評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
・利用者の状況を多面的な角度から分析して的確に把握することにより、利用者個々に適切な支援を行うこと。
・安全な環境を確保することに留意し、利用者が安心して利用できる事業所運営を行うこと。
・個人情報の保護や主体性の尊重など個人の尊厳の保持を行うこと。
・地域交流やボランティア育成に積極的に取り組み、地域社会に根差した活動を行うこと。
・利用者の立場に立ち、優しく心豊かな支援に努めること。
職員に求めている人材像や役割
・利用者に対して、個人の人格と尊厳を尊重し、常に利用者の立場に立った支援の努力を惜しまない。
・利用者に対して受容・理解し、問題を言語化・具現化できる能力(カウンセリング・ソーシャルワークの基本的素養)を持つ。
・障害者の特性を踏まえ、利用者個々に対して適切で柔軟な支援が行える能力を備えた人材。
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
・障害を持った利用者が就労を通して、社会的自立と自己実現を目指す就労支援の職務に従事しているという使命感。
・利用者の立場に立ち、優しく心豊かな支援に努める使命感。
・常に自己研鑽して、能力の向上の為に不断の努力を惜しまない使命感。
全体の評価講評
特によいと思う点
「清掃作業・当番等手順書」は使用する道具や実際の場所を写真とルビ付きの分かりやすい文章で示し、手順ごとに速やかに参照することができます。利用者が手に取り積極的に活用することを念頭にした手引書は、一目で作業工程がわかり、利用者のみならず職員にとっても分かりやすい実践的なものとなっています。また、清掃作業に携わるメンバー構成や利用者ごとの理解度や特性に応じて、作業手順や手引書についても都度改訂しています。利用者の多様性に応じた手順書を備えることで、利用者が主体的に作業に取り組む環境を整備しています。
利用者への関りは、一人ひとりの障害や特性を踏まえて「わかりやすい言葉を使う」「ルビを振る」「聞きやすい高さの声で話しかける」「短文で話す」など個別に工夫して対応しています。また、作業でも「一つの作業に固執しないように色々な作業を提示する」「手順をシンプルにする」「集中力の続く時間の範囲で作業の工程を変更する」などの配慮をしています。さらに、ペアを組む利用者との相性や距離感を考慮したり、作業ごとにシールをもらうことで達成感を得る工夫をするなど、一人ひとりが働く喜びと達成感が得られるように支援しています。
これまでの支援計画やケース記録、利用者の基本情報や工賃評価表などの記録方法や情報共有について、職員全員で見直しや検討を重ね、今年度より入力支援システムを導入しました。このシステム導入により、記録や利用者情報をPC上で確認しながら入力することで、大幅な業務効率の改善が実現するとともに、より目標や課題を意識した支援をすることができるようになりました。ケース記録は利用者ごとに関わった職員が入力し、利用者の姿を時系列を追って確認することができるので、利用者の変化を多面的な視点で捉えることができるようになっています。
さらなる改善が望まれる点
利用者も使用する「手順書」は適宜改訂され、実践的なものとなっている一方で、感染症の予防や虐待防止等、職員の業務に関するマニュアルがあまり活用されていないとの事です。理由として考えられるのは、マニュアルが文字の羅列で読み辛く、必ずしも実用的でない事に起因している様です。現在は経験豊富な職員の力量に頼って業務をこなしていますが、既に実用化されている「手順書」を参考に、写真やイラストを活用して、読み易く実用的なマニュアルに編集し直し、新人を含む職員が活用する事で誤りなく業務を遂行できる仕組み作りに期待します。
事故が発生した際には、支援・合同会議で要因分析を行い、職員全体で再発防止に努めています。また、消防署などと連携して、年に6回避難訓練を実施しています。更に、災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備えて、法人で事業継続計画(BCP)を策定しています。ただ、事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスクに関する優先順位付けが行われていません。リスクには軽重があり、内容によっては経営に大きく影響を与えるリスクもあります。事業所に潜在するリスクを洗い出し、優先順位付けをして対策を講じることが望まれます。
事業所が求める人材像(働く意欲がありながら一般就労が困難な人に寄り添って支援できる職員)などを明示した「人材育成計画」を職員に配布して周知しています。年に2回、所長が全ての職員と個別面談を行い、悩み事や希望などを聴取すると共に、受講したい研修内容についても把握しています。所長は、個々の職員に対する育成方法については認識していますが、その内容を文書化していないとの事です。個々の職員の「個別育成計画」を作成し、それを基に面談で育成方針を話し合う事が望まれます。
事業者が特に力を入れている取り組み
法人が求める人材像を詳しく述べた「人材育成計画」を職員に配布して周知しています。キャリアパスの項目では、「非常勤職員」~「部長・主幹」まで6段階の職位に対して、「期待される職員像と基本的な能力と姿勢」を明示しています。全ての職員に対して、希望する外部研修に参加できるようにシフト調整などを行っています。また、所長が個人別に必要と思われる研修にも、受講を促しています。受講に際しては、「人材育成に係る制度」で研修内容の必要度に応じて、勤務態様、費用負担等を詳しく取り決めて周知しています。
マナー講座や料理講座、公共交通機関を使った外出訓練、レクリエーションなどの就労関係プログラムにより、利用者の仕事や自立した生活に必要な能力を身に着けています。また、外部講師によるコミュニケーションの研修会や運動プログラムを実施しています。就職後は職員による定期的な職場訪問や、本人と連絡を取って定着支援をしています。年数回、鍋パーティや茶話会、果物狩りやボウリングなどの楽しい企画で、卒業生と職員が交流を図り、余暇を楽しみながら働く機会を設けており、サービス終了後も仕事と自立した生活の両面を支援しています。
今年度、環境基準をクリアした新しい印刷機や製本機の導入をして官公庁等からの印刷や製本の受注確保を目指しています。受注作業の納期が迫っている場合にはそれぞれ得意な工程に携わったり、比較的余裕のある場合には新しい工程にチャレンジして利用者の取り組みの幅を拡げながら納期を遵守しています。利用者が個別に欲しい物の値段と工賃をリンクさせて工賃の説明をしたり、評価を上げるポイントを具体的に伝えて工賃への関心を高めています。安定した受注の確保と工賃への理解を働きかけて作業への取り組みを盛り立てています。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:事業所には全数調査が原則であることを説明した上で、利用者の状態を考えて協議した結果、就労継続支援B型の全利用者33名と就労移行支援の全利用者7名に、聞き取り調査とアンケート調査を実施しました。
- 調査方法:アンケート方式
聞き取り調査は、延べ調査員5名が2日間に亘り、事業所内の個室でプライバシーに配慮して実施しました。自身で回答を記入された方にはアンケート用紙を事業所から配布して頂き、専用封筒で(株)インタラクティブ・マネジメント・サポートに直接返送して頂きました。 - 有効回答者数/利用者総数:39/40(回答率
97.5%
)
サービス毎の利用者総数
利用者総数 共通評価項目による
調査対象者数共通評価項目による
調査の有効回答者数利用者総数に対する
回答者割合就労移行支援 7人 7人 7人 100.0% 就労継続支援B型 33人 33人 32人 97.0%
