評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1)法人の理念を基盤に主体的に日々の実践を展開できる職員集団作り
2)職員が心身ともに健康で、働き続けられる職場環境づくり
3)子育てしながら仕事を全うできる体制づくり(勤務時間内の事務時間保障)
4)職員が心身ともに健康で、働き続けられる職場環境づくり(メンタルヘルスも含めて)
5)職員が成長し続けられる育成環境及び研修 (法人内研修・園内研修・外部研修等)の充実
職員に求めている人材像や役割
・どのような子も差別することなく、一個の人格を持つ対等な存在として向き合える人
・子どもの成長を中心に据えた話し合いを職場の仲間と語りあえる人
・自分の思いと他者の思いを知りつつ、組織の一員として新しい考えを見つけ出していける人
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
それぞれのこどもが背負っている家庭の、生活状況や就労状況、家族の思いをしっかりと受け止め支援を行うソーシャルワーカー的な視点を持って、日々の保育を行ってほしい。
全体の評価講評
特によいと思う点
木のぬくもりが感じられる園舎内は使用する家具の色彩をまとめ、落ち着いて過ごせる環境となっている。室内には高低差をつけたスペースを設けたり、畳コーナーや一人でほっとできるスペースなどがあり、グループや一人でも遊び込めるよう工夫されている。また、広々とした土の園庭には築山や木の茂み、水場などが設置され、実のなる木や野菜の栽培スペースもあるなど、変化に富んだ環境となっている。園庭遊びの時間は斜面をよじ登ったり、木登りをしたり、豊富な遊具で遊んだりと、子供たちが主体的に集中して遊び込める環境設定がされている。
運営する子育て支援センターでは地域向けに多様なプログラムを提供し、家族カウンセラーも配置する等で地域の子育てを支えている。また、毎日の園庭開放のほか、「あそびの広場」「ふれあい広場」等の地域公開行事を開催して、在宅子育て家庭との交流を深めている。さらに地域で活躍するボランティアを育てる事や在園児の卒園後も家庭との関係を維持する事に取り組んでいる等、地域子育ての拠点として地域と家庭のつながりを深めるための多様な活動を展開し、地域全体で子供の育ちを見守る環境づくりに向けその歩みを進めている。
職員が理念を理解し、理念に沿った保育を実現できるよう全体研修を行い、職員各自が現場での実践に努めている。園全体としては重要課題について目標を設定し、行動計画を立て、職員個別の目標に展開して理念に沿った各業務の改善・向上に取り組んでおり、食事や食育、安全性の確保、保護者とのコミュニケーションなど特筆できる取り組みも多い。保育実施面では個々の子供への関わり、室内外の環境への配慮やきめ細やかな支援の姿からもそれぞれの職員が高い目標を持ち、意識を高く持って個々の育ちを大切にしている事がうかがわれた。
さらなる改善が望まれる点
職場環境の改善策として、必要な人手の確保や業務負担の軽減、目標値を設定し有休取得率の向上等に取り組んでいる。有休取得率については実現可能な取得目標をさらに具体的に設定して管理していく等で効果的に目標達成を目指してほしい。また、事務作業量の軽減に向けては、ITの活用で解決できないか、業務の見直しの余地はないか等、今後の検討と改善を望みたい。
職員研修で組織理念から現場の仕事までを結びつけたことで、保育実施面における改善も進んでいる。今後は中期のビジョンや計画に職員の意見を反映してゆく事も提案したい。例えば、どんな園になっていたいかというビジョンを描き、そのために解決しなければならないことを抽出して中期計画に反映するというようなアプローチをとることで、現状の課題に対し、職場共通の目標としてさらに意欲的な取り組みがされる事を期待したい。
職員の気づきからの改善や問題解決を尊重し、また、それを期して研修機会を持つことなども行っており、防災面や行事、保護者関連の取り組みなど、職員の自発的な提案や工夫による業務改善がされている。今後は環境の整備を更に進める事で、今以上の気づきが生じ、一層活性化した組織となるよう継続的かつ発展的な取り組みも期待したい。
事業者が特に力を入れている取り組み
全職員が理念の意味を理解し、理念に沿った保育が現場で実践されることを目的とした研修を継続している。研修で具体的なエピソードを題材にして職員同士が話し合いを持つことで、各自が理念の理解を深め現場での実践につなげており、この研修については今回の職員自己評価においても評価が高いところとなっている。今年度は研修の中で行動指針を作成し、次年度以降も取り組みを深めていく予定があるなど精力的な活動となっており、力を入れて取り組んでいる。
