評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
(社会福祉法人かがやき会 基本理念)
心を病む人が地域で暮らし続けるために必要とする支援を活用しながら、多様な人との出会いを通して経験を分かち合い、障害のある人が自分らしく暮らせる地域づくりを共に目指している。
(事業所運営方針)
・一人ひとりが生活の中に働くことを位置づけ、地域生活を構築していくのを支える。
・地域住民との自然な交流を通して、相互理解を図る。
・利用者が必要な支援を主体的に活用できるよう、地域資源の開拓と連携を高める。
・利用者相互が支えあう場と機会を提供し、相互学習を支える。
・就労支援を通して把握できたことを障害者の自立と社会参加に活かすメッセージとして社会に発信する。
(支援目標)
・利用者の「働きたい」という思いを尊重し、その試みの場と機会を提供する。
・働く場と機会を共にしながら、「出来ていること」を確かめ合う。
・互いの体験を分かち合い、相互学習を高めあう場と機会の提供
・利用者を中心とする他の就労支援機関、企業との協働を通して、利用者の現実検討を支える。
・事業の展開(パン工房・喫茶・ギャラリー・貸室等)を通して、社会参画の可能性を高めていく。
職員に求めている人材像や役割
障害者の人権を尊重し、社会の動向を踏まえて自らの役割と責任を自覚し、共に成長を遂げていく意欲を持ち続ける人。
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
共に生きる社会を目指し、実践を担っている者としての自覚と誇りを持って、当たり強い障害者観を社会に発信する。
全体の評価講評
特によいと思う点
毎年行う利用者と職員が参加しての事業報告会では、売り上げ実績の年度比較、店舗活動、原材料費などの情報を全員に報告している。事務班の利用者が事前にデータの分析を行って作成した資料を用いて、日頃知りえない他の作業班の活動や事業所全体の活動がどのように行われているかを理解する機会となっている。また、収支状況を共有しながら、販売活動の展開についてアイデアを出し合う場となっており、売り上げ・工賃アップとともに、働く意義そのものについて理解を深め、事業所活動への主体的な参加を促すことにつながっている。
事業所では“就職者数”等の目に見える結果を追い求めるのではなく、「利用者にとって一歩を踏み出すバックアップとしての役割」を大切にしている。こうした方針のもと、企業への就労等で退所したOB・OGに対しても就職先への訪問・面接を積極的に行うなど、定着の支援に力を入れている。また、2か月に1回OB・OGミーティングを行い、就労したもの同士が体験を率直に語り合い、職場での経験・苦労したことなどを相互に学び合い改めて自分を振り返る機会となって、OB・OGが地域社会で生きていくためのひとつの拠り所ともなっている。
利用者からの相談を受ける職員は、精神保健福祉士や看護師などの専門資格を持ち、メンタル面での健康についての相談が気軽に行える環境を整えている。特に、看護師として病院等で勤務した経験のある支援職員が多く在籍しており、日頃の作業を一緒に行うことで、利用者の様子を良く知った上で、医療の専門知識に基づいた健康管理や利用者へのアドバイスが行える体制が整えられている。また、身体的な不安についての相談に応じており、自己認識・表現が苦手な利用者のための通院同行、お薬カレンダーの作成などの服薬管理の助言を行っている。
さらなる改善が望まれる点
法人では、常に理念・ビジョンと照らし合わせながら活動の意義や方向性を確認し合っているが、中長期的視点で必要な新規事業展開、人事制度などの目標・計画の策定に至っていない。年度単位の事業計画は、事業所内での意見交換をまとめ、法人の施設長会議を経て理事会で決定している。事業計画の内容には、運営・支援方針、方向性などは示されているものの、中長期視点の内容、具体的支援内容、行事、職員研修などの計画が記載されていない。今後、事業計画が中長期計画と連動し、具体的な内容を含む計画として策定されることが望まれる。
職員育成としての取り組みは、内部で行う採用時研修や法人の職員研修、就労支援関連などの各種外部研修や自己啓発として様々な国家資格取得、合同カンファレンスでの事例検討などを実施している。また、週1回のスタッフミーティングでは利用者のケース検討など事例に基づいた意見交換を行い支援の質の向上を図っている。一方、研修などの希望は個別面談で確認しているものの個人別育成計画は作成されていない。中長期展望における各職員の目指すべきことを示したキャリアパスと法人内の人事制度と連携した体系的な個人別育成計画の策定が望まれる。
