評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1) 何らかの事情で家庭での保育ができず困っている保護者に代わって、子どもの心身の健やかさと、安全に保育をする。
2) 乳幼児でなければ育てることのできない、機能形成、心情形成、感覚形成、知能形成、社会性などの側面を最大に育てるようにする。
3) 感覚、知性の教育については、絵画・造形の表現活動を通して発想力、思考力、創造力を養う。
4) 乳幼児期に色々な事柄を体験・経験し、心の豊かさの育ち、様々な新しい知識を獲得させ、拡散的な思考力を養う。
5) 未分化の段階にある子ども達に物事の善し悪しをよく理解させ、叱ることなく励まし、諭して喜びを感じながら成長させる。
職員に求めている人材像や役割
1.自ら、人間性と専門性の向上に努められる人物
2.豊かな人間性を持っていること
3.乳幼児の保育・教育に情熱を持っていること
4.笑顔でいること
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
1.専門職としての職業倫理をもつこと
2.主体性・協調性を持って仕事に取り組むこと
3.危機管理の意識を常に持つこと
全体の評価講評
特によいと思う点
最も力を注いでいる活動が絵画造形活動です。「描くこと、造ること、考えること、だいすき」をテーマに子どもたちの感性豊かな作品ができあがります。トマトの写生も「トマトが好きな虫はいるかな」と考えて、トマトに集まるたくさんのかわいらしい虫も描くなど、一つの作品にも子どもたちの夢と気づきが盛り込まれています。造形展では年間を通した季節の作品が園内外に展示されます。実際に製作している模様を保護者や幼児教育関係者に公開保育として披露しています。子どもたちの作品は全国のはりえ展や世界児童画展などでも入賞しています。
園では保護者に子どもの成長を季節の節目ごとに見てもらうように親子参加の行事に力を入れています。七夕子ども会、夕涼み会、運動会、造形展、クリスマス祝会、ひなまつり子ども会などを実施しています。特に絵画造形活動の造形展では子どもたちの感性豊かな作品が展示され、高い評価を得ています。これらの行事は毎年職員間で見直し、前年度の反省を生かし、保護者の要望も取り入れて、子どもがより楽しめるように工夫を重ねながら実践しています。多数の保護者の参加があり、園における子どもの発達を参観してもらう良い機会になっています。
子どもたちは集団の保育活動から人とのかかわりやいっしょに遊ぶ楽しさを学び、豊かな人間性と人格の基礎を築きます。当園では「思いやりのある心情と感謝の心を備えた優しい心の子ども」にそれぞれの子どもがなれるよう、日々の保育場面で感謝と善悪の判断ができる力を育てています。担当保育士は母親のように子どもを笑顔で見守り、間違った行為に対しては、しかるのではなく、短い言葉と優しい気持ちで気長に「諭す保育」を実践しています。
さらなる改善が望まれる点
単年度ごとに基本事項や重要な取り組みを記載した事業計画を策定し、園の運営管理を行っています。年度末に当年度の達成状況を検証、総括したものを事業報告書にまとめ、次年度の事業計画に反映させています。しかしながら一方では、保育環境の流動化傾向も見られます。17年経過した園舎の補修工事や将来を見据えた人材の確保と育成、地域子育て支援事業などの地域貢献など、園としての中長期の視点に基づく計画の策定を期待します。
園では職員に外部研修の受講を進めたり、テーマや担当者を決めて園内研修を毎月開催するなど、職員の能力向上に取り組んでいます。しかし今回の職員の自己評価の中には「もう少し職員の声を聞いてほしい」「人手不足で一人ひとりの業務負担が大きい」などの声がありました。昨年度より始まった保育士等のキャリアアップ補助金交付要綱を具現化するためにも、職員の職位・職務内容に応じた勤務条件の見直しや処遇改善など、職員のやる気を高める人事制度の取り組みについて、さらなる検討を期待します。
夕方の合同保育が充実できるように、夕方の時間帯の保育マニュアルを作成しています。遅番保育士と非常勤保育士の仕事の流れや分担、連携を確認して、保護者が安心して子どもを引き取ることができるよう努めています。保護者への伝言などは「引継ぎノート」や「降園記録表」を使用して、漏れのないように職員間で引き継いでいます。しかし、職員の入れ替えや保育士不足による伝達ミスも起きることがあります。さらなるマニュアルの整備を検討して、保護者とのコミュニケーションが深められることを期待します。
事業者が特に力を入れている取り組み
