評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1) 利用者が住み慣れた街で、自分らしく生きることを支援する。
2) 利用者が「持てる力」を実現できるよう支援する。
3) スタッフの自己研鑽
4) 相談支援の充実
5) 関係機関との連携を密にする。
職員に求めている人材像や役割
前向きに物事を考えられる人を求めている。
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
常に利用者の意思を尊重し、それぞれの前向きな生き方を応援していく。
全体の評価講評
特によいと思う点
有志によって立ち上げられた委員会によって平成6年に開設された精神障害者共同作業所が、精神障がい者の社会復帰・社会参加を促進する事業の母体となっている。法人・事業所の活動を支援している「賛同者会」も貴重な役割を果たしている。平成20年10月以降は就労継続支援B型事業所に位置づけられるとともに、地域活動支援事業所が併設されているが、利用者の「持てる力」の実現への取り組みには変わりがない。3カ月に1回発行しているニュースレター「工房『風』」は通巻40号を超え、情報開示にも継続して努めている。
「就労支援・体験」、「生活を楽しむ」、「学ぶ」というカテゴリー別に多彩なプログラムを用意して、他施設他事業所が受け入れ困難と見なしている利用希望者も、できる限り受け入れることに努めている。利用者自身が自分に合った作業訓練や活動を選択し、職員・他の利用者・ボランティアと共に取り組む、新しい体験・継続した体験・協働する体験等を通じて自信をつけたり協調性を身につけることにつなげている。陶器のマイカップで飲むお茶の時間や、「帰りの会」等で利用者が発している言葉からくみ取ることも心がけている。
「利用者が自分らしく生きることを支援する」「持てる力を実現できるように支援する」という理念・方針に基づき、利用者の意向や要望を踏まえた個別支援計画を作成し、さまざまな体験支援に取り組んでいる。また、定期的に健康講座を開いて、利用者の自立生活や就労支援の一助としており、医療相談会によって健康に関する意識を高めている。さらに、十分な休息が取れるように、近隣のアパートの一室を借り上げ、利用者が住み慣れた街で自分らしく生きることの支援として、一人暮らしの練習・体験を行う等、自信をつけるための支援に取り組んでいる。
さらなる改善が望まれる点
各年度の事業報告は3月、事業計画は4月に作成する手順となっており、策定においては、各担当・各内容の担当者によって総括・立案することで、職員の意見や企画提案等が反映されている。事業内容として「利用者が継続的な就労が可能となるような支援」をするための事業目的および訓練の内容や施設内外の訓練場所が示されており、実施項目が表記されている。しかし、計画推進にあたっての目標値が明確になっていないため、進捗状況や達成度合い等の効果を測定することが曖昧になっている。さらなる「見える化」に取り組むことが期待される。
インテークの際にはメモを取らない自然な姿で聞き取るという姿勢を持ち続けている。一方、必要な情報を必要に応じて用意した書式に記録を残すということも行っている。ただし、個別支援計画に基づく支援目標に向けた達成度の記載等、計画と記録の連動性等、作業状況や健康状態、支援目標に対する達成度合い等をどのように記録するのかについては検討の余地が残されている。記録の目的を再確認し、それぞれの記録に記述する内容や範囲について、さまざまな角度から見直し、事業所の標準化が期待される。
利用者の症状、状態が多様化していることを踏まえ、研修・学習会等を通じて職員のスキルアップを図っている。また、福祉分野に限らず社会のさまざまな問題について学ぶことで職員の社会性を向上させることも、利用者支援の質の維持向上に必要な要素と捉えている。施設長は、利用者への接し方やコミュニケーション能力などのさらなる向上を求めて、年度初めに職員全員との個別面接を行っている。日常支援の各場面における基本事項、重要ポイントや事業所特性を踏まえたマニュアル整備等のさらなる取り組みが期待される。
事業者が特に力を入れている取り組み
ニュースレター「工房『風』」を3カ月に1回定期的に編集・発行して、利用者・家族や、保健センター等の関係機関、行政担当窓口等に提供している。2002年4月に第三種郵便物許可を得て以来通巻40号を超える発行を積み重ねている。さらに、法人・事業所の活動を支援している「賛同者会」にも配布して、積極的に情報開示している。また、福祉やボランティア・市民活動団体に関するサイトにおいて事業目的、概要を公表しており、区内の障害者福祉センター、地域センターや精神障害者地域生活支援団等との連携を深め、協働体制を整えている。
