評価結果

サービス項目中心の評価

基本情報

【事業所名称】

グループホームさくら/らいむ(來夢)   他1ユニット    

【サービス種別】

共同生活援助(グループホーム)

【現地調査をした
  ユニット名】

①グループホームさくら・らいむ(來夢) ②グループホームさくら・らいか(來花)

事業者の理念・方針・期待する職員像

事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)

1)利用者の尊厳と人権を大切にし、本人主体を尊重します
2)利用者の力や能力が発揮できるように、一人一人に合わせた支援を心がけます
3)利用者の安全と安心
4)地域とのかかわりを大切にします
5)障害福祉に関わる職員としての自覚を持ち、より質の高いサービスに向け努力します

職員に求めている人材像や役割

常に、利用者の方々に寄り添いながら、福祉職員としての自覚を持ち、チームで支援することを期待しています。

職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

障害理解を深めながら、一人一人の利用者にきちんと向き合っていこうとする心がまえ。

全体の評価講評

特によいと思う点

男性用ユニット・女性用ユニット各5名の入居者という小規模な事業所の利点を活かし、一人ひとりの利用者に関する支援や介助の手順を場面ごとに明示したマニュアルが用意されている。また、時系列でも個別に対応すべき事項を示すなど、利用者支援が適切かつスムーズに行えるような仕組みが作られている。業務全般のマニュアルとしても、利用者の私物を覚える、連絡帳の記載漏れの確認、2人勤務の際には相手の動きも確認して緊急時に備える、利用者の良いことは褒めるなどを業務のポイントと定めて支援にあたっている。

朝の起床から朝食の提供、日中活動事業所への通所までの限られた時間での利用者支援と、夕方から夜間の夕食や入浴、就寝準備には手厚い対応が必要とされている。事業所では、7時から10時及び16時から21時までの時間帯を複数職員による勤務体制をとっており、利用者への直接支援と事業所運営に関する業務が滞りなく行えるようにしている。利用者に動きのある時間帯に複数の職員が勤務するということで、万が一の事故や緊急時にもタイムリーな対応が可能になるなど、利用者の安心・安全に向けても有効な体制がとられている。

利用者についての情報交換を丁寧に行ない支援に活かしている。日中活動事業所や家族とは連絡帳や電話連絡により情報交換を密に行い、ホーム職員とは内部連絡帳により引継ぎをし、定例の全職員会議においても利用者の変化についての情報を細かく伝えている。季節毎に寝具や衣類の入れ替えのために家族が来所する機会には家族との会話を大切にし、情報のやり取りをしている。日々職員が代わる支援体制であるが、これらのきめ細かい情報収集と情報共有により支援の充実を目指している。

さらなる改善が望まれる点

事業所では利用者のケガなどの事故は起きていないとしており、開設以来ヒヤリハットに関する報告書の提出は行われていない。重大な事故の前は多くのヒヤリハットがあり、事例を多く出していくことが事故防止につながっていくことが期待される。事故やケガのみならず、日常の利用者支援や対応、環境整備、家族との関わり等の中で、職員はさまざまな気づきがあると思われる。気づきの記録として報告書を出していく習慣をつけることで、利用者の些細な変化にも気づきやすくなるなど、職員の「気づく力」が高まっていくことが期待できる。

個別支援計画作成のためにあらためて個別面談を行うことは少なく、日常の関わりや会話、相談があったこと、生活の様子の観察、家族や通所事業所との情報交換を基に作成する仕組みになっている。管理者と世話人によって作成された支援計画は、家族に渡されて自宅で利用者と共に内容を確認・修正してもらって同意を得ている。法人の理念で「本人主体」を謳っていることもあるので、まずは生活の場であるホームにおいて利用者に支援計画やモニタリング結果を説明していく方法をとることで、利用者自身に支援計画を意識してもらうことに努めたい。

事業者が特に力を入れている取り組み

毎日の利用者の記録については、食事や健康状態、口腔ケア、入浴や洗濯、一日の様子をサービス提供記録に記載し、一か月の様子や状態の変化については毎月の職員会議記録に詳細に記載している。また、個別支援計画のモニタリング記録についても、日常生活・社会生活・健康管理・日中活動・夜間支援の各テーマごとに、半期の支援内容と目標への達成度合いを記録し、特記事項については色を変えて記載している。利用者に関する記録を充実させ、支援の状況や利用者の状態の推移を把握・共有していることが家族との信頼関係の構築にもつながっている。

