評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1)利用者の生活訓練を通して、生活力の向上をめざし元気に豊かな地域社会生活を支援します
2)利用者の「働きたい」という希望に沿い、一般就労ができるように支援します
3)地域福祉の中で役立つ事業に協力し、取り組みます
4)地域精神保健福祉の向上に力を注ぎ、立川市や東京都さらには我が国の福祉の充実に役立つ取り組みを行います
職員に求めている人材像や役割
利用者さんの可能性を信じて、生活支援・就労支援ができる職員
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
病気があっても自分らしく豊かな生活が遅れると信じて支援に携わってほしい
全体の評価講評
特によいと思う点
個別支援計画に基づいた利用者支援は、各専門職が連携してチームで行っている。職員間の情報伝達と情報共有については、毎日行うミーティング、毎週行うこみっとミーティング等で共有しているほか、業務日誌や支援ソフトを活用し記録している個別支援記録を確認している。各利用者の意向や要望は担当スタッフが中心となって把握に努めている。年4回の定期面談のほか、いつでも相談に応じており、利用者の「働きたい」という気持ちを大切に就労支援に取り組んでいる。
事業所では、利用者の意見や要望を聞き取る機会を多く設けており、利用者の状況や要望に応じたさまざまなプログラムを提供している。通所プログラムでは、就職活動に向け、仕事に対するイメージをつくり、就職活動に取り組む意欲、向上と就職試験合格に向け、履歴書の書き方や面接の受け方などを習得する機会を設けている。単にノウハウを学ぶのではなく、利用者の「働きたい」「この会社に就職したい」という目標を達成するためのプログラムを用意し、希望が実現できるよう支援に努めている。
事業計画書の策定にあたっては、Plan(計画)、Do(実施)、Check(評価)、Act(改善)のPDCAサイクルで事業運営できるように、実施時期や具体的な実施内容、実施頻度、達成数値等を意図的に盛り込むように取り組んでいる。また、行動計画も明確にし、各職員が数値目標等を達成するための具体的な業務内容も明示している。さらに、今年度から一般職員にも経営数値等を伝達し、事業計画達成への参画意識を高めている。
さらなる改善が望まれる点
事業所としての人材育成計画や職員一人ひとりの研修計画、新規採用職員や法人内異動の職員を対象とした育成マニュアル等について未整備な状況となっている。また、職員全体の専門性や支援技術向上を図るために、外部研修に派遣した職員が学んだ内容についてレポート提出を義務づけて職員全体で供覧する取り組みや、内部研修を計画的に実施するといった取り組みも現在のところ行われていない。今後は人材育成に関する一連のしくみを確立し、着実な能力向上を図っていくことが望まれる。
現在作成されているマニュアルには、危機管理と虐待防止に関するものが整備されている。また、利用者への支援方法を標準化する取り組みは、ミーティング等で職員相互の話し合いを通じて行っている。なお、マニュアルはいずれも作成日や作成者、改訂日等が明確になっておらず、マニュアル通りの体制整備がなされていない箇所も一部にみられる。法人全体の職員が集まる合同ミーティングでは、具体的な支援方法等について資料を作成し標準化を図っているので、今後はそれら資料の活用も含め、各種マニュアルを整備・体系化していくことが期待される。
事業所は12月末に、現在の建物に引っ越しをしたばかりで、環境を整えつつある。建物は大きな道路から少し入った静かな住宅街にあり、家庭的な雰囲気の事業所で、1階は事務室、2階はオープンスペース、3階は2つの面談室からなっている。所内の清掃は、利用者と職員が週1回一緒に行っている。トイレは1階と3階にあり、現在は共用であるが、今後は階別に男女に分ける予定となっている。トイレ内の共用タオルは、衛生的とはいえず、ペーパータオル等にするなど、快適な環境整備を徐々に着手されたい。
事業者が特に力を入れている取り組み
事業所名のこみっとは、「何かに向け強い意志をもって積極的に取り組んでいく」という意味のある英単語(COMMIT)に由来しており、利用者が自身の人生の主人公として取り組めるための支援を目指している。その方針実現のために、IPSモデルという、1990年にアメリカで開発された個別就労支援プログラムの方法論を用いて、職員間で支援の原則を共有するように努めている。具体的には利用者一人ひとりについて通所や訪問等の支援方法を決め、オーダーメイドの支援となるように努めている。
事業所は、生活訓練を通して利用者の生活力向上を目指し生活支援と就労支援事業を行っている。誰もが元気に豊かな地域社会生活を送ることができるよう取り組み、通所だけでなく利用者の希望に応じ訪問支援を行っている。さまざまな課題を持つ利用者が仕事に就き、自信を持って、その人らしく豊かな生活を送ってほしいと願っている。そのため、利用者が安心して目標に向かって行かれるよう、落ち着いた環境や相談体制を整え、統一した支援を継続して行っている。情報交換を密にして、多職種が連携して共通認識を持ってチームで支援に取り組んでいる。