事業所に対する「総合的な感想」では、回答者の83%が「大変満足」「満足」と回答しており、満足度の高い結果となっています。事業所への総合的な意見としては、「現状で満足している」「今の仕事を続けていきたい」「自分の病気に対して、向き合ってくれるのは有り難い」などの現状に満足する意見がありました。また、「担当職員は信頼出来るけれど、誰にでも相談できる環境作りをして欲しい」「独り言に聞こえる様な話でも、本当は返事をして欲しいと思っている」などの職員との関わりに関する意見のほか、「休憩室や仕事の道具類も整っており、大変満足している」「OA・ITにおいて、ワードやエクセルなど充実させていけると良い」「資材を置いた場所が変わってしまうと、認識し辛い」「仕事の進め方について少し変えると、効率が上がると思う」という作業に対する具体的な意見や提案もありました。共通評価項目では「利用者は困ったときに支援を受けているか」など9項目について各項目の回答者の80%以上が「はい」と回答しており、満足度の高い結果となっています。
アンケート結果
4~17は選択式の質問のため、該当項目のみ掲載しています。
1.利用者は困ったときに支援を受けているか
この項目の回答者の97%が「はい」と回答しています。自由意見では、「いつも側にいる訳ではないが、困れば助けてくれる」「職員には何でも言い易いから大丈夫」「数が多いとか少ないとか確認したり、検品してくれる」「『分からないことがあったら、遠慮なく声を掛けて下さい』と言って貰っている」「手が空かない時には、作業の一部を手伝ってくれる」などの意見がありました。
2.事業所の設備は安心して使えるか
この項目の回答者の87%が「はい」と回答しています。自由意見では、「安心して使える。道具は分かり易いところに置いてある」「エレベーターは安全。道具は使い易い」「整っているので安心して使っている」「危ないものは職員が扱っている」などの意見のほか、「電動車椅子で動いているので、動線や資材の置き場所の変更など難しい事がある。職員も配慮してくれている」という意見もありました。
3.利用者同士の交流など、仲間との関わりは楽しいか
この項目の回答者の67%が「はい」と回答しています。自由意見では、「休憩時に仲間と話すのが楽しい」「カラオケに行ったり、お昼を一緒したりと楽しい」「挨拶をすると返してくれるのが嬉しい」「街で偶然出会っても挨拶を交わしたりできる。冗談も言い合えて充実している」「レクリエーションが大好き」などの意見のほか、「杖を使用しているので、皆と同じペースでは遊べない」「様々な障害を持った方がいるので、一部の話が出来る人との交流になりがちになってしまう」という意見もありました。
11.【就労移行支援】
事業所での活動が就労に向けた知識の習得や能力の向上に役立っているか
この項目の回答者の86%が「はい」と回答しています。自由意見では、「以前の仕事で流れ作業を行っていたことがあるので、その為には今の作業は役に立っている」「将来は、パソコンの仕事をしたいので役に立っている」「掃除の技術や作業に取り組む時間は、訓練になっている」「大人数の仕事場が苦手なので、ちいさなお店での仕事が良いと思っている。その為には役立っている」などの意見のほか、「将来は身体を動かす仕事をしたいので、手作業が多い今の作業はあまり役に立っていない」という意見もありました。
12.【就労移行支援】
職場見学・職場実習等の、事業所外での体験は充実しているか
この項目の回答者の43%が「はい」と回答しています。自由意見では、「面白かった。役に立った」「『就労支援プログラム』では、マナー研修があり、身だしなみ等社会に出て必要なことも教えてくれる」などの意見のほか、「まだその様な事はやっていないので分からない」「ここに来て4カ月ほどなので、今後色々体験していきたい」などの意見もありました。
13.【就労移行支援】
工賃等の支払いのしくみは、わかりやすく説明されているか
この項目の回答者の71%が「はい」と回答しています。自由意見では、「休むと給料が引かれることは分かっている」「時給制なので、休めば低くなることは知っている」「評価の結果で時給は上がる」「説明を受け、十分理解して工賃を受け取っている」などの意見のほか、「契約時に少し聞いたが、良く分かっていない」という意見もありました。
16.【就労継続支援B型】
事業所での活動が働くうえでの知識の習得や能力の向上に役立っているか
この項目の回答者の53%が「はい」と回答しています。自由意見では、「数を数えたりするのは、就職の時に役立つと思う」「生活リズムをしっかりすることが出来ていると思う」「挨拶の習慣など、コミュニケーションの練習が役に立っている」などの意見のほか、「ここの仕事が好き。外で働こうとは思っていない」「就労したいとは思っていない」などの意見もありました。
17.【就労継続支援B型】
工賃等の支払いのしくみは、わかりやすく説明されているか
この項目の回答者の63%が「はい」と回答しています。自由意見では、「銀行に振り込まれる。毎月15日に支払われる」「タイムカードや給与の際に渡される明細をとても楽しみにしている」「仕事の量や時間などで工賃が支給される事の説明を受けている。毎回、明細書も貰っているので分かる」「工賃評価の基準となるポイントの説明を受けており、自分としても納得できている」「年度変わりの説明や、3ヶ月ごとの工賃評価で分かり易く説明されている」などの意見のほか、「工賃説明は受けているが、難しくて分からない」という意見もありました。
18.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか
この項目の回答者の97%が「はい」と回答しています。自由意見では、「作業前に掃除をしているので問題ない」「朝礼後に、清掃メンバーが掃除をしている」「掃除道具は使い易い様に職員が手配してくれる。箒などが古くなれば替えてくれる」「職員室もトイレもきれいにしている。作業場所は自分で整理している」などの意見がありました。
19.職員の接遇・態度は適切か
この項目の回答者の87%が「はい」と回答しています。自由意見では、「優しく丁寧にしてくれる」「男性も女性も優しくて丁寧」「丁寧に対応してくれており、不快な思いをしたことはない」などの意見がありました。
20.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
この項目の回答者の89%が「はい」と回答しています。自由意見では、「体調不良が何度かあるが、休養室で休ませてくれた」「体調不良を感じた時には自分から伝えることが多いが、対応してくれる」「風邪を引いた時など、熱を測ってくれたり帰らせてくれたりしてくれる」「『ゆっくり過ごして良いよ』『休んでいて良いよ』等と声を掛けてくれる」などの意見のほか、「自分は具合が悪くならない」という意見もありました。
21.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
この項目の回答者の70%が「はい」と回答しています。自由意見では「利用者間でトラブルがあったが、上手く裁いてくれた」「ケンカは見たことは無いが、上手く仲直りさせると思う」「仲裁に入ってくれる。距離を取らせたり、それぞれの話を聞いてくれる」「両方の話をそれぞれ別な場所で聞いてくれた後、仲直りの話し合いの機会を作ってくれる」「他の利用者同士の仲裁をしている様だから、やってくれると思う」などの意見のほか、「ケンカしているのを見たこともないし、職員が間に入っているところを見たこともない」という意見もありました。
22.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか
この項目の回答者の85%が「はい」と回答しています。自由意見では、「自分からはあまり言わないが、気にはしてくれていると思う」「お仕事を頑張ると、ちゃんと褒めてくれる」「良く話を聞いてくれたり、見ていてくれていると思う」「個人の担当者がおり、個別に話も良く聞いてくれている」「自分の性格を理解してくれていると感じる」などの意見のほか、「不愉快ではないし、自分は気にしていない」という意見もありました。
23.利用者のプライバシーは守られているか
