評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1)視覚障害者の職業を開発し、訓練と支援を行い社会参加の促進を図る。
2)利用者の意向を尊重し、多様な福祉サービスが総合的に提供されるよう創意工夫をする。
3)利用者の個人の尊厳を保持しつつ、自立した生活を地域社会において営むことが出来るよう支援する。
職員に求めている人材像や役割
視覚障害の利用者の意向を尊重し、多様な福祉サービスを総合的に提供できる人材とそれを担う役割
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
全国で数少ない視覚障害者の事務系就労を支える施設職員として、就労の場の提供と就労移行支援の取り組みへの使命感
全体の評価講評
特によいと思う点
厚生労働省による平成29年度平均工賃は、就労継続支援B型事業所の平均月額は1万5千円程度であるのにも拘わらず、当センターでは10万円の支給が維持されている。これはフルキー六点入力、フットスイッチ付きMP3音声ファイル再生システム等、類いまれな技術とそれを使いこなす利用者や指導する従業員の能力開発により、利用者への高い工賃支給を可能にしている訳であるが、高収益を可能にしているのが、視覚障害者の医用トランスクライバーという仕事に代表され、医療現場で意思が録音した診断内容を文字に起こしている仕事である。
就労継続支援B型では、センターへの通所10年を迎えるベテラン利用者もおり、多くの利用者が長い間当センターを利用されている。自ずと地域との交流も深まっており、顔馴染みの方たちも多くなっている。センターでは四谷消防署の指導のもと、災害時相互援助協定書が取り交わされ本塩町地域防災コミュニティ、四谷地区防災訓練、四谷本塩町防災訓練にもセンターから参加している。災害時相互援助協定は地方自治体の防災担当者にも注目されており、各地域の多くの自治体からの見学者も受入れている状況である。
事業所では、長年培ってきた視覚障害者の就労支援のノウハウを活かし、地域社会に向けて啓発活動や社会貢献を精力的に実施している。例えば、社会参加の促進を図るため、視覚障害者の職域拡大・雇用促進に関する講習会やロービジョン(低視覚)セミナー会を開催している。また、視覚障害者の接し方をまとめたガイドブック「盲人に接する人々のために」や福祉教育DVD「視覚障害者の職場復帰を目指して」を希望者に貸し出している。また、パソコン検定試験、秘書検定やビジネス電話実務検定試験等、実施と普及啓発に尽力を注いでいる。
さらなる改善が望まれる点
平成26年度に立てられた長期計画では10年後に建物の建て替えが予定されている。トイレのバリアフリーや防犯カメラの設置等が整備されたが、一部は老朽化してきておりトイレ等建物内の狭さ、通気性の指摘も出ている。建物建て替えのための資金の積み立て、現在使用されている建物の修繕計画や建て替え期間中センターをどこに置くか、利用者の訓練等検討すべき事項が山積みされているといえる。今年度で丁度折り返し点となり、後半5年間でどう実現化していくかを現状の整備計画と並行して5年先までの各単年度計画に落とし込まれることが望まれる。
工賃維持の取り組みを総合的に行った結果、月額平均10万円台の工賃(全国社会就労センター協議会の調査で全国平均を大きく上回っている)を確保をしているが、昨年度より、総受注額は減額し、利用者月額工賃(数千円程)も減額した。その原因は、大手の発注先が無くなったことも影響しているが、収録協力者や利用者の高齢化に伴う退所等が続いたり、職員アンケートからは職員の勤務体制のバラツキが指摘されている。今後は、さらなる職員のサポート体制の見直しに期待したい。
10月から始まった就労定着支援事業に関しては、事業所では、サービス管理責任者の配置基準に伴う事業定員変更の検討、就労定着支援員の配置準備、事業開始後の運営を段階的に進めてきている。制度の施行については、6ヶ月以降からの本格的な試験が始まり、具体的な対象者等の選定もこれからである。今後は、定着支援計画の作成や企業訪問や就労支援センターとの連携を通じて、利用者からの相談に応じながら徐々に連携機関へ移行したり、OB会の定期開催や学習成果発表会に招待する等、具体的な取り組みに期待したい。
事業者が特に力を入れている取り組み
平成30年4月1日、改正障害者総合支援法施行に伴い、当センターでは「就労定着支援」事業に取り掛かっている。視覚障害者向けの就労定着支援の実績は当センターが初めてといえる。昨年10月より就労移行支援部長と事務局長を中心に準備委員会で錬られ、今年度実施に踏み切ることが出来た。これを補足する上で、社会問題化された中央省庁の障害者水増し問題を受け独自の障害者試験に向けた受験対策も開催しており、就労定着支援とその他支援事業と連携させ自立した生活を地域社会において営むことが出来る支援を総合的に取り組んでいる。
長年の職能開発施設の実績やノウハウを活用し、就労支援にいかしている。特に、中途障害者からは、事務系職種への就労ができるように、OC事務の技術の他に、ビジネスマナー、秘書検定、電話検定等の資格取得のための学習支援を6ヶ月から1年の間に実施している。また、必要に応じて、職場見学や実習、企業説明会の開始し、来訪してもらう等を行って、実際に現場にふれる機会を提供している。また、ハローワーク、地域障害者就労支援センターや民間の人材紹介会社も活用する等、利用者が力を発揮でき、就労先に結びつくよう支援を行っている。
職員は、モニタリングを通じて、個々の利用者の特徴を把握し、OC委員会で表記方法や文字使いの統一を図ったり、作業の留意点を共有している。たとえば、最新のOSで作業変更に伴うマニュアル作りや、速記環境をさらに向上させるため、音声発生タイミング等の検証も行なったり、イコライザー(音域・音質調整機)の導入を図り、音域障害のある利用者の改善を図っている。目標工賃達成指導員を配し、商業地区を巡回し、販路拡大や設備投資に関わる関係作りを進めている。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:調査対象の利用者は、男性58名、女性44名、合計102名であり、平均年齢は46歳であった。平均利用期間7年であった。
- 調査方法:アンケート方式
郵送でのアンケート調査は、事業所から配付を行い、評価機関が直接回収したものと、郵送で当機関まで送ってもらった。3日間の聞き取り調査は、朝10時から昼食を挟んで、午後の16時まで実施した。また、施設見学や職員によるサービス提供の様子を観察した。 - 有効回答者数/利用者総数:71/102(回答率
69.6%
)
サービス毎の利用者総数
利用者総数 共通評価項目による
調査対象者数共通評価項目による
調査の有効回答者数利用者総数に対する
回答者割合就労移行支援 63人 63人 39人 61.9% 就労継続支援B型 39人 39人 32人 82.1%
登録利用者102名中71名から回答を得ることができた。満足度が高かった項目として、「利用者は困ったときに支援をうけているか」などがあげられる。総合的な満足度として、「大変満足」が17名、「満足」が37名、「どちらともいえない」が7名、「不満」が7名、「大変不満」が3名であった。肯定的な意見としては、「職員は親切で優しい方が多いです」「自分の生活を尊重してくれて、進むべき方向を理解してくれている」等のコメントがあがっている。 また、要望・改善としては「トイレの異臭を改善して欲しい」「学習室、ランチ室等の混乱を調整して欲しい」「コースの枠を超えた繋がりが欲しい」等があった。
アンケート結果
4~17は選択式の質問のため、該当項目のみ掲載しています。
1.利用者は困ったときに支援を受けているか
