評価結果

標準の評価

基本情報

【法人名称】

医療法人社団珠泉会

【事業所名称】

グループホームかたりざ

【サービス種別】

認知症対応型共同生活介護【認知症高齢者グループホーム】(介護予防含む)

事業者の理念・方針・期待する職員像

事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)

1)利用者個々の心身の特性を踏まえ、生活居住空間そのものである「住みやすさ」「暮らしやすさ」を前提とした『家庭』としての役割を果たし、生活再編と生活自立意欲の向上を目指す
2)個別性を重視した目標設定を行うとともに、常にご利用者と語らいながら意思及び人格を尊重した援助を行うことで、認知症症状の進行緩和に努め、身体的・精神的に安定したゆとりある生活を目指す
3)利用者を中心とし、家族・施設職員間・地域社会が相互に理解し、支え合うことを目指す

職員に求めている人材像や役割

介護に関する知識や技術のほか、ご利用者やそのご家族、職員、医師、地域の方々と接する仕事なのでコミュニケーション能力が必要と考えている。「報告・連絡・相談」「受容・傾聴・共感」が出来る人。
協調性があり、チームケアが適している人。

職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

利用者の生活の質を高めていかれるよう支援に努めること。
現存能力を活かしご利用者ができる限り自立した生活を送れるよう支援に努めること。

全体の評価講評

特によいと思う点

誤薬は一歩間違うと命に直結することもあります。誤薬が発生した場合は都度、再発防止の対応策を講じています。服薬介助方法の流れを再検討し(計画)、担当職員がおおよそ1週間を目安に服薬支援を行い(実行)、その効果の検証が行なわれます(評価)。検証中に誤薬が起きた場合は再度練直し、職員に周知しています。PDCAサイクルを繰り返し回すことで誤薬の再発防止に努めています。

日勤者1名と夜勤者で夕方4時30分から30分間利用者を見守りもりながらも、カンファレンスが実施されます。内容は利用者の処遇、業務の見直し、アクシデントの対応策などです。論議が続くカンファレンスでもあります。冷蔵庫を開けて食べ物を食べてしまう方への対策では、ある職員の「鍵をつけたら」に対し、別の職員は「鍵をつけるのではなく、気持ちが向かないように好きな折り紙をして貰ったらどうか」と反論しています。経験ある職員に従うのではなく、誰もが思いを伝えられる場として、利用者主体を貫きます。

ホームでは昨年11月の開設時、経験の浅い職員に対しては入職時に基本的な知識を身につけることが出来るよう、研修を実施しました。それから、約10ヶ月が経過し、日々の業務の中で様々な経験を積みつつ、新たな疑問や思いを積み上げて来た職員の姿があります。今回の職員アンケートの職員の能力向上では29%の職員しか“出来ている”と回答していません。43%の職員は“出来ていない”、29%の職員が“分からない”と回答しました。経験して来た場面の対応や知識の裏付けに対しての渇望感が出ていると感じます。

さらなる改善が望まれる点

グループホームを生活の場と捉え日々の生活の変化を楽しむ支援がしたいと自ら手を上げ、管理者として約5ヶ月が経過し、そろそろ「かたりざが目指すものは何?」「大切にするものは何?」を熟考すべき時期に差し掛かって来ました。長野の山間で畑仕事をしている祖父母との日常の何気ない会話に癒される我がいることに原体験を見出し、今まさに歩んでいる道をこれからも力強く歩んでいこうと誓っています。自らを省みつつ、かたりざの目指すべき目標と価値観を明らかにしていきましょう。

あるグループホームの管理者は我がホームの方針を職員や家族に理解してもらうべく、「職員が居眠りしている間に、いつの間にかカレーがテーブルに並んでいるホームが理想です。」と話します。“居眠り”、“カレー”という万人がイメージ出来る言葉を使って話すその姿勢は、多くの人間の共感と理解を生むことを熟知しているからに他なりません。かたりざの方針と価値観を明らかにした後、出来るだけ分かりやすい言葉で職員と家族に表現、周知しましょう。

