評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1)ご入居者個々の心身の特性を踏まえ、生活居住空間そのものである「住みやすさ」「暮らしやすさ」を前提とした
『家庭』としての役割を果たし、生活再編と生活自立意欲の向上を目指す
2)個別性を重視した目標設定を行うとともに、常にご入居者と語らいながら意思及び人格を尊重した援助を行うことで、認知症症状の進行緩和に努め、身体的・精神的に安定したゆとりある生活を目指す
3)ご入居者を中心とし、ご家族・施設職員間・地域社会が相互に理解し、支え合うことを目指す
職員に求めている人材像や役割
介護に関する知識や技術のほか、ご入居者やそのご家族・職員・医師・地域の方々と接する仕事なので、コミュニケーション能力が必要と考えている。
「報告・連絡・相談」「受容・傾聴・共感」が出来る人。
協調性があり、チームケアが適している人。
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
ご入居者の生活の質を高めていけるよう支援に努めること。
現存能力を活かし、ご入居者ができる限り自立した生活を送れるよう支援に努めること。
全体の評価講評
特によいと思う点
事前のヒアリングやお試し入居時のアセスメントなどを通じて、入居直後から、認知症対応型共同生活介護計画に沿った支援を提供するとともに、入居後も生活の様子を細かく観察・記録している。稼働中のプラン、個人の経過記録をそれぞれまとめてファイルし、日々のカンファレンスで、入居者の心身状況や生活状況を共有している。これらの取り組みの結果、入居者の不安やストレスの軽減につながっている。入居者の生活習慣や嗜好を尊重し、「和」の雰囲気を感じる明るく落ち着いた中で、家事作業・趣味活動・体操・外出などを楽しんでいる。
「生活再編と生活自立意欲の向上を目指す」との理念に基づき、入居者の心身状況の変化に応じて、洗濯物たたみ、テーブル拭き、茶わん洗いなど、有する能力を活かすことができる機会への参加を促している。食事は、主食と主菜と副菜、汁物やデザートがあり、栄養バランスに配慮している。訪問診療の際は介護職員も付き添い、入居者の日頃の様子(昼の様子、夜の様子、生活歴など)を伝えるとともに医師や専任看護師の指示(処置や内服等)を把握し、支援に反映している。
職員は、その日の入居者の心身状況を踏まえ、幅を持ったケアに努めている。言葉で意思を伝えることが困難な入居者には、職員が日々の支援の際の反応や言動から要望を把握するよう努めている。家族との会話、個別面談や運営推進会議の場などで、入居者や家族の希望や要望を把握している。その想いを尊重し可能な限り対応するとともに、検討に時間を要する事項については、検討状況を随時報告し検討期間中は暫定策を実施している。家族からは、「日々良くして頂き感謝している」「ベストな対応をして頂いている」と評価されている。
さらなる改善が望まれる点
施設開設後3年を経て、職員間の役割分担や業務手順、記録項目などの見直しを開始している。見直しにあたっては、施設開設の想いを再度職員間で共有するとともに、職員間での話し合いを通じて合意していることを確認しながら、支援の質を維持しつつ、職員の負荷軽減に繋げることが望まれる。
入居者の心身状況の変化に応じて、実施手順書、マニュアルを作成・改訂するとともに、作成した背景や改訂内容などをカンファレンスで伝達している。また、外部研修受講や職員間の役割分担の見直しも検討している。本部の部長や管理者は、施設が目指している支援について更に詳しく説明するとともに、実際の体験を通じて入職希望者の適性を把握した上で、採用の可否を判断している。全国的な人手不足の深刻化が影響しているものと考えるが、これらの取り組みを継続し、サービスレベルの維持と新入職員の定着に繋がることが期待される。
地域に根ざした施設を目指し、近隣保育園との交流を継続しつつ、地域住民が集う学習教室で認知症に関する講師を努めたり、介護保険事業者連絡会との連携や他グループホームとの交流を行なっている。また、認知症サポーター養成講座受講後のフォローアップ実習を受け入れる施設として登録するなど地域との交流の幅を広げている。今後も、地域との交流を推進し、高齢者や介護を担う家族など地域の方々から、認知症ケアの一翼を担う存在として認識されるとともに、その期待に応えていくことが期待される。
事業者が特に力を入れている取り組み
家庭的な古民家風の建物の中で、ご入居者個々に対し、常にお声に耳を傾けると共に、ご家族からもご意見や、ご入居者の生活歴等をお聞きした上で、細やかなアセスメントを実施し、日々のカンファレンスで協議を行なうことで、ご本人の望む生活を実現するためのケアプランを立案。そのケアプランに基づき、職員全員が統一した個別ケアが提供できるよう努めている。
