東京都福祉サービス第三者評価  評価結果





評価結果基本情報

評価年度 令和4年度
サービス名称 認可保育所
法人名称 ミアヘルサ株式会社
事業所名称 ミアヘルサ保育園ひびき永福町
評価機関名称 特定非営利活動法人 日本ライフサポーター協会

コメント

利用者調査は、通園児の保護者を対象にアンケート方式による調査を実施した。アンケート調査を行う上で必要となる通園児の住所氏名等は、個人情報にあたる為、調査用紙の配布は当保育園にお願いし、回答用紙は料金別納の封筒にて直接評価機関に返送していただく郵送方式とした。職員の自己評価については、新型コロナウィルス感染拡大に留意し職員説明会を2回に分けて行った。第三者評価の意義や目的、流れ、シートの記入方法等を分かりやすく説明した文書を配布して、記入の協力をお願いした。


(内容)
 Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像
 Ⅱ 全体の評価講評
 Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み
 Ⅳ 利用者調査結果
 Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)
 Ⅵ サービス提供のプロセス項目


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Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像

1 理念・方針  (関連 カテゴリー1 リーダーシップと意思決定)
  事業者が大切にしている考え(事業者の理念・ビジョン・使命など)

【保育理念】  ― 共に育ち、ひびき合う ― ミアヘルサ保育園ひびきは、「共に育ち、ひびき合う」を理念としています。 お子様を中心につながり合う一人ひとりを大切に、 この先もずっと思いやりと笑顔にあふれる園であり続けます。 

 
2 期待する職員像  (関連 カテゴリー5 職員と組織の能力向上)
  (1)職員に求めている人材像や役割

・温かさ・子どもへの愛情が深い・子どもの代弁者・子どもの立場に立てること(こどもの目線になれる)・子どもに依存しない人 ・子どもをい癒しの道具にしない・物事を建設的に考えることが出来ること・大きい声で無く言葉をつなぐ保育を実践できる人 ・コミュニケーションをきちんととることが出来ること・考えることが出来ること・共に育ちあおうとすることが出来る人 ・思いやりのある人 ・不適切な保育をきちんと理解し、注意しあえること

 
(2)職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

・自分は保育のプロだと自覚し、常に向上心を持ち勉強し続けること ・物事に制限を付けず、あきらめないこと ・子ども達に無償の愛情を注げること ・建設的な考え方が出来ること

 


Ⅱ 全体の評価講評

全体の評価講評

特に良いと思う点
1 子どもに必要な愛着関係の基礎作りや五感を大切にするという保育の目標と実践が保護者に理解され信頼を寄せられている

保育への強い信念に基づいた園長の強いリーダーシップにより、生きる基盤を作るという保育の大切な役割が保育士の認識として共有され浸透している。保護者・見学者に対しても、子どもに必要な愛着関係の基礎作りや五感を大切にすること等を繰り返し説明している。この考えに立った保育の実践により、落ち着いて人の話を聴ける、自主的に遊びを発見できる、身体の動きの良い子どもたちが育っている。今回の利用者調査では「発想力を伸ばしている」「子どもが良い日本語を使う」「真摯に保育に取り組んでいる」などの声があり、保護者からの信頼も厚い。
2 コロナ禍にあっても保護者の理解と協力を得て、感染防止策を講じて保護者参加行事を開催している。

コロナ禍で夏祭りとファミリーフェスティバルは子どものみで実施してきた。今年度は保護者が子どもと一緒に楽しめる夏祭りや運動会を再開する為、参加方法や運営方法について行事のプロジェクトが中心となり取り組んできた。夏祭りは子どもは保護者と一緒にクラス単位で夏祭りを楽しみ、神輿を担ぎ近所を練り歩いた。小学校体育館を借用し、密を避けて広い場所で人数を制限し1・2歳児、3・4歳児に分け5歳児は単独で行っている。参加者は保護者1名とし卒園者は呼ばずに実施した。年長は令和3年度に導入した和太鼓を披露できた。
3 栄養士は食育活動をイベントだけではなく、健康な体作りの基礎となるように「日常の食育」を行っている

栄養士は、令和4年度、誤食が無いよう「アレルギーマニュアル」を作成した。また、健康な体づくりの基礎となるよう、様々な企画を立てて子どもたちが喜ぶ食事を提供している。絵本が大好きな子ども達に、「絵本給食」と名付けて、子どもたちが今一番読んでいる絵本から題材をとり、月替わりで工夫して作っている。一番人気の「おおきなかぶ」では、かぶをイメージして作ったマフィンとかぶ型のクッキーなど、見て楽しいおやつとなるように出している。保育士との連携もよく、常に話し合いながら美味しく楽しい「日常の食育」活動に取り組んでいる。

さらなる改善が望まれる点
1 職員が自主的・自発的に保育の質の向上について考え、取り組めるよう、環境を整えていくことが期待される。

五感を育む環境を整え、感覚統合をしっかりと経験させ、人としての基礎を作っていくことを保育目標の一つに掲げ、7年間微動だにせず取り組んできた園長である。生きる基盤作りとなる乳幼児期を預かる保育園長として、この目標の大切さを職員には勿論、保護者・見学者にも訴え続けてきた。保護者にはその保育姿勢が伝わり、圧倒的な指示を得ている。一方、職員は理解してはいるが、経験年数等もあり難しいことも多いという様子が職員アンケートから窺える。職員が自発的に保育の質について考える環境を整えていくことが今後の課題である。
2 ヒヤリハットの様式を替え、1日1件は発見する目標を立てるなど、取組みの強化を図ったが、集計・分析・共有が今後の課題となっている

安全・安心の保育を基本の保育方針として取り組んでいる当園では、園長はヒヤリハットを上げることが事故防止につながると、職員に声を掛け、話し合った結果、全クラス1日1件必ず挙げることを目標にし、日誌にヒヤリハットの様式を付けることになった。記入を義務付けたことで、職員の気づきが定着したが、集計・分析ができていない。日誌の形式を変更し一日の流れが一目でわかるようにしたら集計・分析・共有がしやすくなると思われる。安全・安心の取り組みなので継続し、集計・分析し職員が共有することで事故防止に繋がることを期待したい。
3 コロナ収束後をにらみ、これまで継続してきた地域の子育て支援等の地域連携活動について再開に向けた計画を立てておくことを期待したい

当園は園・保護者・地域の信頼関係を大切にし、共に育ち合うことを目指して保護者との連携、地域の子育て支援に力を入れてきた。しかし、コロナ禍のため、これまで行ってきた地域住民の育児相談、行事への招待など多彩な支援・交流活動は休止せざるを得ない状況が続いている。令和3年度には小・中学生等の保育士体験、4年度は郵便局へのポスター掲示や小学校との連携など一部の活動を再開した。コロナ禍収束の見通しは不透明だが、園の情報発信、子どもの社会性向上などのため、地域・保護者との交流の再開を図るよう計画されることを望みたい。

Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み

1 ★ 園目標の「喜び合い、育ち合う」を目指し環境を整備し保育実践を重ねている

園目標「育て合おう 豊かな心 丈夫な身体」を明確にし、五感を育む環境づくり・感覚統合の経験・愛着関係の基礎作り等を目指して保育している。職員間での保育目標の浸透や共有には時間をかけて話し合い、環境を整備して保育実践を重ねている。1300冊を超える絵本を、子どもの発達に応じて毎月入れ替えている。木製遊具を揃え子どもたちが遊びこめる環境を用意している。床暖房を設置して裸足保育を行ない丈夫な体づくりを目指している。子どもが自らの発想で遊びを発展させる保育等を積み重ね、職員は見守りながらやさしく語りかけている。
関連評価項目(着実な計画の実行に取り組んでいる)
2 ★ 愛着と自己肯定感を育む保育を実践し、不適切な保育の排除に全職員で取り組んでいる

当園は子どもの人権を擁護し、愛着と自己肯定感を育む保育に取り組んでいる。不適切な保育や虐待の防止に力を入れ、家庭センターの虐待防止研修受講、人権マニュアルの読み込みに加え、園独自の虐待防止マニュアルを作成し職員に周知した。また、昨今の保育園での置き去り・閉じ込め等の事故・事件を研修のテーマとして取り上げ、「いけないと知りつつ何故やってしまうのか」についてグループ討議を行い、認識を深めた。園外での虐待にも注意を払い、保護者の相談を受けた場合には、速やかに発達支援センターと連携して園長が対応することとしている。
関連評価項目(虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている)
3 ★ 散歩時の安全対策など、子どもの安全への取り組みを徹底している