「仕事をする中で持てる力を発揮し、充実感や達成感を得る生活を楽しむ」ことを目ざしている。より多くの経験が積めるように、「就労支援・体験」、「生活を楽しむ」、「学ぶ」というカテゴリー別に多彩なプログラムを用意している。利用者自身が自分に合った作業訓練や活動を選択し、職員・他の利用者・ボランティアと共に取り組む、新しい体験・継続した体験・協働する体験等を通じて自信をつけたり協調性を身につけることにつなげている。事業所内訓練として自主製品の製作作業もあり、自分でできる軽作業にも取り組めるように配慮されている。
定期的に健康講座を開いて、利用者や家族の健康管理を促している。顧問医を講師として招き、体力作り・健康管理・病気とうまく付き合う方法・食事の摂り方等を学び、利用者の自立生活や就労支援の一助としている。また、医療相談会により、利用者や家族の抱える疾患の相談や質問に答えてもらうことで、健康に関する意識を高めることにつなげている。禁煙に成功したり人工甘味料の入った飲料を飲まなくなった等の事例が報告されている。個別支援の一環として服薬管理を行う場合もあるが、利用者の心身状態を踏まえて対応している。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:調査対象者20名の年齢層は30代が中心の年齢構成で、20歳未満0名、20代3名、30代6名、40代4名、50歳代3名、60歳以上4名であり、男女構成は男性13名・女性7名であった。障がい種別では8割の利用者が精神保健福祉手帳を保有していた。
- 調査方法:アンケート方式
事業所の要望と障がい特性に鑑み、協議の上、聞き取りが可能と判断された15名とアンケートが可能とされた5名を調査対象とした。聞き取り方法は事業所内で評価者3名が利用者調査の項目に従い、対面により個別に聞き取った。 - 有効回答者数/利用者総数:20/32(回答率 62.5% )
利用者調査結果の<総合的な感想>としては「大変満足」が20%、「満足」が45%で、満足以上の回答は合計65%であった。<サービスの提供>については、「事業所の設備は安心して使えるか」の問いに90%が「はい」、「事業所での活動が働くうえでの知識の習得や能力の向上に役立っているか」に70%が「はい」と回答している。<安心・快適性>については利用者の満足度が概ね高く、「事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか」の問いは90%が「はい」、「職員の接遇・態度は適切か」の問いには80%が「はい」と回答している。<利用者個人の尊重>については「利用者の気持ちを尊重した対応がされているか」の問いに70%が「はい」、「個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか」の問いには75%が「はい」と回答している。一方<不満・要望への対応>については「利用者の不満や要望は対応されているか」の問いに60%が「はい」、「外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか」の問いには20%のみ「はい」と回答している。
アンケート結果
4~17は選択式の質問のため、該当項目のみ掲載しています。
1.利用者は困ったときに支援を受けているか
「はい」が11人=55%、「どちらともいえない」が8人=40%、「いいえ」が1人=5%、「非該当・無回答」が0人=0%という結果だった。自由意見としては「熱心に教えてくれる」、「助けてくれる。助けてくださいます」、「きちんと対応してくださる職員さんに伝えれば、ちゃんと対応してくださいます」、「相談事にのってくれると思います」などの肯定的な声が多く聞かれたが、一部「そのときの状況によって違う」、「職員さんによると思います」、「自分自身で解決するしかない」との声もあった。
2.事業所の設備は安心して使えるか
「はい」が18人=90%、「どちらともいえない」が1人=5%、「いいえ」が1人=5%、「非該当・無回答」が0人=0%という結果だった。自由意見としては「危ない物はない」、「危ない事はない」、「けがはない」、「ポスターで指を切ったことがあるが、安心して仕事をしている」、「テーブルの高さが合わないので、背骨が痛む」などさまざまな声が聞かれた。
3.利用者同士の交流など、仲間との関わりは楽しいか
「はい」が13人=65%、「どちらともいえない」が6人=30%、「いいえ」が1人=0%、「非該当・無回答」が0人=0%という結果だった。自由意見としては「友人がいて、楽しい」、「女性同士で楽しんでいます」、「楽しい」などの肯定的な声が多く聞かれたが、「以前は楽しかったが、人数が増えて人間関係に困っている」、「まあまあです」などの声もあった。
