評価結果

標準の評価

基本情報

【事業所名称】

信愛緑苑

【サービス種別】

短期入所生活介護【ショートステイ】

事業者の理念・方針・期待する職員像

事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)

1)利用者に深い共感を持つ
2)地域の方々に感謝する
3)水、電気などの資源を大切にする
4)常に防災を心がけ火を出さない

職員に求めている人材像や役割

「人にやさしく」「人を大事にする」心を養い人間的に成長する。
1.社会人として自分の行動や発言に責任が持てる仕事をする。
2.高齢者の仕事を理解し、謙虚な援助を行う。
3.利用者の生活が安全で安心な援助をする。

職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

1.法人の理念や施設の運営方針に共感できること。
2.人権と個別性を尊重した公平平等なケアを提供していることに誇りを持つこと。
3.市民と協力し地域の福祉向上に貢献できること。

全体の評価講評

特によいと思う点

建物1階の地域交流スペースに設けられた喫茶コーナーは一般にも開放され、利用者が地域住民やボランティアとお茶を飲みながら会話を楽しむ姿が見られる。また、地域に向けた毎日の昼食会や月1回の映画上映会、シニア世代を対象とした各種講座等が催されており、利用者も参加して友人や家族と一緒に食事などを楽しむことができる。希望すれば併設の特別養護老人ホームや養護老人ホームの行事や各種のクラブ活動に参加して入居者と交流することも可能で、利用期間中も自宅と変わらないレベルでいろいろな人との交流を楽しむことができる環境がある。

外部に対する情報開示を社会福祉法人の使命の一つととらえ、積極的に取り組んでいる。、法人のホームページには現況報告書や季刊の広報紙、各事業所の年度事業計画・事業報告等を掲載し、誰もが閲覧できるようにしている。また、複合施設全体の運営協議会を設置し、年4回の会合では外部委員である地元の自治会長や民生委員、利用者の家族等に運営状況の報告を行っている。ボランティアや実習生が日常的に事業所内で活動し、市の介護相談員が月2回来苑して利用者の話を聞く機会もあることから、外部に対する運営の透明性が高い状態が維持されている。

法人が実施する体系的な階層別研修に加え、複合施設全体の職員研修を年間計画に沿って実施している。新任職員向けの研修のほか、感染症や事故・虐待防止、高齢者の権利擁護等、具体的なテーマを設定し、内部で講師を立てて互いに学びを深める中で全体の底上げを図っている。また、育成担当者のための研修にも取り組んでいる。さらに、食事、排泄、入浴、移動のそれぞれのテーマで利用者の生活の質の向上を目指す研究活動を現場が中心になって展開しており、職員同士が知識や経験を共有しながら相互に専門性を高め合う場が用意されている。

さらなる改善が望まれる点

利用者調査の結果では、楽しみにしている行事や活動があるとの回答は昨年より評価が下がって2割程度にとどまっている。本体の特別養護老人ホームと合同のアクティビティや余暇活動、体操等の実施を重点目標の一つに掲げる中、事業所での活動やリハビリの効果については利用者の満足度が昨年より上がっており、取り組みが進んでいる面も見受けられる。既存利用者の入院や入所の増加にともない、新規利用の獲得が課題となる中で、アクティビティの充実は利用率の維持・向上の観点からも重要なテーマであり、組織的な検討と取り組みの進展が期待される。

法人本部を中心に計画的な採用活動を展開し、職員の離職率は改善に向かっている一方、現場からはなお人員の不足や配置の改善を訴える声が少なからず寄せられている。また、職能要件に基づく人事考課を実施し、その結果を昇給や賞与に反映して職員の意欲の向上を促しているものの、今回実施した職員の自己評価では、就業状況の改善や職員のやる気向上の取り組みに関して、特に一般職員の見方が二分している。職員の負担感の軽減が引き続き課題となる中で、経営層は業務の効率化とスリム化を目標に掲げており、今後の取り組みの進展が期待される。

事業所の重点課題に対する活動の年間工程表が作成されており、毎月の会議で進捗管理をおこなっている。しかし、現状では期中や期末時点での活動成果の評価が厳密には行われておらず、目標未達成の原因が特定されないまま、課題が次期に引き継がれることがある。職員に対しては成果が目に見えるような形での目標設定を指導しており、今後は組織の活動においても成果指標に基づく管理の仕組みを整えることが望まれる。職員の意識や組織上の問題点を把握、分析したうえで具体的な展望を示し、課題解決に向けた推進力をさらに高めていくことが期待される。

事業者が特に力を入れている取り組み

地域と施設との懸け橋となるボランティアの役割を利用者の生活に潤いの場面をもたらすこととし、施設の「応援隊」と位置づけて、自主的な活動を支援している。活動時間や作業内容を職員が指示するのではなく、何ができるかを自分で考えて活動してもらっている。現在約180名が登録し、昨年度は年間の参加人数が延べ1,943人となった。主体的な意思で活動に参加し、自分のできることで他の人の役に立っているという実感を持てることが地域における他者とのつながりや生きがいの創出につながっている。

法人及び複合施設全体の取り組みとして、平成25年度のから地域のシルバー世代を対象にした連続講座を定期的に開催している。老後の安心のために知っておきたいテーマ(生活資金、住まい、医療等)について、各分野の専門家である法人の職員や外部講師が無料で講義を行い、昨年度は基礎講座、専門講座各6回に延べ410人の市民が参加した。一咋年度より、「10年後、20年後に自身が安心して暮らせる地域にする」ための支援として、老後も安心して暮らし続けることのできる地域づくりを目的とした講座を始め、盛況を博している。

「利用者様・ご家族様」というタイトルのファイルに地域に関する情報をストックし、フロア内の利用者・家族の手の届く場所に置いて、自由に閲覧できるようにしている。ファイルには、市内や近隣の地図、公園や公共施設の案内、地域のお祭り、介護者教室、権利擁護や成年後見制度の案内、地域包括支援センター等の関係機関の情報を綴じ込み、随時更新もしている。その他、1階の事務所前には、市が発行した福祉関係の公的な資料のほか、高齢者の地域生活に役立つ様々な内容のチラシ等が並べられ、誰でも自由に持ち帰ることができる。

利用者調査結果

調査概要

  • 調査対象:対象は直近の一か月(7月)の中で利用実績のあった利用者全員。調査では利用者本人による回答を基本とするが、アンケート用紙の記入においては、本人が家族や介助者と相談しながら回答したり、家族が本人の気持ちを推察して回答する方法も可とした。
  • 調査方法:アンケート方式  
    調査票によるアンケート調査を基本に、利用者の状況によってはサービス利用中の聞き取り調査を実施することとしたが、聞き取りの対象者はいなかった。アンケート用紙の配布は事業所経由とし、回収は返信用封筒により評価機関に直接郵送する方式とした。
  • 有効回答者数/利用者総数:24/41(回答率 58.5% )

