評価結果

標準の評価

基本情報

【事業所名称】

東京都視覚障害者生活支援センター

【サービス種別】

多機能型事業所

自立訓練(機能訓練)
就労移行支援

事業者の理念・方針・期待する職員像

事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)

1) 利用者の意向を尊重した福祉サービスの提供
2) 地域社会で自立生活が営めるよう支援を行う

職員に求めている人材像や役割

人間関係を築き障害者と共に歩む役割を行う

職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

ノーマライゼーションを実現化できること

全体の評価講評

特によいと思う点

視覚障害者には「移動」と「読み書き」の二つの不自由があるといわれており、創設以来、それらの不自由さを軽減していくことを目的に、また就労へと結びつくよう支援を行っている。白杖を使用した歩行訓練、パソコン技能および点字学習による読み書き能力の取得、調理、裁縫、掃除など日常生活で必要な動作の習得を始め、就労支援では資格取得、SST等によるコミュニケーション力の向上、在宅(遠隔)支援が可能となるようインターネット回線を利用した訓練プログラムの導入など、専門性を活かした各種取り組みは利用者の生活の質を向上させている。

事業所には、点訳、朗読、録音、外出支援及びサークル活動の指導など多くのボランティアが関わっており、利用者への余暇活動の担い手として、また、地域で生活する視覚障害者にボランティア活動を行う際の拠点として施設を開放している。また、視覚障害者への理解を促すために、同行援護従事者養成研修会やボランティア研修会を行い、当事者対象の自立生活支援セミナーの講師を担うなど、その専門性を発揮し積極的に地域貢献を行っている。その他、他事業所との連携も深めており、地域ネットワークの強化が図られている。

職員は視覚障害者に対し、自立に向けた専門性の高い支援を提供しているが、近年は他の身体障害を含め、知的や精神など視覚障害以外の事業所が行っている就労支援の状況等を理解することで、職員の視野を拡げていくことに取り組んでいる。例えば、障害者リハビリテーション研究大会でのポスター発表に参加したことで、多くの事業所との交流や情報交換が行われ、障害者の就労へのニーズと課題の把握につながっている。また、基幹施設と行っている他事業所との連絡会等では、地域の障害者の状況が分析できるようになるなどの成果があがっている。

さらなる改善が望まれる点

2年後の民間移譲に向け、関係する行政と連携を取りながら今後の事業規模等、事業所の将来像についての検討が重ねられている。利用率向上のための取り組みやインターネットを利用した遠隔支援など、将来を見据えた取り組みは既に始まっており、民間移譲後を視野に入れた中長期計画の策定が待たれるところである。併せて、利用者からも意見が挙がっているエントランスに至る点字ブロックの整備、段差の解消、手すりの設置など転倒防止対策等も中長期の計画に盛り込みながら実施していくことが期待される。

昨年度、ホームページをリニューアルするなど、事業所の情報を広く伝えていく取り組みを進めているところである。現在、相談支援事業所に対しパンフレットを送付するなどの対応をとっているが、今後、事業所の支援内容や利用者の状況等をお知らせするための会報等を作成し、ハローワークや就労支援センター、福祉事務所などの関係機関に送付していくとしている。また、企業に対し、視覚障害者の可能性等を積極的に伝えていくことが必要と認識しており、そのためにも事業所の会報誌の作成が待たれるところである。

大規模災害が起きた時の対応体制については、施設内で完結する防災計画から地域の視覚障害者への支援を視野に入れた総合的な計画としていくことが必要だと認識しており、昨年度より継続した課題として検討を続けている。防災拠点等の考えについては、地域の行政との連携が必要であり、視覚障害支援への専門性および地域のニーズを反映させたBCP(事業継続計画)の策定につながることに期待したい。

事業者が特に力を入れている取り組み

利用者は個々に利用開始時期、経験、利用目的等が異なり、また支援ニーズも異なることから、事業所独自の教材作成や機器の活用等、利用者の意向、目標に沿ったカリキュラム等を作成し、個々に応じたプログラムを提供している。就労支援においては教材自体がマニュアルになっており、利用者自身が課題を設定して自分で解決方法を見つけるよう働きかけることで、利用者のエンパワーメントを引き出している。そのことが利用者の就労に向けた自信につながっている。

