評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1)一人ひとりの子どもを大切にし、子どもの伸びる力を最大限発揮できるよう援助します。
2)保護者と職員の信頼関係を培い「ともに育て合い、ともに育ちあう」事を大切にします。
3)子どもが健やかに育つこと、保護者が安心して働き続けられるように努めます。
4)職員が健康で明るく働き続けられることを大切にします。
5)地域と手つなぎを広げ、安心して子どもを産み育てられる町づくりをめざします。
職員に求めている人材像や役割
自ら法人の一員・たんぽぽ保育園の一員である自覚をもち、自分たちも保育園を支え、自分たちで作り上げていくという認識を持つ職員。その為に自発的に研修を受け、交流を企画し学んで自分を高める職員。
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
①保育は「命」を預かる仕事と自覚し職務を遂行すること ②保護者の育児支援をする立場に立った職員であること ③職員間の連携を大切にし、働きやすい職場作りに努めること
全体の評価講評
特によいと思う点
安全な食材を利用し、変化にとんだバランスの良い昼食・おやつの提供をしていて、保護者からの信頼も厚い。昼食時は保育士だけでなく調理師など職員が子どもたちと一緒に給食を食べ、交流がおこなわれている。行事の時のバイキング給食はいつもと違った献立内容で子どもたちを楽しませている。年1回避難訓練で非常食を食べる日も設けている。看護師と栄養士で「体の仕組みと食べ物」のエプロンシアターを作り、関係を子どもたちに伝えることもおこなわれた。ベランダでは野菜の栽培も続け、献立に使用したりもしている。
心身ともに健康な子どもをめざしていて、入園時から1日の生活リズムを家庭を含めてスムーズに確立できるように働きかけている。散歩や外遊びを毎日おこない、体を十分動かして遊び、食事のお代わりをする子も多い。3階建ての建物なので階段の上り下りで体を鍛えたり、リズム運動も定期的に取り入れ柔軟なバランスの良い体つくりなど年齢に応じた運動を取り入れている。全室床暖房の設備もあり、園児は年間を通して、半袖、短パンで過ごせるようになり、身軽に園での活動をおこなっている。
各クラスとも加配職員が配置されているため、見学時も職員がゆとりをもって子どもたちに接している様子がみられた。開園以来、定年や結婚のため遠くへの引っ越しで退職した職員以外は定着している。職員全員で行事等を連携しておこなっていて、子どもたちを育てる目がたくさんあり、一人ひとりを大切に保育がされている。ゆとりのある保育体制が職員の定着率を高くし、子どもたちのより良い保育内容につながっている。
さらなる改善が望まれる点
法人の中・長期計画、理事長や3園の園長・副園長による会議の報告などを通じて理念や方針を職員に伝え情報や課題の共有に努めるなど、管理運営面での努力は評価したい。一方、認可保育園となって7年が経過し、子どもの数・職員数も多くなっているため、これまでの延長線ではない園の運営のあり方を検討する時期にきていると思われる。各クラス・給食などの会議をまとめ事業所全体を把握するために、園長・副園長・主任などの管理層による会議を定期的に開催するなど事業所管理機能の確立が必要となっていると思われる。
事業所は職員育成に力を入れている。保育実践や職員に対する保護者の評価も、「園長初め、とても信頼できる」「とても温かい雰囲気と細かな心遣い」「先生方の対応、給食の内容が特に良い」「アットホームで、常に子どもたちを尊重した関わりをしてくれる」など高い。一方、職員からは「更なるスキルアップを」「発達障害の研修を全職員に」「研修報告と議論をもっと」など研修への改善の意見も出されている。職員に求める人材像や獲得目標、育成方法やプログラムなど人材育成基本方針と計画を早期に策定し、職員育成面での前進が必要と思われる。
運動会は卒園児にも参加してもらっていたり、保育相談などには応じているが、地域の子育て家庭を含めたイベントは今期できていなかった。地域の保育要求も多い中、保育園の実践を生かして、地域の子育て家庭と一緒にできる取り組みができることを期待したい。今、在園児だけを対象におこなわれている演奏会やお祭りなども、近隣の施設を借りるなどして地域の子育て家庭とも一緒に楽しめるようなイベントとして工夫できるように期待したい。地域に向けた試食会も次年度は実現できることが期待される。
事業者が特に力を入れている取り組み
日常保育で子ども一人ひとりを尊重して保育を進める努力をしている。散歩中、「子どもに対する注意の仕方が強かったのではないか」という地域の方からの指摘を受けたときも、職員会議で事実を確認し話し合いをおこなった。その時の状況が子どもにとって適切な働きかけだったか、声のトーンやことばの使い方で誤解を招く事があるなどを話しあい、十分に気を付け適切な話しかけをすることを全員で確認をし、本人も十分反省をした。問題が起きたとき職員全員が真摯に向きあい、解決に向けて話し合いができる職員集団になるように努力している。
