評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1)ご入居者個々の生活再編と生活自立意欲の向上を目指す
2)認知症症状の進行を抑制し、症状を緩和することで、身体的・精神的に安定したゆとりある生活を目指す
3)ご入居者を中心とし、家族・施設職員間・地域社会が相互に理解し、支え合う社会を目指す
4)ご入居者が昭島市の一員として生活し続けられるよう地域行事等に積極的に参加する
5)生まれ育った家、家族の待つ家において、健やかなる老いが実現できるよう自立生活復帰を目指す
職員に求めている人材像や役割
・思いやりのある人(ご入居者・ご家族・他スタッフに対しても、相手の立場に立って考え行動できる人)
・向上心のある人
・責任感のある人
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
・マニュアルを遵守しながらも、気づきを大切にできる
・責任をもって業務を遂行することができる
(気づきを提案できる、状況に応じた臨機応変な対応ができる)
全体の評価講評
特によいと思う点
入居希望者のお試し期間の様子や家族からのヒアリングに基づき初回アセスメントを実施し、入居開始時には初回ケアプランを提示している。入居後も、テーブルや座席の位置を配慮したり、行事や外出時の様子を観察している。入居者間の距離やかかわり方によって、双方の状況変化に基づき、都度カンファレンスを開催し、どのように対応していくかを検討している。検討結果に基づき実施した結果についても職員間で共有し、入居者の不安やストレスが軽減されて穏やかな暮らしに繋がっているかを確認して、その後の支援に反映している。
入居者が好きな事、関心のある事、自身ができることを会話や行動の中で把握している。把握した情報に基づき、「これができるならば、こうすればこのようなことができるのではないか」と常に可能性を追求し、カンファレンスの場や申し送りで検討している。職員間の話し合いに基づき、物の置く位置や表示方法などを工夫し入居者が自らの意思で生活しやすい環境づくりと、見守り・確認・声掛けなどに取り組んでいる。この結果、入居者の安全に細心の注意を払いつつ、意思を尊重し有する能力を最大限に引き出し、自立した生活が営める支援に繋がっている。
系列の施設が地元自治会と災害時応援協定を締結しており、当施設も同様の応援体制を有している。地域清掃や夏祭りの手伝いを通じて地域交流の幅が広がり、ホタル観賞会や地域ブロック運動会等の行事に参加している。園芸やゆかたの着付けなど、ボランティアとの交流にも努めている。さらに、「切手整理」のボランティア活動に毎月参加するとともに、社会福祉協議会が主催する「あきしまこどもまつり」へもブース出店するなど、地域行事を見学するだけでなく、地域の一員として暮らしていく場面作りに努めている。
さらなる改善が望まれる点
当施設は、マニュアルを遵守しながらも、気づきを大切にできる「幅のある支援」を強みとしている。職員の入れ替わりに伴い、職員の主体性と経験やノウハウに基づいて、業務分担を見直しており、現在、新たな業務分担に従い業務引継を実施中である。また、ケース担当を持ち始めた職員やこれから受け持つ職員に対し、計画の手順や日頃の経過記録の重要性について理解を深めるための教育に取り組んでいる。これらの取り組みが、職員が変わっても当施設がこれまで築いてきた支援のレベルを維持するとともに、より一層の向上に繋がることが期待される。
職員は、入居者との日常のコミュニケーションや関わりを通じて、入居者の生活状況、身体状況、精神状況などの細やかな変化や要望を察知し記録している。その情報を職員間で共有し、カンファレンスで課題と解決策を検討している。職員は、計画内容や個人記録活用策の理解を深めることにより、更なる支援の質の向上が可能と考えている。主任は、計画策定手順や経過記録の活用方法に関する教育、並びに、疑問点の解消に努めようとしている。これらの取り組みを通じて、個々の職員の理解が深まり、更に施設の支援の質向上に繋がることが期待される。
住み慣れた「あきしま」で暮らし続けるための取り組みとして、職員が認知症サポーター養成講座・介護者教室の講師を努めるとともに、介護者の会への参加、市内グループホームとの交流などを定期的に実施している。また、認知症支援連絡協議会、あきしま地域福祉ネットワークや(西部)地域連絡会の研修等にも参加している。今後も、入居者と職員の双方が地域との連携を推進することにより、「認知症について何でも聞ける場所」「活き活きと自分らしく過ごせる場所(自分や家族が入居したい施設)」として認識される存在となることが期待される。
