評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1)利用者にとっての自立とは何かを常に意識づけること。
2)訓練を受けやすい環境をいかに作ることができるかを工夫すること。
3)一方的な支援を行うのではなく、常に寄り添いながら一緒に目標を目指すこと。
4)訓練のための訓練にならないよう、地域生活を十分把握しながら支援を行うこと。
5)利用者のニーズに常に目を配ること。
職員に求めている人材像や役割
利用者とのコミュニケーションを常に大切にし、信念をもって訓練に取り組める人材。
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
職員の一言、一つの動作が、利用者に大きな影響を与えうるということを自覚して、サービスの提供を行うこと。
全体の評価講評
特によいと思う点
センターでは、機能訓練、就労移行支援での訓練を通して中途障害者が自立への意識を高め、地域で生活していく力をつけていくことを目的に支援を行っている。利用者には重要事項説明書や個別支援計画及びモニタリングの際、自立に向けた道筋を説明し理解を得るが、一方で利用者との関係性を大切にし、当日に休む連絡があった際なども振り替えで時間対応を行うなど、個々の置かれた状況に合わせ柔和で丁寧な対応を心がけている。年齢を重ねた後も新たなことを学ぶために再度、センターを利用する人もいるなど、利用者から高い信頼を得ている。
機能訓練・就労移行支援の2事業を運営している当センターでは多機能型事業所のメリットを活かして、視覚障害者の日常生活訓練の向上と就労社会生活の実現を目指して個々の状況に応じた柔軟なサービス提供を行っている。就労部門では対応できない訓練項目については、両事業所の職員で連携を取りながら支援を行っている。また、機能訓練に在籍している利用者が就労移行支援の利用を希望する場合には、体験的に訓練を受けることで円滑に移行できるよう環境を整える等の配慮が行われている。
就労は企業のヘルスキーパーや福祉施設の機能訓練などの業務が多くなっている。事務系の就職は少ないが、内定が決まった時には必要な読み取りソフトなどについて職員が企業に助言している。就労後支援は企業からの要請があれば入社当日から同行支援を開始し、通勤経路や会社建物内の歩行訓練、その他必要な生活訓練を行なっている。就労後は24ヶ月を目安として定期的に企業訪問やメールのやり取りを行ない状況把握を行なっており、アフターフォローとして視力低下が進んだ時の再訓練や就職先の変更時も訪問による歩行訓練を無償で提供している。
さらなる改善が望まれる点
職員のスキル向上に向けて次年度から研修への参加を増やしていくことや、国家資格取得に向けての働きかけも行っていく計画が予算計上も含めて進められており、職員のスキル向上、事業所の支援力の向上に向けての取り組みが行われていく予定である。また、働き方改革と照らし合わせながら育児休暇や介護休暇等の規定の整備を行っていくことも計画の中に盛り込まれており、高い水準の支援を提供していける環境作りと同時に、安心して働ける組織づくりに向けた取り組みが進むことに期待したい。
民間移譲されて2年が経過した当センターでは安定した運営のために広報の重要性を認識しており、関係機関を対象とした施設見学会や当事者向けの利用体験会を定期的に実施している。今年度、東京都眼科医会が中心となって設立された「ロービジョンネットワーク」における活動や、東京女子医大病院眼科外来での相談支援等、医療と福祉の連携を進める取り組みにも力を入れている。民間移譲に合わせる形で一新したパンフレットに加え、ホームページを活用した広報活動を展開していく計画もあり、今後の取り組みが期待できる。
BCP(事業継続計画)は現在作成に向けて取り組んでおり、作成に関する外部研修へ参加し、次年度の計画にも盛り込まれている。災害時等での帰宅困難や一時避難対応における対策として現利用者だけでなく地域の視覚障害当事者への支援も視野に入れた議論も行われている。防災訓練等を通して職員間では不足の事態における動き方はすでに周知をしている他、事業継続困難時のための資金についても確保していく動きが出来ている。今後は机上訓練も含めた具体的な訓練計画の策定が期待される。
事業者が特に力を入れている取り組み
「安全に歩けるようになりたい」「就職したい」等、利用者一人ひとりの希望に合わせて訓練の内容や期間、通所日数を決めている。機能訓練部門では利用開始から1カ月程度を目途に、歩行・点字・パソコン・ADL等、各訓練を担当する職員が行うアセスメントをもとに初期支援計画を策定している。計画は訓練を実施する項目ごとに長期・短期の目標や支援内容を具体的に記載することで、利用者が訓練終了後の生活をイメージしやすいよう工夫されており、3カ月ごとにモニタリングを行って評価を行っている。
センターでは今年度、利用者の利便性を向上させるの様々な取り組みを行っている。機能訓練部門においては、欠席時の振り替えの実施や時間割の変更等、利用者の状況に応じて柔軟にスケジュールを組むことで、訓練への動機づけが高まり利用率の向上にもつながっている。また、各訓練科目は勤務年数の長い熟練した職員が作成した手作りの教材を用いて行われており、例えば、利用者の殆どが取り組むパソコン訓練では新しいOSの導入ごとに内容を見直し、資格試験にも対応できるよう実用的な訓練が実施されている。
昨年度は利用者の企業就職が8割以上となっている。就労移行支援課では三療資格(按摩、指圧、マッサージ)を持ち就労経験のある利用者が再就職を希望する場合が多い。就職先として企業のヘルスキーパーや高齢者施設の機能訓練師を目指す場合が多く、センターでは技術の維持向上の為に臨床実習室を設け施術協力者により施術訓練を行なっている。企業や高齢者施設ではカルテ管理や情報共有はパソコンを使う事が多くパソコン訓練も実施し、即戦力としての技術習得に力を入れている。事務系ではパソコン操作技術習得により在宅就労も実現している。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:登録利用者全員(事業所と協議の上、長期欠席者を除く)
- 調査方法:アンケート方式
個別聞き取り調査及びアンケート調査 - 有効回答者数/利用者総数:58/88(回答率
65.9%
)
サービス毎の利用者総数
利用者総数 共通評価項目による
調査対象者数共通評価項目による
調査の有効回答者数利用者総数に対する
回答者割合自立訓練(機能訓練) 54人 54人 35人 64.8% 就労移行支援 34人 25人 23人 67.6%
調査対象者79名中、58名から回答を得ることができた。満足度が高かった項目としては、「職員の接遇は適切ですか」「個人の気持ちは尊重されていますか」「サービス内容や計画についての説明はわかりやすかったですか」などがあげられる。総合的な満足度では、「大変満足」が29名、「満足」が23名であった。通所することで自分の行動範囲が広がりました、個別で丁寧な対応です、親身になって支援してくれます、卒業生も自由にサークル参加ができるので楽しいです、などのコメントがあがっている。意見や要望としては、職員と利用者双方に声掛けと名乗ることを徹底するようお願いしたい、質問への対応は早いのですが回答があやふやな時があります、職員の数が少ないためか訓練が順番待ちになり効率的でないと感じます、センターの立地が良いのでもっと必要な人にアピールしてはどうでしょうか、訓練に必要な機器類を新しいものにしてほしいです、などがあがっている。
アンケート結果
4~17は選択式の質問のため、該当項目のみ掲載しています。
1.利用者は困ったときに支援を受けているか
53が困った時は、支援を受けていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「パソコン入力の操作について支援を受けています」との回答が複数あった。訓練以外の事でも教えてくれます、精神的な面でも助けてくれます、就職の相談も親身になって対応してくれます、研修場所にも来てくださいます、などのコメントがあがっている。