12.【就労継続支援B型】
事業所での活動が働くうえでの知識の習得や能力の向上に役立っているか
「はい」が14人=70%、「どちらともいえない」が4人=20%、「いいえ」が2人=10%、「非該当・無回答」が0人=0%という結果だった。自由意見としては「コミュニケーションとかが役に立つと思う」、「生活のリズムができる。」、「集中力が養われていると思う」、「いろいろ覚え習得しているが、まだ半々ぐらいです」、「明日就活セミナーがありいろいろ覚えることがあるが、まだ十分でない」などの肯定的な声が多く聞かれたが、一部「あまり向上していないと思う」、「役立っていない」などの声もあった。
13.【就労継続支援B型】
工賃等の支払いのしくみは、わかりやすく説明されているか
「はい」が11人=55%、「どちらともいえない」が4人=20%、「いいえ」が5人=25%、「非該当・無回答」が0人=0%という結果だった。自由意見としては「明細書をくれる」、「よく知っている」、「明細書に書いてあるのを見れば分かる」、「納得して毎月工賃をもらっている」などの肯定的な声が多く聞かれたが、一部「詳しくは分からない」、「仕事の内容が違うので分かりにくい」、「詳しい説明はない」などの声もあった。
18.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか
「はい」が18人=90%、「どちらともいえない」が0人=0%、「いいえ」が1人=5%、「非該当・無回答」が1人=5%という結果だった。自由意見としては「掃除は皆でやっている」、「毎日掃除をしている」、「掃除を分担している」などの肯定的な声が多く聞かれた。
19.職員の接遇・態度は適切か
「はい」が16人=80%、「どちらともいえない」が2人=10%、「いいえ」が2人=10%、「非該当・無回答」が0人=0%という結果だった。自由意見としては「言葉遣いがきれいで、丁寧」、「丁寧だと思う」、「皆さん言葉遣いもきちんとしている」、「はい、大丈夫です」などの肯定的な声が多く聞かれたが、一部「ミスして誤った時、職員から言われる言葉にショックを受けることがある」、「疲れている時や調子の悪い時に、職員に大きな声で話されたりすると不快で不安になる」などの声もあった。
20.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
「はい」が15人=75%、「どちらともいえない」が4人=20%、「いいえ」が1人=5%、「非該当・無回答」が0人=0%という結果だった。自由意見としては「体調を崩した時、良くしてくれた」、「体調が悪くなった時に休む場所を見つけてくれ、良くなるまで傍にいてくれた」、「休ませてくれるし、信頼できる」、「体調が悪い時、すぐに手配してくれた」、「けがをした時に気を遣ってくれた」などの肯定的な声が多く聞かれた。
21.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
「はい」が14人=70%、「どちらともいえない」が5人=25%、「いいえ」が1人=5%、「非該当・無回答」が0人=0%という結果だった。自由意見としては「職員は見ていると思う」、「多分大丈夫だと思う」、「見たことはないけれど、もしあっても収めてくれると思う」、「陰でいさかいがあるが、その時々によって対応が違う」、「信頼できるが、いつも結果がついてくるものではない」などさまざまな声が聞かれた。
22.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか
「はい」が14人=70%、「どちらともいえない」が4人=20%、「いいえ」が2人=10%、「非該当・無回答」が0人=0%という結果だった。自由意見としては「とても丁寧」、「よく話をしてくれる」、「大丈夫です」、「職員によって違う」、「仕事に関しては大切にしてくれるが、レクリエーションなどの時についての対応は違う」などさまざまな声が聞かれた。
23.利用者のプライバシーは守られているか
「はい」が14人=70%、「どちらともいえない」が4人=20%、「いいえ」が2人=10%、「非該当・無回答」が0人=0%という結果だった。自由意見としては「話したことはないけれど、多分大丈夫だと思う」、「プライバシーを守るのは常識だと思う」、「自分自身はそういう事は今までなかった」、「ある職員にお金の事を相談した時、秘密にしないで医者に伝えてしまった」、「守ってくれないと思う」などさまざまな声が聞かれた。
24.個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか
「はい」が15人=75%、「どちらともいえない」が3人=15%、「いいえ」が2人=10%、「非該当・無回答」が0人=0%という結果だった。自由意見としては「非常に丁寧に聞き取りをして、まとめてくださって感謝しています」、「面談があり、話し合う」、「休まないで通うという目標を立てている」、「職員の方からいろいろ聞いてくれる」、「サービスの状況を聞いてくれる」などの肯定的な声が多く聞かれたが、一部「希望を言っても叶えてもらえず、まだ無理だと否定される」、「少しだけれど聞いてくれる」などの声もあった。
25.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
「はい」が13人=65%、「どちらともいえない」が7人=35%、「いいえ」が0人=0%、「非該当・無回答」が0人=0%という結果だった。自由意見としては「分かるように何回か話をしてくれる」、「分かりやすい」、「はい、分かります」、「適切で分かりやすい」、「分かりやすかった」などの肯定的な声が多く聞かれた。
26.利用者の不満や要望は対応されているか
「はい」が12人=60%、「どちらともいえない」が4人=20%、「いいえ」が3人=15%、「非該当・無回答」が1人=5%という結果だった。自由意見としては「誠実に接してくれている」、「相談にのってくれる」などの肯定的な声が聞かれた。
27.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
「はい」が4人=20%、「どちらともいえない」が4人=20%、「いいえ」が11人=55%、「非該当・無回答」が1人=5%という結果だった。自由意見としては「伝えてくれている」、「都に苦情を言ったことがある」、「特には聞いていない」、「役所や第三者委員の存在は自分で調べて知りました」などさまざまな声が聞かれた。
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念、基本方針)を明確化・周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を明示している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
- 重要な意思決定や判断に迷ったときに、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を思い起こすことができる取り組みを行っている(会議中に確認できるなど)
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、自らの役割と責任に基づいて行動している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件を検討し、決定する手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
職員心得の実践によって、法・規範・倫理の理解を深めている
理念に基づく支援のために、職員心得を策定している。また、職員として守るべき法・規範・倫理等については、職員倫理規程に明示している。各職員には入職時に施設長の説明で周知している。行政や関係機関等で倫理等に関する情報を得た場合には、全職員で共有するようにしている。法・規範・倫理等の遵守状況は日常業務の中で確認し合い、気になる言動・行動があった場合には、施設長が日々の振り返りの時間等の中で職員に注意喚起することに心がけている。
ニュースレター「工房『風』」で、情報開示に努めている
ニュースレター「工房『風』」を3カ月に1回定期的に編集・発行して、利用者・家族や、保健センター等の関係機関、行政担当窓口等に提供している。2002年4月に第三種郵便物許可を得て以来通巻40号を超える発行を積み重ねている。さらに、法人・事業所の活動を支援している「賛同者会」にも配布して、積極的に情報開示している。また、福祉やボランティア・市民活動団体に関するサイトにおいて事業目的・概要を公表しており、区内の障害者福祉センター・地域センターや精神障害者地域生活支援団等との連携を深め、協働体制を整えている。
ボランティアの受け入れで利用者が地域の方々と関わる機会を設けている
ボランティアの受け入れには積極的に取り組み、ピアノ・バレーボール・ヨガ・ストレッチ・料理・絵手紙等利用者が地域のさまざまな方々と関われる機会が設けられている。また、年1回実施している国内研修旅行にも2名が同伴する等、各ボランティアとの長年に渡る協力関係がうかがえる。事業所でボランティア活動を開始する際には、プライバシーの尊重をはじめ留意事項を口頭で伝えている。今後も引き続き多くのボランティアを受け入れる上では、活動に関わる同意書を取り交わすことも一考されたい。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知している
