評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1)視覚障害者の職業を開発し、訓練と指導を行い社会復帰の促進を図る。
2)利用者の意向を尊重し、多様な福祉サービスが総合的に提供されるよう創意工夫をする。
3)利用者の個人の尊厳を保持しつつ、自立した生活を地域社会において営むことが出来るよう支援する。
職員に求めている人材像や役割
視覚障害の利用者の意向を尊重し、多様な福祉サービスを総合的に提供できる人材とそれを担う役割
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
全国で数少ない視覚障害者の事務系就労を支える施設職員として、就労の場の提供と就労移行支援の取り組みへの使命感
全体の評価講評
特によいと思う点
先見性の具体例は以下のとりです。①2007年に基本理念を定めていますが、新体系移行もその理念に沿ったものです。②移行に当たり十分な人材を揃えた結果早速素晴らしい実績を挙げています。③移行に備えて施設長がサービス管理責任者となり、移行後も幹部2人が研修を受けたり、職員の能力向上のため自主研修助成制度を設け、「精神保健福祉士」「社会福祉士」通信課程への入学を支援する等手厚い人材配置に向け手を打っています。④将来の施設大改修に向けて積立金を始めました。⑤社会のニーズに応えて「就労移行支援」の定員を増やしました。
平成23年度から就労移行支援サービスを開始しており、音声パソコンの技術習得訓練を実施しています。基礎コース、応用コース、速記コースを設け、段階的な技術向上を図っています。また、応用コース終了前に資格取得支援を強化したことにより多くの人が日商PC検定に合格しています。また、ハローワークとの連携、企業面接同行、キャリアシート登録支援等の就労支援を積極的に行っています。これらの取り組みにより、平成24年1月末の段階で20名が就労に結びついています。
就労継続支援B型では、音声パソコンの技術を生かし作業内容を「テープ起こし作業(録音テープ等からの文字化)」中心に行っています。テープ起こしの内容は、政府の審議会や審査会をはじめ、講演会や研修会などの様々な「音声を文字に」しています。利用者は、音声パソコンの技術を習得しており、その技術を生かせる職場としてサービスを利用しています。作業に従事することを誇りにしており、モチベーションの高さが窺えると共に、全国の障害者施設の中でトップクラスの作業工賃水準を維持しています。
さらなる改善が望まれる点
基本理念は、玄関ホール・各事務室・会議室・利用者食堂に掲示し、月1回の職員全体会議において必要な場合には確認するようにしているということですが、毎年度の事業計画が基本理念に沿って作成されたものであること、および理念に沿って実行していくことを関係者全員に徹底するため、事業計画書の最初に掲げたうえ、その計画を職員に周知する時に読みあわせること、また広く一般にも知ってもらうため、ホームページへの掲載も検討することが期待されます。
個別支援計画のモニタリングに合わせて、個人面談が実施されています。就労移行支援は、3か月毎のモニタリングを実施し利用者の面談を行っています。また、就労継続支援B型は6ケ月のモニタリング時に個別面談を行っています。さらに、【就労移行】については、きめ細かい相談支援を行う視点で面談の回数が多くなっています。【就労継続】においては、個別の要請で面談がなされていますが、利用者に不公平感が生じていることが推測されます。したがって、個別面談体制への一層の取り組みが期待されます。
施設内は視覚障害者の状況に応じた作業室の明るさの調整や、パソコン使用時の遮光カーテンの使用などの配慮が見られます。また、安全面に於いても床へ物を置かない、机上の機器の軽量化、階段周辺でのセンサー設置など改善されています。しかし、地下にも作業室があり使用されている場所で不快な臭が感じられます。設備的な問題もあり解決は難しいとのことですが、引き続きこの問題の解決に取り組み、何らかの工夫により過ごしやすい環境に改善されることが期待されます。
事業者が特に力を入れている取り組み