2.事業所の設備は安心して使えるか
52名が事業所の設備は安心して使用できると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「特に不安はありません」との回答が複数あった。職員さんが早めに声をかけて誘導してくれます、全ての機材が安心して使用できます、トイレの手洗いを温水にしてほしいです、柱があったり壁がデコボコしていてぶつかってしまいます、などのコメントがあがっている。
3.利用者同士の交流など、仲間との関わりは楽しいか
利用者同士の関りについては、46名が楽しいと回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。お昼休みなどに話をして情報交換をしています、皆さん目標を持っている方たちなので励みになります、気の合う仲間とは時間外の交流もあり楽しいです、分かりあえる友達がいるのはありがたいです、などのコメントがあがっている。
5.【自立訓練(機能訓練)】
事業所での活動が生活する力の向上に役立っているか
事業所へ通うことで自身の生活力向上につながっていると回答したのは34名であった。「いいえ」の回答はみられなかった。「パソコンやスマートフォンの操作ができるようになりました」との回答が複数あった。調理訓練でより簡単に調理ができるようになりました、歩行訓練により生活範囲が広がりました、拡大ルーペや音声時計などを教えてもらい不便が解消しました、などのコメントがあがっている。
11.【就労移行支援】
事業所での活動が就労に向けた知識の習得や能力の向上に役立っているか
事業所での活動が就労に向けた能力の向上に役立っていると回答したのは21名であった。「いいえ」の回答はみられなかった。パソコンのスキルアップが図られた、非常に役立っています、自分のペースで取り組めることは良いのですが教材に記載されている事に誤りがあったり修正が不十分だと感じます、などがあがっている。
12.【就労移行支援】
職場見学・職場実習等の、事業所外での体験は充実しているか
事業所以外での実習体験については、8名が充実していると回答している。体験者は多いと思います、とても安心して研修を終えることができました、などがある。
13.【就労移行支援】
工賃等の支払いのしくみは、わかりやすく説明されているか
工賃の支払いの仕組みについての説明は、13名がわかりやすい説明であったと回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。わかりやすかったと記憶していますとの回答があった。
18.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか
54名が事業所内は清潔が保たれていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「トイレが改修されて使いやすくなりました」との回答が複数あった。清掃の方がこまめに掃除をしてくれるので清潔です、誰でも歩きやすいように設備などの配置が変更になった時にはその都度掲示や口頭での説明があります、利用者も増えてきましたが衛生面においてとても整備されていると思います、などのコメントがあがっている。
19.職員の接遇・態度は適切か
職員の接遇や態度に関しては、55名が適切であると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「丁寧です」との回答が複数あった。とても優しくフランクに接してくれます、言葉遣いや態度は申し分なく根気強く対応してくれます、時々ですが曖昧な返答をされる時があります、などがあがっている。
20.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
緊急時の対応に関しては、44名が信頼できると回答している。「その様な経験がありません」という回答も複数あった。経験はありませんが看護師がいるので安心です、休んだ翌日は声をかけてくれました、具合が悪い時は静養室で休ませてくれます、看護師に検査結果などを見てもらっています、などのコメントがあがっている。
21.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
利用者同士のトラブルについての対応は、30名が信頼できると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「ケンカやいじめなどはありません」との回答が多かった。トラブルの経験はありませんが対応してくれると思います、みなさん大人なので利用者同士で解決していることが多いと思います、自分の事で精一杯なので他の人と関わっている時間はありません、などがあがっている。
22.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか
55名が個人の気持ちは尊重されていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「よく声をかけてくれます」との回答が複数あった。信頼感があります、家庭の問題にも配慮して相談にのってくれます、一人ひとりのスピードに合わせて教えてくれます、利用者自身が興味のあるものを引き出してくれます、などのコメントがあがっている。
23.利用者のプライバシーは守られているか
52名がプライバシーは守られていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。個人情報も含めて守ってくれています、職員さんを信頼しています、職員により対応に差があると感じるのでもう少し標準化されると良いと思います、などがあがっている。
24.個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか
個別支援計画作成にあたっては、54名が個人の状況や要望を聞かれていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。ニーズの把握が行われています、自身がどうしたいかをメインに考えていろいろな提案をしてくれます、やりたい事や能力に合わせてプログラムを組んでくれます、面接の回数が多いので十分な話し合いができます、などのコメントがあがっている。
25.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
サービス内容や計画に関する説明は、55名がわかりやすいと回答している。計画についてもきちんと説明があります、一方的ではない話し合いなので助かります、個別支援計画を理解した上で就職に向けた作戦を考えてくれます、などがあがっている。
26.利用者の不満や要望は対応されているか
不満や要望へは、49名が対応されていると回答している。適切な対応だと感じます、時間のある限り対応してもらいます、頼んだ事はすぐに訓練に取り入れてくれます、できない事はできないと言ってくれます、などがある。「職員には話しやすいです」「相談しやすいです」との回答が複数みられた。
27.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
外部苦情窓口については、41名が相談できることを伝えられていると回答している。聞いたことはありますが直接話したことはありません、当該機関に情報が共有されています、役所に行くまでもなく全てこちらのセンターで解決できています、ケアマネジャーや福祉課の人に相談します、などのコメントがあがっている。
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