この項目の回答者の87%が「はい」と回答しています。自由意見では、「守ってくれる」「自分の事を他の人に勝手には言わない」「困る事も無いが、特に問題はない」「内緒にして欲しいことは喋らないでいてくれる」などの意見のほか、「知られて困るようなプライバシーもないがよくわからない」という意見もありました。
24.個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか
この項目の回答者の72%が「はい」と回答しています。自由意見では、「しっかりと話し合い、将来的な目標も含めて作成している」「面談している。仕事の頑張っているところや、もう少し努力するところについて話してくれる」「年間2回位面接をして、話をしてくれる」「年2回モニタリングをしており、しっかりと話をして計画を作成している」「面接室で良く話し合って、細かな項目についても相談して決めている」などの意見のほか、「計画は知っているが、良く覚えていない」という意見もありました。
25.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
この項目の回答者の87%が「はい」と回答しています。自由意見では、「個別支援計画の内容を説明してくれた」「計画の紙をくれる」「担当の職員さんと二人で話せたので良く分かった」「年に2回色々目標について説明してくれる」「分かり易く説明してくれる」などの意見のほか、「内容は良く分からない」という意見もありました。
26.利用者の不満や要望は対応されているか
この項目の回答者の69%が「はい」と回答しています。自由意見では、「直ぐにやってくれる」「自分は言った事は無いが、他の人が何か言っている事に対してきちんと応えている」「色々な利用者がいるので忙しい時には、『ちょっと待っててね』もあるが、やってくれる」「職場作業の環境など、やり易い形を要望して改善してくれている」などの意見のほか、「まだ伝えたことはないので分からない」「意見に対してきちんと説明してくれるが、我慢して欲しいと言われることも多くある」という意見もありました。
27.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
この項目の回答者の55%が「はい」と回答しています。自由意見では、「話をしたことがある」「悩みや困りごとの相談はしたことは無いが、相談できることは知っている」「そういう人がいることは知っているが、相談したことはない」「活用したことは無いが、第三者委員の制度は知っている」などの意見のほか、「そういう事は分からない」という意見もありました。
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
事業所を取り巻く環境について情報を収集・分析し、課題を把握しています
利用者の意向は、個別支援計画作成時のモニタリング面接の際などに把握しています。把握した情報は、支援会議や運営会議の場などで検討して職員間で情報共有しています。今後は、「利用者懇談会」を開催し、利用者同士が意見交換する中で、個別面接では得られない自由な意見が把握できるものと期待しています。職員の意見は、各種会議での聴取の他に、年度末の個人面接の際にも把握しています。業界全体の動きや行政の動向などに関しては、事業所が所属する新宿区から詳細な情報を得ています。得られた様々な情報を基に事業所の課題を抽出しています。
事業所の理念・方針の実現に向けた計画を策定しています
事業所が所属する公益財団法人(新宿区の外郭団体)が策定した「第2次経営計画」(2018~2020)を基に、事業所としての単年度事業計画書を策定しています。今年度の事業計画書では、サービス種別毎の経営計画目標値として、「エール」(就労移行支援):就職者数5人、「スマイル」(就労継続支援B型):平均工賃 最低賃金額の3分の1以上を明記しています。「事業の方向性」では、重要なテーマとして「職場定着支援」を挙げており、今年度の制度改正で新たに「就労定着支援」が創設されるのを機に、更なる充実を目指すと述べています。
着実な計画の実行に取り組んでいます
「第2次経営計画」や「事業計画書」を職員に配布すると共に、内容について会議の場などで詳しく説明しています。加えて、事業所としての「組織目標管理シート」を作成しています。「就労定着支援事業開設の準備及びサービスの開始」など主要な5項目の組織目標を掲げ、項目毎に「手順(どのようにして)」「時期(いつまでに)」を詳細に記述しています。更に、半年後に作成する「組織目標進捗状況報告シート」により、項目毎の「達成度」「年度前半の評価」「年度後半に向けた取組」を詳細に分析して進捗状況を把握し、職員にも周知しています。
1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
- 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
- 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
- 事業所の経営状況を把握・検討している
- 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
- 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
- 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
- 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
福祉サービスに従事する者として守るべき倫理などを周知しています
職員が守るべき法・規範・倫理等を周知するために、「利用者権利擁護規定」に明記して、いつでも職員が閲覧できるようにしています。職員は、入職時には「就業規則」や「利用者権利擁護規定」などを用いて、守るべき規範や倫理などを学んでいます。更に、入職後の法人研修などの機会にも、守るべき倫理などを学ぶと共に、日常的に実践の場で、所長や先輩職員の指導を受けています。職員アンケートでも、「利用者の声を聴き、利用者のことを考えて支援している」という声がありました。
利用者の意向を多様な方法で把握すると共に、虐待にも適切に対応しています
事業所の苦情解決制度を利用できることを「重要事項説明書」に明記して、契約時に説明しています。また、第三者委員による苦情相談日を隔月に設けて、利用者の相談に応じています。利用者の意見や苦情を受けた時には、関係する職員間で速やかに情報を共有すると共に、会議等で解決に向けて検討をしています。虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得た時には、区の障害福祉課に情報提供して対応しています。事業所内では、虐待に関する行政の研修を受講すると共に、利用者の気持を傷付ける言動が無い様に職員間で相互に振り返りを行っています。
事業所の透明性を高め、地域との関係作りに取り組んでいます
事業所の透明性を高めるために、福祉サービス第三者評価を受審し、事業所の評価結果を公表しています。毎年「ここからまつり」を開催して、新聞に折り込み広告を入れたり、のぼりを立てたりして、近隣住民に参加を呼び掛けています。また、区が主催する「共同バザール」にも出店するなどして、地域住民に事業所の活動内容をPRしています。車椅子利用者や高次機能障害者など、受け入れ先の少ない利用者を積極的に受け入れると共に、生活保護受給者の就労支援も積極的に行うなど、地域の福祉ニーズに対応する取り組みを心掛けています。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
- 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
- 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
- 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
- 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
- ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
- 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
- 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
事業所に潜在するリスクに優先順位を付け、影響を最小限にする取り組みが課題です
消防署などと連携して、年に6回避難訓練を実施しています。また、救急救命講習は、全ての職員が受講しています。災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備えて、法人で事業継続計画を策定しており、今後は、事業所独自の事業継続計画を策定することを検討しています。ただ、事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスクに関する優先順位付けが行われていません。リスクには軽重があり、内容によっては経営に大きく影響を与えるリスクもあります。事業所に潜在するリスクを洗い出し、優先順位付けをして対策を講じることが望まれます。
利用者に対する安全確保のための取り組みを行っています
事故が発生した際には、支援・合同会議で要因分析を行い、職員全体で再発防止に努めています。事故内容を分析して改善に繋げた事例としては、利用者の衣類の洗濯用の洗濯機で、汚物を洗ってしまったことがありました。その為に、新たに汚物専用洗濯機を購入し、設置場所を地下室にすることで、誤りを防止しています。また、更衣室にエアコンを導入し、一定温度で着替えすることで、感染症を予防出来るようになりました。災害時の備えとして、消防署の協力を得て「起震車」による地震を体験しました。本物の地震の際にも慌てることがなくなりました。
事業所の情報管理を適切に行っています
事業所が保有する利用者情報等の重要な情報の取り扱いについては、「個人情報保護規程」に利用目的などを明示し、利用者には契約時に説明して理解を求めています。利用者情報は、紙ベースでは鍵の掛かるキャビネットに保管して、鍵は責任者が管理しており、必要な時に職員が閲覧可能となっています。重要な情報はパソコンにも入力しており、パスワードを使って、アクセス権限を設定しています。利用者情報、経営情報、職員情報などの重要な電子情報は、法人本部の経営課が、法人の情報セキュリティ規則などを基に一括して管理しています。
1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
- 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
- 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
- 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
- リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
- 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
- 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
- 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
- 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
- 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
法人の管理の下で必要な人材確保や配置を行っています
事業所が必要とする人材の採用は、事業所からの要望に応じて法人本部が一括して行っています。採用の際の面接には、所長が立ち会っています。事業所内の定期的な異動は、職員の意向を踏まえて、年度末に行っています。また、法人全体で、事業所を越えた異動を行う事もありますが、各事業所のサービスの特性が異なることもあり、実際には難しいのが現状とのことです。職員の異動に関する希望については、年に2回の所長面談時に把握し、異動の際には運営面への影響を考慮しつつも、出来るだけ職員の希望を反映させることとしています。
事業所が求める人材像を明示し、人材育成計画に従って職員を育成しています
事業所が求める人材像(働く意欲がありながら一般就労が困難な人に寄り添って支援できる職員)や、キャリアパスを明示した「人材育成計画」を職員に配布して周知しています。キャリアパスでは、「非常勤職員」~「部長・主幹」まで6段階の職位に対して、「期待される職員像と基本的な能力と姿勢」を明示しています。全ての職員に対して、希望する外部研修に参加できるようにシフト調整などを行っています。また、所長が個人別に必要と思われる研修にも、受講を促しており、受講に際しては、内容別に費用負担等を詳しく取り決めて支援しています。
職員の意欲向上に取り組んでいます
事業所の報酬体系は、原則的に年功型となっています。昇給・昇格等は、「職員人事評価実施規定」に基づいて行っています。年に2回「個人目標シート」を基に、全ての職員と所長が個別に面談して評価しています。ストレスチェックを含む職員健康診断を年1回行い、必要に応じて産業医が面接して対応しています。また、法人の衛生委員会が毎月開催され、職員の健康管理について話し合っています。更に、法人内の勤労者福祉事業(慶弔金、遊園地等の割引、宿泊補助等)に加入するなど職員の意欲向上に取り組んでいます。
1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
- 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
- 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
- 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
- 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
- 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
- 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
- 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
- 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
<目標の設定と取り組み>個別支援計画などが、組織的にスケジュール管理できるシステムの仕様を決定することを目標としました。当初は、前年度(28年度)にシステム開発をする予定でしたが、平成30年度の報酬改正を想定した場合に、市販ソフトの導入が望ましいとして、既存の事業管理ソフトの導入を検討することとしました。複数のシステム業者からのプロポーザルを比較検討し、業者を決定して職員に周知しました。
<取り組みの検証>業者に対して事業所の要望を提示しながら、職員が使いやすいように設計し、テストランを行うことで、平成30年度の本番に向けて稼働できる目処が立ちました。
<検証結果の反映>当初の予定通り、平成30年度の報酬改定に合わせた運用が可能になりました。職員アンケートでも、多くの職員が、「記録システムの導入により、情報の共有、事務処理が改善された」と歓迎していました。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