利用者の「働きたい」という希望に沿い、一般就労ができるよう支援している。利用者の支援は担当のスタッフが中心となって、年4回の定期面談のほか、毎週1度は面談の機会を持っている。利用者がどのような生活を送りたいかを聞き、目標達成に向けて必要なことや現在自分ができること、必要な支援を明確にし、職員や関係機関等の支援を得て着実に一歩づつ積み重ねていくことで、就労につながっている利用者も多い。職員一人ひとりが意識して質の高い支援の提供に取り組み、就労率も高く維持できている。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:全利用者
- 調査方法:アンケート方式
事業所よりアンケート用紙を配布してもらい、記入後、返信用封筒で直接評価機関へ郵送する方法を取った。 - 有効回答者数/利用者総数:25/40(回答率 62.5% )
アンケート調査の結果から、多くの項目で肯定的な回答が得られている。サービスの提供では、利用者が必要とした際の手助けがされていることに満足している様子がうかがえた。安心・快適性では、ケガや体調不良時の職員の対応は安心できると感じている利用者が多い。利用者個人の尊重では、個別の計画作成の際に利用者の意見や要望を伝えることができていると多くの利用者が回答している。また、他の人に見られたくないことや知られたくないことなど、個人のプライバシーに配慮した対応がされており、利用者の気持ちや考えを大切にした対応がされていると回答した利用者も見受けられる。なお、利用者同士の交流が楽しく行われているかについては、他の項目に比べ「はい」を選択した利用者が少なくなっている。総合的な感想では、事業所への満足度に対し、多くの利用者が「大変満足」や「満足」を選択している。
アンケート結果
4~17は選択式の質問のため、該当項目のみ掲載しています。
1.利用者は困ったときに支援を受けているか
25名の利用者のうち、23名が「はい」としており、利用者が必要とした際の手助けがされていると回答している。その他、1名は「どちらともいえない」、残りの1名が「いいえ」と回答している。自由意見では、親身に相談にのってくれるという声や、いつも一生懸命関わってくれる担当に本当に感謝しているという声などが聞かれた。
2.事業所の設備は安心して使えるか
事業所内は安心して使用できる環境にあるかについて、25名の利用者のうち、19名が「はい」、6名が「どちらともいえない」と回答している。自由意見では、器具が全体的に不足しており、場所が狭くなったという声があがった。
3.利用者同士の交流など、仲間との関わりは楽しいか
利用者同士の交流は楽しく行われているかについて、25名の利用者のうち、14名が「はい」、5名が「どちらともいえない」、2名が「いいえ」、4名が「非該当」と回答している。自由意見では、とても楽しいという声が聞かれたが、おとなしい性格のため仲間と口をきくことがないという意見もあった。
6.【自立訓練(生活訓練)】
事業所での活動が生活する力の向上に役立っているか
25名の利用者のうち、22名が「はい」としており、事業所での活動が生活する力をつけることに役立っていると回答している。その他、2名は「どちらともいえない」、1名が「非該当」と回答している。自由意見では、いろいろなプログラムがあるので役に立っているという声があがった。また、仕事も続けられ状況が落ち着き、面談などにより生活も落ち着くようになったという意見もあった。
18.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか
食堂や浴室、トイレなど共有スペースは清潔に保たれているかについて、25名の利用者のうち、19名が「はい」、4名が「どちらともいえない」、1名が「いいえ」と回答している。自由意見では、皆で掃除をしているので清潔に整理されているという声があがった。その他、スリッパを綺麗にして、トイレを男女でわけてほしいという意見もあった。なお、1名の利用者は無回答であった。
19.職員の接遇・態度は適切か
25名の利用者のうち、23名が「はい」としており、職員の利用者への接し方や声をかける際の言葉遣い、服装などは適切であると回答している。その他、2名は「どちらともいえない」と回答している。自由意見では、言葉遣いや態度、服装などは適切だと思うという声が聞かれた。その他、新しいスタッフが利用者を呼び捨てにするという意見もあった。
20.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
25名の利用者のうち、20名が「はい」としており、ケガや体調不良時の職員の対応は安心できると回答している。その他、2名は「どちらともいえない」、3名が「非該当」と回答している。自由意見では、体調は大丈夫かいつも気にかけてくれ感謝しているという声や、体調が悪くなると症状が出た原因を資料でわかりやすく説明してくれたり、毎回対応してくれるという声があがった。