事業者が特に力を入れている取り組み
ご入居前に「ニーズアセスメント」と「(初回)アセスメント」を実施、ご本人の生活歴や入居前の状況、ご要望も加味し、入居当日より介護計画に沿った個別ケアを提供している。日々モニタリングを行い、環境変化での混乱にも対応しながら、入居1カ月後、実際の生活を再アセスメントし、より具体的な介護計画を作成している。その後も、必要に応じてモニタリングを行いながらカンファレンスを開催、ご本人の目標達成に向け取り組み、3カ月サイクルでアセスメント・計画書作成・サービス提供・モニタリング・プラン評価のPDCAをまわしている。
職員が日々の健康管理や観察を行い、異常を発見した際は即時に専任看護師に相談し、専任看護師の助言を踏まえ主治医やご家族へ報告しており、即時に処置・対応方法・受診の指示等を受ける体制ができているため、健康を維持し、かつ安心してお過ごしいただけている。
ご入居者・職員共に積極的に地域の活動(地域行事・市主催の催し等)に参加したり、地域の認知症に対する啓蒙活動(認知症カフェ・認知症サポーター養成講座・社会福祉協議会の主催する介護者の会等)に協力する等、地域に根ざした施設作りに力を入れ、ご入居者が、愛するまち“あきしまのコミュニティーの一員”として暮らし続けられるよう支援を継続している。また、市内グループホーム合同の行事や、社会福祉協議会主催の行事を通して、施設間の連携も図れている。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:入居者は6名、平均年齢82.2歳、平均要介護度3、平均入居期間2年5か月である。調査対象者は主任と相談して、入居者4名の家族とした。
- 調査方法:アンケート方式,場面観察方式
家族アンケートは施設から入居者家族へ返信用封筒とアンケート用紙を配布した。回答用紙は無記名とし評価機関に直接郵送する方法とした。 - 有効回答者数/利用者家族総数:3/6(回答率 50.0% )
施設は昭島市の住宅地にあって、系列の老人保健施設がある。入居者総数は6名の1ユニットである。アンケート結果では施設に対する総合的評価が「大変満足」1名(33%)「満足」2名(67%)である。満足以上が100%であり入居者の満足度が高いと言える。「大変満足しています。先々のことにも良く話を聞いてくれて、いろいろ考えてアドバイスをしてもらっている」などのコメントがある。職員が親切でアットホームな様子が伺える。評価項目別では、「家族への情報提供」「整理整頓」「職員の接遇・態度は適切か」「病気やケガの対応」「利用者同士のトラブルへの対応」「利用者の気持ちを尊重した対応がされているか」「個別計画の作成時の関わり」「サービス計画の職員の説明」など多くの項目で全員が「はい」の回答(100%)である。「外部の苦情窓口にも相談できることを伝えられているか」の質問では「はい」の回答が65%である。
アンケート結果
1.家族への情報提供はあるか
「家族への情報提供はあるか」の質問では全員が「はい」の回答であった。「先々の事にも、良く話を聞いてくれ、いろいろ考えてアドバイスをしてもらっています」とのコメントがあった。
2.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか
「事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか」の質問では全員が「はい」の回答であった。
3.職員の接遇・態度は適切か
「職員の接遇・態度は適切か」の質問では全員が「はい」の回答であった。
4.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
「病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか」の質問では、全員が「はい」の回答であった。
5.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
「利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか」の質問では、全員が「はい」の回答であった。
6.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか
「利用者の気持ちを尊重した対応がされているか」の質問では、全員が「はい」の回答であった。
7.利用者のプライバシーは守られているか
「利用者のプラインバシーは守られているか」の質問では、「はい」が67%「無回答」33%であった。
8.個別の計画作成時に、利用者や家族の状況や要望を聞かれているか