事業所の強みとして、長年培ってきた視覚障害者へのADL(日常生活動作)訓練がある。カリキュラムは基本的に個人のスキルアップを目指すものであり、進捗の度合いもそれぞれ違うことから、各利用者の訓練の時間割りは担当職員との話し合いで決めており、例えば家庭をもっている女性や就労中の利用者、遠方から通所する利用者など、それぞれの事情に応じて時間割りを組んでいる。講義の空き時間には地階にある運動器具を使用したり、多目的室で軽運動をすることもできる。一人ひとりの利用者の思いを聞き取りカリキュラムに反映させている。

就労の実現にあたっては関係機関との連携が必須であり、事業所は積極的にハローワークや就労支援センター、民間の人材登録会社と日常的な連携をとっている。特にハローワークからは担当者が見学に来所するなど良好な協力体制があり、一般に公開する前に採用情報の提供を受けることもある。就職に向けての履歴書の書き方や模擬面接の実施、採用試験への同行など、利用者の就労に向けてのきめ細やかな支援が行なわれており、就職後のフォローは特にパソコンに関することを中心に月15件程度の対応がある。

利用者調査結果

調査概要

  • 調査対象:登録利用者全員
  • 調査方法:アンケート方式  
    機能訓練利用の利用者へは、調査員のべ5名による個別聞き取り調査を2日間実施した。
    就労移行利用の利用者へは、パソコンの訓練も兼ねてパソコン入力によるアンケートを実施した。
  • 有効回答者数/利用者総数:39/73(回答率 53.4% ) サービス毎の利用者総数
      利用者総数 共通評価項目による
    調査対象者数
    共通評価項目による
    調査の有効回答者数
    利用者総数に対する
    回答者割合
    自立訓練(機能訓練) 40人 40人 22人 55.0%
    就労移行支援 33人 33人 17人 51.5%

登録者総数73名中39名から回答を得ることができた。「職員の接遇や態度などは適切ですか」「個人の気持ちは尊重されていますか」「困った時の支援は受けていますか」などの項目において満足度が高かった。また、就労移行独自の項目である「事業所での活動が就労に向けてのスキルアップにつながっていますか」においても回答者全員が「はい」の回答であった。「利用者の立場(年齢や個人のスキル、個人が必要としている事)に立った支援をしてくれます」「ADL訓練や歩行訓練もマンツーマンでじっくり訓練ができます」「編み物や生花、ダンスや英会話等サークル活動もとても盛んです。OBやOGとの関わりもあります」「トイレが改修、増設されてとても嬉しいです」などのコメントがあがっている。意見や要望としては、「技能だけではなくメンタルな部分でのコミュニケーションをとる場があるとよい」「利用期間が限られているので、継続して勉強していける場がほしいです」「センター入り口の点字ブロックを修理してほしいです」「視覚障害の人たちの就労に関する選択肢を広げる支援をもっと取り入れてほしいです」などがあがっている。

アンケート結果

4~17は選択式の質問のため、該当項目のみ掲載しています。

1.利用者は困ったときに支援を受けているか

はい 38名 (97%)
どちらともいえない 1名 (3%)

38名が困った時の支援は受けていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「助けてくれます」「丁寧に説明をしてくれます」「わかりやすく教えてくれます」などの回答が複数あがっている。「危険な場所についてよく説明してくれました」「困ったことがある時は、すぐに相談しています」「部屋の使い方や物の位置など、親切に教えてくれました」などのコメントがあった。

2.事業所の設備は安心して使えるか

はい 33名 (85%)
どちらともいえない 5名 (13%)
いいえ 1名 (3%)

33名が事業所の設備は安心して使用できるとの回答であった。「トイレが改修されてとてもよかった」というコメントが複数あがっている。他には、「階段の手すりが途中で切れていたり段差があるのはなぜだろうと思う」「センター内は白杖を使わないので、階段に注意しています」「電子レンジや運動用具など、使い方がわかりにくい物もあります」などがあがっている。

3.利用者同士の交流など、仲間との関わりは楽しいか

はい 30名 (77%)
どちらともいえない 8名 (21%)
無回答・非該当 1名 (3%)

