評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1)仏教精神を基盤とする園として、人としての正しい心の持ち方を常に求め、感謝と思いやりを持って、育児支援にあたる。
2)園生活は家庭生活と同じように子ども達の人間形成の基礎となるものであるから、のびのびとした明るい子を育てるために、園自ら、職員一人ひとり自ら、正直であることを第一とし、何事にも明るく率直な心で取り組む。
3)子どもだけでなく大人も含めたすべての人に愛情と尊敬を持って向き合い、信頼の中で温かな人間関係が育まれるような園環境を目指す。
4)子どもの主体性を大切にし、子どもの気持ちに寄り添い、共感し、共に歩く。
5)五感を通して子どもが様々なものを吸収し、成長発達していけるよう園環境を整える。
職員に求めている人材像や役割
人の心を感じる能力に長け、やさしさと思いやりに溢れ誠実で自信と信念を持って子どもや保護者を支え導ける存在である。
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
常に感性を磨くことを忘れず、幼子を導く一人の先輩として規範を示しつつ、楽しく明るく子ども達に接する大人であって欲しい。
全体の評価講評
特によいと思う点
園長は、すべての子どもたちは仏様からの大切な預かりものと考える。そして、職員と保護者が仏教精神に基づく心を一つにして、子どもの豊かな心と「社会を生き抜く力」の育成に寄与したいと願っている。本園では、『慈悲の心』の醸成を保育理念に、六波羅蜜を基本とする仏教カリキュラムと保育指針を融合させた独自の年間指導計画を策定し、実践している。毎週全園児がおこなう本堂参拝、花祭りやお会式などの仏教行事、毎朝唱和する「ちかいのことば」や食前におこなう「仏様と父母への感謝のあいさつ」など、生活のあらゆる場面に仏の子の姿がある。
寺院の境内の一角にある雑木林を第二園庭として子どもたちに開放し、さらに草花が茂る広場を乳児のあそびの場にして、本園では本格的な自然保育を展開している。保育士は、毎月専門家からの研修を受け、年間・月間の計画に基づき取り組んでいる。一日を林の中で過ごす体験から、子どもたちの世界が広がり、鳥のさえずりや風の音、自然の小さな変化に驚き、感動する豊かな感性が育まれているという。子どもの興味や主体性を最大限尊重し、見守り、寄り添う保育がおこなわれ成長していくわが子の姿に、多くの保護者が感動し、感謝の言葉を述べている。
体に優しく質の高い「本当においしい食事」を子どもたちに提供したいとの強い思いをもち、園長はじめ主任保育士、栄養士、給食室が一丸となり取り組んでいる。産地直送の米や無農薬野菜、旬の食材を厳選して、天然の調味料を用いた「こだわりの味」を目指して調理している。数年前から、大豆と麹から味噌をつくる活動をはじめ、給食の味噌汁はすべて子どもたち手づくりの味噌を使うまでになった。また、自分たちが育てたお米で作ったおにぎりや調理された野菜が食卓にのるときもある。日々の食育活動を通して、食べ物全てに命があることも学んでいる。
さらなる改善が望まれる点
園舎や園庭などの改善や人材育成のための計画を、中長期計画に定めている。施設環境面については、3年~5年先を視野に入れ、具体的な改修計画を示している。一方、年次事業計画は、予算も明示した執行計画となってはいるが、中長期計画の内容を具体的に反映するものとしては、やや分かり難い。また、人材の育成計画についても、仏教精神の理解を深めるための研修や個別の興味・得意分野を深めるための研修、自然保育に関する研修などへの取り組みを計画しているが、推進にあたり達成目標と達成度合いを図る指標がなく、ともに今後の改善が望まれる。
園から保護者への情報伝達を色々な媒体でおこなっている。園だよりやクラス便り、献立表などは毎月発行し、保健衛生に関する「お知らせ」や保護者会、保護者参加行事などの案内はプリントにして随時、頻繁に配付している。その中で代表的な園だよりでは、園長の巻頭言で、「生命尊重」、「布施奉仕」など月ごとに定めた目標を保護者に分かり易く解説している。しかし、行事予定表が大きく紙面を割くため文字が小さくなり読みづらい。園だよりで何を伝えたいのか、その役割が明確でない。保護者目線にたち発行物全体を総合的に見直すことが望まれる。
保育士が日常的に取り扱う事務業務のほとんどは、現在手書きによるものが多い。各種の会議録や保護者会の内容などを詳細に記録しているが、多くの時間を要していると思われる。クラス便りなどは手書きの良さもあるが、その反面読みづらさも感じられる。現在パソコン使用は情報保護の観点から、「確認許可」制の下に管理している。今後は、保育事務の効率化のためのツールとしてのみでなく、各種書類のシステム化と子どもの成長の姿や職員の気づきなど情報の共有化のためにも、スキルアップを図りながら段階的にICT化を進めていくことが期待される。