支援の内容を誤りなく記録する事は、職員に多大な負担を強いていることが多く、その分利用者に対する支援が疎かになるケースが多いと聞きます。その問題を解決するために、記録システムの導入を1年間掛けて慎重に検討したことは、意義のある事だと思います。職員の意見も都度参照しながら、職員が使いやすいシステムが完成したことは、きちんとした目標設定を行って慎重に取り組んだ成果であると評価できます。
2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
<目標の設定と取り組み>「就労移行支援」事業の重要なテーマである「職場定着支援」(利用者が、就職後も安定して長く働き続けられるための支援)の内容の充実を目標としました。28年度までは年3回実施していた「卒業生の集い」を、年5回実施しました。その内容も、従来のレクリエーション的な内容に加えて、調理やリラックス体操など、働き続けるために必要なリフレッシュ法を学んだり、生活スキルの向上を図ることができました。
<取り組みの検証>利用者からも、職場定着のためになる支援であったと、感謝の声がありました。当事業所の開設からの累計の就職者は40名ですが、平成29年度末の段階で27名が継続就労中であり、この数値は業界内でもかなり高い数値となっています。
<検証結果の反映>「卒業生の集い」の回数を増やし、内容も見直したことで、卒業生の職場定着が進む機運が見えたので、今年度以降も継続して実施することにしました。また、平成30年度に新たに創設された「就労定着支援事業」の事業所としての業務を開始したので、卒業生の利用に結び付ける予定です。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
障害者が一般企業に就労しても、1年で3割~4割程度の方が離職すると厚労省の統計にあります。特に精神障害の方は半数が1年で離職しています。その点、開所して8年目の当事業所の開所以来の離職率が3割程度というのは、注目に値すると考えられます。今回の様に「卒業生の集い」の回数を増やし、新規事業の「就労定着支援事業」が本稼働することで、更に離職率が減少することが期待されます。
サービス分析結果
【講評】
事業所の情報をホームページや広報誌等で提供しています
事業所を含む法人のパンフレットには、併設する総合的な就労支援、無料職業紹介所、リサイクル活動、勤労者の福利厚生の事業についても紹介しています。事業所のパンフレットは、実施している作業を写真入りで紹介し、利用開始や就職までの流れをわかりやすく説明しています。また、利用希望者等は、ホームページや年数回発行の広報誌「わーくす ここ・からだより」で事業所の今を知ることができます。ホームページでは過去の広報誌を閲覧することもでき、事業所の日々の活動やイベントの様子、毎月の予定などを紹介しています。
パンフレット等の送付や関係機関との連携の中で事業所の情報をお伝えしています
法人と事業所がそれぞれ発行する広報誌やパンフレットは、イベントの実施時に関係機関等の方にお渡ししたり、行政機関、医師会、区内外の作業所、保健センター、特別支援学校や家族会、NPOや企業等に送付し、事業所のサービスや活動の状況をお伝えしています。また、区の障害者福祉事業所等ネットワークに所属しており、関係機関に事業所の取り組みや製品について情報提供すると共に、自主製品の販売ノウハウや販路について情報交換を図っています。
利用希望者等の都合に合わせて見学を実施しています
利用希望者等の問い合わせには随時対応し、提供するサービスについて利用希望者等の要望に合わせて説明をしています。見学に関してはサービス管理責任者を中心として対応し、実際の作業の様子や利用者同士の雰囲気を知ってもらえるように努めています。また、特別支援学校から保護者や先生の見学希望のほか、学生のアセスメント実習の受け入れも行っています。利用に際しては、幅広い年齢層や障害に対応しており、家族等のほかケースワーカーやグループホームの職員とも連携しながら見学から利用へつなげる支援をしています。
1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
- 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
- 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
契約時及びサービス開始時には丁寧な説明をして利用者等の同意を得ています
利用希望者は見学の後、実習前オリエンテーションを経て実習を開始しています。実習終了後には、実習を振り返りながら本人の意思を確認のうえ、利用契約を結ぶこととしています。必要に応じて家族等や関係機関の職員の同席の上、重要事項や契約書などの説明をしています。また、フェイスシートでは障害等の基本情報に加え、配慮が必要なことや特性などについて利用者本人や家族から情報を得て、提供するサービスについて意向を確認しています。
利用者の生活歴を踏まえたきめ細やかな対応で不安やストレスを軽減しています
当事業所の特徴として、知的、精神、身体障害に加えて虐待、いじめや不登校による社会生活への不安や適応に課題を抱えている利用者も多く受け入れています。そのため利用開始に当たっては、既往歴や障害に関する情報のほか、それまでの生活歴や職歴の中でどのようなトラブルを抱えていたのかなどの事前情報を把握して対応することで、不安の軽減に努めています。利用者や家族等のほか、行政のケースワーカーや保健師、相談支援事業所の相談支援専門員と緊密な連携を図りながらきめ細やかな対応を心掛けています。
サービスの終了後にも支援の継続性に配慮した対応をしています
就労移行支援事業では、平成30年度は利用者2名が就職しており、就職後も職員による定着支援をしています。「卒業生の集い」では、年数回卒業生と職員が食事やレクリエーション等の交流を図っています。仲間同士で仕事の喜び、苦労、悩みなどを分かち合う機会を設けて、余暇を楽しみながら働くことができるように支援しています。卒業生は、時折、職員の顔を見に事業所に立ち寄ることもあります。卒業生が、新たな職場やサービスの使用に移行した場合には、必要な情報の共有をしています。
1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
- サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
- サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
- サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
- サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
利用者等との丁寧な面談で支援計画の内容を共有しています
毎年支援計画を作成しており、就労移行支援は3カ月ごとに、就労継続支援B型は6カ月ごとに見直しを実施しています。就労や生活面での長期目標や短期目標をわかりやすく記載し、利用者や職員が支援計画を日々意識して取り組めるようにしています。支援計画作成の面談では、利用者と必要に応じて家族等が同席し、担当職員とサービス管理責任者及び施設長が応対しています。利用者調査では支援計画作成における説明がわかりやすく、要望を聞き取ってもらえているという意見が多くみられました。
入力支援システムを導入し目標や課題を意識した支援を実施しています
今年度より入力支援システムを導入し、記録や利用者情報をPC上で確認することができるようになりました。このことにより、大幅に業務効率が改善するとともに、利用者の情報や支援計画の内容を常に確認しながら、より目標や課題を意識した支援をすることができるようになりました。日々のケース記録は利用者の姿を時間ごとに関わった職員が入力し、利用者を多面的な視点で捉えることができるようになっています。担当職員は日々のケース記録を基に毎月の利用者の姿を支援結果として記録しています。
ケース記録やミーティング等で利用者の状況を共有しています