調理は、「○○さん野菜を切ってもらえますか」「ランチョンマットを配ってください」と、作業を追っている声かけが見られます。職員対利用者の関係だけではなく、職員対利用者同士の横の繋がり、一対多の関係作りも頭に入れましょう。調理作業は、利用者同士のコミュニケーションを図り、連帯感が生まれます。利用者の感情を揺さぶる、のせる、そそる声かけをすることで盛り上がり、活気溢れる昼食作りが期待されます。楽しい作業は、症状の進行を遅らせる効果に繋がるでしょう。

利用者調査結果

調査概要

  • 調査対象:アンケートは、利用者18名中18名の家族に配付、11名から回答を得ました。回答者の利用者属性は、女性10名(無回答1名)、平均年齢88歳、平均要介護度2.5、平均利用年数8ヶ月でした。
  • 調査方法:アンケート方式,場面観察方式  
    アンケートは、事業所の封筒に入れ、事業所経由で郵送により配布しました。利用者家族からは、同封の返信用封筒で直接に郵送により回収しました。場面観察方式の利用者調査では評価者が現場に入り、利用者の日常の様子を確認しました。
  • 有効回答者数/利用者総数:11/18(回答率 61.1% )

利用者家族アンケートは、18中11名から回答を得ました(有効回収率61%)。回答した利用者の状況は全体の平均年齢が86歳に対し88歳、平均要介護度は2.4に対し2.5、平均利用期間は8ヶ月変わらずでした。
事業所の好感を持って出来事(オプション設定)としては「外出する機会を多く持って頂いている」「職員の方は入居者の状態をよく把握され、それぞれの入居者に合った、きめ細やかな対応をしている」が意見として上がり、不快な感じを持った出来事では「スタッフの引き継ぎが要望の内容と異なる」が上がりました。

アンケート結果

1.家族への情報提供はあるか

はい 9名 (82%)
どちらともいえない 1名 (9%)
無回答・非該当 1名 (9%)

9名(82%)が“はい”、1名(9%)が“どちらともいえない”と回答しています。6件の意見を頂きました。参考となる意見として「面会の際に報告があります。こちらからの問いかけにも、すぐに対応して下さる」との意見があがりました。

2.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか

はい 11名 (100%)

本問の有効回答者全員が“はい”と回答しています。4件の意見を頂きました。参考となる意見として「トイレの匂いが気になる時がある」がありました。

3.職員の接遇・態度は適切か

はい 11名 (100%)

本問の有効回答者全員が“はい”と回答しています。2件の意見を頂きました。参考となる意見として「いつも気持ちよく丁寧に対応して頂いています」がありました。

4.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか

はい 9名 (82%)
無回答・非該当 2名 (18%)

本問の有効回答者全員が“はい”と回答しています。6件の意見を頂きました。参考となる意見として「転倒などが発生した際には必ず連絡があります」がありました。

5.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか

はい 8名 (73%)
どちらともいえない 2名 (18%)
無回答・非該当 1名 (9%)

5名(73%)が“はい”、2名(18%)が“どちらともいえない”と回答しています。9件の意見を頂きました。参考となる意見として「職員がイライラしている気持ちに寄り添い、次に同様な状況がある場合、未然に防ぐようにしている」との意見があがりました。

6.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか

はい 11名 (100%)

本問の有効回答者全員が“はい”と回答しています。4件の意見を頂きました。参考となる意見として「本人の性格を把握して、良い面をちゃんと見て頂いている」(がありました。

7.利用者のプライバシーは守られているか

はい 11名 (100%)

本問の有効回答者全員が“はい”と回答しています。3件の意見を頂きました。特記すべき意見はありませんでした。

8.個別の計画作成時に、利用者や家族の状況や要望を聞かれているか

はい 11名 (100%)

本問の有効回答者全員が“はい”と回答しています。2件の意見を頂きました。参考となる意見として「入居の際と入ってみての力のギャップを適切に変更してくれた」がありました。

9.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか

はい 11名 (100%)

本問の有効回答者全員が“はい”と回答しています。2件の意見を頂きました。特記すべき意見はありませんでした。

10.利用者の不満や要望は対応されているか

はい 11名 (100%)

本問の有効回答者全員が“はい”と回答しています。3件の意見を頂きました。参考となる意見として「要望の伝達は完全ではない」がありました。

11.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか

はい 4名 (36%)
どちらともいえない 2名 (18%)
無回答・非該当 5名 (45%)