早くから町内会及び近隣の企業等と防災協定を結び、町内会の防災訓練に参加しています。また、歩道への車止めの設置を実現し、駅前地区再開発事業について関係機関と協議する等通所ルートの安全確保に努めています。施設内では、点字ブロックの設置、階段付近の照明の改善、パソコンの順次更新により作業場の机上から重量のあるスクリーン等の機器を軽量スクリーンに置き換え、大地震で机上のものが床に散乱しても、人体への危険が著しく減少した等、利用者代表も参加する安全・防災対策委員会で検討を重ね、施設内外で計画的に対策を講じています。
平成23年度に「自立支援法」に基づく就労移行支援運営を開始し、多様な利用者のニーズに対応するため、「基礎コース」「応用コース」「速記コース」を設けて、パソコン初心者を対象としたタッチタイピングの基礎から、一般就労に向けての音声パソコンの技術の訓練・指導、資格取得のための指導や就労に必要なビジネスマナー研修などを行い、技術のスキルを上げながら就労支援を行っています。関係機関と連携しながら就労先紹介や開拓などを行った結果、新体系に移行後、すでに20名の就労に結びつけ、高い実績を上げています。
利用者は、音声パソコンの技術を有しており、テープ起こしの作業にプライドを持って作業についています。長年の職能開発の実績を踏まえて、政府の審議会や審査会をはじめ講演会や研修会などの内容を「収録・タイピング・校正・納品」の流れで文字化しています。重要な議事録等のパソコンによるテープ起こしという高度な知識と技術を要する作業であるため、利用者は日々、知識・技術の向上を図り、協力者(録音・校正担当)の力を借りながら、質の良い成果物を納品しています。その結果、全国障害者施設の中でもトップ水準の作業工賃を維持しています。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:就労移行支援(パソコン・速記訓練)利用者50名、及び就労継続支援(B型)(会議内容録音テープからの議事録作成作業)利用者46名、合計96名(男51名、女45名、平均年齢46歳)
- 調査方法:アンケート方式
就労移行支援については、聞き取り調査期間中に可能な23名について聞き取り調査、就労継続支援(B型)については、利用者希望に従い、12名に対し聞き取り調査、34名に対しパソコンの音声によるアンケートに対し電子ファイルで回答を寄せてもらう方式をとりました。 - 有効回答者数/利用者総数:62/96(回答率
64.6%
)
サービス毎の利用者総数
利用者総数 共通評価項目による
調査対象者数共通評価項目による
調査の有効回答者数利用者総数に対する
回答者割合就労移行支援 50人 23人 23人 46.0% 就労継続支援B型 46人 40人 39人 84.8%
総合的な満足度は、 [就労移行支援] 大変満足8(回答数の35%) 満足13(57%) どちらともいえない1(4%) 不満1(4%) [就労継続支援(B型)] 大変満足6(15%) 満足19(49%) どちらともいえない6(15%) 不満7(18%) 大変不満1(3%) [合計] 大変満足14(22.5%) 満足32(51.5%) どちらともいえない7(11%) 不満8(13%) 大変不満1(2%) となっています。即ち、(大変)満足は、[就労移行支援]で、パソコン等の訓練が視覚障害者のニーズに応えるものであるため9割以上、[就労継続支援(B型)]は、法令による負担の増加及び不況の影響で業務量が減っていること等もあって、7割5分程度です。 個別項目では、「職員の態度、支援ぶり」「設備の安全面」については評価が高く、「利用者同士の交流」「不満や要望の言いやすさとその対応」については6割を切っています。割合の低い原因は、前者は利用者の年齢・障害の程度・仕事の技量等がまちまちであること、後者は職員の多忙さであることが窺われます。なお、多数の自由意見が出されており、今後の施設運営に大変参考になるものと思われます。
アンケート結果
4~17は選択式の質問のため、該当項目のみ掲載しています。
1.利用者は困ったときに支援を受けているか
「作業で分からない時はよく教えてくれる」「職員は親切な方が多いので、安心して相談することができる。ただ、人手が足りなかったり、お金の問題があるようで、仕事に使っている機械の不具合などにはなかなか対応してもらえない」「相談するまでは勇気がいるが、お金のかからない最低限のことはやってくれる」「職員が忙しそうで話し難い」「担当の職員が席に居ない事が多く、居ても絶えず誰かが話しているので相談がし難い」「職員による」「皆平等でない気がする」
