評価結果

サービス項目中心の評価

基本情報

【法人名称】

社会福祉法人そよかぜ

【事業所名称】

福祉作業所スマイル工房

【サービス種別】

就労継続支援B型

事業者の理念・方針・期待する職員像

事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)

社会福祉法人そよかぜ 基本方針

・個人の尊厳と人権を尊重
・利用者一人ひとりの希望に基づく自立生活の支援
・利用者の安全を第一に、安心と満足感に満ちた福祉サービスを提供
・情報公開を積極的に進め、地域に開かれた事業運営を目指すとともに、地域福祉の増進に貢献
・すべての利用者と職員がいきいきとやりがいを持って働ける職場環境つくりに努める

職員に求めている人材像や役割

利用者の利益を最大限に考える視点を持ち、自主的に自分の頭で考えながらチームワークで行動できる。

職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

利用者支援に対するプロ意識。障害に限らず様々な事情を抱える利用者を受け止められる度量を持つ。

全体の評価講評

特によいと思う点

作業には軽作業とパン(クッキー)作業の二種類がある。どちらの作業に参加するかは利用開始前の実習の段階で全ての作業を経験してもらい、利用契約締結時に利用者自身に決定してもらっている。それ以降は年度ごとに選択をしなおしてもらっている。また、日々の作業においても細分化した作業工程をできる限り利用者自身に選択してもらえるように支援している。また、それぞれの利用者が作業に参加する中で十分に力を発揮することができるよう、治具や小道具を使用したり、個々に得意な作業工程を考慮して配置をしている。

利用者の支援の方向性や情報を、職員会議や毎朝のミーティングで報告し合い職員間で情報を共有している。個別支援計画を基に事業所の全職員で利用者の支援を行うことを基本としている。利用者のコミュニケーションは、同じ目線に立って一緒に考え、気づきを促すことを重視し自己決定してもらうことを目標としている。

利用希望の受付では、都内に在住であることや病院を受診していることなど最初に確認すべき事項を明確にしている。また体験通所の期間を通じて、施設に馴染めるのか、意向が達成できそうかなどの重要確認項目を把握していく。通所し始めてから利用者本人の意向にそぐわないことが判明するなどの過去の失敗を教訓に現在の形にまとめられた経緯がある。一連の流れの手順が明確なため、属人的な対応に傾かず客観的な見通しを立てやすい。受付時と体験通所時という重要時期の確認事項を明確にするなど実践に即した有用性が高い。

さらなる改善が望まれる点

職員が4名の事業所でもあり、打ち合わせや会議等でサービスの基本事項や視点は全体に行き渡らせやすい環境にある。しかし、業務のマニュアルに関しては、個々の職員の業務の標準化を担保するためにも最低限のものを整備する必要性はあると思われる。事業所としての業務の最低ラインを明示する基準書やマニュアルが作成されることが望まれる。

利用者に関する記録や職員間での情報の共有および個別支援計画の策定については実施されているもののそれぞれの職員の意識に委ねられている部分も多く、組織としての基準や手順、仕組みの整備については不十分な面も見られる。計画の作成とそれに基づいた支援の提供、職員間での共通認識がある中での支援に関する記録の整備、利用者支援の質の向上に資する情報共有等に関する有効な仕組みの確立が必要であろう。

利用者の不満や要望への対応について、利用者調査の「要望等を言いやすいか」という問いでは肯定的な回答が半数弱で「どちらともいえない」という回答が3割を占める。「職員には言いにくいことも多い」とのコメントもある。一方、「要望等に対して職員はちゃんと対応してくれるか」では、肯定的な回答が4分の3以上を占める。事業所では、意見箱の設置場所を障害特性を考慮した場所にするなど意向を表明しやすい配慮をしているが、利用者がもっと意向を言い出しやすい方法を工夫するなどの取組みが望まれる。