30名が仲間との交流や関わりを楽しんでいると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「昼食時や昼休み等に仲良く話をして情報交換しています」「センターが企画するもちつきや盲導犬の体験、仲間同士で企画してカラオケに行ったりもします」「サークル活動も盛んです」などのコメントがあがっている。他には、「年代のギャップがあり、難しい人もいます」「時間的に交流する余裕がないです」といった回答もあった。

5.【自立訓練(機能訓練)】 
事業所での活動が生活する力の向上に役立っているか

はい 20名 (91%)
どちらともいえない 2名 (9%)

20名が事業所での活動が生活力向上につながっていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「白杖の使い方、パソコン操作、調理等、生活のあらゆる面で役立つ事を習いました」「訓練により、生活の質が向上しました」「訓練を受け行動範囲が広がりました」「福祉用具の紹介等もしてくれます」などのコメントがあがっている。

7.【就労移行支援】
事業所での活動が就労に向けた知識の習得や能力の向上に役立っているか

はい 17名 (100%)

回答者全員が、事業所での活動が就労に向けてのスキルアップにつながっていると回答している。「パソコン、点字、歩行訓練などとても役立っています」「以前通所した支援施設とは異なるカリキュラムであるので、習得できるものも異なり、その部分ではとても助かっています」との回答があった。

8.【就労移行支援】
職場見学・職場実習等の、事業所外での体験は充実しているか

はい 5名 (29%)
どちらともいえない 3名 (18%)
いいえ 2名 (12%)
無回答・非該当 7名 (41%)

事業所外での実習や職場体験に関しては、5名が充実していると回答している。「まだ実習や体験等には至っていません」との回答が複数あがっている。「まだ実習には参加していませんが、今後参加の予定です」「見学も実習も行っていませんが、そのような機会があれば参加したいです」との回答があった。

9.【就労移行支援】
工賃等の支払いのしくみは、わかりやすく説明されているか

はい 6名 (35%)
どちらともいえない 3名 (18%)
無回答・非該当 8名 (47%)

工賃に関しては、6名が分かりやすく説明されていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「センターからの説明はわかりました」「該当していません」「まだ受けていないのでわかりません」との回答があった。

18.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか

はい 30名 (77%)
どちらともいえない 6名 (15%)
いいえ 1名 (3%)
無回答・非該当 2名 (5%)

30名が事業所内の整理整頓は行き届いていると回答している。「館内は整理されているので、目が悪くても歩きやすいです」「掃除の方がこまめに掃除してくれています」「施設は古いですが、きれいに整理されています」「食事の際もテーブルをきれいにしてくれます」などのコメントがあがっている。

19.職員の接遇・態度は適切か

はい 39名 (100%)

職員の対応に関しては、回答者全員が丁寧であり適切であるとの回答している。「丁寧で優しい対応です」との回答が複数あがっている。「作業がなかなか上手く進まなくても、イライラすることもなく優しく対応してくれます」「話しやすいです」「インストラクターの先生方も対応がよいです」などのコメントがあがっている。

20.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか

はい 29名 (74%)
どちらともいえない 3名 (8%)
無回答・非該当 7名 (18%)

緊急時における職員の対応に関しては、29名が信頼できると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「持病がありますが、職員さんは十分理解してくれています」「看護師の資格を持つ職員のいるので、何かあれば相談でき安心しています」「すぐに対応してくれます。定期的に医師が体調を聞いてくれます」などがあがっている。緊急な場合になった経験はないが、「信頼できる」「安心している」との回答が複数あった。

21.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか

はい 21名 (54%)
どちらともいえない 7名 (18%)
いいえ 3名 (8%)
無回答・非該当 8名 (21%)

利用者間のトラブルに関する対応は、21名が信頼できると回答している。「いさかいやいじめなどはない」との回答が多かった。「人との付き合いは相性もあるので職員さんはあまり立ち入りません」「大人同士の集まりなので大丈夫です」「利用者の中には関わりを持ちたがらない方もいますが、特に気にしません」といった回答があった。

22.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか

はい 38名 (97%)
無回答・非該当 1名 (3%)

38名が個人の気持ちを尊重してくれていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「訓練以外の生活上のことも相談にのってくれます」「親身になって話を聞いてくれます」「自分の中の狭い世界観を大きくしてくれるような話をしてくれます」などのコメントがあがっている。