法人はミアヘルサ保育園ひびき各園に防犯カメラ設置・入口セキュリティ・AED設置・警備会社との契約を行っている。園内も指挟み防止引き戸など隅々まで安全に配慮している。園では社会事件となっているバス内への置き去り、散歩先での行方不明などに対応すべく、園独自の取り組みとして「安全衛生チェックリスト」「自主検査チェック表」「遅番チェックリスト」による事故防止の点検を励行している。特に散歩時に配慮し、出発前の服装確認の写真撮影、第三者による出発・帰園時の人数確認、公園到着・出発時の電話連絡等の安全確認を徹底している。
関連評価項目(事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる)

Ⅳ 利用者調査結果

調査概要
調査対象:令和4年12月1日時点で、園児68名(58家族)を調査対象とした。なお、お子さんが複数通園されている場合は、年齢の低い方のお子さんについて回答を得ることとした。

調査方法:アンケート方式  
アンケート方式とし、保育園で担任が保護者に手渡しする方法で調査票を配付した。記入された調査票は、返信用封筒により評価機関宛て直接郵送していただいた。

利用者総数 68人
利用者家族総数(世帯) 58世帯
アンケートや聞き取りを行った人数 47人
有効回答者数 47人
回答者割合(%) 81.0%

総括
利用者調査の総合評価では、47名の回答者のうち、「大変満足」が33名、「満足」が13名で97.8%と非常に高い満足度である。また、「どちらともいえない」が1名で、「不満」・「大変不満」はなかった。 個別評価では全般的に肯定的な回答が多かった。全員の保護者が「はい」と答えている項目は、評価項目1「保育がお子さんの心身の発達に役立っているか」、評価項目2「園での活動は、お子さんが興味や関心を持って行なえるものになっているか」の2項目であった。「いいえ」の答えがあったのは、設問17「第三者委員に相談できることを知っていたか」に2名。設問7「行事の日程は参加しやすいか」に2名、設問7「職員との信頼関係」、設問16不平不満が伝えられるか」に1名ずついただけであった。 第三者評価に関しては「昨今のニュースを見ると不安になります。調査結果は詳細含め開示していただけると安心です。(他の親子さんがどう感じているのか知りたいです)」という意見があった。

利用者調査結果

1.保育所での活動は、子どもの心身の発達に役立っているか
はい 47人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
・子どもの表現方法が増えたと感じるので。引っ越し等で3つの園でお世話になったが「行きたくない」と言わない初めての園です。 ・欲を言えば、両親フルタイムの家庭では、習い事をさせる機会が少なくなっています。貴重な家族との休日をあてざるえません。保育園と民間習いごとが提携し、保育園~習い事へのサービスのようなものがあれば、子が学ぶ機会が増えそうです。 ・日常生活の習慣やあいさつなど、家庭で教えきれないことも園で教わって上手にできるようになり安心して頼っています。
2.保育所での活動は、子どもが興味や関心を持って行えるようになっているか
はい 47人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
・具体的なおもちゃより、発想力などを伸ばす活動が多くとても良いです。 ・給食や遊びなど手作りのものが多く休日だけではさせてあげられない体験や経験ができているのでとてもありがたいです。 ・日々、いろいろ工夫して保育して下さり、とても感謝しています。 ・遠足やその他季節のイベントをたくさん考えてくださり子どもにとってとても良い環境だと思います。
3.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか
はい 46人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
・試食などもあり、(コロナ禍ではなくなっていますが)工夫されていると思います。 子どもが家では食べない食材を給食では1口でも食べてみようと後押ししてくれたり、「これは給食でしか食べないよ~」と子どもに言われた食材のことを給食の先生に相談したら、丁寧にアドバイスして頂きました。先生方の気持ちの温かさにとても助けられています。
4.保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか
はい 45人  どちらともいえない 2人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
・毎日、いくつかの公園に出掛け、季節ごとの自然に触れさせて下さっています。例えば、落ち葉ひろい、川の観察etc、まだ、低学年ということもありますが、遠足は少なめです。美術館・図書館など近くの公共機関の利用もあると良いです。 ・まだ2歳児クラスなのですが、4歳以上のクラスではそういった活動をしてくださっている印象です。  ・電車やバス、踏み切り、消防車などへの理解が生まれたのは、日頃の園生活で学びがあるからだと思うのです。 ・園自体大きくありませんが、その分、戸外活動が充実していると思います。
5.保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか
はい 39人  どちらともいえない 2人  いいえ 0人  無回答・非該当 6人 
・仕事柄、残業が頻繁にあるが、いつも柔軟に対応いただき非常に助かっている。 ・ご迷惑おかけする事多々ありますが、電話ごしにいつも安心する対応をしてくださいます。 ・お迎え時間が急に仕事の都合で遅くなったりしても快く対応してくださり助かっています。
6.安全対策が十分取られていると思うか
はい 41人  どちらともいえない 6人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
・子どもの話から、避難訓練等が定期的にあるようで安心している。 ・常に非常時を意識されていると感じています。 ・改めて客観的に保育園について考えても大事な子どもを長い時間お願いできる保育園がひびきで良かったと思いました。先生はもちろんのこと、散歩のときの先生の対応(散歩前に写真を撮る・人数確認など)その他についても、日本各地で悲しい事故が多い中、毎日しっかりとそういったことが起きないように日々徹底して頂いて信頼できます。
7.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か
はい 40人  どちらともいえない 5人  いいえ 2人  無回答・非該当 0人 
・行事も子どもの成長に合わせてコロナ禍の中いろいろと工夫しながら行っていただき、子どもの成長に良い環境だと思っています。 ・行事は土曜日に実施いただけることもあるが、平日の場合も多く、都合つけづらいこともある。 ・前もって年内行事や細かな連絡を頂けます。
8.子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があるか
はい 44人  どちらともいえない 2人  いいえ 1人  無回答・非該当 0人 
・園長先生をはじめ先生方には大変お世話になっており、子どもを安心して通わせる事ができる、信頼できる保育園です。2人目を出産しても、絶対こちらに通わせたいです!       ・非常に丁寧に子ども達や私達保護者に対して寄り添って頂いています。ただ都合良く、優しくというのではなく保育に対して園が一丸となって真摯に取り組んでいらっしゃるのが伝わります。ひびき永福町のような保育園が増えれば良いのに、と常々感じています。         ・いつどんな時も、対応して下さるという安心を頂いています。
9.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
はい 40人  どちらともいえない 6人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
・急に園内を見学させていただいた際も、清潔だった。日頃から整理されていると思う。 ・季節に合わせて手作りの飾りつけなど、玄関やいたるところが整理されています。 ・2回程しか園内に入った事がないがキレイではあるが物が多い印象がある。
10.職員の接遇・態度は適切か
はい 45人  どちらともいえない 2人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
・保育士の方々もとてもきめ細やかで明るく丁寧です。 ・どの先生も、親身になって話を聞いてくださいます。個人面談や、事情があれば個別の面談も組んで下さり、しっかりとフォローされていると思います。
11.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
はい 44人  どちらともいえない 2人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
・子どもの体調面の変化や子ども同士のトラブル、精神面での変化なども細かく対応していただいています。 ・ケガをした際、即連絡のうえ、受診させて下さいました。その後の説明も丁寧でした。 ・とても手厚いです。
12.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
はい 36人  どちらともいえない 6人  いいえ 0人  無回答・非該当 5人 
・トラブルや子どもが小さくお友達同士のトラブルや難しいシーンがまだなく、先生に相談や助けを求めるシーンはまだないが、困った際は園長先生はじめ助けてくれると思っている。 ・下手に介入しすぎず、それでいてちゃんと見守ってくれている安心感がありました。 ・予想ですが「はい」です。まだ具体的ないさかいやいじめの話を聞いたことがありません。ささいないさかいはあると思いますが、即対応して下さっているように思います。そのくらい信頼できています。
13.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
はい 45人  どちらともいえない 2人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
・いつも子どもや私たち親の気持ちに寄り添った対応をしていただき、感謝しています。保育園での時間が子どもの成長促進につながっていると思います。 ・子どもが毎日先生の話をし、なおかつ「優しい」と言うので、子どもを思って対応していただいていると思う。 ・初めての活動に慎重なタイプの子です。すぐ参加しなくても、見させて安心させ本人がその気持ちになるのに寄り添って下さっています。               ・子ども達の心は守られ、成長していると感じます。
14.子どもと保護者のプライバシーは守られているか
はい 41人  どちらともいえない 3人  いいえ 0人  無回答・非該当 3人 
・特にこのコロナの世の中になってから、保護者や子ども達、先生方のプライバシーをしっかり守る姿勢を感じます。 ・当然そうして頂いています。 ・ひびき永福町保育園を選んで良かったと感じているところです。
15.保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか
はい 43人  どちらともいえない 3人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
・保護者会で毎年ていねいに説明されており、とても分かりやすいです。 ・とても分かりやすいです。個人面談などでは特に分かりやすいです。
16.利用者の不満や要望は対応されているか
はい 40人  どちらともいえない 3人  いいえ 1人  無回答・非該当 3人 
・早急に対応して下さるし理解できるように説明して頂けます。
17.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
はい 31人  どちらともいえない 5人  いいえ 2人  無回答・非該当 9人 
・あまりそういった機会がありませんでした。必要な時は園長先生自ら説明してくださる気がします。

Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)

※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー1  リーダーシップと意思決定
  サブカテゴリー1  事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている
  評価項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  標準項目2 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
  評価項目2 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている 実施状況
  標準項目1 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
  標準項目2 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
  評価項目3 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している 実施状況
  標準項目1 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
  標準項目2 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  標準項目3 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
講評
「育てあおう 豊かな心 丈夫な身体」を園の目標として、職員・保護者に周知している

園の目標として「育てあおう 豊かな心 丈夫な身体」を掲げている。当目標はさらに、「喜びあい、育ち合う 」・「五感を育む環境を整え、感覚統合をしっかり経験し、人としての基礎を作っていく」など5つの目標に具体化し、職員会議等で常に確認しあっている。また、人として生きることの意味が将来にわたって子どもたちの意識の中に育つよう、短い詩の「あい」を卒園式で年長児に暗唱させている。「あい」の詩は、見学に訪れた保護者や入園時の子ども・保護者にも紹介し、園の基本的な考え方として伝えている。

園目標の実現に向けて年度の事業計画を立案し、管理・推進体制を整えている

平成27年度の開園時に着任した園長は、以来7年間、明確な園目標を掲げ職員に理解されるよう努めるとともに目標実現に向けて実践し、園運営を牽引してきた。保護者に対しても同様で、次年度入園の見学者は必ず園長が案内し、園目標である愛着と五感を育み自己肯定感の持てる子どもたちを育成する保育について明確に伝えている。園の目標及び年度の計画は年度事業計画書に記載し、職制ごとの役割を定め、管理・推進の体制を整備している。目標・計画や係とその役割は職員会議や昼礼、個別面談など、話す機会を数多く設けて職員への浸透を図っている。

重要事項は各リーダー、各係の意見を集約して決定し、昼礼等で速やかに周知している

園運営に関する重要事項は、主任、乳児・幼児リーダー、各係等の意見を昼礼・職員会議の場で聞いて集約し意見交換のうえ、園長が決定している。決定事項とその経緯は昼礼・職員会議のほか回覧・スマートフォン等により速やかに職員に伝えている。昼礼は毎日14時30分から行っており、全職員が連絡・報告事項をタイムリーに共有する重要な機会となっている。また、保護者との緊密な連携をとることを重視している当園は、園だより・事務所だより・クラスだより等で園情報を保護者に知らせるとともにクラスごとの保護者会でも詳しく説明している。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー2  事業所を取り巻く環境の把握・活用及び計画の策定と実行
  サブカテゴリー1  事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
  評価項目1 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している 実施状況
  標準項目1 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
  標準項目2 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
  標準項目3 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
  標準項目4 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
  標準項目5 事業所の経営状況を把握・検討している
  標準項目6 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
  サブカテゴリー2  実践的な計画策定に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している 実施状況
  標準項目1 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
  標準項目2 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
  標準項目3 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
  評価項目2 着実な計画の実行に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
  標準項目2 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
講評
様々な機会を設けて保護者や職員の意向把握に努め、園運営に生かしている

保護者との信頼関係を大切にし、園の情報を分かりやすく保護者に伝えるとともに保護者の意向の把握に努めている。保護者の意見・要望を園運営に反映するため、行事後アンケートを必ず実施するほか、6月・7月に個人面談、5月・1月・2月に保護者会、7月・2月に保護者代表等が参加する運営委員会などを開催し、保護者からの意見・要望を聞いている。園長は職員の声にも耳を傾け、昼礼・職員会議・リーダー会議・園長面談など多くの機会を設けている。また、保育・地域情報を把握するため区私立園長連絡会・地域懇談会等に積極的に参加している。

保育目標・園目標の実現に向けて、令和2年度開始の5ヵ年中長期計画を策定している

保育目標・園目標の実現に向けて、令和2年度からの中長期計画を策定している。中長期計画は、施設運営・保育の内容・健康と安全・子育て支援・職員資質の向上の各項目について方針・目標を定めており、当計画に基づいて、さらに具体化した全体的な計画を作成し、園目標や目指す子ども像を実現するための基本計画としている。全体的な計画を基に指導計画・保健計画・食育計画を立て、計画と活動を支える年度の予算計画を編成している。園では保育所保育指針の勉強会を行って職員の理解を深めるとともに、全体的な計画の全職員への周知を図っている。

園の年間活動を振り返って課題を整理し、次年度計画策定の基礎としている

園の計画を着実に実行するため園運営全般にわたる事業計画を立案し、保育内容については全体的な計画を基に年間・月間指導計画、週・日指導計画を作成している。計画を実施した後は評価・反省・振返りを確実に行って記録し、次回以降の計画策定に反映している。年度末には園全体の活動について振返りと評価を行い、継続・強化することと改善すべき課題を明らかにし、次年度の計画に活かしている。職員一人ひとりの個人別達成目標も前期・後期に園長・本人面談の上確認し、半期ごとにその成果と課題を話し合い、次期の目標・計画に反映している。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー3  経営における社会的責任
  サブカテゴリー1  社会人・福祉サービス事業者として守るべきことを明確にし、その達成に取り組んでいる
  評価項目1 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
  標準項目2 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
  サブカテゴリー2  利用者の権利擁護のために、組織的な取り組みを行っている
  評価項目1 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている 実施状況
  標準項目1 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  標準項目2 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
  評価項目2 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている 実施状況
  標準項目1 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  標準項目2 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
  サブカテゴリー3  地域の福祉に役立つ取り組みを行っている
  評価項目1 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
  標準項目2 ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
  評価項目2 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
  標準項目2 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
  標準項目3 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
講評
規則・研修で職員への遵法・倫理意識の浸透を図り、全職員で規範遵守に取り組んでいる

社会人・職員として守るべき法・規範・倫理は、就業規則に定め入社時研修で指導している。園では目指す価値を共有するため、事業計画書・事業報告書の冒頭に保育理念と保育目標、園目標・クラス目標を掲載し、日頃から昼礼・職員会議の場で触れている。また、人権感覚についてのリスト作成、子どもへの対応の仕方の確認、保育指針の勉強会、虐待防止研修の園内実施などさらに理解を深めるよう取り組んでいる。保育中に気になる言動が見られた場合は昼礼・職員会議で取り上げ、個別にも園長が丁寧に話をするなど、真摯に向き合って対応している。

保護者が意見を言いやすい環境を作り、苦情に速やかに対応する体制を整えている

当園は、苦情を課題の一つとして受け止め、振り返りと反省をしてより良い保育を考える機会としている。相談・苦情は主任が受け付け、解決責任者を園長とする体制を整え、「入園のしおり(重要事項説明書)」で保護者に説明している。保護者からの小さな疑問に対しても園長・職員が迅速に対応しており、この4年間苦情は寄せられていない。また、保護者が園に対して意見・要望を気軽に言えるよう登降園時の会話を大切にし、入口にはご意見箱を置いている。虐待防止も重視し、虐待防止研修を行うとともに職員同士が互いに注意し合える関係を作っている。

コロナ禍の中での行事再開を模索し、感染対策を講じて夏祭り・運動会を行った

家庭や地域社会との連携を大切にすることを保育方針のひとつとしている。法人HPに目指す子ども像・保育の特徴を示すとともに、当園のクラスの様子や行事などをブログに挙げ毎週更新し、園の情報を積極的に発信している。地域交流・貢献にも積極的に取り組み、コロナ禍以前は育児相談、英語・体育指導、リズム遊び・夏祭り・運動会への招待など多彩な地域子育て支援を行ってきた。令和3年度は再開を模索したが、感染防止を重視して地域の方への案内は見送り、参加者を限定したり年齢別の少人数制にしたりするなどの方法で夏祭り・運動会を実施した。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー4  リスクマネジメント
  サブカテゴリー1  リスクマネジメントに計画的に取り組んでいる
  評価項目1 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
  標準項目2 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
  標準項目3 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
  標準項目4 リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
  標準項目5 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
  サブカテゴリー2  事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
  評価項目1 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている 実施状況
  標準項目1 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
  標準項目2 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
  標準項目3 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
  標準項目4 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
講評
安全確保のための設備・環境を整え、散歩時の事故防止には細心の注意を払っている