回答者24人の内訳は、「家族が本人の気持ちを推察して回答」が9人、「利用者本人」5人、「本人が家族等と相談しながら回答」3人となっている(その他2人、無回答5人)。総合的な感想として事業所のサービスに対する満足度を5段階で尋ねたところ、最上位の「とても満足」が3人(約13%)、「満足」が16人(約67%)、「どちらとも言えない」3人、「不満」、「大変不満」の回答はなかった(無回答2人)。上位2つの回答を合わせた割合は約79%で、昨年と比較すると約15ポイント下がっている。共通評価項目のうち、問7(共有スペースの快適性)では一人を除く全員が「はい」と回答している。また、問8(職員の接遇)では昨年同様、「はい」の割合が9割以上に達している。一方、問3(楽しみにしている行事や活動)では「はい」の割合が約21%で最も低く、昨年と比較しても約10ポイント下がっている。その他、「はい」の割合の下落幅が大きい項目では問9(けがや体調急変時の対応)の約18ポイント、問1(自分のペースに合った過ごし方)の約15ポイントがあげられる。問4(施設での活動・リハビリの効果)では逆に「はい」の割合が昨年より約15ポイント上昇している。

アンケート結果

1.利用時の過ごし方は、個人のペースに合っているか

はい 16名 (67%)
どちらともいえない 3名 (13%)
いいえ 4名 (17%)
無回答・非該当 1名 (4%)

アンケート調査票の質問文(以下、Q):ショートステイでの過ごし方は、あなたに合っていると思いますか(急がされたり、待たされたりして、居心地の悪い思いをしていないですか)

2.食事の献立や食事介助は満足か

はい 19名 (79%)
どちらともいえない 2名 (8%)
いいえ 2名 (8%)
無回答・非該当 1名 (4%)

Q:あなたは事業所の食事の内容(味や量、献立など)や職員による介助の方法など、食事の提供に関しては満足していますか

3.日常生活に楽しみな行事や活動があるか

はい 5名 (21%)
どちらともいえない 10名 (42%)
いいえ 3名 (13%)
無回答・非該当 6名 (25%)

Q:あなたが施設の生活で楽しみにしている行事や活動がありますか

4.利用中の活動・リハビリは、家での生活に役立つものか

はい 16名 (67%)
どちらともいえない 5名 (21%)
いいえ 1名 (4%)
無回答・非該当 2名 (8%)

Q:あなたにとって、ショートステイでの活動やリハビリが家での生活に役に立っていると思いますか

5.利用中には、必要に応じた介助を受けているか

はい 20名 (83%)
どちらともいえない 3名 (13%)
無回答・非該当 1名 (4%)

Q:あなたが利用中に介助が必要な時、職員は対応してくれていると思いますか

6.個人の身体状況や要望は把握されているか

はい 21名 (88%)
どちらともいえない 1名 (4%)
無回答・非該当 2名 (8%)

Q:あなたの身体状況や要望を、職員はよくわかってくれていると思いますか

7.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか

はい 23名 (96%)
無回答・非該当 1名 (4%)

Q:事業所で過ごす場所(活動や食事のスペース、浴室、トイレなど)は、清潔で整理された空間になっていると思いますか

8.職員の接遇・態度は適切か

はい 22名 (92%)
どちらともいえない 1名 (4%)
無回答・非該当 1名 (4%)

Q:職員の言葉遣いや態度、身だしなみなどは適切だと思いますか

9.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか

はい 16名 (67%)
どちらともいえない 4名 (17%)
いいえ 1名 (4%)
無回答・非該当 3名 (13%)

Q:突発的なけがや体調の急変(サービス利用中を含む)、慢性的な疾患等に対する職員の対応は信頼できますか

10.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか

はい 13名 (54%)
どちらともいえない 5名 (21%)
無回答・非該当 6名 (25%)

Q:利用者同士のトラブルやいさかい、いじめ等があった場合の職員の対応は信頼できますか

11.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか

はい 20名 (83%)
どちらともいえない 1名 (4%)
無回答・非該当 3名 (13%)

Q:職員はあなたの気持ちを大切にしながら接してくれていると思いますか

12.利用者のプライバシーは守られているか

はい 17名 (71%)
どちらともいえない 1名 (4%)
無回答・非該当 6名 (25%)

Q:あなたやご家族のプライバシーに関することについて、職員は他の人に知られないように気を配ってくれますか

13.サービス内容に関する職員の説明はわかりやすいか

はい 19名 (79%)
どちらともいえない 2名 (8%)
無回答・非該当 3名 (13%)

Q:あなたに対する介護や支援、サービスの内容に対する職員の説明はわかりやすいですか

14.利用者の不満や要望は対応されているか

はい 18名 (75%)
どちらともいえない 1名 (4%)
無回答・非該当 5名 (21%)

Q:事業所に対する不満や要望を伝えたとき、職員はきちんと対応してくれると思いますか

15.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか

はい 9名 (38%)
どちらともいえない 3名 (13%)
無回答・非該当 12名 (50%)

Q:事業所に対する苦情や要望があったときに、それを職員以外の外部の窓口(役所や第三者委員など)に相談できることを、職員はわかりやすく案内してくれましたか

組織マネジメント分析結果

◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合はで、実施できていない場合はで表しています。

【講評】
実践的な視点から法人・事業所の理念等に関する職員の理解を深め、浸透を図っている

毎年度策定する事業計画に法人・事業所の基本理念や方針、目標等を明示し、年度初めの職員会議で経営層が説明している。施設長は事業所内の会議や研修等の場で、職員が業務において判断に迷った場面等を捉え、実践的な視点から理念等に関する職員の理解を深める取り組みを重視している。また、法人・事業所の年度の重点目標に連なる形で職員一人一人がそれぞれの役割に応じた業務目標を持ち、その達成状況を管理する仕組みを運用する中で組織目標の浸透を図っている。職員の自己評価の結果からは周知のレベルは高い水準にあることがうかがえる。

法人の業務執行体制における経営層の役割と責任を明示し、職員に周知している

法人の業務執行体制として、職員、管理者、推進者の3階層の職責を業務分野別に明示するとともに、定常的な管理業務の責任者・担当者を定めた一覧表を年度の事業計画書に綴じ込み、職員に周知している。法人事務局を中心とする経営管理体制を構築する中で、経営層・管理職は社会福祉法人としての利用者満足の追求、家族支援・地域支援の拠点、職員の定着と安心の実現、経営体制の確立を引き続き事業計画の柱に据え、職員集団の先頭に立って計画の推進と課題の解決に取り組んでいる。

組織の意思決定を行う会議の体系を整え、重要な決定事項の関係者への周知に努めている

各部署の係長クラス以上の職員による月1回の定例会議で複合施設内の重要事項の決定を行い、各部署の会議で職員の意見集約や決定事項の周知を図っている。当事業所では、毎月の職員会議のほか、毎日の朝夕の申し送りや事務所内の掲示物等でも、職員に対する重要な決定事項の周知に努めている。また、利用者の生活に関係する重要な決定事項については、毎月発行の事業所の通信やその都度の通知等で検討の経緯等を利用者・家族に説明している。

1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
  • 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
  • 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
  • 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
  • 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  • 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
定められた事業計画の検討プロセスの中で、地域の福祉ニーズの把握に努めている

