評価結果概要版 利用者調査と事業評価(組織マネジメント項目・サービス項目)の評価手法

令和5年度 認可保育所
法人名称
株式会社グローバルキッズ
事業所名称
グローバルキッズ後楽二丁目園
事業所所在地
東京都文京区後楽2丁目20番15号
事業所電話番号
03-5684-3060

事業者の理念・方針

理念・方針
事業者が大切にしている考え(事業者の理念・ビジョン・使命など) 1)【企業理念】子どもたちの未来のために
2)【保育理念】豊かに生きる力を育てる
3)一人ひとりに寄り添った保育
4)命の大切さを伝える保育
5)やりたいこと・したいことを一緒に見つけていく保育 

全体の評価講評

特によいと思う点
  • 園長は「子どもや保護者にとって何が最善か」を常に考えるよう職員に働きかけ、園全体で保育を高め合う組織風土を醸成した
  • 園長はその役割において職員会議でさまざまな意見を受けとめ、「子どもや保護者にとって何が最善か」を常に考えて結論を導くよう働きかけている。それと同時に「保育を楽しむこと」の実現が保育の質を高めることにつながると考え、「見守る保育」の導入を決めた。これまでと異なる保育を実践するため、まずは1年かけて職員と対話を重ね、良好なコミュニケーションを取ることを心がけた。これにより、職員発信の提案が生まれるようになり、園全体で保育を高め合う組織風土が醸成され、子どもたちの発達を「見て」「守る」質の高い保育を実践している。
  • 自ら遊びを考え展開できるゾーン分けの環境や異年齢との関わり、選択制の戸外活動など、子どもの主体性を育む保育が実践されている
  • 自ら考え選択できる環境の工夫で子どもの主体性を育んでいる。乳児クラスは3~5歳の異年齢保育で、室内をリラックスゾーンや活動ゾーン、ランチルームのゾーン分けにしている。活動ゾーンには、様々なおもちゃや子どもと一緒に作った制作物、廃材などが整然と配置されている。見立て遊びや数日かけて完成させるブロックなど、遊びこめる環境があり、豊かな発想力や満足感で自己肯定感を高めている。散歩先は選択制で、人数制限で譲り合ったり、異年齢との関わりの中で我慢したり気持ちを調整することを体験することで生きる力の土台が育まれている。
  • 食育計画を立て年間を通して子どもと保護者に向けて食の正しい知識と食を選ぶ力、適切な食習慣の基礎を養っている
  • 年間食育計画書では期のねらいを定め、乳児・幼児の各月の活動を立案している。春は友達との食事を楽しむ環境づくり、夏は夏野菜の栽培を行い、トウモロコシの皮むきや人参などの野菜切り、秋冬はカボチャの種取りをして伝統的な食文化に親しむ体験をしている。保護者に向けて毎月の食育活動の詳細を載せたリーフレットを作成し、旬の野菜や果物の説明、人気メニューレシピを絵や写真、楽しいクイズを混ぜながら分かりやすく説明している。親子に向けて食に対する正しい知識と食を選ぶ力、適切な食習慣に向けた関心を引き出す取り組みとなっている。
さらなる改善が望まれる点
  • 地域共生社会の実現に向けて保育園の機能強化が求められる中、多様化する保育ニーズに応えるためにも中長期計画の策定が望まれる
  • 国は地域共生社会の実現に向けて包括的な子育て家庭支援体制構築に動き出し、厚生労働省は「地域における保育所・保育士等の在り方に関する検討会」(2021年)において保育所の在り方の方向性を示した。これらを踏まえ、多様化する保育ニーズに応えるためにも、社会情勢を反映した園の運営に関する中長期計画の策定が望まれる。
  • より安心な保育につなげるために、ヒヤリハットやケガ報告書の集計に着手し始めている
  • 事故予防の取り組みとして掃除箇所や自主点検表などを活用して室内の環境整備に努めている。散歩先では、周辺の安全チェックや交通ルール、遊ぶ前のお約束などを伝えている。やむを得ずの怪我や事故報告は直ちに園長や主任に報告し、適切に対応している。ヒヤリハット報告も積極的に取り組み、その内容は職員間で共有されている。事故防止に取り組む姿勢は真摯であり、今後は、より安心な保育につなげるために、ヒヤリハットやケガ報告書を集計し、同様事故や原因・要因を分析することに着手し始めている。
  • 消防署や交番、近隣店舗との交流はあるが、今後は地域の老人クラブと交流や、子育て支援中の母子とのふれあいを実現させたいと考えている
  • 散歩の際には近くの消防署に立ち寄り、交番には散歩の際に拾った財布を届けたこともあり、交流を持っている。近隣の店舗には夏野菜の栽培の苗を買いに行ったり、自治会に加入し地域のイベント情報を子どもに伝えたりはするが、地域との交流は少ない。地域の老人クラブの高齢者との昔あそびでの交流や未就園時の母子を招いてのふれあいは、これから園が取り組むべき課題と考えている。