「はい」の回答が86%、「どちらともいえない」が8.4%、「いいえ」が5.6%であった。自由記述として、「困ったときに熱心に聞いてくれる」「相談にのって頂いて丁寧にやってもらっている」「体調不良になったときに、親身になって相談にのってもらった」等があった。
2.事業所の設備は安心して使えるか
「はい」の回答が63.4%、「どちらともいえない」が26.8%、「いいえ」が5.6%、「無回答、非該当」が4.2%であった。自由記述として、「今のところ安心に使っています」、また要望・改善として「パソコン自体を新しいものにしてほしい」「地下の階段、下りの間隔、段差、茶色が見ずらい」等があった。
3.利用者同士の交流など、仲間との関わりは楽しいか
「はい」の回答が69%、「どちらともいえない」が22.6%、「いいえ」が4.2%、「無回答、非該当」が4.2%であった。自由記述として「教室の仲間と交流ができ参考になる」「昼休みは仲間と穏やかな時間を過ごしている」等があった。要望・改善としては、「コース外の人との交流」「しかたがないことだが世代の差が大きくて話があわないときがある」等があった。
11.【就労移行支援】
事業所での活動が就労に向けた知識の習得や能力の向上に役立っているか
「はい」の回答が89.7%、「どちらともいえない」が7.7%、「無回答、非該当」が2.6%であった。自由記述として「パソコン・ワード・エクセールの学習にとても役立っています」「業務に直接関係あることを教えてもらっている」「先生の豊富な知識で勉強になります」等があった。
12.【就労移行支援】
職場見学・職場実習等の、事業所外での体験は充実しているか
「はい」の回答が28.2%、「どちらともいえない」が41.0%、「いいえ」が5.1%、「無回答、非該当」が25.6%であった。 自由記述として「みんなで一緒に行ける行事があるので、とても楽しいです」「体験した人からの講義はとても勉強になります」等があった。
13.【就労移行支援】
工賃等の支払いのしくみは、わかりやすく説明されているか
「はい」の回答が41.0%、「どちらともいえない」が10.3%、「いいえ」が2.6%、「無回答、非該当」が46.2%であった。自由記述として「最初のオリエンテーションで仕組みや説明を受けている」「説明は受けているが就労ではない」等があった。
16.【就労継続支援B型】
事業所での活動が働くうえでの知識の習得や能力の向上に役立っているか
「はい」の回答が65.6%、「どちらともいえない」が15.6%、「いいえ」が6.2%、「無回答、非該当」の回答が12.5%であった。 自由記述として「とても役立っている」「仕事の内容はとても勉強になっている」等があった。
17.【就労継続支援B型】
工賃等の支払いのしくみは、わかりやすく説明されているか
「はい」の回答が40.6%、「どちらともいえない」が28.1%、「いいえ」が21.9%、「無回答、非該当」の回答が9.3%であった。 自由記述として「とてもわかりやすと思う」「職員の説明は分かりやすいと思います」等があった。要望としては、「データで渡されるが、必要があればもっと面談や説明が欲しい」等があった。
18.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか
「はい」の回答が60.6%、「どちらともいえない」が21.1%、「いいえ」が11.3%、「無回答、非該当」が7%であった。自由記述として、「古くて狭いですが使いやすいです」「触る部分は清潔」「備品も整っている方だと思います」等があった。要望・改善としては、「エアコンやトイレの異臭」等があった。
19.職員の接遇・態度は適切か
「はい」の回答が78.9%、「どちらともいえない」が14.1%、「いいえ」が2.8%、「無回答、非該当」の回答が4.2%であった。自由記述として、「丁寧な言葉づかい」「バックアップというか、とても丁寧にしてもらっている」等があった。
20.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
「はい」の回答が83.1%、「どちらともいえない」が9.9%、「無回答、非該当」が7%であった。自由記述として、「私が入院した時や家族が倒れたときに優しくしていただいた」「かつて体調をくずしたときに速やかに対応して頂けたので非常にありがたい」「常に私の体調に対して声をかけてくれます」等があった。
21.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
「はい」の回答が50.7%、「どちらともいえない」が9.9%、「いいえ」が5.6%、「無回答、非該当」が33.8%であった。自由記述として、「そのような状態にはなっておりませんが、対応して頂けると思います」「諍いの無い環境整備をしています」「そのような場面に遭遇していないので、不明です」等があった。
22.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか
「はい」の回答が81.7%、「どちらともいえない」が9.9%、「いいえ」が5.6%、「無回答、非該当」が2.8%であった。自由記述として、「いろいろな教材を使い、僕にあった方法や自分のペースで教えてくれる」「利用者の気持ちに寄り添った対応です」「気遣いしてもらっていることは感じます」等があった。
23.利用者のプライバシーは守られているか
「はい」の回答が80.3%、「どちらともいえない」が14.1%、「いいえ」が2.8%、「無回答、非該当」が2.8%であった。自由記述として、「よくもわるくも守られていると思う」「面談などは、個室でおこなっていますので、心配ありません」「侵害されたことはない」等があった。
24.個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか
「はい」の回答が64.8%、「どちらともいえない」が18.3%、「いいえ」が12.7%、「無回答、非該当」が4.2%であった。自由記述として「計画的に進めてくれる」「思いを尊重してくる」等があった。また、「計画作成、見直し」「面談」をもっとして欲しい等があった。
25.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
「はい」の回答が63.4%、「どちらともいえない」が15.5%、「いいえ」が5.6%、「無回答、非該当」が15.5%であった。自由記述として「計画的にしてくる」「思いを尊重してくれる」等があった。要望としては、「口頭および書面でわかりやすく説明されていると思います」「手続きをしっかりやってもらっているので、契約内容に反映されています。とてもわかり易いです」等があった。
26.利用者の不満や要望は対応されているか
「はい」の回答が63.4%、「どちらともいえない」が21.1%、「いいえ」が8.5%、「無回答、非該当」が7%であった。 自由記述として、「勉強が遅れた時に時間を取ってくれ、つきっきりで対応してくれた」「話をちゃんと聞いてくれる」等があった。
27.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
「はい」の回答が6.9%、「どちらともいえない」が15.5%、「いいえ」が7%、「無回答、非該当」が8.5%であった。 自由記述として「何回か説明があった」等があった。
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
環境変化に対応すべく各協議会に参加し、情報収集をもとに内部への浸透に努めている
福祉事業を取り巻く環境変化に対して、事業所の方向性を見失わないためにも加盟している各団体からの情報収集を行っている。現在、日本盲人社会福祉施設協議会、全国就労支援センター協議会、全国就労移行事務所連絡協議会に参加しており、各団体より入手した情報から当事業所に来所して来られる利用者の方々に、どのようにしたらより高いサービスが提供できるかが検討される。そのため、各支援会議が定期的に行われ、、環境変化に適応した質の高いより良いサービスの提供が出来るかが、集約されている。