事業者が特に力を入れている取り組み
寺院の境内の一角にある雑木林を第二園庭として開放し、そこをベースに自然保育を実践して4年目を迎えた。その間、毎月林保育の専門家を招聘して全職員で研修をおこなうほか、自然保育のコーディネーターの資格を取得するなど、徹底して研鑽を重ねている。林の中の自然環境が五感を刺激し、子どもたちの興味や主体性が育っていく様子を保育士たちは、じっくり観察することができるようになった。こうした保育者集団によって、保育全体の中で、待ち、見守り、寄り添い、導くという、子ども一人ひとりを尊重する本園理念の実現に取り組んでいる。
園庭の一角に設けたミニ菜園で、米作りや果物、野菜の栽培に取り組んでいる。米は4月に年長児が苗を植え、その後水やり、除虫、稲刈り、精米まで、精魂込めておこなっている。刈り取ったわらが園で飼育しているウサギの餌になることを偶然発見し、子どもたちはいのちの連鎖を学ぶことになった。ミニ菜園では、プロの方の指導を受け多種多様の野菜や果物を栽培している。きゅうり、なす、ピーマン、ブロッコリーにメロンやスイカなど10種類以上になる。大根は自分たちで収穫し、干し、漬け、できた沢庵は子どもから家族へのお土産になっている。
保護者と園とが互いに心を通わせ合い子育てを共有していくためには、受け身でなく、積極的で能動的な働きかけが必要だと考えている。お迎え時の会話は最も大切であり、少なくとも月に一度はクラス全員の保護者と担任との会話ができるよう工夫している。保育見学や相談は常時可能であり、年3回の保護者会・懇談会では、DVDなどで子どもの日常の様子も観てもらうようにしている。そのほか、運動会など保護者参加行事も多く設け、たとえば毎年師走の八日、釈尊がさとりを開いた日を祝う成道会では、年長児が散華と劇を演じ保護者に感動を与えている。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:2016年10月7日(金)現在における在園児132名の保護者全員を対象として調査を実施した。一家庭で複数の在籍者がいる場合には、年齢の低い方の児童を対象にすることとした。
- 調査方法:アンケート方式
無記名のアンケート方式により調査を実施した。調査用紙の配付に先立ち、本調査の実施目的を説明したうえで協力を依頼する文書を作成し、保護者全員に配付した。また、園だよりに掲載するなど、園の協力を得た。 - 有効回答者数/利用者総数:110/110(回答率 100.0% )
調査対象の保護者全員からの回答を得て、回答率は100%となった。園に対する総合的感想を5段階で聞く項目では、「大変満足」が77%を占め、「満足」の21%と合わせ98%に達した。そのほかには「どちらともいえない」が2%あるのみであった。共通評価項目ごとに示された「はい」の回答率の全体平均値は85.1%である。特に、自然や地域との関わりを聞く項目では99.1%、子どもの状況に配慮された食事の提供の項目は96.4%、職員の接遇・態度、保育中の病気やけがへの対応の2項目は93.6%といずれも高い評価が示された。一方、子ども同士のトラブルへの対応や外部の相談窓口の周知、保育時間変更への対応には、66.4%から72.7%の低めの結果となったが、これらの項目では経験がない為「非該当」の回答が多めであった。評価機関が追加した、園が大切にしていることへの説明と、子どもの育ちを共に喜び合う姿勢や場があるかとの両設問には、94.5%が「はい」と回答した。また、68%にあたる保護者からの総合的感想の記述には、保育理念や自然保育への取組、職員対応等への感謝の言葉が70%で、その他園生活全般にわたる多種多様な意見・要望が記されていた。
アンケート結果
1.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか
この項目への「はい」の回答率は96.4%で、評価項目全体で2番目に高い評価が示された。「どちらともいえない」が2.7%、「非該当」への回答が0.9%あった。自由意見欄には15件の記述があり、その内の13件は、出汁や無添加食材へのこだわり、家庭ではできない手間をかけた美味しい献立を評価するもので、「子どもの舌が肥えて嬉しい悲鳴を上げている」などの記述もあった。体調不良時や食物アレルギーへの丁寧な対応への感謝の意見が5件あった。そのほかの2件は、おやつに関する意見で、量が少ない、簡単すぎるというものであった。
2.保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか
調査用紙では、自然や地域とのふれあいの機会が十分にあり、内容が工夫されたものになっていると思いますかと聞いた項目で、「はい」の回答率は99.1%と最も高位の評価が示された。自由意見欄の12件中11件は、子どもたちが植物や虫たちとふれあい、木の実や枝で作品づくりをしている姿を喜ぶものであった。「ほぼ毎日広い園庭の林に行き、沢山の発見があるようです。帰宅途中の木の実などを見ては、”先生と取った”などと教えてくれます」などと記されていた。そのほか、園内にも自然が多いが外への散歩もしてほしいとの記述が1件あった。
3.保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか
「はい」の回答率は72.7%で、全評価項目中3番目に低い結果となった。ただし、経験したことがなく「非該当」とした回答が14.5%あった。そのほか、「どちらともいえない」11.8%、「いいえ」が0.9%であった。自由意見欄の14件中の7件は、柔軟性がある、快く変更を受けてくれる、願い出の電話に優しく応えてもらえ心が落ち着く、遅れたときにも笑顔で迎えてくれる等々であった。そのほか7件は、利用したことがなく分からない、延長保育の受入人数が少なく急には難しい、延長の当日枠がホームページで分かると良いなどであった。
4.安全対策が十分取られていると思うか
調査用紙では、安全対策を設備や緊急時対応を含むとして聞いている。「はい」の回答率は80.0%で、「どちらともいえない」17.3%、「いいえ」1.8%、「非該当」が0.9%であった。自由意見欄には13件の記述があり、避難訓練の様子を見て安心した、訓練の様子をプリントや掲示で知らせてもらえる、対策は十分取られているなど3件のほか、不審者が入りやすい、セキュリティー面で少々不安、子どもが親を追いかけて道路に出てしまわないか心配、日中の様子は分からない、防犯カメラの設置が望まれる、園舎の耐震性が心配などであった。
5.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か
「はい」の回答率は82.7%で、「どちらともいえない」15.5%、「いいえ」が1.8%であった。自由意見欄への記述は10件で、その内半数以上は保護者会の日程に関する意見であった。夕方からの開催で参加しやすい、遅い時間設定で助かっているとのほか、平日ではなく土曜日にしてほしいが3件と、時間が早くて参加できないが2件など、計7件の記述があった。保護者会に関するもの以外には、わが家は毎回参加できている、土曜勤務なので工夫が欲しい、行事日程をすべての都合に合わせるのは不可能ではないか、などの意見が記されていた。
6.子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があるか
「はい」の回答率は90.0%で、「どちらともいえない」9.1%、「いいえ」が0.9%であった。自由意見欄には13件の記述があり、その内10件はこの高い評価を裏付ける内容であった。職員の年齢層に幅があり相談しやすい、忙しいのにイヤな顔をせずいつも相談にのってくれる、担任以外の方も積極的に話しかけてくれる、どんなときも立ち止まりしっかり顔を見てアドバイスしてくれる、皆さんが親切で頼りになる等々であった。その他、職員により対応が違う、先生に時間の余裕がない、園児が多いためゆっくり話す機会がない、と記されていた。
7.職員は保護者の考えを聞く姿勢があるか
調査用紙では、あなたが大切に考えていることについて、職員には話を聞く姿勢があると思いますか、として聞いている。「はい」の回答率は前問同様90.0%で、「どちらともいえない」8.2%、「いいえ」が0.9%に、「非該当」への回答が0.9%あった。自由意見欄への記述は5件で、毎日話す機会があり姿勢は十分にある、話しかけると忙しいにも拘わらず丁寧に一日の様子などを話してもらえる、担任も協力してくれるようになったなど3件と、話を聞く姿勢はあまり感じられない、先生には話を聞く時間の余裕がないと思う、との2件であった。
8.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
「はい」の回答率は86.4%で、「どちらともいえない」11.8%、「いいえ」と無回答がそれぞれ0.9%あった。自由意見欄には15件の記述があった。古さは感じるがそこがこの園の良いところ、建物は古いが補強され掃除が行き届いている、との意見がそれぞれ2件ずつあった。また、整理整頓されている、トイレがピカピカできれい、清掃して下さる方に感謝なども合わせて5件あった。その他は、ある程度仕方がないが害虫を見かけることがある、廊下の砂やホコリが気になる、場所によっては片付けが不十分、園庭に蚊が多い、など6件であった。
