評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1) 利用者主体の支援
2) 利用者一人一人に合わせた支援
3) 利用者が安心できる居場所づくり
4) 支援者としての自覚をもって、質の高いサービスを提供する
5) 利用者が地域で暮らせるように地域との関わりをもつ
職員に求めている人材像や役割
日々の支援や行事等の企画において、利用者目線にたち、利用者をうけとめられる人材
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
専門知識をもってもらい、積極的な姿勢を持つ
利用者・保護者へのより深い理解を持つ
全体の評価講評
特によいと思う点
法人の総会・理事協議会・管理者会議、また、事業所内の常勤会議・職員会議など、各種の会議を設けており、方針や重要事項の周知を図っている。理事長も会議への参加を通じて日常的に事業所運営に参画しており、法人との連携が密に取れている。会議のなかでの職員同士の話し合いを重視しており、課題解決に向けた建設的な意見交換を積極的に行っている。事業所では少人数の職場の利点を活かして職員間の良好なコミュニケーションが取れており、チームワークを発揮して利用者支援にあたるなど、組織が一体感をもって事業所運営に取り組んでいる。
事業所の前身である作業所が開設されて30年以上が経ち、新たな事業が増えていく中で、改めて職員全員が事業所の理念や経緯について理解を深めて、支援の実践に活かしていくことの重要性を認識し、初任者研修などの取り組みを進めている。開設以来、働くことを通じた「利用者の居場所づくり」という役割を果たしながら、時代の流れに応じて生活介護事業の実施やグループホームの開設・バックアップとその取り組みを拡充させてきている。今後も利用者の居場所づくりという理念を堅持しながら、ニーズに応える取り組みを進めていこうとしている。
就労継続支援及び生活介護の利用者32名の作業や活動への支援をしているが、地域との関わりを大切にし、利用者が地域の一員として生活していくことの実践として、地域の資源を活用した活動を積極的に行っている。事業所のスペースが限られていることもあるが、スポーツ活動では中学校のクラブハウス、音楽では障害者センターを使用し、法人の他事業所と合同で市の体育館での運動会や駅前にある市のホールで成人の祝いを兼ねたクリスマス会を開いている。また、地域イベントにも積極的に参加するなど、地域の中で幅広い活動を展開している。
さらなる改善が望まれる点
事業所では「危機管理マニュアル」として、①地震対策、②火災対策、③事故対策、④感染症、⑤所在不明者対応、⑥緊急連絡先の各項目について整備をしている。今後はさらに不適切対応防止や不審者・侵入者対策などのマニュアル整備を進めていくことが望まれる。ヒヤリハット報告については職員会議で話し合いをしているが、再発防止策の明確化や対策の実施状況のチェックが不十分な状況となっている。利用者の高齢化やハード面での危険個所も散在するために、安全管理により一層の注力が求められる。
事業所で使用しているパソコンには、アクセス制限やパスワード設定がされていない。重要なデータを共有ホルダーで管理しているが、セキュリティ対策や効率的な運用のためのルールづくりなどが未整備の状況である。紙文書についても、マニュアルや各種様式の改定履歴の管理があいまいな部分があったり、どの文書が最新版なのか、どのように原本管理をしているのか等が分かりにくい状況がある。今後も新たなマニュアルの追加作成や各種書式の見直しが進むことが予測されるため、パソコン上の重要情報や、各種文書の管理精度向上が望まれる。
法人は2か所の通所事業所を運営し、利用者や家族からの要望を受けて平成26年度に男性が入居するグループホームを開設し、さらに来年度は新たに2か所目の女性用のグループホームの開設が決定している。これら事業の拡大に伴って外部からの視点を事業運営の参考にすることや利用者あるいは家族からの声を聞く仕組みを整えていくことはどうだろうか。苦情や意見を聞くことのみならず、事業のあり方についても助言を受けられるような第三者委員制度の導入について検討することに期待したい。
事業者が特に力を入れている取り組み
グループホームの開設や事業所の拡張など、法人・事業所に対する利用者・保護者からのニーズに応えた中長期計画を作成し、その着実な前進に努めている。計画は平成26年度から30年度までの5年の期間を対象としており、グループホームの開設、事業所の拡張・移転、特定相談事業の開始などが挙げられている。本年度の5月には法人の理事協議会において計画の進捗状況を確認するとともに必要な見直しを実施している。現在、2年前にグループホームを開設したほか、もう1か所の新規開設を計画中であり、その他の項目についても検討を進めている。
個別支援計画作成にあたっては利用者及び家族との面談を基本とし、新年度の支援計画作成に際しては利用者・家族との面談で年度の振り返りや到達度合いについて話し合いをもち、支援計画のみではなく良かったことやうれしかったこと、残念だったこと、希望することなど、トータルな視点で話し合いをしたうえで新たな支援計画作成につなげている。年度半ばの見直しは利用者との面談のほかに家族の意向把握のためアンケートを実施して支援計画変更や面談の要否を確認し、希望によっては自宅に出向いて家族の要望を聞き取るなどの対応もとっている。