平均在所日数が長くなっていく中で、医療面や身体機能面にケアが必要な方が増えてきたため、ご家族へ状態をお伝えし、医療やケアのご希望を伺った上で、往診時に同席し、主治医に相談・指示を仰いだり、法人内のリハビリ専門職に相談することで、ご希望に沿った、入居者に必要な医療や投薬、生活の中でのリハビリが行えるよう努めている
地域に根ざした施設を目指し、近隣の保育園との交流を継続しつつ、地域住民が集う学習教室で、講師を担ったり、実際にかたりざを見学していただくことでグループホームについて知っていただく協力をしたり、認知症サポーター養成講座受講後のフォローアップ実習の受け入れ施設として登録する等、地域の認知症啓蒙活動の一助が担えるよう取り組み始めている
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:入居者は18名(男性1名、女性17名)平均年齢87.9歳、平均要介護度(2,7)、平均入居期間2年2か月である。調査対象者は管理者と相談して、入居者全員の家族とした。
- 調査方法:アンケート方式,場面観察方式
家族アンケートは施設から入居者家族へ返信用封筒とアンケート用紙を配布した。回答用紙は無記名とし評価機関に直接郵送する方法とした。 - 有効回答者数/利用者家族総数:10/18(回答率 55.6% )
当施設は国立市にあって、周囲に田園のある静かな住宅地であり、広い敷地に古民家風の平屋建てである。入居者総数は18名で2ユニットである。アンケート結果では、施設に対する総合的評価が「大変満足」40%「満足」50%「どちらともいえない」10%である。満足以上が90%であり入居者の満足度が高いと言える。「職員の皆さんが親身になってお世話してくれるので大変ありがたい」「介護計画の作成など家族と緊密に連携してくれる」「本当に日々良くして頂いて感謝している」などのコメントがあり落ち着いた生活の様子が伺える。評価項目別では、「家族への情報提供」「整理整頓」「職員の接遇・態度は適切か」「病気やケガの対応」「利用者の気持ちを尊重している」「プライバシーが守られている」「個別の計画作成時に状況や要望を聞かれている」「サービス内容の職員の説明」の項目で全員が「はい」と回答している。また、「利用者の不満や要望への対応」の項目でも「はい」の回答が90%である。「外部の苦情窓口にも相談できることを伝えられているか」の質問では「はい」の回答が60%「どちらともいえない」40%である。
アンケート結果
1.家族への情報提供はあるか
「家族への情報提供はあるか」の質問では全員が「はい」の回答であった。
2.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか
「事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか」の質問では全員が「はい」の回答であった。
3.職員の接遇・態度は適切か
「職員の接遇・態度は適切か」の質問では全員が「はい」の回答であった。「職員の皆さんから親切に、温かく心のこもった対応をしていただいている」などのコメントがあった。
4.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
「病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか」の質問では、全員が「はい」の回答であった。
5.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
「利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか」の質問では、「はい」が80%「どちらともいえない」10%「無回答」10%であった。
6.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか
「利用者の気持ちを尊重した対応がされているか」の質問では、全員が「はい」の回答であった。
7.利用者のプライバシーは守られているか
「利用者のプラインバシーは守られているか」の質問では、全員が「はい」の回答であった。
8.個別の計画作成時に、利用者や家族の状況や要望を聞かれているか
「個別の計画作成時に、利用者や家族の状況や要望を聞かれているか」の質問では、全員が「はい」の回答であった。家族からは「介護計画の作成など緊密に連携してくれる」などのコメントがあった。
9.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
「サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか」の質問では、全員が「はい」の回答であった。
10.利用者の不満や要望は対応されているか
「利用者の不満や要望は対応されているか」の質問では、「はい」が90%「どちらともいえない」10%であった。「日々良くして頂き感謝している」「ベストな対応をして頂いている」などのコメントがあった。