9.職員の接遇・態度は適切か
調査用紙では、職員の言葉づかいや態度、服装などが不適切だと感じることはないですかとして聞いている。「はい」の回答率は93.6%であり、全共通評価項目の中で3番目(同率が2項目あり)に高い結果となった。「どちらともいえない」5.5%、「いいえ」が0.9%あった。自由意見欄への記述は4件であった。素晴らしい先生方ばかりと感じているが、ごく一部に子どもの叱り方に疑問を感じる方がいる、あまり気にはしていないが子どもを呼び捨てにする人がいる、職員により態度や対応に差がある、先生の機嫌が悪いことがある、などであった。
10.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
「はい」の回答率は前問同様93.6%で、全項目中3番目(同率が2項目)に高い評価となっている。「どちらともいえない」3.6%、「いいえ」と「非該当」、無回答が0.9%ずつあった。自由意見は9件で、その内の1件は、申し訳なく思う程良く対応してもらえているとあった。そのほか、子どもの不注意で起こるケガに園は謝る必要はないと思う、対応は適切だが看護師がいるとなお良い、体調不良の際「明日も休まれた方が良い」と言われた、発熱の際はすぐ呼んで欲しい、腕が抜けた時の対応が遅かった、見過ごしの時もあるなどの意見があった。
11.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
「はい」の回答率は66.4%で、全項目中最も低い結果となった。ただ、経験したことがないことによる「非該当」の回答が13.6%ある。また、「どちらともいえない」が多めの18.2%で、「いいえ」は1.8%であった。自由意見は15件で、未経験で分からない、職員が把握していないこともある、などが4件ずつと、ケガをさせてしまった親への連絡も必要との意見が3件あった。そのほかは、周囲の保護者に気遣い話をしてくれる、トラブルを起こしやすい子どもには注意を払ってほしい、職員により対応が違い不満を感じる、などであった。
12.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
この項目への「はい」の回答率は90.9%で、「どちらともいえない」8.2%、「いいえ」が0.9%であった。自由意見欄へは6件の記述があり、その内の3件は、先生方が子どもの気持ちに寄り添ってくれているからこそみんなステキな笑顔で充実しているのだと思う、日々の様子から先生方の子どもへの愛情を感じる、毎日帰宅時にかわいい髪型に結んでもらい子どもたちは大喜びしている、などの意見であった。そのほかには、職員による差があるとの2件と、手が足りないためなのか入園当初は落ち着かなく感じることがあったとの意見があった。
13.子どもと保護者のプライバシーは守られているか
調査用紙ではプライバシーについて、「他の人に見られたくない、聞かれたくない、知られたくないと思うこと」とする説明を加えている。「はい」の回答率は80.0%で、「どちらともいえない」13.6%、「いいえ」2.7%、「非該当」が3.6%であった。この項目の自由意見欄には3件の記述があり、個人情報の管理についてはやや意識が低いと思う、対応が難しいこととは思うがお迎え時の先生との会話の中には他の人に聞かれたくないと思うこともある、そうした状況にないため分からない、というものであった。
14.保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか
「はい」の回答率は92.7%で、「どちらともいえない」6.4%、「いいえ」が0.9%であった。自由意見欄には9件の記述があった。その内の4件は、短く要点を絞り話をしてくれる、日々の会話や保護者会での分かり易い説明に感謝している、日々の連絡帳で様子がよく分かる、4、5歳児はノートがないが質問すれば丁寧な答えがもらえて十分に思う、とあった。そのほか、写真や掲示などがあるとよい、説明や報告が全くない日もある、聞かなければ話がないときもある、先生に時間がない、先生によって違いがある、など5件の意見が記されていた。
15.利用者の不満や要望は対応されているか
調査用紙では、あなたが不満に思ったことや要望を伝えたとき、職員はきちんと対応してくれていると思いますかとして聞いている。「はい」の回答率は79.1%で、「どちらともいえない」が10.0%、「いいえ」の回答はなかった。また、未経験による「非該当」が10.9%あった。自由意見欄への記述は4件で、その内の2件は、要望を伝えたことがなく分からないというものであった。そのほかには、要望はないが仮にあった際にはきちんと受け止めてもらえると思う、経験の多い少ないに関係なく人によるのだと思う、との2件が記されていた。