平成26年度に立てられた長期計画に基づき、単年度計画に沿って実行されている
平成26年度に10年計画として、長期計画が立てられた。それを実現するために単年度計画に落とし込まれ、現在、実施中である。当事業所は、長期視点に立ち日本盲人職能開発センターの将来計画を作成することで、基本理念を実施することを目的とする、と宣言している。現在、施設計画、建物・設備計画、職員育成、就労継続支援B型、就労移行支援、事務処理計画、資金計画とも各々第四段階中、第二段階及び第三段階迄に至っている状況となっている。前半の折り返し点を迎え、事業所を取り巻く環境変化を踏まえた計画が真剣に検討されている。
計画を着実に可能にするため部門別の経営指標を支援会議、幹部会議で周知を図っている
長期計画に沿って、事業所は単年度計画が立てられ定期的に進捗状況がチェックされている。進捗状況を確認する上で中心的な役割を果たすのが幹部会議であり、全体会議と言える。計画が着実に実施されているかを評価していく指標となるのは月別利用者数、受注件数をどう見ていくかの分析ともいえる。現場から上がってきた状況をこれらの会議で検討されるが、全体的に捉えると評議会からの意向を実現化するために、執行機関としての理事会が事業所全体の動きを把握していく構造となって、着実な計画の実現に向けた働きかけがなされている。
1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
- 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
- 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
- 事業所の経営状況を把握・検討している
- 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
- 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
- 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
- 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
利用者の個人の尊厳を保持、と基本理念に唱っている通り職員一同周知を図っている
基本理念の第3項に、「利用者の個人の尊厳を保持しつつ、自立した生活を社会において営むことができるよう支援します。」と、明記されている。この基本理念実現のために、守るべき法・規範・倫理を周知徹底すべく全体会議の中で、必要に応じてお互いに再確認するようにしている。これの裏付けとなる物として、「利用者の権利擁護規定」、「職員倫理規程」、「行動指針」、「虐待防止対応規定」等に掲げられているものであり、職員はこれらの規定を漏れなく遵守することが求められている。
利用者間で作られている自治会「ひまわり会」からの意見を聞く機会が設けられている
当事業所の就労継続支援B型で来所される利用者にはかなり古くから来られている方が多い。そのことから、来所される利用者たちで作られた「ひまわり会」という名の利用者自治会がある。運営に関しては自治会の「ひまわり会」が全て行っており、事業所としては関与していない。毎週月曜日には利用者の朝礼が行われており、施設側からは施設長も出席しセンターからの要望を伝えたり利用者側からの要望も出されることも多い。このように、利用者の意見を聞くための門戸が常に開かれ事業所・利用者間の風通しが良くされていると言えよう。
地域の要望に応えるための福祉の専門知識を活かした講演にも出かけている
都社協社会福祉法人協議会、新宿区主催の社会福祉法人協議会、地域連絡会等に加盟し、地域での事業所を目指して緊密な連携が取られている。福祉の専門家としての社会貢献として地域の方からの要望に応え、講演に出掛ける機会が多い。近くの寿会館、児童会館、四ツ谷中学からのお誘いでの講演実績も着実に増えている。その他、八王子盲学校での「視覚障害者の社会参加、社会的自立について」の話をしたり、多くの福祉関係の団体等が見学に来られており、福祉に関することを知ってもらうための努力が行われている。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
- 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
- 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
- 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
- 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
- ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
- 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
- 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
利用者も参画する安全対策委員会で想定されるリスクに対して検討が重ねられている
利用者代表と職員から構成される安全対策委員会が設けられ、想定されるリスクをどう防いでいくかが検討されている。利用者にとっては移動に関して、どう正しく伝え安全に歩くかが問題となる。対策としての一例を挙げると、都・区への申請、或いは私道であれば所有者への働きかけによる点字ブロックの設置や警察へ申請して横断歩道での音声信号の取り付け等のハード面の実績を持つ。ソフト面では、単独歩行が出来るために自立訓練を専門に行っている施設を紹介したり、利用者の方たちが安全に移動できることを最優先に取り組んでいる。
外部環境による影響が強いものの、安全に来所することを可能となる事が望まれる
現在、四ツ谷駅からセンターに至る道のりは都市再開発の工事が行われている。工事現場の脇を通って急階段を降りて玄関に至るのが一般となっている。利用者からの声にもあるが、急階段を降りて玄関に至る移動が危険と指摘している。土地所有の管轄違いや私有地前を通ることで、安全に歩行するための改良工事が大変難しいことも事実である。定期的に来所される利用者にとって避けて通れないコースでもあり、いかに安全に移動できるかを今後の課題として都・区・民間との信頼関係のもとに細目に検討していくことが望まれる。
内部・外部から得られた情報は情報管理者を特定し整理、保管等が厳重に行われている
当センターに来所される利用者数も増加しており、都内のみならず関東地区やその周辺からも来所されている。多くの個人情報、外部情報も膨大となっており、情報管理者を特定し責任を持って整理、保管し共有ホルダーを作成の上データ管理がなされている。特に個人情報保護が叫ばれている今日、当センターでは個人情報管理規定が策定され、センターが保有する個人情報の適正な取り扱いに関して必要な事項を定めることにより「個人情報の保護に関する法律」及び他の関連法令等を遵守、と冒頭の目的に明記し、法令順守に努めている。
1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
- 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
- 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
- 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
- リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
- 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
- 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
- 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
- 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
- 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
専門知識を深めると同時に幅広い知見を養い支援活動が出来る計画が立てられている
当センターは視覚支援の専門者を採用するといった高度な知識を持つ職員を期待している。そのため、研修計画も職員を階層別に何を求めるかが具体的に決められている。平成30年度研修計画にあっては、新任職員には直属上司による研修プログラム及びOJT、中堅職員には日本盲人職能開発センター主催の「視覚障害・就労支援講習会(応用編)」への参加といったように、具体的に記載され実施に移されている。階層別では、その他、管理職員、管理者向けに何をセンターとして求めているかが分かるような体制が組まれている。
資格取得に対する補助等積極的にチャレンジできる環境下にある
職員アンケートの中で、事業所の特に良いと思う点の中に、「資格取得に対して補助があるなど、積極的にチャレンジできる環境がある」と述べられている。当センターとして、「職員の自主研修の参加承認及び助成に関する規定」が設けられており、業務に支障を来すことのないよう職員間で業務のペア制度がある。どちらか一人が欠けても、もう一人の職員が遂行できる仕組みが組まれ、研修のために職場を離れることがあっても問題が生じないように対応されている。資格取得が職員の能力向上と共に、更に飛躍するための意識の原動力ともなっている。
一人の職員に業務が集中することなく、均一化し偏りのない体制への取組みが望まれる
今年度、新たにOA実務課、ビジネスワーク課の責任者として主任から課長への抜擢があった。幹部会議にも出席し始め、従来の受け身的立場から取り組み姿勢にも変化が見られる良好な面も出てきている。ただ、職員アンケートでは、一人の職員に負担が集中する、職員の業務量のバラツキもあるといった声もある。これを解消する一つとして、業務を正・副のペアで行うチーム編成に取り組んでいる。専門化集団の性格上、業務の集中化も否めないものの、チームとしての業務を遂行し均一性のとれた体制へ向かうことが望まれる。
1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
- 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
- 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
- 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
- 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
- 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
- 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
- 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
- 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
平成30年4月1日に、福祉を巡る改正障害者総合支援法が施行されることとなった。この内、当センターが関与してくるものとして「就労定着支援」事業が挙げられる。利用者にとって、仕事を継続していく上でシステム等の使い方が変わっていき対応することの困難さがでてくるといった現象が起こってくる。定着支援を目標に現在、都内に勤務する6名の利用者が対象となり、利用者の勤務先に月1回出向き面談、支援を1時間程行っている。4月から始められず10月から開始されたのは、視覚障害者向けの「就労定着支援」事業は東京ワークショップが初めてであり、先行している他事業分野の進め方、運営規定、利用契約書等を半年間かけて運営実態の調査を重ねた上で東京都に申請したことによる。調査も神奈川で2ヶ所、大阪で1ヶ所の計3ヶ所を綿密な調査を行い、当センターでの方向性を固めて、支援活動がようやくスタートすることが出来、今年度の目標に掲げた計画が実現に向けてここにようやく動き始めたところである。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
「就労定着支援事業」を今年度着実に実行していくため、前年の平成29年10月より就労移行支援部長と事務局長を中心に準備委員会が立ち上げられた。準備委員会によって新規事業プロジェクト開始までの間、種々検討が重ねられてきた。その結果、日本盲人職能開発センター平成30年度事業計画に「就労支援事業の開始」という項に計画内容を盛り込むことが出来た。そこには、”一般就労に移行した障害者の就労に伴う生活上の支援ニーズに対応し、事業所及び家族との連携調整との支援を行う”と目標がはっきりと掲げられ、具体的にどう進めていくかを、次の通り宣言されている。”10月の事業開始に向けて、サービス管理責任者の配置基準に伴う就労継続支援B型事業及び就労移行支援事業の定員変更の検討、就労定着支援員の配置等の準備を行い、事業開始の運営を出来る限り早く軌道に乗せる。”とした。当年度事業所全体として、この新規事業の立ち上げに当っての方向性を明らかにし10月の実施に至った努力がここに証明されているといえる。そのうえ、既に31年度として就労移行支援から就労定着支援へと結び付けた活動へと検討が始められている状況にある。
2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
周辺地域では商業、住宅、教育、公益施設の再開発事業が進むなか、事業所においても資産価値を維持し、利用者の高齢化や設備の老朽化に対応し快適な住居環境を確保するために、適時・適切な修繕工事を行うことが求められる。事業所では、平成28年センター周辺の舗装と新たな点字ブロック敷設、利用者のパソコンの更新等、施設の安全面や作業環境の改善に努めた。さらに、平成29年度は1階トイレのバリアフリー化、防犯カメラの設置等を実施し、引き続き施設の安全面や利用者の作業環境の改善に取り組んでいる。また、建物および施設の性能の向上を図る改善工事を行うことが望まれるため、大規模修繕(建て替え)に関する時期や資金等を長期計画(第一段階から第四段階)で明らかにし、現在の進捗状況の確認や計画修繕工事のための修繕積立金の額の根拠を明確にしている。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
建物が37年経過し、旧建築基準での施工のため、建て替えを計画しているが、その資金準備を確実に実施している。目標達成の度合いについては、利用者の利用率を高めるための障害者福祉サービスの充実に努めた結果、事業収入が当初予算より増額となった。また、今年度の目標設定や取り組みに反映させた点として、事業収入の増加に伴い、当初予算より多い、額を積み立てることができたことや、平成29年度の実績に基づいて、平成30年度も建物改築工事費を計上した。工事に関する長期計画について、あらかじめ周囲と合意しておくことで計画修繕工事の円滑な実施を図っている。また、修繕積立金は、作成時点において、計画期間に積み立てる修繕積立金の額を均等にしておらず、計画の見直しにより、例えば、経年による建物各部位の痛みの問題、視覚障害者による生活水準に対応できる住居の機能改善の課題、利用者の高齢化とバリアフリー化への対応等を十分に検討し、計画期間の推定修繕工事費の累計額の増加に伴って必要とする修繕積立金の額が増加した場合にも備えている。
