評価機関としての調査結果
調査時に観察したさまざまな場面の中で、調査の視点に基づいて評価機関が選定した場面
療育活動の場面では、ベットに横になっている利用者は、鈴の係であった。職員に支えられながら手の平に鈴を握っている。ギターを持ったリーダー(=職員)が歌いながら、その利用者に顔を近づけると、目元をわずかにリーダーの方向に向ける。介助している職員と一緒にリズムに合わせて鈴を振る。職員は、その利用者の顔を覗き込みながら「上手だね」と励ましの声かけをしている。鈴が振るたびに、利用者の目が大きく開かれていく。口元も少し緩む様子がみられた。傍らにいた職員は「よく頑張ったね」と声をかけた。
選定した場面から評価機関が読み取った利用者の気持ちの変化
職員の配慮に満ちた手の握りで、利用者は安心して鈴に触ることができたようである。鈴の感触や音色を聞くことで楽器に対する興味も湧いてきたようだ。リーダーの積極的な声かけを受けて、利用者の気持ちも晴れやかになっていった。職員の適切な介助で鈴の振り方・握り方にも自信ができてきたようである。ほんの少しだが鈴を振れるようになっていった。一連の演奏が終わった後に、利用者の表情から、利用者の中に合奏・合唱をやり遂げた自信と達成感が育まれたように思われた。
「評価機関としての調査結果」に対する事業者のコメント
利用者調査の総合的な評価として、「大変満足」、「満足」の合計が88%であったことは、事業運営としての評価をいただけたともの思っています。利用者ご家族からのご意見の中には職員へのねぎらいと感謝もいただき大変有り難く存じます。個別の評価ではご満足が十分でなかった項目もありますので、今後もセンター理念に基づき職員意識を高め利用者サービスの向上に努めたいと考えます。
通所利用者の方々の障害の程度は様々でありますが、重症度も高くなり医療ニーズの増加も顕著であります。建物改修による環境整備、医療安全の確保、利用者それぞれの個性にあったサービスに対応できる体制と職員能力の向上に努めてまいります。
1.事業所に通うことが、利用者の身体の機能や健康の維持・促進の役に立っているか |
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2.事業所での活動は、利用者が興味や関心を持てるものになっているか |
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3.事業所に通うことで、利用者の情緒が安定しているか |
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4.事業所での人との関わりは、利用者に良い影響を与えているか |
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5.利用者の様子や支援内容(体調変化時の対応含む)について、事業所と情報共有できているか |
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6.家族に対する精神的なサポート(介護に関する悩み相談や、家族間交流の機会の提供等)は役に立っているか |
はい 50%
どちらともいえない 39%
いいえ 6%
無回答・非該当 6%
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7.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか |
はい 83%
どちらともいえない 11%
無回答・非該当 6%
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8.職員の接遇・態度は適切か |
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9.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか |
はい 72%
どちらともいえない 11%
いいえ 6%
無回答・非該当 11%
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10.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか |
はい 33%
どちらともいえない 39%
無回答・非該当 28%
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11.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか |
はい 67%
どちらともいえない 22%
いいえ 6%
無回答・非該当 6%
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12.利用者のプライバシーは守られているか |
はい 67%
どちらともいえない 17%
無回答・非該当 17%
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13.個別の計画作成時に、利用者や家族の状況や要望を聞かれているか |
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14.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか |
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15.利用者の不満や要望は対応されているか |
はい 72%
どちらともいえない 22%
無回答・非該当 6%
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16.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか |
はい 39%
どちらともいえない 39%
いいえ 11%
無回答・非該当 11%
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