入居時には自宅訪問を行い、利用者の生活の様子を家族から聞き取っている。しかし重度の障害を持つ利用者も多く、家族ができていると思っているより、ホームの生活支援の中ではできない事が多いと職員は感じている。夕方に日中活動事業所から帰り、就寝までの短い時間であるが、職員は利用者ができる事をみつけるようにしている。翌日の朝に通所事業所に出かける準備をすることや一日の生活リズムを整えること、洗濯物を畳み自分の箪笥にしまうことなど、徐々に生活する力を高めていく支援が行われている。

ホームでは障害や高齢化による身体変化が見られる利用者が増えている。身体のゆがみなど個別に障害の進行が懸念される利用者に対しては、職員が利用者と共に市内の障害者センターに出向き、理学療法士や作業療法士と連携し具体的なリハビリプログラムの指導を受け、ホームで実施している。「らいむ」では利用者全体でも棒体操、タオル体操、のびのび体操などを夕食後に行っており、身体の変形などの軽減が見られている。利用者の身体的な老化や重度化の予防に向けた取り組みに力を入れており、笑顔で体操を行う様子は広報紙に掲載されている。

利用者調査結果

調査概要

  • 調査対象:利用者全員
  • 調査方法:聞き取り方式  
    個別聞き取り調査
  • 有効回答者数/利用者総数:10/10(回答率 100.0% )

利用者全員から回答を得ることができた。満足度が高かった項目としては、「主体的な活動が尊重されていますか」「ホームでの生活はくつろげますか」「ホームの清潔は保たれていますか」「職員の接遇は適切ですか」「個人の気持ちは尊重されていますか」などがあげられる。総合的な満足度では、9名が「大変満足」「満足」の回答であった。「困っていることはありません」「何かあれば職員に声をかけます」「ごはんが美味しいです」などのコメントがあがっている。ホームへの意見や要望は特に聞かれなかった。利用者調査を補完するものとして実施した郵送による家族アンケート調査では、10世帯全員から回答を得ることができた。「職員の接遇は丁寧ですか」「利用時や本人の支援計画作成の際は十分な説明を受けましたか」「ホームの設備は安全ですか」「食事の時間を楽しんでいると思いますか」などの項目で満足度が高かった。

アンケート結果

1.利用者は困ったときに支援を受けているか

はい 8名 (80%)
どちらともいえない 1名 (10%)
無回答・非該当 1名 (10%)

困った時に支援を受けていると回答したのは8名であった。「いいえ」の回答はみられなかった。今日は仕事以外に何があるのかをたずねます、できることは自分でします、ご飯を作ってもらいますなどがある。

2.利用者は、主体的な活動が尊重されているか

はい 9名 (90%)
無回答・非該当 1名 (10%)

9名が主体的な活動が尊重されていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「テレビを観ています」との回答が複数あった。

3.グループホームでの生活はくつろげるか

はい 9名 (90%)
無回答・非該当 1名 (10%)

グループホームでの生活について、9名が落ち着いて過ごせていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。ゆっくりと過ごせます、ホームに帰ってきたら日記を書きますなどがあがっている。

4.職員が利用者の家族等に連絡をする場合、方法や内容等についてあらかじめ利用者の希望が聞かれているか

はい 4名 (40%)
無回答・非該当 6名 (60%)

家族へ連絡する際は、その方法や内容について本人の希望が聞かれていると回答したのは4名であった。「いいえ」の回答はみられなかった。調子が悪い時は連絡してくれます、家族にメールする時に職員さんに手伝ってもらいますなどがある。

5.グループホーム内の清掃、整理整頓は行き届いているか

はい 9名 (90%)
無回答・非該当 1名 (10%)

グループホーム内の整理整頓については、9名がなされていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「きれいになっています」との回答があった。

6.職員の接遇・態度は適切か

はい 9名 (90%)
無回答・非該当 1名 (10%)

職員の接遇については、9名が適切であると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「皆さん優しいです」との回答が複数あった。