事業者が特に力を入れている取り組み

利用契約に至るまでの間に、利用希望の申込み(待機者名簿登録)、施設見学、体験通所といくつかのステップを経る仕組みとなっている。それぞれのステップにおいて、利用者本人の意向を収集し、施設に通うことを通じて本人が望む人生を送ることが可能かどうか十分に検討できる体制を整えている。「生活でできるようになりたいことはなにか」「そのために望む職員からの支援はなにか」「どのような人生を送りたいか」という支援の方向性となるものを、契約に至るまでの間に利用者と事業所が相互に確認しあうことに努めている。

毎年、年度初めに利用者の意向調査を行い、本人の意向により作業場所を決定している。利用者が自分の意向をうまく表出することが困難な例もあり、職員による関わりの中で可能な限り意向を把握している。事業所内のきまりごとに関しては、「ルール・決まり事一覧表」に細かく記載され利用者にも配布されている。「ルール・決まり事一覧表」には、自転車の置き方、タイムカード、携帯電話の使用について、作業場の使用方法など様々記載されている。携帯電話の使用については、事業所特有というよりも社会のルールを基準に話し合い決定している。

利用者調査結果

調査概要

  • 調査対象:調査票配布当日に在籍している24名が利用者総数となる。その内の1名は長期入院で通所しておらず23名が調査対象者数となり、聞き取り調査を希望された3名以外は自記によるアンケート調査で実施した。
  • 調査方法:アンケート方式  
    自記によるアンケート調査と調査員による聞き取り調査を併用した。どちらの方法を採用するかは、利用者自身に決めてもらった。アンケート調査では弊社宛に郵送にて調査票を提出してもらった。聞き取り調査は、2名の調査員により実施した。
  • 有効回答者数/利用者総数:13/24(回答率 54.2% )

自記によるアンケートを選択した利用者の回答率は半数であった。「はい」と回答した割合の高い質問は、問1「困ったときに支援を受けているか」,問18「利用者のプライバシーは守られているか」,問20「職員の対応は丁寧か」で、それぞれ8割以上が「はい」と回答し、高い満足度を示す結果となっている。施設に対する総合的な満足度については、「大変満足」が2名、「満足」が7名で、有効回答数の7割弱が満足と回答している。以下、「どちらともいえない」が2名、「不満」が1名、「大変不満」がゼロであった。施設に対する意見や要望としては、「旅行やボーリングなどの行事が楽しい」などの意見がある一方、工賃への不満や個別支援計画策定手順の不満、職員に対する不満などが出ていた。

アンケート結果

4~17は選択式の質問のため、該当項目のみ掲載しています。

1.利用者は困ったときに支援を受けているか

はい 11名 (85%)
どちらともいえない 2名 (15%)

8割以上が「はい」と回答し「いいえ」はいない。主に作業手順などを、「教えてくれる」「指示してくれる」などの意見があった。

2.事業所の設備は安心して使えるか

はい 9名 (69%)
どちらともいえない 4名 (31%)

7割弱が「はい」と回答し「いいえ」はいない。「どちらともいえない」と回答した利用者から「(施設の建物が)ちょっとせまい」という意見があった。

3.利用者同士の交流など、仲間との関わりは楽しいか

はい 6名 (46%)
どちらともいえない 7名 (54%)

「はい」と回答された割合が半数に満たない。障害や病気の症状により人との関わりを苦手とする利用者も多く、「(他の利用者との)関わりはあまりない」との回答がいくつかでている。

12.【就労継続支援B型】
事業所での活動が働くうえでの知識の習得や能力の向上に役立っているか

はい 8名 (62%)
どちらともいえない 5名 (38%)

6割強が「はい」と回答し「いいえ」はいない。「いまの自分は、この作業所へ通う前とは明らかに変わったと思う」「作業の内容をだんだん覚えてきている実感がある」「最初は仕事が難しく感じられたが、今は新しい仕事が来ると楽しいと思えるようになった」などの意見があった。一方「どちらともいえない」と回答した利用者からは「本当は普通の会社で働きたいが、まだ8時間労働が難しいのでやむを得ずここで働いている」との意見があった。