視覚障害者を主とする相談支援事業所を開設したことで、利用者の利便性につなげている
施設長が中心となり卒業生の集まりに参加して、日常生活で必要なことや、やりたいこと、困っていることなど個々の話に耳を傾けると同時に、情報収集を行い福祉ニーズの把握を行っている。視覚障害者は必要な情報を得ることが難しく、広報などがテープで聞けることを知らない人も多い。そのため、センターでは行政対象とした見学会を開催し、センターへの理解を求めるとともに、障害サービスの窓口として支援を必要とする人への情報提供を依頼している。また、視覚障害者を主とする相談支援事業所を開設したことで、利用者の利便性につなげている。
経営基盤の強化を目標に掲げ、利用率向上に向け、計画的に事業推進を図っている
法人に民間移譲され3年目を迎えようとしているが、この間、経営基盤の強化を目標に掲げ、利用率向上に向け見学会や体験訓練会の実施、「東京都ロービジョンケアネットワーク」の窓口となり眼科医等に施設情報を提供するなどの取り組みを進めている。さらに、柔軟に利用者ニーズに対応することで、出席率も上がるなど、昨年度は年度当初の目標利用率75%を上回り、76.4%の利用率が達成できた。今年度は昨年度を上回る88%の利用率を確保できる見込みとなっており、目標達成に向け計画的に事業推進を図っている。
センターの将来像を中長期計画として明文化することが必要だと思われる
センターでは2022年3月の時点で建替えに着手していることを都から求められており、建替えに向け法人内にプロジェクトチームを立ち上げたが、法人は建替えや職員の増員に対する財政的支援ができる状況ではなく、センターとして経営基盤を確立する必要がある。また、ベテラン職員が多く事業継続と言う観点からは、若年職員の新規採用も考える必要がある。建替え計画は中長期の視点に基づき描かれているが、新規事業の在り方や予算を含め、センターの将来像を中長期計画として明文化することが必要だと思われる。
1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
- 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
- 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
- 事業所の経営状況を把握・検討している
- 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
- 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
- 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
- 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
法令遵守については事例等を下に職員ミーティング等で注意喚起を行っている
運営規定に法人、職員として遵守すべき姿勢やあり方が明記されており、日々の職員ミーティングにおいて都度周知、振り返りが行われている。職員ミーティングでは、社会で起こっている倫理に関係するニュースや他施設での事例、福祉情勢を下に、施設長から職員全体へと倫理、あり方に関する投げかけが行われており、施設外で起こっていることを他人事とせず、自分事として日々の支援を振り返るきっかけとしている。また、苦情処理規程に則り、苦情会制度が設けられており、利用者には契約時に説明を行い、周知を図っている。
集団指導でありながら個別対応を行える体制を構築するなど柔軟な対応がなされている
虐待防止規程を定め、所長を委員長とする虐待防止委員会を年2回開き、利用者対応の留意点や視覚障害者特有の虐待事例などをテーマに話し合いを行っている。一方で、自立に向けた訓練を行っていくことを重要視しているため、利用者の意向を全て聞き入れることが本人のためにならない場面もあるが、急なキャンセルにも対応し、別日でプログラムを再設定したり、集団指導でありながら個別対応を行える体制を構築するなど、利用者ニーズに応じた柔軟な対応が行われている。利用者調査においても、職員の対応への満足度は高い。
センターは視覚障害をもつ人たちの地域拠点としての役割を担っている
地域の視覚障害者が集まれる場として、社交ダンス、華道、茶道、編み物、折り紙、英会話などのサークル活動を行っており、集団プログロムとしてヨガなどの軽運動を行う機会を提供している。過去の利用者が施設を集合場所にして外部のイベントや外出に出かける等、地域の視覚障害者の拠点しての役割を果たしている。また、視覚障害当事者対象の体験訓練会や近隣の医大、他施設からの研修や見学を幅広く受け入れることで開かれた施設として透明性を高めており、地域の中で医療と福祉の連携に繋がる取り組みを積極的に行っている。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
- 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
- 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
- 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
- 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
- ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
- 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
- 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
経営基盤確立を最重要課題としリスクマネジメントの一環として利用率向上を図っている
3年前に民間移譲され経営環境が変わる中、現在のセンターにとって経営基盤の確立は、安定した運営を行う上で最重要課題であり、リスクマネジメントとしても捉えている。視覚障害者は全体として人数が少なく、全国の視覚障害系施設の運営状況等を分析すると、介護保険との絡みから機能訓練事業を続けていけるかは分からない状況もある。利用率の低下はすなわち、事業継続に課題が生じることでもあり、建替え資金を確保していくためにも、組織一丸となりセンター情報の提供等に努め、利用率向上に取り組んでいる。
センターの外で起こった事故も要因を分析し、日々の支援に反映させている
センター内での事故やヒヤリハットに関しては職員の声かけ等によって未然に対処されているため件数は少ないが、周知が必要なものに関しては報告書を上げてミーティング時に共有している。また、駅のホームでの転倒や転落といった利用者の生活圏内での事故に対しても報告書により、事故の原因を分析し、白杖の使い方の再チェックや注意喚起等を日々の訓練の中に取り入れている。安全対策をセンター内に限定せず地域での生活を十分に把握し、考慮した対応を行うことで、利用者の実生活上でのリスク軽減に努めている。
利用者、職員それぞれにアクセス権限を設け情報漏えい防止に努めている
利用者の情報はパソコン内で管理されており、サーバーを通して共有化されている。パソコンのID、パスワードは職員一人ひとり個別に設定されている他、就労移行支援、機能訓練それぞれにアクセス権限がかけられ管理職がチェックを行っている。パソコンを使った訓練が多く、個人持ちのパソコンの持ち込みも認めていることから、利用者用と職員用でアクセス権限を分けて管理し、情報漏えい防止に努めている。また、利用者への連絡事項をメールにて行うことが多いため、誤送信が起こらないよう注意喚起を行っている。
1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