子どもの安全を確保するため、事故防止策と対応策、不審者対策、防災・防犯対策の各計画を整備している。また、安心安全な環境を整えるため、不審者侵入防止の入口セキュリティ、AED設置、警備会社との契約、携帯型緊急通報機器の使用等のほか、床・窓ガラス・照明・扉などの安全にもきめ細かく配慮している。散歩の安全確保にも力をいれ、置き去り・行方不明・事故等を防止するため、散歩マップ作成・危険箇所チェック・服装確認の写真撮影・第三者による出発時・帰園時の人数確認、散歩先到着時と出発時の電話連絡などを確実に行っている。

事故防止・防災の日常点検を行っており、大規模災害対応のBCPも策定している

職員の安全管理意識を高める防災教育を行うとともに、点検・管理体制を整備している。チェックリストによる事故防止点検を毎日実施し、令和4年度から、避難経路の安全確認・電気器具のコード等の劣化の有無確認などを毎日行う自主検査を開始した。また、大規模災害発生時に園児・職員の安全を確保し事業継続を果たすため、令和元年度に事業継続計画(BCP)を策定した。BCP委員を選び隔月の本社の委員会に出席させ、BCP係も決めて、内容の周知のほか関係機関や職員連絡網の変更など必要な改定を確実に行うようにしている。

個人情報の取扱い関する研修を行ってルールを職員に周知し、情報の管理を徹底している

令和元年に法人がプライバシーマークを取得し、園は当制度及び個人情報保護方針に基づき情報を管理している。情報の収集・管理等に関するルールの理解を図るため、職員は「個人情報取扱い」・「Pマーク取得」の研修を受けている。また、職員・保護者の目に入るよう「個人情報保護方針」を玄関に掲示している。個人情報を含む文書は事務所内の施錠できる書庫に保管し、園外持出しは禁止している。保護者に対しては入園時に個人情報の取得・利用・開示範囲・担当窓口などについて説明し、併せてお便り等への個人名・写真等の掲載可否を確認している。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー5  職員と組織の能力向上
  サブカテゴリー1  事業所が目指している経営・サービスを実現する人材の確保・育成・定着に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている 実施状況
  標準項目1 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
  標準項目2 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
  評価項目2 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している 実施状況
  標準項目1 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
  標準項目2 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
  評価項目3 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
  標準項目2 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  標準項目3 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
  標準項目4 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
  評価項目4 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
  標準項目2 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
  標準項目3 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
  標準項目4 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
  サブカテゴリー2  組織力の向上に取り組んでいる
  評価項目1 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
  標準項目2 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
  標準項目3 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
講評
愛着・五感・自主性を育む保育の役割が職員の共通の認識となっている

「育てあおう 豊かな心 丈夫な身体」に集約される5つの園目標を理解し実践できる職員を目指して、職員の指導・育成に力を入れている。保育への強い信念に基づいた園長の強いリーダーシップにより、生きる基盤を作るという保育の大切な役割が職員の共通の認識となっている。子どもの愛着や五感を大切にするという考えに立った保育実践は保護者からの信頼も厚く、誇りを持って保育に取り組む職員集団となっている。現在は特にリーダー層の育成と適材適所での職員配置に努めており、この4年間保育士の離職者は少数にとどまっている。

職員の指導に力を入れるとともに、働きやすい職場環境の整備に努めている

職員を指導するため、園長は職員一人ひとりの経験・性格・得意分野及び本人希望等を踏まえて職員の指導計画を立て、半年ごと及び随時に個人面談を行い成果と課題を確認している。働きやすい職場づくりにも力を入れ、日頃から職員の健康・ストレス等に注意を払い、無理しないように声をかけるなど配慮を欠かさないよう努めている。また、隣接するマンションに静かな一室を確保し、職員が落ち着いて休息できるスペースとしている。令和4年度にはクラウド型勤怠管理システムを導入し、職員が自ら勤怠管理・時間管理をやりやすくする環境も整えた。

実践事例等を発表する園内研修、外部研修内容の共有など組織力の向上に取り組んでいる

園長は、職員の目標達成シートや勤務状況等を基に個別面談を行い、育成と人事考課に繋げている。職員育成のため、実践事例等を発表する園内研修を行い、本社・行政・外部研修機関の各種研修の受講を奨励している。研修参加後は、研修内容を職員全体で共有するため研修報告書を作成し、職員会議等で発表することとしている。また、職員がチームとして協働し効果的に活動を進めるため、園だより・生き物・図書・音楽など約30の係や各種行事の担当を決め、併せてリーダー及び補佐役の役割を明確にし、バランスの取れた仕事配分となるよう工夫している。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー7  事業所の重要課題に対する組織的な活動
  サブカテゴリー1  事業所の重要課題に対して、目標設定・取り組み・結果の検証・次期の事業活動等への反映を行っている
  評価項目1 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ) 《目標設定と取組み》
①五感を育む環境を整え、感覚統合をしっかり経験させる。②愛着関係の基礎作りを大切にし、自己肯定感の持てる成長を助ける という保育について、職員・保護者に理解してもらい、①②を目指した保育を実践することを目標とした。さらに目標達成に向け次の具体策を計画した。・職員・保護者・見学者に園目標を発信する。・担当制保育により愛着関係を築く。・裸足保育・体操・リトミック等を行う。・コマ回し、けん玉、自由製作など手足を使う遊びを充分に経験させる。・保育士は声の大きさに気をつけ、常に子どもに言葉を伝える方法を考えながら保育する等である。
《取組みの検証》
保護者には園便りや事務所便り、保護者会で園目標を伝えている。見学者にも愛着や五感の話を語り、保育への理解が深まったというお礼の手紙、園長の話で入園を決めたという言葉をもらった。職員の理解も浸透してきた。子どもたちは落ち着いて話を聴けるようになり、主体的に遊びを選ぶようになっている。
《検証結果の反映》
職員をはじめ保護者・子どもたちへの働きかけは今後も継続する。保育士には、「遊びから学ぶ」ことを掘り下げて考えてもらい、遊びや環境の園内研修を継続する。
評語
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
(1)計画・目標
園目標である「五感を育む、愛着関係の基礎を作る、大人も共に育ち合う」を目指す取組みである。計画は大きく分けて、園目標の理解と目標への共感、そして目標達成のための保育実践の2つである。保育実践はさらに具体化し、このように、担当制保育による愛着作り、裸足保育、手足を存分に使う活動などである。目標を明確にし、具体的な実施策を立て計画的に進めたということができる。
(2)結果と検証
計画に沿って実施した結果、園長は、保護者のみでなく見学者からも、保育への理解が深まった、話を聞いて入園を決めた等の反応を得たこと、職員の理解も深まってきたことなどから実施策の効果が出ていると振り返っている。子どもたちにも良い結果が生まれていると評価している。
(3)検証結果の反映
成果を確認し、今後もこの取組みを継続することにしている。子どもたちの五感を大切に育む保育を今後も重視し、感性に働きかけるような言葉かけの工夫、子どもたちが遊びをどのように構築していくかを観察し、自主的な遊びを助ける環境の設定について学ぶ取組みを進めて行く予定である。検証結果を次の計画に反映していると言える。 
  評価項目2 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ) 《目標設定と取組み》
保育士の仕事に意義を見い出し、この園でずっと働きたいと思えるような職場作りをするため、次の方針を立てさらに具体策を計画し、実行した。
①職員が保育のプロとしての自覚を持つよう意識付けする。②保育の仕事の尊さが実感でき、仕事に誇りを持てるようにする。③キャリアを積み上げることで自信を持ち、楽しんで仕事に向かえるような職場環境を整える。
具体策は、保育目標の共有、愛着・五感を育む保育の実践、研修参加の奨励と研修内容の共有、園長個別面談の実施、職員のコミュニケーションと協働の推進、キャリアアップ研修の展開などである。
《取組みの検証》
園長は取組みを振り返り、次のように評価している。園目標の達成を目指して職員が向上心を持っている。職員が園に愛着を感じており、離職率が低い。職員が共にフォローし合える園になっている。質の良い保育が実現でき、子どもたちの愛着・五感・自主性が育っている。
《検証結果の反映》
これまでの取組みを継続するとともに、保育士が自主的・自発的に保育の質の向上について考え、取り組む環境を整える。
評語
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
(1)計画・目標
夢を持って入職した職員が保育の仕事の意義を実感し、働き続けたいと思える職場づくりを目指した。施策の要点は「目標の共有」と「保育の実践」の2点で、それらを支える研修・個別面談・職員の協働・キャリア支援等を計画した。園目標は職員会議等で確認し合い、愛着・五感を育むため絵本や木製玩具を揃え、裸足保育・体操・リトミックを実施し、自主的な遊びを見守る保育を行った。また、個別面談を実施し、日々の昼礼等で職員間の情報共有を図り、行事等で協働も進めた。キャリアアップ研修も年間計画に組み込んで実施した。目標を示し具体的な計画を立て実施したと言える。
(2)結果と検証
園長は実施状況と結果を振り返り、職員は子どもたちの成長を感じ、保育の意義を実感した、チームワークも良好と評価した。また、職員の離職率が低いことも取組み成果の一つと捉えている。今後は、自ら学ぶ姿勢を持つ熱意のある保育士を育成したいと考えている。
(3)検証結果の反映
園目標の共有・保育実践については実施策を継続し、今後は職員が向上の意志を持ち、勉強し続けることを支援する環境作りに力を入れる計画である。振返りの結果を次期に反映したと言える。 

