ、利用者から見たサービスの現状・問題を把握している
- 利用者の意向をサービス向上につなげることに取り組んでいる
3. 地域・事業環境に関する情報を収集し、状況を把握・分析している
- 地域の福祉ニーズの収集(地域での聞き取り、地域懇談会など)に取り組んでいる
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)の収集に取り組んでいる
- 事業所としての今後のあり方の参考になるように、地域の福祉ニーズや福祉事業全体の動向を整理・分析している
【講評】
法人全体の事業を見通した計画の策定が進められている
法人全体の中長期の計画は、理事長を中心に理事会での審議検討事項となっている。法人では、ここ数年で規模の拡大が行われており、学童も含めて複数の施設運営を行うようになっている。そのため組織体制の強化が当面の重要課題であり、本部機能や会計面での仕組みの強化等に取り組んでいる。全体の取り組み状況は、施設長会議の名で理事長から説明があり、各施設の運営状況等も共有できるようにしている。今後は、施設単位でも事業全体を見通した上での、中期計画の具体化が必要になっている。
事業方針に沿った形で、カリキュラム等の現場の計画が作られるようにしている
年度更新時には理事長から年度方針の発表があり、法人全体としての課題等を説明されている。園の事業計画もこの方針に沿って策定され、園が取り組む事業の全体像を職員が共有できるようにしている。カリキュラム等現場の計画については、振り返りの会議での話し合いを基本に、必要な見直し等を行い次年度につなげている。現場の保育内容が年度で大きく変わることは想定されていないが、年間の目標設定等の際に全体方針との整合を確認することで、法人園としての方向性を統一している。
危機管理マニュアルを基本に、園全体のリスクについて検証している
危機管理マニュアルが法人レベルで標準化されており、ここに環境整備、安全管理、防災等の園の安全管理に関する全ての取り組みを盛り込むようにしている。マニュアルは大項目の下に、分野別の具体的なマニュアルや手順書、フローチャート等が付けられており、園ではこれを基本に園の状況に応じたカスタマイズを行って使用している。修正内容は施設長会議で共有され、年度末には全体の見直しにつなげている。この作業を行うことで、年度更新時に園全体のリスクについての検証を行うことができるようになっている。
1. 取り組み期間に応じた課題・計画を策定している
- 理念・ビジョンの実現に向けた中・長期計画を策定している
- 年度単位の計画を策定している
- 短期の活動についても、計画的(担当者・スケジュールの設定など)に取り組んでいる
2. 多角的な視点から課題を把握し、計画を策定している
- 課題の明確化、計画策定の時期や手順があらかじめ決まっている
- 課題の明確化、計画の策定にあたり、現場の意向を反映できるようにしている
- 計画は、サービスの現状(利用者意向、地域の福祉ニーズや事業環境など)を踏まえて策定している
- 計画は、想定されるリスク(利用者への影響、職員への業務負担、必要経費の増大など)を踏まえて策定している
3. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 計画推進の方法(体制、職員の役割や活動内容など)を明示している
- 計画推進にあたり、より高い成果が得られるように事業所内外の先進事例・失敗事例を参考にするなどの取り組みを行っている
- 計画推進にあたり、目指す目標と達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
1. 利用者の安全の確保・向上に計画的に取り組んでいる
- 利用者の安全の確保・向上を図るため、関係機関との連携や事業所内の役割分担を明示している
- 事故、感染症、侵入、災害などの事例や情報を組織として収集し、予防対策を策定している
- 事故、感染症、侵入、災害などの発生時でもサービス提供が継続できるよう、職員、利用者、関係機関などに具体的な活動内容が伝わっている
- 事故、感染症、侵入などの被害が発生したときは、要因を分析し、再発防止に取り組んでいる
【講評】
法人グループ内の基幹施設としての役割を担っている
職員の採用は、法人各施設間での話し合いの上で方針を決定することとしているが、全施設とも職員体制が安定していることから、施設間で次年度に向けた調整を行った後に、不足分の採用を補充する形で行うレベルになっている。また、施設内の有資格の非常勤職員にも正規職候補がおり、ゆとりを持って人材の採用に取り組める強みがある。また、園は法人本部を有するグループ内の基幹施設でもあり、姉妹園への人材供給を担うことも意識した職員体制作りを行っている。
研修方針も法人内で標準化を図り、法人として求める人材の育成に取り組んでいる