今年度は法人の直近の3か年事業計画の最終年にあたる。今後、進捗状況を踏まえた計画の見直しに向けた検討が期待される。拠点ごとに策定する単年度の事業計画については、各事業所における取り組みの振り返りから始まる検討プロセスが定められている。特別養護老人ホーム、養護老人ホーム及び地域包括支援センターを併設する高齢者複合施設として、社会資源の地域還元を使命に位置付け、地元自治会の役員や民生委員等から構成される拠点全体の運営協議会や地域包括支援センターから提供される情報を通じて地域の福祉ニーズの把握に努めている

職員間の情報共有の密度を高めることでサービスの質の維持・向上に取り組んでいる

当事業所は2棟の3階の建物が1階でつながった高齢者複合施設の中にある。一つのフロアに専用個室が10床あるほか、併設の特別養護老人ホームの空床分6ベッドを使用している。一体的にサービス提供している特養では、利用者の生活エリアが棟をまたいで3つのフロアに分かれている。動線の制約もあり、配置基準以上の人数を雇用しているものの、現場の負担感が解消されず、職員の不満要因となっている。そうした中、ショートステイの担当者間及び特養職員とのチームワークと情報共有の密度を高めることでサービスの質の維持・向上に取り組んでいる。

複合施設全体の毎月の運営会議で各事業所における取り組みの進捗状況を確認している

複合施設全体の運営に関する事項の検討・決定機関である管理職層による毎月の会議で、各月及び四半期ごとの各事業所の運営や取り組み状況の報告と課題解決に向けた検討等が行われている。会議の中で月次試算表に基づく各事業所の財務状況の報告も行われている。法人では利用定員の充足率を社会資源の地域還元を図るバロメータと位置づけている。当事業所の定員10名に対する昨年度の利用実績は115%と前年度をやや下回った。地域包括支援センターとの連携による緊急対応にも力を入れつつ、新規利用の拡大に向けた取り組みが課題となっている。

1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
  • 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
  • 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
  • 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
  • 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
  • 事業所の経営状況を把握・検討している
  • 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
  • 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
  • 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
  • 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
  • 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
利用者に対する職員の日頃の対応を定期的に振り返る法人全体の取り組みを継続している

利用者に対する共感等を謳った法人理念に基づき、利用者に対する日頃の対応等について、所定のチェック項目に沿って職員一人ひとりが自己評価し、その結果を集約して改善につなげる取り組みを年2回実施している。今回実施した利用者調査では、職員の言葉使いや態度に関する項目に対して、肯定的な回答の割合が昨年度に引き続き9割以上に達している。職員による利用者への虐待リスクが高まる夜間帯については、夜勤者のうち1名が館内を巡視する体制を整え、虐待の予防と早期発見に努めている。

利用者の苦情や要望への対応に関する仕組みや姿勢を明示し、解決に取り組んでいる

事業所内に苦情解決の窓口と責任者を置いているほか、複合施設独自のオンブズパーソン制度を整えている。地域の民生委員や自治会の役員及び特養利用者の家族等6名の委員が交替で来所し、利用者から直接話を聞く機会を設けている。苦情解決の仕組みについては、利用契約時に文書をもとに説明されているものの、今回実施した利用者調査では、外部の相談窓口がわかりやすく説明されているとの回答は昨年同様、4割以下にとどまっている。しかし、他の項目の結果を見ると、不満や要望に関しては職員との関係の中で概ね解決されている様子が窺える。

1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
  • 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
  • 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
  • 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  • 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
  • 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  • 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
  • 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
  • ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
  • 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
  • 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
  • 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
事故等に関する現場からの報告を組織的に検証し、予防につなげる取り組みを進めている

サービス提供において利用者の健康や安全を脅かす事故や危険が生じた際に、現場の職員がその状況や考えられる原因等を所定の様式で報告し、複合施設全体でその内容を集約・分析して、再発防止につなげる仕組みを整えている。事業所では利用者の安全を確保するために職員の洞察力を高めることを目標に掲げており、そうした仕組みが職員の気づきとその共有をさらに推進する機能を果たすことが望まれる。また、事故に加えて、職員による不適切な言動についても、それに気づいた職員からの情報を迅速に収集し、虐待防止につなげることが期待される。

法人の基本指針に防災を掲げ、複合施設全体として災害対策の強化に取り組んでいる

法人の基本指針の一つに防災を掲げ、感染症や利用者の転倒等の事故と並んで、災害の発生を最も重要なリスクと位置づけている。法人の計画に沿って、想定条件等を変えながら複合施設全体の防災・防犯訓練を毎月実施している。また、大規模災害の発生に備え、被害の大きさ等に応じてサービス提供の範囲や体制、方法を検討し、対応の流れ等を計画にまとめているほか、災害時における要援護者の避難施設として水や食料の備蓄を行っている。住宅地の中にあって、敷地を厳重に囲っていないため、不審者の侵入に備えた防犯対策にも力を入れている。

利用者の個人情報の保護、運用に関する規定や仕組みを整え、関係者に周知している

利用者のプライバシーに深く関わる事業であるため、個人情報の保護に関する厳密な規定や仕組みを整えている。法人全体の新任職員研修において、利用者の個人情報保護を含む法令遵守の啓発を図っているほか、複合施設全体の係長以上の職員による会議で、年2回、個人情報保護の仕組みの運用状況を点検し、問題点の是正措置等を検討している。当事業所では多くの近隣住民がボランティアとして日常的に活動しているため、ボランティアが活動の中で知り得た入居者の個人情報を外部に漏らすことのないよう、オリエンテーションの際に担当者が説明している。

1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
  • 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
  • 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
  • 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
  • リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
  • 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
  • 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
  • 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
  • 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
  • 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
離職率の改善に向け、業務のスリム化・効率化に向けた取り組みの進展が期待される

職員育成計画において、階層ごとに求める人材像を明示し、職員に周知している。法人本部を中心とする採用活動により、今年度は4人の常勤職員を迎い入れたものの、離職率の改善は進んでおらず、現場からは人員の不足や配置の改善を訴える声が少なからず寄せられている。職員の負担感の軽減が引き続き課題となる中、介護現場におけるチーム内の協働を進めるとともに、職種間の連携の強化を図り、組織としての対応力の維持・向上に継続して取り組んでいる。経営層が目標に掲げる業務の効率化とスリム化に向けた具体的な取り組みの進展が期待される。

職員の意識や組織上の問題点を把握・分析したうえで課題解決につなげることが望まれる

上司との面接を通じて職員の意向を把握し、組織の目標に連なる形で一人ひとりの業務目標を設定したうえで定期的にその達成状況を確認し、成長につなげる仕組みを整えている。また、法人が定める職能要件に基づく人事考課を実施し、その結果を待遇に反映して、職員の意欲の向上を促している。今回の職員による自己評価では、職員のやる気向上の取り組み等に関して、リーダー層と一般職員との間に意識の乖離が見られるとともに、一般職員の見方も二分している。その原因と問題点を組織的に検討し、課題解決に向けた推進力を高めていくことが期待される。