サービス分析結果
【講評】
利用希望者が手に入れやすい媒体で事業所の情報を提供している
ホームページは、東京ワークショップ・職能開発訓練の概要や継続・移行・定着支援等の紹介、就労先や資格実績等説明が掲載され、各種講座やセミナーの開催案内を随時アップしている。年1回は発行され、約3,000部送付される「センターだより」は、新体系サービス事業への移行、新制度設計のもと支援体制を紹介したり、就職レポートと称して就労支援の声を掲載し、利用者にホットな話題を伝えている。また、広範囲な情報提供を実施するためにホームページの「おしらせ」欄を設置したり、制度変更に伴う障害者サービスの変更等、説明を行っている。
障害者の特性を活かし、提供する情報の表記や内容を工夫している
「センターだより」の紹介したい箇所の文字を抜き出し、データにして、CD、フロッピー、USBメモリー、メール等で渡している。図やグラフ等、イメージしにくい部分は、触ってわかるように立体コピー機を使っている。また、文字が多い場合は、拡大文字にして、資料を配布したり、ホームページやワードの文章等は、音声ソフトで読みあげられるようになっている。施設内の設備に関しても、入口の館内案内はパネルを掲示したり、自動販売機のメニュー表示をする際には点字を使ったり、地下のトイレには、トイレマークを貼り付けわかるようにしている。
問い合わせ・見学の要望等は、希望利用者の個別状況に合わせ対応している
当事者や視覚障害関係者、ハローワークからの問い合わせや相談が約600件以上届いている。また、現在利用している機関や機器等の情報をインテークすると共に、本人の特徴を記録し、場合によっては他の機関も紹介している。見学では、なるべく授業風景や作業のようすを見てもらうように午前(10時~12時)、午後(13時~15時)の活動時に合わせて来てもらっている。日中来られない場合は、夕方に来てもらい説明をする等、利用者の都合に合わせ、面談に約1時間30分程度対応するなど十分な時間を取っている。
1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
- 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
- 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
サービス開始前には、利用者の支援に対する要望を把握し、同意を得ている
入所前に面談を行い、集めた相談記録を基に、利用希望者がスキル、コース選択に関する意向を把握するよう努めている。特に、就労支援B型は、利用者の入れ替わりが少ないので、利用待ちとなる場合がある。その場合、PC基礎コースや速記コーナ等、比較的入りやすいコースで最初は学習し、徐々に環境になれたり、条件が整ってきた際に、次のコースを促している。サービス管理責任者は、契約書、重要事項説明書、サービス利用説明書および工賃の説明等、十分な説明と同意を得て、必要な場合は全文の文章を読みあげ説明している。
開始直後には、利用者の不安やストレスの緩和に努めている
サービス開始時は、どこに何があるか把握するのに時間かかるので、初日のオリエンテーションで、教室、トイレ、食事をする場所、非常口、自動販売機、傘立て等、一緒にあるきながら説明をする。また、何かある場合は、とにかく声掛けをしてようすを伺うようにしている。他の利用者となかなか話せない、関われない場合には、職員が共同作業の仲介に入ったり、グループワーク等の参加を呼びかけ話せる環境を設けている。PCの操作に関して不安になっている場合は、職員が個別で音声機能や指の使い方等を細かく支援するように努めている。
事業所では、利用者の就労が定着できるよう支援を行っている
就労が決まった利用者は、就労初日の出勤日に支援者が同行して、不安解消に努めている。また、就労場所での環境の変化に慣れない場合には、定期的に電話で連絡をとったり、職員が就労先の職場へ訪問したりしている。利用者が心身に受ける影響を緩和するために、状況を記録にまとめ、一人ひとりの課題や不安に対して支援員間で共有し、利用者が新たな環境になじめるよう支援をしている。また、職員はボランティアとして、就労前から会社やハローワークと連携をして、利用者が円滑に作業に取り組めるように配慮している。
1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
- サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
- サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
- サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
- サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
アセスメントにて利用者の意向を把握し、支援計画に結びつけている
就労移行支援のアセスメントシート表は、大きく3つの領域から成り立っており、①健康・身体に関する領域(5項目)、②社会生活技能に関する領域(8項目)、③就労に関する領域(6項目)、さらにそれを踏まえ、「状況」「利用者の希望・思い・困っていること」「気になること・気づいたこと支援の必要性」の欄に記入することができる。支援会議では、アセスメントで得た状況を支援会議にて整理し、課題やニーズを抽出し、どのような支援に結びつけることができるかを検討している。
利用者の希望や意向を取り入れた支援計画とモニタリングを実施している
利用者の支援は、「パソコン技術に関する支援計画」「就労移行に関する支援計画」による課題分析をもとに、支援目標(長期・短期)を作成し、サービス管理責任者が利用者一人ひとりと面談を繰り返し、策定している。モニタリングは、就労移行支援は3か月、就労継続支援B型では6か月ごとを目途に、本人と面談をして、要望や問題を確認して見直しを図っている。個々の能力が向上した場合や希望コースが変わった場合等、状況が変化した場合は、支援会議を開催し、作業支援モニタリング表や支援記録を踏まえきめ細かく対応されている。
支援会議、ネットワーク上の共有フォルダを用いて、職員間で情報を共有している
利用者一人ひとりの情報は、個別支援計画やアセスメント、モニタリング、訓練記録を施設内のパソコンネットワーク上の共有フォルダに記録している。利用者に関する職員間の共有として、9時30分からその日の連絡を朝にしていることや終了時間にその日の申し送りを実施している。また、状況や意向、希望が変わる場合、月1回定例として支援会議を開催し、書類を共有フォルダに入れ、各担当2名1組による職員のバックアップ体制を採ることで、スムーズな対応が取られる。
1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
- 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の支援計画を作成している
- 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
- 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