異年齢保育やわらべうたを中心に特色のある保育を展開しており、取り組みを長く積み重ねてきたことで高いレベルでの保育の質の安定につなげている。このレベルを今後も維持向上していくため、研修についても法人として共通の目的意識を持って取り組むこととしている。特に、理論的且つ科学的に根拠の示せる取り組みを意識しており、脳科学分野等も含めて広い範囲の研修を取り入れている。また、専門性の向上もテーマとし、分野別に専門家を招いた研修等も行っている。
計画的な研修への参加を促し、個々の保育力の向上に努めている
個々の職員の育成については、研修計画をもとに管理者層がサポートを行いながら進めるようになっている。外部の研修では、職位や分野に応じて必要なものに参加できるよう、研修情報を集約し選択の幅を広く取っている。組織の階層を整理し、専門分野別の主任等の役割に応じた職位と職責を明示したことで、職員が求められるレベルを意識して学ぶことができるようにしている。また、個々の希望で時間外の研修に参加する場合は、園で費用の補助を行うことで支援している。
1. 事業所にとって必要な人材構成にしている
- 事業所の人事制度に関する方針(人材像、職員育成・評価の考え方)を明示している
- 事業所が必要とする人材を踏まえた採用を行っている
- 適材適所の人員配置に取り組んでいる
2. 職員の質の向上に取り組んでいる
- 職員一人ひとりの能力向上に関する希望を把握している
- 事業所の人材育成計画と職員一人ひとりの意向に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 個人別の育成(研修)計画は、職員の技術水準、知識、専門資格の習得(取得)などの視点を入れて策定している
- 職員一人ひとりの個人別の育成(研修)計画に基づいて、必要な支援をしている
- 職員の研修成果を確認し(研修時・研修直後・研修数ヶ月後など)、研修が本人の育成に役立ったかを確認している
1. 職員一人ひとりの主体的な判断・行動と組織としての学びに取り組んでいる
- 職員の判断で実施可能な範囲と、それを超えた場合の対応方法を明示している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに学ぶことに取り組んでいる
- 職員一人ひとりの研修成果を、レポートや発表等で共有化に取り組んでいる
2. 職員のやる気向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価・報酬(賃金、昇進・昇格、賞賛など)が連動した人材マネジメントを行っている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、疲労・ストレスなど)を把握し、改善に取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、やる気と働きがいの向上に取り組んでいる
- 福利厚生制度の充実に取り組んでいる
1. 事業所が蓄積している経営に関する情報の保護・共有に取り組んでいる
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

【講評】
保育課程を基本に園が目指す保育の姿を理解して取り組めるようにしている
子どもの個性の尊重と豊かな環境作りを特色に持つ園であり、保育課程も独自の書式で作り込まれている。園全体の方針や特色だけでなく、年齢別の活動についても詳細な解説を付けており、職員が具体的な内容を理解できるようになっている。これを基本に、毎年度の計画作り等の際に繰り返し確認を行い、園が目指している保育の姿を職員全体で共通理解できるようにしている。法人職員心得にも、園の基本的な考えと職員に求める保育への姿勢を明記し、取り組みが徹底するようにしている。
保護者には、具体的な資料をもとに詳細な説明を行うことで理解を得るようにしている
見学には基本的に主任が対応しており、実際の保育の様子をもとに保育内容や園の考え方等を伝えている。入園前面接や新年度説明会では、園のしおりの他に重要事項説明書や年間活動表等の具体的な取り組みがわかる資料を用意し、詳細な説明を行うことで保護者の理解を得るようにしている。また、「保育生活にあたり」といった文章も用意し、園生活に関して保護者に知っておいてほしいこと等を伝えており、園と保護者の協力関係のもとで保育を進めることについて確認している。
会議の位置付けを明確にすることで、園全体の情報共有ができる仕組みになっている
園の組織構成は、園長・主任・2名の副主任・各クラスリーダーとなっており、運営面の重要事項は園長・主任・副主任の4名で話し合う場を持っている。園の規模が大きく、異年齢のグループも含めて11クラスの編成になっており、全体への指示伝達や情報共有の面では工夫が必要になっている。園では、全ての会議について話し合う内容を整理すると共に、全体の順位付けを行い、合理的に意思決定ができるようにしている。特に代表者会議、リーダー会議、職員会議の開催で、情報の全体共有も確実に進めている。