評価結果

標準の評価

基本情報

【事業所名称】

東京視覚障害者生活支援センター

【サービス種別】

多機能型事業所

自立訓練(機能訓練)
就労移行支援

事業者の理念・方針・期待する職員像

事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)

1) 利用者の立場に立った支援
2) 自立の意味を常に問いながらの支援
3) 利用者の軸足を確認しながらの支援

職員に求めている人材像や役割

対人関係を重視し、単なる技術の指導者にならないことを大切にする。

職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

自立とは何かを常に意識し、ノーマライゼーションを具現化する。

全体の評価講評

特によいと思う点

就労移行支援と機能訓練(自立訓練)の2部門を有する多機能事業所であることから、数少ない視覚障害者支援の事業所として幅広く利用者を受け入れている。就労移行利用者は転職や復職を目指してパソコン技能の向上を目指したり、あん摩マッサージ等のスキルを高めたい利用者の支援にあたっている。利用者によってはADLに課題をもつことがあるため機能訓練部門での訓練も可能としている。また、機能訓練利用者は就労移行の利用者との関わりから就労意欲を高めるケースがあるなど、多機能型事業所であることを生かした利用者支援が行われている。

今年度から東京都の指定管理による運営から民間事業者としての運営になったが、経営環境の変化に対応するために以前より職員間で経営課題を共有し、その対策に努めてきた。その一つとして利用率の向上がある。例えば、利用者に人気のパソコンプログラムではマンツーマン訓練から一か所の訓練室で複数対応に変えたところ無駄が減り、通所日の増加につながった。また、多くの人に事業所の存在を知ってもらうためにデザインを一新した新たなパンフレットを作成したり、医療との交流を深めるなどの努力を重ね、着実に経営力を向上させている。

事業所では相談業務担当として臨床心理士の資格をもつ職員を充てており、心理職の配置は事業所の大きな特色となっている。相談業務担当としてケースワークの視点と心理職としてのメンタルケアの視点を併せ持つことで利用者への理解をより深めるとともに職員との連携を通して各訓練においても各利用者への理解と配慮に基づく支援の充実が図られている。特に事業所は中途障害者が多く、障害の受容に伴う葛藤に寄り添うとともにこれからの生活や就労、人間関係など利用者が抱えるさまざまな不安に対しての相談に応じて利用者をメンタル面で支えている。

さらなる改善が望まれる点

組織の基盤を整えるために、諸規程やマニュアルの整備に順次取り組んでおり、今年度は事故対応マニュアルや虐待防止規程等を整備している。今後は現在提供している支援業務をマニュアル化することで、将来職員の入れ替えがあってもスムーズに業務と利用者支援が行えるような仕組みづくりをしていきたいとしている。特に少人数の職員体制であるため、災害対応には具体的な手順の整備も必要であり、課題としている地域住民を交えた協議会設立に際しては、共助の実践に向けた体制づくりの検討が期待される。

今年度から民間施設としての運営が始まり、利用率の向上など経営の安定化に向けた取り組みを進めており、5年後には老朽化した建物の建替えが予定されている。中長期のビジョンについては事業の運営形態も含め構想はあるが、予算と関連付けた中長期計画の策定には至っていない。5年後の建替えに向け、今後はコンセプトの検討等も進められるが、上記各種規程やマニュアルの見直しと併せ、各種業務が重なり進行することが想定され、進行管理等を行う上でも各プロジェクトごとに目標と指標を定めた中長期計画の策定が望まれる。

職員数14人の組織であり、常勤職員の平均在職年数は16年と安定している。また各職員が視覚障害者支援のプロフェッショナルとしてそれぞれ専門をもち利用者支援にあたっていることから、今までは個別の育成計画等を作成する必要性はあまりなかった。しかし新人職員の採用もあり、今後は組織として個々の職員の育成計画を立てていくことが必要になると思われる。また、ベテラン職員に蓄積されている支援技量を組織に還元していくために、OJTの体系化や施設内研修計画の作成等が期待される。

事業者が特に力を入れている取り組み

従来から行政機関を対象とする見学会や視覚障害当事者に向けての訓練体験会を実施し、自治体への事業内容の広報に努めたり訓練体験会から新規利用に繋がるなどの成果がみられてきた。また、眼科医療機関との連携強化についても、医療機関への情報提供やPR、眼科医会に講師を派遣するなどで事業の周知に取り組んできている。昨年度からは区内の医科大学の眼科外来で定期的に補助用具の展示や相談をするほか、医大生の見学や視覚障害体験の受け入れも始めている。視覚障害者の自立した生活をサポートしたいとして広報活動に力を入れている。