21.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
利用者同士のトラブルに対する職員の対応は信頼できるかについて、25名の利用者のうち、17名が「はい」、2名が「どちらともいえない」、その他2名が「いいえ」、4名が「非該当」と回答している。自由意見では、トラブルは見たことないが職員の対応は信頼できるという声が聞かれた。その他、利用者同士の問題には干渉をせず勝手にやるようにという方針だという意見もあった。
22.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか
25名の利用者のうち、22名が「はい」としており、事業所では利用者の気持ちや考えを大切にした対応がされていると回答している。その他、3名は「どちらともいえない」と回答している。自由意見では、利用者の意見をとても大切に尊重してくれるという声や、予想していた以上に言葉を選んでくれ助かってるという声があがった。
23.利用者のプライバシーは守られているか
25名の利用者のうち、22名が「はい」としており、他の人に見られたくないことや知られたくないことなど、個人のプライバシーに配慮した対応がされていると回答している。その他、2名は「どちらともいえない」、1名が「非該当」と回答している。
24.個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか
25名の利用者のうち、24名が「はい」としており、個別の計画作成の際に、利用者の意見や要望を伝えることができていると回答している。その他、1名は「どちらともいえない」と回答している。自由意見では、とても丁寧に聞いて作成してくれているという声や、目標や計画ができるとそのためにどうしたらよいか一緒に考えてくれるという声があがった。
25.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
25名の利用者のうち、23名が「はい」としており、サービス内容や個別の計画についての説明が理解しやすいものであったと回答している。その他、2名は「どちらともいえない」と回答している。自由意見では、わからない場合はわかるまで丁寧に説明しているという声が聞かれた。
26.利用者の不満や要望は対応されているか
25名の利用者のうち、20名が「はい」としており、不満や要望を伝えやすい環境にあり、その後の対応も行われていると回答している。その他、3名は「どちらともいえない」、2名が「いいえ」と回答している。自由意見では、対応してくれているという声があがったが、明らかにスタッフ不足という意見もあった。
27.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
困ったことなどを外部の窓口に相談できるしくみが周知されているかについて、25名の利用者のうち、18名が「はい」、5名が「どちらともいえない」、2名が「いいえ」と回答している。
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念、基本方針)を明確化・周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を明示している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
- 重要な意思決定や判断に迷ったときに、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を思い起こすことができる取り組みを行っている(会議中に確認できるなど)
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、自らの役割と責任に基づいて行動している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件を検討し、決定する手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
各職員が遵守すべき事項をわかりやすく明示し、共有していくことが期待される
職員が守るべき事項は就業規則の服務規律に定めており、11項目の遵守事項の例示の他、セクシャルハラスメントおよびパワーハラスメントの防止についても就業規則内に明示している。ただし、就業規則は各職員が日常業務を遂行する場面で再確認しづらいので、例えば、職員倫理綱領や職員行動規範等、職員が共有しやすい文書を作成して掲示・携帯する等の取り組みが期待される。
事業所の専門性を還元する取り組みや支援方法の普及に向け、積極的に活動している