23.利用者のプライバシーは守られているか

はい 37名 (95%)
どちらともいえない 2名 (5%)

37名がプライバシーは守られていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「大人の対応をしています」「プライベートなことに関してはかなり意識して対応してくれます」「利用者によって訓練の日程が異なるため、深くは立ち入りません」「トイレの改修によりとても改善されました」などがある。

24.個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか

はい 35名 (90%)
どちらともいえない 2名 (5%)
無回答・非該当 2名 (5%)

個別支援計画については、35名が作成時に要望などを聞かれていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「担当職員と十分に話し合い、達成度に応じて見直しもあります」「それぞれの進捗状況に合わせて面談を行ったり、計画の見直しがされています」「自分の要望が全て叶うことはないが、できるだけ対応してくれます」などのコメントがあがっている。

25.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか

はい 31名 (79%)
どちらともいえない 6名 (15%)
無回答・非該当 2名 (5%)

サービス内容や計画に関する説明は、31名がわかりやすいと回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「専門性の高い職員さんが集まって個別に計画を立ててくれます」「進路についてよく話し合っています」「わかりやすい説明です」などがある。

26.利用者の不満や要望は対応されているか

はい 30名 (77%)
どちらともいえない 6名 (15%)
無回答・非該当 3名 (8%)

不満や要望に関しては、30名が対応されていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。「相談にのってくれます」「筋の通った対応です」「苦情等はどの職員さんにも話してくださいと言われています」などのコメントがあった。「個々に話をする機会はあるのですが、利用者座談会みたいな時間が会ってもよいのではないでしょうか」という意見もみられた。

27.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか

はい 21名 (54%)
どちらともいえない 8名 (21%)
いいえ 9名 (23%)
無回答・非該当 1名 (3%)

第三者委員など、外部相談窓口に関しては21名が知っていると回答している。「わかりやすく伝えてくれました」との回答が複数あった。「区の窓口等で聞いています」「事業所を卒業したOBなどから口コミで知りました」「自分から知り合いや役所に聞いて相談しています」などのコメントがあがっている。

組織マネジメント分析結果

◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合はで、実施できていない場合はで表しています。

【講評】
視覚障害者一人ひとりの自立への支援を共に考え支援していくことを理念としている

機能訓練および就労移行支援を通して、視覚障害者が地域で自立した生活を送ることができるよう支援しており、原点となる考えは、「利用者一人ひとりの自立への支援を共に考え、進めていく」である。現在、事業所では民間移譲に向けた準備を着々と進めているところであり、その際も、経営力を高めるために「効率性」を追求していくことを検討課題としているが、一方で職員全体でセンターとしての原点を常に意識していく必要があることについて、所長から注意喚起が図られている。

障害の状態により情報伝達手段の工夫をしながら、事業所の情報を伝えている

利用者には見学時より事業所の目的、大切にしていること、支援の内容等を伝え、また当事者の自立に向けた心構え等について確認を行うことで、利用者自身が事業所の機能を上手に使いこなせるように働きかけている。また、事業所の決定事項等は、お知らせ及び各種の情報が録音されたCDを使用したり、口頭により利用者に伝えられている。さらに、事業ごとに説明会を実施したり、パソコンに情報を送付するなど、伝達すべき内容により利用者への情報提供の手段を変えるなどの方法をとっている。

重要事項等は課長会議にて検討し、最終的には法人役員との会議で決定される

民間移譲に関することは、毎月2回開催している民間移譲検討委員会にて話し合われており、その内容を含め、事業所の経営に関する課題や利用者支援の方針等は、毎月一回開催している課長会議で検討されている。課長会議で検討された事項は、月1回実施している法人と所長の会議により最終決定されている。決定事項は毎月の職員会議や毎日のミーティングを通して職員に伝達するとともに、各種打ち合わせの結果等は各職員にメールで伝えられる仕組みを整備している。

1. 事業所が目指していること(理念、基本方針)を明確化・周知している
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を明示している
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
  • 重要な意思決定や判断に迷ったときに、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を思い起こすことができる取り組みを行っている(会議中に確認できるなど)
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
  • 経営層は、自らの役割と責任を職員に伝えている
  • 経営層は、自らの役割と責任に基づいて行動している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
  • 重要な案件を検討し、決定する手順があらかじめ決まっている
  • 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  • 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
福祉施設の原点に立脚した支援を行うことを職員会議等で確認している