利用者の個人情報開示の範囲について、利用者との契約時に「個人情報使用同意書」を説明し同意を得ている。また、職員の守秘義務は、全職員から「個人情報の保護に関する誓約書」を提出するとともに、事務班に所属する利用者についても個人情報保護の意義を説明し「誓約書」を義務付けている。事務班の仕事内容については、事業報告会等を通じて他部の作業班の利用者にも説明し理解を求めているが、工賃やシフト表作成など、利用者に直接かかわる情報を取り扱うこともあり、他の利用者の個人情報保護への不安解消への一層の取り組みに期待したい。
事業者が特に力を入れている取り組み
事業所では地域の人たちと交流をはかりながら「自分をいかす働き方」を実現する場を目指している。パン・クッキーの製造販売では、店頭販売のほか行政などの支援機関への配達、地域イベントへの参加販売を行っている。また、店舗は地域の憩いの場所となっており、桜まつり、夏祭り、クリスマスフェアーなどのイベントを計画して地域住民、介護施設などに案内して多くの人が訪れている。また、アートギャラリーコーナーなどの会場提供や喫茶ホールでのピアノコンサートなど利用者が主体的に参加して地域住民との交流に積極的に取り組んでいる。
個別支援計画の策定に当たっては必ずサービス管理責任者を含む2名の担当職員と本人が十分な時間をとって面談を行い、支援計画を作成している。モニタリングとして、それまでの活動で利用者が感じていることや支援職員が気づき等を出し合うなど振り返りながら相互に確認している。支援計画では本人の希望を大切にして、計画表の冒頭に「ご本人の目標」を掲げて「半年ごとの目標」を定めている。また、担当職員だけでなく所属する作業班の職員など全職員が利用者に関して意見交換を行い、目標の設定や支援内容に反映させている。
就労移行支援事業では、実際の求職に向けての個別支援や企業見学会のほか、就労支援プログラムのひとつとして「就労を考えるミーティング」を毎月実施しており、就労移行・就労継続の所属の別なく、将来の就労を目指す利用者であれば誰でも参加できる機会となっている。体調管理や面接前の心構え、制度についての学習会などを実施し、OB・OGの就労後の経験を聞く会は特に参加希望が多い企画となっており、実際に就労したOBから苦労した話や対応方法を聞くことで、少し先の自分のイメージを作れる機会として利用者からも好評を得ている。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:利用者現員52名で就労継続支援B型30名、就労移行支援22名の全員を調査対象とした。
- 調査方法:アンケート方式
2日間の調査日を設定して、相談室にて聞き取りを実施した。当日の全体朝礼では、評価者の紹介、第三者評価の趣旨、守秘義務などについて説明した。当日欠席及び職場実習で聞き取りができない利用者には、評価機関への返信用封筒を用意してのアンケート方式とした。 - 有効回答者数/利用者総数:35/52(回答率
67.3%
)
サービス毎の利用者総数
利用者総数 共通評価項目による
調査対象者数共通評価項目による
調査の有効回答者数利用者総数に対する
回答者割合就労移行支援 22人 22人 12人 54.5% 就労継続支援B型 30人 29人 23人 76.7%
利用者調査結果は各項目に満足度の高い項目が多くみられた。特に、職員の対応での「困ったときの支援」「設備は安心して使えるか」「利用者の気持ちは尊重されているか」では、おおよそ90%の利用者から「はい」の回答を得ている。また「事業所内の清潔・整理整頓」も満足度が高く、整美班や調理のため衛生への配慮が高く「いつもきれいで安心しています」などの意見があがっている。「職員の接遇・態度」「体調が悪いときの職員対応」「プライバシーへの配慮」「個別支援計画・目標」や、計画策定時の相談及び説明について多くの利用者から高い評価を受けている。また、「第三者委員等の外部相談窓口」については、「どちらともいえない」「いいえ」「わからない」が13名で、半数近くの利用者が理解できていないという結果が出ている。総合的な満足度においては97%の利用者が「大変満足」「満足」との回答であった。今回の利用者聞き取り調査について、「最初はなに聞かれるか不安だったが、色々話できて良かった」「第三者評価があることで、外からも見ていただき安心」などの利用者の意見が多くみられたほか、「プライバシーへの配慮をしてほしい」との意見も聞かれた。
アンケート結果
4~17は選択式の質問のため、該当項目のみ掲載しています。
1.利用者は困ったときに支援を受けているか