7.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか

はい 8名 (80%)
無回答・非該当 2名 (20%)

緊急時の対応については、8名が信頼できると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。具合が悪い時は病院へ連れていってもらいます、熱を計ってくれますなどのコメントがあがっている。「経験がありません」との回答もあった。

8.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか

はい 5名 (50%)
どちらともいえない 1名 (10%)
無回答・非該当 4名 (40%)

利用者同士のトラブル解決については、5名が職員の対応を信頼できると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「ケンカはありません」との回答が複数あった。仲良くやっています、ケンカもいじめもありませんなどがあがっている。

9.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか

はい 9名 (90%)
無回答・非該当 1名 (10%)

個人の気持ちが尊重されていると回答したのは9名であった。「いいえ」の回答はみられなかった。大事にしてもらっていますとの回答があった。

10.利用者のプライバシーは守られているか

はい 6名 (60%)
無回答・非該当 4名 (40%)

プライバシーについては、6名が守られていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。特に秘密はありませんが、ドアをノックする等気遣いがありますとの回答があった。

11.個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか

はい 3名 (30%)
無回答・非該当 7名 (70%)

個別支援計画作成の際、利用者本人の状況や要望を聞かれていると回答したのは3名であった。「いいえ」の回答はみられなかった。「工房(日中活動の事業所)では行いましたが、ホームでは行っていません」との回答が複数あった。

12.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか

はい 2名 (20%)
どちらともいえない 1名 (10%)
無回答・非該当 7名 (70%)

サービス内容や計画に関する事業所からの説明については、2名がわかりやすいと回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。特にコメントはあがっていない。

13.利用者の不満や要望は対応されているか

はい 7名 (70%)
無回答・非該当 3名 (30%)

不満や要望への対応は7名がきちんと対応されていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。対応してくれます、いつも話を聞いてくれますなどのコメントがあがっている。「特に不満や困りごとはありません」との回答もあった。

14.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか

はい 5名 (50%)
いいえ 3名 (30%)
無回答・非該当 2名 (20%)

行政や第三者委員などの外部苦情窓口に関する説明は、5名がわかりやすく伝えられたと回答している。「知りません」との回答もあった。

サービス分析結果

6. サービス分析のプロセス
【講評】
「さくら」は親の高齢化や自立生活を希望する本人の要望に応えたいとして設立された

グループホームさくらは平成27年に開所した男性用ユニット「らいむ」と平成29年に開所した女性用ユニット「らいか」の2ユニット定員各5名で運営されている。設立の経緯は、法人の就労継続支援B型事業所及び多機能型事業所の利用者・家族(主に保護者)から、親の高齢化などの家庭の事情や利用者から自立した生活をしたいとの声が従来から出ており、それらに応えたいという法人の思いによるものであった。そのため当初の入居者は法人内各事業所の利用者であったが、進行中の3か所目のホームは法人外からも入居者を募集することを検討している。

ホームページでは生活の様子がイメージできるような紹介がなされている

事業所の紹介はパンフレット及びホームページを活用してなされているほか、法人が開催する地域向けの福祉講演会や障害者週間記念行事等の地域イベントにおいて、法人が取り組んでいる他の事業と共に案内されている。パンフレットはホームのめざすことや職員体制を簡単に紹介しており、法人内各事業所において入手することができる。ホームページでは日常生活での支援やホームの行事等を、写真を多用して生活の様子がイメージできるようにしている。現在は「らいむ」の紹介が多くなっているが、「らいか」についても徐々に広報していく予定である。

事業所紹介の日である「いらっしゃいませの日」には利用者と共に見学者を迎えている

問い合わせや見学は、法人本部やホームの各ユニットで随時受け付けており、地元の団体である「手をつなぐ親の会」も見学に訪れている。現在は利用定員を満たしており入居希望があっても応えられないことや、近年は市内に社会福祉法人によるグループホームの開設が増えてきていることもあり、個人の見学はさほど多くないが、毎月第3月曜日を「いらっしゃいませの日」とし、利用者とともにホームを紹介する日としている。来所者については、日中の活動先や家族と一緒の来所かどうか、来所の手段等を聞き取って参加票に記入している。

1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
  • 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  • 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  • 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  • 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
利用者の将来を見据えて、入居がメリットになるかどうかが入居基準のひとつである