- 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
- 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
- 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
- リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
- 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
- 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
- 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
- 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
- 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
利用状況や報酬に関する内容を職員に開示し、モチベーションアップに繋げている
職員の定着率は高く、勤続年数を積んだ職員が多く在職している。キャリアパスや人事考課についてはセンターとして検討を重ねたが、センターの規模として職員数が多くなく、経験年数にも大きな差がないことを考慮すると、センターにはそぐわないという判断により、あえて実施していない。一方、課長会議の中で話し合われたセンターの状況や利用率による報酬等について職員と共有しており、職員が一丸となって出した成果を全員で分かち合うといった方針の下、職員のモチベーションアップに繋げている。
個別に課題を設定するとともに職員間で情報を共有できる環境づくりに努めている
OJTによる育成を行いながら、スキル向上のため一つひとつ課題をクリアしていけるよう管理職を中心に個別対応を行っている。パソコンを使用した機能訓練や就労移行に関する訓練内容は時代と共に変化しているため、常に最新の情報を取得し、時代のニーズにあった教材や訓練方法を模索していけるよう努めると同時に、職員が相互に働きかけを行える職場環境としている。一方で職員の高年齢化という現状もあり、新規職員の獲得や訓練スキルの継承を今後の課題として取り組んでいく方針で議論が進められている。
日々の職員配置を整理し、平等に内務に入れる時間を持てるよう工夫している
少ない職員配置の中で高いレベルの支援を提供していくための取り組みとして、訓練教材の作成や個別支援に関する業務を行う時間を職員が平等に取れるよう、機能訓練の時間割を利用者とは別に職員用で毎週作成し、一日1時間は教材作成等の業務に当たれるよう配慮されている。充実した訓練、支援を提供することにより、利用者満足度は非常に高いものになっており、それが職員のモチベーションアップ、意識の向上にも繋がっている。また育休制度の活用等、長く働ける組織作りを行っており、実際に平均勤続年数も高い水準を保っている。
1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
- 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
- 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
- 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
- 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
- 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
- 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
- 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
- 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
「利用者の確保のために各種施策を実施すること」を目標に掲げた。
利用者の確保のためには、センターの事業内容を広く周知することが重要との観点から、行政対象の見学会の実施、ホームページや医療機関に広報を行って、体験訓練会を実施すること等を通年で行った。同様に、各ハローワークへも説明に出かけている。
また、昨年1月から開始した東京都ロービジョンケアネットワークの主要な施設として活動し、眼科医会の催し等にも積極的に参加している。
上記目標については、ほぼ計画通りに達成できた。
見学会は4回実施し、毎回、定員いっぱいの参加があった。体験会は、土曜日に複数を、平日には個別の対応で実施した。体験会の実施に際しては、医療機関へも案内を郵送し、センターの周知にも努めた。
さらに、ハローワークへは、利用者の登録時に同行するなどし、その際にセンターの案内を行った。
利用者の確保は、毎年実施するべきことであり、常に課題の最上位に位置している。利用者数の増加に奢ることなく、常に実施すべき課題としていく。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
民間移譲されて2年目であり、運営を軌道に乗せることが最優先課題であった。そのためには利用者をコンスタントに確保することが必要であり「利用者の確保のために各種施策を実施すること」を最優先課題に掲げた。
具体的には、センターへの理解促進を図るために、新しいパンフレットを行政や医療機関に配布したり、各地のハローワークに説明に出かけた。
年4回実施した行政対象の見学会には、毎回10名を超える見学者が訪れ、行政機関に対しセンター機能を紹介できた。また、利用希望者向けに体験訓練会を通年で実施した。さらには、ロービジョン者・視覚障害者に対し、専門的なケアを円滑に提供することを目的に設立された「東京都ロービジョンケアネットワーク」の窓口となり、眼科医会の催し等に積極的に参加したことにより、眼科医と顔を合わせる機会が増え、大学病院の眼科医の見学につながった。さらに利用者が紹介されている。
その結果、関係機関からの問い合わせも増えており、今年度の利用率は88%となるなど、昨年度の利用率77%を上回っている。
センターへの理解促進を図るため、今後も地道に各種関係機関に働きかけていくことを次年度の目標に設定している。
2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
「柔軟なサービス提供方法を検討し、実施すること」を目標に掲げた。
年間を通して、各会議において利用者に対する柔軟な支援の提供方法を考察していった。機能訓練課では集団訓練の可能性をさらに探り、就労支援課でも、少ない職員で、多くの利用者に対応できる方法を検討した。
訓練を休んだ場合の振り替えや、突然の来所にも対応できる体制を作り上げることに取り組んだ。
ほぼ、目標は達成されている。現段階では、さらに集団でもスキルは向上してきている。継続的に柔軟なサービス提供を継続することで、利用率の向上にもつながってきているのは明白であり、今後もこのやり方を継続する。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
最優先課題である利用率の向上を図るためには、利用者の個別ニーズに柔軟に応えていくことが必要であり、一方で、利用者が増加したときの対応策とを検討する必要があった。そこで、「柔軟なサービス提供方法を検討し、実施すること」を目標に掲げ、課長会議、全体会議、職員ミーティング等で話し合いを重ねた。自立訓練は、歩行訓練やADL訓練など個別のプログラムで実施しているが、訓練を休んだ場合の振り替えや、突然の来所にも対応できる体制づくりを行った。