法人や複合施設の研修のほか、テーマごとの研究会活動を通じて職員が知見を深めている

法人が実施する階層別の職員研修に加え、複合施設全体の職員研修を年間計画に沿って実施している。新任職員向けの研修のほか、感染症や事故・虐待防止、高齢者の権利擁護等、具体的なテーマを設定し、内部で講師を立てて互いに学びを深める中で全体の底上げを図っている。また、育成担当者のための研修にも取り組んでいる。さらに、年間計画に基づき、食事、排泄、入浴、移動のそれぞれのテーマで利用者の生活の質の向上を目指す研究活動を現場が中心になって展開しており、職員同士が知識や経験を共有しながら相互に高め合う場となっている。

1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
  • 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
  • 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
  • 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
  • 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
  • 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
  • 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  • 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
  • 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
  • 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
  • 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
  • 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
  • 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
  • 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
  • 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
  • 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)

【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

利用者が希望すれば併設の特別養護老人ホームや養護老人ホームの行事や各種のクラブ活動に参加して入居者と交流することも可能な環境ではあるものの、常にそうした活動があるわけではなく、タイミングが合わなければ参加することはできない。そのため、事業所ではアクティビティや個別ケアの充実を重点課題の一つに据え、ショートステイ担当職員が中心となって、利用者・家族の要望を把握しながら、その実現に努めてきた。しかし、昨年度の利用者調査の結果では、楽しみにしている行事や活動があるとの回答は約3割にとどまっており、改善の余地は大きいと言わざる得ない状況にあった。

【評語】
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行っていなかった(目標設定を行っていなかった場合を含む)
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させていない
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している

昨年同様、本体の特別養護老人ホームと合同のアクティビティや余暇活動、体操等の実施を重点目標の一つに掲げる中で、利用者調査の結果を見ると、楽しみにしている行事や活動があるとの回答は昨年よりさらに評価が下がって2割程度にとどまっている。一方、事業所での活動やリハビリの効果については利用者の満足度が昨年より上がっており、取り組みが進んでいる面も見受けられる。既存利用者の入院や入所の増加にともない、新規利用の獲得が課題となる中で、アクティビティの充実は利用率の維持・向上の観点からも重要なテーマとなっており、その実現に向けた組織的な検討と取り組みのさらなる進展が期待される。

2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)

【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

当事業所は2棟の3階の建物が1階でつながった高齢者複合施設の中にあり、利用者の生活エリアが棟をまたいで3つのフロアに分かれている。動線の制約もあり、配置基準以上の人数を雇用しているものの、現場の負担感が解消されず、職員の不満要因となっている。事業所では前年度の内容をほぼ踏襲した重点課題を事業計画に掲げ、常勤職員と非常勤職員の役割分担の整理を含む業務の効率化とスリム化、職員間のチームワークと情報共有の密度の向上を通じたサービスの質の維持・向上を目指す取り組みに注力している。事業所の重点課題に対する活動の年間工程表を作成し、毎月のリーダークラスの会議で進捗管理をおこなっている。しかし、現状では期中や期末時点での活動成果の評価が厳密には行われておらず、目標未達成であっても、その原因が特定されないまま、課題が次期に引き継がれることが多くなっている。

【評語】
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行っていなかった(目標設定を行っていなかった場合を含む)
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させていない
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している

職員間、フロア間の情報共有が思うように進まない中で、コミュニケーションの壁に風穴を開けるために職員の配置を変更するといった対策が講じられた。しかし、経営層を含め職員が状況の改善を実感するレベルには至っていない。経営層は人事考課制度を運用する中で、職員に対し、一人ひとりの取り組みの成果が目に見えるような形での目標設定を指導している。今後は組織の活動においても同様の観点で管理の精度を上げていくことが望まれる。また、職員の意識や組織上の問題点を把握、分析したうえで具体的な展望を示し、課題解決に向けた推進力をより一層高めていくことが期待される。

サービス分析結果

6. サービス分析のプロセス
【講評】
広報活動の充実に向けてホームページのリニューアル等でサービス情報を発信している

ホームページや季刊誌などで、施設の取り組みや提供サービスを紹介しており、各々に担当職員を決め、最新情報の配信に努めている。現段階では少数だが、IT携帯端末からの問い合わせメールもあるため、ホームページの掲載情報を見やすくするためにリニューアルしている。利用方法等の図表案内、利用者や職員の活動状況などの写真記事の切り替え表示、文字サイズの選択など、閲覧しやすい工夫をして施設生活がイメージできるように計っている。また、季刊誌やパンフレット等のダウンロード機能や日々のブログも活かし、サービス情報を発信している。

利用希望者等の情報入手につながる施設の多様な活動や取り組みがある

利用希望者等の在宅支援にあたる居宅支援事業所との協働関係を構築するほか、府中市の高齢者福祉課への情報提供などにより、公的な介護保険事業等のガイドブックやホームページで当施設、ならびに、サービス内容が紹介されている。地域の高齢者福祉の拠点施設として多様なサービスを提供するかたわら、地域交流活動にも積極的であり、介護福祉等の公開講座、交流スペースの提供やコミュニティカフェの開催など、地域の人々が施設や職員と身近に接する機会を多く設けて、気軽に提供サービスの情報を入手できる仕組みともしている。

随時、問い合わせや相談を受け付け、各々の事情等に即した対応に努めている

随時、生活相談員が利用希望者等の問い合わせに応じている。高齢者福祉の仕組みや対応する各サービス事業・名称等の一般的に馴染みの薄い用語が多いこともあり、当面の困りごと相談や介護等サービス内容への質問などは、相談者の事情等を十分に聞き取って考慮し、関連事業所へつないでいる。当該サービス利用を前提とした問い合わせ、見学については、パンフレット、入所申し込み案内、ならびに、必要書類等の手渡しや送付を行い、サービス現場の状況を確認したうえで、利用希望者等の要望に合わせた見学・面談等の日時を決め、実施している。

1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
  • 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  • 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  • 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  • 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
利用希望者宅を訪問し具体的な契約サービスの重要事項等を説明している

利用希望者を担当する居宅介護支援事業所・ケアマネジャーから毎月10日正午までに翌々月の希望日程の予約を受け付けている。空床があれば2カ月待たずに順次利用することもでき、申し込み月の15日までには日程決定の通知をしている。新規利用者については、予約決定後に自宅を訪問して、利用に際する契約事項やサービス内容などを重要事項説明書に具体的な別紙を設けて説明している。施設生活一日の流れ、利用料算定表による負担金やおやつ・日用品等の実費から一日の利用料を具体的に提示し、サービス利用時の基本的ルールを説明している。

サービス利用にともなう環境変化への負担軽減を図る取り組みがある

利用申し込みには、利用者の心身状態が把握できる医療的ケアや基本的な日常生活力、居宅介護支援計画書などの支援情報の提供が附随する。新規利用にあたっての自宅訪問時には、ケアマネジャーの資格を有する生活相談員が、得た情報を基にしたアセスメントシートを持参し、利用者、家族の意向を確認しながら家庭の生活様式なども把握して、受け入れ体制に活かしている。利用者の生活導線等を踏まえた居室内ベッドや備え付け家具などのレイアウト、趣味嗜好品等の私物受け付けなど、自宅の様子が感じられるように配慮して、ストレス緩和を図っている。