事業所内外に多様な作業の機会を設けており、利用者が力を発揮できるような作業支援に取り組んでいる。所内作業は、雑誌付録のセット、割りばし封入等の受託作業に加え、自主製品である焼き菓子の製造販売、畑で作った野菜の販売を行っている。所外作業には市内の公園及び市の障害者センター清掃などがあり、それぞれの得手不得手や利用者の意向を尊重するとともに、適性も考慮して決められている。また、所内作業はひとつの作業の工程を細分化することで、利用者が力を発揮し、達成感や自信をもてるような支援が行われている。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:登録利用者全員(事業所と協議の上、長期欠席者を除く)
- 調査方法:聞き取り方式
個別聞き取り調査 - 有効回答者数/利用者総数:28/32(回答率
87.5%
)
サービス毎の利用者総数
利用者総数 共通評価項目による
調査対象者数共通評価項目による
調査の有効回答者数利用者総数に対する
回答者割合生活介護 13人 11人 11人 84.6% 就労継続支援B型 19人 17人 17人 89.5%
調査対象者28名全員から回答を得ることができた。「事業所の設備は安心して使用できますか」「仲間との交流は楽しいですか」「事業所内の清潔は保たれていますか」「個人の気持ちは尊重されていますか」などの項目で満足度が高かった。総合的な満足度では、「大変満足」が9名、「満足」が13名であった。「毎日が楽しいです」「何でも職員さんに相談できます」「旅行や音楽活動が楽しいです」「これからも通い続けたいです」「足を乗せる踏み台を用意してくれて、気遣いを感じました」などのコメントがあがっている。また、「給食が美味しいです」との回答も複数あがっている。意見や要望としては、「職員数が増えると良いです」「他の利用者が大きな声を出したりするのが嫌です」などがある。利用者調査を補完するものとして実施した家族アンケートでは、32世帯中27世帯から回答を得ることができた。「職員の対応は丁寧ですか」「支援計画作成の際、本人や家族の希望などを聞いてくれますか」「日常的に本人の意思を尊重するような問いかけがされていますか」の項目で満足度が高かった。
アンケート結果
4~17は選択式の質問のため、該当項目のみ掲載しています。
1.利用者は困ったときに支援を受けているか
21名が困った時の支援は受けていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「職員が協力してくれます」「人に慣れなかったり、心配事がある時など助けてもらっています」「何かあれば相談しています」「困った事はありません。大体自分で出来ます」などのコメントがあがっている。
2.事業所の設備は安心して使えるか
24名が作業所の設備は安心して使用できるとの回答であった。「いいえ」の回答はみられなかった。「大丈夫です」「危ない所はありません」といった回答が複数あった。「階段が少し危ないです。上る人と降りてくる人がすれ違う時です」「設備は大丈夫ですが、身体的に心配な事があります」などがあがっている。
3.利用者同士の交流など、仲間との関わりは楽しいか
24名が仲間との交流や関わりを楽しんでいると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「いろいろな活動を楽しくやっています」「仕事を楽しくやっています」との回答が複数あった。「クラブ活動やスポーツなど楽しんでいます」「みんなで音楽や運動、クリスマス会などします」などがあがっている。
4.【生活介護】
事業所での活動は楽しいか
5名が施設での活動は楽しいと回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。楽しみな活動としては、「仕事」「クラブ活動」「かるた」があがっている。
16.【就労継続支援B型】
事業所での活動が働くうえでの知識の習得や能力の向上に役立っているか
作業所での活動が就労に向けてのスキルアップにつながっていると回答したのは、16名であった。「いいえ」の回答はみられなかった。「仕事をしていて良かったです」「自分でいろいろ考える様になったり、家事も行っています」「最初は上手にできなかったが、今はうまくかみ合うようになりました」「長く勤めたので表彰されました」などのコメントがあがっている。
17.【就労継続支援B型】
工賃等の支払いのしくみは、わかりやすく説明されているか
工賃に関しては、13名がわかりやすく説明されていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「中の仕事と外の仕事では、工賃が異なります」「連絡帳と一緒に家族に渡します」「金額はわかります。貯金しています」「よくわかりません」などのコメントがあがっている。
18.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか
24名が事業所内の整理整頓は行き届いていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「帰りにみんなで掃除するので、きれいです」との回答が複数あがっている。「汚れている所があれば、職員さんが掃除してくれます」とのコメントがある。
19.職員の接遇・態度は適切か