就労を希望する機能訓練利用者の就労移行支援への円滑な移行を支援し、就労移行支援利用者が必要に応じて歩行訓練や日常生活訓練などの機能訓練の訓練に参加するなど、多機能事業所であることを生かして相互機能を活用した取り組みを進めている。。また、パソコン訓練などには自習教材の工夫や学習環境の整備などにより集団訓練を実施して、利用者の高いニーズに応える工夫をしており、各訓練についても従来の方法にとらわれず、よりよい方法を試行、検討するなど施設全体で民間移譲後のサービスの維持向上のための工夫と努力を重ねている。

鳥羽商船高等専門学校と共同研究を進めてきた「パソコンの操作訓練に関する遠隔学習システム」は実証実験等さまざまな改良を重ね、学習者の自宅での実証段階に入ってきている。遠隔地に居住する学習者に対してのオンラインでのリアルタイムな支援が可能となり、サービス提供の地域間格差の解消につながることが期待される。さらに同校とは面接独習システム、プレクストーク独習システムの構築に取り組み、国立障害者リハビリセンターと連携してのロービジョン支援員のための遠隔支援システムの構築など研究機関と連携して研究に取り組んでいる。

利用者調査結果

調査概要

  • 調査対象:登録利用者全員(事業所と協議の上、長期欠席及び調査日に利用開始一か月未満の利用者を除く)
  • 調査方法:アンケート方式  
    個別聞き取り調査及び自己記入
  • 有効回答者数/利用者総数:44/73(回答率 60.3% ) サービス毎の利用者総数
      利用者総数 共通評価項目による
    調査対象者数
    共通評価項目による
    調査の有効回答者数
    利用者総数に対する
    回答者割合
    自立訓練(機能訓練) 44人 44人 33人 75.0%
    就労移行支援 29人 19人 11人 37.9%

調査対象者63名中、44名から回答を得ることができた。満足度が高かった項目としては、「職員の接遇は適切ですか」「事業所内の設備は安心して使用できますか」「個人の気持ちは尊重されていますか」などがあげられる。また、機能訓練の独自項目である「ここでの活動は生活する上で役立っていますか」においても33名中32名が「はい」の回答であった。総合的な満足度では、21名が「大変満足」、18名が「満足」の回答であった。「自習形式なので伸ばしたいスキルや必要な勉強を自分のペースで行う事ができる」「視覚に対する支援だけでなく、メンタル面でも助かっている」「生活や仕事に必要な機器を紹介してくれて助かっている」「できることが格段に広がり、生活の幅が大きく広がった」などのコメントがあがっている。意見や要望としては、「企業の人事の方を招いて、セミナーみたいなものを開催してほしいです」「内気な方もいると思うので、ご意見箱のようなものを設置してほしいです」「カリキュラムによって空き時間ができてしまうので勿体ないと感じる」「この事業所の存在を、もっと広く多くの方に知らせてほしいです」などがあがっている。

アンケート結果

4~17は選択式の質問のため、該当項目のみ掲載しています。

1.利用者は困ったときに支援を受けているか

はい 39名 (89%)
どちらともいえない 4名 (9%)
無回答・非該当 1名 (2%)

困った時に支援を受けていると回答したのは39名であった。「いいえ」の回答はみられなかった。「通所ルート変更の際、サポートしてくれて助かりました」「個別の要望や相談に対しても、迅速かつ十分に対応して頂いております」「緊急な対応もしてくれました」などのコメントがあがっている。

2.事業所の設備は安心して使えるか

はい 42名 (95%)
どちらともいえない 2名 (5%)

42名が事業所の設備などは安心して使用できると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「慣れてきたので大丈夫です」「最初のオリエンテーションでいろいろと教えてくれました」などの回答が複数あった。「体育館へのアプローチの所が少し危ない」「危険な場所に利用者が入った時、音が出るようなシステムにしてはどうかと思う」などのコメントがあがっている。

3.利用者同士の交流など、仲間との関わりは楽しいか

はい 37名 (84%)
どちらともいえない 4名 (9%)
いいえ 1名 (2%)
無回答・非該当 2名 (5%)