Ⅵ サービス提供のプロセス項目(カテゴリー6)

カテゴリー6 サービス提供のプロセス
  サブカテゴリー1 サービス情報の提供
  評価項目1 利用希望者等に対してサービスの情報を提供している 実施状況
  標準項目1 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  標準項目2 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  標準項目3 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  標準項目4 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
講評
法人が作成するホームページ・ブログ等で情報を広く公開している

法人が作成するホームページ(以下HP)には系列園36園が掲載されており、東京都・杉並区を開けると当園の案内となる。HPには理念・保育方針・園の概要のほか、年間予定・一日のスケジュール・園長メッセージが載せられている。メッセージの中で園長は、当園が実施している保育は子どもの愛着関係を育み自己肯定感を育てますと語っている。ブログも掲載しており、写真入りで活動を保護者に伝える「貼り出し日誌」をアップして、子ども達の日常生活を分かりやすく伝え、家族みんなで見てもらえるようにしている。

見学者にはリーフレットを手渡し園内を案内しながら子育てについての話をしている

決して広くない玄関だが、理念・保育方針を掲示するほか、全員の保護者に伝えたい「お知らせ」も掲示している。見学希望の電話があった場合は、実際の保育現場を見ていただけるよう午前9時半からにお願いしている。見学希望の方には園の概要が表記されているリーフレットを手渡し、入園希望の有る・無しにかかわらず園内を丁寧に案内している。園内を回り保育現場を見ていただいた後には、杉並の保育の状況や、スマホ育児・紙おむつなどが子どもの成長に大切な愛着の形成を薄くしているという現在の子育ての問題点などを伝えるようにしている。

園の情報を関係機関に提供するほか、他機関の情報も積極的に受け入れている

園長は本社保育会議・杉並区私立園長会・日保協園長研修・東京都教育委員会研修・済美教育センター研修・幼保小連携に積極的に参加している。自園の情報を提供するとともに、他関係機関や他保育園の情報も入手し、必要に応じて職員・保護者に還元している。また、保護者から個別の質問等があった場合は、園長は可能な限り情報を集めて質問に応え、保護者が安心できるようにしている。なお、杉並区の一時保育プロポーザル選定委員に選ばれ、選定委員会メンバーとして区立子育てプラザにおける一時預かり事業運営業務の公募プロポーザル選定に携わった。


  サブカテゴリー2 サービスの開始・終了時の対応
  評価項目1 サービスの開始にあたり保護者に説明し、同意を得ている 実施状況
  標準項目1 サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を保護者の状況に応じて説明している
  標準項目2 サービス内容について、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目3 サービスに関する説明の際に、保護者の意向を確認し、記録化している
  評価項目2 サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 サービス開始時に、子どもの保育に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  標準項目2 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように配慮している
  標準項目3 サービスの終了時には、子どもや保護者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
講評
入園前の家庭での生活状況を把握し、継続した支援ができるように取り組んでいる

入園が内定したら、入園時児童票や家庭状況調査票・児童健康診断アンケートなどの必要書類を保護者宛てに送付して記入していただいている。その資料を基にして園長は新入園時面接で保護者から子どもの状況を詳しく聞き取っている。また、園長は子どもとも会話をして子どもの状態や親子の関係を観察している。重要事項説明書(入園のしおり)等で準備物・保育目標・年間行事・食事・衣服・緊急時対応・苦情対応体制などについて説明し、納得を得て同意書をいただいている。

子どもが安心して保育園生活ができるよう、入園当初に慣れ保育を行っている

子どもの状態や保護者の勤務状況などに応じて1~2週間程度の慣れ保育の期間を設けている。重要事項説明書(入園のしおり)に「慣れ保育について」記載し、子どもが無理なく園生活に入れるように月齢を考慮し慣れ保育を行うこと、個々の子どもの様子に合わせて行うことを説明して、保護者が安心できるようにしている。子どもの預かりは、徐々に時間を延ばしていくほか、親子で一緒に食事をとっていただくなど、子どもが少しでも安心できる方法を実施している。さらに、必要に応じ保護者と面談等も行っている。

卒園後も子ども・保護者が頼れる園として来園できるよう門戸を開いている

子どもたちにとっても子育て支援の意味においても、当園は卒園後も第2のお家であるとの認識を持っている。地域の人々の結び付きが希薄化している昨今、卒園しても頼れる園として門戸を開いている。卒園後も夏祭り・運動会・音楽会等に招待し、行事以外でも卒園児が多く足を運んでくれる園である。特に、保護者が育児不安を持っていたり、子どもが発達のバランスが弱かったりした場合は、卒園後も子どもの成長を保護者と共有していくという事を明確に伝えている。また、年長児になって途中退園のお子さんにも卒園文集を作って渡している。


  サブカテゴリー3 個別状況の記録と計画策定
  評価項目1 定められた手順に従ってアセスメント(情報収集、分析および課題設定)を行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している 実施状況
  標準項目1 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し把握している
  標準項目2 子どもや保護者のニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  標準項目3 アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
  評価項目2 全体的な計画や子どもの様子を踏まえた指導計画を作成している 実施状況
  標準項目1 指導計画は、全体的な計画を踏まえて、養護(生命の保持・情緒の安定)と教育(健康・人間関係・環境・言葉・表現)の各領域を考慮して作成している
  標準項目2 指導計画は、子どもの実態や子どもを取り巻く状況の変化に即して、作成、見直しをしている
  標準項目3 個別的な計画が必要な子どもに対し、子どもの状況(年齢・発達の状況など)に応じて、個別的な計画の作成、見直しをしている
  標準項目4 指導計画を保護者にわかりやすく説明している
  標準項目5 指導計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  評価項目3 子どもに関する記録が行われ、管理体制を確立している 実施状況
  標準項目1 子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  標準項目2 指導計画に沿った具体的な保育内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
  評価項目4 子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している 実施状況
  標準項目1 指導計画の内容や個人の記録を、保育を担当する職員すべてが共有し、活用している
  標準項目2 申し送り・引継ぎ等により、子どもや保護者の状況に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
講評
クラス全体の記録をとり、障がい児・要配慮児・要支援児は個々に合わせて記録している

クラス全体の様子は勿論、障がい児・要配慮児・支援児等については、個々に合わせて記録をとっている。毎日、クラス全体の様子は勿論、個別にも生活・遊びの状況を、クラス日誌と個別記録に記載し、それぞれを職員会議・昼礼等で報告している。日誌・個別記録をまとめて、1・2歳児は毎月、幼児は3か月ごとに児童票に記載している。児童票は提出期限を設け、タイムリーに子どもの様子を把握し記載するようにしている。毎日、出欠席及びその理由を確認し、連絡のない場合は9時半の時点で保護者に連絡し、記録に残してしている。

全体的な計画を基に年間指導計画・保健計画・食育計画を立案し指導している

保育指針を基に園長も職員も勉強し、全体的な計画を踏まえたクラス別年間指導計画の作成を行っている。その年の子ども達の状況に合った年間指導計画を作成し、前期・後期の反省を実施している。1・2歳児は発育状況を見極めて毎月、個別指導計画を作成している。障がい児や気になる子には、担当する職員が個別指導計画を作成している。年間指導計画を月案・週・日案に具体化して保育し、毎月振り返りを行っている。保健計画は看護師が、食育計画は栄養士がそれぞれ作成しており、いずれも担任と相談しながら子どもの状態に合った計画としている。