4名(36%)が“はい”、2名(18%)が“どちらともいえない”と回答しています。2件の意見を頂きました。特記すべき意見はありませんでした。

調査時に観察したさまざまな場面の中で、調査の視点に基づいて評価機関が選定した場面

朝食後の体操やティータイムの後、昼食作りが行われています。数名の方はおり紙制作をしています。入居者の状況に応じて分かれて行われているとのことです。献立は、いなり、太巻きです。3名の入居者と職員で寿司桶を囲んで、いなりの皮にすし飯を詰めています。半分のすし飯は、太巻きを作ります。巻きすにのり、すし飯、具材を載せてどの方も手慣れた様子でくるくる上手に巻いています。残ったすし飯は、具材を小さく切って混ぜてちらし寿司にします。彩りの良く盛られたご馳走に「いただきます」と昼食が始まりました。

選定した場面から評価機関が読み取った利用者の気持ちの変化

入居者にとって稲荷や太巻きは、昔から年中行事や祝いごとで慣れ親しんだご馳走で、心を躍らせながら作業が進められている様子が伺えました。職員は、一緒に作りながら会話を弾ませ、入居者に皿は何枚必要か、残った具材は何にしようかなどの質問をしたり、伝授して貰ったりしていました。さらにご本人が出来ることには手を出さず、出来ないことはさりげなく助け、力を引き出していました。また朝早く米とぎや野菜を切ってくれた別の入居者にも労っていました。完成したお寿司を食べ始めると「美味しい」と笑みがこぼれ、心と体が満たされていました。

事業者のコメント

『かたりざ』では、日々、スタッフはご入居者が、健康でおいしい食事を摂りながら、毎日を楽しく笑顔で過ごせるよう努めています。その為、その日の天候や体調に合わせて、計画を立てています。この日は、前日より買い物に行き、スタッフが提案した“海苔巻き”と“稲荷寿司”に必要な食材をご入居者に考えて頂きながら、店内を探し、選び購入してきました。当日は、いなり寿司を作りながら、「昔、運動会の時にお重に沢山入れて持っていったよね。」など長期の記憶を想起させたり、「全部で40個作るから、ご飯は予めこの位に分けておいて…」など考える力を自然に引き出す事を意識しながら、コミュニケーションを図りました。又、ご入居者相互の関係性を考慮し、気の合う方や作業レベルが合う方を選定し、スタッフが見守りながら、適宜、介入する事で穏やかに楽しく活動が行えるよう配慮しました。一方、食事作りに参加されない方は、作業に集中できるようテーブルを分け、工程が単純で安全に行え、完成度が高い折り紙(オーナメント作り)を行いました。『かたりざ』では、日々、そのような雰囲気の中で、お1人おひとりの微笑みと感動に溢れた穏やかな時がゆっくりと流れています。

組織マネジメント分析結果

◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合はで、実施できていない場合はで表しています。

【講評】
職員は理念・方針のキーワードに対し、真っ先に法人理念を思い浮かべています。

法人の理念はミッションステートメントとして定められています。ステートメントでは、組織の固有性、健やかな老いに基づく家庭における介護の重要性を語っています。職員アンケートにおける理念・方針の確認では93%、理念・ビジョンの理解では86%が“はい”と回答しています。職員は理念・方針のキーワードに対し、真っ先に法人の理念を思い起こしている様子が確認できます。

職員が素通りしないよう、かたりざの目標と価値観を明らかにしましょう。

グループホームを生活の場と捉え日々の生活の変化を楽しむ支援がしたいと自ら手を上げ、管理者として約5ヶ月が経過し、「かたりざが目指すものは何?」「大切にするものは何?」を熟考すべき時期に差し掛かって来ました。長野の山間で畑仕事をしている祖父母との日常の何気ない会話に癒される我がいることに原体験を見出し、今まさに歩んでいる道をこれからも力強く歩んでいこうと誓っています。目指すべき目標と価値観を明らかにしていきましょう。

かたりざの方針を職員に周知するため、分かりやすい言葉で表現しましょう。

あるグループホームの管理者は我がホームの方針を職員や家族に理解してもらうべく、「職員が居眠りしている間に、いつの間にかカレーがテーブルに並んでいるホームが理想です。」と話します。“居眠り”、“カレー”という万人がイメージ出来る言葉を使って話すその姿勢は、多くの人間の共感と理解を生むことを熟知しているからに他なりません。かたりざの方針と価値観を明らかにした後、分かりやすい言葉で職員と家族に表現しましょう。