2.事業所の設備は安心して使えるか
「階段が明るくなったので安心感がある」「館内に点字ブロックがあるので分かりやすい」「トイレや階段の前でチャイムが鳴るので安心」「右側優先のルールがあるので人とぶつからない」「人が多すぎてぶつかりやすい」「玄関にある机にぶつかりやすく危ない」「1階トイレは和式であるが、洋式の方が安心して使える」「机が沢山あるので大掃除が難しいようだが、机の裏側に溜まっていると思われるごみや埃が火災を起こすことが無いか心配」「震災以降節電のためトイレの前の電気を消した。その後点けておくことになったが消す人がいるので暗くて不安」
3.利用者同士の交流など、仲間との関わりは楽しいか
「同じもの同士それぞれのレベルで理解し合える。お互いにアドバイスや声を掛け合っている」「話をしたりふれあいの場があり、気が楽になる」「基礎コースの時の同期生など仲間がいる」「水曜サロンで利用者同士話し合い、楽しいし不安が和らぐ」「4ヶ月に1回テーブルのくじを引き、メンバーを交代するので、次はどんなメンバーになるか楽しみ。休憩時間や仕事が無い時等同じテーブル仲間で楽しく過ごせる」「少人数の仲良しグループがあって、話の中に入りにくい雰囲気がある」「親睦会があるが形だけで中身はだめ」「親しい仲間はいない」
7.【就労移行支援】
事業所での活動が就労に向けた知識の習得や能力の向上に役立っているか
「すごく役立っている。音声パソコン、パソコンの基本等スキルが絶対に上がった。ブラインドタッチで操作も早くなった」「大変に役立っていて、生活面でも行動範囲が変わった」「すごく役立つと思う。知識を得ようとする気持ちを前向きにさせてくれた」「ポイント、ポイントを突いて教えてもらえる。パソコン教室では十分教えてもらえない」「基本的なことを教えてもらえるのでよかった。T他の教室に比べ金銭的にも助かる」「新しいパソコン操作方法を習い自信がついた。前と後では全然違う」「就活してわかったことは、パソコン以外のことも必要」
8.【就労移行支援】
職場見学・職場実習等の、事業所外での体験は充実しているか
「サイトワールド゙に見学に行った」「まだ体験はしていないが、充実しているという話は聞いている」「他の講座等の紹介や、見学に出かけるよう支援はしてくれる」「基礎科なのでやっていない」
9.【就労移行支援】
工賃等の支払いのしくみは、わかりやすく説明されているか
「全部きちっと読み上げてもらって、納得してサインをしている」「説明してもらって書類ももらった」「回答は『非該当』としたが、利用料の支払いや交通費の支給については分かりやすく説明されている」
12.【就労継続支援B型】
事業所での活動が働くうえでの知識の習得や能力の向上に役立っているか
「それなりに役立っている」「日々が勉強。ここで新しい字を覚える」「仕事の内容は難しいが、新聞などが読めない私にとって、仕事をしながら最先端の情報などが得られるのでとても良い」「広く浅くではあるが、仕事柄様々な分野の話を文字起こしするので、おかげで今の世の中の動きが多少なりとも理解できて、良い勉強になっている」「パソコン操作や知識・視野が広くなる」「協力者を含めたひまわり会で勉強会や様々な交流の機会がある」
13.【就労継続支援B型】
工賃等の支払いのしくみは、わかりやすく説明されているか
「事前に丁寧に説明を受けている。明細も頂いている」「所長や職員の方たちは、とても誠実に説明してくれていると感じる」「出来高払いだからはっきりしている」「詳しく書いたファイルをもらっているので分かる」「源泉所得税を払うことになる等、制度が変わると詳しい説明がある」「工賃の基準、支払い方法等よく分からない」
18.サービス提供にあたって、利用者のプライバシーは守られているか
「配慮してもらっていると感じている」「プライバシーは守ってくれている」「他言せぬよう頼んだことは言わないでくれる」「電話での対応等、他の人がいない時に話してくれる。個人情報はきちっと守ってくれる」「情報を他に伝えるときは、そうしてよいか了解を求めてくる」「職員にもよる」「個人的に話す時は別の部屋でできるようにしてほしい」「部屋が職員と利用者が混在なので、話をしても個人的なことが漏れることがあり、話そうと思っても話せない」「自分のことについて、仲間から職員がこんなことを話していたよと言われたことがある」