16.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
「はい」の回答率は68.2%で、共通評価項目の中で2番目に低い結果となっている。ただ、「非該当」への回答が12.7%あった。また、「どちらともいえない」が15.5%、「いいえ」が3.6%あった。この項目に設けられた自由意見欄には4件の記述があり、保護者会でその都度伝えてくれている、特に説明はなかった、との両意見のほかに、まだ経験していないため分からないという2件であった。
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念、基本方針)を明確化・周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を明示している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
- 重要な意思決定や判断に迷ったときに、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を思い起こすことができる取り組みを行っている(会議中に確認できるなど)
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、自らの役割と責任に基づいて行動している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件を検討し、決定する手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
「子どもの権利擁護指針」を策定し職員間での周知を図っている
仏教精神に基づく保育を実践する園の職員としてのあるべき姿を、「子どもの権利擁護指針」として定めている。「職員の基本姿勢」、「人権の擁護」、「職員資質の向上」などについて、守るべき行動規範を示している。その上で、さらに「権利擁護基本方針」を提示し、保育にあたり子どもたちが心身ともに健やかに養育される権利をもつことを認識すること、子どもが安心して生活できる環境を保障し、一人ひとりの発達に応じた保育を誠実に実践していくことをあげている。こうした方針に則り職員は、健全育成に必要な専門性を高め、自己研鑽に努めている。
第三者評価の結果や日常の保育活動の様子をホームページ上で公開している
第三者評価を2014(平成26)年迄の8年間継続して受審し、それ以降も3年おきに評価を実施し今日に至っている。ホームページの「お知らせ」欄で、「とうきょう福祉ナビゲーション(福ナビ)」にリンクを張り、過年度の事業評価結果を閲覧可能にしている。また、同ページに「アンケート結果報告」として、利用者調査の直近の報告書や集計・分析結果、過年度比較などを掲示している。そのほか、印刷物にしたファイルを各保育室前のケースに常備している。ホームページの「保育園日記」を2~3日おきに更新し、園の日常活動の様子を公開している。
園長が民間保育園関係機関の重責を担い、課題解決に向けて率先し取り組んでいる
本園では、1歳児から入園受入を可能としている。乳児期の子と親との愛着の絆が、未来の社会を担う子どもたちの育成には欠かせないとの考えに基づくものである。園長が会長を務める、区の民間保育園協会においても、子育て中の専業主婦への支援に向けたありかたについて模索している。区では、幼保小の連携推進を図っており、園長は地元小学校PTA関係機関の役職を担うとともに研修会の企画や保小の交流を図っている。また、地域ネットワーク会議等に主任が参加し連携を図りながら、育児困難家庭など地域の課題に向けて協働し取り組んでいる。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知している
- 福祉サービスに従事する者として、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などを明示している
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などの理解が深まるように取り組んでいる
2. 第三者による評価の結果公表、情報開示などにより、地域社会に対し、透明性の高い組織となっている
- 第三者による評価の結果公表、情報開示など外部の導入を図り、開かれた組織となるように取り組んでいる
- 透明性を高めるために、地域の人の目にふれやすい方法(事業者便り・会報など)で地域社会に事業所に関する情報を開示している
1. 事業所の機能や福祉の専門性をいかした取り組みがある