職員の対応に関しては、18名が丁寧であり適切であるとの回答であった。「いいえ」の回答はみられなかった。「みなさん優しいです」との回答が複数あった。「少し厳しい人もいます」「態度が気になる時があります。職員同士で話をしている時、声をかけづらいです」「言い方でちょっと違うなと思う事もあります」などがあがっている。
20.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
緊急時における職員の対応に関しては、22名が信頼できると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「経験はありませんが大丈夫だと思います」「言えば大丈夫です」との回答が複数あった。「具合が悪くなった時は休憩します」「具合が悪くなった時は職員に話して休憩したり、帰宅します」「病院に行きます」などがある。
21.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
利用者間のトラブルに関する対応は、24名が信頼できると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「仲が良いのでケンカはありません」といった回答が複数あがっている。「時々言い合いをする人がいますが、少し気になります」「対応はもちろん信頼できます」などがあがっている。
22.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか
24名が個人の気持ちは尊重してくれていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「優しいです」「好きな事をさせてくれます」などがある。
23.利用者のプライバシーは守られているか
20名がプライバシーは守られていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。特にコメントはあがっていない。
24.個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか
個別支援計画については、17名が作成時に要望などを聞かれていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「話を聞いてくれますし、自分の要望も伝えています」「聞かれて話をしています」「自分からも話をします」などがある。
25.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
サービス内容や計画に関する説明は、15名がわかりやすいと回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「わかりました」「忘れてしまいました」などがある。
26.利用者の不満や要望は対応されているか
不満や要望に関しては、17名が対応されていると回答している。「ちゃんと話を聞いてくれます」「対応してもらえます」などがある。
27.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
第三者委員など、外部相談窓口に関しては13名が知っていると回答している。「知っています」「相談するのは職員か家族なので、他の人には相談しなくても大丈夫です」などのコメントがあがっている。
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念、基本方針)を明確化・周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を明示している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
- 重要な意思決定や判断に迷ったときに、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を思い起こすことができる取り組みを行っている(会議中に確認できるなど)
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、自らの役割と責任に基づいて行動している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件を検討し、決定する手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
服務の基本や心得を確認するとともに、虐待防止に関する意識向上に取り組んでいる
就業規則で福祉職としての服務の基本や心得を明示して、採用時に説明をしている。「服務の基本」においては、「社会福祉の向上及び法人の使命達成のために全力を挙げ、誠実に職務を遂行」するとされており、「服務の心得」では法令遵守や職員の相互協力、利用者への丁寧な態度など職員が果たすべき7項目が整理されている。これらは、年度初めの合同職員会議の場でも読み上げ、常に意識するようにしている。また、今年度は非常勤職員を含む全職員を対象とした虐待防止のための研修会も実施して、言葉遣いや態度に関する意識向上に取り組んでいる。
地域に根付いており、ボランティアも活動しているが、情報発信に工夫の余地がある