94%の利用者が「支援を受けている」と回答している。「担当の職員が決まっており、色々なことが相談できる」「体調が悪いときや家でのストレスなど、親身になって聞いてくれる」「パソコンでわからないことを、ちゃんと教えてくれる」「仕事上の判断で困ったことをよく相談するが、きちんと対応してくれる」「通うのがつらい時期に相談したら、仕事量を減らしてくれた」などのコメントが多い一方で、一部に「スタッフが忙しいので、相談するタイミングがなかなか合わない」との声も聞かれた。
2.事業所の設備は安心して使えるか
91%の利用者が「安心して使える」と回答している。「厨房の中でも包丁や火を使うときに注意している」「本当に充実している。喫煙室があることがすごい。トイレも自動洗浄」などのコメントや、「心配なところはないが、更衣室が狭く隣同士だと困る」「冷凍庫に入るときは開けておく決まりがあるが、一度閉じこもってしまった。開け方のマニュアルがあり出られたが、最初にきちんと教えてもらっていなかったので不安になった」「虫が多く、パンの袋に入ってしまうこともあり対策がほしい」との声も聞かれた。
3.利用者同士の交流など、仲間との関わりは楽しいか
83%の利用者が「楽しい」と、14%が「どちらともいえない」「いいえ」と回答している。「仲間やスタッフさんと自由にしゃべれて楽しい」「人見知りだが、話しかけてくれる仲間やスタッフがいる」「休憩時に皆と話をするときは楽しい」「事業所のOBとの飲み会が楽しみ」「メンバーさんの顔を見ると心が落ち着く」などのコメントや、「交流会とか就労ミーティングなどの集まりは苦手」「長年いると、人間関係など大変なときがある」「コミュニケーションがうまくなく、気軽に話しかけられない」との声も聞かれた。
11.【就労移行支援】
事業所での活動が就労に向けた知識の習得や能力の向上に役立っているか
83%の利用者が「役立っている」と回答している。「やったことのない仕事ができるので、役に立つ」「朝、時間を守るとか。とりあえず生活のリズムを作る」「厨房の掃除等を主に行っているが、パン関係のいろいろな作業をしてみたい」「職員とのコミュニケーションの取り方などは、今後も役に立つと思う」「望んでいることができていない」などのコメントがあった。
12.【就労移行支援】
職場見学・職場実習等の、事業所外での体験は充実しているか
58%の利用者が「充実している」と、25%が「どちらともいえない」と回答している。「仕事が決まった。ここで培った経緯が評価されたのだと思う」「まだそのような話はない。応募書類作成の練習などはしている」「メンバー・スタッフから情報は聞いている」などのほか、「紙で貼りだされているのみ。求人は自分で探す」「案内はされるが、興味が湧くものがない」「あまり選べない」などのコメントがあった。
13.【就労移行支援】
工賃等の支払いのしくみは、わかりやすく説明されているか
92%の利用者が「説明されてる」と回答している。「明細票を見て理解している」「ここで最低賃金がもらえるなら長く働きたい」「B型の人は休憩時間が多いのに工賃が同じなのはおかしい」などのコメントがあった。
16.【就労継続支援B型】
事業所での活動が働くうえでの知識の習得や能力の向上に役立っているか
91%の利用者が「役立っている」と回答している。「喫茶やパンづくり、事務などいろいろ担当できるようになった」「接客が苦手でしたが慣れました」「自分の技術を生かせる場。留守にするのが心配」「一般の方との触れ合いがあり、役に立っている」「現状の活動を継続したい」「慣れてしまっている」などのコメントがあった。
17.【就労継続支援B型】
工賃等の支払いのしくみは、わかりやすく説明されているか
83%の利用者が「説明されている」と、17%が「どちらともいえない」「いいえ」と回答している。「仕事した実績に応じて支払われる説明を聞いた」「工賃支給日は毎月10日前後で、実績明細が入っている」「時給は、最賃の半額程度になっており、職種関係なく一律となっている」「もう少し工賃が増えるための工夫が必要だと思う」などのほか、「完璧にはわからない」「以前に説明を受けたが、忘れてしまった」などのコメントがあった。
18.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか
86%の利用者が「清潔・整理整頓は行き届いている」と回答している。「清掃担当メンバーが館内をきれいにしてくれている」とのコメントが多く、その他に「設備はきれい」「いつもきれいで安心しています」「トイレが少し汚い時がある」などのコメントがあった。
19.職員の接遇・態度は適切か