日々の申し送りは、朝礼をはじめとした1日2~3回のミーティングで行っています。また、日々のケース記録入力においては、対応した職員が利用者ごとに記録することとしていますが、担当職員は必要に応じて状況を把握している職員から直接状況を聞き取って情報を共有しています。また、1人の利用者につき時系列を追って記録しているので、直接関わっていない職員にも利用者の姿や変化が把握しやすいものとなっています。さらに、毎月の合同運営会議や支援会議などでは、利用者の様子や課題等を共有して支援の一助としています。
1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
- 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の支援計画を作成している
- 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
- 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
- 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
- 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.個別の支援計画等に基づいて、利用者の望む自立した生活を送れるよう支援を行っている
- 個別の支援計画に基づいて支援を行っている
- 利用者一人ひとりに合わせて、コミュニケーションのとり方を工夫している
- 自立した生活を送るために、利用者一人ひとりが必要とする情報を、提供している
- 周囲の人との関係づくりについての支援を行っている
【講評】
個別支援計画に基づいた支援を実施しています
個別支援計画は月1回の支援会議で関係職員に周知し、利用者一人ひとりの支援目標の情報共有を図って支援をしています。支援記録の記入は、本年度より導入した入力支援システムを用いて、支援に関わった職員が毎日入力しています。入力支援システムを導入したことで、職員は利用者全員分の個別支援計画を参照しながら、一人の利用者に対して様々な視点や場面を記録することができ、利用者の様子を多面的に理解することができているようです。それらを参考にしてケース担当職員が、個別支援計画に基づいた支援とその成果を確認しています。
一人ひとりに応じたコミュニケーションの取り方を工夫しています
事業所のサービスは、身体・知的・精神などの障害種別のみならず、高次脳機能障害や引きこもり経験や虐待経験等の多様な背景を持つ様々な人が利用しています。そのため、利用者が安心して支援が受けられるように、わかりやすい言葉を使う、ルビを振る、聞き取りやすさに配慮して高い声で話しかける、長文で話しかけずに短文で話すなど、一人ひとりの障害特性や理解力に応じたコミュニケーションの工夫をしています。利用開始時にはフェイスシートやアセスメントシートでコミュニケーション方法を確認し、利用者との意思疎通に努めています。
就職や社会生活に必要な情報提供とコミュニケーション能力の定着に力を入れています
個別支援計画の作成時に利用者及び家族等と話し合いながら、本人の意向に沿った生活に向けて様々な情報提供をしています。例えば、就職を目指しているという利用者が就職した後の生活について具体的なイメージが持てるように、見学の機会を設けたり別の就労形態の事業所を提案して、見通しのある目標設定ができるように働きかけています。また、周囲の人と安定した人間関係が築けるように、突然大きな声を出さない、不審な動きをしないなど、場面や場所に応じた振る舞いについても個別にアドバイスをして円滑な社会生活が営めるように支援しています。
2.利用者が主体性を持って、充実した時間を過ごせる場になるような取り組みを行っている
- 利用者一人ひとりの意向をもとに、その人らしさが発揮できる場を用意している
- 事業所内のきまりごとについては、利用者等の意向を反映させて作成・見直しをしている
- 室内は、採光、換気、清潔性等に配慮して、過ごしやすい環境となるようにしている
- 【食事の提供を行っている事業所のみ】
利用者の希望を反映し、食事時間が楽しいひとときになるよう工夫している
【講評】
利用者の特性や課題に応じてその人らしい働き方を支援しています
職員は毎日、部品の組み立てなどの軽作業や清掃委託事業、自主製品の製作などの作業から、利用者の状況に応じて作業の工程を工夫して選び依頼しています。例えば、一つの作業に固執しないように配慮する、手順がシンプルな作業を提示する、集中力を欠かないように作業の工程を1時間程度で変更するなどの工夫をしています。また、対人関係に課題のある場合には、ペアを組む利用者との相性や距離感を考慮したり、自信が持てるように得意な工程から始めるなどの配慮をして、その人らしい働き方ができるように支援しています。
利用者の意向や希望を聞き取り、支援に反映させる工夫をしています
移行支援事業の就労支援プログラムでは、利用者の希望でカラオケを導入したり、レクリエーションのボールを大きなものにして、参加できる利用者の幅を拡げています。また、利用者の意向を取り入れた自助具を用意したり、利用者の意見を取り入れて「作業中の私語禁止」「利用者同士のものの貸し借りの禁止」などの職場のルールを作り、働く環境を改善しています。プログラム活動の内容を決める場合には、少人数の利用者ごとに聞き取り、様々な特性や人間関係の不安等を抱えている利用者の声をできるだけ反映できるように配慮しています。
利用者が快適に過ごすことができる室内環境の整備に努めています
作業室や廊下は採光もよく、明るく開放感のあるスペースとなっています。日々の清掃は利用者が作業の一環として行っており、男女別のトイレや廊下なども清潔に保たれています。作業前には各利用者が作業室の掃除を行い、整理整頓も心掛けているようです。更衣室には施錠できる個人用ロッカーがあり、休憩室にはポットや電子レンジ、テレビを設置して利用者同士でくつろぐことができます。また、夏季には作業中の高温に対応するためにサーキュレーターや冷風扇を使用したり、冬季には加湿空気清浄機を使用して適切な室内環境に努めています。
3.利用者が健康を維持できるよう支援を行っている
- 利用者の健康状態に注意するとともに、利用者の相談に応じている
- 健康状態についての情報を、必要に応じて家族や医療機関等から得ている
- 通院、服薬、バランスの良い食事の摂取等についての助言や支援を行っている
- 利用者の体調変化(発作等の急変を含む)に速やかに対応できる体制を整えている
- 【利用者の薬を預ることのある事業所のみ】
服薬の誤りがないようチェック体制を整えている
【講評】
利用者の健康に関する基本情報を把握して体調変化を確認しています
事業所の利用開始の際には「フェイスシート」で身体状況や健康状態、服薬状況、アレルギー情報など利用者の健康に関する基本情報を把握しています。年1回の区民健康診査は事業所の職員が伴って地域の区民健康センターで受診しています。また、年1回の歯科検診も事業所内で実施しています。月1回内科医と精神科医による健康相談を実施しています。この内容は内科健康相談報告書に記載し、職員間で情報を共有しています。また、月1回の身体測定では体重や血圧の変化を記録して健康の保持につなげています。
必要に応じて家族等や医療機関等と連携を図り、利用者の健康管理を支援しています
利用者の了解を得たうえで、家族等やグルーホーム、福祉事務所の職員などより利用者の健康状態や必要な対応について情報を得て、支援につなげることもあります。利用者の通院時に同行者がおらず正確に症状を伝えられない場合には、担当職員が通院同行して適切な治療や対応が図られるように支援しています。また、正確に服薬することが難しい利用者については、服薬がしやすいように複数の薬を服薬時間ごとに一包化してもらえるように調剤薬局へ依頼する支援をしています。
利用者が自分の健康管理に関心を持つことができるように働きかけています