37名が仲間との関わりは楽しいと回答している。「センターの雰囲気がよく、会話が楽しいです」との回答が複数あった。また、「とても良い情報交換の場となっている」との回答も複数あった。「情報交換が活発になって、世界が広がっている」「会話をすることで、自分が困っている部分が解消されていく」などがあがっている。

5.【自立訓練(機能訓練)】 
事業所での活動が生活する力の向上に役立っているか

はい 32名 (97%)
どちらともいえない 1名 (3%)

事業所での活動が生活する上で役立っていると回答したのは32名であった。「いいえ」の回答はみられなかった。「パソコン操作を再びできるようになった」との回答が複数あった。「家にいる時は不安が大きかったが、できることが増えて期待が持てる」「爪の切り方、ATMの使い方、白杖の使い方などとても役立っています」「情報が豊富です。生活しやすくなるための情報を頂いています」などのコメントがあがっている。

11.【就労移行支援】
事業所での活動が就労に向けた知識の習得や能力の向上に役立っているか

はい 10名 (91%)
どちらともいえない 1名 (9%)

事業所での活動が自身のスキルアップにつながっていると回答したのは10名であった。「いいえ」の回答はみられなかった。「お陰様でパソコンの資格が取れました」「各々の状況や理解度、目標に合わせて指導や助言をしてくれます」「適切な訓練であり、レベルアップできます」「まだ実際に会社面接など行っていないので、どのくらいの効果があるのかはわかりません」などのコメントがあがっている。

12.【就労移行支援】
職場見学・職場実習等の、事業所外での体験は充実しているか

はい 4名 (36%)
どちらともいえない 3名 (27%)
いいえ 1名 (9%)
無回答・非該当 3名 (27%)

職場見学や実習に関しては、4名が充実していると回答している。「まだ経験がありません」「経験がないのでわかりません」との回答があった。

13.【就労移行支援】
工賃等の支払いのしくみは、わかりやすく説明されているか

はい 4名 (36%)
どちらともいえない 1名 (9%)
いいえ 1名 (9%)
無回答・非該当 5名 (45%)

工賃の支払いの仕組みについては、4名がわかりやすいと回答している。特にコメントはあがっていない。

18.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか

はい 40名 (91%)
どちらともいえない 4名 (9%)

40名が事業所内の清潔は保たれていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「いつもきれいにされている。気になるところはありません」との回答が複数あった。「ごみの回収や毎日のお茶の用意、お掃除などありがたいです」「整理整頓されており、廊下には物を置かない」「空調設備の冷暖房をもう少し柔軟にしてほしい」などのコメントがあがっている。

19.職員の接遇・態度は適切か

はい 43名 (98%)
どちらともいえない 1名 (2%)

職員の接遇に関しては、43名が適切であると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「職員は利用者への励まし方が上手です」「皆さん優しく、教え方が上手です」「いつも褒めてくれます」などがあがっている。「皆さん丁寧です」との回答が複数あった。

20.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか

はい 35名 (80%)
どちらともいえない 2名 (5%)
無回答・非該当 7名 (16%)

緊急時の対応に関しては、35名が信頼できるとの回答であった。「いいえ」の回答はみられなかった。「経験はないが、大丈夫だと思う」との回答が複数あった。「医務室があり看護師もいるので大丈夫です」「具合が悪くなった時、生活のアドバイスをしてくれました」「体調により、訓練の時間をずらしてくれたたり、臨機応変に対応してくれる」などのコメントがあがっている。

21.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか

はい 16名 (36%)
どちらともいえない 6名 (14%)
いいえ 1名 (2%)
無回答・非該当 21名 (48%)

利用者同士のトラブルに関しては、16名が信頼できる対応であると回答している。「ケンカはありません」との回答が多かった。「適切な相談や対応だと思います」「秘密厳守の下で適切に対応してくれました」「職員の対応は信頼できます」などがあがっている。

22.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか

はい 42名 (95%)
どちらともいえない 2名 (5%)

42名が個人の気持ちは尊重されていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「よく話を聞いてくれます」との回答が複数あった。「自身の課題や要望に対し、適切に対応してくれる」「必要以上に踏み込むこともなく、距離感が心地よい」「強要されることは全くない」「温かく見守ってくれていると感じます」などがあがっている。

23.利用者のプライバシーは守られているか

はい 40名 (91%)
どちらともいえない 3名 (7%)
無回答・非該当 1名 (2%)