19.利用者の気持ちは尊重されているか
「とても親身になってくれている。他の人にもここは良いところだと紹介している」「相談事とかあれば親身になって聞いてくれる」「話をよく聞いてくれアドバイスもしてくれる」「最近そうしてくれているということが分かってきた」
20.職員の対応は丁寧か
「恐縮するくらい丁寧に接してもらっている」「分からないところをすごくよく教えてくれる」「フレンドリーすぎると感じる時もある」「もっと厳しく言ってもらった方が良い。お互いにちょっとルーズになることがある」「職員はよく教育されていて職員同士も仲良くお互いに尊重し合っている」「意思の疎通がうまく行ってはいない」「乱暴であったり、命令口調の人はおらず、皆よい人である」
21.個別の目標や計画を作成する際に、利用者の状況や要望を聞かれているか
「支援計画がある。書式で読み上げ説明してもらって納得している」「納得の上作成している」「事前に希望等質問があった」「次のステップに対して聞いてくれる」「質問すると全部答えてくれ、気持ちを前向きにしてくれた」「A,B,C,D,E等の作業区分が変わった時に話があった」「目標や計画を作成するときというのは最近はない」「目標、計画で職員に話したことはない」「職員からの声かけが無かった。利用者も聞きに行かない」「個人の相談は最近はしていない」
22.【個別の目標や計画について説明を受けた方に】
個別の目標や計画に関しての説明はわかりやすかったか
「分かりやすくきちんと説明してくれた」「目標もはっきり分かりやすく、きちっと説明してもらった」「具体的に説明してくれた」「計画を読み上げてくれて、分かりやすく説明してくれた」「丁寧に全部読み上げてくれた」「単純なことなので分かりやすかった」「説明を聞いた覚えが無いので分からない」
23.【過去1年以内に利用を開始し、利用前の説明を受けた方に】
サービス内容や利用方法の説明はわかりやすかったか
「ゆっくり丁寧に読み上げてくれた」「見学に来たので授業風景も見せてもらい、言葉でもきちっと説明された」「「見学の時に詳しく案内し教えてくれたり、希望に沿うクラスを紹介してくれた」「事前の見学の時に2時間ぐらいかけて説明してくれた」
24.不満や要望を事業所(施設)に言いやすいか
「何でも言える」「何でも気軽に言える」「何でも遠慮なく言っている」「とても話しやすい」「パソコンの実習時に休憩時間をとってくれるので、その時に話す」「先生とはパソコン以外のことでもよくしゃべる」「結構何でも言える。何とか就職したいので、遠慮なく言う」「職員が忙しそうだったり、他の利用者が独占するので、遠慮してしまう」「「人による」「職員の中でも話しやすい人に言う」「忙しそうにしているし要望等を出しては申し訳ない雰囲気がある。対応が遅かったり、フィードバックが無い事が多いのも職員の多忙が原因と思われる」
25.利用者の不満や要望はきちんと対応されているか
「家から電話で聞いても丁寧に指導してくれた」「いつも私達の味方になってくれ、就職説明会に行く時ヘルパーをつけてくれた」「施設内のトラブル等言ったら気持ちよくやってくれる」「言いたいことは言っているから、100%の対応は無理と分かっている」「内容により対応はいろいろであるが、できることは対応してくれている様に思う」「できることできない事を明確にしてくれる」「話は聞いてくれるが、その後のフォローがない。できない時の説明が無い」「職員にもよる」「場合による」「対応が遅い時もある」
26.第三者委員など外部の苦情窓口にも相談できることを知っているか
「知っているが、言いたいことは言っているから必要ない」「契約書に書いてある」「社協・相談員等は聞いている」「相談できることは知っているが、やり方が分からない。例えば電話でなのか、文書なのか、訪問なのか」「一応知っているが、相談したいと思った時、具体的にどうすれば相談に乗ってもらえるのか、連絡先や連絡方法を知らない。実は相談したいと思った時に調べたこともあったが、よく分からなかった」
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念、基本方針)を明確化・周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を明示している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