事業所は、開設当初の作業所時代から30年以上にわたって地域の中で事業を実施してきている。現在の建物に移転してからも地域に根付いた事業所となっており、利用者がポスティングなどで地域を回ったり、地域住民が事業所で販売するケーキを買いに来たりと日常的な交流が行われている。ボランティアも作業の手伝いや夏季の学生ボランティアなどが活動をしている。しかし、地域に対する情報発信という点では工夫の余地があり、広報誌の配布先を増やしたり、毎月の施設公開のPRにも力を入れて来訪者を増やすといった取り組みを検討していきたい。
障害者週間への参画や講演会、職員のボランティア派遣など地域の活動に寄与している
市の障害者週間実行委員会に参画して、障害者週間における実施事項の企画や運営に携わり、期間中は利用者も催しに参加している。地域向けの講演会である「さくら会講演会」を毎年開催して、障害者支援に関する啓発を行っている。今年度は隣接大学の教授による講演が行われた。社会福祉協議会主催の「太陽のひろば」というイベントに職員をボランティアとして派遣しており、地域における活動の広がりに寄与している。特別支援学校や医大生の実習受け入れも行って、事業所機能の開放に取り組んでいる。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知している
- 福祉サービスに従事する者として、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などを明示している
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などの理解が深まるように取り組んでいる
2. 第三者による評価の結果公表、情報開示などにより、地域社会に対し、透明性の高い組織となっている
- 第三者による評価の結果公表、情報開示など外部の導入を図り、開かれた組織となるように取り組んでいる
- 透明性を高めるために、地域の人の目にふれやすい方法(事業者便り・会報など)で地域社会に事業所に関する情報を開示している
1. 事業所の機能や福祉の専門性をいかした取り組みがある
- 事業所の機能や専門性は、利用者に支障のない範囲で地域の人に還元している(施設・備品等の開放、個別相談など)
- 地域の人や関係機関を対象に、事業所の機能や専門性をいかした企画・啓発活動(研修会の開催、講師派遣など)を行っている
2. ボランティア受け入れに関する基本姿勢を明確にし、体制を確立している
- ボランティアの受け入れに対する基本姿勢を明示している
- ボランティアの受け入れ体制を整備している(担当者の配置、手引き書の作成など)
- ボランティアに利用者のプライバシーの尊重やその他の留意事項などを伝えている
3. 地域の関係機関との連携を図っている
- 地域の関係機関のネットワーク(事業者連絡会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働して取り組めるような体制を整えている
【講評】
利用者・保護者ニーズと法人の事業や地域の社会資源を結び付けて支援の幅を広げている
利用者・保護者のニーズに応じて、事業所のみでなく法人の事業や地域の社会資源を結び付けて支援の幅を広げている。要望の多いグループホームを2年前に開所し、さらに1か所を増設する計画を進めている。市の障害者センターに登録型相談支援専門員として職員を派遣して、多様な相談にも対応している。近隣の大学との連携を図って、キャンパス内の畑で野菜を育てたり、教員や学生と交流している。学園祭や市民まつり、近隣の医療施設の祭りなどにも積極的に出店して自主製品の販売を行い、地域との交流を深める支援につなげている。
個人面談で意向を把握するとともに、個別の要望に対しても丁寧に対応をしている
年に2回、個人面談を実施して意向の把握に努めているほか、日常の会話によっても意見や要望を聞き取っている。連絡帳や電話を通じた保護者からの個別の要望についても丁寧に対応しており、挙げられた意向や要望については、職員会議の場で検討されて対応が取られている。利用者の本人活動の場である「それいゆ活動」を利用して、年間の行事やイベントについて意見を聴取している。「水曜活動」と呼ばれる週1回のグループ活動では、利用者の希望に合わせてバンドやスポーツ、音楽などの複数メニューを用意して、利用者が選択できるようにしている。
全国・都・市の各段階でのネットワークを通じた情報収集や、行政との対話を進めている
育成会全国大会・東京都大会など、国や都レベルでのネットワークに参加をして、福祉事業全体の動向把握に努めている。法人の運営母体である親の会との連携のもとに、行政(東京都・市)への要望書提出・対話の推進なども進めている。市の障害福祉計画策定の会議に関係者が参加しており、施策に関する情報収集や他の機関との連携に努めている。市内の福祉NPO連絡会に参加してネットワークづくりを行っているほか、市内の障害者団体をまとめているNPO法人の定例会にも参加して、事業実施における協力関係を築いている。
1. 利用者一人ひとりの意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応している(苦情解決制度を含む)
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者一人ひとりの意見・要望・苦情に対する解決に取り組んでいる
2. 利用者意向の集約・分析とサービス向上への活用に取り組んでいる