プライバシーに関しては、40名が守られていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「大丈夫です」「信頼できます」「気遣ってくれます」「個人の判断に任せています」などがある。

24.個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか

はい 41名 (93%)
どちらともいえない 2名 (5%)
いいえ 1名 (2%)

41名が支援計画作成時に本人の状況や要望を聞かれていると回答している。「3か月に1度の見直しが行われており、方向性が変わった時はその都度、相談します」「話を聞いてくれて計画を立て、様子を見ながら見直しもしてくれます」「最初訓練の計画に入れなかった項目でも、自身がやりたくなったので追加してもらいました」などのコメントがあがっている。

25.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか

はい 40名 (91%)
どちらともいえない 1名 (2%)
いいえ 2名 (5%)
無回答・非該当 1名 (2%)

サービス内容や計画に関する説明は、40名がわかりやすいと回答している。「就労に向けての面談が多くあります」「わからない時は自分から尋ねます」「わかりやすい説明です」「説明が少し不十分だった。後になって知ることもあり残念でした」などがあがっている。

26.利用者の不満や要望は対応されているか

はい 40名 (91%)
どちらともいえない 2名 (5%)
無回答・非該当 2名 (5%)

40名が不満や要望に関し対応されていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「気さくな方が多いので、相談しやすいです」「休んだ時の振り替えなど、柔軟に対応してくれます」「常に迅速かつ適切な対応です」などのコメントがあがっている。「不満や要望などは特にありません」との回答が複数あった。

27.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか

はい 33名 (75%)
どちらともいえない 2名 (5%)
いいえ 4名 (9%)
無回答・非該当 5名 (11%)

外部相談窓口に関しては、33名が知っていると回答している。「面談の時にいろいろと情報をもらっています」「視覚障害のサークルなども教えてもらいました」「契約時に説明を受けました」「ケアマネジャーに相談します」などのコメントがあがっている。

組織マネジメント分析結果

◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合はで、実施できていない場合はで表しています。

【講評】
今年度から民間施設としての運営が始まり、新ためて支援方針等の確認が行われている

東京都からの指定管理での運営を終え、今年度から民間施設としての運営が始まっている。事業所は、「機能訓練事業」および「就労移行支援事業」を通して、視覚障害者が地域で自立した生活を送ることができるよう支援しており、「利用者の立場に立った支援」、「自立の意味を常に問いながらの支援」、「利用者の軸足を確認しながらの支援」を支援の基本としている。これらの考え方は、各種会議の中で支援の基本として常に振り返りが行われており、組織に根付いたものとなっている。今後は、これらの考えを理念として明示することも一考の余地がある。

経営意識をもって事業所運営を行っていくことの重要性等が施設長より発信されている

民間施設への移行に伴い、職員に対しては経営意識をもって事業所運営を行っていくことの重要性等が施設長より発信されている。その一環として、まずは視覚障害をもつ多くの人に事業所の存在を知ってもらうためにデザインを一新した新たなパンフレットを1500部以上、各所に配布し、情報提供をしている。また、今後は高齢化も含めて幅広く利用者像を捉えていくことが必要との考えも打ち出しており、刷新したパンフレットと同様に、視覚障害者生活支援センターとして新たなブランディングを構築していくことが期待される。

今後は機能訓練課、就労支援課の決定権をより強化したいとしている

経営に関わる重要案件は管理職会議にて検討のうえ、最終的に法人理事長との協議により決定しており、決定事項については毎月の職員会議や毎日のミーティングを通して職員に伝達するとともに、各種打ち合わせの結果等は各職員にメールで伝えられている。また、機能訓練課、就労支援課、それぞれの課において会議を行い支援内容等の検討をしており、今後は各課の決定権についてより自立させていきたいとしている。一方、利用者に対しては機能訓練課は録音・再生器、就労支援課はパソコンメールにて決定事項等を伝えている。

1. 事業所が目指していること(理念、基本方針)を明確化・周知している
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を明示している
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
  • 重要な意思決定や判断に迷ったときに、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を思い起こすことができる取り組みを行っている(会議中に確認できるなど)
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
  • 経営層は、自らの役割と責任を職員に伝えている
  • 経営層は、自らの役割と責任に基づいて行動している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
  • 重要な案件を検討し、決定する手順があらかじめ決まっている
  • 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  • 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
関係性構築のため利用者とのコミュニケーションを大切にする事を職員間で確認している