「一人ひとりの子どもを大切にし、子どもの伸びる力を最大限発揮できるよう援助する」という理念を具体化し、細やかな保育を必要とする子どもや1対1の働きかけが必要な子どもがいる状況に対応するために、各クラスに基準より多く保育士を配置している。また、保育士だけではなく、看護師や栄養士、調理師がそれぞれの役割を果たし、職員全体が連携した取り組みを進めている。
年長クラスは千葉県まで電車やバスを利用しての宿泊合宿をおこない、たんぼに入ったり、ザリガニ取りを楽しんでいる。年中クラスは夕方から子どもたちが買い物をして食事を作り、部屋を暗くしての宝さがしなど保育園でデイキャンプをおこなっている。ひな祭りにはお茶の先生を招いてお茶会を楽しんでいる。歌や演奏の会、味噌づくり、味噌汁づくり、運動会など各行事をイメージしたバイキング給食、日本の伝統文化を伝える獅子舞や劇団の鑑賞会など、日常と違ったさまざまな行事を取り組む中で子どもたちの興味や好奇心を育て、広げている。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:全ての児童の保護者を対象に調査した。兄弟、姉妹のいる家庭は1世帯とし、年齢の低い方の児童について記入してもらった。全58世帯に調査票を配布した。児童の総数は72名。
- 調査方法:アンケート方式
保育園より調査票を全世帯に配布してもらった。無記名で記入した後、保護者から直接評価機関に郵送してもらい、回収した。 - 有効回答者数/利用者家族総数:35/58(回答率 60.3% )
たんぽぽ保育園は37年間にわたり乳児保育専門の保育室として運営をおこなうなかで、就学前までの一貫した保育をしたいという願いから、2011年認可保育園を立ち上げ、現在72名の園児を保育している。「心身ともに健康な子ども」「豊かな感性をもち、力いっぱい表現する子ども」をめざし、日々の保育を展開している。職員を加配し、ゆとりのある保育体制での、食育をはじめ自然とのかかわり、子どもの心身の発達、保育園での子どもたちの活動などについて保護者全員が信頼を寄せている。自由記載の欄には子どもたちの成長への感謝、職員集団の連携の良さや対応の良さ、暖かさを感じるなど、安心して子どもを預けることができているという記述が多くあり、保護者からの信頼度が高い保育園である。満足度については1人が「どちらともいえない」と回答しているが、あとの34名は「大変満足、満足」と回答している。「園がもう少し広く、園庭があればさらに良い」という意見もあった。
アンケート結果
1.保育所での活動は、子どもの心身の発達に役立っているか
全員が「はい」と答えている。「家庭では経験できないことを考えて経験させてくれている」「保育園でおこなっている活動が子どもたちの心身の発達に役立っていると感じている」「保育園でよき先生、良い友達と過ごす中、日々たくさんのことを学び、覚え、感じることで本当によく成長していると思います」との記述があった。
2.保育所での活動は、子どもが興味や関心を持って行えるようになっているか
全員が「はい」と答えている。保護者からは「職員が子どもの興味を持てるように導いてくれていると思う」「家ではできない経験をさせてもらっていてありがたい」など感謝のことばがのべられている。
3.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか
全員が「はい」と答えている。「すべてが手作りで安心している」「バランスのとれた食事になっていてありがたい」「子どもが献立表を見て楽しみにしている」などの記述もあり、保育園の食育に全員の保護者が信頼を寄せている。
4.保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか
91%の人が「はい」と答えている。「自然とのかかわりはたっぷりです」「セミの抜け殻やどんぐりなど外遊びでとってきた物を家にもちかえったりして子どもを通して親も季節を感じる」「子どもとの会話の中に自然と触れ合っていることが感じられる」「園庭が狭いが公園や、お散歩にもよく行ってもらったり、小さな園ですがいろいろ工夫されていて温かみのある保育園だと思う」という記述があった。
5.保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか
83%の人が「はい」と答えている。「いいえ」と回答している人が1人いたが保護者からのコメントはなかった。
6.安全対策が十分取られていると思うか
74%の人が「はい」と答え、23%の人が「どちらともいえない」と答えている。「どんなにやっても充分とはいえないと思う」との記述があった。
7.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か