利用者の状況に応じて運動記録表の記録をしています。運動記録表は、利用者自らが健康管理に関心が持てるように毎日の運動内容や毎食のメニュー、睡眠時間、振り返りの一言、職員からのコメントを継続して記載し、自分の食生活や健康管理を確認して意識を高めています。また、朝礼のミーティングや作業の合間などに、季節に応じた健康情報を提供しています。熱中症対策ではこまめな水分補給の呼びかけをしたり、手洗いの励行によるインフルエンザ予防やノロウィルスにおける汚物処理キッドの紹介などを通して、感染症や病気への意識を高めています。
4.利用者の意向を尊重しつつ、個別状況に応じて家族等と協力して利用者の支援を行っている
- 家族等との協力については、利用者本人の意向を尊重した対応をしている
- 必要に応じて、利用者の日常の様子や施設の現況等を、家族等に知らせている
- 必要に応じて家族等から利用者・家族についての情報を得て、利用者への支援に活かしている
【講評】
家族等と利用者の意向を尊重しながら必要な連携を図っています
家族等と事業所との連携については、基本的に利用者の意向を尊重しています。日常的なやり取りや家族等への連絡は本人を通して行うことを基本とし、意思の疎通が難しい場合や家庭での様子を確認する必要がある場合にのみ、利用者の同意を得たうえで家族等に連絡を取っています。また、利用者の心身の状況に応じて、家族等以外にもグループホームの職員や福祉事務所のケースワーカー等の関係機関の職員と連携を図り、利用者の生活支援や早期の受診につなげて利用者の暮らしを支えています。
利用者への支援や事業所の取り組みについて家族等にお伝えしています
個別支援計画を作成する際の面談では必要に応じて家族等にも同席して頂き、利用者への支援に理解と協力を得られるように努めています。定期広報誌「わーくす ここ・からだより」には、外部講師を招いたマナー講座の様子、小旅行やクリスマス会等の行事の様子などを写真入りで掲載して、利用者の日々の姿を利用者及び家族等にわかりやすくお伝えしています。また、身体測定や内科健康相談、外出訓練やクラブ活動の日程などは毎月の予定としてホームページ内のカレンダーで確認することができます。
5.利用者が地域社会の一員として生活するための支援を行っている
- 利用者が地域の情報を得られるよう支援を行っている
- 利用者が地域の資源を利用し、多様な社会参加ができるよう支援を行っている
【講評】
地域での生活に必要な情報を具体的に紹介しています
事業所は、様々な福祉関係機関が入る複合施設の一つとして位置しており、多くの地域住民が利用しています。そのため、1階入口には、様々な機関の講座や行事の案内、機関誌など豊富な情報紙を手にすることができます。事業所の廊下の掲示板には、利用者向けの関係機関の情報を掲示しています。また、毎朝のミーティングで利用者向けの講座や講演会(例:余暇の過ごし方をテーマにしたもの)、地域のお祭り(例:防災祭での福祉避難所体験コーナー)や作業所関連のバザー等の紹介をして、利用者が必要な情報を得ることができるように配慮しています。
多彩な社会資源の活用を通して積極的な社会参加の幅を拡げています
就労支援プログラムの一環として実施した公共交通機関の利用では、車いすでの乗車方法や手続きを体験しています。また、外部講師によるマナー訓練では身だしなみや時間を守ることの大切さ、相手に伝わる話し方など社会参加に必要な能力を身に着けています。地域の図書館の利用では、図書館に来ている人に迷惑にならないような振る舞いや不審に思われる行動を控えることを、実際の体験を通して学び、社会経験を拡げています。また、レクリエーションや料理講座を通して地域のスーパーマーケット等の社会資源の活用を身に着けています。
「ここ・からまつり」や自主製品販売を通して社会参加を進めています
毎年実施している事業所のお祭り「ここ・からまつり」には、関係機関の方々や、地域住民など多くの方が来訪して大変な賑わいを見せているようです。平成30年度の「ここ・からまつり」には3000人を超える人が訪れており、利用者は自主製品やフランクフルトの販売や接客を通して地域の方々と交流を図り、事業所の取り組みを知ってもらう機会ともなっています。また、他事業所と実施している共同バザールや地域センターなどのお祭りでも、自主製品の販売に利用者が参加して、地域で暮らす一員として社会参加を図っています。
10.【就労移行支援】就労に向けて、必要な知識の習得や能力向上のための訓練等の支援を行っている
- 利用者が働く意欲を持てるような取り組みを行っている
- サービス期間内に就労に結びつくことができるよう工夫している
- 生活リズムや社会人としてのマナーの習得等の就労に向けた支援を行っている
- 就労に向けた職場見学や実習等、実際に職場にふれる機会をとりいれた支援を行っている
- 就労支援機関と密接な連携をとり、利用者が力を発揮できる就労先に結びつくよう支援を行っている
- 就労後も利用者一人ひとりに応じて職場定着等の支援を行っている
【講評】
就労関係プログラムを通して働くための意欲を引き出しています
働く意欲を引き出す取り組みとして週1回「就労関係プログラム」を実施しています。マナー講座や料理講座、公共交通機関を使った外出訓練、レクリエーションなど仕事や自立した生活に必要なことを身に着けています。また年2回外部講師による利用者向け研修会を開催しており、職場で人間関係を良好に保つための知識を身に着けています。毎月1回外部講師による運動プログラムを実施して運動習慣や正しい生活リズムについて学んでいます。これらの多彩なプログラムを通して、社会人として意欲的に働くことができるように多面的な支援をしています。
職場見学や関係機関との連携を図り、就労に結びつける働きかけをしています
就労に向けて、利用者一人ひとりの状況や目標に応じて職場見学や職場実習を実施しています。就職を希望する利用者には、実際の職場を見ることで働く自分の姿をイメージすることができ、漠然とした就職希望や作業への取り組みをするのではなく、より実際的な目標や課題を意識することができるようです。また、事業所と同じ建物には法人内の障害者等就労支援事業やIT就労訓練事業など総合的な就労支援を行う機関があり、就職前の利用登録や利用者の個別の状況を踏まえた緊密な連携を図ることができています。
安心して働き続けることができるように職場定着に力を入れています
平成30年度は2名が就職しており、就職後も職員による定期的な職場訪問や、本人との連絡を取りながら定着支援をしています。「卒業生の集い」では、年数回卒業生と職員が交流を図りながら近況の報告をしたり、仲間同士で仕事の苦労や悩みを分かち合う機会となっています。休日には鍋パーティや茶話会、エクササイズ、果物狩りやボウリングなどの楽しい企画で、卒業生が余暇を楽しみながら働くことができるように支援しています。卒業生は時折、職員の顔を見に事業所に立ち寄ることもあり、ゆるやかなつながりを保ちながら職場定着を図っています。
12.【就労継続支援B型】就労の機会の提供や、知識の習得及び能力向上のための支援を行っている
- 自発的に働きたいと思えるような取り組みを行っている
- 働くうえで、利用者一人ひとりが十分に力を発揮できるよう支援を行っている
- 工賃等のしくみについて、利用者に公表し、わかりやすく説明している
- 受注先の開拓等を行い、安定した作業の機会を確保できるよう工夫している
- 商品開発、販路拡大、設備投資等、工賃アップの取り組みを行っている
【講評】
利用者一人ひとりの特性等に配慮して、作業の達成感を得られるように配慮しています
清掃作業や封入や印刷、部品組み立てなどの軽作業、自主製品づくりとその販売など様々な作業があり、利用者の状況や特性に応じて取り組めるように工夫しています。例えば、継続した作業が難しい利用者には短時間で作業工程を変えて、メリハリのある取り組みとしています。また、部品組み立てでは必要な自助具を個別に作成したり、表やシールで作業の進捗を実感できるようにするなど、利用者一人ひとりが達成感を感じられるように支援をしています。利用者調査でも、「作業環境など、やり易い形に改善してくれている」という意見がありました。
利用者の理解度に配慮して工賃支払いの仕組みを説明しています