利用者の在宅生活を継続的に支援する情報を短期入所の経過記録として提供している

退所時には、居宅介護支援計画に即し、利用者や在宅介護にあたる家族の意向を踏まえた介護支援の経過記録を利用者、家族、および、居宅ケアマネジャーに渡している。昼夜の生活リズムに多少の問題を抱えた利用者が、集団の雰囲気に誘われて日中活動に参加し、改善傾向が見られたり、また、共有スペースの往来で移動距離・時間が増えた利用者や夜間帯の状況(入眠やトイレのタイミング等)など、入所前情報とは少し異なる様子等の特筆事項も記載した短期入所生活介護利用記録を提供し、利用者の安楽な生活環境等が維持継続できるように努めている。

1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
  • サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
  • サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
  • サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
  • サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  • 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
  • サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
  • サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
在宅時の支援情報を受けて訪問調査等を行い、利用者の状態把握に努めている

利用希望者を担当する居宅ケアマネジャーからのサービス利用申し込みの附帯事項として、在宅時の利用者支援情報が提供される。その情報から利用希望者の状態を確認し、必要時には受け入れ可能かどうかを看護、機能訓練等の専門職員と協議し決定している。利用前の支援調査として行う自宅訪問時にアセスメントシートを持参し、利用者、家族の意向を確認しながら、生活様式などの把握にあたっている。利用前書類等の提供情報や聞き取りで得た情報は、短期入所介護支援計画への反映等に向けた規定・手順によって管理、活用されている。

家庭での利用者生活を維持継続する支援に重点を置いた介護計画、実践に努めている

居宅介護支援計画を基に短期入所介護支援計画を立案し、利用者、家族の同意を得て実行している。居宅計画の長期、短期目標を軸に利用期間や目的に沿って入所中の目標を設定し、具体的な支援内容の検討、実践に努めている。介護、看護の支援、経過の状況を個々の短期入所生活介護利用記録に集約しており、職員相互に記入漏れがないように声かけなどをして、記載確認している。集団生活、活動の中の様子や状態変化等の特筆事項も注意深く詳細な記載に努め、必要時には、家族、居宅ケアマネジャーに連絡を入れて、支援内容の見直し、調整をしている。

利用者個々に適したサービス提供に向けたアセスメントや支援情報の周知に努めている

サービス利用の都度にアセスメント、短期入所介護支援計画を立案している。一方、継続性のある利用者のサービス担当者会議への参会、または、決議内容などの情報提供を機に、同様の見直しがされている。支援情報は、定例の会や各フロアミーティングなどで申し送りをし、書面の支援記録、電子システムデータで職員間の共有を図っている。また、電子システムの申し送りフォルダや申し送りノートも設けて、周知に努めている。リーダー職員等がPHS電話を携帯しているが、他者に聞かれることなく個別支援情報等をやり取りするのは難しい状況下にある。

1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
  • 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
  • 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  • アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の介護計画を作成している
  • 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
  • 計画を利用者にわかりやすく説明し、同意を得ている
  • 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  • 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
  • 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  • 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
  • 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
  • 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.介護計画に基づいて自立生活が営めるよう支援している
  • 介護計画に基づいて支援を行っている
  • 利用者の特性に応じて、コミュニケーションのとり方を工夫している
  • 利用者一人ひとりがその人らしく生活できるよう支援を行っている
  • 利用者の支援は家族や関係機関、関係職員が連携をとって行っている
【講評】
利用者及び家族の利用目的に沿った介護計画を作成し全職員で共有して支援している

初回の短期入所利用時は、事前に相談員が利用者宅を訪問しアセスメントの実施とともに利用者及び家族の利用目的の確認や希望の聞き取りをおこなっている。同時にサービス担当者会議を持ち、ケアマネージャー等との情報共有をおこなっている。短期入所生活介護計画書はアセスメントで得た利用者の状況と利用者及び家族の希望を入れて作成し、看護、調理、介護担当者に配布し、計画に沿ったサービス提供を実施している。アセスメントの見直しは年1回っている。

利用者が安心して過ごせるよう個別の状況に合わせた言葉かけをおこなっている

家族からの聞き取りやアセスメントにより得られた個別の状況に応じて、意思疎通の手段や気持ちの読み取り方に配慮している。難聴では補聴器の使用状況及び左右の聴力差の確認をし、言葉かけの工夫をしている。認知機能の低下でコミュニケーションが取りにくい場合は、実物や写真等を介して丁寧なやりとりを心がけている。視覚障害がある場合は、状況を説明する言葉かけを多くし、食事時は食器の配置がわかるように手を取り確認してもらうようにしている。個別の支援における注意事項はその都度日誌に記載し、統一した介護ができるようにしている。

利用者の特性に配慮した支援を心がけ生活習慣を大切にした対応をしている

家庭での生活を大切にした支援を心がけ、利用者の特性や嗜好に配慮した対応をしている。家庭で家事を行っている利用者には、手持ち無沙汰にならないよう、洗濯物やエプロンたたみ等の手伝いを依頼し、役割として意識が持てるようにしている。一方で、介助を好まない利用者には声かけや言葉遣いに配慮し、適切な距離感を持って支援している。喫煙及び飲酒習慣については、ライターの預かりや喫煙場所の指定、個室のみでの飲酒等、ルールを守ることで可能となっている。

2.栄養バランスを考慮したうえで、おいしい食事を出している
  • 利用者の状態に応じた食事提供や介助を行っている
  • 利用者の状態や嗜好に応じて献立を工夫している
  • 食事時間は利用者の希望に応じて、一定の時間内で延長やずらすことができる
  • 食事を楽しむ工夫をしている
【講評】
食事トレーの食札に顔写真と氏名を明記して間違いのない食事提供をおこなっている

アセスメントまたは前回利用時の状況表から食事状況を確認後食事伝票を作成し厨房に提出している。主食・副食の形態、禁食、水分の摂取方法、服薬について、生活介護利用記録の摂取状況の欄にも記載され、全職員が確認することができる。食事時は利用者の写真と氏名が書かれた食札が食事トレーに置かれ、間違いが起こらないようになっている。食堂では短期入所利用者専用の席を用意しているが、入所者の友人がいるなどの理由で席を移動することは自由にしている。食事介助が必要な利用者は、特養の利用者と同じテーブルで安全な介助を受けている。

季節感のある献立の提供と利用者の嗜好や禁食に対する代替食に応じている

献立は特養と同じであり、特養利用者を対象とした年1回の嗜好調査を反映したメニューが提供されている。季節の献立やお楽しみ昼食、行事食など宿泊期間のタイミングが合えば楽しむことができる。また、事前に把握した好き嫌いや禁食に応じて、魚を肉に代える等の代替食を提供している。各フロアに副菜が大皿で運ばれその場で取り分けをするため、利用者が見て量の加減など希望に応じることができている。栄養士は食事時間に食堂をラウンドして喫食の様子を観察し、利用者に声をかけて味やメニューについての意見などを聞いている。