昼礼・職員会議で子どもの日々の様子等の情報を職員間で共有し保育している

園や家庭での子どもの様子は朝夕の送迎時の会話や連絡帳で伝えあっている。日々の引継ぎ簿には送迎時間とともに、口頭で受けた連絡事項を記載し、その内容を昼礼で報告している。さらに昼礼では、日中担任以外の職員が見聞きした子どもの様子も伝えるなど、子どもに関する情報を共有するようにしている。知りえた情報を基に、子どもの状況に合わせて日案を立て実施している。毎月の職員会議でも各クラスの子どもの様子を報告し合い、他のクラスの子ども達の様子を共通理解できるよう努めている。


  サブカテゴリー4 サービスの実施
  評価項目1 子ども一人ひとりの発達の状態に応じた保育を行っている 実施状況
  標準項目1 発達の過程や生活環境などにより、子ども一人ひとりの全体的な姿を把握したうえで保育を行っている
  標準項目2 子どもが主体的に周囲の人・もの・ことに興味や関心を持ち、働きかけることができるよう、環境を工夫している
  標準項目3 子ども同士が年齢や文化・習慣の違いなどを認め合い、互いを尊重する心が育つよう配慮している
  標準項目4 特別な配慮が必要な子ども(障害のある子どもを含む)の保育にあたっては、他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう援助している
  標準項目5 発達の過程で生じる子ども同士のトラブル(けんか・かみつき等)に対し、子どもの気持ちを尊重した対応をしている
  標準項目6 【5歳児の定員を設けている保育所のみ】 小学校教育への円滑な接続に向け、小学校と連携をとって、援助している
講評
家庭での育ちを大切に、子どもの発育状態や特性を受けとめて保育している

子ども一人ひとりが育ってきた背景や成長過程を考え、子どもにも保護者に対しても、適切な働きかけをするように努めている。入園が内定したら、子どもの生育歴・家庭環境等がよく分かるよう入園時必要書類を用意して、それを基に園長は保護者と面談し子どもの姿を把握している。入園後は送迎時に園の様子を伝えるとともに、家庭での生活の様子を聞き、さらに連絡帳(ICTアプリ)で相互に連絡し合っている。家庭と園の生活に連続性を持たせ、子ども一人ひとりの特性をしっかり受け止めて保育している。

子ども達が自発的に遊びこめる物的環境・人的環境を整えている

子どもが自分の思いや要求を表現し、自分で好きなおもちゃを選んで遊べるよう環境を整えている。キャラクターものやプラスティックの玩具を用意することなく、温もりのある木のおもちゃを取り揃えている。保育室はもちろん、廊下やエントランス等にもまつぼっくりなどの自然物や小物を置き、遊び場を設けている。また、子どもたちが思ったこと・感じたことを表現できるよう職員は小さな声と、肯定的な言葉がけを心掛けている。子どもが自分でやり遂げようとしている時は温かく見守り、不安そうな時は近くに行ってやさしく声をかけて援助している。

配慮が必要な子には個別に関わりながら、他の子どもと一緒に遊ぶ機会を多く作っている

一人ひとりが違って良いのだという事を詩や絵本を通じて知らせている。配慮が必要な子どもに対しては、通所先と連携をとり、行政の巡回指導・園独自の小児科医とのカンファレンス・研修等、全職員が積極的に関り、ノーマライゼーションを大切にしている。トラブル等を起こしやすい子どもには、個別対応をし、他の子どもたちと関わりが持てるようにしている。トラブルが起きた場合は一方的に注意するのでなく、落ち着かせてから双方の話を聞き、相手の気持ちを考えられるようにしている。トラブル等は昼礼等で報告しあい、全職員が情報を共有している。

  評価項目2 子どもの生活が安定するよう、子ども一人ひとりの生活のリズムに配慮した保育を行っている 実施状況
  標準項目1 登園時に、家庭での子どもの様子を保護者に確認している
  標準項目2 発達の状態に応じ、食事・排せつなどの基本的な生活習慣の大切さを伝え、身につくよう援助している
  標準項目3 休息(昼寝を含む)の長さや時間帯は子どもの状況に配慮している
  標準項目4 降園時に、その日の子どもの状況を保護者一人ひとりに直接伝えている
講評
コロナ禍により登園・降園時は玄関で対応し、子どもの体調や様子などを伝え合っている

コロナ禍により登園・降園時の対応は玄関で行う事にしている。早番で登園してきた子どもと保護者に明るく挨拶して受け入れ、検温後には体調や家での様子を連絡帳で確認している。保護者からの伝達事項を朝・夕・延長ノートに記入し、クラス担任への伝達のほか、必要な事項を昼礼で周知している。降園時、当番保育士は昼礼で受けた情報を踏まえ保護者に対応し、朝夕延長ノートと担任からの申し送りの事柄を漏らさないように伝えている。また、お迎えに来た保護者にクラス保育士が会える時は子どもの様子を詳しく話したり、家での様子も聞いている。

基本的な生活習慣が無理なく身に付けられるように、各家庭と連携して援助している

園では入園時や個人面談を通して基本的な生活習慣を把握し、家庭と一緒に生活習慣が身に付けられるように援助している。乳児期は担当制で保育し、愛着関係を形成しながら食事・排泄・着脱の場面で子ども一人ひとりに向き合って進めている。食事は楽しく食べられるように、子どものペースを見ながら援助している。着脱は子どもが脱ぎ着しやすい衣類を保護者に用意してもらい、保育士は子どもが自分でやりたいという気持ちを受け止めて援助している。排泄は、排尿間隔が長くなりトイレに興味を持ち始めた頃に保護者と連携し始めている。

保育園で過ごす一日が静と動のメリハリある流れとなるよう日案を作成している

午前中、子どもたちは室内や戸外で身体をたっぷり使って遊んでいる。戸外への散歩では子どもの歩ける様子を見ながら、徐々に距離を伸ばしている。散歩に出られない時は園庭でも追いかけっこやボール遊びなど体を十分に使って遊んでいる。食事後は午睡し体を休め、目覚めた後は室内遊びで静かに過ごしている。子どもの年齢や成長、体力に合わせ活動を変化させ、午睡については乳児はおよそ12時頃から3時まで、幼児は12時30分過ぎから3時までとしている。5歳児は就学の時期が近づく3月頃に状況を見て午睡をなくしている。

  評価項目3 日常の保育を通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開されるよう工夫している 実施状況
  標準項目1 子どもの自主性、自発性を尊重し、遊びこめる時間と空間の配慮をしている
  標準項目2 子どもが、集団活動に主体的に関われるよう援助している
  標準項目3 子ども一人ひとりの状況に応じて、子どもが言葉による伝え合いを楽しみ、言葉に対する感覚を養えるよう配慮している
  標準項目4 子どもが様々な表現を楽しめるようにしている
  標準項目5 戸外・園外活動には、季節の移り変わりなどを感じとることができるような視点を取り入れている
  標準項目6 生活や遊びを通して、子どもがきまりの大切さに気付き、自分の気持ちを調整する力を育てられるよう、配慮している
講評
子どもの自主性を認め、主体性をもって遊びこめる環境を作り出している

園内全ての場所が子どもの主体性を引き出し、思わず足を止めて遊びたくなるように工夫しており、お人形や木の車などを玄関の空きスペースや廊下の角にも置いている。子どもが人形や木の動物を動かし、物語の中に引き込まれて一人遊びができるような場所にしている。乳児の保育室は指先を使って遊べる手作りおもちゃや木製の電車と動物、ままごとコーナーなど見立て・つもり遊びが楽しめるように整えている。幼児室はごっこ遊びが楽しめるような素材やおもちゃを用意し、木製の積み木や机上遊びなど、子どもが主体的に遊び込める環境を作り出している。

子どもが言葉や身体で表現する楽しさを味わえるようにしている

子ども達がいつでも好きな時に絵本を手に取り、自分の世界に浸れるように読む場所を作っている。各保育室には年齢や季節、好きな絵本などがあり、毎月入れ替えて棚に並べている。「おおきなかぶ」は子ども達が大好きな絵本の一つであり、保育士に読んでもらったり、読んだつもりで自分で声を出して楽しんでいる。幼児はピアノ伴奏で走ったり、スキップなどのリズム遊びや表現遊びを楽しみ、乳児はわらべうたで、保育士と触れあいながら、言葉のリズムを楽しんでいる。なお、「おおきなかぶ」は「絵本給食」に取り上げ、子どもたちを楽しませた。