工賃等の仕組みは年度初めの契約時に利用者一人ひとりに詳しく説明しています。その際には、サービス管理責任者又は施設長が担当職員と同席して、工賃評価の理由やどのように取り組めば評価が上がるかを、利用者の理解度に応じてわかりやすく説明しています。例えば、具体的に欲しい物の値段と工賃をリンクさせて「この評価が上がればもう一つ多く買うことができるよ」などの説明で工賃への関心を高めています。また、毎月の給料日には明細を同封するなど、わかりやすい工賃支払いの仕組み作りに努めています。
安定した受注の確保のために設備投資や納期を厳守する工夫をしています
安定した受注作業の機会を確保する為に、事業所が入居する建物の日常清掃業務を受託しています。また平成31年度に、東京都印刷物使用資材リサイクル適正がAランクの新しい印刷機や製本機の導入を予定しています。環境基準をクリアした設備投資を行う事で、特に官公庁等からの印刷や製本の受注確保を目指しています。受注した作業内容や期日により取り組むメンバーを選定し、納期が迫っている場合には各々得意な工程に携わったり、比較的余裕のある場合には新しい工程にチャレンジして、納品期日を遵守しながら利用者の取り組みの幅を拡げています。
【講評】
個人情報保護規程に基づいて利用者のプライバシーを守るように努めています
法人が規定する個人情報保護規程に基づき、利用者及び家族等の同意を得て個人情報の取扱いをしています。また、利用者の私物については鍵付きロッカーを貸与したり、毎月の工賃明細は封書に入れるなど、利用者のプライバシーに配慮しています。身体測定は基本的に同性職員が実施しています。また入浴や洗髪、更衣の働きかけなど清潔保持に関する指導についても利用者の羞恥心に配慮して同性職員から助言するように配慮しています。男女別の更衣室、誰でもトイレやシャワーなどを設置しており、プライバシーを保つことのできる環境となっています。
きめ細やかな対応で利用者の気持ちを聞き取りながら支援を進めています
事業所の行事等の参加については、利用者ごとに参加・不参加を用紙に記入して貰っています。また、外出訓練や料理講座、レクリエーション等の内容を決める際には、少人数ごとに職員が聞き取りを進めて、できるだけ多くの利用者の意見を把握するように努めています。日常支援の中で、気持ちが沈んでいるような時や仕事を休みたいという訴えがある場合には、適宜声をかけて面談の時間を設け、利用者の気持ちや意思を把握するように努めています。
利用者の価値観や特性に配慮しながら支援しています
利用開始時には、一人ひとりの障害や既往歴、特性と共にコミュニケーション方法や苦手なことについて把握しています。昼夜逆転等の生活リズムにおける課題を持つ利用者には、通所時間や利用の方法についても柔軟に対応しています。一方で、就職することを目指している利用者には、それまでの生活習慣やそれぞれの価値観や振る舞いが、就職後にはどのような点で課題となるのかを明らかにしています。利用者がマナー講座や外出等の社会経験を積み重ねながら、それまでの習慣や価値観と社会性との折り合いがつけられるように支援しています。
1.利用者のプライバシー保護を徹底している
- 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
- 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
- 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
- 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
- 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
利用者にも分かり易い手順書作りを実践しています
利用者の実施する清掃作業については、「清掃作業・当番等手順書」を備えて作業の標準化を図っています。この手順書は利用者が自分で活用して手順を理解することを念頭に作成されており、一目でわかりやすいものとなっています。手順書は1ページごとにビニールファイルに入っており、めくりやすく速やかに参照することができます。手順ごとに写真とルビ付きの分かりやすい文章で明示しており、利用者、職員ともに使い易い実践的なものとなっています。部品の組み立て等の軽作業については、その都度、受注先の仕様書に従い作業を行っています。
「清掃作業・当番等手順書」は利用者や作業の実情に応じて迅速な改訂に努めています
「清掃作業・当番等手順書」には改訂日を明記しており、少なくとも年1回は改訂されています。さらに、清掃作業に携わる利用者が交代したり支援の量や方法に変更がある場合には、作業工程も見直して利用者の能力が無理なく発揮できるように努めています。その際には、毎月の支援会議等で協議の上、手順書についても都度改訂しています。
職員の業務に関するマニュアルを実践的な内容に改訂することを期待します
利用者も使用する手順書は適宜改訂され、実践的なものとなっている一方で、感染症の予防や虐待防止等、職員の業務に関するマニュアルはほとんど活用されていないとのことです。職員の定着率も高く、研修への参加や専門資格取得への意識の高い職員が多いことから、各職員が既に身に着けている事を標準的な手順として捉えているようです。今後入職する新入職員に対して、事業所として取り決めた支援内容を正しく指導するためにも、イラストや写真を多用した読み易いマニュアルに編集し直し、活用することを期待します。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうかを定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている
事業者のコメント
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評価情報
【評価実施期間】
2018年11月1日~2019年3月14日
評価結果のダウンロード
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【講評】
事業所の「運営方針」を明示し、周知しています
事業所の「運営方針」(利用者の心身の状況を的確に把握し、質の高いサービスの提供を心がけます)(地域交流やボランティアの育成に積極的に取り組み、 地域社会に根差した活動を行います)等、事業所として大切にしていることを、事業所のホームページに明示しています。職員に対しては、この「運営方針」の他に、第2次経営計画(2018~2020)、年度事業計画、人材育成計画などを、法人研修の場などで繰り返し説明しています。利用者には、毎月1回朝礼の場で所長が説明するほかに、モニタリング時にも説明して理解を求めています。
事業所の「運営方針」の定着に向けて、経営層がリーダーシップを発揮しています
経営層を含む、全ての職階の役割分担を「分掌表」にまとめて、年度初めの職員会議の場で説明して周知しています。所長は、法人の全ての幹部が参加して開催される「課長会議」の決定事項などを職員会議の場などで説明すると共に、日常的に作業の現場にも入って利用者とも関わりながら、職員の指導を行っています。現場では、職員と共に印刷機を操作したり、物品搬送のドライバーを務めたり、清掃も担当しながら現場での利用者や職員の意向を把握し、問題解決に努める等、事業所の課題を確認しながらリーダーシップを発揮して行動しています。
重要な案件は、決定手順に従って決定し、関係者に周知しています
事業所内で決定できない重要な案件(予算、人事等)を決定する手順は、「職員会議などで起案」→「所長が取り纏め」→「理事長が決定」としています。理事長が決定した案件は、事業所の合同会議(月初に職員全員が参加する会議)の場などで、所長が詳しく説明して周知しています。利用者に伝える必要のある案件に関しては、毎日の朝礼、終礼の場で所長が説明しています。今後は、定期的に「利用者懇談会」を開催するなどして、伝えるべき案件などをテーマに、利用者同士が意見を言い合える場を作りたいと考えており、実現が期待されます。