「家庭と保育の接続」を保育の基本として、24時間の連続性を大切にし、子供が安心して負担のない生活ができるように配慮して支援している。乳児の部屋は遊び、午睡、食事のスペースに分け、個々の生活リズムに合わせた対応をする事ができる。それぞれの生活リズムを持った子供たちが自分の体の感覚と生活を一致させられるよう、食・寝の活動の時間の幅を大きく取っており、睡眠は一人ひとりに徹底的に合わせた支援する事にしている。また、食事では食事時間に一定の幅を持たせ、お腹の空き具合によって好きな時間に食事ができる環境にしている。
「公開日誌」や児童票のエピソード公開など積極的な情報公開や送迎時の口頭による伝達等で子供の姿を保護者に極力伝えている。また、「入園のしおり」や「園だより」、クラス懇談会で子供の姿や育ちについて保護者に伝え、地域向けに開催する講演会に在園児保護者も参加できるように配慮する等で、子育てに関する保護者との情報共有を行っている。「交流会」や「お茶べり会」「おやじの会」など、保護者同士のコニュニケーション促進も図り、園と保護者の信頼関係を高め、一人ひとりの子供を第一に考える保育を推進している。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:保育園を現在利用している全世帯の保護者を対象に調査を行った。1世帯で複数名の子どもが通園している場合は1回答とした。
子ども総数:99 世帯数:80 - 調査方法:アンケート方式
・調査票と調査項目:東京都福祉サービス第三者評価の標準様式に準拠。
・回収方法:回収期限を設定し園内回収箱への投函もしくは評価機関への直接郵送。
・事業所への報告:自由回答については匿名性への配慮を行った上で事業所に報告した。 - 有効回答者数/利用者総数:47/80(回答率 58.8% )
総合的な感想では「大変満足」が回答の65%、「満足」が35%であり、選択回答に回答した全員が「大変満足」「満足」を選択している。
総合感想の自由記述では、「保育園の方針、園長はじめ保育士の人柄もよく、大変満足しています。」「意見を聴く場を設けられたり、園の考えを発信する場もあり、互いに『より良くしていきたい』という、意向が日頃から感じとれます。」「美味しい食事、豊富な外遊び、グループ活動、熱心な先生方、本当に恵まれた環境で保育をして頂き感謝しています。福祉で良かった!!といつも思って預けています。」等の回答があった。また、卒園にあたり「子供にとっても私にとっても第2のお家でした。本当にありがとうございました。」と謝意を伝える回答もあった。要望では、メール配信システムなど保護者との連絡・情報公開に関する内容やカリキュラム内容、保育の実施に付随して生じる持ち物のやり取りについて、その他さまざまな提案などが寄せられた。
個別の設問では総じて「はい」の回答率が高く、「はい」以外の選択が比較的多い設問は「安全」に関する設問4、外部の苦情窓口の周知状況を問う設問16であった。
アンケート結果
1.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか
「はい」の選択率は96%であった。自由意見では「素材の良いもの、栄養バランスがとても行き渡った手の込んだものを提供下さっています。」「旬の新鮮な食材を使い、味付けも工夫されていて素晴らしい。」等、食材や味付け、調理について高く評価する回答が多く、また「イベント食や食育にも力を入れているので嬉しい。」等、の回答もあった。意見としては「基本的にはとても良いと思うのですが、牛乳の回数が多いのが気になる。」といった内容等が得られている。
2.保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか
質問文は「戸外遊びの機会は十分で、内容が工夫されたものになっていますか」という内容であり、「はい」の選択率は96%であった「家ではできない泥遊びや木登りなど楽しんで遊んでいます。」「充実した遊具や自然を取り入れて遊びをさせて頂いていると思います。」等、外遊びが充実している事を伝える回答が多かった。
3.保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか
「はい」の選択率は94%であった。「とても柔軟に対応してくれています。」「保護者が体調を崩したときも色々と考慮してくれた。」等、柔軟な対応がされている事を伝える回答が多く、「感謝しています。日々で対応して頂いています。」等、複数の謝辞も寄せられている。自由回答はすべて園の対応への好評であった。
4.安全対策が十分取られていると思うか