「個別の計画作成時に、利用者や家族の状況や要望を聞かれているか」の質問では、全員が「はい」の回答であった。「介護計画の作成など家族とも緊密に相談に乗ってくれる」とのコメントがあった。
9.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
「サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか」の質問では、全員が「はい」の回答であった。
10.利用者の不満や要望は対応されているか
「利用者の不満や要望は対応されているか」の質問では、「はい」が67%「無回答」33%であった。
11.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
「外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか」の質問では、「はい」が67%「無回答」33%であった。
調査時に観察したさまざまな場面の中で、調査の視点に基づいて評価機関が選定した場面
食事の時間になったが、職員の声掛けにも反応せずに無表情で広告を見つめている入居者がいた。職員は、「今日のごはん何かな」と話しながら、居室に移動し入居者にエプロンを着けた。入居者に「サバの味噌煮ですよ。お昼ご飯食べましょう」「良い香りがしますね」などと声掛けし、手をつないで「よいしょ、よいしょ」と言って席に移動した。入居者は徐々に笑顔になり、他の入居者の様子を見ながら、食事をとり始めた。職員が入居者の傍らで声掛けしつつ、様子を見守っていた。入居者は、笑顔になり、自分のペースで最後まで食べきった。
選定した場面から評価機関が読み取った利用者の気持ちの変化
当初、入居者の表情からは、入居者の気持ちを読み取ることができなかった。職員の声掛けや、エプロン着用、食事の香りなどが入居者を刺激することにより、徐々に食事や職員に興味を覚えて来た様子であった。席に着き、目の前に並んだ食事を見ると、入居者は笑顔になるとともに、職員や他の入居者に関心を示している様子が伺えた。職員が傍らで、声掛けや見守りをすることにより、入居者は安心し、ゆっくりと自分のペースで食事を楽しんでいる様子が伺えた。食事の際には、他の入居者にも笑いかけるなど、入居者が、職員や他の入居者に興味を持つようになったことが伺えた。
サービス分析結果
【講評】
様々な情報伝達経路を通じて、入居希望者へ施設の情報を提供するよう努めている
ホームページや外部の介護施設検索サイトに空き情報、料金に関する情報やサービスの特色などを掲示したり、施設独自のリーフレットを配付している。お試し入居申請書には、入居料、入居期間、持ち物などを大きな字でわかりやすく記載している。また、東京都介護サービス情報公表制度の事業所の特色の記載内容や写真等の情報を毎年更新している。運営推進会議などを活用し、行政の福祉担当者・地域包括支援センタ-・地域の方々に施設の状況を提供している。昭島市の認知症支援連絡協議会や行政の高齢サービス係の職員の方々にも情報を提供している。
主任や職員は入居希望者からの問い合わせに迅速かつ適切に対応している
入居希望者からの問い合わせに対しては、主任や職員が対応し、迅速、かつ、適切に回答できるようにしている。要望に応じて「お試し入居」が可能であることを伝えている。問い合わせ内容、入居希望者の状況などを相談受付表に記載している。
見学の際は入居後の生活を具体的にイメージできるよう取り組んでいる
随時見学を受付け、個別対応している。見学時には、入居希望者や家族の方々が入居後の生活を具体的にイメ-ジできるよう、リビングの様子を見学したり、家族の了解を得た上で入居希望者が他の入居者と会話するなどの工夫をしている。また、「お試し入居」が出来る仕組みになっていることを伝えている。
1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
- 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
- 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
サービスの開始時は、入居希望者と家族が理解しやすいよう配慮した資料で説明している
新たな入居者には、施設の概要や職員体制、留意事項などを表形式でわかりやすく記載した重要事項説明書と入居契約書を用いて説明している。重要事項説明書には、上記に加え、協力医療機関名、苦情相談窓口、秘密保持及び個人情報保護に関する事項、負担金額などを項目毎に記載している。説明後には、入居者から確認のサインを得るよう努めている。また、入居中に介護保険改定に伴い料金が改定になった場合にも書面にて知らせ、入居者の家族から同意を得ている。