13.【就労継続支援B型】
工賃等の支払いのしくみは、わかりやすく説明されているか

はい 10名 (77%)
どちらともいえない 3名 (23%)

4分の3が「はい」と回答し「いいえ」はいない。工賃支給日のことや作業日数により支給額が変わることなどの意見があった。

18.サービス提供にあたって、利用者のプライバシーは守られているか

はい 12名 (92%)
どちらともいえない 1名 (8%)

「どちらともいえない」と回答した利用者は「知られたくないことは特にない」との意見であり、ほぼ全員がプライバシーが守られていると回答している。

19.利用者の気持ちは尊重されているか

はい 9名 (69%)
どちらともいえない 4名 (31%)

7割弱が「はい」と回答し「いいえ」はいない。「優しく話してくれる」という意見がある一方、「自分ではそう(大切にしてくれている)信じているが、(実際は)わからない」という意見もあった。

20.職員の対応は丁寧か

はい 12名 (92%)
どちらともいえない 1名 (8%)

ほとんど全員が「はい」と回答している。「優しい声で話してくれる」「丁寧に話してもらっている」など、適切に接してもらっているという意見があった。

21.個別の目標や計画を作成する際に、利用者の状況や要望を聞かれているか

はい 10名 (77%)
どちらともいえない 1名 (8%)
無回答・非該当 2名 (15%)

4分の3が「はい」と回答し「いいえ」はいない。具体的な意見はなかった。

22.【個別の目標や計画について説明を受けた方に】
個別の目標や計画に関しての説明はわかりやすかったか

はい 10名 (91%)
どちらともいえない 1名 (9%)

先行する質問で「個別の目標や計画について説明を受けた」と回答した利用者は11名であった。この質問に該当する11名の回答者のうち10名が「(個別の目標等についての)説明はわかりやすかった」と回答している。

23.【過去1年以内に利用を開始し、利用前の説明を受けた方に】
サービス内容や利用方法の説明はわかりやすかったか

はい 2名 (67%)
どちらともいえない 1名 (33%)

先行する質問で「過去1年以内に利用を開始した」と回答した利用者が3名で、その3名に限っての質問で「利用前に内容や方法についての説明を受けた」と回答したのも3名全員であった。その3名のうち当質問では2名が「(利用前の)説明はわかりやすかった」と回答している。

24.不満や要望を事業所(施設)に言いやすいか

はい 7名 (54%)
どちらともいえない 4名 (31%)
いいえ 2名 (15%)

ほぼ半数が「はい」と回答している。「いいえ」と回答した利用者からは、職員には言いにくいことが多いという意見があった。

25.利用者の不満や要望はきちんと対応されているか

はい 10名 (77%)
どちらともいえない 2名 (15%)
無回答・非該当 1名 (8%)

4分の3が「はい」と回答し「いいえ」はいない。具体的な意見はなかった。

26.第三者委員など外部の苦情窓口にも相談できることを知っているか

はい 1名 (8%)
どちらともいえない 1名 (8%)
いいえ 9名 (69%)
無回答・非該当 2名 (15%)

「いいえ」と回答した割合が約7割を占める。具体的な意見はなかった。

サービス分析結果

6. サービス分析のプロセス
【講評】
主に心の病により「生活のしづらさ」を抱えた方々を長年支援してきた作業所である

当事業所の元々の母体は、「スマイルの会」という精神の障害を持つ家族のための任意団体である。その後、平成22年4月に現在の施設を運営する社会福祉法人に事業が引き継がれた。現在の地には、約15年前のまだ親の会が運営していた時に移転し、それ以来事業を続けている。元々所在市の消費生活センターが入っていた建物を一部改装して使用しているため間取り等に制約がある。また、建物自体の老朽化も進んでいるため、今後の事業展開を見据え、移転も視野に入れている現状にある。