入居希望が出された際には入居申込書により障害の程度や日中活動の現状、入居を希望する理由を確認している。その後面談が行われ、希望する理由や入居に関する本人の気持ち、現在の生活状況、曜日などのホームで過ごす期間や帰宅するパターン、希望する対応についてなどを聞き取っている。法人及び事業所としては、身辺の自立状況よりも、入居することで将来を含めてメリットのある生活になるかどうか、グループでの生活ができるかどうかを入居基準としており、理事会による検討会議で入居の可否が決定される。

ルールは基本的なことのみとし、集団生活らしくなく家庭的な環境にしたい意向がある

入居が決まった場合は、個別支援計画に関することや相談や苦情への対応、守秘義務に関すること、緊急時の対応等について利用契約書を基に説明し、提供するサービスの具体的なことや入居費用に関することなどは重要事項説明書により、利用者と家族に説明している。また、持ち込める備品や生活に必要な用品については募集要項で案内している。なお、集団生活らしくなく家庭的なホームにしたいと考えており、決まりごとや約束事も重要事項説明書に記した程度とし、必要なルールが生じた場合には、生活する中で皆で話し合っていく方針をとっている。

家庭訪問により生活の様子を確認して入居後の支援に活かしている

状況を把握・共有していくために、フェイスシートである「ご本人状況」と「アセスメントシート」を提出してもらっている。アセスメントシートでは基本的な生活の状況やコミュニケーションについて、余暇の過ごし方などのほか、アレルギーや偏食、特に配慮してほしいことなどを確認し、また、入居前に家庭訪問をして自宅で過ごしている様子を知ることで、入居後の支援や対応に活かすことが行われている。なお、現在まで退去した例はないが、退去後の生活をふまえ、要望に応じて継続した支援に努めることを規定している。

1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
  • サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
  • サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
  • サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
  • サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  • 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
  • サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
  • サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
アセスメントや関わりからの気づきを個別対応マニュアルに反映させている

入居時に、起床から食事、活動に出かける準備、入浴、排泄、就寝等についての必要な介助、掃除や金銭管理、時間の使い方、買い物の力などの生活管理とコミュニケーション、こだわりや課題と思われる行動などについてアセスメントし、かかりつけ医療機関や服薬の状況などの健康や医療に関する資料とともに個人ファイルに整理していつでも参照できるようにしている。また、毎日の生活の様子から確認できたことやあらためてサポートが必要な事項があった際には職員会議で話し合いをし、個別支援マニュアルとしてまとめている。

利用者にもわかりやすい個別支援計画の書式とすることを検討したい

個別支援計画は年度初めと中間期に作成と見直しが行われ、その際の評価によって新たな支援計画が作成されるが、日常生活での関わりをアセスメントと位置づけて要望や意向の把握、必要とする支援や介助の確認をしている。モニタリング記録と作成された個別支援計画は家族に渡されて確認してもらうシステムをとっているが、主体は利用者であることから、利用者にはホーム内で事業所から内容を説明することが必要と思われる。その際には現在の書式を利用者にとってわかりやすいかたちに改めていく必要性も求められる。

毎日の記録と職員会議により利用者の状況の共有が行われている

日常の利用者の様子は、食事や健康状態、口腔ケア、入浴の実施、本日の様子の各項目をサービス提供記録に記載している。また、世話人や生活支援員の気づきや申し送り事項については内部の連絡帳に記録して共有することが行われている。毎日の職員の勤務は夜間帯1名、朝の支援と夕方から夜間までの支援が各2名であるから、月に一度全員による職員会議を実施しており、一人ひとりの利用者の状況の確認や生活で課題と思われること、個別支援計画やモニタリング記録の共有について話し合っている。

1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
  • 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
  • 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  • アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の支援計画を作成している
  • 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
  • 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  • 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
  • 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  • 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
  • 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
  • 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.個別の支援計画等に基づいて、自立した生活を送れるよう支援を行っている
  • 個別の支援計画に基づいて支援を行っている
  • 利用者一人ひとりに合わせて、コミュニケーションのとり方を工夫している
  • 自立した生活を送るために、利用者一人ひとりが必要とする情報を、提供している
  • 周囲の人との関係づくりについての支援を行っている
  • 関係機関と連携をとって、利用者一人ひとりに応じた支援を行っている
【講評】
個別支援計画は利用者の意向を大事にした内容となるよう工夫を重ねている