「はい」の選択率は66%であった。この設問では不審者対応や防災面について「対策に取り組む姿勢が感じられます。」という回答があった。また、この設問では追加設問により、室内外の環境整備や防犯、見守り等の人員配置など保護者が気に掛けている事が確認された。具体的な意見としては「人がいるようでいない気がします。」「何気にケガが多い。注意すれば防げるケガもあると思う。」等の回答があった。
5.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か
「はい」の選択率は89%であった。「土日が中心に行われているので助かる。」「平日の夜の集まりが少なくて助かります。」等の回答があった。また、保護者の都合を考慮して日程を組んでもらえる点などを理由にした「はい」の選択もある。意見としては「行事の名前がどれも似ているので分りづらいです。」等の回答があった。
6.子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があるか
「はい」の選択率は96%であった。質問文は「子どもの気持ちや様子・子育てなどについて職員と話したり相談することができるような信頼関係があると思いますか」であり、この設問では「迎え時は、子供のその日のエピソードを一つ以上話してくれる。」や、相談対応がされているとしたうえで「日頃の子どもの様子を熟知して下さっているので、とても信頼しております。」という回答もあった。
7.保護者の考えを聞く姿勢があるか
「あなたが大切に考えていることについて、職員は話を聞く姿勢があると思いますか」という質問文であり、「はい」の選択率は92%であった。「こちらから話を切り上げるまで、会話を途切れる事のないようしっかり聞いてくれている。」や「嫌な顔一つせず聞いて下さいます。」などの回答があり、対応に信頼を寄せる回答が複数であった。要望としては会話時における子供の名前の呼び方についての意見が寄せられている。
8.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
「はい」の選択率は92%であった。大分部の回答者が「はい」を選択しているが自由回答は少なく、清掃状況に関する意見が1件あった。また、人数が増えたため手狭であるとしたうえで「狭いながらも、工夫して整理されています。」という回答があった。
9.職員の接遇・態度は適切か
「はい」の選択率は92%であった。自由意見では「言葉遣いや態度など、社会人として見習う事が多く、良い刺激をもらっています。」という回答等があった。一方で会話時における保育士としての適切な表現について指摘をする意見もあった。
10.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
「はい」の選択率は85%であった。自由意見では「何かあると必ず報告をして頂いています。」という回答のほか、実際に対応された事例などの回答が得られている。一方、子供のケガについて「先生が知らない事があった。」という意見もあった。
11.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
「はい」の選択率は72%であった。質問文は「子ども同士のいさかいやいじめ等があった場合の職員の対応は信頼できますか」であり、「きちんと子供の意見も聞いて対応してくれていると思う。」という回答や具体的に「対応してもらえた。」という回答等があった。また、「非該当」の選択もあり、「具体的にどのような対応をしてくれているのか知らない。」という回答もある。
12.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
「はい」の選択率は96%であった。自由意見は少ないが、園として「子供の気持ちを可能な限り優先させ、個性を尊重している事」に「親として同感です。」という回答があった。総合感想には「子供に対し、とても適切に接してくれていると思う。」「個性や個々の興味に応じてのびのびと見守ってくれていると思います。」等、関連する回答も多い。
13.子どもと保護者のプライバシーは守られているか
「はい」の選択率は87%であった。この設問では追加設問により「どちらともいえない」「いいえ」の理由を確認しており、自由回答では「登園表で生活状況がオープンになっている」という内容のほか、情報共有されることで個人的な相談がしにくいという主旨の回答、その他現場での情報の取り扱いに関する意見があった。情報の共有・公開に関する園の考え方については本評価のカテゴリ6-5講評に記載しているので参照されたい。
14.保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか
「はい」の選択率は83%であった。この設問の自由回答では「基本的にはわかりやすい」としたうえで、具体的に伝わる表現を望む意見もあった。また、送迎時の報告、伝達については「毎日の日誌が3か月に1度配布されます。連絡帳とは別で。」「口頭での報告が増え、園での様子を知る事ができる。」等、園の取り組みに関する好評も多い。一方でお迎え時の報告が「時々ない時もあり、一言でも口頭で少し様子が聞けたらありがたいです。」という意見もあった。
15.利用者の不満や要望は対応されているか
「はい」の選択率は89%であった。自由回答では「不満に思うようなことがあまりありません。要望についても、対応できない時は理由をしっかり伝えてくださるので納得します。」といった回答のほか、要望に迅速な対応があった事を伝える回答もあった。
16.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
質問文は「困った事がある時には、職員以外の人(役所や第三者委員など)にも相談できることをわかりやすく伝えてくれましたか」であり、「はい」の選択率は49%であった。自由回答では「職員の方で十分です。役所に行こうとは思いません。」等の回答があった。
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念、基本方針)を明確化・周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を明示している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
- 重要な意思決定や判断に迷ったときに、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を思い起こすことができる取り組みを行っている(会議中に確認できるなど)
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、自らの役割と責任に基づいて行動している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件を検討し、決定する手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
法人職員として守るべき行動基準を明示し理解の徹底に取り組んでいる
職員として守るべき規範や規則については、手順書ファイルの中に、法人理念、倫理綱領、職員就業規則、こどもの権利条約、保育指導の心得等が一括して収められ、職員はいつでも確認することができる。年度の初めには、園長が職員全体会議の場で社会福祉法人の一員としての責務や保育の現場で特に気を付けたいことなどを伝えている。新任職員に対しては、手順書一式を渡して法人の理念・方針や園の基本的な考え方等を伝えている。
職員の工夫と専門性の発揮により地域の子育て拠点としての機能を発揮している
在宅子育て支援では、子育て支援センター「けやき」を中心に園庭の開放、園内施設の貸し出し、保育相談会、栄養士・看護師の相談活動、一時保育事業等に加え、園の様々な行事へ招待するなど積極的に事業展開を行っている。各事業では参加者のニーズの反映と職員の工夫が施されており、参加人数も年を重ねるごとに増えてきている。また、園長は長年の経験と保育関連団体の研修推進の立場を生かして、保育の専門職やボランティアの養成講座での講演や指導に出向き、後進の指導にあたっている。まさに保育の拠り所として地域に大きく貢献している。
地域での様々なネットワークを自ら構築している
区の私立保育園連盟に加入しており、他園と連携して毎年区内9か所で保育相談会を行い、食事や健康相談に応じている。また、園長が世話役となり、同連盟の有志に呼びかけて、学識経験者や専門家を招き、年4,5回の研修会を継続開催しており、地域全体の保育の質の向上に貢献している。近隣では、地域の子ども会組織と連携したり、民生委員・児童委員との交流を通じて情報交換を行っている。また、法人傘下の保育園を含む地域4園で就学を控えた年長児同士の交流事業を継続開催しており、子どもたちの成長に合わせた友達関係の広がりを期待している。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知している
- 福祉サービスに従事する者として、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などを明示している
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などの理解が深まるように取り組んでいる