リーフレットやホームページを作成して事業所の情報を広範に発信している

作業および仲間や地域市民との交流など様々な活動を通じて、利用者が自分らしい生き方を見つけていける場を提供している。事業所の情報を外部に提供している媒体としては事業所作成のリーフレットや運営法人作成のホームページが主である。事業所のリーフレットには、事業所の沿革の他、事業概要、活動内容、1日の流れ、作業内容の紹介、最寄駅からの案内図が明示されている。法人のホームページの事業所のページには、事業所の概要の他、主な作業内容,月間予定表が掲載されている。情報提供のあり方について今後再検討する意向にある。

問い合わせや見学の依頼に対しては柔軟に対応するように心がけている

利用希望などの問い合わせや見学の依頼に対しては、柔軟に対応するように心がけている。利用希望者の見学については、原則としてサービス管理責任者が対応するが、手順を明確にしているため他の職員でも対応することはできる。見学希望者の都合に合わせて日程を調整した上で受け入れている。見学に際してリーフレットを渡し、所内を案内する。特に利用希望者の見学対応としては、実際に作業風景を見てもらいながら施設の概要等を口頭で説明し、事業所の活動の理解を深めてもらうことに努めている。

1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
  • 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  • 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  • 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  • 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
事前の面談と利用開始前の体験通所で利用者側の意向を把握している

サービスを利用するにあたって知る必要のある基本的なルールや重要事項などは、利用契約締結時に説明をしている。契約書と重要事項説明書の読みあわせを行い、利用者側の同意を得た上でこれらの書類に署名と捺印を得ている。特に工賃の計算方法や私物の持ち込み、社会的ルールの徹底などは重点的に説明している。利用契約の前の段階において、体験通所での事業所との相性などを見極め、随時の面談にて利用者本人の今後の意向と事業所として支援できることなどを十分に話し合うことに努めている。

新規利用者に対してまずは新しい環境に慣れることができるように対応する

利用者支援を開始するにあたり必要となる利用者の個別事情や要望、注意点などの必要事項を「利用契約申込書」という様式に記録する。また、面談記録からも必要な情報を収集し、本人の基礎データ、医療関連の情報、家庭環境、成育過程、体験通所の状況などが把握される。利用開始直後は利用者本人のペースに合わせて負担とならない環境設定を行う。最初に行う作業内容は、一緒に作業を行う利用者チームの特性を考慮して選考する。それまでの生活状況を急に変えないよう、徐々に慣れる通所方法に配慮している。

利用前の生活を踏まえた支援に努めサービス終了時にも支援の継続性に配慮している

サービス利用前の生活を踏まえた支援が提供できるよう、以前の入院先であった医療機関などからも情報を得て個別支援計画の下地となるアセスメントにつなげる。最近のサービス終了の事例では、ケースワーカーを通じて就労支援センターに登録し、現在一般就労に向けて活動を行っているケースがあるが、稀なケースである。事業所としては、関係機関との連携に少し弱いところがあり、サービス終了時のフォローについては課題となっていることを認識している。

1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
  • サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
  • サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
  • サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
  • サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  • 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
  • サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
  • サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
利用者と職員で将来についてともに考えながら、個別支援計画を作成している

生活スキル・対人関係・作業現場での行動・態度・就労の四つの項目について利用者と職員が一緒に考えていきながら、現状と課題点を明確にして個別支援計画を作成している。一緒に考える作業を通じて、近い将来(ほぼ6ヶ月以内)と遠い将来(数年先)の目標を決めていく。以前は計画には利用者にとっての努力目標を盛り込んでいたが、現在の支援計画の様式では職員が支援することを明記する形になっている。計画作成の際には、所定の「面談シート」や「アセスメントシート」を活用して、利用者の希望を確認している。

それぞれのケースファイルを用意し、個々の利用者の記録を残している

それぞれの利用者に一冊ずつのケースファイルを用意し、個々の利用者の記録を残している。ケースファイルには①入所時関係書類(利用契約申込書・医師意見書・個人情報提供同意書・通所判定会議参考資料・体験者通所状況等)、②ケース記録、③個別支援計画書(およびその関係書類)が綴られている。日々の利用者の様子や支援の内容はケース記録に残し、支援による利用者の状態の推移は半年に一度モニタリングとしてケース記録に基づいて振り返る。