「就業規則の服務規律」、「利用者権利擁護規程」、「虐待防止対応規程」等に、法人及び施設職員としての姿勢等が示されており、必要に応じてミーティング等で利用者対応や他施設での事例等を基に話し合いを行っている。一方で、視覚障害者への訓練を行う施設として、一般の虐待の定義とは一部異なる側面もあり、例えば、訓練として自分で考えることを求めるなど、多少付加を加えることもある。そのため利用者とのコミュニケーションを大切にすることを職員間で確認している。なお、各種規程については現在、見直しに向けた準備を進めている。

利用者ニーズが少なくなっている活動もありボランティアの考え方について整理を行った

事業所には以前より多くのボランティアが関わっており、編み物、茶道、社交ダンス、折り紙等、利用者のサークル活動を支えているが、朗読ボランティアなど利用者ニーズが少なくなっている活動もあり、ボランティアの考え方について整理を行った。基本的には機能訓練の利用者を中心にボランティアを活用することとし、区社協と連携して新たに運動ボランティアの導入を図っている。月1回、椅子とタオルを使った運動を行っており、利用者からの評判も良い。また、会議室を地域の団体に貸し出しており、事業所の透明性確保にもつながっている。

東京ロービジョンケアネットワークの基幹的施設としてネットワーク構築を図っている

東京ロービジョンケアネットワークの基幹的施設として、訓練、就労、用具、めがね、教育、当事者団体等、視覚障害に関わる関係機関等の連携強化を図っており、そのことが視覚障害者へのリハビリテーションの重要性への認知につながっている。また、医療機関との連携に積極的に関わることで、医療が視覚障害者に対し福祉的な取り組みを行うようになるなど、視覚障害者の生活への理解を深めている。その他、遠隔地の視覚障害者へのオンラインでの支援システムについて高等専門学校や国立障害者リハビリセンターと共同で研究を進めている。

1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知している
  • 福祉サービスに従事する者として、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などを明示している
  • 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などの理解が深まるように取り組んでいる
2. 第三者による評価の結果公表、情報開示などにより、地域社会に対し、透明性の高い組織となっている
  • 第三者による評価の結果公表、情報開示など外部の導入を図り、開かれた組織となるように取り組んでいる
  • 透明性を高めるために、地域の人の目にふれやすい方法(事業者便り・会報など)で地域社会に事業所に関する情報を開示している
1. 事業所の機能や福祉の専門性をいかした取り組みがある
  • 事業所の機能や専門性は、利用者に支障のない範囲で地域の人に還元している(施設・備品等の開放、個別相談など)
  • 地域の人や関係機関を対象に、事業所の機能や専門性をいかした企画・啓発活動(研修会の開催、講師派遣など)を行っている
2. ボランティア受け入れに関する基本姿勢を明確にし、体制を確立している
  • ボランティアの受け入れに対する基本姿勢を明示している
  • ボランティアの受け入れ体制を整備している(担当者の配置、手引き書の作成など)
  • ボランティアに利用者のプライバシーの尊重やその他の留意事項などを伝えている
3. 地域の関係機関との連携を図っている
  • 地域の関係機関のネットワーク(事業者連絡会など)に参画している
  • 地域ネットワーク内での共通課題について、協働して取り組めるような体制を整えている
【講評】
利用者調査結果からも第三者委員等への周知度が高いことがわかる

苦情解決制度については、サービス開始時に重要事項説明書に沿って口頭で説明するとともに、重要事項の内容をCD、テープ等に録音することで、利用者がいつでも確認できるようにしている。また第三者委員のポスターを利用者が休憩する2階ロビーに貼り出すなどして、その周知に努めている。利用者調査では75%の利用者が知っていると回答しており、「丁寧な説明を受けた」とのコメントが挙がっている。一方、第三者委員等、苦情解決システムに則り、苦情等が寄せられたことはなく、利用者とのコミュニケーションの中で解決を図っている。

毎年受審している第三者評価のアンケートを活用して利用者意向を把握している

利用者との面談は3ヶ月に1回、個別支援計画のモニタリングの際に実施するほか、利用者の状況によっては適宜、面談を行いながら状況を確認しており、面談の際、利用者の要望等を聞き取っている。また、その日の訓練が終了すると、利用者は日報をメールで担当職員に送付することになっていることから、要望等がある場合は、メールに記載するよう利用者に伝えられている。利用者の入退所が頻回のため、事業所としてアンケート調査等は実施していないが、毎年受審している第三者評価のアンケートを活用して把握している。