2. 第三者による評価の結果公表、情報開示などにより、地域社会に対し、透明性の高い組織となっている
- 第三者による評価の結果公表、情報開示など外部の導入を図り、開かれた組織となるように取り組んでいる
- 透明性を高めるために、地域の人の目にふれやすい方法(事業者便り・会報など)で地域社会に事業所に関する情報を開示している
1. 事業所の機能や福祉の専門性をいかした取り組みがある
- 事業所の機能や専門性は、利用者に支障のない範囲で地域の人に還元している(施設・備品等の開放、個別相談など)
- 地域の人や関係機関を対象に、事業所の機能や専門性をいかした企画・啓発活動(研修会の開催、講師派遣など)を行っている
2. ボランティア受け入れに関する基本姿勢を明確にし、体制を確立している
- ボランティアの受け入れに対する基本姿勢を明示している
- ボランティアの受け入れ体制を整備している(担当者の配置、手引き書の作成など)
- ボランティアに利用者のプライバシーの尊重やその他の留意事項などを伝えている
3. 地域の関係機関との連携を図っている
- 地域の関係機関のネットワーク(事業者連絡会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働して取り組めるような体制を整えている
【講評】
重要な苦情は法人全体で共有して解決にあたっている
苦情解決制度の仕組みについては、入園・進級のしおりに掲載し、園内にも掲示しており、園長が年度初めの全体懇談会で説明している。日常の保護者からの要望や苦情については、職員の聞き取りや個人面接の場で把握して記録している。また、匿名希望者のために、苦情ポストを設置している。特に重要と判断した事例は、発生から解決までの経緯を法人に報告することになっており、再発防止のために傘下の園でその事例を共有している。法人のホームページには苦情処理報告のページがあり、過去1年間に報告された各保育園の原因別件数を掲載している。
アンケートでの意見を受けとめ着実に対応している
夕涼み会、遊びの広場、ふれあい広場などの園内の大きな行事と子育て広場での各行事では毎回アンケートをとっており、その意見や要望からニーズを把握し、担当職員が次回以降の企画にできるだけ反映する事に取り組んでいる。また、アンケートで出された意見、要望に対する園の対応については、懇談会や園だよりなどを通じて報告している。今年度は、これまでの利用者調査において安心・安全に対する満足度が他の項目に比較して相対的に低かったことを受けて、具体的な要望を聞き取ったうえで、防災・安全に対する設備環境の充実を図った。
地域や事業全体の情報を収集して共有している
地域福祉に関する情報は、地域関連団体の交流会や法人内関係者及び民生委員・児童委員などから得る事が多い。区の保育園連盟の会合や研修には中堅職員も参加して情報収集している。福祉事業全般に関する情報については、行政機関や園長が関連する団体等から得ている。園長は、今後は様々な環境変化が予測される中、現状に満足せずさらに具体的な保育ニーズを園として自ら把握していく道筋を作り出していきたいとの意向がある。
1. 利用者一人ひとりの意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応している(苦情解決制度を含む)
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者一人ひとりの意見・要望・苦情に対する解決に取り組んでいる
2. 利用者意向の集約・分析とサービス向上への活用に取り組んでいる
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向を把握することに取り組んでいる
- 事業者が把握している利用者の意向を取りまとめ、利用者から見たサービスの現状・問題を把握している
- 利用者の意向をサービス向上につなげることに取り組んでいる
3. 地域・事業環境に関する情報を収集し、状況を把握・分析している
- 地域の福祉ニーズの収集(地域での聞き取り、地域懇談会など)に取り組んでいる
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)の収集に取り組んでいる
- 事業所としての今後のあり方の参考になるように、地域の福祉ニーズや福祉事業全体の動向を整理・分析している
【講評】
中期計画と年度事業計画が連関している