86%の利用者が「適切」と、11%が「どちらともいえない」「いいえ」と回答している。「とても親切に対応してくれる」「やさしく声をかけてくれ、柔らかな言葉で話してくれ安心できる」「丁寧な対応で、服装も清潔感があると思う」「どの職員も常に色々なアドバイスをしてくれる」「職員自身が忙しい時に、何かをパッと言われると困る」「一部の職員の言動で攻撃されたように感じたことがある。他の職員に相談したが、自分が感じたように理解はされなかった。望んだような対処をすぐにしてくれたかは疑問」などのコメントがあった。
20.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
91%の利用者が「信頼できる」と回答している。「早退したり、休憩室で横になれる」「体調がすぐれないときに、どうしたら良いかアドバイスをしていただいた」「ちょっとしたけがで止血したり、胃薬をもらったりした」「特に体調面をすごく気遣ってくれる」「ケアセンターにすぐに連絡してくれる」「体調不良の際、休みの連絡電話や休憩は遠慮してしまい言い出せなく、反動が来てしまうことがあります」などのコメントがあった。
21.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
77%の利用者が「信頼できる」と回答している。また、トラブルがないので分からないとの無回答があった。「いじめはないが、あった場合はきちんと対応してくれると思う」「きちんと対応していける職員さん達です」「以前トラブルがあり、スタッフの対応が問題と感じたが、今はない」「以前にいさかいがあったときには、『なぜその対応になるのか』と疑問に思うこともあった。多くの人を守る施設の立場としては仕方ない面もあるかと思っている」「メンバー同士のトラブルの際に、スタッフが双方の話を聞いて納めてくれる」などのコメントがあった。
22.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか
91%の利用者が「対応してくれる」と回答している。「しっかりと話を聞いてくれている」「いつも忙しそうにしているが、気を使ってくれる」「担当スタッフは気にしてくれていると思う」「自分から言い出せないので声かけてくれる」「全てという訳にはいかない。そうじゃないんだけど、と思うこともある」などのコメントがあった。
23.利用者のプライバシーは守られているか
86%の利用者が「守られている」と、11%が「どちらともいえない」と回答している。「相談室が多くあり、個室のため遠慮なく相談できる」「個人的な話は、大勢の前でなく相談室で聞いてくれる」「スタッフの守秘義務は徹底されている」「職員の口は堅いと思うが、書類・データの管理がなっていない」「信頼できる方なので、家族のことなどを話しやすい」などのほか、「職員にだけ伝えていることが、なぜかメンバーに知られていることがある」「就労する人の会社名をみんなの前で披露するのは遠慮してほしい」といったコメントがあった。
24.個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか
86%の利用者が「聞かれてる」と回答している。「計画相談と一緒に聞いてくれる」「担当の職員と面談している」「『こういう風になりたい』というものが自分ではなかなか出てこないが、くみ取ってくれる」「現在の作業内容が、辛くないかなどと聞かれる」「振り返りの面談はあるが、自己申告しないと面談してくれない」などや、「就労移行の際には面談があったが、今は聞いてくれない」などのコメントがあった。
25.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
86%の利用者が「説明はわかりやすい」と、11%が「どちらともいえない」「いいえ」と回答している。「計画の内容について説明してくれ、同意の署名している」「聞けば何度でも答えてくれる」「何がしたいかを尊重してくれる。自分のペースでできそう」「内容について忘れたが、説明はあったと思う」とのコメントがあった。
26.利用者の不満や要望は対応されているか
80%の利用者が「対応してる」と、11%が「どちらともいえない」と回答しているほか、9%が「要望はない」とのことで「無回答・わからない」としている。 「あまり頼んだことはないが、やってくれると思う」「『あの対応はどうだった?』とあとから聞いてくれたことがあり、その場限りで終わらず配慮してくれると感じた」「仕事がきついことを伝え、対応してもらった」「何でも話せるかといえばそうでもない」「職員間の報連相を徹底して、メンバーに関する情報の共有に努めてほしい」といったコメントがあった。
27.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