具体的には、割り振り表を作成し、職員の配置を明確にするとともに、利用者には個別の予定表をメールや紙ベースで配布している。そのことにより、時間をずらしたり、別の時間でもプログラムに入ることができるようになった。また、パソコン訓練は独自の教材を開発し、利用者のレベルを明確にすることで、職員が複数の利用者に対応することができ、またいつでも学習することができる自習室がある。就労支援については、利用者のペースで来所でき、いつでも対応できるようになっている。
これらの対応により、センターの利用率向上につながるとともに、利用者同士の交流が促進されている。
今後も継続していくこととしている。
サービス分析結果
【講評】
関係機関への広報を継続して行うことにより利用率の向上につながっている
東京都の指定管理による運営から民間移譲されて2年が経過した当センターでは、安定した運営のために広報の重要性を認識している。当事者はもちろんのこと相談事業所や行政、医療機関、ハローワーク等の就労関係機関への情報発信を継続して行っており、移譲初年度である昨年度の実績は、目標としていた利用率を超える結果となっている。年に4回、行政機関を対象として実施している事業所見学会には新宿区や足立区に加え多摩地域からの参加も増えており今後、利用者の発掘につながることが期待される。
医療機関に対する当センターの周知が進み、福祉との連携が図られるよう取り組んでいる
2018年1月に東京都眼科医会が中心となって、当事者が適切な指導や助言、訓練を受けられるよう東京都内の施設を紹介する「東京都ロービジョンケアネットワーク」が設立され、多くの医療機関・福祉施設が参加している。教育や就労支援等、利用者のニーズに応じて6つのカテゴリーに分けられており、当センターは訓練部門の代表施設となり活動を行っている。また、東京女子医大病院眼科外来で継続して行っている相談活動から利用につながったケースもあり、医療と福祉の連携を進める取り組みを進めている。
体験訓練会は利便性を考慮して希望に応じて随時対応するかたちに変更している
民間移譲に合わせる形で一新されたパンフレットでは、機能訓練・就労移行支援それぞれの事業内容が写真を交えて分かりやすく伝えられることで通所開始後の生活をイメージしやすくするとともに、利用開始までの流れや利用料、利用期間、訓練時間等を詳しく案内している。当事者を対象とした体験訓練会は従来、日程をあらかじめ指定して実施していたが、より利便性を考慮して希望に応じて随時対応するかたちに変更しており、今年度も利用へと結びいている。
1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
- 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
- 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
契約書や重要事項説明書は音声版も用意し自宅でも内容の確認ができるよう配慮している
施設見学は相談員もしくは両部門の課長が対応しており、利用申請書や健康診断書等、利用するにあたって必要となる書類を手渡している。自治体からの障害福祉サービス支給決定後、利用日や時間帯を本人と相談して正式に利用開始となる。利用初日には契約書及び重要事項説明書の読み合わせを行って提供する支援の内容をはじめ、守秘義務、苦情相談窓口等について説明しているが、事業所では音声版も用意して自宅でも内容の確認が行えるよう配慮している。
通所し始めの時期を安心して過ごせるよう利用者をフォローする体制が整っている
利用初日にオリエンテーションを行っているが、特に機能訓練においては訓練室をはじめ、自習室、休憩出等、複数ある活動場所についての説明と移動方法の確認が行われている。同時に各訓練担当者によるアセスメントも開始され、アセスメントに沿った支援の提供及び個別支援計画策定に向けた準備が行われる。事業所では臨床心理士の資格を保有している相談員による面談が毎月行われるが、利用開始当初は頻回に面談を行ことで障害受容への対応も行われている。
訓練終了後も利用者の状況を定期的に確認し、必要に応じて再訓練を行っている
利用者の利便性や動機づけの観点から、欠席時の振り替え及び時間割の変更等に柔軟に対応する取り組みを昨年度より開始したことで、利用率の向上につながっている。例えば、視覚だけでなく重複した障害のある利用者には、それまでの生活パターンに配慮してごく短時間の通所から開始するなどの対応をとっている。また、訓練期間が終了した後でも事業所側から連絡を取り、パソコンのOS切り替えのタイミングや職場の異動による歩行訓練の必要性等、利用者の近況を確認し必要に応じて再訓練を実施している。
1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
- サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
- サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
- サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
- サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
支援を行うにあたって必要な情報は調査書やアセスメントにより把握されている
障害の状況、職歴、地域で利用している社会資源等、利用者の基本情報は入所時に本人が記入する「調査書」により把握し、新規利用者においては別途、回覧用紙により面接時の様子や必要と思われる支援等を含めた利用者の状況が職員間で共有されている。就労移行部門については、訓練の一環として初回アセスメントを利用者自身がパソコンで入力する方法をとっており、センターで習得したいことや将来の展望等について一人ひとりのニーズや課題が分析されている。
機能訓練部門では各訓練担当者が実施したアセスメントをもとに計画が立案されている
機能訓練部門では利用開始から1カ月程度を目途に、歩行・点字・パソコン・ADL等、各訓練を担当する職員が面談を行ってアセスメントを行い、内容は「初期アセスメント」に記録している。初期支援計画はアセスメント結果をもとに利用者の希望や生活する上で困っている事等を踏まえて、支援計画会議にて策定されている。歩行や情報、点字、PC等の各項目ごとに長期及び短期目標に対する具体的なサービス内容が記されており、3カ月ごとのモニタリングで評価を行っている。
利用者情報の共有が徹底されるよう様々なツールを活用して取り組んでいる
支援の状況は経過記録への記載とともに、各訓練の実施状況については「訓練報告書」に記録して訓練時の様子や進捗管理、評価等を行っている。就労部門については、日々の訓練内容を利用者自身がパソコン上の専用ページにある日報に入力してメールで支援担当職員に報告するかたちをとっている。利用者はそれぞれ個別のカリキュラムで訓練を行っているため、職員は毎朝のミーティング及び定期的なケース会議等で情報の共有が徹底されるよう取り組んでいる。
1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
- 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の支援計画を作成している
- 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
- 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
- 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