83%の人が「はい」と答えている。14%の人が「どちらともいえない」と答えている。「いいえ」と答えた人も1人いた。「日程が早く知らされて調整しやすい」という記述があったが、「たまには土曜日に懇談会などしてほしい」という意見もあった。
8.子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があるか
1人を除き、信頼関係があると答えている。「いいえ」に対する保護者のコメントはなかった。「園長はじめ職員みんながとても信頼できて安心して子どもを預けられている」「職員の対応がよい」「日々の保育もとても丁寧にみてくれている」など保護者からの信頼度が高いが、「ノートの記入漏れが多くなっている」との記述もあった。
9.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
97%人が「はい」と答えている。「とてもきれいだと思う」「子どもたちが楽しそうに雑巾がけをしている」「先生方が自主的にお掃除をしている所を見て、感心した」との記述があった。
10.職員の接遇・態度は適切か
94%の人が適切と回答している。「フレンドリーな先生、きっちりした先生、いつも優しい先生、みなそれぞれ適切」「清潔感もあり、見た目も明るくとても適切」「担任以外の職員もあいさつや声かけをしてくれて、暖かく素敵な保育園だと入所時から感じている」という記述と、「電話の対応はもうすこし明るい方が良いと思う」「お迎えの時、もっと子どもの様子を知らせてほしい」「職員が忙しそうで話しかけにくいときがある」という記述があった。
11.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
97%の保護者から信頼が寄せられている。「素早く対応してくれる」「どんな小さい傷もきちんと報告してくれる」「看護師さんの手紙なども入っていて処置内容が分かりやすい」など、保育園の病気やけがの対応に信頼を寄せている保護者がほとんどである。
12.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
71%の人が「はい」と答え、20%の人が「どちらともいえない」と答えている。「年齢的にどうしてもかみつきが多い。しょうがないがやはり複雑な気もする」との記述があった。その他のコメントはなかった。
13.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
89%の人が「はい」と答え、「どちらともいえない」が1人、「いいえ」と1人が答えている。保護者からのコメントはなかった。
14.子どもと保護者のプライバシーは守られているか
83%の人が「はい」と答え、「どちらともいえない」が9%、「いいえ」と1人が答えている。「保護者会で職業や障がいのある兄弟の話をふって気まずそうにしていた」との記述があった。
15.保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか
91%の人が「はい」と答え、9%の人が「どちらともいえない」と答えている。「いつもその日のできごとなど話してくれるのでありがたい」と記述があった。
16.利用者の不満や要望は対応されているか
80%の人が「はい」と答え、11%の人が「どちらともいえない」と答えている。「不満や要望を伝えたことがない」「今のところ不満な点はない」という記述と、「紛失物に対する対応が残念だった」という記述があった。
17.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
60%の人が「はい」と答え、23%の人が「どちらともいえない」、6%の人が「いいえ」、非該当と答えた人が11%だった。保護者からのコメントはなかった。
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念、基本方針)を明確化・周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を明示している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
- 重要な意思決定や判断に迷ったときに、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を思い起こすことができる取り組みを行っている(会議中に確認できるなど)
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、自らの役割と責任に基づいて行動している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件を検討し、決定する手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