当園は市内で最初にできた歴史と伝統を持つ保育園です。園では絵画造形、音楽などの芸術活動を通じて乳幼児の教育を実践しています。また、園長は市の保育、福祉団体の役員を務めるなど、地域の児童福祉や乳幼児教育に関して大きな役割を果たしています。系列の幼稚園とともに民間団体に加盟して、園内で公開講座や研修会を行うほか、保育関連団体やメーカーとも連携し、子どもの作品を「児童画展」に出品したり、「はり絵展」の事務局を担当するなど、園の取り組み内容などを地域に発信しています。
園では、子どもと保護者に安心と信頼の保育を提案し、保護者の労働を支え「共育て」することが大切であると考えています。職員はこれらを念頭に、保護者とのかかわりについて、急な残業や土曜日出勤などにも柔軟に快く対応しています。また、保護者のさまざまな不安が取り除けるように保護者との会話を重視しています。今回の利用者調査では、職員は保護者の考えを聞く姿勢があるか、子どもの体調変化への対応は十分かの質問には、いずれも「はい」との回答が多く寄せられ、高い評価が得られました。
給食の献立は分園の栄養士と協力して独自のものとなっています。年齢別の栄養基準量をバランスよく摂取できるよう配慮して、食材は国産の添加物の少ない、旬の魚や野菜を主に使用し、季節感と文化伝統を感じられるものです。1か月は全て日替わりで、毎日変わった給食が子どもたちの味覚を育てています。子どもにとって「食事は身体の発達だけではなく、心の発達にも影響する」ことを念頭に置き、栄養のある良質な安全でおいしい給食作りに努めています。心を育てる意味でも、好き嫌いをなくせるよう野菜の切りかたや調理法も工夫を凝らしています。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:保育園を利用している139世帯を対象に調査を実施しました。在園児は165名で、兄弟姉妹の居る世帯は1世帯として扱いました。利用者総数に対する回答者割合は39.6%でした。
- 調査方法:アンケート方式
アンケート調査は無記名方式で、配付は施設を通じて利用者へ手渡し、回収は保護者から直接評価機関へ郵送、または密封して回収箱に投函してもらい、取りまとめました。
調査結果は選択回答だけでなく、記述式の回答についても匿名性に配慮してまとめ、保育園に報告しました。 - 有効回答者数/利用者総数:55/139(回答率 39.6% )
保育園に対する総合的な感想は、「大変満足」が30人(54.5%)、「満足」が21人(38.2%)で「満足」以上の回答は合計51人(92.7%)でした。
自由記述には「多くの先生方の目で子どもたちの様子を見守ってくれ、先生方の笑顔がとてもすてきです」「行事が多く、英語、体操、芸術面など、保育だけでなく幼稚園のように教育面でも多大なサポート指導がある」「日々の食事や誕生日用のメニューが豊富で、見た目にもきれいに盛り付けていただけてうれしいです」「先生方がみな優しく、毎日あいさつから子どもへの言葉かけや話をしてくれる」など、園に対する信頼と感謝の声が聞かれます。
項目別に見ますと、「提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか」「病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか」で、それぞれ94.5%、「保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか」「保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか」「保護者の考えを聞く姿勢があるか」「施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか」で、それぞれ89.1%の保護者が「はい」と回答し、とても高い満足度がうかがえます。
アンケート結果
1.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか
「はい」が94.5%、「どちらともいえない」が5.5%でした。 自由意見には、「給食、おやつ等配慮していただいています」「いつもおいしそうなメニューで、家では食べない食材も園では食べているようです」「お楽しみメニューが工夫されていてよい」などの声がありました。 その一方で、「もう少し幼児向けにしたり、苦手なものがある子どもでもお迎えまではお腹をすかせることのないよう工夫してもらいたい」という意見もありました。
2.保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか
「はい」が89.1%、「どちらともいえない」が7.3%、「いいえ」が1.8%、「無回答・非該当」が1.8%でした。 自由意見には、「家庭菜園や生物の展示等なかなか触れ合えない自然に触れられて楽しそうです」「植物と動物とたくさん触れ合わせてもらえて、良い経験ができています」などの声がありました。 その一方で、「外でたくさん遊ばせてくれてよいが、お散歩に行く回数が増えると嬉しい」という意見もありました。
3.保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか
「はい」が89.1%、「どちらともいえない」が5.5%、「無回答・非該当」が5.5%でした。 自由意見には、「19時を過ぎてしまう場合でも連絡すれば見ていただけるので、たいへん助かります」という声がありました。
4.安全対策が十分取られていると思うか
「はい」が72.7%、「どちらともいえない」が21.8%、「いいえ」が3.6%、「無回答・非該当」が1.8%でした。 自由意見には、「緊急連絡の際の方法などが伝わり切れていない」「立地が崖に面しているため、災害時など道路が分断される可能性に不安を覚える」などの声がありました。
5.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か
「はい」が87.3%、「どちらともいえない」が9.1%、「いいえ」が3.6%でした。 自由意見には、「行事が土曜ばかりなので困ることが多いです」「事前連絡が遅く、間際でバタバタするので、困っています」などの声がありました。
6.子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があるか
「はい」が78.2%、「どちらともいえない」が16.4%、「いいえ」が3.6%、「無回答・非該当」が1.8%でした。 自由意見には、「皆さんよく話を聞いてくださりありがたいです」「先生方皆さん、とても話しやすいのでいろいろお話ができます」「毎日、育児日記のやり取りで様子がわかり、よく見ていてコメントをくださいます」などの声がありました。 その一方で、「なかなか時間がなく、日ごろしっかり話す時間が取れません」という意見もありました。
7.職員は保護者の考えを聞く姿勢があるか
「はい」が89.1%、「どちらともいえない」が10.9%でした。 自由意見には、「皆さんよく話を聞いてくださりありがたいです」という声がありました。 その一方で、「意見を言っても聞き入れてもらえない」という意見もありました。
8.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
「はい」が89.1%、「どちらともいえない」が7.3%、「いいえ」が3.6%でした。 自由意見には、「分園の園庭が、雨が降ると池のようになるのが気になります」「分園と本園の違いを感じる」「整頓されているが、古いためはだしでも足裏が黒くなってしまう」などの声がありました。
9.職員の接遇・態度は適切か
「はい」が80.0%、「どちらともいえない」が18.2%、「いいえ」が1.8%でした。 自由意見には、「皆さん感じよくあいさつしてくださり気持ちが良いです」などの声がありました。 その一方で、「人による、あいさつのない先生もいる」という意見もありました。
10.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
「はい」が94.5%、「どちらともいえない」が5.5%でした。 自由意見には、「体調変化の際はこまめに検温、観察してくれました」という声がありました。
11.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
「はい」が69.1%、「どちらともいえない」が29.1%、「無回答・非該当」が1.8%でした。 自由意見には、「干渉し過ぎず、放置し過ぎずよく様子を見て報告してもらえ信頼できます」という声がありました。 その一方で、「トラブルは対応が難しいので、100%望むような方法や対応はないと思う」「トラブルで迷惑をかけられても相手を教えてくれないが、自分の子どもが逆に迷惑をかけた場合は、相手に謝りたいので、どちらの場合も教えてほしい」などの意見もありました。
12.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
「はい」が83.6%、「どちらともいえない」が12.7%、「いいえ」が1.8%、「無回答・非該当」が1.8%でした。 自由意見には、「子どもたちが『先生大好き』と言っていることからわかります」「よく子どもの様子を見てくれていて、子どもの視点に立ってくれていると感じます」などの声がありました。