事業所運営の透明性を高める取り組みとして、法人のホームページの作成をはじめ、法人広報誌「あまやどり」を350部程刊行し、行政や関係機関、関係団体等に広く配布している。また、今年度初めて第三者評価を受審しており、評価結果を広く公表していくことを予定している。さらに、事業所の専門性を社会に還元するため、IPSモデルの普及に向けた会への参画や事務局を担当する他、職員を派遣して講師やファシリテーターを務めたり、他の事業所でグループワークを実施する等、積極的に活動している。
ボランティアの受け入れに関する一連のしくみを確立することが望まれる
学生のボランティアサークルとのつながりがあり、利用者への支援場面に直接入る機会等を提供している。なお、事業所としてボランティアの受け入れに関する一連のしくみが確立されていない状況は改善が急務である。具体的には、事業所としてボランティアに対する考え方や受け入れ姿勢を明確にした上で、受け入れ規程やオリエンテーション資料、利用者のプライバシー保護に関する誓約書等について整えていくことが望まれる。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知している
- 福祉サービスに従事する者として、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などを明示している
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などの理解が深まるように取り組んでいる
2. 第三者による評価の結果公表、情報開示などにより、地域社会に対し、透明性の高い組織となっている
- 第三者による評価の結果公表、情報開示など外部の導入を図り、開かれた組織となるように取り組んでいる
- 透明性を高めるために、地域の人の目にふれやすい方法(事業者便り・会報など)で地域社会に事業所に関する情報を開示している
1. 事業所の機能や福祉の専門性をいかした取り組みがある
- 事業所の機能や専門性は、利用者に支障のない範囲で地域の人に還元している(施設・備品等の開放、個別相談など)
- 地域の人や関係機関を対象に、事業所の機能や専門性をいかした企画・啓発活動(研修会の開催、講師派遣など)を行っている
2. ボランティア受け入れに関する基本姿勢を明確にし、体制を確立している
- ボランティアの受け入れに対する基本姿勢を明示している
- ボランティアの受け入れ体制を整備している(担当者の配置、手引き書の作成など)
- ボランティアに利用者のプライバシーの尊重やその他の留意事項などを伝えている
3. 地域の関係機関との連携を図っている
- 地域の関係機関のネットワーク(事業者連絡会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働して取り組めるような体制を整えている
【講評】
重要事項説明書に基づき利用者に苦情解決のしくみを直接説明して理解を促している
苦情解決制度について利用者の理解を促すために、重要事項説明書のなかに運営適正化委員会等の外部の苦情窓口を明示して直接説明している。また、意見箱を事業所内に設置し、いつでも意見や要望を受け付けるようにしている。なお、利用者から具体的な意見や要望が出された場合には、相談室で職員が個別面接を行うこと等を通じて即対応しているが、今後は苦情が出された際は別に記録する等の工夫を施して、相談対応と区分して状況把握していくことが望まれる。
利用者満足度調査を定期的に実施していくことが期待される
利用者の意向を直接把握する機会として、利用者が集まって話し合う「こみっと情報部」をプログラムの一つとして実施し、寄せられた率直な意見や要望に基づいて具体的な改善につなげるようにしている。なお、今年度の事業計画書では行動目標として、利用満足度調査を3ヶ月に1回行い、高い満足度を実現することとしていたが、実施できていない状況となっている。来年度以降は計画通り取り組み、事業所の支援が利用者にとって有効なものとなっているかどうか等を分析していくことが期待される。
地域ネットワークが構築されており、事業所運営に有効な情報を入手している
事業所のある市では精神障害等の関連事業所の他にも中小企業関連の団体や教育機関等、複数のネットワークが構築されており、それぞれ所長や他の職員が分担して関連するネットワークに参画し、事業所運営や利用者へのサービス提供に有効な情報を得ている。今後は、それぞれの会議の議事録を出席した職員が整理して回覧したり、資料を事務所の一角にまとめて保管すること等を通じて、職員全体で関連情報を共有していくことが求められる。
1. 利用者一人ひとりの意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応している(苦情解決制度を含む)
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者一人ひとりの意見・要望・苦情に対する解決に取り組んでいる
2. 利用者意向の集約・分析とサービス向上への活用に取り組んでいる
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向を把握することに取り組んでいる