高齢期の栄養摂取に重点を置き、目で楽しみ嗅覚・味覚で食欲を刺激する工夫をしている

体調や希望に合わせて食事時間の延長には臨機応変に対応している。急な通院で時間がかかっているなど連絡を受ければ2時間以内の時間延長をしている。栄養士や食事担当スタッフは、高齢期の栄養摂取は重要であると考え、食欲を刺激できる工夫をしている。フロアで炊くご飯の匂い、副菜を目で確かめてから刻みやペースト食にする、美味しく食べられるように味はしっかりとつけ満足してもらうことなどを実践している。また、少量でも栄養が十分取れるように個別の対応をおこなっている。

3.入浴の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている
  • 利用者の状態に応じた入浴方法や介助を行っている
  • 健康上の理由等で入浴できなかった利用者には代替方法をとっている
  • 入浴の誘導は利用者に負担がかからないように考慮し、行っている
  • 浴室や脱衣室は清潔で、快適な状態にしている
【講評】
最新式の浴槽を導入し、利用者の安全と快適性に配慮した入浴サービスを提供している

今年度新規浴槽を導入し、6種類の入浴形態で提供している。アセスメントで把握した個別の状況に応じて、個浴、介助浴、チェア浴、ストレッチャー浴等で対応している。新規浴槽は最新式の機能を持ち、介護職員が利用者を抱えない介護を可能にすることができ、事故や腰痛の予防につながっている。短期入所者の入浴回数は泊数により決められているが、健康状態によって入れなかった場合は翌日にするなどしている。入浴を目的に短期入所を申し込む利用者もいるため、希望に沿った柔軟な対応を心がけている。

身体への負担にならない入浴サービスを実施するため誘導に配慮している

入浴時の誘導は利用者の身体状況に応じて行い、居室から独歩で浴室まで移動した利用者でも、帰りは身体への負担を考慮して車椅子を利用するなどしている。入浴前には看護師がバイタルチェックを行い、入浴可能かどうか判断をしている。入浴不可の場合は清拭をおこなっている。脱衣時に利用者の身体を確認し、アザの有無や皮膚状態をチェックするようにしている。異常があった場合は看護師と相談員に報告し、一緒に確認した後に簡単な処置や家庭への連絡をおこなっている。

浴室や脱衣室の温度管理を適切に行い、掃除を徹底して衛生面の保持をおこなっている

脱衣室には床暖房を施し素足でも温かく感じられるようにしている。浴室及び脱衣室の室温は季節毎に一定の適温をエアコンで調整し、出入り時の急激な温度変化がないようにしている。浴室の清掃は午前の入浴時間が終わったところでシャワー掃除をし、午後の終了後は担当職員が清掃をおこなっている。定期的に専門業者による掃除を行い、衛生面に注意し清潔に保ち利用者が快適に過ごせるようにしている。また、入浴研究会では、安全で安心して入浴ができる環境整備を目的にして活動し、浴室や脱衣室の点検もおこなっている。

4.排泄の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている
  • 在宅で行っている排泄方法を踏まえ、利用者や家族と話し合ったうえで本人の状況に合った介助をしている
  • トイレ(ポータブルトイレを含む)は使いやすさや安全面を考慮し、それに応じた環境整備をしている
  • トイレ(ポータブルトイレを含む)は衛生面に配慮し、清潔にしている
【講評】
在宅での排泄方法と同じ支援を基本としながら状況に応じた対応ができるようにしている

アセスメントで把握した在宅での排泄方法をもとに介護計画書に記載し、職員間で共有して排泄支援をおこなっている。利用者及び家族の希望を踏まえ、おむつ交換やトイレ誘導の時間などを職員間で検討し対応している。在宅と同じ排泄介助を基本としているが、家庭と施設では違った一面がみられることもあり、断定はしないようにしながらも、誘導によりトイレでの排泄ができる等の助言はするようにしている。

居室のトイレの清掃および備品の補充は職員が行ない、安全で衛生的な環境にしている

居室はトイレ付きの個室であり、利用者専用のトイレとなっている。トイレは車椅子利用でも余裕のあるスペースで、移乗時の安全性に配慮し、手すり及び背当てが適切に設置されている。利用者の身体状況に合わせて補助具は適宜用意されている。定期的な清掃と備品等の補充は職員が行い、衛生的で不便のない環境整備をおこなっている。利用者の要請があった場合や職員が汚れに気づいた時は適宜清掃をしている。利用者の安全性を十分確保し、利用者が快適な生活ができるように努めている。

排泄委員会で職員がおむつの実体験を行い、利用者の立場に立った支援を再認識している

今年度、排泄研究会ではおむつ業者の協力を得て、実際に職員がおむつを体験し、その感想や意見を聞くアンケート調査をおこなった。利用者の立場に立って考えられるように実際におむつを使用し、感触、材質、フィット感などについて調査した。さらに、排尿後の不快感を実体験することで交換のタイミングの重要性を認識し、あらためて確認しあうことができた。利用者のトイレ誘導の要請や、おむつ交換、ナースコールに対する早めの対応をおこなう意識を向上させ、快適な過ごし方への支援につながる良い取り組みとなっている。

5.移動、整容の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている
  • 利用者の状態にあった移動方法を検討している
  • 服装や整容は利用者の好みを反映した支援を行っている
【講評】
在宅と同じ移動方法を基本としながら必要に応じて安全性を重視した支援をしている

自宅への訪問時のアセスメントで移動状況について記録し、在宅と同様の対応を基本としている。一方で、施設内での移動距離は自宅とは異なるため、入所後の様子の観察や利用者の希望に応じて安全性を考慮した支援をおこなっている。事業所の機能訓練士に利用者の歩行状態を見てもらい、手引きの具合や歩行器、シルバーカー、車椅子使用への助言をもらっている。自宅では車椅子を自走でおこなっている利用者でも、施設内の移動距離に応じて補助が必要となる場合もあり、職員が介助するようにしている。利用者台帳に実際の介助を付記し情報共有している。

利用者の利便性を考慮して貸し出し用衣類を用意している

短期入所利用中の着替えは貸し出し用衣類の用意があるため、持参荷物の軽量化や名前付けを省けるなどの理由から8割程度が利用しているとのことである。入所時の衣類は洗濯し、退所時に着用して帰宅できるようにしている。整容に関して、櫛やヘアブラシ、日常的に使用している化粧品や電気カミソリは持参してもらっている。T字型の剃刀については、ひげ剃り介助ができないため、自分で使える場合のみ持参可能にしている。月1回リフト付きの移動理美容バスが来所しており、障害の方や認知症の利用者が使いやすいため日程が合えば利用できる。

6.利用者の健康を維持するための支援を行っている
  • 入所時の健康チェックを行っており、状態に応じて必要な処置を講じている
  • 利用者の状態に応じた健康管理や支援をしている
  • 健康状態に関して、利用者の相談に応じ、必要に応じて利用者や家族、介護支援専門員等に説明をしている
  • 服薬管理は誤りがないようチェック体制の強化などしくみを整えている
  • 利用者の体調変化(発作等の急変を含む)に速やかに対応できる体制を整えている
【講評】
既往症等の健康状態は事前に把握し、入所時の再確認で状況に応じた対応をしている