- 重要な意思決定や判断に迷ったときに、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を思い起こすことができる取り組みを行っている(会議中に確認できるなど)
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、自らの役割と責任に基づいて行動している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件を検討し、決定する手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
事業所の専門性を生かして、地域・社会に貢献しています。
法人本部と一緒になって様々な貢献活動をしています。例えば、視覚障害者の職場復帰を考える会の法人に事務局機能と会議室を提供しており、就労に係る個別相談をも受けつける他、施設長が地域盲学校の運営員を努めています。さらに、地元中学生にお祭りで視覚障害者の手引きをしてもらうボランティアの機会を提供しています。また、啓発活動として、地域防災訓練の場、ロータリークラブ、地元中学校で視覚障害者への接し方、ガイドヘルプの仕方、マラソンでの伴奏の仕方等実地指導をする他、啓発ビデオの貸し出し,手引書の無料配布を行っています。
就労継続支援(B型)では、ボランティアが大きな役割を果たしています。
就労継続支援(B型)の主たる業務である、会議内容を録音したテープから議事録を作成する「テープ起こし」作業には、知識のある晴眼者による校正作業が不可欠です。そのため、早くから有償ボランティアの協力者を募り業務の重要な一端を担ってもらってきました。その結果今やしっかりした受け入れ態勢が整っています。具体的には、受付担当者を任命し、ホームページ等で募集し、開始に当たっては、「作業マニュアル」「利用者の権利擁護規程」「個人情報保護規程」視覚障害者への接し方を解説した「ガイドブック」を使って説明し万全を期しています。
地域内の共通課題に対し関係機関と共同して取り組んでいます。
地域の関係機関ネットワークとしては、区主催の障害者就労支援連絡会、障害者自立支援ネットワーク、視覚障害者関連三施設連絡会に参加し、共通の課題解決のための協力体制が出来ています。防災については、早くから先進的な取り組みとして、町内会及び町内の10事業所・機関と地域防災協定を締結して町内会の防災訓練に参加したり、地域防災コミュニティー会議に出席しいざとい言う時に備えています。また、利用者の安全対策として、駅近くの再開発事業の開発段階から役所及び関係機関との協議会に参加し、通所ルートの安全確保に取り組んでいます。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知している
- 福祉サービスに従事する者として、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などを明示している
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳)などの理解が深まるように取り組んでいる
2. 第三者による評価の結果公表、情報開示などにより、地域社会に対し、透明性の高い組織となっている
- 第三者による評価の結果公表、情報開示など外部の導入を図り、開かれた組織となるように取り組んでいる
- 透明性を高めるために、地域の人の目にふれやすい方法(事業者便り・会報など)で地域社会に事業所に関する情報を開示している
1. 事業所の機能や福祉の専門性をいかした取り組みがある
- 事業所の機能や専門性は、利用者に支障のない範囲で地域の人に還元している(施設・備品等の開放、個別相談など)
- 地域の人や関係機関を対象に、事業所の機能や専門性をいかした企画・啓発活動(研修会の開催、講師派遣など)を行っている
2. ボランティア受け入れに関する基本姿勢を明確にし、体制を確立している
- ボランティアの受け入れに対する基本姿勢を明示している
- ボランティアの受け入れ体制を整備している(担当者の配置、手引き書の作成など)
- ボランティアに利用者のプライバシーの尊重やその他の留意事項などを伝えている
3. 地域の関係機関との連携を図っている