1. 事業所が目指していること(理念、基本方針)を明確化・周知している
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を明示している
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
  • 重要な意思決定や判断に迷ったときに、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を思い起こすことができる取り組みを行っている(会議中に確認できるなど)
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
  • 経営層は、自らの役割と責任を職員に伝えている
  • 経営層は、自らの役割と責任に基づいて行動している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
  • 重要な案件を検討し、決定する手順があらかじめ決まっている
  • 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  • 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
日常の管理業務に加え、職員の育成はそれにも増して大切な使命です。

グループホームの管理者は日常の利用者に対する直接介護業務に加え、月毎の勤務表の作成、それに基づく勤怠管理、介護報酬請求業務、法人主催会議への出席と報告、職員が日頃活用している資料の内容確認など事務作業が枚挙に暇がありません。それにも増して、何よりも重要な業務は職員を育成することがとても大切な使命です。知識だけではない、人間力の備わった人材を育成してこそ一人前の管理者と言えるでしょう。

社会常識が備わっている職員には教育という視点はあてはまりません。

学校教育とは社会で自立して生きていくための必要最低限の知識と教養、社会常識を身につける場として、小中学校、高等学校の存在意義があるとの評価者の認識です。必要な知識と教養が身についていないと社会に出て困るという事実から、低い成績が叱咤激励の対象となり、目上の人に対して使う敬語や電車で席を譲るという社会常識を身につけることが教育現場には必要です。果たして、社会常識が備わっている成人した職員には教育という視点はあてはまらないことを認識し、職員教育に生かしましょう。

職員育成の際、職員に対する思いやりの姿勢が求められます。

それでは職員の成長を促すため、求められる姿勢は何でしょう?まずは、ホームの方針の明確化です。目指すべき目標が明確ではないと、職員と家族との価値観は共有出来ません。例えば、利用者が包丁を持つことの是非も目標と価値観によって大きく左右されます。その基礎が確立すると、目標を達成するための距離が職員の力量により、ことごとく異なります。その距離感を認識して、思いやりのある個々への対応が求められます。

1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知している
  • 福祉サービスに従事する者として、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などを明示している
  • 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などの理解が深まるように取り組んでいる
2. 第三者による評価の結果公表、情報開示などにより、地域社会に対し、透明性の高い組織となっている
  • 第三者による評価の結果公表、情報開示など外部の導入を図り、開かれた組織となるように取り組んでいる
  • 透明性を高めるために、地域の人の目にふれやすい方法(事業者便り・会報など)で地域社会に事業所に関する情報を開示している
1. 事業所の機能や福祉の専門性をいかした取り組みがある
  • 事業所の機能や専門性は、利用者に支障のない範囲で地域の人に還元している(施設・備品等の開放、個別相談など)
  • 地域の人や関係機関を対象に、事業所の機能や専門性をいかした企画・啓発活動(研修会の開催、講師派遣など)を行っている
2. ボランティア受け入れに関する基本姿勢を明確にし、体制を確立している
  • ボランティアの受け入れに対する基本姿勢を明示している
  • ボランティアの受け入れ体制を整備している(担当者の配置、手引き書の作成など)
  • ボランティアに利用者のプライバシーの尊重やその他の留意事項などを伝えている
3. 地域の関係機関との連携を図っている
  • 地域の関係機関のネットワーク(事業者連絡会など)に参画している
  • 地域ネットワーク内での共通課題について、協働して取り組めるような体制を整えている
【講評】
それぞれの家族にはそれぞれの対応をしなければならないことを確認しましょう。

「自室においていた生花(枯れてきましたので)を面会の際に片付けようと思っていましたら、その前に(職員が)綺麗に片付けて下さっていました。嬉しかったです。」とのご本人のもとに頻繁に訪れるであろうご家族からの意見です。頻繁にホームに来訪するが故、ホームの雰囲気も理解し、職員の笑顔に触れる機会の数多いことが善意な受け止め方に繋がりました。しかし、家族も人ですから、色々な受け止め方、感じ方をする家族の存在を職員は忘れてはなりません。