個別支援計画の作成にあたっては、家族の意向を中心にした内容から、利用者の意向を取り入れた内容にしたいと考えており、言語による意思表示が難しい利用者には3項目程度の要望をあげ、本人に選んでもらうようにしている。日常の支援では言語によるコミュニケーションが難しい場合には、できる限り声かけを多くしたり日頃の様子を観察することで意向の把握に努めている。障害特性により自閉的なこだわりが強い場合や知的障害による理解力の個人差もあり、日中活動事業所職員と情報交換を行い対応を工夫している。

職員の支援によりできなかった事ができるようになった利用者が多くなっている

男性対象グループホーム「らいむ」は平成27年4月に開所し、利用者もホームの生活に慣れ安定してきている。平成29年8月に開所した女性対象グループホーム「らいか」も、職員・利用者共に安定した生活への取り組みを続けている。入居後には生活リズムが整い、家庭でできなかった事ができるようになった利用者も増えており、日中活動事業所を休みがちだった利用者も以前に比べ通所できるようになっている。職員間では月一回の全職員会議や内部連絡帳を使って利用者の状況の変化や伝達事項の共有に努め、自立生活に向けた支援の向上を目指している。

障害者センターの理学療法士や作業療法士の助言を受け身体機能の向上を図っている

ホームには相談支援担当者も来所しており、利用者についての生活状況を把握し、週末帰宅後の過ごし方などについて検討を行い、入居前から利用者が通っている稽古事の継続や、好んで通っている観光地へ行く時にはガイドヘルパーの活用などの支援を行っている。また、一人で行ける利用者には地域の祭りやイベントの情報を伝え、参加の提案をしている。身体障害を持つ利用者に対し障害者センターに職員が同行し、理学療法士や作業療法士と面談を行いリハビリ訓練などの助言を受け、ホームで実施することで身体機能の向上がみられている。

2.利用者が主体性を持って日常生活を楽しく快適に過ごせるような取り組みを行っている
  • グループホームでの生活は、主体的な活動が尊重されている
  • グループホーム内のきまりごとについては、利用者等の意向を反映させて作成・見直しをしている
  • 休日の過ごし方や余暇の楽しみ方については、利用者の意向を反映し、情報提供や必要な支援を行っている
  • 室内は、採光、換気、清潔性等に配慮して、過ごしやすい環境となるようにしている
  • 【食事の提供を行っているグループホームのみ】
    利用者の希望を反映し、食事時間が楽しいひとときになるよう工夫している
【講評】
職員の日々の支援により利用者ができる事が増え生活する力が高まっている

入居時に家族から家庭でできていた事を聞き、できる事は自分でしてもらうようにしているが、家族からの情報より利用者ができない事が多いことを支援の中で職員は実感しており、ホーム内でできる事を増やす支援に努めている。食事の時に調理の手伝いはできないが、盛り付けや配膳、下膳をお願いしており、利用者によっては洗濯物たたみもできるようになっている。翌日作業所に行くための準備も自分で行うようになり、朝起きて作業に出かけられるようになったなど、職員の日々の支援により利用者の生活する力が高まっている。

個室で自分の時間を楽しみ、食堂では仲間と団欒の時間を楽しめる快適な住環境である

「らいむ」では重い障害をもつ利用者もおり、特に利用者間で決まりごとを話し合う機会は設けていないが、食事や入浴時間などは習慣的に身についており、食事時間には職員の誘導もあり利用者が食堂に集まりくつろいでいる。「らいか」では食堂のテレビは夜9時には消すこと、各居室の音楽やテレビの音は隣室への気遣いをすること、キッチンの使い方などが話し合われている。居室は個室で利用者各自が自分の時間を楽しむことができている。食堂は陽当たりが良く床暖房があり、食器洗い機も設置され快適な住環境となっている。