第三者評価の受審、結果の公表、ホームページ開設など地域に対し、透明性を高めている
第三者評価を受審し結果を公表している。ホームページを開設し、事業所の理念や歴史、保育方針、日常保育の様子の写真など、事業所全体についてわかりやすく公開している。毎月発行している園だよりや給食だよりも見られるようにするなど、利用希望者に必要な情報を提供するだけでなく、地域社会に対し情報を開示し、透明性の高い組織となっている。
地域の中で事業所の専門性を生かした取り組みを進めている
保護者や地域の人を対象に「離乳食講習会」「手作りおもちゃづくり講習会」などを開催している。ひな祭りでは地域の方に抹茶をたててもらったりしている。事業所内で保育に関わる講演会やコントラバスのコンサートなどもおこなっているが、今後はこのような企画にも地域の方々が参加できるように開催場所などの工夫をしたいとの事である。中学生の職業体験や保育士養成学校生の実習・見学の受け入れもおこなっている。ボランティアも基準を明確にして受け入れている。このように、事業所の機能や専門性を生かした取り組みを積極的に進めている。
地域の関係機関との連携を進めている
区の私立認可保育園の連絡会や園長会、保育問題協議会などに参加し、地域の一員として共通課題の解決などに取り組んでいる。また、クラスで役員を選出し保護者の連絡会にも参加できるようにしている。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知している
- 福祉サービスに従事する者として、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などを明示している
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などの理解が深まるように取り組んでいる
2. 第三者による評価の結果公表、情報開示などにより、地域社会に対し、透明性の高い組織となっている
- 第三者による評価の結果公表、情報開示など外部の導入を図り、開かれた組織となるように取り組んでいる
- 透明性を高めるために、地域の人の目にふれやすい方法(事業者便り・会報など)で地域社会に事業所に関する情報を開示している
1. 事業所の機能や福祉の専門性をいかした取り組みがある
- 事業所の機能や専門性は、利用者に支障のない範囲で地域の人に還元している(施設・備品等の開放、個別相談など)
- 地域の人や関係機関を対象に、事業所の機能や専門性をいかした企画・啓発活動(研修会の開催、講師派遣など)を行っている
2. ボランティア受け入れに関する基本姿勢を明確にし、体制を確立している
- ボランティアの受け入れに対する基本姿勢を明示している
- ボランティアの受け入れ体制を整備している(担当者の配置、手引き書の作成など)
- ボランティアに利用者のプライバシーの尊重やその他の留意事項などを伝えている
3. 地域の関係機関との連携を図っている
- 地域の関係機関のネットワーク(事業者連絡会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働して取り組めるような体制を整えている
【講評】
保護者一人ひとりの意向の把握に努め、対応している
苦情解決制度については入園時の説明、園だよりへの年2回の掲載を通じて伝えている。行事ごとの利用者アンケート、入園児の家庭訪問、年2回の個人面談、年3回の懇談会などを通じて、保護者一人ひとりの意見や要望、苦情を把握し、解決に努めている。全体にかかわる意見や要望への対応については園だよりや手紙で知らせている。
地域・事業環境に関する情報を収集し、状況を把握・分析している
地域の認可私立保育園連合会や園長会、東京都社会福祉協議会、任意団体である民間保育園の経営などに関する懇談会などに参加し、地域の福祉ニーズや事業環境などについて情報を収集・把握・分析し、事業所の今後のありかたなどの参考にしている。
1. 利用者一人ひとりの意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応している(苦情解決制度を含む)
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者一人ひとりの意見・要望・苦情に対する解決に取り組んでいる
2. 利用者意向の集約・分析とサービス向上への活用に取り組んでいる
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向を把握することに取り組んでいる
- 事業者が把握している利用者の意向を取りまとめ、利用者から見たサービスの現状・問題を把握している
- 利用者の意向をサービス向上につなげることに取り組んでいる
3. 地域・事業環境に関する情報を収集し、状況を把握・分析している