- 事業所の機能や専門性は、利用者に支障のない範囲で地域の人に還元している(施設・備品等の開放、個別相談など)
- 地域の人や関係機関を対象に、事業所の機能や専門性をいかした企画・啓発活動(研修会の開催、講師派遣など)を行っている
2. ボランティア受け入れに関する基本姿勢を明確にし、体制を確立している
- ボランティアの受け入れに対する基本姿勢を明示している
- ボランティアの受け入れ体制を整備している(担当者の配置、手引き書の作成など)
- ボランティアに利用者のプライバシーの尊重やその他の留意事項などを伝えている
3. 地域の関係機関との連携を図っている
- 地域の関係機関のネットワーク(事業者連絡会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働して取り組めるような体制を整えている
【講評】
毎月すべての保護者と担任が面談する体制をとり、個別の意向の把握に努めている
登園後、設定保育に移る前の時間帯は、広い園庭での自由保育をおこなっている。子どもたちは、ジャングルジムや滑り台、大きな木株などで遊び、走り回り、のびのびと遊びを楽しんでいる。保育士たちも遊びに加わりながら子どもたちを見守っている。登園時に保護者と直接、ゆっくり会話することは難しい。クラスの保護者の意向を把握するために担任は、お迎え時を活用し、すべての保護者と月に1度は面談する体制を整えている。利用者調査で「子どもの育ちを共に喜び合う姿勢や場があるか」の問いかけに95%の保護者が「はい」と回答している。
意見や要望を保護者が気兼ねなく言えるような雰囲気づくりに努めている
保護者意向を把握するために第一に必要なことは、保護者とのコミュニケーションを図ることであると考えている。保護者との信頼関係を築き、積極的な意見交換をしやすくするための対応のあり方を、「ロールプレイング」などの手法を取り入れ全員で学びあうようにしている。その結果、日々交換する連絡ノートや保護者会あるいは利用者アンケートなどで得られた保護者からの提案や要望は、随時職員会議で検討し、職員同士で改善案を提出しあい改善につなげている。利用者調査の回答率は従前も80%台の高い割合を示していたが、今回は100%になった。
園長が役職を務める福祉関係諸団体からの情報を園内外の取組に反映させている
園長は現在、全国および都の保育園関係諸団体に所属するほか、日本仏教保育関係団体の研究部長であり、加えて区の民間保育園関係団体の会長職も務めている。また、区の行政機関との情報交換をはじめ、地元小学校のPTA役員や高齢者施設の職員との懇談会も定期的に実施して、地域の福祉の動向や課題の把握をおこなっている。こうした活動を通じて得られる情報を分析しながら、園運営に反映させると同時に、園外においても地域福祉計画の推進に向けた直接的な関わりをもちながら日々取り組んでいる。
1. 利用者一人ひとりの意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応している(苦情解決制度を含む)
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者一人ひとりの意見・要望・苦情に対する解決に取り組んでいる
2. 利用者意向の集約・分析とサービス向上への活用に取り組んでいる
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向を把握することに取り組んでいる
- 事業者が把握している利用者の意向を取りまとめ、利用者から見たサービスの現状・問題を把握している
- 利用者の意向をサービス向上につなげることに取り組んでいる
3. 地域・事業環境に関する情報を収集し、状況を把握・分析している
- 地域の福祉ニーズの収集(地域での聞き取り、地域懇談会など)に取り組んでいる
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)の収集に取り組んでいる
- 事業所としての今後のあり方の参考になるように、地域の福祉ニーズや福祉事業全体の動向を整理・分析している
【講評】
中長期計画の中の目標に掲げる人材育成計画に具体的取組内容の位置づけが望まれる
園の基本理念や方針を実現していくための3~5年先を見据えた中長期計画を策定している。人材育成と園舎および園庭などの施設設備の改修計画を示したものである。本園の特色である自然保育の実践の場となる敷地内の雑木林(「第2園庭」)の環境整備をはじめ、園庭の果樹や花木、下草など植栽の充実などを具体的な計画として示している。一方、人材育成計画については、「園の基本理念である仏教の教えに対する理解を深めるための研修を増やしていく」など4項目からのビジョンを示しているが、さらに具体的な取組内容を位置づけることが望まれる。