- 事業者が把握している利用者の意向を取りまとめ、利用者から見たサービスの現状・問題を把握している
- 利用者の意向をサービス向上につなげることに取り組んでいる
3. 地域・事業環境に関する情報を収集し、状況を把握・分析している
- 地域の福祉ニーズの収集(地域での聞き取り、地域懇談会など)に取り組んでいる
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)の収集に取り組んでいる
- 事業所としての今後のあり方の参考になるように、地域の福祉ニーズや福祉事業全体の動向を整理・分析している
【講評】
事業計画書に利用稼働率や会議実施時期等を示し、職員間で共有できるようにしている
事業計画書の冒頭に年度ビジョンとして「経営基盤の確立に向けたシステム作り」を掲げ、事業の効率化や可視化、PDCAサイクルの確立を目指すことを宣言している。その後の事業計画書の内容については、会議の実施予定月を盛り込んだり、具体的な業務別に担当職員を明示することで着実な計画実行となるように工夫している。経営数値の一つである利用稼働率についても1日の最大利用者数や3ヶ月間の平均利用者数について明示し、各職員が達成状況等に意識が向くように工夫している。
年間の数値目標や行動計画を定期的に振り返る機会を導入していくことが望まれる
事業計画書で示した内容を着実に実行するための取り組みとして、こみっとミーティングでの検討が想定されていると思われるが、実際には事業計画書で示した数値目標等の進捗状況を確認し、軌道修正等を図るための検討が十分なされていない状況は改善が望まれる。例えば、こみっとミーティングのうち、月1回は定期的に事業計画書の進捗状況を職員全員で確認して対策を講じ、翌月以降の事業運営に反映する等のしくみを導入していくことが期待される。
防災対策のさらなる強化や事業所独自の危機管理マニュアルの整備が求められる
利用者の安全確保に向けて、危機管理マニュアルや消防計画を作成し、災害発生時や不審者対応等について各職員がどのように行動すべきかを明確にしている。ただし、各職員にそれらの内容が十分浸透されていない状況となっている。また、危機管理マニュアルは法人全体として作成されているが、今後は事業所のハード面や職員体制等も考慮し、事業所独自でマニュアルを整備していくことが望まれる。さらに、近隣住民や地域団体と連携を深めて災害時に利用者の安全を確保できるネットワーク構築も併せて求められる。
1. 取り組み期間に応じた課題・計画を策定している
- 理念・ビジョンの実現に向けた中・長期計画を策定している
- 年度単位の計画を策定している
- 短期の活動についても、計画的(担当者・スケジュールの設定など)に取り組んでいる
2. 多角的な視点から課題を把握し、計画を策定している
- 課題の明確化、計画策定の時期や手順があらかじめ決まっている
- 課題の明確化、計画の策定にあたり、現場の意向を反映できるようにしている
- 計画は、サービスの現状(利用者意向、地域の福祉ニーズや事業環境など)を踏まえて策定している
- 計画は、想定されるリスク(利用者への影響、職員への業務負担、必要経費の増大など)を踏まえて策定している
3. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 計画推進の方法(体制、職員の役割や活動内容など)を明示している
- 計画推進にあたり、より高い成果が得られるように事業所内外の先進事例・失敗事例を参考にするなどの取り組みを行っている
- 計画推進にあたり、目指す目標と達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
1. 利用者の安全の確保・向上に計画的に取り組んでいる
- 利用者の安全の確保・向上を図るため、関係機関との連携や事業所内の役割分担を明示している
- 事故、感染症、侵入、災害などの事例や情報を組織として収集し、予防対策を策定している
- 事故、感染症、侵入、災害などの発生時でもサービス提供が継続できるよう、職員、利用者、関係機関などに具体的な活動内容が伝わっている
- 事故、感染症、侵入などの被害が発生したときは、要因を分析し、再発防止に取り組んでいる
【講評】
利用者の特性等に適した支援ができるように専門性の高い職員を配置している
専門性の高い職員の採用・配置に取り組んでおり、常勤職員は社会福祉士や精神保健福祉士、看護師の資格を有する職員等で構成され、利用者の障害特性や健康状態に配慮した支援ができるようにしている。なお、これまでに職員の中で産休や育休が重なったこともあり、法人内の他事業所から職員を異動させる等して職員体制の確保に努めているが、入れ替わりが多く、人手が不足している状況もみられる。今後も引き続き、安定した人材配置となるように努められたい。
職員育成に関する方針を明確にした上で具体的な研修計画を作成していくことが望まれる