ケース記録の閲覧や朝のミーティングにより、利用者の情報を共有するようにしている

それぞれの利用者の支援計画の内容や支援の記録を職員間で共有することができるように、ケース記録などの個人記録の閲覧を励行し、閲覧後の確認印を押印することとしている。また、利用者に変化が合った場合の情報等は、朝の職員ミーティングで発表し職員間で共有する。利用者に関する記録や職員間での情報の共有および個別支援計画の策定については実施されているもののそれぞれの職員の意識に委ねられている部分も多く、組織としての基準や手順、仕組みの整備については不十分な面も見られる。

1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
  • 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
  • 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  • アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の支援計画を作成している
  • 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
  • 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  • 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
  • 利用者一人ひとりに関する情報を過不足なく記載するしくみがある
  • 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
  • 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
  • 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.個別の支援計画等に基づいて、利用者の望む自立した生活を送れるよう支援を行っている
  • 個別の支援計画に基づいて支援を行っている
  • 利用者一人ひとりに合わせて、コミュニケーションのとり方を工夫している
  • 自立した生活を送るために、利用者一人ひとりが必要とする情報を、提供している
  • 周囲の人との関係づくりについての支援を行っている
【講評】
利用者の特性に応じて面談環境やコミュニケーションの取り方に配慮している

利用者のコミュニケーションについては指導ではなく同じ目線に立って一緒に考え、気づきを促すことを重視しながら自尊心に配慮して自己決定してもらうことを目標としている。面談を行う際は面談環境に配慮したり、面談技術を駆使して話しやすい雰囲気を作るように心がける。職員の話し方や声のトーンは、丁寧で落ち着いている。職員は対人援助などの実践的な研修に積極的に参加し、日々の支援に役立てている。

個別支援計画に基づき全職員で支援している

利用者の支援の方向性や情報を職員会議や毎朝のミーティングで報告し合い、個別の支援計画に基づいて支援を行っている。利用者との面談を担当した職員を個別支援計画の担当者としているが、日々職員間の情報共有を行い、職員全員で支援していくことを基本にしている。健康管理や金銭管理、就労などについて本人の意向に基づき計画にあげている利用者もおり、それらの情報のパンフレット類を作業場に設置するとともに必要に応じて情報を提供している。

様々な行事を通じて周囲の人との関係づくりを行っている

初詣・花見・芋掘り・クリスマス忘年会・一泊旅行・散歩・フィールドゴルフ・卓球・ボウリング・調理実習など様々な行事やレクリエーションを通じて地域との交流のほか利用者の楽しみや利用者同士の関係づくりを行っている。利用者自身の健康管理について個別支援計画にあがっている利用者もおり、調理実習は自立に向けた情報提供の場にもなっている。利用者同士でトラブルになりそうな時は、利用者の特性に応じてタイミングに配慮しながら助言や介入を行うようにしている。

2.利用者が主体性を持って、充実した時間を過ごせる場になるような取り組みを行っている
  • 利用者一人ひとりの意向をもとに、その人らしさが発揮できる場を用意している
  • 事業所内のきまりごとについては、利用者等の意向を反映させて作成・見直しをしている
  • 室内は、採光、換気、清潔性等に配慮して、過ごしやすい環境となるようにしている
  • 【食事の提供を行っている事業所のみ】
    利用者の希望を反映し、食事時間が楽しいひとときになるよう工夫している
【講評】
作業場所は年度初めに利用者が選び決定している

毎年、年度初めに利用者の意向調査を行い、本人の意向により作業場所を決定している。利用者が自分の意向をうまく表出することが困難な例もあり、職員による関わりの中で可能な限り意向を把握している。利用者の状態に幅があり、事業所内での意向の反映に限界を感じている。年間を通してある様々な行事やレクリエーションにおいて、作業とは違った利用者同士の関わりの場となっている。利用者からの行事の要望は、7名以上の同意と参加見込みがある場合に、ロングミーティングで提案・決定することになっている。