入居初日から個別ケア提供と入居後の迅速な対応により不安やストレス解消に努めている
お試し入居する際はお試し期間の様子、お試し入居しない際は家族や入居予定者からのヒアリングに基づき初回アセスメントを実施し、利用開始時には初回ケアプランを提示している。入居直後よりケアプランに則ったケアを提供すると共に、状況に基づきカンファレンスを実施し、不安やストレスの軽減に努めている。例えば、テーブルや座席の位置、外出時の様子など、距離や関わりによって新たな入居者と既存の入居者双方がどのように変化するかを職員間でカンファレンスを行い共有し、必要に応じて職員が仲介するなど迅速に対応している。
サービス終了時には、入居者や家族の意向を尊重するとともに支援の継続に努めている
施設で長く暮らせるために日頃から健康管理に努めているが、施設を変わる状況になった場合には、入居者と家族の意向を職員が十分把握した上で、入居者に適した環境(サービス)や家族の意向を踏まえた情報提供に努めている。また、退居時の状態を記したアセスメント表、介護計画書、介護サマリー等を転居先へ提供し、支援の継続に繋がるよう努めている。
1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
- サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
- サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
- サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
- サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
入居者に寄り添い日常の様子や心身状況を記録し、細やかな変化を把握している
入居者に寄り添い笑顔で語りかけ、目を見て話すことにより、日常生活(食事の様子や外出時の様子など)や生活状況、身体状況、精神状況、日常生活動作などの把握に努めている。「アセスメント表」「経過記録」「利用者健康管理基本情報」「健康ノート」「健康チェック表」「ナース連絡ノート」「往診ノート」などに記録した情報から入居者の細やかな変化を把握している。
定期的に評価するとともに、状態やニーズの変化に応じて随時計画を見直している
日常のコミュニケーションや関わりに対する入居者の様子や言葉から要望や希望を察知している。カンファレンスを通じて、ニーズや状態・課題を明確にしている。計画書見直し時期には、入居者や家族の意向・方向性などを再確認し、定期的にターミナル面談も実施している。計画は毎月実施状況や効果を確認し変更の要否を確認している。原則3ヶ月毎に見直しを行うが、期間中であっても、状態やニーズの変化があった場合には、アセスメントを実施し、アセスメント表にニーズと状態を明記するとともに介護計画表に課題を明記している。
個々の職員の理解を深める活動により、更なる支援の質向上に繋げることが期待される
職員は、入居者との日常のコミュニケーションや関わりを通じて、入居者の生活状況、身体状況、精神状況などの細やかな変化や要望を察知し記録している。その情報を職員間で共有し、カンファレンス等で課題と解決策を検討している。職員は、計画内容や個人記録活用策の理解を深めることにより、更なる支援の質の向上が可能と考えている。主任は、計画策定手順や経過記録の活用方法に関する教育、並びに、疑問点の解消に努めようとしている。これらの取り組みを通じて、個々の職員の理解が深まり、更なる施設の支援の質向上に繋げることが期待される。
1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
- 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の介護計画を作成している
- 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
- 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
- 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
- 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.認知症対応型共同生活介護計画に基づいて自立生活が営めるよう支援を行っている
- 個別の認知症対応型共同生活介護計画に基づいて支援を行っている