- 福祉サービスに従事する者として、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などを明示している
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などの理解が深まるように取り組んでいる
2. 第三者による評価の結果公表、情報開示などにより、地域社会に対し、透明性の高い組織となっている
- 第三者による評価の結果公表、情報開示など外部の導入を図り、開かれた組織となるように取り組んでいる
- 透明性を高めるために、地域の人の目にふれやすい方法(事業者便り・会報など)で地域社会に事業所に関する情報を開示している
1. 事業所の機能や福祉の専門性をいかした取り組みがある
- 事業所の機能や専門性は、利用者に支障のない範囲で地域の人に還元している(施設・備品等の開放、個別相談など)
- 地域の人や関係機関を対象に、事業所の機能や専門性をいかした企画・啓発活動(研修会の開催、講師派遣など)を行っている
2. ボランティア受け入れに関する基本姿勢を明確にし、体制を確立している
- ボランティアの受け入れに対する基本姿勢を明示している
- ボランティアの受け入れ体制を整備している(担当者の配置、手引き書の作成など)
- ボランティアに利用者のプライバシーの尊重やその他の留意事項などを伝えている
3. 地域の関係機関との連携を図っている
- 地域の関係機関のネットワーク(事業者連絡会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働して取り組めるような体制を整えている
【講評】
苦情解決制度や第三者に相談ができることの理解を深めることが必要とされる
通所開始時には、重要事項説明書で、苦情解決手段として事業所以外に行政機関など外部にもあることの説明に努めている。事業所は家庭的な雰囲気を保つことを重要視しているため、利用者の目に付きやすいところに明示することは避けている。しかしながら、利用者調査の結果では、「あなたが困ったときに職員以外の人にも相談できることをわかりやすく伝えてくれましたか」の質問に、「はい」と答えている人は20名中4名(20%)にとどまっている。利用者の理解を深めていくことについては、一度検証することが必要とされる。
利用者の意向や要望を把握するために、日々のコミュニケーションを大切にしている
利用者の意向や要望は、日々のコミュニケーションにおいて把握することに努めている。作業途中のお茶の時間や、帰りのミーティング等で利用者が発している言葉からくみ取ることも心がけている。また、利用者からの相談事には、別室の落ち着ける環境の下で1対1で丁寧に対応することで、「利用者の持てる力」の実現につなげている。作業メニューの選定にも利用者個別特性を踏まえ、意向や体調を考慮しその日の作業内容を振り分けており、当日の変更も受け入れて就労に向けた勤労意欲を削がないように努めている。
事業環境等に関するさまざまな情報の収集に取り組んでいる
区内障害者団体連絡会に参加し、事業所の情報を発信しながら、障がい者福祉の向上を目ざして同じ課題を抱える事業者間での意見交換に取り組んでいる。また、精神障がい者とその家族や支援者によって構成されている精神保健ネットワーク連絡会等を通じて、地域の福祉情報を収集することに努めている。会議や学習会への出席は職員間で担当分担しており、参加者によって翌朝のミーティング時に資料配布等で報告されている。ただし、地域の福祉ニーズや動向の整理・分析、職員の情報共有については、精度を高めることが期待される。
1. 利用者一人ひとりの意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応している(苦情解決制度を含む)
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者一人ひとりの意見・要望・苦情に対する解決に取り組んでいる
2. 利用者意向の集約・分析とサービス向上への活用に取り組んでいる
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向を把握することに取り組んでいる
- 事業者が把握している利用者の意向を取りまとめ、利用者から見たサービスの現状・問題を把握している
- 利用者の意向をサービス向上につなげることに取り組んでいる
3. 地域・事業環境に関する情報を収集し、状況を把握・分析している
- 地域の福祉ニーズの収集(地域での聞き取り、地域懇談会など)に取り組んでいる