自然と関わって遊べるように、戸外活動をたくさん取り入れている

園庭には、プランターでトマトやキュウリの野菜や季節の草花、ブルーベリーなどの実になる苗木を植え、子どもが水やりなどして成育の変化や収穫を楽しみ、食育に繋げている。1歳児は散歩に出掛けると木々や花・車に目を留め、「おはな」・「ぶーぶ」などの言葉を発している。幼児は園周辺の自然あふれる公園に出掛け、虫を見つけて観察したり、葉っぱや小枝で発想豊かにごっこ遊びを楽しんでいる。季節に応じて漂う花の香りに「いいにおい」と集まり、暑さや寒さに「あつい・さむい!」など、自然に発する子どもたち同士の言葉を互いに楽しんでいる。

  評価項目4 日常の保育に変化と潤いを持たせるよう、行事等を実施している 実施状況
  標準項目1 行事等の実施にあたり、子どもが興味や関心を持ち、自ら進んで取り組めるよう工夫している
  標準項目2 みんなで協力し、やり遂げることの喜びを味わえるような行事等を実施している
  標準項目3 子どもが意欲的に行事等に取り組めるよう、行事等の準備・実施にあたり、保護者の理解や協力を得るための工夫をしている
講評
季節行事は伝承行事として、園内で子どもと職員で楽しんでいる

昨年度の実施を振り返りながら、伝承行事を毎年行っている。季節に即した行事(こどもの日・七夕・お月見・節分・ひな祭り)では子どもたちは日本の伝承文化を知るとともに、折り紙や和紙、画用紙・糊・ハサミを使って制作を楽しむ絶好の機会としている。鯉のぼり、笹飾り、鬼の面、お雛様等、個性豊かな作品が行事ごとに保育室や廊下に飾られている。また栄養士が腕をふるった七夕やおひなさま等の行事食が出てくるのも子どもたちの楽しみの一つである。そのほか、子ども達が大好きなハロウインごっこやお楽しみ会があり、楽しい一日を過ごしている。

子ども主体の行事を取り入れ、友達同士喜び合うことができた

毎年年長児と子ども会議を開き、アイディアを出しあい、行事に取り組んでいる。今年は「星」をテーマに各行事を実施することになった。行事は直前に詰め込むのはやめようと職員間で話し合っている。ファミリーフェスティバル(運動会)や大きくなった会では行事に向けて練習するのではなく、体育指導やリズム遊びなど、日々の子どもの興味や関心のある事を取り入れている。年長児は昨年度から和太鼓に挑戦し、ファミリ-フェスティバルでも保護者に披露した。リレーも競い合ったり、協力し合ったりなど、気持ちを共有することが出来た。

子ども達の自信や喜びにつながるよう、保護者に行事参加を呼び掛けている

子どもたちの活動を、保護者の前で演ずる喜びや自信に繋げたいと保護者に参加を呼び掛けている。保護者には年間行事日程を年度初めに知らせている。保護者参加行事が近くなった時点でお便りや連絡帳で知らせ、貼りだし日誌でも毎日のように伝えている。保護者がかかわる行事はプロジェクトチームで話し合って決定し、行事の意味を必ず確認し、子ども達に何を伝えたいのかをしっかり検証している。保護者も園の保育方針を理解して下さり、協力的で積極的に行事に参加している。

  評価項目5 保育時間の長い子どもが落ち着いて過ごせるような配慮をしている 実施状況
  標準項目1 保育時間の長い子どもが安心し、くつろげる環境になるよう配慮をしている
  標準項目2 保育時間が長くなる中で、保育形態の変化がある場合でも、子どもが楽しく過ごせるよう配慮をしている
講評
長時間、保育園で過ごす子ども一人ひとりに寛げる環境を作っている

コロナ禍のためか、延長保育に入る子どもは少なくなってきている。18時までは乳児は1階2歳児クラスで過ごし、幼児は2階3歳児クラスで過ごしている。子どもたちは主に机上遊びや好きな遊びをしている。誰も大声を出すことなく家庭のようにリラックスし、くつろげる環境となっている。コロナ禍で保護者は保育室には入ってこないので、静かに過ごせる状況となっている。18時以降の延長保育は幼児が1階に降りてきて、乳児と合同の時間である。子どもの人数は10人以下となり、2名の担当保育士に見守られ、ゆったりと過ごせる環境となっている。

保護者から直前の延長保育の申し入れも温かく受け入れ、安心できる対応をしている

園長は保護者から直前の延長保育の申し入れも温かく受け入れている。保護者は「ご迷惑をおかけする事多々ありますが、電話ごしにいつも安心する対応をしてくださいます」と、延長保育申し入れの際に受ける言葉の温かさに安心している。コロナ禍のため、お迎え時の子どもの引き渡しは玄関で行い、担任から引き継いだ連絡事項や遊んだエピソードを伝えている。保護者は玄関貼り出し日誌を読み、情報は受け止めているが改めて保育士からエピソードを伝えられるとほっとした表情で聞いている。保護者の労をいたわり笑顔で帰れるように配慮している。

  評価項目6 子どもが楽しく安心して食べることができる食事を提供している 実施状況
  標準項目1 子どもが楽しく、落ち着いて食事をとれるような雰囲気作りに配慮している
  標準項目2 メニューや味付けなどに工夫を凝らしている
  標準項目3 子どもの体調(食物アレルギーを含む)や文化の違いに応じた食事を提供している
  標準項目4 食についての関心を深めるための取り組み(食材の栽培や子どもの調理活動等)を行っている
講評
栄養士は子ども達に「食べることは楽しいな」と思ってもらえる給食づくりに努めている

栄養士は毎日ミールラウンドし、子ども達の食事の様子を見て、食材の大きさは適切か味つけはどうかなどを観察している。調理室では、1日の作業を終えたら必ず打ち合わせを行い、次回の献立作成に反映させている。子どもが喜んで食べたくなるような自園独特の献立も多い。行事食や世界と郷土の料理のほか、「絵本給食」にも取り組んでいる。絵本「おおきなかぶ」から、かぶを引き抜くイメージで作られたマフィンとかぶ型のクッキーなど子どもが歓声を上げて喜ぶおやつである。子どもからの「おいしいね」の言葉が栄養士の喜びにも繋がっている。

園独自の食物アレルギーマニュアルを作成し、職員で確認し誤食がないようにしている

令和4年度、園独自の「食物アレルギーマニュアル」を作成した。保護者には、アレルギー食除去を希望する場合の手順を、医師による「生活管理指導表」への記入の依頼などの説明を行っている。令和4年度はアレルギー食が7名で、卵・牛乳・小麦等である。一人ひとり違うが、完全除去食で提供している。子どもへの食事提供の際には保育室での「誤配膳防止のポイント」に則り、手順を決めている。トレイの色を変え、名前の書いた食事箋をつけて、個人のテーブルまで栄養士が運び担任に引き継いでいる。

子どもが豊かな食体験ができるように食育活動を行っている

栄養士は「食育」はクッキングなどの特別なことではなく、子どもが豊かな食体験を重ねられるように乳児・幼児食育計画を立案している。5歳児はお米とぎや食材の3色群分けを行っている。お誕生日の子どもの給食に旗を立て、特別メニュー感を出している。また、「食物を大切にする」というSDG'sについての取り組みなどを保育士が子ども達に話をしている。食材に興味が持てるようにトマトやオクラなどの季節の野菜を苗から育て、野菜の成長過程を毎日観察したり収穫することで、給食で使われている野菜に関心を持ち、楽しんで食べる姿が見られる。

  評価項目7 子どもが心身の健康を維持できるよう援助している 実施状況
  標準項目1 子どもが自分の健康や安全に関心を持ち、病気やけがを予防・防止できるように援助している
  標準項目2 医療的なケアが必要な子どもに、専門機関等との連携に基づく対応をしている
  標準項目3 保護者と連携をとって、子ども一人ひとりの健康維持に向けた取り組み(乳幼児突然死症候群の予防を含む)を行っている
講評
子どもが病気やケガから身が守れるよう、予防や防止することの大切さを教えている

年間保健計画では「職員一同で安全意識を高め事故防止に努める」としている。早番の保育士は園舎内外の安全確認を行っている。子どもが病気やケガについて関心が持てるように絵本やペープサートなどで伝えている。1歳児から感染症予防に保育士と一緒に「きれいにしようね」と手洗いを教えている。また、子ども達が駆け出さない、ぶつかったり転んだりしないように室内環境を設定している。散歩時には道路の歩き方などの交通ルールを知らせ守ること伝えている。保育士は小さな危険な行動も見逃さないように、ヒヤリハットを毎日記録している。