- 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
- 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.個別の支援計画等に基づいて、利用者の望む自立した生活を送れるよう支援を行っている
- 個別の支援計画に基づいて支援を行っている
- 利用者一人ひとりに合わせて、コミュニケーションのとり方を工夫している
- 自立した生活を送るために、利用者一人ひとりが必要とする情報を、提供している
- 周囲の人との関係づくりについての支援を行っている
【講評】
技術・やる気向上を促す支援計画を作成している
事業所では、利用者一人ひとりにパソコン対応や就労能力向上のための目標を明らかにし、それを実践する上で必要な取り組みの方法や必要な達成基準等を担当支援員と打ち合わせをしている。また、利用者のやる気向上が実現できるよう、定期的なモニタリングでセルフチェックや添削を行い、達成状況を再確認している。利用者は文章作成やデータ活用等が就労するうえで役立つ技術であったり、ミスが無いテープ起こしが出来ることで工賃アップを目指すことができることを再認識して、自分の持つ力を最大限に発揮できるよう努めている。
利用者一人ひとりに合わせたコミュニケーションの方法を模索している
個々の利用者によっては、視覚や聴覚の程度が異なっていることから、その人の特徴に合わせたコミュニケーション方法を模索している。例えば、聴覚に障害がある場合、ヘッドホンを貸し出したり、マイクを使用したり、なるべく耳もとまで近づき説明するなど配慮をとっている。音域が異なってくる場合、イコライザーを使用している。視覚に障害がある場合、フロッピーディスク、USBで音声化、パソコンが見えにくくならないよう採光に注意したり、文字の拡大や白黒反転等、PC画面の調整を行い見えやすい環境を整えている。
さまざまな交流の機会を設け、お互いの相互理解に結び付けている
事業所では、作業に関わる利用者が対人関係に困らないよう、周知の人の関係づくりについての支援を行っている。例えば、新人職員が入って来た場合、席をベテラン職員の隣に設け、グループになってもらい、身近なことを教えてもらうようにしている。また、1ヶ月に一度「水曜サロン」が開催され、一般の視覚障害者や就労している人たちに参加してもらっている。交流の場としては、食堂や応用コースの部屋にカフェスペースがあり、簡単な調理器具も設置され、自由に会話をすることができる。その他、懇親会や歩行会等で交流を図っている。
2.利用者が主体性を持って、充実した時間を過ごせる場になるような取り組みを行っている
- 利用者一人ひとりの意向をもとに、その人らしさが発揮できる場を用意している
- 事業所内のきまりごとについては、利用者等の意向を反映させて作成・見直しをしている
- 室内は、採光、換気、清潔性等に配慮して、過ごしやすい環境となるようにしている
- 【食事の提供を行っている事業所のみ】
利用者の希望を反映し、食事時間が楽しいひとときになるよう工夫している
【講評】
一人ひとりがその人らしさを発揮できる機会を作っている
事業所では、個々の利用者自身のスキルの学び方や作業方法等を利用者と相談しながら決定している。例えば、パソコンを使った仕事が主な業務になることから、就労移行支援では、タイピングやワード等の基礎学習をする基礎コースがあったり、専門的なソフトの使い方を学ぶ応用コース、さらにはフルキー六点漢字入力を用いた速記を学ぶ速記コース等が実施されている。また、就労継続支援B型では、「収録」「タイピング」「校正」等を構成し、音声を文字化する作業をソフトを使って、逐語記録や全音記録等、文章処理する技術を習得する場がある。
利用者の意向を反映させたルール作りを実践している
就労継続支援B型の「QC委員会」では、利用者の代表やその協力者が作業をする際の課題を発見し、特に、パソコンに関する仕事の効率化、マニアル改訂を進めている。また、利用者同士で結成されている自治組織「ひまわり会」では、主に冠婚葬祭や懇親会等の互助会としての機能の他に、利用者側の代表と、施設側が集まって会合を開き、話された議題から、利用者間の決まり事などが検討されている。毎週月曜日の朝の会には施設長が作業場所に出向き、日頃の様子を伺うとともに、利用者の意見や要望をたずね、また、施設内で守るべき事も伝えている。
使いやすい環境や食事時間が楽しくなる場の提供している
利用者が作業しやすいように作業場には遮光カーテンや加湿空気清浄機を設置している。極端にまぶしさを感じる一方光量が必要な利用者など個別の状況に応じて遮光眼鏡使用や黒白反転パソコン等で調整して作業効果をあげている。昼休みには、利用者同士で「ここ空いているよ」と声を掛け合ってお互いの席を譲りあっている。利用者アンケートでは、「一緒に食事をしたり、飲みにいったり、喫煙所でお話をするのが楽しい」「さまなざま年齢、境遇の人がいてちょっとした会話でもたのしい」等の意見が寄せられ、仲間と穏やかな時間を過ごす様子が伺える。
3.利用者が健康を維持できるよう支援を行っている
- 利用者の健康状態に注意するとともに、利用者の相談に応じている
- 健康状態についての情報を、必要に応じて家族や医療機関等から得ている
- 通院、服薬、バランスの良い食事の摂取等についての助言や支援を行っている
- 利用者の体調変化(発作等の急変を含む)に速やかに対応できる体制を整えている
- 【利用者の薬を預ることのある事業所のみ】
服薬の誤りがないようチェック体制を整えている
【講評】
利用者の健康状態に注視すると共に、必要があれば相談に応じている
年1回(10月)に、利用者は、事業所と提携を結んでいる医療機関で健康診断を受けたり、その結果を持って必要があれば嘱託医と個別面談の場を設け、健康相談ができるようにしている。また、眼科や内科、精神科等の機関との情報交換をし、利用者に問題が発生した場合には、その都度連絡をはかり、受診につなげられるようにしてしている。感染症対策として年1回(11月)、希望者を募いインフルエンザの予防接種の機会を図っている。
健康状態に関して、担当ケースワーカーと相談し対応している
事業所では、健康相談の窓口を設け、体調に関する身近な変化や疾患等、利用者に何か心配がある場合は相談に応じている。特に、視覚障害以外で、糖尿病や聴覚障害、精神障害、身体障害等に罹患し、通院している利用者は少なく無い。有訴者の受審結果に関しては、本人の自己申告のもと、ケース記録やアセスメントシートに記録し、把握している。また、体調を崩し欠席をした場合には、後日その様態について尋ねたり、作業時間中に気分が悪くなった場合には、保健室で休憩を取ってもらい、場合によっては自宅にまで送ることもある。
緊急時には、速やかに対応できる仕組みを整えている
緊急時への対応に関しては、リスクマネジメントの規定や感染症マニュアル等を職員に周知し対応を図るとともに、事務所内にある緊急連絡票を使って嘱託医や協力病院に非常時や緊急時に連絡している。突然てんかん発作を引き起こす利用者へは、ヘルメットやひじ掛けイスを用意したり、めまいや貧血を起こす場合、保健室のベッドで休んでいる。また、十分睡眠がとれていない利用者には、その原因や健康状況を把握したり、服薬管理や薬物副作用や薬物アレルギーの有無等について、日頃から気になること、支援の必要性、程度等を把握している。
4.利用者の意向を尊重しつつ、個別状況に応じて家族等と協力して利用者の支援を行っている
- 家族等との協力については、利用者本人の意向を尊重した対応をしている
- 必要に応じて、利用者の日常の様子や施設の現況等を、家族等に知らせている
- 必要に応じて家族等から利用者・家族についての情報を得て、利用者への支援に活かしている
【講評】
若年層、盲学校卒業生等は、家族からの協力を得て支援に役立てている