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)の収集に取り組んでいる
- 事業所としての今後のあり方の参考になるように、地域の福祉ニーズや福祉事業全体の動向を整理・分析している
【講評】
計画策定・実施・結果報告の、さらなる「見える化」が期待される
各年度の事業報告は3月、事業計画は4月に作成する手順となっており、法人理事会で承認を得る流れが定着している。事業報告・事業計画策定においては、各担当・各内容の担当者によって総括・立案することで、職員の意見や企画提案等が反映されている。理事会議事録には事業報告・事業計画の要点説明が記されており、職員に回覧され周知されている。計画策定~実施~結果のまとめ~総括における具体的な手順や記録の整備等、さらなる「見える化」に取り組むことが期待される。
事業計画の推進にあたり目標と達成度合いを示すことも必要とされる
年度事業計画では、事業内容として「利用者が継続的な就労が可能となるような支援」をするための事業目的および訓練の内容や施設内外の訓練場所が示されている。また、「障害者に働く場の提供、作業訓練、施設外支援、施設外就労等の訓練」「就労に必要な知識や能力の向上」「病状の悪化を防ぐための事業」「求職活動支援」という実施項目が表記されている。しかし、計画推進にあたっての目標値が明確になっていないため、進捗状況や達成度合い等の効果を測定することが曖昧になっているとも言える。「見える化」の一環として捉えられたい。
利用者の安全衛生や事故・災害対策に取り組んでいる
利用者の安全確保のために行政や関係機関との連携に努めている。感染症予防については、関係機関から文書や情報が届いた際に、職員から注意喚起の呼びかけに努め、消毒やマスク着用等指導に基づく対応を図っている。防災に関しては、施設外訓練で消化器点検作業を行っている関係で職員の意識も高く、消防署との連携による防災訓練や防災点検が実施されている。一方、事故防止については重大な事故発生事例はないが、要因分析~再発防止策の精度を高めていくことも必要とされる。
1. 取り組み期間に応じた課題・計画を策定している
- 理念・ビジョンの実現に向けた中・長期計画を策定している
- 年度単位の計画を策定している
- 短期の活動についても、計画的(担当者・スケジュールの設定など)に取り組んでいる
2. 多角的な視点から課題を把握し、計画を策定している
- 課題の明確化、計画策定の時期や手順があらかじめ決まっている
- 課題の明確化、計画の策定にあたり、現場の意向を反映できるようにしている
- 計画は、サービスの現状(利用者意向、地域の福祉ニーズや事業環境など)を踏まえて策定している
- 計画は、想定されるリスク(利用者への影響、職員への業務負担、必要経費の増大など)を踏まえて策定している
3. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 計画推進の方法(体制、職員の役割や活動内容など)を明示している
- 計画推進にあたり、より高い成果が得られるように事業所内外の先進事例・失敗事例を参考にするなどの取り組みを行っている
- 計画推進にあたり、目指す目標と達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
1. 利用者の安全の確保・向上に計画的に取り組んでいる
- 利用者の安全の確保・向上を図るため、関係機関との連携や事業所内の役割分担を明示している
- 事故、感染症、侵入、災害などの事例や情報を組織として収集し、予防対策を策定している
- 事故、感染症、侵入、災害などの発生時でもサービス提供が継続できるよう、職員、利用者、関係機関などに具体的な活動内容が伝わっている
- 事故、感染症、侵入などの被害が発生したときは、要因を分析し、再発防止に取り組んでいる
【講評】
採用条件を絞って、事業所に必要な人材確保に努めている
採用する職員には「物事に対して肯定的に捉えることができる人」という条件を設定している。また、資格にはこだわらず、基本的な学力を有している人材の確保に努めている。職員には、「常に利用者の意思を尊重し、各々の前向きな生き方を応援してく」という使命感を持つことを期待しており、そのために「考える力」を持つことをテーマとして、職員を育成してくことに取り組んでいる。法人の事業概要書にも事業目標として「スタッフの自己研鑽」を明示する等、職員個々の質を高めながら、職員全体で事業所運営に取り組んでいることがうかがえる。
年度始めに個人自己評価と目標設定をして、管理者確認を実施している