事業者が特に力を入れている取り組み

  園長は職員との対話を大切に考え、モチベーションを高めてチームワークを促進した
園長は職員との対話を大切にし、職員の考えを肯定的に受け止め、力が発揮できる役割を与えてモチベーションを高めた。その結果、職員のパフォーマンスが向上し一人ひとりが組織の一員として協働意思を持って行動するようになり、チームワークの促進につながった。特に、リーダー層は自分の存在が周囲にどのような影響を与えているかという自覚が芽生え、保育ドキュメーションの活用や記録のあり方などの手本を示し、後進の成長に積極的に関与するようになった。園の取り組みは系列園からの評価も高く、勉強会を通して他園にも良い影響を与えている。
  「見守る保育」を導入し、子どもの個性や特性を理解した保育が展開されている
園では2年まえから、子どもの豊かに生きる力を育むために「見守る保育」を導入している。「見守る保育」は法人内の6ケ所の園で取り組んでおり、共に定期的な情報提供や交換研修などで学んでいる。そこで学んだ知識を園の保育に反映し、異年齢保育や環境作り、記録など保育全般の質の向上につなげている。新しい保育手法の導入によって職員間のチームワークも良好になり、子どもの個性や特性を理解したアイディアや意見が多く提案されるようになった。その結果子どもへの観察力が向上し、記録の充実が図られている。
  保育士、調理師、看護師が子どもの健康や安全に興味を持ち実行できるよう援助している
子どもが自分の健康や安全に関心を持ち、病気やけがを予防・防止できるように具体的な計画を立て援助している。看護師は子どもに対して手洗いやうがい、歯磨きなどの基本的な生活習慣や、プライベートゾーンの知識を紙芝居や絵本を使って指導している。調理師は食材、その味わい、栄養知識を図や写真を用いて説明している。天気の良い日は保育士が付き添い毎日2回の長距離散歩で足腰・体を鍛えている。交通ルールを学び、公園での危険な個所を確認し子どもに向けて、遊具の使い方、遊ぶ範囲、身の回りの危険に対して子どもに約束を行っている。

利用者調査結果

調査概要

  • 調査対象:調査対象58世帯(利用者数64名)に利用者アンケートをweb上で配布し世帯から回答を得た。
  • 調査方法:アンケート方式  
    利用者アンケートはweb上で実施し、2週間後を回答期限とした。回答期限時に督促を掛けるなど回収率の向上に努めた。ただ、就業で忙しい方にそれ以上の更なる督促を掛けることは難しいと判断し、一部未回答となった。
  • 利用者総数: 64人
  • 利用者家族総数(世帯): 58世帯
  • 共通評価項目による調査対象者数: 58人
  • 共通評価項目による調査の有効回答者数: 51人
  • 利用者家族総数に対する回答者割合(%): 87.9%
  • 調査項目: 共通評価項目
  有効回答者数/利用者総数
51/64
1.保育所での活動は、子どもの心身の発達に役立っているか
はい
100%
2.保育所での活動は、子どもが興味や関心を持って行えるようになっているか
はい
98%
 
どちらともいえない:2%  
いいえ:0%  
無回答・非該当:0%
3.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか
はい
92%
 
どちらともいえない:6%  
いいえ:0%  
無回答・非該当:2%
4.保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか
はい
80%
どちらともいえない
20%
5.保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか
はい
82%
無回答・非該当
12%
 
どちらともいえない:6%  
いいえ:0%
6.安全対策が十分取られていると思うか
はい
86%
どちらともいえない
14%
7.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か
はい
71%
どちらともいえない
24%
 
いいえ:2%  
無回答・非該当:4%
8.子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があるか
はい
71%
どちらともいえない
29%
9.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
はい
94%
 
どちらともいえない:6%  
いいえ:0%  
無回答・非該当:0%
10.職員の接遇・態度は適切か
はい
92%
 
どちらともいえない:8%  
いいえ:0%  
無回答・非該当:0%
11.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
はい
92%
 
どちらともいえない:6%  
いいえ:0%  
無回答・非該当:2%
12.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
はい
53%
どちらともいえない
25%
無回答・非該当
22%
13.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
はい
98%
 
どちらともいえない:2%  
いいえ:0%  
無回答・非該当:0%
14.子どもと保護者のプライバシーは守られているか
はい
78%
どちらともいえない
16%
 
いいえ:0%  
無回答・非該当:6%
15.保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか
はい
80%
どちらともいえない
18%
 
いいえ:2%  
無回答・非該当:0%
16.利用者の不満や要望は対応されているか
はい
71%
どちらともいえない
20%
 
いいえ:0%  
無回答・非該当:10%
17.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
はい
43%
どちらともいえない
27%
いいえ
16%
無回答・非該当
14%

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