11.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
「外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか」の質問では、「はい」が60%「どちらともいえない」40%であった。
調査時に観察したさまざまな場面の中で、調査の視点に基づいて評価機関が選定した場面
入居者が集まって、菊の花の貼り絵を始めたが、職員の語りかけに反応せずに無表情で座っている入居者がいた。職員が「菊の花には何色がある」「玄関に菊の花があるよ」と問いかけると、入居者は「黄色、紫、白もあるね」と答えていた。職員がその入居者の傍らで「この菊の花どこに貼りますか」「糊付け、ゆっくりで良いですよ」と声を掛けて作品作りを促すと、徐々に表情が和やかに変化して行った。職員が「この菊の花どこに貼りますか」「葉っぱどこに貼りますか」と声掛けを続けていると、仕上がる頃には、他の入居者と一緒に穏やかに笑っていた。
選定した場面から評価機関が読み取った利用者の気持ちの変化
入居者は、職員や他の入居者に関心を示していなかった。しかし、職員が入居者に声掛けし、自身のペースで菊の花の製作を始めるうちに、気持ちが和んできて、職員や他の入居者への興味が湧いてきた様子であった。作品が出来上がるにつれて、職員や他の入居者への関心が高まるとともに心が穏やかになり、笑顔になって会話を心から楽しむよう変化したことが伺えた。
サービス分析結果
【講評】
施設に関する情報をホームページやパンフレットを活用し提供している
施設の基本情報とともに、設備の様子や入居者の日常生活の様子をパンフレット、ホームページ、外部の介護施設紹介サイトなどに掲載し、施設での生活を具体的にイメージできるよう工夫している。また、近隣居宅介護支援事業所等に施設案内を配置している。外部の介護施設紹介サイトには、施設内外のパノラマ写真を掲示し施設の様子を具体的に把握できるよう工夫するとともに空き情報を随時更新している。病院のソ-シャルワ-カ-、近隣居宅介護支援事業所のケアマネジャーからも、随時問い合わせを受けている。
入居希望者や家族が、施設での生活をイメージしやすいよう対応している
入居希望者からの問い合せや見学の要望があった際には、個別に対応している。入居希望者や家族が、施設での生活をイメージしやすいよう、お試し入居を勧めている。お試し入居が難しい場合も実際の生活場面を見学していただいている。入居希望者に施設のサービス内容に関して説明するとともに、「昔の住み慣れた暮らしを思い出し入居者がひざとひざを突き合わせ寄り添いながら語れる場」にしたいとの願いを施設の名称に込めていることなどを伝えている。
運営推進会議などを通じて、行政担当者や関係者との情報交換を行なっている
運営推進会議に国立市の行政担当者や関係者の方々が出席し、職員が施設の状況を伝えている。運営推進会議に出席している民生委員から、サービス内容が具体的に把握でき、良さを感じることができるとの声が寄せられている。
1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
- 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
- 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
サービス開始時に書面を提示し、要点をわかりやすく説明し同意を得ている
サービス開始時に契約書、重要事項説明書を提示し、サービス内容や入居者負担金等要点をわかりやすく説明し、同意を得ている。入居後に制度改定により、利用料が変更になった場合にも、運営推進会議で資料に基づき説明するとともに、家族からの質問に回答している。
入居時から認知症対応型共同生活介護計画に沿った支援を提供し不安軽減に努めている
入居開始時に初回の認知症対応型共同生活介護計画を提示できるよう事前準備している。具体的には、お試し入居を利用する場合は、お試し入居期間内にニーズアセスメント、初回アセスメントを実施している。お試し入居を利用しない場合は、家族や入居者にヒアリングし、ニーズアセスメント、初回アセスメントを実施している。入居直後から、認知症対応型共同生活介護計画にそった支援を提供すると共に、入居者の生活の様子を細かく記録している。収集した情報を全職員で共有し、必要に応じて、計画を見直し、入居者の不安やストレスの軽減に努めている。
入居者の支援に関する情報を提供し、退去後も支援が継続されるよう努めている
入居者が退居する際には、退居先の医療機関や施設の担当者にアセスメント結果・認知症対応型共同生活介護計画、介護サマリー等の支援に関する情報などを提供している。入居者に関する情報を提供することにより、現在実施している支援が退居先で継続されるよう努めている。心身状況が変化し当施設で安全に生活することが困難になった場合は、複数の候補施設を提案している。
1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
- サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
- サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
- サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
- サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
定期的にアセスメントを実施し、認知症対応型共同生活介護計画に反映している
定期的にアセスメントを実施し、入居者の心身状況や生活状況を把握している。継続アセスメントシートは、入居者と家族の希望、身体の状況、食事や入浴など日常生活の状況、認知の状況などを記載している。アセスメント結果に基づき、入居者のニーズや課題を引き出し、認知症対応型共同生活介護計画に反映している。
入居者の状況をモニタリングし、認知症対応型共同生活介護計画を随時変更している
認知症対応型共同生活介護計画は、定期的にアセスメントを実施し、個々の入居者の状態を把握し、要望も踏まえて見直している。入居者の状態が変化した場合や、職員が計画の内容を修正する必要があることに気づいた場合にも迅速に対応している。稼働中のプラン、個人の経過記録をそれぞれまとめてファイルし、日々のカンファレンスで共有している。その結果、職員が変わっても入居者に対し同様の支援を行なうことが可能となっている。定期的(3ケ月毎)に入居者の状況を評価表に記録し、変化の把握に努めている。
役割分担や業務手順見直しを通じ、支援の質維持と職員負荷軽減に繋げることが望まれる
施設開設後3年を経て、職員間の役割分担や業務手順、記録項目などの見直しを開始している。見直しにあたっては、施設開設の想いを再度職員間で共有するとともに、職員間での話し合いを通じて合意していることを確認しながら、支援の質を維持しつつ、職員の負荷軽減に繋げることが望まれる。
1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
- 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の介護計画を作成している
- 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
- 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
- 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
- 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.認知症対応型共同生活介護計画に基づいて自立生活が営めるよう支援を行っている
- 個別の認知症対応型共同生活介護計画に基づいて支援を行っている
- 利用者一人ひとりがその人らしく生活できるよう支援を行っている
- 関係職員が連携をとって、支援を行っている
【講評】
個々の入居者の状況変化に応じて、認知症対応型共同生活介護計画を見直している
認知症対応型共同生活介護計画に沿った支援を行ない、経過記録に記載している。定期的に動作別のアセスメントを実施し、入居者個々の希望や有する能力を把握している。把握した情報に基づき、自立度を維持するための支援や声掛け、環境設定などについて計画に反映している。例えば、役割 (生きがい)を持つこと、字を書くことを続けたいとの要望がある入居者には、意向に基づきプランカンファレンスを行ない、役割となる家事作業や日記を書くこと等を計画に組み込み実践している。
「申し送りノート」「気づきノート」を活用し職員間で連携して支援を行なっている
職員は、入居者の心身状況や、依頼事項などを「申し送りノート」に記載することにより、職員間で連携して支援を行なっている。また、日々の支援を通じて、職員が気付いたことや提案事項を「気づきノート」に記載し、職員が確認後に押印している。例えば、食後に血圧測定し、その結果を血圧手帳に記載する習慣がある入居者の血圧手帳に空欄が多くなったことに気付いた職員がノートに記載すると、他の職員がバイタル測定器と手帳をセットで配置するなど連携して対応している。
カンファレンス等で情報共有し、入居者の心身状況を踏まえた支援に努めている
日々実施しているカンファレンスでは、個々の入居者の行動や状況を議事録に具体的に記載するとともに、職員が入居者の意思を尊重してどのような支援を行なったかを共有し、採用の有無を検討している。
2.利用者の状態に応じて、日常生活に必要なさまざまな作業等を利用者が主体的に行うことができるよう支援を行っている
- 食事に関する一連の作業等利用者の生活場面では、利用者の主体性と能力を活かして支援を行っている
- 利用者一人ひとりに応じた生活への参加ができるよう工夫をしている