入所時フェイスシートに既往症について記載され、看護師が身体状況、服薬、処置の状況等を確認している。入所の日は看護師がバイタルチェックし健康状態の再確認を行い、在宅でおこなっていた処置があれば継続するようにしている。入浴時は体温、血圧を計測し、入浴の可否を判断している。着替え時にけがや褥瘡を見つけた場合は看護師と相談員が一緒に確認し、持参の薬がない場合は一般的な軟膏塗布や処置を行い、ケアマネジャー及び家族に連絡している。

利用者が服用する多種類の薬の一包化を依頼し、誤薬の防止を図っている

服薬については事前に自己管理または施設管理なのかを確認し、施設管理の場合は看護師が入所時に預かり、不足が無いか確認している。また、自己管理の場合は薬の説明書コピーの持参を依頼し、服薬状況を確認することは怠らないようにしている。配薬は研修を受けた職員が行い、服薬マニュアルに沿って実施している。飲み忘れを防止するために事業所では利用者及び家族に朝、昼、夜ごとに数種類の薬をまとめる一包化を依頼している。可能な限りの依頼であり、家族の状況によっては事業所内で対応をしている。

看護師を中心に健康状態の把握をし、急変や体調不良時の連絡手順が決められている

利用者及び家族から健康状態について相談がある場合は看護師または相談員が受け、病院等の情報提供をおこなっている。必ずケアマネジャーに状況を報告し、情報共有をしている。看護師は食事時間にフロアを回り、利用者の表情や様子を見ながら栄養や喫食状況について観察し、補食が必要な場合は助言をしている。利用者の急変や体調不良時は、緊急マニュアルに沿って、看護師から相談員へ連絡後、家族に連絡をしている。家族状況に応じて事業所の車を出し、家族とともに通院同行する場合もある。夜間は、夜間責任者が家族に連絡している。

7.利用者の生活機能向上や健康増進を目的とした機能訓練サービスを工夫し実施している
  • 必要に応じて機能訓練の評価を行い、在宅生活においていかせるよう支援している
  • レクリエーションや趣味活動に機能訓練の要素を取り入れるなど、楽しんで機能訓練を行えるような工夫をしている
【講評】
機能訓練の要素を持った自立動作を促し在宅生活が続けられるよう支援している

短期入所の利用中は、在宅での生活が続けられるように利用者が日常的におこなっている家事や手伝いができるように支援している。事業所では日常生活での様々な自立動作を継続していくことを機能訓練と捉え、エプロンたたみ、衣類たたみや片付けの機会を提供している。また、新聞の折り込み広告を利用し薬袋入れを作る作業を、利用者数人が楽しく話しながらおこなっている場面もある。機能訓練の要素を持ちながら、役に立っていると感じることで嬉しい気持ちになり、社会性の維持にもつながっている。

ゲームや体操、音楽療法に参加することで楽しみながら機能訓練ができるようにしている

日中の余暇活動では職員が一緒に入り、カルタ取りや絵合わせ等、脳トレにつながるゲームを楽しんでいる。塗り絵は数冊常備され、自由に使うことができ、楽しみながら手先を動かす訓練や色使いを考えることにつながっている。特別養護老人ホームで週1回以上行われている健康体操に参加することも可能で、担当職員が介護予防に役立つ動作を説明しながら1時間かけて身体を動かす活動をおこなっている。月2回実施される外部講師による音楽療法の時間に参加し、懐メロを歌い、楽器活動を行うこともできている。

機能訓練指導員は様々な場面で利用者の身体動作を観察し必要に応じて助言している

機能訓練指導員は短期入所の利用者への訓練計画の策定はしないが、日常的に利用者の身体動作を観察し、必要に応じて助言をしている。食事の場面では食事姿勢を見て、嚥下がスムーズになるように車椅子のシートの調整をすることもある。事業所内のシルバーカーを使用する場合は、機能訓練士が利用者に合う物を選択して貸与している。また、部屋にこもりがちで動きの少ない利用者の拘縮が進まないためにクッションの形態を考えて提供するなど、専門的な目線で支援している。

8.施設で過ごす時間は楽しく快適で、利用者が自立的な生活を送ることができるような工夫(アクティビティ等)を行っている
  • 日常生活の中で楽しめる機会を設けている
  • 施設での生活は、他の利用者への迷惑や健康面に影響を及ぼさない範囲で、原則として自由である
  • 利用者が落ち着ける雰囲気づくりをしている
  • 居室や食堂などの共用スペースは汚れたら随時清掃を行う体制があり、安全性や快適性に留意している
【講評】
施設内の移動は自由で交流スペースでのお茶や食事ができるようにしている

事業所ではイベントが毎年多く企画されているため、短期入所のリピーターの利用者は日程に合わせて申し込みをしていることもある。時に調整が難しい場合もあるが、短期入所は家族はもとより、利用者本人のレスパイトでもあるため、希望に添えるように事業所は配慮している。利用中は事業所の外への外出以外は自由に施設内の移動が可能で、館内散歩や1階の交流スペースでの食事やお茶を飲んで過ごすなどができている。交流スペースで友人と会い一緒に食事をするケースもある。

全個室で個別の生活習慣を大切にした対応を行いリラックスできるよう環境整備している

短期入所は全10室が個室であり、特別養護老人ホームとフロア続きの奥に専用コーナーとして設けられている。コーナー中央に共有のリビングスペースがあり、ソファとテレビ、本棚が設置されている。利用者はソファでくつろぎ、新聞や読書など思い思いにすごしている。また、希望によってテレビを完備した個室を選ぶことができ、テレビ鑑賞を自由に楽しむこともできる。飲酒の習慣のある利用者は、他の利用者に配慮して自室内のみで飲酒可能となっている。喫煙はタバコを入所時に預かり、1本ずつ渡し指定された喫煙所で吸ってもらっている。

共有スペースや居室は業者または職員が清掃し快適に過ごせるように努めている

利用者が使う食堂や共有スペースの床は業者が定期的に清掃を行い、清潔に保っている。個室は職員が出入りのたびにトイレなどを確認し、汚れている場合はその都度掃除をしている。6日に1度リネン交換を行い、利用者が快適に過ごせるように努めている。快適な個室生活であるため部屋にこもりがちになる利用者もおり、適度に声かけを行い他の利用者や職員との交流を促しているが、主体性を重視して、柔軟な対応をするように心がけている。

9.施設と家族との交流・連携を図っている
  • 家族などの面会等は可能な限り希望に応じている
  • 利用中の状況を家族や介護支援専門員に報告し、必要に応じてアドバイスをするなど在宅生活の支援をしている
【講評】
面会は基本的に自由にできるが、個別の状況に応じて対応をしている

短期入所者はリピーターが多く、職員は家族とも面識がありスムーズなやりとりができている。利用中、家族の面会は自由で都合に合わせて来所することが可能となっている。来所時は、来訪カードに氏名等を記入し、来館時間、退館時間を記入してもらうようにしている。利用者の安全を確保するため、必要に応じて家族の面会を制限する場合は、地域包括支援センターやケアマネジャーと協議しながら慎重に対応している。家族との面会によって利用者の帰宅願望が強くなり、「逆効果になる」場合の面会の制限については、人権擁護の観点から再検討が望まれる。