職員の能力向上を図る取り組みの一つに外部研修への派遣を行っているが、現在のところ、研修報告書の提出等の義務づけはなされておらず、口頭で伝達講習を行い、他の職員も学べるようにしている。また、職員一人ひとりの研修計画の作成がなされていないことが課題となっている。今後は事業所として職員育成の方針を明確にした上で、能力向上を図るための取り組みが計画的に実施できるように整えていくことが有効と思われる。
職員との個別面談の機会をさらに有効に機能させていくことが期待される
労働環境の改善等を図るために年1回の頻度で所長との個別面談を実施しており、各職員の意向把握に努めている。ただし、面談は口頭で実施して記録を残していない状況や、面談シート等を用いて職員の意向等を把握する取り組みもなされていないので、今後は個別面談をさらに有効活用できるように工夫していくことが望まれる。なお、職員に日々蓄積される身体的・精神的ストレス軽減を図るために有給休暇取得を奨励しており、実際に取得しやすい状況となっている。
1. 事業所にとって必要な人材構成にしている
- 事業所の人事制度に関する方針(人材像、職員育成・評価の考え方)を明示している
- 事業所が必要とする人材を踏まえた採用を行っている
- 適材適所の人員配置に取り組んでいる
2. 職員の質の向上に取り組んでいる
- 職員一人ひとりの能力向上に関する希望を把握している
- 事業所の人材育成計画と職員一人ひとりの意向に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 個人別の育成(研修)計画は、職員の技術水準、知識、専門資格の習得(取得)などの視点を入れて策定している
- 職員一人ひとりの個人別の育成(研修)計画に基づいて、必要な支援をしている
- 職員の研修成果を確認し(研修時・研修直後・研修数ヶ月後など)、研修が本人の育成に役立ったかを確認している
1. 職員一人ひとりの主体的な判断・行動と組織としての学びに取り組んでいる
- 職員の判断で実施可能な範囲と、それを超えた場合の対応方法を明示している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに学ぶことに取り組んでいる
- 職員一人ひとりの研修成果を、レポートや発表等で共有化に取り組んでいる
2. 職員のやる気向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価・報酬(賃金、昇進・昇格、賞賛など)が連動した人材マネジメントを行っている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、疲労・ストレスなど)を把握し、改善に取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、やる気と働きがいの向上に取り組んでいる
- 福利厚生制度の充実に取り組んでいる
1. 事業所が蓄積している経営に関する情報の保護・共有に取り組んでいる
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

【講評】
職員や利用者に対して、事業所で実施している支援方法の理解・浸透を図っている
事業計画書の冒頭に法人の基本理念や活動方針、行動方針を明示することに加え、事業所の運営方針や行動目標も掲げて各職員の理解を促している。なお、事業所ではIPSモデル(個別就労支援プログラム)と呼ばれる方法に基づく支援を目指しており、「症状が重いことを理由に就労支援の対象外としない」等の原則をパンフレットに明示して利用者等に伝えている他、職員に対しても「IPS8原則」を掲示して支援姿勢の維持を図っている。なお、理念が各職員に十分浸透していない状況がみられるので、よりわかりやすく示していくことが望まれる。
法人全体の組織図を作成し、運営協議会の役割等を明確にしている
法人として複数の事業所を運営している他、外部の有識者等から構成される運営協議会が諮問機関として設置されている。理事会も含めてそれぞれの役割・機能や関係性を明確にするために組織図を作成して職員等の理解が進むように取り組んでいる。所長は理事を兼務しており、理事会での決定事項や毎週開催している所長会議での検討結果等を事業所の各種ミーティングの場で伝達している。なお、各種ミーティングの議題や決定権限の範囲等を定め、職員間で共有していくことが求められる。
「こみっとミーティング」を事業運営の検討の場として機能させていくことが期待される
事業所内の会議は、毎週1時間程実施する「こみっとミーティング」と、毎日の支援内容等を共有するための「ミーティング」がある。なお、こみっとミーティングの議題も利用者への支援に関するものが多く、運営状況を確認したり、具体的な懸案事案の検討は十分なされていない。一方、法人内職員全体が集まる「合同ミーティング」が不定期で開催されており、法人内の重要な決定事項等の浸透を図る機会となっている。今後は事業所内の重要な案件を検討する場としてこみっとミーティングをさらに機能させていくことが期待される。