- 利用者の心身の状況に応じて、生活するうえで必要な支援(食事や入浴、排泄等)を行っている
- 各種手続きや買い物等日常生活に必要な事柄について、利用者本人による実施が困難な場合に代行している
【講評】
日常生活の様々な場面で主体性が引き出せるようケア・声掛け・環境設定を行なっている
日常生活の様々な場面で主体性が引き出せるようなケア・声掛け・環境設定を行なっている。例えば、自立度の高い入居者は、ケアプランに家事作業を入れ、心身状況に応じて、テーブルを拭く、ランチョンマットを敷く、湯飲みを配るなど、入居者が相談しながら食事の準備をしている。食事後も、入居者が協力して、食器を洗い、拭いて片づけるまで、実施している。この間、職員は、常に見守り、「拭いてもらって良いですか」「ありがとうございます」などと声を掛けながら寄り添っている。
入居者の状況に応じた支援を通じて、関心を引き出すよう支援している
職員が入居者の幼少期の家族との出来事や住んでいた頃の出来事などを思い出ノートに記載し、支援に活用している。例えば、昔のことを思い出すことができる入居者には、カンファレンスに基づき、回想法を活用し、幼少期の出来事を話題としてコミュニケーションをとることにより、脳を活性化し、気分転換するよう支援している。ハサミを使うことが上手な入居者には、職員が見本を見せることにより、入居者自らハサミを使いだすよう促している。職員は「上手ですね」「とってもきれい」と声を掛け、入居者の意欲を引き出している。
職員は支援の反応や言動に基づき、入居者が納得するまで要望を把握するよう努めている
言葉で意思を伝えることが困難な入居者には、職員が日々の支援の際の反応や言動から入居者が納得するまで、要望を把握するよう努めている。日によって状態が異なる場合も想定し、幅を持ったケアをしている。例えば、入居者が職員へ問いかけた際には、職員は入居者の目線の高さまで屈み、背中に手をあてたり手を繋ぐなどしながら、話を聴いている。
3.利用者の健康を維持するための支援を行っている
- 利用者の心身の状況に応じた健康管理を行っている
- 日常生活の中で、利用者一人ひとりの状態に応じて身体を動かす取り組みを工夫している
- 服薬管理は誤りがないようチェック体制の強化などしくみを整えている
- 利用者の体調変化時(発作等の急変を含む)に、医療機関等と速やかに連絡できる体制を整えている
【講評】
日常生活への参加、栄養バランス、診察時の情報交換など多面的に健康管理に努めている
家事作業・趣味活動・体操・外出など、個々の入居者の心身状況や希望に応じて、身体を動かす機会を設けるよう努めている。職員は、入居者の心身状況に応じて、洗濯物たたみ、茶わん洗いなどを依頼している。食事は、主食と主菜と副菜など栄養バランスに配慮している。訪問診療の際は介護職員も付き添い、入居者の様子(昼の様子、夜の様子、生活歴など)を伝えるとともに医師や専任看護師の指示を把握し、支援に反映している。血圧測定時にじっと座っていられない入居者には、興味のある話等をして、落ち着いて計測できるよう配慮している。
日々の健康管理・服薬管理とともに、変化時には専任看護師や主治医へ相談している
入居者の日々の状況は、健康チェック表、経過記録等に記載している。薬袋は、薬局にて錠数を印字し、入居者個々に区分けされたケースを用意して時間帯ごとにセットしている。服薬介助後も確認印を押すことにより誤薬・怠薬防止に努めている。薬ノートの記載は、新規処方、処方量の増減、休薬に応じてペンの色を変えている。薬カードを作成し、誤薬防止に努めている。入居者の心身状況が変化した場合には、専任看護師や協力医療機関の医師に報告し助言を得ている。
個々の入居者の心身状況や希望に合わせ、日常生活の中で体を動かす機会を設けている
日常生活の中で、家事活動・レクリエーション・外出・体操など、個々の入居者の心身状況や希望に合わせて体を動かす機会を設けるよう努めている。例えば、立位時や平行移動等の際に、力を発揮できるための工夫として、手すりのレバーを入居者が掴む位置にテープを貼って目印としている。
4.共同生活が楽しく快適になるよう工夫している
- 利用者がお互いに関わり合いながら楽しく生活することができるよう支援を行っている
- 事業所での生活は、他の利用者への迷惑や健康面に影響を及ぼさない範囲で、利用者の意思が尊重されている
- 居室や食堂などの共用スペースは、利用者の安全性や快適性に配慮したものとなっている
【講評】
入居者同士の会話や一緒に楽しく活動できる機会を設けるよう努めている
お茶・食事の時間、体操・レクリエーション等の時間には、パブリックスペースを活用し、入居者同士の会話や一緒に楽しく活動できる機会を設けるよう努めている。また、定期的に誕生日会や季節の食事パーティー、おやつ作りなどを企画し、入居者が役割分担して、皆で楽しく活動できたり、1つのものを作り上げることができるよう働きかけている。また、気の合う入居者と一緒に外出する機会を設け、喫茶、ショッピング、散歩などに出かけている。