事業所内の決まりごとは利用者と話し合い決定している

事業所内のきまりごとは、「ルール・決まり事一覧表」に細かく記載され利用者にも配布されている。「ルール・決まり事一覧表」には、自転車の置き方、タイムカード、携帯電話の使用について、作業場の使用方法など様々記載されている。携帯電話の使用については、事業所特有というよりも社会のルールを基準に話し合い決定している。変更・追加はロングミーティングなどで話し合いその都度更新している。また、階段の踊り場に「希望の箱」というご意見箱も設置している。

作業場は、快適に過ごせるよう整理整頓されている

作業室は毎日作業終了後に掃除当番が掃除をし、担当の職員に報告している。作業室は整理整頓され限りあるスペースを最大限利用している。作業室は窓が大きくて明るく換気もしやすい環境となっている。各作業室には温湿度計を設置しており、必要に応じて加湿器も使用している。冷房や暖房の設定温度を変更する場合には、利用者に声をかけてから行っている。訪問調査時にも、暖房の設定温度を変更する際、利用者に声をかけている様子が見られた。

3.利用者が健康を維持できるよう支援を行っている
  • 利用者の健康状態に注意するとともに、利用者の相談に応じている
  • 健康状態についての情報を、必要に応じて家族や医療機関等から得ている
  • 通院、服薬、バランスの良い食事の摂取等についての助言や支援を行っている
  • 利用者の体調変化(発作等の急変を含む)に速やかに対応できる体制を整えている
  • 【利用者の薬を預ることのある事業所のみ】
    服薬の誤りがないようチェック体制を整えている
【講評】
利用者の健康状態を聞き取り観察し把握している

利用者の健康状態には日々注意し、体調の聞き取りを行うとともに観察し把握に努めている。心身の不調を訴えた場合は、とにかく速やかな受診を促している。熱中症などの留意すべき症状については朝礼等での声かけを意識している。年1回行う健康診断の結果は、個別に利用者に説明している他、結果にまつわるパンフレットなどを配布し注意を促している。事業所内の目立たない場所に体脂肪なども測定できる体重計が設置されており日々の健康管理に役立てている。

体調不良時は家族や自宅へ連絡している

利用者が体調不良で帰宅する際は家族へ連絡を行っている。一人暮らしの利用者の場合には、帰宅してもらった後に自宅へ連絡をし様子を確認する。東日本大震災後の取り組みとして、災害時に速やかに対応できるよう任意で処方箋の提出を促している。また、頓服が処方されている利用者には常に持参していただいている。利用者個人が受診している医療機関との連携の必要性を認識しているものの、医療機関との認識の違いからなかなか連携が行えていないことが課題と感じている。

4.利用者の意向を尊重しつつ、個別状況に応じて家族等と協力して利用者の支援を行っている
  • 家族等との協力については、利用者本人の意向を尊重した対応をしている
  • 必要に応じて、利用者の日常の様子や施設の現況等を、家族等に知らせている
  • 必要に応じて家族等から利用者・家族についての情報を得て、利用者への支援に活かしている
【講評】
家族等との協力については、慎重な対応が必要な状況にある

事業所としては利用者の状態の安定を最優先に考えているため利用者の状況を家族に知らせたり、逆に家族から利用者の情報を得る場合、利用者の支援に繋がると考えられる場合でも慎重に行動した方がよいという意識が強く働く。利用者も含んだ家族関係が良好か不良かを十分に考慮に入れながら、慎重に対応せざるを得ない状況にある。したがって家族等との協力については、利用者本人の意向を尊重した対応をしている。

支援に必要となる利用者本人と家族についての情報は、利用開始の段階で確認をする

支援のために必要となる利用者本人と家族についての情報は、利用開始の段階で確認をするようにしている。施設の現況等については、法人の機関紙の配布により家族等に知らせている。