指定特定相談支援事業を開始しており、視覚障害者のニーズ把握につながっている

事業所では今年度から、指定特定相談支援事業を開始しており、利用者の相談に応じる中で地域に居住する視覚障害者が抱えている各種の課題や地域ニーズの把握につながっている。また、事業所が中心となり立ち上げた「区就労支援関係機関連絡会」には、他区の視覚障害以外の就労支援施設、機能訓練施設、相談支援事業所等10か所が参加しており、情報交換等を通して福祉ニーズを把握するとともに、年3回開催の区就労支援実務連絡会や年6回開催の視覚障害就労連絡会等への参加により、施策動向等把握し、新事業等の検討につなげている。

1. 利用者一人ひとりの意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応している(苦情解決制度を含む)
  • 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  • 利用者一人ひとりの意見・要望・苦情に対する解決に取り組んでいる
2. 利用者意向の集約・分析とサービス向上への活用に取り組んでいる
  • 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向を把握することに取り組んでいる
  • 事業者が把握している利用者の意向を取りまとめ、利用者から見たサービスの現状・問題を把握している
  • 利用者の意向をサービス向上につなげることに取り組んでいる
3. 地域・事業環境に関する情報を収集し、状況を把握・分析している
  • 地域の福祉ニーズの収集(地域での聞き取り、地域懇談会など)に取り組んでいる
  • 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)の収集に取り組んでいる
  • 事業所としての今後のあり方の参考になるように、地域の福祉ニーズや福祉事業全体の動向を整理・分析している
【講評】
機能訓練、就労支援各課において基本方針、目標を定め、事業推進を図る体制としている

機能訓練課における独自の基本方針として「利用者の生活を豊かなものにしていくため、様々な関係機関と連携しながら計画的に支援を行っていく」を掲げ、目標及び目標を実現するための具体的な取り組みを機能訓練課事業計画に明示するとともに、訓練ごとに目標を定め職員間で共有している。就労支援課では「創造・挑戦・そして連携」を今年度のテーマとして設定し、従来サービスの見直しなど、新たな発想でサービスや付加価値を創造することを明確にするなど、各課において基本方針、目標を定め、事業推進を図る体制としている。

今後のビジョンを予算と関連付けた中長期計画として作成することが求められる

今年度から民間施設としての運営が始まり、利用率の向上など経営の安定化に向けた取り組みを進めており、5年後には老朽化した建物の建替えが予定されている。中長期のビジョンについては事業の運営形態も含め構想はあるが、ビジョン実現のためには、まずは現在の事業運営の根幹を固めていくことが重要と考え、各種規程類やマニュアル等の見直しを図るとしている。また、同時にICT等による業務の効率化を進めるとしており、今後はこれらビジョンを予算と関連付けた中長期計画として作成することが求められる。

事故対応マニュアルを見直すとともに、新型インフルエンザ対策マニュアルを作成した

ひやりとした事象を確認するだけではなく何故そうなったのか、業務のあり方自体に課題があるのか等、ヒヤリハットの内容を基に話し合いを行っている。例えば、個人情報の取り扱いのヒヤリハットでは、利用者に出しているサポートメールのあり方について検討した結果、利用者自身が情報を取得できるように目標設定を変えることにつながった。また、今年度は事故対応マニュアルを見直しており、事故発生時の対応手順をフロー図で作成するなど事故報告先を明文化している。そのほか、新型インフルエンザ対策マニュアルを作成した。