個々の入居者の生活ペースや趣味・嗜好を尊重して支援に努めている
個々の入居者の生活ペースや趣味・嗜好を尊重して支援に努めている。家族に入居前の生活ペースを確認し、入居者の状態を踏まえ共同生活に支障のない範囲で就寝時間や入浴回数を決定している。また、気の合う入居者同士で、ショッピングや散歩などの外出の機会を設けるよう努めている。
施設支援の特徴を活かし「住みやすさ」「暮らしやすさ」と安全性の両立に努めている
「入居者個々の心身の特性を踏まえ、生活居住空間そのものである「住みやすさ」「暮らしやすさ」 を前提とした『家庭』としての役割を果たし、「生活再編と生活自立意欲の向上を目指す」との理念に基づいた施設設備を活かし支援している。アクシデント・インシデント発生時は、カンファレンスの場で状況把握・要因分析を行ない、再発防止・予防対策をアクシデントレポートに明記し、施設全体で情報を共有し対策に努めている。
5.事業所と家族等との交流・連携を図っている
- 家族や利用者の意向を考慮して、家族等が参加できる事業所の行事を実施している
- 利用者の日常の様子を定期的に家族に知らせている
- 家族等が事業所等に対し、意見や要望を表せる機会を設け、それらを活かした支援を行っている
- 重度化した場合や終末期に備え、あらかじめ本人や家族等と話し合い、事業所でできることを説明しながら、方針を共有している
【講評】
家族に入居者の様子を伝えるとともに、要望・期待の把握に努めている
職員は、入居者の様子を面会時に家族に口頭で伝えるとともに、日々の生活の様子を写真に撮り、毎月の「かたりざ便り」に掲載している。また、ユニット内にも掲示している。運営推進会議では、「入居者の状況」「活動実績・今後の予定」「出席者からの意見・要望の確認」などを行なっている。また、定期的に訪れる家族も多く、日常の会話を通じて入居者の心身状況に関する意見交換や要望・期待などを把握するよう努めている。家族からは、「日々良くして頂き感謝している」「ベストな対応をして頂いている」と評価されている。
意見や要望へは迅速に対応するとともに検討に時間を要する場合は暫定案を実施している
職員は、家族との会話、個別面談や運営推進会議の場などで、入居者や家族の希望や要望を把握している。その想いを尊重し可能な限り対応するとともに、検討に時間を要する事項については、検討状況を随時報告し検討期間中は暫定策を実施している。例えば、動物を飼って触合う機会を設けて欲しいとの要望に関しては、本部も交えメリットとリスクの両面から可否を検討している。検討と並行して、ドッグセラピーが訪問し触合う機会を設けている。運営推進会議で第三者評価の結果を報告するとともに、今後の対応を説明している。
入居者や家族と定期的にタ-ミナル面談を実施し、意向や要望の把握に努めている
入居時に「重度化した場合・終末期における対応に関する指針」に基づき施設で対応できることを説明している。また、定期的にターミナル面談を実施し、入居者や家族から今後の方向性や重度化した場合の対応などの意向や要望を確認している。把握した情報を健康管理及び終末期意向確認・面談記録にまとめ、意向を尊重するよう努めている。当施設で対応できることには限りあることを理解いただいたうえで、医師にも助言を仰いでいる。
6.利用者が地域で暮らし続けるため、地域と連携して支援を行っている
- 地域の情報等を収集し、利用者の状況に応じて提供している
- 利用者が地域のさまざまな資源を利用するための支援を行っている
- 利用者が地域とつながりながら暮らし続けられるよう、事業所が利用者と共に地域の一員として日常的に交流している
- 運営推進会議で話し合われた意見を活かして支援を行っている
- 区市町村や地域包括支援センターと日頃から連絡を取り、協力関係を築きながら支援を行っている
【講評】
地域との双方向の交流により、入居者が地域とつながりながら暮らせるよう支援している
職員は、入居者が地域とつながりながら暮らし続けられるよう、介護保険事業者連絡会への参加や市報を入手することにより、行事等の情報を収集し、地域との交流を開始している。例えば、近隣のお祭りの見物や神社への散歩、商店への買い物などに出かけたり、ドッグセラピー、音楽・ネイル・体操・将棋・生け花など地域の方々のボランティアも受け入れている。また、幼稚園が主催するバザーへ参加するとともに、幼稚園児が施設を訪れ敬老会を開催するなど双方向の交流となっている。
運営推進会議で収集した要望への対応を報告し、活動に反映するよう努めている
運営推進会議に、国立市健康福祉部の職員、民生委員、老人会会長などの方々が参加しており、施設の状況を伝えるとともに、行政や地域社会からの意見や要望を把握している。また、家族間の相談内容や行政への要望からも把握するよう努めている。地域密着型の施設として、把握した意見や要望への対応状況を報告するとともに、施設の活動に反映するよう努めている。
地域の認知症啓蒙活動の一翼を担う存在になるよう取り組み始めている