福祉サービスに従事するものとしての法、規範、倫理等については、就業規則の服務心得、運営規程などに明記するとともに、採用時の研修および日々のミーティングや職員会議の際に事例等を通して振り返りを行っている。特に、障害者虐待防止法の施行を受け、昨年度から利用者への権利侵害があった場合の対応等について検討を行い、対応体制等の確認を行っている。また、年度始めには事業方針を確認する中で、福祉施設の原点に立脚した支援を行うことが確認されている。

当事者が講師を務めるなど地域の人が視覚障害への理解を深める取り組みを行っている

視覚障害を持つ人への理解を深めてもらうために、新宿区の社会福祉協議会と連携し、小学生と中学生に対し視覚障害に関する講習会を実施している。視覚障害者がどのように感じているのか、見えないということはどのようなことか等、事業所の卒業生でもある当事者に話をしてもらうとともに用具体験等を行っており、子ども達が書いた感想文を当事者と共有している。また同行援護従事者養成研修会やボランティア研修会、当事者対象の自立支援生活セミナー等で講師を行うなど、事業所の専門性を活かした取り組みが各種行われている。

施設開放や多様なボランティアの受け入れ等、地域に開いた運営が行われている

地域に開いた施設として多くのボランティアを受け入れており、利用者や地域で生活する視覚障害者への支援の輪を広げるための取り組みに力を貸している。また、画面読み上げソフトや白黒反転など視覚障害者に配慮したホームページを作成し、事業所の支援内容が広く伝わるよう取り組むともに、福祉事務所や相談支援事業所を対象とした見学会を実施したり、パンフレットを送付することで事業所への理解を求めている。現在は会報誌の作成も検討しており、積極的な情報開示に努めている。

1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知している
  • 福祉サービスに従事する者として、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などを明示している
  • 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などの理解が深まるように取り組んでいる
2. 第三者による評価の結果公表、情報開示などにより、地域社会に対し、透明性の高い組織となっている
  • 第三者による評価の結果公表、情報開示など外部の導入を図り、開かれた組織となるように取り組んでいる
  • 透明性を高めるために、地域の人の目にふれやすい方法(事業者便り・会報など)で地域社会に事業所に関する情報を開示している
1. 事業所の機能や福祉の専門性をいかした取り組みがある
  • 事業所の機能や専門性は、利用者に支障のない範囲で地域の人に還元している(施設・備品等の開放、個別相談など)
  • 地域の人や関係機関を対象に、事業所の機能や専門性をいかした企画・啓発活動(研修会の開催、講師派遣など)を行っている
2. ボランティア受け入れに関する基本姿勢を明確にし、体制を確立している
  • ボランティアの受け入れに対する基本姿勢を明示している
  • ボランティアの受け入れ体制を整備している(担当者の配置、手引き書の作成など)
  • ボランティアに利用者のプライバシーの尊重やその他の留意事項などを伝えている
3. 地域の関係機関との連携を図っている
  • 地域の関係機関のネットワーク(事業者連絡会など)に参画している
  • 地域ネットワーク内での共通課題について、協働して取り組めるような体制を整えている
【講評】
重要事項はCD、テープ等に録音し、利用者がいつでも確認できるようにしている

苦情解決制度については、サービス開始時に重要事項説明書に沿って口頭で説明するとともに、重要事項の内容をCD、テープ等に録音することで、利用者がいつでも確認できるようにしている。また第三者委員のポスターを利用者が休憩するロビーに貼り出すなどして、その周知に努めている。利用者調査では回答を寄せた約半数の利用者が知っていると回答し、「分かりやすく説明してくれた」との意見も挙がっている。一方で、知らないと回答している人も一定数いることから、利用者に応じた説明方法等の検討も一考の予知がある。

個別面談や日報メールなど多様な方法で利用者の意向を把握し支援に反映させている

利用者との面談は3ヶ月に1回、個別支援計画のモニタリングの際に実施するほか、利用者の状況によっては毎週面談を行いながら状況を確認しており、面談の際、利用者の要望等を聞き取っている。また、その日の訓練が終了すると、利用者は日報をメールで担当職員に送付することになっていることから、要望等がある場合は、メールに記載するよう利用者に伝えられている。例えば、採光に関しては遮光カーテンを設置したり、LEDライトを増設するなど、利用者の状況に応じた環境整備等につながっている。