専門業者からの献立に加え誕生日の希望メニューを用意したり外食に出かけている

ホームでは朝食と夕食を提供しており、専門業者から季節に合わせた献立に従い食材が届いている。日中活動の事業所から帰宅する時間には小さなお菓子とお茶が用意され、ほっとできる時間としている。誕生日には通常のメニューを発注せず利用者の希望メニューを聞き、別に食事を職員が調理したり、要望によっては外食に出かけている。季節の楽しみとしてクリスマスにはケーキや「から揚げ」を添えるなどの配慮もなされている。体重増加が懸念される場合には家族からの依頼もあり主食を少なくするなどの対応をとっている。

3.利用者の状況に応じて、生活上の支援を行っている
  • 利用者の状況に応じて、身の回りのことについて必要な支援を行っている
  • 利用者の状況に応じて、家事(調理、洗濯等)について必要な支援を行っている
  • 利用者の状況に応じて、金銭の管理や使い方について支援を行っている
【講評】
利用者の障害特性に合わせ、必要に応じて入浴や排泄介助、見守り支援を行っている

入居者は男女各5名であるが、身辺の介助を必要とする利用者が多いため、食事介助や入浴支援、排泄支援などが必要な時間帯には職員2名を配置し、体制を整えて対応している。居室の清掃や洗濯などは職員が行い、入浴は日中活動の事業所から帰宅後の食事前か食後に利用者の希望により支援しており、男性利用者は介助の必要は少なく見守りのみの対応が多くなっている。身体障害が重い利用者は一階居室に配置し、職員が常に見守りを行えるよう配慮している。また、希望があれば買い物や受診付き添いを行う事もある。

職員間で支援状況や対応方法について情報を共有し、個別対応マニュアルを整備している

利用開始時に家族から聞き取った「利用者ができる事」についての情報は、入居後の様子では利用者によって異なる事もある。職員間で定期的に会議を開き、利用者の支援状況や対応方法などについて情報を共有し、個別対応マニュアルを整備している。調理、洗濯、清掃などは職員は業務として行っているが、利用者のできる事を増やすよう工夫し、洗濯物をたたみ自分の部屋の箪笥にしまう、配膳、下膳、食器の下洗いを手伝うなど、職員の支援によりできる事が徐々に増えている。

小遣い帳記入時には職員が立会い領収書を見て記入しているができる利用者は多くはない

利用者は金曜日には日中活動事業所から直接自宅に帰っており、月曜日の日中活動終了後にホームに帰ってきている。金銭管理は家族が行い、帰宅時に必要な小遣いを利用者に渡しており、利用者によっては自分の好きな昼食を近隣の店で購入している。送迎ではなく徒歩で日中活動事業所に通う利用者もおり、その際には買い物の機会もある。買い物をした場合には職員が立ち会って小遣い帳に記入しているが、領収書を見て記入する場合でも計算があることから、スムーズに記入できる利用者は多くない状況である。

4.利用者が健康を維持できるよう支援を行っている
  • 利用者の健康状態に注意するとともに、利用者の相談に応じている
  • 健康状態についての情報を、必要に応じて家族や医療機関等から得ている
  • 通院、服薬、バランスの良い食事の摂取等についての助言や支援を行っている
  • 利用者の体調変化(発作等の急変を含む)に速やかに対応できる体制を整えている
  • 【利用者の薬を預ることのあるグループホームのみ】
    服薬の誤りがないようチェック体制を整えている
【講評】
入浴時はかき傷や内出血など皮膚の状態を見る機会であり必要時には家族に連絡している

利用者の健康管理の一環としての毎日の体温計測は朝食前後に全員に行っており、血圧測定は降圧剤を服用しているなど血圧が高めの利用者について毎日行っている。また、利用者の心身の状態については日常的に話を良く聞くようにしている。入浴時は皮膚の状態観察を行う時でもあり、かき傷や内出血、皮膚の乾燥などが無いかを丁寧に観察し必要に応じて家族から預かった薬などを塗布している。皮膚が弱く変化が多い利用者については常に注意を払って必要時には家族に伝え、家族が皮膚の状態を見に来ることもある。

送迎の開始により運動量が減り、利用者の体重増加が課題となっている

日中活動事業所への送迎を開始しているが、徒歩による通所に比べ運動量が減少したためか、多くの利用者に体重増加が見られ課題となっている。家族からの連絡帳では「体重が増えています、おかわりをさせないで下さい。」などの要望があり、主食を減らしている利用者もみられる。男性ホームでは障害者センターの理学療法士や作業療法士からの助言を受けて夕食後に棒体操やのびのび体操などを定期的に行なっている。通所の安全の為には送迎が必要であり、体重増加についての対応は難しい状況であるが、専門職の助言などによる今後の対応に期待したい。