63%の利用者が「伝えられている」と、29%が「どちらともいえない」「いいえ」と回答している。「ポスターが掲示してあるので知っている」とのコメントが多かったほか、「契約の時に説明があった」「受給者証の通知の中に、行政の苦情窓口の案内があった」「相談支援事業所、地域生活支援センターに相談できる」「聞いたことはあるが、よく覚えていない」「契約書やポスター掲示で知っているが、集会室は掲示物が多すぎて埋もれてしまっている。以前にも指摘しているが改善されていない」などのコメントがあった。
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念、基本方針)を明確化・周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を明示している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
- 重要な意思決定や判断に迷ったときに、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を思い起こすことができる取り組みを行っている(会議中に確認できるなど)
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、自らの役割と責任に基づいて行動している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件を検討し、決定する手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
事業所の情報は、関係機関や地域の人たちにさまざまな形で定期的に発信している
虐待防止、権利擁護など守るべき規範については、日々の申し送りや毎週開催するスタッフミーティングなどでの事例検討や外部研修レポートなどで共有化が図られている。一方、透明性の高い事業所を目指し、地域の人たちが利用する施設3階の多目的ホール廊下には、事業所の活動の写真と案内文を月ごとに掲示している。また、法人のニュースレターは、利用者投稿の特集号のほか、年に3~4回発行しており、法人内各事業所の活動報告・計画や利用者の投稿欄を設けて、地域に限らず全国の賛助会員などの関係者に広く配布されている。
積極的に施設を活用した地域交流をはかり、障害に対する理解の機会を図っている
事業所の活動は、施設を開放して地域の人たちとの交流を図りながら働くことを目指している。パンやクッキーの製造、店舗販売、提携団体への配達、地域イベントへの参加・販売を行っている。また、喫茶ルームは地域住民の憩いの場所となっており、桜まつり、夏祭り、クリスマスフェアーなどのイベントを計画して地域住民、介護施設などに案内して多くの人が訪れている。また、事業所では周年事業を毎年実施しており、今年は「出張販売先の期待しているもの」をテーマに、外部販売先が考えている障害の理解など自分を確かめることに繋げている。
福祉ネットワークのほか、地場産業地域活性化イベントに参加して地域交流を深めている
事業所は、都の「授産連絡会」、区の「精神保健ネットワーク連絡会」、「就労支援実務担当者会議」、地区の「戸塚福祉会」などに参加して施設長、担当職員、利用者、家族がそれぞれ担当者を決めて参加して地域の情報の収集や協働した活動に努めている。また、毎年2月に開催している染色を軸とした地場産業地域活性化イベント「染の小道」に利用者とともに参画して、事業所を展示会場として一層の地域交流が図られている。さらに、担当職員は第三者の目線から活動がどう見えるのか事業所イベントに参加しているボランティアに話を聞いている。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知している
- 福祉サービスに従事する者として、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などを明示している
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などの理解が深まるように取り組んでいる
2. 第三者による評価の結果公表、情報開示などにより、地域社会に対し、透明性の高い組織となっている
- 第三者による評価の結果公表、情報開示など外部の導入を図り、開かれた組織となるように取り組んでいる
- 透明性を高めるために、地域の人の目にふれやすい方法(事業者便り・会報など)で地域社会に事業所に関する情報を開示している
1. 事業所の機能や福祉の専門性をいかした取り組みがある
- 事業所の機能や専門性は、利用者に支障のない範囲で地域の人に還元している(施設・備品等の開放、個別相談など)