13.子どもと保護者のプライバシーは守られているか
「はい」が78.2%、「どちらともいえない」が18.2%、「いいえ」が1.8%、「無回答・非該当」が1.8%でした。 自由意見には、「知らない間に職業を知られていた」「職場や仕事のことはほかの保護者や子どもに言わないようにしてほしい」などの声がありました。
14.保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか
「はい」が85.5%、「どちらともいえない」が12.7%、「いいえ」が1.8%でした。 自由意見には、「毎月の園だよりでわかるので安心しています」という声がありました。
15.利用者の不満や要望は対応されているか
「はい」が65.5%、「どちらともいえない」が27.3%、「いいえ」が3.6%、「無回答・非該当」が3.6%でした。 自由意見には、「不満はありませんが、わからないことを質問したときはていねいに教えてもらいました」という声がありました。 その一方で、「伝えたことに対してのその後のフィードバックがない」「あまり担任の先生とお話できていないので要望等伝えられない」などの声がありました。
16.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
「はい」が45.5%、「どちらともいえない」が34.5%、「いいえ」が16.4%、「無回答・非該当」が3.6%でした。 自由意見には、「要請箱など園においてもらいたいです」などの声がありました。
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念、基本方針)を明確化・周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を明示している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
- 重要な意思決定や判断に迷ったときに、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を思い起こすことができる取り組みを行っている(会議中に確認できるなど)
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、自らの役割と責任に基づいて行動している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件を検討し、決定する手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
職員は基本事項や各種マニュアルを理解し、それらを実践しています
福祉サービスに従事する者として、守るべき法、規範、倫理などは、就業規則の服務規程や園規則、行動規範の中に明記されています。特に理念の中には「保育にあたっては保護者と地域社会の協力のもとに、子どもの人権や主体性を尊重し、豊かな愛情をもって子どもを安全に保育し、心豊かな感性と健康な体の発達及び将来に必要な諸処の側面の育成を支援する」ことが明示されています。こうした視点から、職員は保育従事者の在りかたとして「子ども一人ひとりの最善の利益」を推進するにはどうするか、という立場から保育サービスの向上に努めています。
地域の交流事業などに力を入れています
地域の在宅家庭の親子を対象に園の自主事業である「子どもステーション」を開催し、親子ふれあい製作活動として、クリスマスの飾りや年賀状製作などの機会を提供しています。昨年度は10回開催し、延べ622名と多くの利用がありました。また、園の行事の中では夕涼み会や運動会、造形展などに、近隣住民や卒園児、未就園児に来園を呼びかけています。このほか、子どもの一時預かり事業は、在園児に支障のない範囲で行っています。
ボランティアや実習生などの受け入れや関係機関との交流を積極的に行っています
園では社会的責任の一環としてボランティアの受け入れに力を入れ、受け入れは、主に副園長と主任が担当しています。昨年度は福祉に関心の高い中学、高校生の職場体験をはじめ、夏季ボランティア、専門学校・短大・大学からは20名の保育実習生を受け入れました。受け入れの際には、小冊子を渡して留意事項を説明し、守秘義務の順守についての説明をしています。子どもたちは大勢のお兄さん、お姉さんたちとの交流を楽しんでいます。そのほか、全国はり絵展の事務局や、保育関連の美術の会の公開保育を当園を会場として実施しています。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知している