事業所側も、家族の問合せに関して対応すると同時に、利用者がストレスや不安を抱えないで作業に打ち込めるように一緒に相談しながら支援している。また、利用者によっては、聴覚の障害を持っていたり、言葉が聞きづらかったり、精神疾患等コミュニケーションをうまく取れない場合は、家族からヒヤリングや面談を行って、その利用者の情報を収集している。また、通所後、欠席が多かったり、入退院を繰り返している利用者には、その疾病の特徴、対応方法等、必要に応じて情報提供を行い、家族からの協力を得て支援に活かしている。
施設では、必要に応じて日常的な様子や状況を家族に伝えている。
家族への情報提供手段としては、年1回「日本盲人職能開発センターだより」を発行し、家族へも送付している。内容として、主に、就労支援のサービスや新しいサービス(就労定着支援)を紹介し、理解を深めて頂くと共に、助成による広報ビデオ・福祉教育DVDの無料貸出や、社会参加を促進するため、7月に全国ロービジョンセミナー(講演、各専門機関からの情報提供、機器展示)を開催する旨をお知らせしている。利用者がコースを修了し、企業へ就職しているようすを報告する就労レポート欄を設け、家族にも仲間の活用を知ってもらっている。
家族へ情報提供は利用者の意向・思いを把握してから伝えている
事業所は、成人された利用者が多い施設であり、経済的に自立した成人としての対応を進めて、まず第一に利用者の意向を踏まえてから支援をするように心掛けている。また、利用者の緊急時や災害の対応に家族との必要な場合もあるので、事前に利用者の了解を得てから、家族に連絡するようにしている。利用者一人ひとりの家族構成を考慮し、必要があれば家族・身内の方と協力して支援を行っている体制作りに努めている。
5.利用者が地域社会の一員として生活するための支援を行っている
- 利用者が地域の情報を得られるよう支援を行っている
- 利用者が地域の資源を利用し、多様な社会参加ができるよう支援を行っている
【講評】
利用者は地域・町内会の行事等に積極的に参加し、交流を深めている
地域防災訓練は、地元の小学校で行われ、事業所内で救助を求めている人がいるという設定のもと、10名の利用者や職員が参加している。また、防災会議では、主に施設長が参加し、四ツ谷再開発整備状況を把握したり、工事周辺の安全対策を協議したり、歩行ルートの点字ブロック・バリアフリー化の提案・助言を行っている。年に1回実施する町内会のお祭りには、15名の利用者と職員が参加し、神社の例大祭に、ハッピを着て神輿を担ぎ、周辺地域を周り、その誘導に4名の中学生がボランティアとして協力しており、誘導方法等を事前に学習している。
地域関連機関連絡会や視覚障害者施設連絡会を活かし、就労支援につなげている
新宿区および杉並区の視覚障害関連施設で四施設連絡会を設置し地域支援の情報交換を行っている。また、新宿区内にある視覚障害者通所施設等で構成された「地域関係機関連絡会」のメンバーとして事業所は参加・活動している。人や物、サービス等の各区の事業所で関わった社会資源に関する情報交換をすることで、利用者に有益な情報を提供したり、サービスを利用してもらう際の選択の幅を広げてもらっている。また、そこから得た情報から当事業所を訪ねたという利用者もおり、就労支援に繋げている。
地域住民と災害・避難訓練等の情報を共有している
施設では、利用者と職員とで構成される安全・防災対策委員会を7月に開催し、施設内の待機場所、避難ルート等、今置かれている状況を検討し、避難の具体的な対応策を話し合い、地域住民にも伝えている。また、防災訓練は、7月(施設)、10月(地域連携訓練)、12月(総合防災訓練)の3回実施している。防災対策として、備蓄食料、保存水等の補充をしっかりと行い、関東地震への影響が懸念されていることを自覚し、日ごろからの準備を怠たらず、防災対策に取り組み、地域との連携が取れるよう努めている。
10.【就労移行支援】就労に向けて、必要な知識の習得や能力向上のための訓練等の支援を行っている
- 利用者が働く意欲を持てるような取り組みを行っている
- サービス期間内に就労に結びつくことができるよう工夫している
- 生活リズムや社会人としてのマナーの習得等の就労に向けた支援を行っている
- 就労に向けた職場見学や実習等、実際に職場にふれる機会をとりいれた支援を行っている
- 就労支援機関と密接な連携をとり、利用者が力を発揮できる就労先に結びつくよう支援を行っている
- 就労後も利用者一人ひとりに応じて職場定着等の支援を行っている
【講評】
多様な就業コースで利用者の必要な知識および能力向上を引き出している
事業所では、利用者が自立した社会生活を営むことができるよう就労に必要な知識及び能力の向上に必要な訓練、その他の便宜をはかれるよう多様な就業コースを用意している。たとえば、パソコンスキルを習得する基礎や応用コースでは、ワードやエクセール等の文章作成からパワーポイント等のプレゼンテーション技術を学んでいる。また、ビジネス・ワーク事業コースでは、OA事務で必要な事務処理能力の向上または英会話等の実務に対応した訓練を行っている。また、速記コースでは、1年かけでソフトを使い、タイピングスキルを向上させている。
体験学習や外部講師に来てもらう等で、就労に結びつくよう工夫した学びを提供している
基本的なPC訓練の他に、体験学習としてPCや歩術の実技、インターネットを用いた情報収集能力を高める訓練等を行っている。また、視覚障害者就労支援者講習会として、情報機器の紹介やその活用を学んでいる。企業に就職した視覚障害者や企業の人事課担当者を講師に招き、就職活動中の利用者を対象に「就職活動対策講座」を10月に4回実施し、11名の参加のうち2名が年度内に新規就職を果たしている。日本商工会議所と協力・連携を図り、日商PC検定(18名合格)のネット試験化を進めたり、視覚障害者用会場等の情報を提供している。
就職先と連携し、終了後も継続性を持って定着支援に努めている
平成29年度の企業等への就労者及び復職者が17名に達している。終了した利用者が職場で問題が無いか定期的に、職場訪問し、必要があれば相談を受けたり、ジョブコーチがいれば連携を図って継続支援を行っている。利用者の要望に応じて、新たな機器が必要な場合には、障害者職業センターと連携し、購入を前提にソフトや拡大読取機の貸し出しを行っている。また、何かわからないことがあると帰宅前に事業所に立ち寄り支援を受けたり、事業所の自習室で職員が指導する等支援の継続性をもって定着支援できるよう努めている。
12.【就労継続支援B型】就労の機会の提供や、知識の習得及び能力向上のための支援を行っている
- 自発的に働きたいと思えるような取り組みを行っている
- 働くうえで、利用者一人ひとりが十分に力を発揮できるよう支援を行っている
- 工賃等のしくみについて、利用者に公表し、わかりやすく説明している
- 受注先の開拓等を行い、安定した作業の機会を確保できるよう工夫している
- 商品開発、販路拡大、設備投資等、工賃アップの取り組みを行っている
【講評】
高度な専門技術を提供し、高い評価を得ている
審議や会議録に関する「テープ起こし」や「タイピング作業」を効率化し、利用者が作業し易いよう作業システム開発を重ねている。たとえば、作業効率を高める「フットスイッチ付きMP3音声ファイル再生システム」を導入したり、最新OS対応の「フルキー六点漢字入力」を使った入力、作業と連動した専門用語支援ソフトの活用等、視覚障害者に合わせた作業が可能となっている。また、31名の職員や有償ボランティアに収録や構成等の協力をしてもらい、作業をバックアップしながら進めている。工賃の月平均は、全国の平均にくらべ上位に位置している。
利用者の主体性を促せるよう作業区分が明確になっている