施設長は職員の就業状況を把握することに心がけている。疲労・ストレスや体調管理等、職員への配慮を怠ることなく、休暇の希望にはできるだけ沿うように調整をしている。職員の能力向上を図る取り組みとして、年度始めに個人自己評価を行っている。前年の自己の目標に対する評価を行い、これを踏まえて新年度の目標を設定している。また、管理者とともに成果を確認し合い、昇給・昇格に連動させる人材マネジメント手法を採り入れている。
外部研修受講にも積極的に取り組んでいる
利用者の症状、状態が多様化していることを踏まえ、研修・学習会等を通じて職員のスキルアップを図っている。外部研修受講にも積極的に取り組み、事業所として研修報告表を作成し、研修日や受講した職員名・研修内容を一覧にして管理している。研修で得た資料は一括ファイリングして事務所内で保管されている。今後は研修報告書の様式を定めることや職員ミーティングにおける報告を定例化する等、研修受講の機会が職員個人あるいは事業所全体に有効なものとなるような仕組みを確立していくことが望まれる。
1. 事業所にとって必要な人材構成にしている
- 事業所の人事制度に関する方針(人材像、職員育成・評価の考え方)を明示している
- 事業所が必要とする人材を踏まえた採用を行っている
- 適材適所の人員配置に取り組んでいる
2. 職員の質の向上に取り組んでいる
- 職員一人ひとりの能力向上に関する希望を把握している
- 事業所の人材育成計画と職員一人ひとりの意向に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 個人別の育成(研修)計画は、職員の技術水準、知識、専門資格の習得(取得)などの視点を入れて策定している
- 職員一人ひとりの個人別の育成(研修)計画に基づいて、必要な支援をしている
- 職員の研修成果を確認し(研修時・研修直後・研修数ヶ月後など)、研修が本人の育成に役立ったかを確認している
1. 職員一人ひとりの主体的な判断・行動と組織としての学びに取り組んでいる
- 職員の判断で実施可能な範囲と、それを超えた場合の対応方法を明示している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに学ぶことに取り組んでいる
- 職員一人ひとりの研修成果を、レポートや発表等で共有化に取り組んでいる
2. 職員のやる気向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価・報酬(賃金、昇進・昇格、賞賛など)が連動した人材マネジメントを行っている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、疲労・ストレスなど)を把握し、改善に取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、やる気と働きがいの向上に取り組んでいる
- 福利厚生制度の充実に取り組んでいる
1. 事業所が蓄積している経営に関する情報の保護・共有に取り組んでいる
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

【講評】
法人の事業目標、事業所の基本方針を開設以来一貫して周知している
有志によって立ち上げられた委員会によって平成6年に開設された精神障害者共同作業所が、精神障がい者の社会復帰・社会参加を促進する事業の母体となっている。平成20年10月以降は就労継続支援B型事業所に位置づけられるとともに、地域活動支援事業所が併設されているが、利用者の「持てる力」の実現への取り組みには変わりがなく、継続して利用者・家族・職員への周知に努めている。パンフレットや年4回発行しているニュースレターは、理念・基本方針に基づいて編集されている。
常日頃から法人と事業所とのコミュニケーションが図られている
施設長が法人副理事長であり、理事長は事業所嘱託医という健康管理面での関わりによって、常日頃から法人と事業所とのコミュニケーションが図られている。理事会で前年度活動報告、会計報告、事業計画、予算等が確認・承認され、事業所運営に関わる管理者等の役割も理事会で確認されている。施設長は自らの役割と責任に基づき事業所をリードしており、職員には議事内容を都度経緯を踏まえて報告して、日常の支援や計画に基づく業務推進につなげている。
重要案件の決定手順をより明確にすることが期待される
事業所の理念・基本方針に基づく就労継続支援、さまざまなプログラム、関係機関との連携、職員の自己研鑽等に努めている。利用者には、ミーティングを通じて、案件ごとに理解が得られるように、丁寧に説明することに心がけている。また、必要に応じて家族等にも伝えている。事業所としては、重要案件の決定手順についてより明確にしていくことを課題にしているため、どの時期に、何を、どのように決めるのか等、テーマに応じた具体的な取り組みが期待される。