具体的な取組計画を示す年度計画の策定とその達成度合いを図る指標の設定が望まれる
新年度事業を計画するにあたり、年度末に「計画策定会議」を開催する。全員で年度事業を総括し課題を明確にして、次年度計画に反映させるようにしている。たとえば、複数担任制の保育形態を見直し「一人担任制」にして副担任とフリー保育士を置くなどの体制の改善や、運動会、お泊まり保育など行事内容についても、大幅に見直しを図った。これらの取組をはじめ、前年度評価の結果やそれに基づく新たな取組計画を報告書や事業計画書の中に明確に位置づけ、さらに計画の達成度合いを測るための指標の設定を明示していくことが今後に期待される。
子どもたちの安全を守るための実践的訓練を計画的におこなっている
災害時の避難レベルを「警戒しながら通常保育」から第3次避難までの4段階に分け、全職員が周知し毎月1度、訓練を実施している。9月には地元警察署の協力で不審者侵入対策の防犯訓練、11月には地元消防署の消防車も園庭に入り大掛かりな防災訓練、また12月には近くの川の洪水を想定した水害訓練もおこなった。いずれも、子どもたちが職員に見守られ整然と避難する様子が詳細にホームページに載っている。しかし、利用者調査の「保育中の安全対策について」の項目は、「どちらともいえない」の回答がやや多めで、引き続き一層の取組が望まれる。
1. 取り組み期間に応じた課題・計画を策定している
- 理念・ビジョンの実現に向けた中・長期計画を策定している
- 年度単位の計画を策定している
- 短期の活動についても、計画的(担当者・スケジュールの設定など)に取り組んでいる
2. 多角的な視点から課題を把握し、計画を策定している
- 課題の明確化、計画策定の時期や手順があらかじめ決まっている
- 課題の明確化、計画の策定にあたり、現場の意向を反映できるようにしている
- 計画は、サービスの現状(利用者意向、地域の福祉ニーズや事業環境など)を踏まえて策定している
- 計画は、想定されるリスク(利用者への影響、職員への業務負担、必要経費の増大など)を踏まえて策定している
3. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 計画推進の方法(体制、職員の役割や活動内容など)を明示している
- 計画推進にあたり、より高い成果が得られるように事業所内外の先進事例・失敗事例を参考にするなどの取り組みを行っている
- 計画推進にあたり、目指す目標と達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
1. 利用者の安全の確保・向上に計画的に取り組んでいる
- 利用者の安全の確保・向上を図るため、関係機関との連携や事業所内の役割分担を明示している
- 事故、感染症、侵入、災害などの事例や情報を組織として収集し、予防対策を策定している
- 事故、感染症、侵入、災害などの発生時でもサービス提供が継続できるよう、職員、利用者、関係機関などに具体的な活動内容が伝わっている
- 事故、感染症、侵入などの被害が発生したときは、要因を分析し、再発防止に取り組んでいる
【講評】
園の理念を十分理解しながら協働する職員集団が構築されている
仏教の教えに基づく保育を実践するために、本園では「人の心を感じる能力に長け」、やさしく思いやりと誠実さを有し、自信と信念をもって子どもや保護者を支え導ける人材を求めている。新規採用に当たり志望者には就職説明会を実施し、あらかじめ園の基本方針や保育内容の説明はもとより、こうした期待に対する十分な理解を得るようにしている。園が定める倫理規程の冒頭には「子どもの育ちを支える」こと、「保護者の子育てを支える」こと、そして「子どもと子育てにやさしい社会をつくる」ことに努めるとの思いを示し、一丸となって取り組んでいる。
園と職員のあるべき姿を見据え、保育力の向上をめざす研修制度の充実に取り組んでいる
保育者としての役割と責任を自覚し、より良い保育を計画し実践することをめざし研修を重視している。興味や得意分野を深める研修への参加を増やし、保育に生かすことも人材育成計画に定めている。園長以下全職員の年間研修計画を策定し、国および都の仏教保育園関係団体主催の研修会をはじめ、多くの研修・講習会に参加し研鑽している。毎年2回、2~3名が参加する他園見学制度は、実施後既に20年以上になる。研修後はレポート作成と報告発表会をおこない、成果を全員で共有している。園に専門家を招聘し、年10回程度の全員研修も実施している。
個別の状況に配慮された職場環境が職員のやる気向上と働きがいにつながっている