作業では、利用者に対する作業の量や質に応じ、不公平感が無いように、職員や支援員による定期的なモニタリングを実施している。モニタリングシードでは、「作業区分」「担当時間」「文字数」「直し時間」等を考慮して、A~Eまでの難易度を表している。利用者は、有償ボランティアである協力者による個別支援を受けながら、その区分で自分の現在の作業位置(レベル)を知ることができ、指導や助言を受けながら、次のステップに進むように努めている。職員はランクアップに向けての取り組みに力を入れており、今後の活躍が期待される。
USB等媒体を活用し、工賃の説明に努めている
入所時の重要事項説明時及び個別面接時に工賃の仕組みを説明している。 USBに関連書類(契約書、重要事項説明書、状況提供の同意書)を入れ、音声でもわかるように工夫して渡している。平成30年度から報酬の改定がなされ、新たな報酬単価の基で、平均工賃月額に応じた報酬改定がなされる。大きな変化にあるときは、個別に説明をしている。利用者調査においては、工賃の説明に対して、利用者の理解度に差があることから、今後もさらなる工賃の仕組みについて十分な個別対応の取り組みが期待される。
【講評】
利用者へ連絡する場合、可能な範囲でプライバシーに配慮した工夫がなされている
紙媒体での連絡は、人目に触れてしまう危険性があるので可能な範囲でデータ化したファイルでのやり取りを心掛けている。また、職員募集や採用試験の結果等は、アウトルックやウェブを利用した一斉メールを活用することにしている。個人の所有物や個人宛文章の取扱い等、可能な範囲で本人で管理してもらっているが、要望があれば、本人の同席のもと手紙を代読する等、利用者のプライバシーに配慮した支援をしている。個別に面談をしたいときは、周りに聞こえないように個室でするようにしている。
事業所では、虐待や人権に配慮した環境づくりに心掛けている
利用者の権利擁護や虐待防止規程が策定され、職員はいつでも読むことができる。また、職員が虐待防止のための外部研修・内部の勉強会に参加したり、言動、放任、虐待、無視等、気になる振る舞い・態度があれば、職員間で相互に確認したり、職員への対応に注意を促したりしている。電子媒体フロッピーで苦情を受付け、個人情報保護や虐待防止、早期発見にも役立っている。毎年職員全員に、虐待に関するセルフチェックを行っており、何気ない言動や利用者に対して傷つけてしまうことに気付ける機会となっている。
利用者の意見や要望に対して、話し合える場を設けている
利用者は、QC委員会や安全・防犯対策委員会のメンバーに加わることで、意見等、直接反映できる場を設けている。また、利用者から運営規定等に関する開示の要望があった場合、利用者の共有フォルダから気になる情報を閲覧することができる。利用者の要望や意見は、当事業所以外の職員や機関に相談することが可能であること、設置箱に意見を書いてフロッピーで投函できることを伝えている。就労継続支援B型の場合、利用者自治会として「ひまわり会」が組織され、互助会的な役割を担っており、年に1回、会の代表者が施設長と意見交換をしている。
1.利用者のプライバシー保護を徹底している
- 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
- 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
- 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
- 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
- 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
作業マニュアルが整備され、何かあれば定期的に見直している
就労移行支援では、基礎編や応用編それぞれのパソコン指導テキストが作成されたり、就労継続支援Bでは、作業の支援に音声等のマニュアルが装備されている。これらの作業マニュアルは、各事務室やフロアに設置され、何か不明な点があれば、いつでも閲覧することが可能になっている。変更箇所などがある事項は、幹部会議や支援会議にて検討されたり、毎朝の朝礼や毎月の支援会議で共有されている。使用機器の変更やソフトのバージョンアップが必要な場合は、支援会議で対応を検討し、随時変更が行われている。
QC委員会を設置し、作業の維持や質の向上に努めている
作業をする際に、利用者はマニュアルで作業の点検や確認を行ったり、有償ボランティアから指導を受けている。しかし、表記や文字の使い方がバラバラになってしまったり、作業時の注意点がわからなかったりして作業に遅れがでてしまう。このようなことがないようQC委員会を開催し、作業の統一を図り、作業者同士で留意事項を確認するこで、全体的な標準化を図っている。また、学習会では、利用者のQC委員も参加して、速記録の向上を目指す等、個々の状況を踏まえ利用者全員が共有できるようにしている。
事業所は、事故防止と災害対策に取り組むと共に大規模災害への取り組みを進めている
安全対策委員会では、職員はもとより利用者も参加し、通所途中の安全性を検討したり、事件事例を参照しながら事故防止の検討を行っている。災害に関しては地域との相互協力を目指して町内会や企業と防災協定を結び合同防災訓練を行っている。災害対策については、「防災管理者」を配置し「緊急時対応マニュアル」に基づき対応するとしている。今後はさらに「防災時の行動指針(BCP)」を定め発動基準、参集及び行動基準、対策本部設置、指揮系統や役割、帰宅困難者や帰宅難民受け入れ等、大規模災害に向けての具体的な計画策定に期待したい。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうかを定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている
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【講評】
事業計画の最初に基本理念を掲載し、事業所が目指す目的を明確にしている
東京ワークショップの社会貢献は何かを、事業計画の最初に掲げることで事業所の目指すべきことを明確にして所内で周知徹底を図っている。ただ単に事業計画に掲載するだけでなく、定期発行物のセンター便りにも載せることや会議室に掲示することで職員間に周知することに努めている。また当事業所の基本方針としてホームページの冒頭に、私たちは「働きたい」、「働き続けたい」、「生きがいのある生活を送りたい」と願う視覚障害者を支援する為、と明確に宣言されている。内部、外部に渡って当事業所の理念がはっきりと打ち出されている。
職務分担表に経営層の役割と責任が明示され毎朝の職員朝礼等で現状が説明されている
区分として、庶務、人事、経理・会計、就労継続支援B型、就労移行支援等に分け、各々責任者が定められている。責任者である経営層は具体的に何をなすべきかが列挙されており、分担表に明記された業務の中から重要案件として考えられるものが年度計画等に組込まれていくが、これらの業務の進捗状況、事業所の現状が毎朝の朝礼、職員全体会議の中で説明され、職員に分るような方法で実践されている。業務予定表、幹部会議事録、全体会議議事録として記録に残され、職員が後からでも確認できる仕組み作りが行われている。
重要事項に関して、必ず幹部会議に諮られ朝礼や全体会議で発表し見える化に努めている
重要案件に関しては、必ず幹部会議に諮られそれを朝礼や全体会議で発表するようにして明朗性が保たれている。職員は全体会議議事録でも確認が出来る仕組みとなっている。また、平成19年より発行しているセンター便りやホームページ等に掲載したり事業計画書は玄関の受付窓口にも置かれ、外部への情報発信にも注意を払って職場の見える化に努めている。おかげ様でセンターへの相談件数も増え実際に訪問される方も多い状況である。このような職場の環境を踏まえ、職員は職級・職位・職責で決められた職務をどう行っていくかが理解されている。