地域の視覚障害者を受け入れている事業所と連絡会を行い情報交換等実施している

視覚障害者を受け入れている区内および近隣区の就労移行支援事業所および就労継続B型事業所と2か月に1回、新宿区視覚障害者就労連絡会(現在、名称を検討中)を開催しており、連絡会の基幹施設として会場を提供するなど事業所は事務局業務を担っている。連絡会では、余暇活動のあり方や利用者の高齢化に対応した支援のあり方等について情報共有を図りながら、新たな展開につなげていけるよう検討している。また、相談支援事業所との連携を通して、視覚に障害を負った人に事業所の情報が届くよう取り組んでいる。

1. 利用者一人ひとりの意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応している(苦情解決制度を含む)
  • 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  • 利用者一人ひとりの意見・要望・苦情に対する解決に取り組んでいる
2. 利用者意向の集約・分析とサービス向上への活用に取り組んでいる
  • 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向を把握することに取り組んでいる
  • 事業者が把握している利用者の意向を取りまとめ、利用者から見たサービスの現状・問題を把握している
  • 利用者の意向をサービス向上につなげることに取り組んでいる
3. 地域・事業環境に関する情報を収集し、状況を把握・分析している
  • 地域の福祉ニーズの収集(地域での聞き取り、地域懇談会など)に取り組んでいる
  • 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)の収集に取り組んでいる
  • 事業所としての今後のあり方の参考になるように、地域の福祉ニーズや福祉事業全体の動向を整理・分析している
【講評】
事業計画の確実な実行を図るべく、目標等について職員会議で振り返りが行われている

今年度の方針は、①福祉施設としての原点を見つめ直し、効率性だけに捉われないサービス提供を心掛ける ②利用率の目標を85%から90%に上げ、目標達成のための方策を講じる ③就労支援課によるインターネット回線を利用した在宅支援を開始する ④各種マニュアルの見直しと整備を行う ⑤機能訓練課、就労支援課の連携、協力体制を充実させる ⑥地域に立脚する施設として災害時の対応を充実させる であり、事業計画の確実な実行を図るべく、職員会議で振り返りを行いながら業務の進行管理が行われている。

事業所ではヒヤリハット集を作成し、リスク分析を行っている

利用者の中には事業所が提供する専門的な支援を受けるために他県など遠方から通所してくる人もおり、サービス利用開始時には家族かガイドヘルパーと一緒に通所してもらっている。歩行訓練後、通所時の状況等を評価し、安全性が確認できた時点で一人通所を許可している。視覚障害の人の場合、確認不足のため事故につながることが多いことから、手順の確認の大切さを強調して伝えている。事業所ではヒヤリハット集を作成してリスク分析を行っており、職員会議等で全体化を図っている。

利用者を対象とした感染症研修を実施するなど、予防への意識強化を図っている

ノロウイルス等の感染症時の対応については、看護師が講師となり利用者を対象とした園内研修を実施するなど、事業所全体で感染症への理解を深めていく取り組みを行っている。実際にあった事例として、利用者がおう吐した時には対象者を隔離し手順に従って消毒するとともに、トイレは1日使用禁止としている。おう吐等も感染症対策としてヒヤリハットに記入するなど、感染症対策への意識を高めており、新型インフルエンザ対策についても対応マニュアルを作成するなどの取り組みを進めている。