- 地域の福祉ニーズの収集(地域での聞き取り、地域懇談会など)に取り組んでいる
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)の収集に取り組んでいる
- 事業所としての今後のあり方の参考になるように、地域の福祉ニーズや福祉事業全体の動向を整理・分析している
【講評】
取り組み期間に応じた課題・計画を策定し、取り組んでいる
年間の事業計画には、事業所の理念が冒頭に掲げられ、めざす子ども像と保育方針、クラス編成、職員の体制と任務分担、処遇、年間行事計画と職員の役割分担、職員の研修計画、安全管理、避難訓練、施設・設備・備品管理、地域との連携などについて方針と計画が明記されている。それに基づいて月間や週間の計画が策定され具体化されている。理念・ビジョンの実現をめざした「中・長期計画」も策定され職員に提示されている。この点は評価したいが、骨格の提示とも受け取られる面も感じられるので、更に掘り下げ肉付けされていくことを期待したい。
多角的な視点からの計画策定と実行に、話し合いを重ねて取り組んでいる
前年度の総括を基にしながら、利用者の意向も踏まえるなど、多角的な視点から各クラスや全体の職場会議での話し合いを重ね、計画を策定している。職員の体制、役割分担、活動内容などは年間計画でその基本を確認した上で、月次の職員会議での議論や研修、他園との交流などで学んだ事例も取り入れ討論しながら実行に取り組んでいる。計画の実行・推進にあたっては、保育課程に謳っている方針に基づき評価し、半期・月次で確認し、必要に応じて見直しながら取り組んでいる。
利用者の安全の確保・向上に計画的に取り組んでいる
事業計画に災害対策業務分担を明確にし、日常的には自主検査チェック表に基づき、施設・設備、火気、防犯対策を点検している。災害、事故に備えたマニュアルを作成し、避難訓練は毎月実施している。同時に救急対応の実技についても学び実際に役立った事例も経験した。緊急時の連絡票を作成し、避難場所を保護者に周知している。事故、アクシデント・インシデントについては報告書を整備し、職員会議等で分析し防止に取り組んでいる。大規模災害時の対策が課題となっている。
1. 取り組み期間に応じた課題・計画を策定している
- 理念・ビジョンの実現に向けた中・長期計画を策定している
- 年度単位の計画を策定している
- 短期の活動についても、計画的(担当者・スケジュールの設定など)に取り組んでいる
2. 多角的な視点から課題を把握し、計画を策定している
- 課題の明確化、計画策定の時期や手順があらかじめ決まっている
- 課題の明確化、計画の策定にあたり、現場の意向を反映できるようにしている
- 計画は、サービスの現状(利用者意向、地域の福祉ニーズや事業環境など)を踏まえて策定している
- 計画は、想定されるリスク(利用者への影響、職員への業務負担、必要経費の増大など)を踏まえて策定している
3. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 計画推進の方法(体制、職員の役割や活動内容など)を明示している
- 計画推進にあたり、より高い成果が得られるように事業所内外の先進事例・失敗事例を参考にするなどの取り組みを行っている
- 計画推進にあたり、目指す目標と達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
1. 利用者の安全の確保・向上に計画的に取り組んでいる
- 利用者の安全の確保・向上を図るため、関係機関との連携や事業所内の役割分担を明示している
- 事故、感染症、侵入、災害などの事例や情報を組織として収集し、予防対策を策定している
- 事故、感染症、侵入、災害などの発生時でもサービス提供が継続できるよう、職員、利用者、関係機関などに具体的な活動内容が伝わっている
- 事故、感染症、侵入などの被害が発生したときは、要因を分析し、再発防止に取り組んでいる
【講評】
理念実現を目指して事業所に必要な人材を確保し、職員の研修に力を入れている
職員の採用時には法人の役員も参加し、法人と事業所の理念を説明して事業所が必要とする人材を採用している。採用後は、年に2~3回の内部研修、理事会主宰の宿泊研修などをはじめ、区の認可私立保育園園長会や東京都社会福祉協議会主催の研修にも積極的に参加するようにしている。年間計画でそれを具体化するとともに、個人別の研修計画も作成して取り組むなど、理念実現に向けた事業の担い手として職員に成長してもらうことを目指して、職員の育成研修に力を入れている。
人材育成の基本方針と計画を策定するため議論を進めている
事業所は個人別の研修計画の策定を含めて研修に力を入れている。しかし、その内容は個人の希望や苦手な分野のテーマが中心となり、個人別の到達と課題に基づいた目標設定と研修計画となっていない。職員に求める人材像や獲得目標、育成の方法など育成方針・計画については、その必要性が法人や事業所管理者の認識となり、議論が開始されたとのことである。早期の人材育成基本方針・計画の策定と実践で、豊かな保育実践と同様に職員育成面でも一層前進されることを期待したい。