職員のやる気向上を図るためには、組織全体のコミュニケーションを深めることが重要である、と園長は考えている。会議では、経験差や上下関係を意識せず自由な意見交換をおこない、行事担当の責任は、特定の職員に固定せずに分散し、全員で取り組む体制にしている。また、勤務形態を職員間で調整しあい、有給休暇や代休を取得しやすくしている。園長は個人面談で、「どういう保育をしたいか」を問い、個々の思いを育成計画につなげており、職員からは個別の状況への配慮があるとの声がある。パート職員も含め、10年ごとの勤続表彰制度も設けている。
1. 事業所にとって必要な人材構成にしている
- 事業所の人事制度に関する方針(人材像、職員育成・評価の考え方)を明示している
- 事業所が必要とする人材を踏まえた採用を行っている
- 適材適所の人員配置に取り組んでいる
2. 職員の質の向上に取り組んでいる
- 職員一人ひとりの能力向上に関する希望を把握している
- 事業所の人材育成計画と職員一人ひとりの意向に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 個人別の育成(研修)計画は、職員の技術水準、知識、専門資格の習得(取得)などの視点を入れて策定している
- 職員一人ひとりの個人別の育成(研修)計画に基づいて、必要な支援をしている
- 職員の研修成果を確認し(研修時・研修直後・研修数ヶ月後など)、研修が本人の育成に役立ったかを確認している
1. 職員一人ひとりの主体的な判断・行動と組織としての学びに取り組んでいる
- 職員の判断で実施可能な範囲と、それを超えた場合の対応方法を明示している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに学ぶことに取り組んでいる
- 職員一人ひとりの研修成果を、レポートや発表等で共有化に取り組んでいる
2. 職員のやる気向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価・報酬(賃金、昇進・昇格、賞賛など)が連動した人材マネジメントを行っている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、疲労・ストレスなど)を把握し、改善に取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、やる気と働きがいの向上に取り組んでいる
- 福利厚生制度の充実に取り組んでいる
1. 事業所が蓄積している経営に関する情報の保護・共有に取り組んでいる
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

【講評】
在園するすべての子どもたちを「仏様から預かる大切な子ども」として支援している
1955(昭和30)年、寺院の付属保育園として創設された本園は、昨年10月に60周年を迎えた。開園当初からの「仏教の根本精神『慈悲の心』を幼い心に育ませること」への願いを保育の根本理念として掲げ、現在もなお継承し明示している。子どもたちの一人ひとりを、等しく「仏様から預かる大切な子ども」であるとして捉え、園が担うべき使命とは、「子どもたちが現在を最も良く生き、望ましい未来を創りだす力を自分自身の中に培うこと」への支援であると考えている。こうした基本理念は、ホームページやフライヤー、園のしおりに明示している。
毎回職員会議で保育目標を唱和し、全員で基本理念を確認し合い会議を進めている
「感謝の気持ちを持てる子」、「助け合う子」、「のびのびとした明るい子」の育成を目指し3つの保育目標を掲げている。それは、仏教の教えに基づきいのちの大切さを知り、人や物への感謝の気持ちを持つことであり、集団活動の中で互いに協力し助け合うこと、体も心もまっすぐに育つことなどである。園長はこうした目標を達成していくために、「人としての正しい心の持ち方を常に求め、感謝と思いやりを持って育児支援」に気概を持ってあたることを職員に求めている。職員会議の冒頭では常に保育目標を唱和し、ぶれのない業務遂行に一丸となっている。
園長は自らおこなう訓話や巻頭言を通じて園の保育理念を保護者に伝えている
毎回の保護者会で園長は、保育園が担うミッション(役割・使命)と園が大切にする基本理念について講話をおこなう。また、毎月発行する園だよりの巻頭言には、月の目標に掲げる仏教の徳目をあげ、保護者向けに分かり易く思いを伝えている。たとえば、「六波羅蜜」(仏教の六つの徳目)」の一つ「布施」については、その言葉が持つ「与える」という意味について解説しながら、「人を幸せにし、自分も幸せになる。そんな子を育てていきたい」と記している。保護者からは、「熱い思いが伝わる」「保護者に媚びない教育者だ」などの声が寄せられている。