- 地域の人や関係機関を対象に、事業所の機能や専門性をいかした企画・啓発活動(研修会の開催、講師派遣など)を行っている
2. ボランティア受け入れに関する基本姿勢を明確にし、体制を確立している
- ボランティアの受け入れに対する基本姿勢を明示している
- ボランティアの受け入れ体制を整備している(担当者の配置、手引き書の作成など)
- ボランティアに利用者のプライバシーの尊重やその他の留意事項などを伝えている
3. 地域の関係機関との連携を図っている
- 地域の関係機関のネットワーク(事業者連絡会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働して取り組めるような体制を整えている
【講評】
苦情・要望の把握として主治医、保健師、自治体などの関係機関と連携を図っている
事業所では利用者の苦情の外部相談窓口として、「区役所」「東京都社会福祉協議会」を重要事項説明書に明記し、第三者委員を設けて、苦情相談受付窓口の案内を休憩室に掲示するなど、利用者の意見・要望・苦情などを受け付ける体制を整えている。また、利用者の要望や意見・苦情は日常活動の中や個別面談で把握し、事業所運営に反映させている。一方、利用者は法人内の地域活動支援センター・相談支援センターや主治医、保健師、ケースワーカーなど外部関係者に相談することも多く、事業所は外部関係機関との連携を大切にして運営している。
利用者の意向は日常活動で把握し、全体研修や事業報告会で意見交換が行われている
利用者の意向は、担当職員が日頃から面接や電話による個別相談で利用者の把握に努めているほか、個別支援計画作成時や定期的な面談による振り返りで意向確認が行われている。また、仕事に対する要望や意見は作業班ミーティングや事業報告会などで職員とともに利用者が参加して利用者意見を反映させながら事業運営を行っている。さらに、利用者と職員の全体研修や就労を考える会などOB交流会では、利用者一人ひとりの課題に対する取り組みの体験発表を通じて全員が自由に話し合い共に学び育っていく場となっている。
法人内ネットワーク及び医療機関・行政などの連携で地域や福祉の動向把握に努めている
事業所では、都の就労系事業所の連合会や区の精神保健ネットワーク、関連の学会に参加するする、医療機関、保健所、行政との情報交換によって地域福祉ニーズ情報の収集にあたっている。さらに、施設スペースを活かした多目的ホール、喫茶ホールなどの会場提供により地域の人々と交流を深め地域動向の把握に努めている。さらに、法人内では、地域活動支援センター・福祉ショップ・グループホーム・地域ケア福祉研究所を新宿区内で運営しており、その中で、さまざまな情報を得て、地域や福祉の動向の把握に努めている。
1. 利用者一人ひとりの意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応している(苦情解決制度を含む)
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者一人ひとりの意見・要望・苦情に対する解決に取り組んでいる
2. 利用者意向の集約・分析とサービス向上への活用に取り組んでいる
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向を把握することに取り組んでいる
- 事業者が把握している利用者の意向を取りまとめ、利用者から見たサービスの現状・問題を把握している
- 利用者の意向をサービス向上につなげることに取り組んでいる
3. 地域・事業環境に関する情報を収集し、状況を把握・分析している
- 地域の福祉ニーズの収集(地域での聞き取り、地域懇談会など)に取り組んでいる
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)の収集に取り組んでいる
- 事業所としての今後のあり方の参考になるように、地域の福祉ニーズや福祉事業全体の動向を整理・分析している
【講評】
中長期視点の課題に対する目標・計画を示して、事業所の方向性を示すことに期待される
年度単位の事業計画は、各職員による前年度の振り返りをした後、スタッフミーティングで検討してまとめた計画を、法人の施設長会議を経て、理事会で決定している。各行事や事業などの担当職員は役割分担が決められ、スタッフミーティングや利用者の参加する作業班ミーティングで具体的な計画を決めて実施されている。一方、法人では当初から設立時の経営層の世代交代など中長期施策を掲げ実行してきたが、長期的視点での計画が必要な新規事業展開・人事制度などを明文化して、全員に示していくための中長期計画策定への取り組みに期待される。