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向を把握することに取り組んでいる
- 事業者が把握している利用者の意向を取りまとめ、利用者から見たサービスの現状・問題を把握している
- 利用者の意向をサービス向上につなげることに取り組んでいる
3. 地域・事業環境に関する情報を収集し、状況を把握・分析している
- 地域の福祉ニーズの収集(地域での聞き取り、地域懇談会など)に取り組んでいる
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)の収集に取り組んでいる
- 事業所としての今後のあり方の参考になるように、地域の福祉ニーズや福祉事業全体の動向を整理・分析している
【講評】
利用者・保護者からのニーズに応えた中長期計画に則り、事業を着実に前進させている
グループホームの開設や事業所の拡張など、法人・事業所に対する利用者・保護者からのニーズに応えた中長期計画を作成し、その着実な前進に努めている。計画は平成26年度から30年度までの5年の期間を対象としており、グループホームの開設、事業所の拡張・移転、特定相談事業の開始などが挙げられている。本年度の5月には法人の理事協議会において計画の進捗状況を確認するとともに必要な見直しを実施している。現在、2年前にグループホームを開設したほか、もう1か所の新規開設を計画中であり、その他の項目についても検討を進めている。
収集した情報に基づき役割分担を明確にした計画を立て、職員会議で進捗管理をしている
各種団体への参加を通じて、国・都・市の各レベルにおける障害者福祉施策に関する情報収集を図っており、事業計画の参考としている。地域の行事やイベントのスケジュールなども念頭において計画を立てている。計画作成にあたっては、作業や活動などに関する職員間の役割分担を明確にして、着実に実行できるようにしている。また、中長期計画や第三者評価結果などとの整合性を意識して、取り組むべき課題を明確にしている。毎月の職員会議で計画の進捗管理を行っているほか、行事や活動の振り返りも実施して次年度の計画に活かしている。
マニュアルの精緻化やヒヤリハットの活用など、安全管理の一層の推進が期待される
事業所では「危機管理マニュアル」として、①地震対策、②火災対策、③事故対策、④感染症、⑤所在不明者対応、⑥緊急連絡先の各項目について整備をしている。各マニュアルは、フローチャート・業務概要と留意事項・自己チェック(点検)の3つのポイントを押さえた共通の記載方法で、分かりやすさに配慮している。今後はさらに虐待防止などマニュアルの種類を増やすことと、記載内容の精緻化が課題となっている。ヒヤリハット報告については職員会議で話し合いをしているが、再発防止策の明確化や実施の徹底をチェックする取組みの推進が期待される。
1. 取り組み期間に応じた課題・計画を策定している
- 理念・ビジョンの実現に向けた中・長期計画を策定している
- 年度単位の計画を策定している
- 短期の活動についても、計画的(担当者・スケジュールの設定など)に取り組んでいる
2. 多角的な視点から課題を把握し、計画を策定している
- 課題の明確化、計画策定の時期や手順があらかじめ決まっている
- 課題の明確化、計画の策定にあたり、現場の意向を反映できるようにしている
- 計画は、サービスの現状(利用者意向、地域の福祉ニーズや事業環境など)を踏まえて策定している
- 計画は、想定されるリスク(利用者への影響、職員への業務負担、必要経費の増大など)を踏まえて策定している
3. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 計画推進の方法(体制、職員の役割や活動内容など)を明示している
- 計画推進にあたり、より高い成果が得られるように事業所内外の先進事例・失敗事例を参考にするなどの取り組みを行っている
- 計画推進にあたり、目指す目標と達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
1. 利用者の安全の確保・向上に計画的に取り組んでいる
- 利用者の安全の確保・向上を図るため、関係機関との連携や事業所内の役割分担を明示している
- 事故、感染症、侵入、災害などの事例や情報を組織として収集し、予防対策を策定している
- 事故、感染症、侵入、災害などの発生時でもサービス提供が継続できるよう、職員、利用者、関係機関などに具体的な活動内容が伝わっている
- 事故、感染症、侵入などの被害が発生したときは、要因を分析し、再発防止に取り組んでいる
【講評】
職員に加えてボランティアも対象とする研修体系を組み立て、計画的な実施に努めている
職員に加えてボランティアも対象とする「職員・研修生・ボランティア研修プログラム」を組み立て、計画的な実施に努めている。内容としては、本部オリエンテーション(法人の紹介、障害者福祉行政について、障害者の理解について、規程・マニュアルについて)、職場オリエンテーション、試用期間研修(職場体験、指定図書読書感想文、研修感想文)、常用期間研修(研修講演会、年間研修、他職場実習)となっている。非常勤職員や研修生・ボランティアは必要な内容のみの受講となるが、事業所や利用者への理解を深めることにつながっている。
法人の理念や福祉職としての基本姿勢を深く理解するための初任者研修を始めている