5.利用者が地域社会の一員として生活するための支援を行っている
  • 利用者が地域の情報を得られるよう支援を行っている
  • 利用者が地域の資源を利用し、多様な社会参加ができるよう支援を行っている
【講評】
地域の情報を収集して利用者に提供している

利用者の支援に関係する機関と連携して地域の情報を収集している。収集した情報は多目的室内に設置し自由に閲覧できるようにしている。社会資源の情報のみならず、求人票や就労訓練情報、健康に関する情報など様々な資料を掲示したり配布したりして、多様なニーズに対応している。また、必要に応じて朝礼時に口頭で情報提供すると同時に個別に働きかけを行っている。

利用者が地域に参加する機会を設けている

事業所で作られているパン・クッキーは、農産物直売所で販売される他、職員と利用者により市の社会福祉協議会や老人ホームで定期的に対面販売を行っている。対面販売が苦手な利用者には考慮し、話し合いながらローテーションで行っている。

11.【就労継続支援B型】就労の機会の提供や、知識の習得及び能力向上のための支援を行っている
  • 自発的に働きたいと思えるような取り組みを行っている
  • 働くうえで、利用者一人ひとりが十分に力を発揮できるよう支援を行っている
  • 工賃等のしくみについて、利用者に公表し、わかりやすく説明している
  • 受注先の開拓等を行い、安定した作業の機会を確保できるよう工夫している
  • 商品開発、販路拡大、設備投資等、工賃アップの取り組みを行っている
【講評】
どの作業をするかを利用者自身に決定してもらい、作業への参加意欲を高めている

作業には農業機械部品の個装や指定ゴミ袋のパッケージ作業を主に請け負っている軽作業とパンやクッキーを生産し、販売するパン(クッキー)作業の二種類がある。どちらの作業に参加するかは利用開始前の実習の段階で全ての作業を経験してもらい、利用契約締結時に利用者自身に決定してもらっている。それ以降は、毎年度末に作業を見直す定期的な機会があるほか、個別支援計画作成の際に合わせて見直すなど随時に対応する場合もある。また、日々の作業においても細分化した作業工程をできる限り利用者自身に選択してもらえるように支援している。

均一化した作業の出来栄えを保ちながら、多くの利用者が作業に参加できる工夫がある

それぞれの利用者が作業に参加する中で十分に力を発揮することができるよう、治具や小道具を使用したり、個々に得意な作業工程を考慮して配置をしている。クッキーの作業では決まった枠を使用して、クッキーの生地を平らにしている。均一化した出来栄えを保ちながら、多くの利用者が作業に参加することのできる工夫がある。

利用者の理解を促すために工賃規程を多目的室に掲示している

工賃規程を多目的室に掲示し、工賃の支払いのルールを利用者に理解してもらうことへの一助としている。また、安定した作業の機会を確保できるよう、軽作業の受注作業に関しては途切れることのないように作業配分に留意している。市内には精神障害者関連の通所施設は一ヶ所しかなく、利用者の事業所選択の幅は狭い。したがって、現在、登録している利用者のニーズは多様化しており、工賃アップのための取り組みは困難な状況にある。作業単価の上昇を受注先と交渉することや自主製品において販売単価の上乗せや生産量の増加は極めて難しくなっている。

【講評】
プライバシーに配慮し、持ち物は利用者個別のロッカーで管理してもらっている

利用者の個人情報の取り扱いに関しては、利用契約書に謳ってあり、契約の締結時に説明を行っている。また、その際に個人情報を外部とやりとりする場合の同意を「個人情報提供同意書」に署名・捺印を得る形で確認している。利用者が来所している時には個人別のロッカーに持ち物を入れてもらう。ロッカーの鍵を渡してあり、個別に管理をしてもらっている。「紛失のおそれがある」等で利用者が鍵を持つことを嫌がる場合には、事務所で預かる。職員の方でロッカーを開ける必要がある場合には、利用者本人の立会いの下でロッカーを開けるようにしている。