1. 取り組み期間に応じた課題・計画を策定している
  • 理念・ビジョンの実現に向けた中・長期計画を策定している
  • 年度単位の計画を策定している
  • 短期の活動についても、計画的(担当者・スケジュールの設定など)に取り組んでいる
2. 多角的な視点から課題を把握し、計画を策定している
  • 課題の明確化、計画策定の時期や手順があらかじめ決まっている
  • 課題の明確化、計画の策定にあたり、現場の意向を反映できるようにしている
  • 計画は、サービスの現状(利用者意向、地域の福祉ニーズや事業環境など)を踏まえて策定している
  • 計画は、想定されるリスク(利用者への影響、職員への業務負担、必要経費の増大など)を踏まえて策定している
3. 着実な計画の実行に取り組んでいる
  • 計画推進の方法(体制、職員の役割や活動内容など)を明示している
  • 計画推進にあたり、より高い成果が得られるように事業所内外の先進事例・失敗事例を参考にするなどの取り組みを行っている
  • 計画推進にあたり、目指す目標と達成度合いを測る指標を明示している
  • 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
1. 利用者の安全の確保・向上に計画的に取り組んでいる
  • 利用者の安全の確保・向上を図るため、関係機関との連携や事業所内の役割分担を明示している
  • 事故、感染症、侵入、災害などの事例や情報を組織として収集し、予防対策を策定している
  • 事故、感染症、侵入、災害などの発生時でもサービス提供が継続できるよう、職員、利用者、関係機関などに具体的な活動内容が伝わっている
  • 事故、感染症、侵入などの被害が発生したときは、要因を分析し、再発防止に取り組んでいる
【講評】
経営環境の変化に対応できるよう組織体制の構築を図っている

事業所では、自立支援課を就労支援課と機能訓練課の2つに分け、庶務課を加えた3課の体制とし、可能な限りの権限移譲を行うなど、今後の民間移譲へ向けての具体的な組織体制の変更を行なっている。組織変更に伴い、課長のほか、3名の主任を配置し、また、看護師も機能訓練に参加するなど、業務の見直しを行っており、組織をあげて事業所の目指す方向に向けて人材を集中できる体制づくりを行なっている。

職員の専門性を高めるための多様な研修に参加できるようにしている

研修は、一層の専門性の確保や接遇などを中心として実施されており、全国盲人福祉施設大会、職業リハビリテーション研究大会、視覚障害リハビリテーション協会研修会、サービス管理責任者研修など多くの研修に参加し、専門性の質の維持・向上に努めている。研修に当たっては、個人面接などを通じて職員の希望を把握しており、必要な研修については確実に実施している。研修成果の確認は、報告書の提出や回覧など通じて行われている。

チームワークを高めることで職員減の状況にも対応できるよう取り組んでいる

人事制度に関する考え方や基本方針については、就業規則や給与規程によって示されている。職員の意向の把握は、課長など管理職による面接によって行われている。小さな事業所であることから、組織の風通しはよく、また、職員の在職年数も長く定着率もよい。指定管理の条件として、機能訓練においては職員の定員が1名減員になることとなるなどの変化はあったが、職員間のチームワークを高めながら利用者への訓練を実施している。また日常的に支援へのアドバイスが行われる環境がある。

1. 事業所にとって必要な人材構成にしている
  • 事業所の人事制度に関する方針(人材像、職員育成・評価の考え方)を明示している
  • 事業所が必要とする人材を踏まえた採用を行っている
  • 適材適所の人員配置に取り組んでいる
2. 職員の質の向上に取り組んでいる
  • 職員一人ひとりの能力向上に関する希望を把握している
  • 事業所の人材育成計画と職員一人ひとりの意向に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  • 個人別の育成(研修)計画は、職員の技術水準、知識、専門資格の習得(取得)などの視点を入れて策定している
  • 職員一人ひとりの個人別の育成(研修)計画に基づいて、必要な支援をしている
  • 職員の研修成果を確認し(研修時・研修直後・研修数ヶ月後など)、研修が本人の育成に役立ったかを確認している
1. 職員一人ひとりの主体的な判断・行動と組織としての学びに取り組んでいる
  • 職員の判断で実施可能な範囲と、それを超えた場合の対応方法を明示している
  • 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに学ぶことに取り組んでいる
  • 職員一人ひとりの研修成果を、レポートや発表等で共有化に取り組んでいる
2. 職員のやる気向上に取り組んでいる
  • 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価・報酬(賃金、昇進・昇格、賞賛など)が連動した人材マネジメントを行っている
  • 就業状況(勤務時間や休暇取得、疲労・ストレスなど)を把握し、改善に取り組んでいる
  • 職員の意識を把握し、やる気と働きがいの向上に取り組んでいる
  • 福利厚生制度の充実に取り組んでいる
1. 事業所が蓄積している経営に関する情報の保護・共有に取り組んでいる

【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

【評語】
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