新規採用の職員に対して「初任者研修」を実施して、法人の理念や福祉職としての基本姿勢を深く理解できるようにしている。法人の前身である作業所が開設されて30年以上が経ち、支援の専門化や制度の整備が進む中で、法人の理念に立ち返った人材育成の取り組みとして開始している。研修内容は、①理事長挨拶、②法人の紹介、③福祉行政について、④障害者の理解のためのケースの紹介、⑤自己紹介、⑥まとめとなっており、参加した職員からは、法人の経緯を理解したうえで適切な支援を実践していくことの重要性が理解できた等の感想が述べられている。
年度単位で職員の成長を振り返る機会をつくるとともに、資格取得を後押ししている
年度末に理事長と職員の面談の機会が作られており、面談に先立って職員アンケートを実施している。アンケートでは、「今年を振り返ってどうであったか」、「来年、何を頑張りたいのか」ということを質問して、職員が自身の成長を振り返るとともに、新たな目標設定ができるようにしている。事業所では職員の要望を踏まえた上で、必要な外部研修の受講を促したり、資格取得を後押ししている。資格取得に関しては、勤務調整の実施や受講料の補助、資格取得後の資格手当の支給などの制度を整えており、介護福祉士の資格取得者が多くなっている。
1. 事業所にとって必要な人材構成にしている
- 事業所の人事制度に関する方針(人材像、職員育成・評価の考え方)を明示している
- 事業所が必要とする人材を踏まえた採用を行っている
- 適材適所の人員配置に取り組んでいる
2. 職員の質の向上に取り組んでいる
- 職員一人ひとりの能力向上に関する希望を把握している
- 事業所の人材育成計画と職員一人ひとりの意向に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 個人別の育成(研修)計画は、職員の技術水準、知識、専門資格の習得(取得)などの視点を入れて策定している
- 職員一人ひとりの個人別の育成(研修)計画に基づいて、必要な支援をしている
- 職員の研修成果を確認し(研修時・研修直後・研修数ヶ月後など)、研修が本人の育成に役立ったかを確認している
1. 職員一人ひとりの主体的な判断・行動と組織としての学びに取り組んでいる
- 職員の判断で実施可能な範囲と、それを超えた場合の対応方法を明示している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに学ぶことに取り組んでいる
- 職員一人ひとりの研修成果を、レポートや発表等で共有化に取り組んでいる
2. 職員のやる気向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価・報酬(賃金、昇進・昇格、賞賛など)が連動した人材マネジメントを行っている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、疲労・ストレスなど)を把握し、改善に取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、やる気と働きがいの向上に取り組んでいる
- 福利厚生制度の充実に取り組んでいる
1. 事業所が蓄積している経営に関する情報の保護・共有に取り組んでいる
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

【講評】
職員同士の話し合いの機会を重視し、少人数の職場でコミュニケーションも良好である
法人内管理者会議、事業所内常勤会議、職員会議(ケース会議)など、各種の会議を設けており、方針や重要事項の周知を図っている。会議のなかでの職員同士の話し合いを重視しており、課題解決に向けた建設的な意見交換を積極的に行っている。年度初めには理事長から全職員に向けた訓話があり、法人・事業所が重視すべきことを共有している。事業所では少人数の職場の利点を活かして職員間の良好なコミュニケーションが取れており、チームワークを発揮して利用者支援にあたっている。理事長も会議などを通じて日常的に事業所運営に参画している。
保護者会や利用者本人活動の場を活用して、方針や重要事項などの周知を図っている
事業所の方針や重要事項については、保護者会や利用者本人活動の場を通じて周知を図っている。保護者会は法人での合同保護者会が年度初めに開かれ、年度の方針や事業計画について説明をしており、定例の開催に加えて、必要に応じた臨時の開催をしている。法人総会にも保護者の参加があり、事業所においても必要に応じて保護者会を開催している。利用者に対しては日々のミーティングの中で周知を図っているほか、行事やイベントの予定や企画については利用者本人活動である「それいゆ活動」の場において意見や要望を聴取する機会も設けている。
事業所の理念や経緯について、職員が理解を深めていくための取り組みを進めている
事業所の前身である作業所が開設されて30年以上が経ち、新たな事業が増えていく中で、改めて職員全員が事業所の理念や経緯について理解を深めて、支援の実践に活かしていくことの重要性を認識し、そのための取り組みを進めている。今年度から始まった初任者研修では、福祉職として初めて業務をする職員にも分かりやすい形で、事業所設立時の思いや利用者・福祉制度に対する理解を深めてもらっている。また、理念に沿った支援をマニュアルにおいて具体的に示すとともに、それが実施できているかを職員が自己チェックする仕組みの導入も検討中である。