法人としての方針を受けて、3ヵ年の中期計画を作成しており、顧客、業務プロセス、学習と成長の3つの視点から年度別の施策と数値目標を設定している。年度事業計画は中期計画の課題を解決するための実行計画として位置付けられ、施策ごとの目標、行事計画のスケジュール、担当者等が予め決められている。年度終了後には、施策ごとの進捗を確認、反省を行って事業報告として整理したうえで次年度の対応を検討し、新たな事業計画を作成するというつながりになっている。
計画の策定と着実な実行推進のための仕組みが連動している
新年度の事業計画を検討する会議が年間予定表で決まっており、そこで各セクションごとの前年度の反省や過去の行事記録及びアンケート結果等を踏まえて話し合っている。事業計画上の施策は、担当する部署ごとにアクションプランを作成し、それを各人が受けてチャレンジカードに担当業務の達成目標を記載することで、全体計画を保証する仕組みになっている。チャレンジカードでの目標の進捗は半期終了後に主任が面談して確認と下期へのアドバイスが行われており、組織全体から個人に至るまで計画策定と実行推進のための仕組みが活用されている。
安全、衛生上の新たな対策を行い成果につなげている
今年度は防災・安全に関する保護者の意向を反映して、不審者対応訓練や電気錠施錠時間延長を行った。避難訓練では、従来固定していた担当者を毎月変更し、各々のアイデアで災害の発生想定場所を変化させることにより、新たな気づきを生んでいる。感染症対策では、看護師・保育士が感染症予防の研修を受講し、新たな情報を反映した手順書の見直しを行うとともに、手洗い、歯磨きの励行、嘔吐や下痢の処理手順を徹底したり、室内の換気をこまめに行うなどの対策を行ってきている。訪問調査時点では、今年度感染症の蔓延は防止できているとの事であった。
1. 取り組み期間に応じた課題・計画を策定している
- 理念・ビジョンの実現に向けた中・長期計画を策定している
- 年度単位の計画を策定している
- 短期の活動についても、計画的(担当者・スケジュールの設定など)に取り組んでいる
2. 多角的な視点から課題を把握し、計画を策定している
- 課題の明確化、計画策定の時期や手順があらかじめ決まっている
- 課題の明確化、計画の策定にあたり、現場の意向を反映できるようにしている
- 計画は、サービスの現状(利用者意向、地域の福祉ニーズや事業環境など)を踏まえて策定している
- 計画は、想定されるリスク(利用者への影響、職員への業務負担、必要経費の増大など)を踏まえて策定している
3. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 計画推進の方法(体制、職員の役割や活動内容など)を明示している
- 計画推進にあたり、より高い成果が得られるように事業所内外の先進事例・失敗事例を参考にするなどの取り組みを行っている
- 計画推進にあたり、目指す目標と達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
1. 利用者の安全の確保・向上に計画的に取り組んでいる
- 利用者の安全の確保・向上を図るため、関係機関との連携や事業所内の役割分担を明示している
- 事故、感染症、侵入、災害などの事例や情報を組織として収集し、予防対策を策定している
- 事故、感染症、侵入、災害などの発生時でもサービス提供が継続できるよう、職員、利用者、関係機関などに具体的な活動内容が伝わっている
- 事故、感染症、侵入などの被害が発生したときは、要因を分析し、再発防止に取り組んでいる
【講評】
求める人材像を明らかにして育成を目指している
法人として、理念を基盤に主体的に日々の活動を実践でき、子どもを一個の人格をもつ対等な存在として向き合い、その成長を仲間と語り合い、組織の一員として新しい考えを見つけ出せる人材を求めている。採用活動は、法人全体として行われており、採用後は本人の性格、能力と傘下の各園の必要人材との関係を吟味して配属され、その後法人共通のオリエンテーションによる教育が行われる。職員は本人の意向、適性、経験等を考慮して配置されるが、適材適所の観点から法人内の施設間の異動も行いながら、法人全体として求める人材の育成が行われている。
職員個々の意向を把握したうえで、全体の研修計画を作成している
職員一人ひとりの意向を把握するための仕組みとして自己申告制度があり、常勤職員、非常勤職員いずれも、健康状態や仕事の取り組み状況などを書いて提出し、管理者が面談して翌年度に向けての本人の意向や希望を確認している。こうして把握した職員からの要望を踏まえて園全体の年間研修計画を策定し、併せて受講予定者も予め決めている。今年度は新たな試みとして、受講予定者を決めず、あくまで本人の受講希望によって初めて受講させる仕組みに変えており、より前向きな受講態度と成果を期待している。