かたりざを頻繁に来訪、フロアの様子を目配せできる家族の姿があります。

かたりざのご家族の意見を拝読すると、ご本人への愛を感じます。「本人の性格を把握して、良い面もちゃんと見て頂いていると思います。」「入所の際と入ってみて本人の力のギャップがあり、適切に変更して下さいました。」さらに「それぞれの入居者に合った、きめ細やかな対応をしてくれている。」との意見もあります。ご本人の様子に対する意見ばかりでなく、傍にいる利用者や職員の動きも視野に入れることができる家族は職員にとって素晴らしい賛同者にもなりうりますが、逆もまた可なりです。

利用者の世界を拡げる支援の回路作りをしましょう。

喜怒哀楽、利用者の感情を引き出したり、揺さぶったりするのはグループホームの職員だからこその専門性があります。職員の言葉かけや対応により、認知症の方が懐かしんだりするのは極当たり前、職員が利用者の理性をコントールしつつ、敢えて感情を露わにする場面も作りたいものです。認知症という疾病が閉ざしていた本来、ご本人が持っている感情を呼び起こすことで、その人らしさが表出してくるはずです。そのためには嘘も方便、利用者から嘘つきと言われながら、利用者の新たな感情を引き出したいものです。

1. 利用者一人ひとりの意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応している(苦情解決制度を含む)
  • 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  • 利用者一人ひとりの意見・要望・苦情に対する解決に取り組んでいる
2. 利用者意向の集約・分析とサービス向上への活用に取り組んでいる
  • 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向を把握することに取り組んでいる
  • 事業者が把握している利用者の意向を取りまとめ、利用者から見たサービスの現状・問題を把握している
  • 利用者の意向をサービス向上につなげることに取り組んでいる
3. 地域・事業環境に関する情報を収集し、状況を把握・分析している
  • 地域の福祉ニーズの収集(地域での聞き取り、地域懇談会など)に取り組んでいる
  • 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)の収集に取り組んでいる
  • 事業所としての今後のあり方の参考になるように、地域の福祉ニーズや福祉事業全体の動向を整理・分析している
【講評】
多くの職員は事業計画に対する質問に対し、知らないと回答しています。

「中長期計画の内容を理解しているか?」は57%、「今年度の事業計画の内容を理解してるか?」は50%が“知らない”と回答しています。ホームは開設して1年未満のため、法人内異動による職員ばかりでなく、開設時採用の職員も少なからず在籍しています。法人内異動の職員では、“いいえ”と回答するはずですが、新規採用の職員は当然、事業計画の存在がないため、“知らない”と回答せざるを得ません。特に新規採用の職員に対しては、事業計画の存在意義から説明する必要があります。

事業計画作成に際し、かたりざの方針を起点にしたいものです。

さて、カテゴリ1の理念では職員は法人の理念が頭に浮かんでいることが分かりました。一歩進めると、かたりざの方針が明確でないことへの裏返しでもあります。カテゴリ4の事業計画への職員の認識では、半分以上の職員が事業計画自体を知らない・分からないと回答しています。事業計画の作成は事業所の方針を達成するための課題設定と捉えましょう。かたりざの方針を明らかにした段階で、それに基づく事業計画の策定と職員への周知が重要となります。

利用者の安全確保に対して、環境設定が重要と考えています。

利用者も安全、家族も安心できるホームをまずは目指したいと考えています。そのためには、環境設定が重要と考えています。安心、安全は人が生活する上でいの一番の基礎となる部分です。生活する上で安心が担保されないとその人らしい生活には繋がりません。そして、段差のないバリアフリーの住環境や利用者が歩行しやすい動線の確保といった設備環境が利用者の安心安全に繋がるとの意図です。