- 地域の関係機関のネットワーク(事業者連絡会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働して取り組めるような体制を整えている
【講評】
利用者個々の意向を把握し早期に解決する仕組みがあります。
利用者の不満や要望等について、苦情解決制度や、第三者委員等外部の相談先を遠慮なく利用できることを、従来から繰り返し知らせて来ています。今回実施した利用者アンケートでも、就労継続支援(B型)では、ほとんどの利用者が知っていると答えています。実際最近外部の機関を利用した事例があり、事業所も当該外部機関と協力しながら早期解決に取り組みました。内部的には、受付窓口を設け、口頭だけではなく電子メールやフロッピーでも受け付けることとして意向を表明しやすくし、苦情対応規程に基づき早期解決を図る仕組みを整えています。
利用者の意向を取りまとめサービスの向上に努めています。
年2回開催される利用者の自治会には職員も出席し意向や要望を取りまとめ、年4回開催される利用者との防災・安全対策委員会で、防災や安全面での意見の取りまとめを行っています。その他QC委員会の場でも意向とりまとめを行っています。今回実施した利用者アンケートでは、出来るだけきめ細かく対応するため、「就労継続支援(B型)」については、全体だけではなく利用期間別にも取りまとめ、細かい分析を行っています。最近では、空調設備や訓練機器の更新等資金を要する案件に順次対応しています。
福祉事業全体の動向把握には特に注力しています。
地域の福祉ニーズの把握には、区主催の障害者自立支援ネットワーク事業、障害者就労支援実務担当者連絡会、進路対策連絡会、視覚障害関連三施設連絡会に参加しています。福祉事業全体としては、日本盲人社会福祉施設協議会及び全国社会就労センター協議会に参加して動向の把握に努めています。単に情報を収集するだけではなく、就労センター協議会とは長年協同して「国等による障害者就労施設からの物品等の調達の推進等に関する法律」の成立に漸くこぎつけるという成果を上げています。現在は障害者総合福祉法の動向を特に注視しています。
1. 利用者一人ひとりの意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応している(苦情解決制度を含む)
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者一人ひとりの意見・要望・苦情に対する解決に取り組んでいる
2. 利用者意向の集約・分析とサービス向上への活用に取り組んでいる
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向を把握することに取り組んでいる
- 事業者が把握している利用者の意向を取りまとめ、利用者から見たサービスの現状・問題を把握している
- 利用者の意向をサービス向上につなげることに取り組んでいる
3. 地域・事業環境に関する情報を収集し、状況を把握・分析している
- 地域の福祉ニーズの収集(地域での聞き取り、地域懇談会など)に取り組んでいる
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)の収集に取り組んでいる
- 事業所としての今後のあり方の参考になるように、地域の福祉ニーズや福祉事業全体の動向を整理・分析している
【講評】
現実に即した計画を策定しています。
計画作成に当たっては、現年度の進捗状況を見ながら、担当者が朝礼及び全体会議で現場の職員の意見を聴取しています。利用者については、利用者の自治会で話し合われた内容や、利用者代表も参加する安全・防災対策委員会で問題となった事項、利用者アンケートで出された意見をも考慮に入れています。また、地域や視覚障害者の福祉ニーズ及び事業環境等、普段から収集している情報も加味しています。理念の着実な実現のためには、まずは経営基盤の安定が基本であるため、最も現況に即した是非とも実現すべき計画を策定しています。
業務を計画的に着実に実行しています。
計画を推進するに当たっては、組織規程で業務分担を明示して着実に実行するよう取り組んでいます。運営の健全化を目指して、部門別の経営状況指標を全体会議で周知し、毎週の幹部会議、毎月の全体会議で見直し、また、半期ごとの経営状況を全体会議で検討して見直す等、きめ細かく管理しています。例えば「就労継続支援(B型)」では「収録に伴う月別受注件数表」を過去の2年分も記載した一覧表を作成し、過去の実績とも比較しながら、毎月進捗状況を把握しています。本報告書の他のカテゴリーの講評にも着実に実行している状況を記しています。