退所時は家族やケアマネジャーに短期介護利用記録を渡し、情報共有している

退所時は、利用中の様子を詳細に記録した短期介護利用記録を家族に渡している。同時にケアマネジャーにも報告し、状況把握によって在宅支援に生かせるようにしている。記録は時系列で、排泄時間、入浴、食事状況、服薬状況、特記事項が記載され、欄外にも実施した内容が書き加えられるなど、利用者への支援が細かく書かれている。利用中の様子も具体的に書かれ、家族に利用者の過ごし方を伝えることで安心できるように努めている。

職員は利用者を介護する家族にも目を配り、必要に応じて支援ができるようにしている

短期入所利用者は毎年3人前後が事業所内の特別養護老人ホームに入所となるケースが多く、短期入所をすることで利用者の様子を事前によく知り、特養への入所後の支援がスムーズになっている。また、職員は短期入所時に家族とのやりとりを何度かする中で、介護をしている家族の様子の変化にも気づくことがあり、高齢家族を地域包括につなげることができたケースもあった。事業所では、関わる職員全員が家族支援の目線を持ち、小さな変化や細かいことに気づくように努めている。

10.地域との連携のもとに利用者の生活の幅を広げるための取り組みを行っている
  • 地域の情報を収集し、利用者の状況に応じて提供している
  • 利用者が職員以外の人と交流できる機会を確保している
【講評】
在宅の利用者が地域の一員として生活できるように情報提供に努めている

短期入所の利用者へ向けての情報提供は、必要に応じて地域包括との連携でおこなっている。個別の家族状況が違うため、情報の提供に配慮が必要になる。独居の利用者には居住地域や包括でのイベントや興味関心に沿ったサークル活動などの紹介を行ない、地域交流の機会が得られるようにしている。認知症カフェや介護をしている家族の集まりなど他市では実施されているが、事業所では把握していないため、今後は情報収集に努め、関係機関を後押しするなどの行動ができると家族支援につながると思われる。

事業所内の地域交流スペースで地域住民やボランティアと交流できている

事業所には特別養護老人ホームと養護老人ホームが併設されているため、イベント等を通して利用者同士の交流ができている。施設1階の地域に開放した交流スペースでは、地域のサークル活動のグループや、住民が集い、常時ボランティアが喫茶や食事の手伝いをしている。利用者は自由に出かけて行くことができ、地域住民やボランティアと交流している。また、特養には各種レクリエーションやクラブ活動の講師が外部から来所しており、短期入所の利用者も一緒に楽しむことができている。

【講評】
個人情報の保護方針や規程により適正に利用者情報が運用されている

利用者、家族を支援する福祉サービスにおいては、私的な事柄に関与する必要も大きいため、法人、また、事業所として個人情報保護についての厳密な規定がある。利用者、家族の意図しない取り扱いを抑制し、適正に管理、活用するための保護方針や管理規程を定めて順守している。利用者、家族へは、利用契約の重要事項として、使用目的を明確に書面提示した別紙を設けて説明を行い、同意を得ている。同意内容については、いつでも変更等ができる旨の記載もあり、同意内容に沿って、必要時には、利用者、家族の意向を確認して運用している。

利用者の権利、プライバシーに配慮した適切な対応に取り組んでいる

個人情報の提供同意には、広報活動等における利用者生活、活動等の写真、記事の使用も含んでおり、プライバシーに配慮しながら掲載への意向を確認し行っている。居室は個室対応であり、他者の目に触れることなく排泄や更衣などの介助を受けることができる。入浴を含め、職員は一行為ごとに同意確認の声かけをし、利用者の生活リズムや体調に合わせた介助に努めている。意思疎通が難しい場合は、家庭での方法に即し、表情や動作などで思いを汲み取っている。また、パソコン、携帯電話、自室での飲酒も受け付け、思い思いに過ごせる居室環境としている。

利用者が慣れ親しんだ習慣などを継続し安定して過ごせるように配慮している

帰宅願望が強く、施設生活での落ち着き、また、食事、睡眠などが十分にとれない様子がうかがわれる際、職員は気分転換に利用者をお茶に誘って、ゆっくりと話しを聞いたり、他利用者との仲を取り持って、動揺が治まるように配慮している。食事、ティータイム、整容等で、代替メニュー、嗜好の飲料品、シャンプー等香料入りの日用品などを可能な限り利用者の好みに合わせて用意し、施設での一日・生活の流れなどに馴染んでもらえるよう取り組んでいる。大切な水分補給も兼ねる飲料品は、嗜好的な飲物等の担当職員を決め、不足のないように管理している。

1.利用者のプライバシー保護を徹底している
  • 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
  • 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い、利用者のプライベートな空間への出入り等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
  • 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
  • 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
  • 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
提供サービスに関する方針や実施事項などの基本的ルールなどがマニュアル化されている

サービスの円滑な提供、質の維持・向上を図るために様々な基準、手順書を設けている。運営規定を基に、利用者の人権擁護、多種の専門業務、事故防止や緊急時の対応などのマニュアルが、各フロアの職員詰め所にファイル化して設置してある。当該業務では、利用契約から退所に至るまでの手順・記録等、日中・夜間のタイムスケジュールや実施事項、介助時の留意・注意点などの必須事項を整理してマニュアル化している。サービスの見直し、改善に向けての会議体系や組織力・介護等のチーム力に重点を置いた事業計画に照らして、見直し、改訂がされている。

職員個々に手引・基準書を配布し、共通認識を培うための意識付けが行われている

全職員に配布の年度事業計画書には、施設職員としての心得、マナーが明文化されている。利用者接遇、業務や会議等参会、記録・提出物の記載方法など、基本事項が簡潔に分類されている。年度当初の全体会では、施設長から励まし、ねぎらいの言葉とともに訓話での意識付けも行われている。支援態度、接遇については、利用者の生活空間や様々な介助場面でのモラル的マナー等を「自分ならどう感じるか」の立ち位置で書面化した手引きも全職員に配布し、職員個々の振り返りツールとして、また、相互に助言・注意し合える基準書として活用されている。

職員や利用者家族の意見・提案を取り入れて提供サービスの充足を図っている

わずかな時間も刈り取って、職員相互に意見・提案がしやすいチームミーティングを設けている。その成果として、複合施設全体として取り組む健康体操を本体の特養職員と協働して当該利用者にも適用し、絵合わせやカルタなどを楽しめる活動も提供している。一方、施設事業としてプロジェクトチームを立ち上げ、入浴設備の改善を具現化し、他方では、併設の地域密着型サービスでの運営推進会議における家族の意見「温水シャワー付きトイレの清掃方法」を清掃管理のマニュアルに取り入れ、施設全利用者のより良い生活環境へとつないでいる。

1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
  • 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  • 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
  • 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている

事業者のコメント

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評価情報

【評価機関名】

合同会社 フェアリンク

【評価実施期間】

2018年8月1日~2019年3月8日

【評価者修了者No】

H0201050,H0302040,H0502040

評価結果のダウンロード

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