- 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.個別の支援計画等に基づいて、利用者の望む自立した生活を送れるよう支援を行っている
- 個別の支援計画に基づいて支援を行っている
- 利用者一人ひとりに合わせて、コミュニケーションのとり方を工夫している
- 自立した生活を送るために、利用者一人ひとりが必要とする情報を、提供している
- 周囲の人との関係づくりについての支援を行っている
【講評】
個別支援計画は3ヶ月毎に見直し、訓練日程や内容変更には柔軟に対応している
利用開始前に、利用者が日常生活や仕事をする上で困っていること、センター利用の目的について聞き取りを行い、提供できる訓練内容を説明するとともに意向にそって個別支援計画を作成し、カリキュラムを決めている。訓練にあたっては「利用者にとって自立とは何かを常に意識づけること」を基本姿勢とし、訓練の進捗状況を勘案しながら3ヶ月毎に計画の見直しを行っている。また、訓練期間中の日程変更や欠席、遅刻については代替日を調整したり、それに伴い訓練内容を再考するなど柔軟な対応を心がけている。
障害状況に応じた情報機器の利用によりコミュニケーション方法を工夫している
利用者によって全盲、ロービジョン、進行性の視覚力低下など状況は様々であり、状況に応じたコミュニケーション方法を工夫している。まず、登所時にはプレックストーク(音声録音機)で連絡事項などを伝えている。ロービジョンの利用者へは拡大鏡を使用したり太いマジックペンで字を大きく書く、遮光カーテンを設置することで光の刺激を回避する等している。聴覚障害を併せ持つ利用者へは手話通訳を依頼することもある。また、職員も利用者もすれ違いの際は、必ずお互いに声掛けをするなど、双方の安全・安心への心遣いを促している。
新年餅つき大会やサークル活動は通所の楽しみであり利用者間の交流の機会でもある
訓練日程は利用者により曜日や時間が異なるため利用者が一同に会する機会はないが、休憩時間や昼食時の会話の中で、情報交換や世代を超えた交流が行われている。センターの行事としては、新年の餅つき大会が行なわれており、参加を楽しみにしている利用者も多く開催が継続されている。また、利用者が自主運営し希望者が参加するサークル活動では、社交ダンスや華道、編み物、折り紙、英会話などがあり、利用者のみならず訓練を終了したOB達も多く参加しており、就労体験談や趣味活動、障害者向けの社会資源など情報交換の場ともなっている。
2.利用者が主体性を持って、充実した時間を過ごせる場になるような取り組みを行っている
- 利用者一人ひとりの意向をもとに、その人らしさが発揮できる場を用意している
- 事業所内のきまりごとについては、利用者等の意向を反映させて作成・見直しをしている
- 室内は、採光、換気、清潔性等に配慮して、過ごしやすい環境となるようにしている
- 【食事の提供を行っている事業所のみ】
利用者の希望を反映し、食事時間が楽しいひとときになるよう工夫している
【講評】
利用者が目指す目的に応じて機能訓練、就労移行支援のサービスを提供している
センターは自立訓練(機能訓練)と就労移行支援の2つのサービスを、利用者が必要とする訓練や目的に応じて提供している。機能訓練では歩行訓練、ADL(日常生活動作)訓練、点字、パソコン、ロービジョン訓練がある。就労移行支援では事務職やヘルスキーパーとしての就労を目指す利用者が多いため、ADL訓練に加え、パソコン訓練やヘルスキーパーとしての施術技術、コミュニケーション訓練に力を入れている。また、就労に向けた就活支援や就労後のアフター支援も充実している。
利用開始時には重要事項説明書を基に利用の際の「決まり事」について説明している
利用開始時には重要事項説明書を基にセンターを利用する際の「決まり事」について説明している。視覚での確認が困難な利用者へ「廊下や階段は右側を歩く」「通りすがりには声をかけ合う」「喫煙は所定の喫煙室で行なう」「来所時、帰宅時には事務室に必ず声をかける」等のルールを設けている。利用者が安心して訓練を受けることができるよう、また、職員とのコミュニケーションが円滑に進むよう、大切なルールとして位置付けている。センター全体で訓練を受ける場所としての秩序を保つことにより、利用者間のトラブルや転倒事故などが回避されている。
まぶしさに対応する為に遮光カーテンを設置するなど視覚障害に必要な環境を整えている
利用初日には職員が館内の事務室や訓練室、トイレ、階段、体育館、休憩室、自動販売機などの設備について、利用者の歩行を助けながら案内している。階段や廊下は右側通行とし、利用者同士の衝突の危険を回避するために人とすれ違う時には声をかけ合う事の重要性などを伝えている。また、パソコン訓練室には遮光カーテンが設置され、屋外からの日光を遮断しパソコン画面を見やすくしている。個人のロッカーは私物が保管されていることもあり、間違いによる開閉が起きないよう、退所まで場所の変更をしない事としている。
3.利用者が健康を維持できるよう支援を行っている
- 利用者の健康状態に注意するとともに、利用者の相談に応じている
- 健康状態についての情報を、必要に応じて家族や医療機関等から得ている
- 通院、服薬、バランスの良い食事の摂取等についての助言や支援を行っている
- 利用者の体調変化(発作等の急変を含む)に速やかに対応できる体制を整えている
- 【利用者の薬を預ることのある事業所のみ】
服薬の誤りがないようチェック体制を整えている
【講評】
看護師が看護業務と訓練指導も行う事で、利用者の健康状態と障害状況を確認している
事務室隣には医務室兼静養室があり、看護師一名が在籍している。利用開始時に利用者から提出された健康診断書と眼科医による診断書を基に、健康状態や眼科疾病、視力の状態を把握し、個別計画作成に反映させている。また、看護師は看護業務を最優先としながらも、点字訓練やADL訓練の指導も行っており、直接訓練の指導に当たる機会を設けていることで、利用者の健康状態や障害状況について、より具体的な把握ができている。
現在や将来の生活においての不安を軽減するため、公認心理士の面談の機会を設けている
利用者の多くは事故や疾病が原因で視覚に障害が起きてしまった中途障害者であることから、それまでの生活が大きく変化し、戸惑いや絶望感から日々の生活に生きにくさやストレスを抱えてしまうことがある。そのような不安やストレスを軽減するため、月に一回以上、公認心理士(社会福祉士兼務)との面談の機会を設けており、「話すこと」によって精神的な安定に導いている。同時に日頃から職員による積極的な声かけも行う事で、利用者の精神面へのサポートにも力を入れている。
朝活として集団運動を実施し体操や軽運動が行われ体力作りも通所の楽しみとなっている
センターでの訓練のみならず、健康増進と社会参加へのきっかけ作りとして集団運動を実施している。一限目には「朝の活動(朝活)」としてラジオ体操やヨガ、バランスボール運動などを導入し、体育館や一階研修室では職員やボランティアを中心に椅子体操、タオル体操が行われている。訓練の予定が無い日でも運動目的で来所する利用者もあり、体力作りも通所の楽しみの一つとなっている。また、不測の事態に備え事業所内にはAEDが設置され、使用方法についての研修を随時行うとともに、協力医療機関と提携し急な体調変化への対応も整備している。
4.利用者の意向を尊重しつつ、個別状況に応じて家族等と協力して利用者の支援を行っている
- 家族等との協力については、利用者本人の意向を尊重した対応をしている
- 必要に応じて、利用者の日常の様子や施設の現況等を、家族等に知らせている
- 必要に応じて家族等から利用者・家族についての情報を得て、利用者への支援に活かしている
【講評】
訓練の進捗状況など事業所から家族に連絡する時には必ず利用者の了解を得ている