1. 取り組み期間に応じた課題・計画を策定している
  • 理念・ビジョンの実現に向けた中・長期計画を策定している
  • 年度単位の計画を策定している
  • 短期の活動についても、計画的(担当者・スケジュールの設定など)に取り組んでいる
2. 多角的な視点から課題を把握し、計画を策定している
  • 課題の明確化、計画策定の時期や手順があらかじめ決まっている
  • 課題の明確化、計画の策定にあたり、現場の意向を反映できるようにしている
  • 計画は、サービスの現状(利用者意向、地域の福祉ニーズや事業環境など)を踏まえて策定している
  • 計画は、想定されるリスク(利用者への影響、職員への業務負担、必要経費の増大など)を踏まえて策定している
3. 着実な計画の実行に取り組んでいる
  • 計画推進の方法(体制、職員の役割や活動内容など)を明示している
  • 計画推進にあたり、より高い成果が得られるように事業所内外の先進事例・失敗事例を参考にするなどの取り組みを行っている
  • 計画推進にあたり、目指す目標と達成度合いを測る指標を明示している
  • 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
1. 利用者の安全の確保・向上に計画的に取り組んでいる
  • 利用者の安全の確保・向上を図るため、関係機関との連携や事業所内の役割分担を明示している
  • 事故、感染症、侵入、災害などの事例や情報を組織として収集し、予防対策を策定している
  • 事故、感染症、侵入、災害などの発生時でもサービス提供が継続できるよう、職員、利用者、関係機関などに具体的な活動内容が伝わっている
  • 事故、感染症、侵入などの被害が発生したときは、要因を分析し、再発防止に取り組んでいる
【講評】
かたりざの方針のもと職員による利用者への対応についての価値観を共有しましょう。

一つの単一組織での最重要課題は目標と価値観を職員全員が共有することです。例えば、トイレにお連れする場面を想定して下さい。リハビリを目的に近くトイレではなくわざわざ遠くのトイレにお連れすることを“よし”とするホームもあれば、ご本人が苦痛に思われるから一番近いトイレにお連れしましょうと考えるホームもあります。お連れする声かけの仕方は職員と利用者の人間関係に由来するため千差万別ですが、目指す目標と認識する価値観は職員共通でなくてはなりません。

職員の知識習得意欲の高まりを感じます。

ホームでは昨年11月の開設時、経験の浅い職員に対しては入職時に基本的な知識を身につけることが出来るよう、研修を実施しました。それから、約10ヶ月が経過し、日々の業務の中で様々な経験を積みつつ、新たな疑問や思いを積み上げて来たでしょう。今回の職員アンケートの職員の能力向上では29%の職員しか“はい”と回答していません。経験して来た場面の対応や知識の裏付けに対しての渇望感が出ていると感じます。

楽しんでもらうから活き活きとしたと職員が思えるよう、尽力して下さい。

「楽しい生活を送って頂きたい。」「楽しい生活が送れるよう、最大限の出来る限りの要望に答えている。」との今回の職員からの意見です。管理者は「活き活きとした生活を利用者に送ってもらいたい」と考えています。楽しいは社会性とはかけ離れますが、活き活きには社会性が込められています。包丁でキャベツを切る、出来た野菜炒めを人数分に取り分けるといった社会的役割を担うことが活き活きに繋がります。職員に対し、活き活きをしっかり理解してもらうよう努めて下さい。

1. 事業所にとって必要な人材構成にしている
  • 事業所の人事制度に関する方針(人材像、職員育成・評価の考え方)を明示している
  • 事業所が必要とする人材を踏まえた採用を行っている
  • 適材適所の人員配置に取り組んでいる
2. 職員の質の向上に取り組んでいる
  • 職員一人ひとりの能力向上に関する希望を把握している
  • 事業所の人材育成計画と職員一人ひとりの意向に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  • 個人別の育成(研修)計画は、職員の技術水準、知識、専門資格の習得(取得)などの視点を入れて策定している
  • 職員一人ひとりの個人別の育成(研修)計画に基づいて、必要な支援をしている
  • 職員の研修成果を確認し(研修時・研修直後・研修数ヶ月後など)、研修が本人の育成に役立ったかを確認している
1. 職員一人ひとりの主体的な判断・行動と組織としての学びに取り組んでいる
  • 職員の判断で実施可能な範囲と、それを超えた場合の対応方法を明示している
  • 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに学ぶことに取り組んでいる
  • 職員一人ひとりの研修成果を、レポートや発表等で共有化に取り組んでいる
2. 職員のやる気向上に取り組んでいる
  • 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価・報酬(賃金、昇進・昇格、賞賛など)が連動した人材マネジメントを行っている
  • 就業状況(勤務時間や休暇取得、疲労・ストレスなど)を把握し、改善に取り組んでいる
  • 職員の意識を把握し、やる気と働きがいの向上に取り組んでいる
  • 福利厚生制度の充実に取り組んでいる
1. 事業所が蓄積している経営に関する情報の保護・共有に取り組んでいる

【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

【評語】
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