- 利用者一人ひとりがその人らしく生活できるよう支援を行っている
- 関係職員が連携をとって、支援を行っている
【講評】
入居者の様子を観察し、職員間で話し合い計画に沿った支援を具体化している
入居者への依頼と問いかけを通じ、意思を尊重し、その人らしく生活できるよう支援を行なっている。例えば、認知症対応型共同生活介護計画書において、コミュニケーションがとれる場面作りとなった入居者では、職員が、各入居者の湯飲みをある程度覚えることができることを観察し、「各入居者の名前を入れて会話することにより、他の入居用者にも良い影響を与えるのではないか」「名前プレートを各テーブルに置いてはどうか」「お茶を配る際にも入居者の名前を問いかけてみてはどうか」など、職員間で具体策を検討している。
動作別のアセスメントに基づき、ケアや環境設定などを工夫し自立度維持に努めている
入居者のアセスメント結果に基づき、自立度維持に向けた支援に努めている。例えば、ハサミを使用した作業が得意な入居者は、「切手整理のボランティア」に参加し、ハサミで使用済み切手を切っている。また、草取りや掃除の好きな入居者は、市役所の許可をとり、近隣の交差点の花壇清掃を実施している。交流の場では施設に関する質問を受けるなど、様々な機会を利用し、地域の方々との交流が生まれている。
個々の入居者の持っている能力に応じて、その人らしく生活できるよう支援している
入居者の持っている能力を最大限に引き出すように、入居者の生活習慣を尊重し、自立した生活が営めるよう努めるとともに、安全に細心の注意を払い支援している。例えば、入居者の心身状況について職員間でカンファレンスを実施し、包丁を使って料理したり、近隣への買い物や散歩など外出の機会を設けている。認知症対応型共同生活介護計画の説明の際、家族には、支援の目的と実施事項、並びに、安全確保に努めるものの発生する可能性がある怪我などのリスクについても事前に説明した上で同意を得ている。
2.利用者の状態に応じて、日常生活に必要なさまざまな作業等を利用者が主体的に行うことができるよう支援を行っている
- 食事に関する一連の作業等利用者の生活場面では、利用者の主体性と能力を活かして支援を行っている
- 利用者一人ひとりに応じた生活への参加ができるよう工夫をしている
- 利用者の心身の状況に応じて、生活するうえで必要な支援(食事や入浴、排泄等)を行っている
- 各種手続きや買い物等日常生活に必要な事柄について、利用者本人による実施が困難な場合に代行している
【講評】
施設内外で、入居者が楽しんで食事できるよう工夫して支援している
誕生会では、お寿司、焼き肉、チョコレートケーキなど当事者の好きな食べ物を楽しんでいる。入居者が海苔巻や天ぷらなどの好きな食べ物をリクエストしている。また、お正月にはおせち料理、七夕の際には星形の薄焼き卵・ちらし寿司・そうめん・七夕ゼリーなど、季節を感じながら食事を楽しめるよう工夫して支援している。飲食店での外食に加え、さくらんぼ狩り、いちご狩りなどの機会を設けている。
見守り・声掛け・環境設定を通じて、日常生活の中で主体性を引き出すよう努めている
入居者が好きな事、関心のある事、自分でできることを会話や行動の中で把握し、自らが取り掛かりやすい環境(物の置く位置や表示など)をつくり、見守り、確認・声掛けなど必要に応じた支援を実施している。また、良かった取り組みをカンファレンスで共有したり、主体性を引き出せそうな可能性を模索し、発見できるように常に努めている。例えば、野菜を炒めることが可能であった入居者に対して、そっと近くに調味料を置いてみた所、自身で塩コショウを振り、味付けすることが可能であった。
入居者の日々の状態を踏まえて意思の把握に努め、幅を持ったケアを実践している
一方的な押し付けにならないよう、日々の関わりやコミュニケーションを通じて、その人らしさの把握に努めている。その日の天気や入居者の状態に応じて入居者に声掛けし、意思を把握することにより、幅を持ったケアを実践している。具体的な意思表示が難しい入居者からも、主体的な意思を把握するよう努めている。例えば、表情やしぐさから心情を読み取ったり、ジェスチャーを交えて聞くなどしている。また、実際に目の前に置いて手を伸ばして選んでもらえるようにする等の工夫をしている。
3.利用者の健康を維持するための支援を行っている
- 利用者の心身の状況に応じた健康管理を行っている
- 日常生活の中で、利用者一人ひとりの状態に応じて身体を動かす取り組みを工夫している
- 服薬管理は誤りがないようチェック体制の強化などしくみを整えている
- 利用者の体調変化時(発作等の急変を含む)に、医療機関等と速やかに連絡できる体制を整えている