利用期間中は利用者との面談の機会が多く常に利用者の意向を把握しながら訓練を行なっており、職員が家族に連絡する事は少ないが、必要な時には必ず利用者の了解を得ている。個別支援計画面談では希望によって家族が参加する場合もあり、主に訓練の進捗状況の確認が多く、歩行訓練や調理実習の成果を見てもらい家族の協力を依頼する事もある。また、家族の意向により体験訓練に参加し、利用者が訓練の目的を充分理解していないと思われる時には、家族と利用者を交えて話し合い、利用目的についての確認を行なっている。
家庭訪問訓練では家庭で必要な工夫や福祉機器の紹介を行い不便さが解消されている
訓練開始時には自宅からセンターまでの通所ルートを白杖を使って歩行訓練から始めており、歩行訓練や日常生活動作(ADL)訓練は自宅や自宅周辺で行う事もある。ADL訓練はセンター内に台所や居間が設置され、調理や物の整理、掃除、裁縫など一般家庭と同じ環境での訓練を行なっている。訓練の後半には家庭を訪問し家庭の室内環境に合わせた工夫について家族に助言し、音声時計、ICタグレコーダー、タッチメモなど生活の不便さを解消する福祉機器の紹介も行い、利用者から不便さが解消され生活する勇気が湧いてきたとの声がある。
欠席の場合には職員が家庭に出向き、家庭環境に合わせた訓練を継続している
訓練期間が定められており期間内に訓練を終わるよう月間予定表が立てられているが、利用者によって体調を崩したり訪問介護などの利用日と重なるなどの諸事情により欠席する事もある。欠席した場合にも柔軟に日程を変更できるよう職員配置についての対応が整えられているが、欠席が長期に及ぶ場合には家庭訪問を行ない、訓練を継続するかどうかの相談を行なっている。また、家庭に出向いて訓練を継続する場合もあり、ADL訓練、歩行訓練、パソコン訓練を行い、家族には歩行介助や誘導方法などの指導も行なっている。
5.利用者が地域社会の一員として生活するための支援を行っている
- 利用者が地域の情報を得られるよう支援を行っている
- 利用者が地域の資源を利用し、多様な社会参加ができるよう支援を行っている
【講評】
訓練終了後も利用者が住む地域の福祉関連機関と連携し生活に必要な情報を伝えている
センター内に設置されている相談支援事業所では、訓練終了後の利用者に向け、福祉機器展示会や障害者スポーツ大会、盲導犬体験会などのイベントについて情報提供するほか、利用者の居住地域において生活に必要な社会資源の活用などについて提案している。しかし、地域によっては視覚障害についての理解が十分でなかったり、設備や支援体制が整っていないというケースもある。事業所の利用は終了しても、利用者が希望すれば、サービス計画やモニタリングに関する相談を受けている。
退所後の環境の変化に対応し、生活しやすいようにアフターフォローに取り組んでいる
視覚障害者にとってパソコンやスマートフォンの必要性は非常に高く、他者とのつながりや連絡はもちろん、情報入手には欠かすことのできない機器となっている。それらの買い替え、バージョンや機種変更、操作不具合が起きた時は職員が利用者宅に訪問し対応している。また、退所後に転居した場合は、転居先周辺及び通勤通路の再確認と歩行訓練を行い、家電や生活機器の使い方等も新たに説明するなど、退所後も利用者が社会で生活しやすいよう、環境を整えるためのアフターフォローに取り組んでいる。
サークル活動には卒業生も参加し、利用者同士の交流及び情報交換の場所となっている
センターでは利用者が主体となりボランティアが講師として指導を行うサークル活動(社交ダンス、華道、編み物、折り紙、英会話など)が活発に行われている。訓練という目的の他にこの様なサークル活動に参加することで、生活にも精神的にも幅が持て、利用者の息抜きの一助となっている。また、退所後の利用者もOBとして多く参加しており、就労に関する話、社会生活に関する話、趣味や事業所外でのサークル活動の話など、様々な情報交換の場ともなっている。
7.【自立訓練(機能訓練)】利用者が自立した生活を地域で送ることができるよう、機能訓練や生活についての相談等の支援を行っている
- 利用者が訓練する意欲を持てるような取り組みを行っている
- サービス期間内に目標とする力を身につけることができるよう工夫している
- 自立した生活に向けて、利用者一人ひとりに応じた機能訓練や日常生活訓練等を行っている
- サービス終了後の生活環境(住居及び就労先等)を想定し、支援を行っている
- 地域で安定して生活することができるよう、サービス終了後も相談等の支援や関係機関との調整を行っている
【講評】
利用者の訓練目的に添った支援計画を作成し訓練期間内に終了出来るよう支援している
利用開始前に利用目的を聞き取り、目的に添ったカリキュラムを作成している。利用目的は様々だが利用者が生活上困っている事や挑戦してみたい事を軸に個別支援計画を作成している。訓練内容は白杖を使った歩行訓練、調理や掃除、裁縫などの日常生活訓練と点字訓練、ロービジョンン訓練、パソコン訓練となっている。支援計画は基本的に3ヶ月毎の面談で振り返りを行い、訓練の進捗状況や技術の習得の過不足を勘案し、カリキュラムも柔軟に変更することができる。利用者が訓練期間内に、できるだけ利用目的に到達できるよう支援している。
日常生活の不便さや不自由さが軽減されるよう、必要に応じた訓練が提供されている
初日には家庭から事業所までの通所経路について白杖を使った歩行訓練から開始している。ADL訓練では電子レンジを使った調理方法を指導し「電子レンジの使い方をならって便利になりました」との感想が聞かれている。パソコン訓練を希望する利用者が多く、見えない、見えにくいなど障害の状態に合わせた訓練が提供され、音声パソコンや文字を拡大して行うロービジョントレーニングがある。また、スマホやタブレット端末の訓練も行われ、ネットでの買い物やメールのやり取りなど、パソコンよりも使いやすいと人気がある。
退所後の生活環境の変化には家庭訪問によりアフターフォローを行なっている
訓練は退所後の生活を見据えた訓練内容となっており、白杖を使った歩行訓練は自宅周囲でも行われ、ADL訓練の後半は家庭での実地訓練とし自宅にある調理機器を使って行い、掃除や整理整頓など家庭の家具の配置などにより行われる。パソコンは利用者が自宅で使っている機種に合わせた訓練を行い、新機種購入時やバージョンの変更時にも設定を行い、使い方の指導を行なっている。退所後に転居した時には最寄り駅までの歩行訓練、新しい家電の使い方、家具の配置に合わせた安全な歩行など利用者の要望にそったアフターフォローを行なっている。
10.【就労移行支援】就労に向けて、必要な知識の習得や能力向上のための訓練等の支援を行っている
- 利用者が働く意欲を持てるような取り組みを行っている
- サービス期間内に就労に結びつくことができるよう工夫している
- 生活リズムや社会人としてのマナーの習得等の就労に向けた支援を行っている
- 就労に向けた職場見学や実習等、実際に職場にふれる機会をとりいれた支援を行っている
- 就労支援機関と密接な連携をとり、利用者が力を発揮できる就労先に結びつくよう支援を行っている
- 就労後も利用者一人ひとりに応じて職場定着等の支援を行っている
【講評】
利用者は就労するという明確な目的を持ち、希望する職種に必要な訓練を行なっている
利用者は就労するという明確な目的を持っており、事務コースとヘルスキーパーコースがあり、利用者の就職希望にそった訓練を行なっている。事務コースではパソコン技術の向上を主として、画面読み上げソフトによるビジネスソフトの操作技術の習得とパソコン検定試験3級を目指し、自学自習形式での訓練としている。ヘルスキーパーコースでは三療資格(按摩、マッサージ、指圧)を持つ利用者が多く、近隣レストランの従業員や利用者同士での施術訓練を行い、技術の向上と維持を図り、就労先でのカルテ管理に必要なパソコン訓練も行なっている。
就職活動に力を入れ、昨年度は8割以上の利用者が企業への就職を実現している