利用者の安全確保に組織的に取り組んでいます。
当施設の利用者である視覚障害者は、介助者なしに単独で行動しているだけに、通所ルートを始め危険に満ちていると言わざるを得ません。そのため、リスクマネジメント実施規程を設け、これまでも職員と利用者が参加する安全・防災対策委員会を定期的に開催し順次安全対策を講じてきました。今回は通所ルートの安全策として、関係機関とも連携して、歩道に車止めを設置しました。施設内では、階段周辺の照明を改善しました。感染症については、対応マニュアルを作成しており、職員のインフルエンザ予防接種の無料化を実現しています。
1. 取り組み期間に応じた課題・計画を策定している
- 理念・ビジョンの実現に向けた中・長期計画を策定している
- 年度単位の計画を策定している
- 短期の活動についても、計画的(担当者・スケジュールの設定など)に取り組んでいる
2. 多角的な視点から課題を把握し、計画を策定している
- 課題の明確化、計画策定の時期や手順があらかじめ決まっている
- 課題の明確化、計画の策定にあたり、現場の意向を反映できるようにしている
- 計画は、サービスの現状(利用者意向、地域の福祉ニーズや事業環境など)を踏まえて策定している
- 計画は、想定されるリスク(利用者への影響、職員への業務負担、必要経費の増大など)を踏まえて策定している
3. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 計画推進の方法(体制、職員の役割や活動内容など)を明示している
- 計画推進にあたり、より高い成果が得られるように事業所内外の先進事例・失敗事例を参考にするなどの取り組みを行っている
- 計画推進にあたり、目指す目標と達成度合いを図る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
1. 利用者の安全の確保・向上に計画的に取り組んでいる
- 利用者の安全の確保・向上を図るため、関係機関との連携や事業所内の役割分担を明示している
- 事故、感染症、侵入、災害などの事例や情報を組織として収集し、予防対策を策定している
- 事故、感染症、侵入、災害などの発生時でもサービス提供が継続できるよう、職員、利用者、関係機関などに具体的な活動内容が伝わっている
- 事故、感染症、侵入などの被害が発生したときは、要因を分析し、再発防止に取り組んでいる
【講評】
人材の適正な配置に努めています。
障害者自立支援法による新体系にあたり、移行がスムーズに行われるよう新基準に基づく人員を採用し、職業指導員の13人をはじめ、サービス管理責任者、生活支援員、就労支援員、目標工賃達成指導員を合わせ19人の専門職を揃え、有する人材の適正な配置に努めています。このことが「就労移行支援」における、利用率の向上と高い就労率、「就労継続支援(B型)」における高い工賃の維持、利用者全員への交通費の支給継続に繋がっています。ただ、利用者からは職員間の仕事量に差がありすぎるとの声もあるので、なお一層の配慮が必要と思われます。
職員の質の向上に計画的・継続的に取り組んでいます。
一昨年度から施行を始めた都社協の人事考課制度を継続し、業務目標及び成果シートで本人の希望を把握し、全体の人材育成計画を踏まえて個々の研修計画を作成し、質の向上に努めています。さらに、職員に対する自主研修助成制度を始めました。これは、キャリアパスとして認定している資格の取得を目指す職員に対しかなり高額の助成金を支給するもので、多大な費用を要する資格取得にも挑戦する職員を強力に後押しするものです。実際に、本年度通信課程の精神保健福祉士のコースに1名、社会福祉士のコースに2名入学し勉学を続けています。
職員の処遇改善に取り組んでいます。
超過勤務命令書及び休暇簿等で職員個々の就労状況を把握して過労の防止に努めています。夏季休暇も気兼ねなく1週間の休暇がとれるよう連続して5日間まとめての休暇制度としています。本年度からは新たに、介護休暇制度、育児休暇制度を導入し、社会や時代の動き、職員のニーズの変化に対応する制度改正を行っています。また本年から始めた自主研修助成制度も、資格取得後は昇給等に反映されるものです。さらに、利用者への安全への配慮、組織能力の維持のためでもありますが、インフルエンザの予防接種費用を全額事業所負担としました。