事業計画は、作業班ミーティング・スタッフ会議で意見交換を重ねながら進めている
事業計画に反映された内容は、職員・利用者が担う役割が明示され、毎日の申し送りや週1回のスタッフミーティングで具体的な取り組み状況が報告、確認されている。計画実施に当たっては利用者や職員の意向について意見交換を行い、常に改善しながら実施されている。また、事業計画内容の進捗状況は、法人施設長の会議で毎月報告、振り返りが行われているほか、年度前には事業中間報告として理事会に報告されている。今後、事業計画の中に具体的なスケジュールや目標・方針などの指標を示し、定期的な計画の進捗確認を行い着実な計画実施に期待される。
避難訓練は職員全員が非常時に対応できるよう、避難手順の確認をしている
事業所では食品を取り扱うため、職員・利用者全員に衛生講習が実施されるとともに、日々の衛生管理、設備点検の確認が行われている。また、防災については、避難訓練を予告なしで火事又は地震を想定して年2回行われており、避難の手順を確認するとともに、職員全員が非常時に対応できるようのマニュアルの整備を進めている。利用者の通所がシフト勤務のため、玄関のボードに氏名を記載して、施設に残っている利用者等を明確にしている。ヒヤリハット、事故報告については「振り返り」に記録しスタッフミーティングで再発防止策が検討されている。
1. 取り組み期間に応じた課題・計画を策定している
- 理念・ビジョンの実現に向けた中・長期計画を策定している
- 年度単位の計画を策定している
- 短期の活動についても、計画的(担当者・スケジュールの設定など)に取り組んでいる
2. 多角的な視点から課題を把握し、計画を策定している
- 課題の明確化、計画策定の時期や手順があらかじめ決まっている
- 課題の明確化、計画の策定にあたり、現場の意向を反映できるようにしている
- 計画は、サービスの現状(利用者意向、地域の福祉ニーズや事業環境など)を踏まえて策定している
- 計画は、想定されるリスク(利用者への影響、職員への業務負担、必要経費の増大など)を踏まえて策定している
3. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 計画推進の方法(体制、職員の役割や活動内容など)を明示している
- 計画推進にあたり、より高い成果が得られるように事業所内外の先進事例・失敗事例を参考にするなどの取り組みを行っている
- 計画推進にあたり、目指す目標と達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
1. 利用者の安全の確保・向上に計画的に取り組んでいる
- 利用者の安全の確保・向上を図るため、関係機関との連携や事業所内の役割分担を明示している
- 事故、感染症、侵入、災害などの事例や情報を組織として収集し、予防対策を策定している
- 事故、感染症、侵入、災害などの発生時でもサービス提供が継続できるよう、職員、利用者、関係機関などに具体的な活動内容が伝わっている
- 事故、感染症、侵入などの被害が発生したときは、要因を分析し、再発防止に取り組んでいる
【講評】
専門知識を活かした配置で、利用者との信頼関係を築き質の高い支援を行っている
法人の人事制度(就業規則、給与規定など)では、人事考課制度の導入は理念に沿った支援を評価するのに馴染まないと考えており、職員採用も一般公募しないなど独自の方針で人事制度を運営している。また、質の高い支援を行うため、看護師、精神保健福祉士、作業療法士などの有資格者を多く配置し、業務上必要な資格取得への支援も行い、専門知識を生かした支援を行っている。また、多くの職員が支援に「やりがい」を感じており、職員の定着率が高いものとなっている。その結果、利用者と職員との信頼関係が深まり、支援の質の向上につながっている。
各職員のキャリアパスと連携した体系的な職員育成計画の策定と実行が望まれる
職員育成については、採用時研修や年2回行われる職員研修などの内部研修のほか、就労支援関連などの外部研修や自己啓発として様々な資格取得のための研修に参加させ、研修の内容や今後の活動などをレポートにまとめ報告を義務づけている。また、週1回行われるスタッフミーティングでは、精神障害への学識経験者である理事長が参加して、利用者の事例ケース検討などに基づいた意見交換を行って。一方、研修は職員希望及び個別面談で確認しているものの、各職員のキャリアパスと内部・外部研修を体系的に示した職員育成計画の策定が望まれる。
職員育成・報酬・評価などが連動した総合的な人事制度の構築に期待される。