- 福祉サービスに従事する者として、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などを明示している
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などの理解が深まるように取り組んでいる
2. 第三者による評価の結果公表、情報開示などにより、地域社会に対し、透明性の高い組織となっている
- 第三者による評価の結果公表、情報開示など外部の導入を図り、開かれた組織となるように取り組んでいる
- 透明性を高めるために、地域の人の目にふれやすい方法(事業者便り・会報など)で地域社会に事業所に関する情報を開示している
1. 事業所の機能や福祉の専門性をいかした取り組みがある
- 事業所の機能や専門性は、利用者に支障のない範囲で地域の人に還元している(施設・備品等の開放、個別相談など)
- 地域の人や関係機関を対象に、事業所の機能や専門性をいかした企画・啓発活動(研修会の開催、講師派遣など)を行っている
2. ボランティア受け入れに関する基本姿勢を明確にし、体制を確立している
- ボランティアの受け入れに対する基本姿勢を明示している
- ボランティアの受け入れ体制を整備している(担当者の配置、手引き書の作成など)
- ボランティアに利用者のプライバシーの尊重やその他の留意事項などを伝えている
3. 地域の関係機関との連携を図っている
- 地域の関係機関のネットワーク(事業者連絡会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働して取り組めるような体制を整えている
【講評】
苦情のしくみを整え、保護者に説明しています
苦情のしくみや対応方法については、入園時に配付する「入園ハンドブック」などに明示しており、保護者には入園説明会や保護者懇談会などで説明しています。意見、要望、苦情があった場合には、主に苦情解決責任者である副園長が対応し、苦情申出人とは誠意をもって話し合い、解決に努めるようにしています。その際、苦情申出人は、外部の第三者委員の助言や立ち合いを求めることができるようになっています。対応の結果は、口頭もしくは文書で保護者に報告しています。
保護者の意見、要望を収集し、改善に生かしています
保護者懇談会、保護者との面談や造形展の際にはアンケートをお願いし、保護者から寄せられた意見、要望を集計してから職員の反省会を実施しています。また、日々の連絡帳や育児相談などからも保護者の意向を把握し、職員会議などで話し合い、改善に生かすようにしています。例えば、運動会の曜日の変更や乳児、幼児の出し物を2部制に変更した事例などが挙げられます。
地域福祉に関する情報はさまざまなところから収集しています
地域の福祉ニーズについては、園長が市法人立保育園協会の副会長や市社会福祉協会の理事を務めていることから、多様な情報を収集しています。また、行政担当者が出席する定例の園長会では、意見交換や地域の動向、福祉に関する情報の収集に努めています。そのほか、園長は行政からの通達や各種団体からの会報、雑誌にも目を通し、必要な情報は定例ミーティングなどで職員に周知しています。特に、他園で発生した事例紹介(誤食、アレルギー事故など)をして、職員に注意を喚起しています。
1. 利用者一人ひとりの意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応している(苦情解決制度を含む)
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者一人ひとりの意見・要望・苦情に対する解決に取り組んでいる
2. 利用者意向の集約・分析とサービス向上への活用に取り組んでいる
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向を把握することに取り組んでいる
- 事業者が把握している利用者の意向を取りまとめ、利用者から見たサービスの現状・問題を把握している
- 利用者の意向をサービス向上につなげることに取り組んでいる
3. 地域・事業環境に関する情報を収集し、状況を把握・分析している
- 地域の福祉ニーズの収集(地域での聞き取り、地域懇談会など)に取り組んでいる
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)の収集に取り組んでいる
- 事業所としての今後のあり方の参考になるように、地域の福祉ニーズや福祉事業全体の動向を整理・分析している