1. 事業所にとって必要な人材構成にしている
- 事業所の人事制度に関する方針(人材像、職員育成・評価の考え方)を明示している
- 事業所が必要とする人材を踏まえた採用を行っている
- 適材適所の人員配置に取り組んでいる
2. 職員の質の向上に取り組んでいる
- 職員一人ひとりの能力向上に関する希望を把握している
- 事業所の人材育成計画と職員一人ひとりの意向に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 個人別の育成(研修)計画は、職員の技術水準、知識、専門資格の習得(取得)などの視点を入れて策定している
- 職員一人ひとりの個人別の育成(研修)計画に基づいて、必要な支援をしている
- 職員の研修成果を確認し(研修時・研修直後・研修数ヶ月後など)、研修が本人の育成に役立ったかを確認している
1. 職員一人ひとりの主体的な判断・行動と組織としての学びに取り組んでいる
- 職員の判断で実施可能な範囲と、それを超えた場合の対応方法を明示している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに学ぶことに取り組んでいる
- 職員一人ひとりの研修成果を、レポートや発表等で共有化に取り組んでいる
2. 職員のやる気向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価・報酬(賃金、昇進・昇格、賞賛など)が連動した人材マネジメントを行っている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、疲労・ストレスなど)を把握し、改善に取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、やる気と働きがいの向上に取り組んでいる
- 福利厚生制度の充実に取り組んでいる
1. 事業所が蓄積している経営に関する情報の保護・共有に取り組んでいる
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

【講評】
事業所が目指すところを明確にし周知を図っています。
定款の目的及び障害者基本法の基本的理念を踏まえ、3項目の基本理念を定め、玄関ホール及び各事務室及び会議室、利用者食堂に掲示しています。また、基本理念は、事業所の毎日の業務に直結したものなので、職員は日頃の業務遂行の中で自然に実践しています。以前年1回発行している「センターだより」でその由来を詳しく解説し関係先に配布しましたが、その後も増刷し必要な場合に配布して関係者への周知を続けています。今後、ホームページや毎年作成する年度事業計画に掲載し一層の周知を図ることが期待されます。
経営層は先見性をもって事業所をリードしています。
経営層は以下にみるように先見性を持って着々と手を打っています。①2007年に基本理念を定めていますが、障害者自立支援法による新体系移行もその理念に沿ってスムーズに行う事が出来ました。②移行に備えて施設長がサービス管理責任者となり、移行後も幹部2人が研修を受けたり、職員の能力向上のため自主研修助成制度を設け、「精神保健福祉士」「社会福祉士」通信課程への入学を支援する等手厚い人材配置に向け手を打っています。③将来の施設大改修に向けて積立金を始めました。④社会のニーズに応えて「就労移行支援」の定員を増やしました、
重要な案件は幹部会議で決定し、職員や利用者に必要に応じ伝えています。
重要な案件を決定するため、組織規程に従い、実情に通じる部長・次長を含めた幹部会議で協議し決定しています。決定した事項は、内容に応じて職員朝礼や全体会議で職員に伝え、利用者に関係することは毎週の利用者朝礼で伝えています。ただ、利用者は全員が常に朝礼の際に居るわけではなく、在宅就労者、病院等他の職場への出張就労者、休暇・病欠中の者等不在者がかなりあり、周知徹底には常に困難が伴っています。朝礼時の不在者には音声で聞けるようにして回覧・配布していますが十分とはいかないようです。一層の工夫が求められるところです。