【講評】
職員・専任看護師・主治医が連携し、日頃の健康管理と異常発見時の対応に努めている
専任看護師が可能な限り訪問診療時に同席し、主治医に入居者の状況を伝えるとともに、診察結果を職員と共有している。主治医より指示された、処置・内服・対応等、継続して実施できるよう、健康チェック表や健康ノートを用い対応している。職員が日々の健康チェックや観察で異常を発見した際には即時に専任看護師、もしくは、各入居者の主治医に報告し、助言や指示を仰ぎ、必要に応じて受診している。緊急時や入居者急変時は系列の施設と連携する体制を整えている。
職員が薬に関する理解を深めたうえで、入居者の確実な服薬に向け取り組んでいる
確実に服薬することを重視し、一回分の薬を合包対応可能な薬局に変更した。服薬時には、入居者個々に区分けされたケースを用意し、確認表を見ながら時間帯ごとでセットし、部屋番号、名前や日付等を復唱しながら提供している。服薬を援助した職員が、健康チェック表の服薬確認欄に押印する事で、怠薬や誤薬を防いでいる。また、入居者の横に座り服薬を完了したことを確認している。「服薬管理手順書」においても、服薬の目的や薬が作用する仕組み、薬に関して注意を要する事項などを記載し、入居者の確実な服薬に向け取り組んでいる。
入居者の状況に応じて声掛けし、主体的に身体を動かすよう促している
入居者の状況に応じて声掛けし、主体的に身体を動かすよう促している。例えば、歩行が不安定な入居者には、拭き掃除の際は、家具につかまりながら行なえるように、職員がハンディモップをセットしている。立位が不安定な入居者に対しては、洗濯物を干したり、取り込む際は、職員が椅子をセットし、椅子に座って実施できるようにしている。気候や入居者の体調に応じて、全員外出や順番に外出するなど、極力、均等に外出の機会を持つことができるよう配慮している。
4.共同生活が楽しく快適になるよう工夫している
- 利用者がお互いに関わり合いながら楽しく生活することができるよう支援を行っている
- 事業所での生活は、他の利用者への迷惑や健康面に影響を及ぼさない範囲で、利用者の意思が尊重されている
- 居室や食堂などの共用スペースは、利用者の安全性や快適性に配慮したものとなっている
【講評】
天候や入居者の体調などを考慮し、施設内外で楽しく暮らせるよう支援している
天候や入居者の体調などを考慮し、入居者の趣味・嗜好を尊重して支援している。地域や市が主催する行事の一覧表を作成し、入居者に適した外出計画を立てている。行事(運動会・夏祭り・認知症カフェなど)への参加時や外出時に気付いたことを記録し、次回の改善として活かしている。また、外出が難しい時にはリビングを活用し歌会やペン字、貼り絵や壁飾りつくり等を実施している。作成した作品は、居室や共用スペースに掲示している。
入居者同士が楽しい時間を過ごせるよう関係性の構築に努めている
入居者の性格や生活してきた環境を尊重しつつ、入居者同士が馴染みの関係となり楽しい時間を過ごせるよう、関係性の構築のサポートに努めている。誕生会や季節の行事などを企画・実施したり、カフェやショッピング、散歩などにも出掛けている。入居者個々の生活ペースや趣味・嗜好を尊重し、食べたい物等を入居者同士で話し合う場面を設けたり、相性の合う入居者が一緒に外出した際には、ベンチに座り「昔住んでいた時の思い出」「年齢が近い事」を問いかけるなどしている。
職員が連携し入居者の意思を尊重し、支援している
職員が連携して入居者の意思を尊重し支援している。例えば、入浴を躊躇した入居者に、「お風呂に入る心の準備はできましたか」「さっぱりしますよ」と繰り返し問いかけ、入居者自らが入ってみたいと思うまで待っている。お風呂に入った入居者は「入って良かった」「ああ、気持ちいい」と心からくつろいでいる。
5.事業所と家族等との交流・連携を図っている
- 家族や利用者の意向を考慮して、家族等が参加できる事業所の行事を実施している
- 利用者の日常の様子を定期的に家族に知らせている
- 家族等が事業所等に対し、意見や要望を表せる機会を設け、それらを活かした支援を行っている
- 重度化した場合や終末期に備え、あらかじめ本人や家族等と話し合い、事業所でできることを説明しながら、方針を共有している
【講評】
家族との接点を設けて入居者の様子を伝え、家族との関係作りに努めている
「つつじの夢便り」を毎月発行し、誕生会の様子や外出時の様子など日々の活動風景を写真入りで分かりやすく伝えている。その他、新しい入居者・新入職員や地域行事のお知らせなども掲載している。「つつじの夢便り」は家族に郵送している。共用スペースに季節ごとの写真を掲示したり、面会時、電話連絡時や運営推進会議などの場でエピソードを交えて報告している。また、家族会や法人主催の一泊旅行に希望者が参加している。行動範囲や事柄など施設での生活にともなうリスクについても理解を得るよう関係作りに努めている。