【講評】
中長期的な方向や計画を策定しながら、園の運営管理に生かされることを期待します
年度ごとに基本事項や重要な取り組みなどを記述した事業計画を作成しています。年度末には、当年度の達成状況を検証、総括したものを事業報告書としてまとめ、次年度の事業計画に反映させています。事業計画に基づき、行事、食育、保健などの事業ごとの計画や月案、週案、日案などの短期計画に具体化されています。しかしながら一方では、保育環境の流動化傾向も見られますので、当園も施設、設備の補修工事や子育て支援などの地域貢献、将来を見据えた人材確保と育成など、園としての中長期の視点に基づく計画の策定を期待します。
事業計画は職員の意向などを反映して、主体的に実施されています
事業計画は、前年度にリーダー会議で取り上げる課題を選定し、それらを各クラス、調理や保健などのクラス会議で討議し、また、行事については実行委員がまとめて全体で討議し、職員会議の承認を得たうえで園長が計画案を策定し、理事会で決定しています。内容を決めるにあたっては保護者の意向や地域ニーズも配慮しています。園長は事業計画を作成後、目標や職務分担に沿って園の運営がなされているかの進捗状況をチェックし、必要に応じて個別に職員に助言、指導しながら、計画の実行に取り組んでいます。
利用者の安全の確保、向上に計画的に取り組んでいます
子どもの安全確保を最優先の課題ととらえ、事故や災害、感染症から子どもを守る体制づくりに取り組んでいます。危機管理マニュアルを中心とする各種マニュアルを整備しています。園内の安全対策として、消防計画に基づいて、固定遊具や設備、施設の安全点検や、地震や火災などに備えての訓練を毎月実施しています。また、けがの記録や、本年度からかみつき報告書を作成し、事故防止対策を検討したり、防犯カメラを8か所に設置しました。緊急時に備えて、110番非常警報装置、園全体の警備については民間の警備会社と契約しています。
1. 取り組み期間に応じた課題・計画を策定している
- 理念・ビジョンの実現に向けた中・長期計画を策定している
- 年度単位の計画を策定している
- 短期の活動についても、計画的(担当者・スケジュールの設定など)に取り組んでいる
2. 多角的な視点から課題を把握し、計画を策定している
- 課題の明確化、計画策定の時期や手順があらかじめ決まっている
- 課題の明確化、計画の策定にあたり、現場の意向を反映できるようにしている
- 計画は、サービスの現状(利用者意向、地域の福祉ニーズや事業環境など)を踏まえて策定している
- 計画は、想定されるリスク(利用者への影響、職員への業務負担、必要経費の増大など)を踏まえて策定している
3. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 計画推進の方法(体制、職員の役割や活動内容など)を明示している
- 計画推進にあたり、より高い成果が得られるように事業所内外の先進事例・失敗事例を参考にするなどの取り組みを行っている
- 計画推進にあたり、目指す目標と達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
1. 利用者の安全の確保・向上に計画的に取り組んでいる
- 利用者の安全の確保・向上を図るため、関係機関との連携や事業所内の役割分担を明示している
- 事故、感染症、侵入、災害などの事例や情報を組織として収集し、予防対策を策定している
- 事故、感染症、侵入、災害などの発生時でもサービス提供が継続できるよう、職員、利用者、関係機関などに具体的な活動内容が伝わっている
- 事故、感染症、侵入などの被害が発生したときは、要因を分析し、再発防止に取り組んでいる
【講評】
園が必要とする職員像が示されています
園が必要とする職員像は、素直で明るく笑顔であることに加えて、「未成熟な段階にある子どもたちに善し悪しをよく理解させ、叱ることなく励まし、諭して喜びを感じながら成長させる」という人間性豊かな職員をあげています。職員の採用では、面接や作文から人間性を判断して決定しています。職員配置は、本人の希望や適性、ベテラン職員との組み合わせなどを配慮して決め、職場内訓練(OJT)が十分できるようにしています。
園内研修の充実に加えて、個人別育成計画の策定を期待します
園には人材育成目標があり、職員は自らのキャリアとスキルを考慮して、希望する研修に参加できるようにしています。また、園内研修は、毎月1回テーマと担当者を決めて実施していますが、あいさつ、マナーの基礎研修や行事主体の研修に力を入れて、職場内教育中心の育成を図っています。その中には外部講師による「絵本の読み聞かせ講座」や保育関係機関との協賛の絵本実技研修の公開講座も含まれています。今後の研修計画の中で、職員一人ひとりの人材育成を見据えた個人別育成計画を策定されることを期待します。