就職活動支援としてハローワークや人材会社からの求人情報を提供し、応募書類作成やビジネスマナー、コミュニケーション力の向上を目指した訓練を行なっている。ヘルスキーパーは企業内の情報共有やカルテ作成の為に必要となるパソコン操作訓練も行なっている。ハローワークや職業紹介会社との連携を強め就職活動を行ない、模擬面接の実施や面接会場への同行、研修同行も行なっている。昨年度は8割以上の利用者が企業などへの就職が実現しており、在宅就労も二名となっている。就職は企業のヘルスキーパーが多く、事務職の就職は難しい状況である。
就職後の定着支援として「働きつづける」をサポートし就労状況の把握を行なっている
就労後には定着支援を強化しており、利用者本人または企業からの依頼があった場合には入社当日に職員が同行し、企業種によって必要とされる支援を行ない、通勤経路や就職先の建物内の移動、施術場所の説明など従来どおり実施している。企業とは定期的に状況把握を行い、就労後も2週間、6ヶ月、12ヶ月、24ヶ月を目安として電話や訪問を行ない、3ヶ月毎のメールによる状況把握や相談にも応じている。定着支援の一環としてマッサージ技術の向上に向けての研修会やパソコン操作についての研修なども併せて行なっている。
【講評】
個人情報の取り扱いについては入所時の説明に加え都度、確認も行っている
個人情報の取り扱いについては入所時に契約書及び重要事項説明書により説明を行い、同意を得ている。当センターにおいて利用者の情報を外部とやり取りする場面は、機能訓練部門では相談支援事業所や移行先の施設、就労移行部門ではハローワークや就職先の企業等それほど多くはなく、関係機関へ提供する際には改めて確認を行うとともに、緊急時には、調査書に書かれたかかりつけ医療機関や利用している他のサービスについての情報を提供する場合があることも説明している。
プライバシーや羞恥心に配慮した支援及び空間づくりを行っている
就労移行部門では講習室内にまた、機能訓練部門では休憩室にそれぞれロッカーがあり、訓練期間中は同じロッカーを使用して通所時の私物については利用者が管理をしている。健康増進や社会参加のきっかけ作りとしてヨガや体操等の集団運動を取り入れており、必要に応じて活動後の更衣が行えるよう個室が用意されている。また、利用者からの個別相談等、話の内容によってはプライバシーが確保できる場所へ移動するなどの配慮も行われている。
利用者の意向をできる限り尊重した支援が行えるよう施設全体で取り組んでいる
センターの利用及び個別支援計画を作成するにあたっては利用者の意向をできる限り尊重するよう取り組んでおり、利用期間や時間は定められているものの例えば通所時間に関しては、交通機関の混雑帯を避けた時間での利用希望には遅めの時間割を組んだり、心身状況により一定時刻の通所が難しい場合には時間割を変更するなどの柔軟な対応をとっている。また、家庭の事情を考慮して在宅での就労を希望していたケースでは、センターから企業への積極的なアプローチにより就職に結びついたとのことである。
1.利用者のプライバシー保護を徹底している
- 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
- 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
- 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
- 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
- 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
各訓練の実施要領及び熟練した職員による手作りの教材は定期的に見直しが行われている
歩行訓練・点字訓練・パソコン・ADL・ロービジョン等の各訓練について、ガイドラインに沿った指導要領が詳細に定められており、定期的に見直しも行われている。事業所では多岐に渡る訓練科目に対して熟練した職員がテキストや教材を手作りしており、例えばパソコン訓練では、他施設から移行してきた利用者が系統立てて学べるよう配慮し、エクセルやワード等、検定試験を想定して出題項目を細分化したテキストが使用されている。また新しいOSの導入にも対応できるよう教材の変更も迅速に行っている。
利用者の要望に柔軟に対応できるようスケジュール管理を行うシステムを構築している
「訓練の時間をもっと確保したい」という利用者の要望に応えて時間割については、欠席の場合の振り替えや、決められた時間だけでなく利用者の状況に応じて時変更する等、個々の利便性を考慮した柔軟な対応がとられている。今年度、利用者の流動的なスケージュールとそれに伴った職員の勤務状況を一体的に管理するシステムを構築し、利用者に寄り添った支援の提供に取り組んでだことで、利用者アンケートにおける満足度は高く、利用率の向上にもつながっている。
利用者が目標とする暮らしに近づけるよう一人ひとりに寄り添った支援が提供されている
利用者の多くが一般就労を目標としている就労移行部門では高い就職率を維持するとともに、事業所から企業側への積極的な働きかけにより新たに在宅就労の形態で就職に結びついたケースもある。三療資格を有する利用者については、施術技術の向上に向けボランティアを活用した訓練の他、企業への協力依頼も継続して行うことで出張による施術実践も行われている。また、視覚障害者の居住地に関わらず就労移行支援が行えるよう遠隔サポートシステムを共同開発する取り組みも継続して行っている。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうかを定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている
事業者のコメント
このセクションは事業者によって更新される情報です。
評価情報
【評価機関名】
【評価実施期間】
2019年1月5日~2019年3月29日
評価結果のダウンロード
本ページの内容をPDFファイル形式でダウンロードできます。
【講評】
多くの利用者に進路選択の多様性を提示していくことを使命としている
東京視覚障害者生活支援センター(TILS)は、視覚に障害がある人たちに、機能訓練事業及び就労移行支援事業を通して地域で生活をする力をつけてもらうことを目的としており、利用者のニーズに応じて、パソコン訓練、歩行訓練、点字訓練、日常生活動作(ADL)訓練、ロービジョン訓練、就労準備や就職活動の支援、就労後の支援など、自立に必要な支援を提供している。あくまでも「通過施設」というスタンスに立ちながら、多くの利用者に進路選択の多様性を提示していくことを使命に、職員のさまざまな工夫による専門的な支援が展開されている。
柔軟な対応を心がけることを基本方針に掲げ、職員間で共有して変化に対応している
センターは常勤、非常勤合わせ15人の組織であり、職員はベテランが多く、視覚障害者への支援スキルを持つ専門家集団である。この間の制度改正や経営形態の変更等により、センターの運営スタイルは大きく変化しているが、そのような中でも、視覚障害者が地域の中で生きていくための力を付けていくことを目的としていることは変わらない。一方で利用者の意向にも変化が見られるようになっており、プログラムだけに固執することなく、時間的にも内容的にも柔軟な対応を心がけることを基本方針に掲げ、職員間で共有して変化に対応している。
課長会議において経営上の方針を決定し、毎朝の全体会議で職員に周知を図っている
朝9:00から全体で朝礼を実施し、その後各課で情報共有をする手順となっており、毎朝の全体会議では、現在の福祉の情報、建替計画、利用率および収支状況など、センターの運営に関することについて、施設長から説明が行われている。課長会議では、前月の収入と利用率を確認したうえで経営に関する意思決定を行い、その後、課長が職員に情報伝達をしており、各自が経営状況を理解することでモチベーションアップにつなげている。利用率の向上は、年度末の賞与にも反映されている。