事業所では、各職員に対して役割と責任を明確にし、自己成長を促し意欲の向上に努めている。また、個別の勤務状況を把握し、役割分担や就業時間の調整などを行っており、仕事を通しての「生きがい」や「自己成長」につながっていると多くの職員が感じているものの、就業時間等を過重に感じている職員もいる。また、年2回理事長主催の職員研修では、「自分が担ったこと、やりたいこと」をレポートに記載して発表している。このような振り返りのほかに中長期視点での職員育成・報酬・評価などが連動した人事制度の仕く組みの構築に期待される。
1. 事業所にとって必要な人材構成にしている
- 事業所の人事制度に関する方針(人材像、職員育成・評価の考え方)を明示している
- 事業所が必要とする人材を踏まえた採用を行っている
- 適材適所の人員配置に取り組んでいる
2. 職員の質の向上に取り組んでいる
- 職員一人ひとりの能力向上に関する希望を把握している
- 事業所の人材育成計画と職員一人ひとりの意向に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 個人別の育成(研修)計画は、職員の技術水準、知識、専門資格の習得(取得)などの視点を入れて策定している
- 職員一人ひとりの個人別の育成(研修)計画に基づいて、必要な支援をしている
- 職員の研修成果を確認し(研修時・研修直後・研修数ヶ月後など)、研修が本人の育成に役立ったかを確認している
1. 職員一人ひとりの主体的な判断・行動と組織としての学びに取り組んでいる
- 職員の判断で実施可能な範囲と、それを超えた場合の対応方法を明示している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに学ぶことに取り組んでいる
- 職員一人ひとりの研修成果を、レポートや発表等で共有化に取り組んでいる
2. 職員のやる気向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価・報酬(賃金、昇進・昇格、賞賛など)が連動した人材マネジメントを行っている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、疲労・ストレスなど)を把握し、改善に取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、やる気と働きがいの向上に取り組んでいる
- 福利厚生制度の充実に取り組んでいる
1. 事業所が蓄積している経営に関する情報の保護・共有に取り組んでいる
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

【講評】
理念である心を病む人が地域で暮らし続けるためにきめ細かな支援を行っている
社会福祉法人かがやき会(以下「法人」)は、地域での生活支援の制度がない時代から、障害者も、その支え手も集い、支え合うことのできる、地域独立型のケア提供の場づくりに取り組んできた。就労移行・就労継続B型事業のサービスを提供する、就労センター「街」(以下「事業所」)では、法人の理念である「心を病む人が地域で暮らし続けるため」と「働きたい」という思いを尊重し、自分らしく自立した生活や自分をいかした働き方ができ、多様な人との出会いを通して経験を分かち合うことができるよう、きめ細かな支援を行っている。
事業所での活動は、スタッフミーティングや研修の場で理念と照らし合わせている
事業所は、平成10年に通所授産施設として開所し、平成21年に就労移行、就労継続支援B型の多機能事業所として事業を開始している。事業所ではパンやクッキーの製造販売、喫茶店運営、整美事業などの就労機会の提供や貸ギャラリー・喫茶ホールの営業、多目的ホールの貸し出しなどで地域の人々との相互交流・理解を得るための活動を行っている。これらの活動は毎週開催しているスタッフミーティングや年2回の職員研修に理事長が自らが出席し法人理念と具体的な実践のすり合わせが行われ、法人の目指していることの確認を行っている。
運営案件は、直接現場に携わる職員の判断を重視し、利用者の意見を取り入れ決めている
経営に関わる重要事項に関する案件については、法人内各事業所の施設長が出席する施設長会議で検討して、法人理事会で最終決定されている。事業所の基本的な運営に関する案件は、直接現場に携わる職員の判断を重視し、毎週開催の全職員参加によるスタッフミーティングや、利用者が参加する作業班ミーティング、周年行事などの実行会議などで意見交換がされて決定している。日々の連絡・案件の決定事項などは、利用者・職員合同の朝会で報告され、利用者集会所(休憩室)内にも必要な事項については掲示されている。