1. 取り組み期間に応じた課題・計画を策定している
  • 理念・ビジョンの実現に向けた中・長期計画を策定している
  • 年度単位の計画を策定している
  • 短期の活動についても、計画的(担当者・スケジュールの設定など)に取り組んでいる
2. 多角的な視点から課題を把握し、計画を策定している
  • 課題の明確化、計画策定の時期や手順があらかじめ決まっている
  • 課題の明確化、計画の策定にあたり、現場の意向を反映できるようにしている
  • 計画は、サービスの現状(利用者意向、地域の福祉ニーズや事業環境など)を踏まえて策定している
  • 計画は、想定されるリスク(利用者への影響、職員への業務負担、必要経費の増大など)を踏まえて策定している
3. 着実な計画の実行に取り組んでいる
  • 計画推進の方法(体制、職員の役割や活動内容など)を明示している
  • 計画推進にあたり、より高い成果が得られるように事業所内外の先進事例・失敗事例を参考にするなどの取り組みを行っている
  • 計画推進にあたり、目指す目標と達成度合いを測る指標を明示している
  • 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
1. 利用者の安全の確保・向上に計画的に取り組んでいる
  • 利用者の安全の確保・向上を図るため、関係機関との連携や事業所内の役割分担を明示している
  • 事故、感染症、侵入、災害などの事例や情報を組織として収集し、予防対策を策定している
  • 事故、感染症、侵入、災害などの発生時でもサービス提供が継続できるよう、職員、利用者、関係機関などに具体的な活動内容が伝わっている
  • 事故、感染症、侵入などの被害が発生したときは、要因を分析し、再発防止に取り組んでいる
【講評】
職員のアイデアを否定せず、やりたいを応援する働き安い職場となっている

常勤、非常勤合わせて14人の組織であり、常勤職員の平均在職年数は16年と安定した組織となっている。一方、自立訓練では定員25人・現員44人、就労移行支援では定員15人・現員29人であり、少ない職員数で如何に利用者一人ひとりに応じた支援を行うことが出来るか常に検討を重ねている。例えば、利用者から希望が多いパソコンプログラムでは、職員のアイデアを活かし以前は分かれていた部屋を一つの部屋とすることで、担当以外の利用者への指導が可能になった。職員のアイデアを否定せず、やりたいを応援する働き安い職場となっている。

個々の職員の目標等を基にした研修計画の作成につなげていくことに期待したい

適材適所の職員配置とするために、臨床心理士や視能訓練士といった資格をもった人を中心に採用を行っており、実際に利用者支援を行う中で支援スキルを高めるとともに、ADL訓練、点字などのな内部研修、東社協の階層別研修、国立リハビリテーションセンター等の外部研修への参加を通して職員の支援力向上を図っている。施設長と職員との個人面談は年1回実施しており、個々の希望や課題を把握しているが、今後は個々の職員の目標等を基にした研修計画の作成につなげていくことに期待したい。

働き続けることが出来る環境とすることで個々の職員の支援スキルを高めている

法人として人事考課の導入は考えていないこともあり、勤務年数が10年を超えると主任になる仕組みとしている。人数も限られており、評価システムは事業所のスタイルに向かないとの判断である。働き続けることが出来る環境とすることで個々の職員の支援スキルを高め、同時に利用者満足度を高めており、利用者調査における職員への信頼度は非常に高いものとなっている。また、2年の育休制度があり、子育てをしながら働き続けることが可能な環境をつくっている。一方で、職員のメンタルヘルスへの取り組みは課題としている。

1. 事業所にとって必要な人材構成にしている
  • 事業所の人事制度に関する方針(人材像、職員育成・評価の考え方)を明示している
  • 事業所が必要とする人材を踏まえた採用を行っている
  • 適材適所の人員配置に取り組んでいる
2. 職員の質の向上に取り組んでいる
  • 職員一人ひとりの能力向上に関する希望を把握している
  • 事業所の人材育成計画と職員一人ひとりの意向に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  • 個人別の育成(研修)計画は、職員の技術水準、知識、専門資格の習得(取得)などの視点を入れて策定している
  • 職員一人ひとりの個人別の育成(研修)計画に基づいて、必要な支援をしている
  • 職員の研修成果を確認し(研修時・研修直後・研修数ヶ月後など)、研修が本人の育成に役立ったかを確認している
1. 職員一人ひとりの主体的な判断・行動と組織としての学びに取り組んでいる
  • 職員の判断で実施可能な範囲と、それを超えた場合の対応方法を明示している
  • 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに学ぶことに取り組んでいる
  • 職員一人ひとりの研修成果を、レポートや発表等で共有化に取り組んでいる
2. 職員のやる気向上に取り組んでいる
  • 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価・報酬(賃金、昇進・昇格、賞賛など)が連動した人材マネジメントを行っている
  • 就業状況(勤務時間や休暇取得、疲労・ストレスなど)を把握し、改善に取り組んでいる
  • 職員の意識を把握し、やる気と働きがいの向上に取り組んでいる
  • 福利厚生制度の充実に取り組んでいる
1. 事業所が蓄積している経営に関する情報の保護・共有に取り組んでいる

【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

【評語】
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