一週間分の薬を週明けに家族から預かって保管している

薬は週明けにホームに帰った時に一週間分を預かっている。昼食後の薬は少ないが、必要な場合には通所先事業所に連絡帳と共に渡している。現在まで発作などに対して救急車を要請した事はないが、法人として危機管理マニュアルを整備しホームにも常置して対応できるようにしている。日中活動事業所でも体温測定を行っており 通常の体温より高い時には自宅に早めに帰宅するようにしているが、自宅での受け入れが難しい場合には、ホームが個室であるため居室で休養するようにしている。

5.利用者の意向を尊重しつつ、個別状況に応じて家族等と協力して利用者の支援を行っている
  • 家族等との協力については、利用者本人の意向を尊重した対応をしている
  • 必要に応じて、利用者の日常の様子や施設の現況等を、家族等に知らせている
  • 必要に応じて家族等から利用者・家族についての情報を得て、利用者への支援に活かしている
【講評】
年2回の面談や、電話及び来所の機会を利用して家族の意向を丁寧に聞いている

家族との連絡については基本的に利用者本人の意向に合わせた連絡方法をとっているが、障害が重く意思の表出ができない利用者や言葉の理解度の判断が難しい利用者については本人の意思確認が難しい事もある。家族とは原則として年2回以上の面談を行ない、必要時には電話をするなど連絡は密に行っている。家族は季節の変わり目に寝具や衣類などの交換に来所したり、利用者の健康状態の変化がある時などに電話連絡を入れると様子を見に来所することもあり、職員は家族と話す機会を捉えて意向を聞いたり、利用者の状況等について丁寧に伝えている。

保護者会や広報紙により利用者のホームでの生活の様子を伝えている

保護者会は「らいむ」「らいか」それぞれ春と秋に実施している。各ホーム毎に必要な検討事項を用意し、家族から意見を聞く機会としている。また、広報紙として「来夢ニュース」「らいかれたー」をそれぞれ発行し、ホームでの行事の様子などを写真入りで掲載し、利用者の笑顔の場面が多く家族に喜ばれている。家族との連絡はホーム、日中活動事業所との3者による連絡帳で行い、金曜日の帰宅時に持ち帰っている。月曜日には家族からの連絡帳を預かり、受診結果や歯磨きを強くしないよう注意してくださいなど具体的な内容が記載されている。

6.利用者が地域社会の一員として生活するための支援を行っている
  • 利用者が地域の情報を得られるよう支援を行っている
  • 利用者が地域の資源を利用し、多様な社会参加ができるよう支援を行っている
【講評】
町内会に加入し行事や祭りの情報を得て、参加できる利用者が出向いている

ホームでは夕食の前後に職員と利用者の会話が弾んでおり、地域の情報などを伝えている。「らいか」は町内会に加入しており、開所時には地域住民に見学に来てもらっている。地元で行われる盆踊りや神社の祭りなどには参加できる利用者が出向いている。「らいむ」の周囲は集合住宅が多く、近隣住民との交流も少なく町内会には加入していないが、町会長や地域の民生委員とは連絡を取り合っている。地域のイベントは主に週末に行われることが多く、利用者は週末には自宅に帰っているため、参加が難しい状況となっている。

ホームの支援は帰宅後から夜間・早朝が主であり社会資源活用への支援は限定的である

利用者は週日は各日中事業所で活動し、宿泊訓練や夏季には地域のプールに出かけたり、障害者週間記念行事への参加、地域のイベントでの洋菓子販売などに参加するなど社会参加の機会を得ている。週末は自宅で過ごしているが、ガイドヘルパーの活用により利用者の好きな所に出かけたり習い事に定期的に出かけている利用者もみられる。ホームでの支援は帰宅後の夕食から夜間、早朝が主な支援時間となっており、社会資源の活用についての支援は少ないが、誕生日会に外食に出かけたり、希望に添って買い物に出かけるなどの支援を行っている。