人事考課制度と福利厚生制度を運用して職員のやる気向上を支援している
法人としての統一された人事制度のもと、等級制度を基本とした人事考課制度があり、それぞれの等級に見合った業務遂行能力とチャレンジカードによる業績目標達成度で評価している。毎月職員全員の残業時間や有休取得の状況を把握して、特定の職員に業務の負担がかからないよう配慮しており、職員間でも事務的な業務はできるだけやりくりして保育時間内に済ませるよう協力し合っている。福利厚生制度としては、育児休暇、介護休暇の他、インフルエンザ予防注射補助、被服費の支給、職員親睦会補助、中小企業共済会への加入など充実している。
1. 事業所にとって必要な人材構成にしている
- 事業所の人事制度に関する方針(人材像、職員育成・評価の考え方)を明示している
- 事業所が必要とする人材を踏まえた採用を行っている
- 適材適所の人員配置に取り組んでいる
2. 職員の質の向上に取り組んでいる
- 職員一人ひとりの能力向上に関する希望を把握している
- 事業所の人材育成計画と職員一人ひとりの意向に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 個人別の育成(研修)計画は、職員の技術水準、知識、専門資格の習得(取得)などの視点を入れて策定している
- 職員一人ひとりの個人別の育成(研修)計画に基づいて、必要な支援をしている
- 職員の研修成果を確認し(研修時・研修直後・研修数ヶ月後など)、研修が本人の育成に役立ったかを確認している
1. 職員一人ひとりの主体的な判断・行動と組織としての学びに取り組んでいる
- 職員の判断で実施可能な範囲と、それを超えた場合の対応方法を明示している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに学ぶことに取り組んでいる
- 職員一人ひとりの研修成果を、レポートや発表等で共有化に取り組んでいる
2. 職員のやる気向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価・報酬(賃金、昇進・昇格、賞賛など)が連動した人材マネジメントを行っている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、疲労・ストレスなど)を把握し、改善に取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、やる気と働きがいの向上に取り組んでいる
- 福利厚生制度の充実に取り組んでいる
1. 事業所が蓄積している経営に関する情報の保護・共有に取り組んでいる
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

【講評】
理念・方針を明示しその浸透を図る取り組みを行っている
法人の理念を、事業計画書、ホームページ、入園のしおり、園内の掲示などを通じて、職員、保護者、地域に明示している。園長は年度初めの職員全体会議で理念と年度方針を伝えている。現在、全職員が理念の意味を理解し、現場で実践するために毎月の職員会議や園内研修で具体的なエピソードを題材にしながら話し合いを継続している。今年度は日常活動における基本的な行動指針を作成しており、次年度もさらに推進していく予定である。保護者に対しては、年度初めの全体懇談会で園長が理念や園としての年度方針などを説明している。
経営層は役割分担をして責任を果たしている
職員個々の役割は職務分掌に明示されている。園長の役割は、経営全般、事務管理、保育計画の立案、各事業の調整、地域支援などとなっており、保育部門担当主任と業務担当主任との連携で園を運営している。園長はこれまで法人の理事長代行を務めながら、法人内の保育園の立ち上げや支援を行ってきているが、今後は、次代を担う職員を育てるために、福祉や保育環境の変化について自らが地域の実態に接して肌で感じたことや、講師を務める様々な保育研修の場から得られる現場の情報を整理して伝えていくことを新たな役割として認識している。
重要事項は会議での話し合いで決定され全員への周知に努めている
重要な案件は、全体職員会議やリーダー会議等での話し合いを経て決定される。決定事項は、議事録に残され、欠席者や非常勤の職員は議事録を確認して名前の欄にチェックを入れることが義務付けられており、職員全員への周知に注意が払われている。また、非常勤職員に対しては、年2回特別な場を設けて必要事項を説明しており、次年度に向けては、現在継続している理念の現場への浸透活動についても、理解を深めて実践してもらうための取り組みを検討している。保護者に対する重要案件の周知は、園だよりやお知らせ、掲示など行っている。