家族への入居者の生活状況を連絡するとともに、家族の意向の把握に努めている
家族の面会時に「健康ノート」「往診ノート」などを活用し入居者の様子を伝えている。運営推進会議や家族会の場でも施設全体の状況を報告している。入居時に、”重度化した場合・終末期における対応に関する指針”を説明している。施設で生活することが困難な状況になった場合は、入居者の安全や生活の質を維持する観点から、生活の場の変更が必要になることに理解を得るよう努めている。その上で、平常時より終末期をどう過ごしたいかについて入居者と家族が話し合うことを勧め、定期的に意向の確認をしている。
入居者家族の思いや価値観を把握し、施設と家族との双方向の交流促進に努めている
入居者の家族が、子供・配偶者・甥など幅広くなり、各家族の思いや価値観が多様になっている。多様な思いや価値観に応えるため「入居者個々の意思の尊重」と「共同生活を進める上での入居者間の関係性つくり」「リスク回避」との両立など、相反する課題に対し、当施設の強みである家族との双方向の交流を促進し、職員と家族との思いの共有に繋げていきたいと考えている。
6.利用者が地域で暮らし続けるため、地域と連携して支援を行っている
- 地域の情報等を収集し、利用者の状況に応じて提供している
- 利用者が地域のさまざまな資源を利用するための支援を行っている
- 利用者が地域とつながりながら暮らし続けられるよう、事業所が利用者と共に地域の一員として日常的に交流している
- 運営推進会議で話し合われた意見を活かして支援を行っている
- 区市町村や地域包括支援センターと日頃から連絡を取り、協力関係を築きながら支援を行っている
【講評】
運営推進会議を定期的に開催し、施設の情報提供と地域の情報収集に努めている
2か月に1度会議形式で運営推進会議を開催し、家族や入居者の他、外部関係者(行政担当者、地域包括支援センターのケアマネジャーや保健師、自治会長等)の方々が参加している。入居者や職員の生活状況や行事の様子をスライドや写真を交えて伝えている。法人内の『学術研究発表会』の発表内容紹介、歯科医師による口腔ケアの説明、災害対策、認知症サポーター養成講座、市民フォーラム、認知症月間における活動等の情報も発信している。また、様々な意見や要望を把握したり、地域行事への参加の機会を得る場としても活用している。
地域行事を見学するとともに、主体的に参加できる催しを見つけ交流している
系列の施設が地元自治会と災害時応援協定を締結しており、当施設も同様の応援体制を有している。地域清掃や夏祭りの手伝いを通じて地域交流の幅が広がり、ホタル観賞会や地域ブロック運動会等の行事に参加している。園芸やゆかたの着付けなど、ボランティアとの交流にも努めている。さらに、「切手整理」のボランティア活動に毎月参加するとともに、社会福祉協議会が主催する「あきしまこどもまつり」へもブース出店するなど、地域行事を見学するとともに、主体的に参加できる催しを見つけ交流している。
「あきしま」で暮らし続けるための拠り所として認識される存在となることが期待される
住み慣れた「あきしま」で暮らし続けるための取り組みとして、職員が認知症サポーター養成講座・介護者教室の講師を努め、介護者の会への参加、市内グループホームとの交流(子どもまつり、コスモス会、クリスマス会等)も定期的に実施している。また、認知症支援連絡協議会、あきしま地域福祉ネットワークや(西部)地域連絡会の研修等にも参加している。今後とも地域との双方向の連携を推進し、「認知症について何でも聞ける場所」「活き活きと自分らしく過ごせる場所(自分や家族が入居したい施設)」として認識される存在となることが期待される。
【講評】
プライバシー保護の研修を実施し、外部への情報提供の際には事前に同意を得ている
プライバシー保護について、内部研修を実施するとともにテストを行い職員の理解度を確認している。入居者に関する情報を外部へ提供する場合の情報の取り扱いについて、入居時に説明し承諾を得ている。また、必要時には随時、提供する情報と提供目的を説明し、事前に承諾を得ている。「つつじの夢便り」などに写真を掲載する際にも入居者の家族から同意を得ている。
入居者の権利擁護や不適切なケア防止に多面的に取り組んでいる