【講評】
ホーム・日中活動事業所・家庭間で連絡帳を活用した連携がある

利用者に関する情報を外部とやり取りすることは多くなく、相談支援事業所や日中活動の事業所との情報交換程度である。急な体調悪化の際に医療機関に情報提供をすることも想定しているが、まだそのような事例はみられていない。これらの場合に個人情報を使用することは利用者及び家族にその旨を伝えており、入居時には、個人情報を使用する目的や使用条件と範囲についての使用同意書を得ている。なお、ホームと日中活動事業所、家庭の3者間で連絡帳を使用し、情報のやり取りによる連携が図られている。

プライバシーや羞恥心に配慮のある生活環境が確保されている

プライバシーの尊重や羞恥心への配慮などは、職員採用時の法人による初任者研修で意識の統一を図るほか、管理者が研修に参加後に資料の閲覧や他の職員に報告するなどの取り組みがある。ホームは個室であるから基本的なプライバシーが確保できる環境にあり、トイレも複数あるため利便性にも配慮がある。誕生会の実施や、「らいむ」で行われている音楽活動・ストレッチ運動への参加も利用者の意思を尊重しているが、現在は全員が楽しんで良い交流の機会になっている。なお、職員が居室を訪ねる際は、ドアが開いていてもノックと声かけを原則としている。

困難事例についてはスーパーバイザーから助言を得られる研修が行われている

入居への家族の理由として、親の高齢化あるいはひとり親で負担が増えてきたことや自立した生活を送って欲しい等の他に、環境を変えて生活上の課題や生活習慣を見直してほしいとの声もある。実際に食事の好き嫌いが激しい、寝る時間が12時を過ぎてしまう、起床が遅いため朝食や通所の時間管理が難しい、こだわりから他の利用者とトラブルになってしまうなどさまざまな事例がみられている。事業所内での検討と対応に加え、法人の職員研修で「困難事例のケース検討」が始まっており、スーパーバイザーから助言を受けるなどの取り組みを行っている。

1.利用者のプライバシー保護を徹底している
  • 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
  • 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
  • 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
  • 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
  • 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
個別支援マニュアルにより生活に必要な支援や介助を明らかにしている

個別支援に関しては、当初のアセスメント資料はもとより日常の関わりから必要な介助や支援を職員会議等で検討し、対応マニュアルを作成している。男性利用者・女性利用者の特性があるため共通の項目ではないが、身のまわりのことへの支援やタイマー設定などのエアコンの使い方の違い、週末の帰宅時の支援、服薬・塗布薬への対応などを利用者ごとに手順や留意事項を定めている。女性の利用者に関しては共同生活における女性同士の関係性や心理面での対応も定めているが、マニュアルのみでは対応しきれない事象も散見されている様子である。

安全管理に関わることや勤務帯ごとの業務マニュアルが整備されている

安全管理については危機管理マニュアルとして整備しており、火災や事故発生時の対応、救急対応や発作時の処置、感染症対応などについて、チャート図を用意するなどでわかりやすく示している。これらのマニュアルの管理者は法人としており、年に一度見直すことも規定し、現在は所在不明事故がおきた場合の対応や不審者対応、大規模災害への対応について整備を進めようとしている。また、夜勤・早番・遅番の各勤務帯にするべき業務については時系列で定めており、職員の業務マニュアルとして活用されている。

保護者会での要望を運営に反映させるなど、スピーディーな対応がとられている

利用者支援の手順の見直しやホームのちょっとした決まりごとについては職員会議で意見を出し合っており、「らいむ」利用者の理学療法士の助言を受けてのストレッチの実施や、「らいか」の共有テレビを観る時間やキッチンの使い方などを話し合っている。家族からは各利用者への対応については連絡帳でお願いがなされることが多いが、運営については主に保護者会で出されており、今年から週末の帰宅を金曜日ではなく土曜日からでも対応することや、飛び石連休の時は休日をホームで過ごせるようにしてほしいとの要望への対応を開始している。

1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
  • 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  • 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうかを定期的に点検・見直しをしている
  • 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている

事業者のコメント

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評価情報

【評価実施期間】

2018年9月12日~2019年2月26日

【評価者修了者No】

H0403004,H1302002

評価結果のダウンロード

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