職員は利用者の羞恥心に配慮しながら、関わりを持つように留意している

職員は利用者の羞恥心に配慮しながら、関わりを持つように留意している。特に雑談の中であっても、利用者が受給している年金や家族構成、生活保護の情報などは話題にしないように注意している。事務室には「常に他者の長所に気づく」、「日々のプラスの変化(できたこと)に気づく」、「プラスのストロークを相手に伝えられる」などと箇条書きされた「支援をするうえで必要なこと」という文書を掲示している。

毎朝の職員ミーティングで、職員の利用者への対応について意見交換をしている

利用者を傷つけるような職員の不適切な言動等が行われることのないよう、毎朝の職員ミーティングで利用者の行動や概況とともに具体的な支援内容に関しても相互に報告しあい、職員の対応について意見交換している。虐待予防に関しては事業所内での勉強会を行っているが、虐待被害者が存在するかどうかということの確認方法は組織内でも確立されていない。特に事業所外での利用者の交友関係において、実態を把握することは困難で今後の課題として残っている。

1.利用者のプライバシー保護を徹底している
  • 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
  • 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
  • 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
  • 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
  • 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、放任、虐待、無視等が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に予防・再発防止を徹底している
  • 虐待被害にあった利用者がいる場合には、関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
  • 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
いくつかの業務に関して、基本事項や手順を文書により明確にしてある

「防災マニュアル」や新規利用者を受け入れる際の手順を記した「通所まで及び通所以降の流れ」、「個別支援計画作成の手順・流れ」などの文書があり、一部の業務に関しては基本事項や手順などが明確になっている。ただし、その他のサービスの基本事項や視点に関する事柄は、その都度話し合いの中で決めているのが現状で手順書や手引書等の文書化は進めていない面も多い。職員が4名の事業所でもあり、打ち合わせや会議等でサービスの基本事項や視点は全体に行き渡らせやすい環境にある。

利用者の安全性に配慮して、作業場面でのリスクを軽減させるようにしている

利用者の安全性に配慮した支援を実現するためのリスクマネジメントの取り組みとして、「事故報告書」を作成している。事故があった場合にはこの用紙に、事故の概要と対応・事故後の対応・事業所責任者のコメントを記録し、事故の再発防止に資する資料とする。パン(クッキー)作業では余分なリスクを発生させないために、包丁などの刃物類やクッキーを焼き上げたオーブンの鉄板は職員が取り扱うというルールにしている。

報告や連絡の都度、職員への助言や指導をするように心がけている

職員一人ひとりのサービス提供の方法については、報告や連絡を受ける都度に事業所責任者からの助言や指導をするように心がけている。職員の分からないことに関しては個別にその都度、相談を受けたり、助言をすることが多いが、職員会議や毎朝の職員ミーティングで全体に共有することもある。職員が一定レベルの利用者支援や福祉制度に関する知識や技術を学ぶことができるように、定期的に外部の研修や講習会を受講できるようにしている。

1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
  • 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  • 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうかを定期的に点検・見直しをしている
  • 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている
  • 職員一人ひとりが工夫・改善したサービス事例などをもとに、基本事項や手順等の改善に取り組んでいる
3.さまざまな取り組みにより、業務の一定水準を確保している
  • 打ち合わせや会議等の機会を通じて、サービスの基本事項や手順等が職員全体に行き渡るようにしている
  • 職員が一定レベルの知識や技術を学べるような機会を提供している
  • 職員全員が、利用者の安全性に配慮した支援ができるようにしている
  • 職員一人ひとりのサービス提供の方法について、指導者が助言・指導している
  • 職員は、わからないことが起きた際に、指導者や先輩等に相談し、助言を受けている

事業者のコメント

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評価情報

【評価実施期間】

2013年6月7日~2014年3月12日

【評価者修了者No】

H0301085,H0403017,H1202043

評価結果のダウンロード

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