日々のカンファレンスやミーティングの場を活用し、支援・業務についての振り返りや対策を検討することにより、権利擁護や不適切なケア防止の意識づけに努めている。また、外部研修に参加した職員が伝達講習を実施している。毎月職員が作成し入居者の家族に送付している「つつじの夢便り」の下段に当施設の連絡先に加え、「外部の苦情・相談窓口」として昭島市の保健福祉部介護福祉課の電話番号を記載している。また、万一、不適切なケアが発生した際には、本部の部長や職員が加わり、原因究明と再発防止に取り組む体制を有している。
入居者の羞恥心や生活状況に配慮し落ち着いて過ごせるよう努めている
入居者の羞恥心や生活状況に配慮し落ち着いて過ごせるよう努めている。例えば、扉に「入浴中」「空いてます」と書いたプレートを掲げることにより、他の入居者がトイレや浴室を利用していることがわかるようにしている。また、食事の際に食べこぼしがありエプロンを着用する必要がある入居者には、他の入居者に気づかれにくい形のエプロンを、居室で見えないように着用する等の配慮をしている。家族や外部からの見学がある際には、職員間で話し合い説明内容を統一することにより、入居者が落ち着いて暮らせるよう支援している。
1.利用者のプライバシー保護を徹底している
- 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
- 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い、利用者のプライベートな空間への出入り等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
- 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
- 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
- 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
日々のカンファレンスを軸として、サービス水準の維持を図っている
職員(新入職員、中堅職員、ベテラン)毎に個別に目標設定し、進捗状況表にて確認している。新入職員に対しては、施設の目指す姿の説明やマニュアルでの学習、入職後はチーム制やカンファレンス、OJT、研修など職員の経験に応じて必要な能力を育成する仕組みを有している。マニュアルの学習においては「何故このようなマニュアルになっているか」を伝え理解を深めるよう努めている。
当施設内外との双方向の情報交換を通じて、スキルアップに努め支援に活かしている
法人は学術研究発表会を開催し、グループ内の施設・事業所が研究内容を共有する場を設けている。また、全国老人保健施設大会やグループホーム大会など社外での発表にも力を入れている。平成29年度のグループホーム大会では、当施設から2件の発表をした。セミナーを通じて「運動」「栄養」「社会参加」が認知症と密接に関係していることを認識したり、他のグループホームの取り組みから自分達のケアや思いが正しい方向であることを確認している。施設内では、内部研修年間計画を策定し職員が持ち回りで講師を努めている。
業務分担の見直しや教育が、更なる支援レベルの向上に繋がることが期待される
当施設は、マニュアルを遵守しながらも、気づきを大切にできる「幅のある支援」を強みとしている。職員の入れ替わりに伴い、職員の主体性と経験やノウハウに基づいて、業務分担を見直しており、現在、新たな業務分担に従い業務引継を実施中である。また、ケース担当を持ち始めた職員やこれから受け持つ職員に対し、計画の手順や日頃の経過記録の重要性について理解を深めるための教育に取り組んでいる。これらの取り組みが、職員が変わっても当施設がこれまで築いてきた支援のレベルを維持するとともに、より一層の向上に繋がることが期待される。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている
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事業者のコメント
つつじの夢では、6名1ユニットという家庭的で落ち着いた雰囲気を活かし、ご入居者同士や職員、地域の方々と交流し馴染みの関係を築きながら、慣れ親しんだ活動を行うことで、できる限り主体的な生活を営み、認知症を呈していても自分らしく暮らし続けられるような援助を心がけています。ご家族とは、認知症対応型共同生活介護計画作成時はもとより、面会時などで直接お話ししたり、お電話で最近の様子をお伝えして、必要に応じてご相談やご提案をするなど連携を密にし、ご意見やご要望を介護計画や運営に反映するとともに、ご家族の思いにも寄り添えるよう努めています。
今回のアンケート結果や評価を踏まえ、今後も自らの行動を見直し、よりよいサービスを提供できるように鋭意努力してまいります。