職員のやる気につながる人事制度の検討、策定を期待します
当園の職員処遇は、職員の経験年数をもとに新任、中堅、指導的職員の3段階に区分し、等級と経験年数が連動する年功を重視する人事制度で運用されています。現在、経営層と職員が職務内容や個人の特技などを話し合う機会を設け、スキルアップの成果の確認と次の目標を設定するしくみを制度化するように模索しています。今回の職員の自己評価では「職員のやる気向上に取り組んでいるか」の質問に「できている」の回答がほかの項目より低く出ていました。今後はやる気につながる育成、評価、処遇に連動するような人事制度の検討、策定を期待します。
1. 事業所にとって必要な人材構成にしている
- 事業所の人事制度に関する方針(人材像、職員育成・評価の考え方)を明示している
- 事業所が必要とする人材を踏まえた採用を行っている
- 適材適所の人員配置に取り組んでいる
2. 職員の質の向上に取り組んでいる
- 職員一人ひとりの能力向上に関する希望を把握している
- 事業所の人材育成計画と職員一人ひとりの意向に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 個人別の育成(研修)計画は、職員の技術水準、知識、専門資格の習得(取得)などの視点を入れて策定している
- 職員一人ひとりの個人別の育成(研修)計画に基づいて、必要な支援をしている
- 職員の研修成果を確認し(研修時・研修直後・研修数ヶ月後など)、研修が本人の育成に役立ったかを確認している
1. 職員一人ひとりの主体的な判断・行動と組織としての学びに取り組んでいる
- 職員の判断で実施可能な範囲と、それを超えた場合の対応方法を明示している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに学ぶことに取り組んでいる
- 職員一人ひとりの研修成果を、レポートや発表等で共有化に取り組んでいる
2. 職員のやる気向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価・報酬(賃金、昇進・昇格、賞賛など)が連動した人材マネジメントを行っている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、疲労・ストレスなど)を把握し、改善に取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、やる気と働きがいの向上に取り組んでいる
- 福利厚生制度の充実に取り組んでいる
1. 事業所が蓄積している経営に関する情報の保護・共有に取り組んでいる
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

【講評】
保育理念や保育の基本方針などが、保護者や職員に浸透するように努めています
保育理念や保育の基本方針、保育目標は入園ハンドブックやパンフレット、ホームページに掲載され、保護者には入園説明会、保護者懇談会などで詳しく説明しています。職員には入職時の新入職員研修で説明するほか、毎月開催の職員会議において、園長が保育理念などに触れ、職員への確認と周知を図っています。また、園内研修で基本方針や保育目標などを全員で唱和したり、日々の朝礼の場で確認したりしています。
経営層は自らの役割を自覚し、リーダーシップを発揮しています
園の経営層は園長、副園長、主任です。園長は施設、管理運営、職員の管理指導のほかに対外的活動や職員に対して芸術面の指導をしています。副園長は園長を補佐し、用務、職員指導など園運営全体のマネジメントを担うほか、法人の理事長としての立場を兼務しています。主任は現場の保育業務や職員の指導、監督をしています。こうした経営層の役割については、事業計画の中に明記し、職員に説明しています。経営層は職員会議や各種ミーティングなどを通して、園の運営方針や職員の保育の心得などを十分に伝えています。
重要案件を決める手順を定め、職員や保護者に周知しています
重要な案件については、職員の意向を考慮して副園長と主任が十分協議、検討して原案を策定し、園長の承認を得て決定しています。決定事項は、その内容と経緯を朝礼や定例ミーティングなどで説明し、職員に周知しています。保護者に対しては、毎月発行する園だよりやお知らせで連絡したり、保護者懇願会で説明しています。保護者への連絡で緊急性の高いものについては、掲示板や連絡帳で伝えています。