地域に根ざした施設を目指し、近隣保育園との交流を継続しつつ、地域住民の集う学習教室で認知症に関する講師を努めたり、介護事業連絡会との連携や他グループホームとの交流を行なっている。また、認知症サポーター養成講座受講後のフォローアップ実習を受け入れる施設として登録するなど、地域の認知症啓蒙活動の一翼を担う存在になるよう取り組み始めている。
【講評】
外部へ入居者に関する情報を提供する際は、事前に同意を得るよう努めている
入居時に「個人情報使用同意書」の内容を説明し、承諾を得ている。また、外部に個人情報を提供する必要が生じた場合には、その旨を説明し、承諾を得ている。施設の生活の様子をホームページに掲載する際には、入居者の顔が写らない写真を選んでいる。「かたりざ便り」に外部の苦情相談窓口を定期的に掲示し、周知に努めている。
職員にプライバシー保護、権利擁護などに関する研修を実施し、周知・実践に努めている
職員には、施設開設前に虐待防止に関する研修を実施している。以後も毎年定期的に内部研修を行い、統一した理解が深められるよう努めている。
入居者の価値観を把握し、入居者の意思を尊重した支援に努めている
家族から入居者の背景や生活歴、生活習慣等の情報をヒアリングするとともに、日常の入居者とのコミュニケーションから入居者の大切にしていることを把握し、入居者の意思を尊重した支援に努めている。例えば、起床時間や就寝時間、食事なども、可能な範囲で、個々の入居者の生活習慣や嗜好に合せられるよう努めている。また、集団での体操やレクリエーションへの参加は入居者が自由に選択でき、入居者の希望に合せ、入浴日や時間も変更している。
1.利用者のプライバシー保護を徹底している
- 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
- 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い、利用者のプライベートな空間への出入り等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
- 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
- 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
- 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
職員間の検討を踏まえて業務手順を見直し、支援の効果維持と負担軽減に努めている
職員ミーティングにおいて、業務内容・手順を見直す事で、支援の効果は維持したまま負担軽減に向け検討している。検討にあたっては、最初に現在使用している帳票、並びに、その他の情報共有策を見直し、情報共有の観点から必要性について、職員間で意見交換し、廃止や変更する対象を仮決定している。その後、実施結果について再度話し合い、最終判断することとしている。ユニット共通の事項については、管理者と一緒に協議している。
基本事項や手順等に沿って支援しているか確認するとともに、必要に応じて見直している
提供しているサービスが、定められた基本事項や手順等に沿っているかを自己点検にて確認している。併せて、法人本部が内部監査を受審し、法令の遵守状況を確認している。アクシデント発生時には、アクシデントレポートを作成し、状況を整理し対策を検討するとともに、対策の効果を確認している。アクシデントレポートは、施設全体で共有し再発防止に努めている。日々の業務で忘れてしまう可能性がある事項は、都度業務チェックリストに追加している。
現在の取り組みが、サービスレベルの維持と新入職員定着に繋がることを期待する
入居者の心身状況の変化に応じて、実施手順書、マニュアルを作成・改訂するとともに、作成した背景や改訂内容などをカンファレンスで伝達している。また、外部研修受講や職員間の役割分担の見直しも検討している。本部の部長や管理者は、施設が目指している支援について更に詳しく説明するとともに、実際の体験を通じて入職希望者の適性を把握した上で、採用の可否を判断している。全国的な人手不足の深刻化が影響しているものと考えるが、これらの取り組みを継続し、サービスレベルの維持と新入職員の定着に繋がることが期待される。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている
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「かたりざ」では、日常生活の中でご本人ができることや得意なことを把握し、少しでもご自分で行っていただけるようお手伝いする事で、自信を持って心地良く過ごしていただけることを心がけています。評価いただいた内容を今後も続け、ご入居されている皆様が、自分らしく自信を持って、心地良く過ごしていただける環境づくりや支援に努めてまいりたいと思います。