職員の意識を把握し、優れた実践の共有など職員のやる気や働き甲斐の向上に努めている
職員との個人面談をおこない、職員の意識状況や意見、要望などの把握に努めている。また、総括や月例会議時に意見が出しやすく主体的に参加できるよう小グループにするなど工夫している。栄養士と調理師が直接喫食状況を把握し調理の改善に繋げたり、食材の栽培や子どもの調理への参加、味噌づくり、「エプロンシアター」で体の仕組みと食べ物の話など、職員が連携して給食・食育活動を取り組んでいる。これらの取り組みを東京都社会福祉協議会の研修会で報告したことは職員の保育に対する確信につながった。
1. 事業所にとって必要な人材構成にしている
- 事業所の人事制度に関する方針(人材像、職員育成・評価の考え方)を明示している
- 事業所が必要とする人材を踏まえた採用を行っている
- 適材適所の人員配置に取り組んでいる
2. 職員の質の向上に取り組んでいる
- 職員一人ひとりの能力向上に関する希望を把握している
- 事業所の人材育成計画と職員一人ひとりの意向に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 個人別の育成(研修)計画は、職員の技術水準、知識、専門資格の習得(取得)などの視点を入れて策定している
- 職員一人ひとりの個人別の育成(研修)計画に基づいて、必要な支援をしている
- 職員の研修成果を確認し(研修時・研修直後・研修数ヶ月後など)、研修が本人の育成に役立ったかを確認している
1. 職員一人ひとりの主体的な判断・行動と組織としての学びに取り組んでいる
- 職員の判断で実施可能な範囲と、それを超えた場合の対応方法を明示している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに学ぶことに取り組んでいる
- 職員一人ひとりの研修成果を、レポートや発表等で共有化に取り組んでいる
2. 職員のやる気向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価・報酬(賃金、昇進・昇格、賞賛など)が連動した人材マネジメントを行っている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、疲労・ストレスなど)を把握し、改善に取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、やる気と働きがいの向上に取り組んでいる
- 福利厚生制度の充実に取り組んでいる
1. 事業所が蓄積している経営に関する情報の保護・共有に取り組んでいる
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

【講評】
理念を明示し、職員や利用者の理解が深まるように努力している
当事業所は、37年間0歳児保育をおこなってきた認定保育室・たんぽぽ共同保育所を母体として2011年4月に開設され、「一人ひとりの子どもを大切にし、子どもの伸びる力を最大限発揮できるよう援助する」「保護者と職員の信頼関係を培い、『ともに育て合い』『ともに育ちあう』事を大切にする」などを理念として掲げている。それを事業計画やパンフレット、入園のしおりなどに明示し、職員と利用者に周知している。職員に対しては採用時研修で説明するとともに、月次の職員会議や年間の活動総括の際に議論するなど理解が深まるよう努力している。
経営層は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所運営に努めている
事業計画には園長、役職者の役割や職務分担などを明記している。園長、副園長は法人内3事業所合同会議に参加して事業所運営のあり方を確認・交流しながら役割と責任を果たすために努力しており、スタートして7年を経過した事業所として管理運営面でも落ち着いてきていると思われる。今後は園長、副園長、主任による事業所管理機能の確立、リーダー層との議論と意思統一、非常勤者を含めた職員との課題と方針の共有など、一層の改善を期待したい。
重要な案件を検討し決定する手順や徹底する仕組みを整備している
定款と事業所の運営規定が整備されており、重要な案件を検討し決定する手順やそれを徹底する仕組みを整備している。最近の事例では、「処遇改善費」を受けることを理事会で決定し、その内容や法人の考え方、具体化の仕方について、理事長が参加して職員に説明するなど丁寧に取り組んだとのことである。しかし、前項と同様に職員からは一層の改善を、との意見も寄せられている。情報の共有や合意形成のありかたを含めた管理運営面の改善が必要と思われる。利用者に対しては、その内容に応じて、文書や園だより等で周知している。