子どもの心身の健康が維持できるように嘱託医や専門機関などと連携し、対応している

子どもの健康状態を把握するため、嘱託医による定期健康診断を春・秋の年2回、歯科健診は年1回、眼科・耳鼻科健診は幼児のみ年1回実施している。嘱託医には子どもの健康に関する相談をしている。看護師は毎月の身体測定を行っている。身体測定や健診の結果は保護者に健康カードで報告している。なお、園では薬の預かりはしていないが、必要な子どもには与薬申請書の提出によりエピペンと抗痙攣剤を預かっている。現在、療育機関へ通所する子どもはいないが、療育機関の専門職員の訪問を受け、子どもの様子を観察してもらいアドバイス受けている。

感染の防止や乳幼児突然死症候群の予防に保護者や職員で取り組んでいる

コロナ感染防止のために、保護者の協力を得て防止策を講じている。登降園時の受け入れはエントランスで行い、消毒や検温して感染予防に取り組んでいる。感染症の発症時には、玄関エントランスにお知らせを掲示し保護者に周知している。下痢や嘔吐を伴う感染症の発症時に職員が適切に処理できるように研修を受け、皆で共有している。乳幼児突然死症候群(SIDS)の対応では、子どもが仰向けに寝ている子どもの胸に手を当て確認することを乳児は10分、幼児は15分間隔で行っている。なお、「ほけんだより」でSIDS防止の注意を喚起している。

  評価項目8 保護者が安心して子育てをすることができるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 保護者には、子育てや就労等の個々の事情に配慮して支援を行っている
  標準項目2 保護者同士が交流できる機会を設けている
  標準項目3 保護者と職員の信頼関係が深まるような取り組みをしている
  標準項目4 子どもの発達や育児などについて、保護者との共通認識を得る取り組みを行っている
  標準項目5 保護者の養育力向上のため、園の保育の活動への参加を促している
講評
保護者の子育ての悩みや保育時間延長等、個々の事情に応じて安心できる支援をしている

保護者の子育ての悩みや就労については、保護者の状況や背景を受け止め支援している。園長は、子どもの養育について保護者が悩んでいる様子を見かけた時には声を掛けて相談に乗っている。保護者から受けた要望や相談内容などは昼礼で報告し、対応については職員間で共有している。当日、保護者からの保育時間の延長の申し入れについては、スポット利用等の定員を見て、できる限り受けている。第三者評価利用者調査では「仕事の都合でお迎え時間が急に遅くなったりしても快く対応してくださり助かっています」との感謝のコメントがあった。

保護者会は、コロナ感染状況に合わせて方法を変えながら途切れることなく実施している

保護者会では園の保育方針やクラスの保育について説明し、保護者同士の懇談の場として情報交換や懇親を年2回実施してきた。コロナ禍の令和3年度はWeb会議ツールを活用しPCで行っている。令和4年度前期はコロナ感染防止に留意し、5月には1歳児から4歳児クラスの保護者が顔を合わせて実施できた。5歳児は就学を控えているため、各家庭1名の参加で実施した。後半の保護者会は各クラスで行事「大きくなった会」と併せて実施し、子どもの成長を保護者や担任と認め合う会となった。なお、保護者会後の試食会は中止している。

園の保育について保護者との共通認識が得られるように各種のおたよりを発信している

園だよりは「ふくふくひびき」と名付け、1歳児クラスは「うみのいえ」、2歳児クラスは「Ohana」、幼児クラスはクラスだよりとし、クラスの子どもたちの生活や楽しい活動などを記載して発信している。「ほけんだより」は、看護師がその時々の季節で流行っている病気の予防方法などを分かりやすく説明し、Hibikis Kichenは栄養士が食育活動や子どもが好きなメニュー・食事の大切さなどを伝えている。おたよりはカラーと可愛いイラスト入りで、簡潔な文章で書かれている。保護者が園の様子知ることができる大事なお便りである。

  評価項目9 地域との連携のもとに子どもの生活の幅を広げるための取り組みを行っている 実施状況
  標準項目1 地域資源を活用し、子どもが多様な体験や交流ができるような機会を確保している
  標準項目2 園の行事に地域の人の参加を呼び掛けたり、地域の行事に参加する等、子どもが職員以外の人と交流できる機会を確保している
講評
園の子ども達と職員の元気な挨拶が地域の人々とのコミュニケーションとなっている

「家庭や地域社会との連携を大切に、皆で育ち合える保育園を目指します」と保育方針に掲げている。開園8年目を迎え、駅前の保育園として園長が率先して地域の交流に努め、知名度が上がり存在感を示している。散歩の途中に通り掛かる郵便局や消防署の方達、散歩途中に行き交う人や園で購入している魚屋さん・八百屋さんなど多くの人々に「おはようございます」とかける園児と職員の挨拶は、地域の人達とのコミュニケーションとなっている。近隣の私立保育園を公立保育園が中核となり交流していたがコロナ禍で中止しており、令和4年度は再開している。

地域に開かれた園として住民と関わりや交流を積極的に行っている

地域の子育て支援として、育児相談・園行事の夏祭りや運動会への招待、「英語で遊ぼう」「体育指導」の講師を招いての指導、積み木遊びのイベント・ファミリーコンサートなどへの参加呼びかけを行っている。コロナ禍のため、園行事の夏祭りや運動会への参加は園児のみとしたり参加人数の制限などを行ない、さらに、ファミリーコンサートなど人が集まるものは実施を避けた。なお、英語と体育の指導は継続して実施している。コロナ禍で感染防止の為、住民と交流を控えてきたが再開の時期や方法を検討している。

小学生・中学生・高校生を積極的に受け入れ、保育園の理解者を育てている

園長は行政機関を通じて小学校・中学校・高校等の保育士体験の要請がある時には積極的に受入れている。園児との生活や遊びを体験することで保育園の楽しさを理解してもらえる機会としている。コロナ禍の下ではあるが、令和4年度は16名を受け入れてた。また、長い休みになると開園から在職する園長や職員がいることから卒園した子どもたちも保育園に遊びに訪れる。幼児達は遊んでくれるお兄さん・お姉さんとして歓迎し楽しいひと時を過ごしている。保育園の子どもたちは地域の小・中・高の生徒や学生達との交流を楽しい経験としている。


  サブカテゴリー5 プライバシーの保護等個人の尊厳の尊重
  評価項目1 子どものプライバシー保護を徹底している 実施状況
  標準項目1 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目2 子どもの羞恥心に配慮した保育を行っている
  評価項目2 サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、子どもの意思を尊重している 実施状況
  標準項目1 日常の保育の中で子ども一人ひとりを尊重している
  標準項目2 子どもと保護者の価値観や生活習慣に配慮した保育を行っている
  標準項目3 虐待防止や育児困難家庭への支援に向けて、職員の勉強会・研修会を実施し理解を深めている
講評
園長はコンプライアンス担当責任者として、子どもの人権擁護に力を注いでいる

一昨年度まで本社のコンプライアンス責任者を務めてきた園長は、各保育園の指導に先立って「人権マニュアル」を基に自園で研修を行い、実践を積み重ねた。特に子どもと保護者のプライバシー保護と人権擁護に力を入れて取り組み、職員には「頭ごなしに叱らない」「まずは子どもの話を聞く」「子どもの代弁者になる」等の指導をし、子どもの養育の背景を熟慮し、気持ちを受容して対話するなど、言葉をつなぐ保育を実践している。今回の利用者調査では、「保護者や子ども達、先生方のプライバシーをしっかり守る姿勢を感じます」との声があった。

「虐待防止マニュアル」「人権マニュアル」を基に職員間で話し合っている

園長をはじめ職員は必ず年に数回は外部研修に参加して、修了後は研修報告により全職員で研修内容を共有している。ちょっとしたことも虐待になるのだという事を職員全員が理解している。子どもへの声掛けは優しい職員がほとんどで、職員間の連携がよく、お互いに注意ができる雰囲気である。また、羞恥心にも配慮し、トイレ誘導は男女別に誘い、オムツ交換は他の人から見えない一定の場所で行っている。着脱にも配慮し上衣を脱いだら上衣を着る、パンツを脱いだらすぐにパンツを履くなど、裸になることがないよう配慮している。

子ども・保護者の家庭的背景を捉えて、受容しながら支援をしている

上から教えてあげる・注意するというのではなく、保護者の悩みに共感して共同性を大切にしている。要支援家庭は現在はいないが、開園から8年間で、子ども支援センターにつながった子どもが8名いる。こども支援センターの援助を受け、いずれも改善して要保護から外れていった。些細なキズ・あざでも疑問を持ち、子どもと保護者の動向を注意深く見守り、異変を感じたら園長に連絡し、園長は確認して子ども家庭支援センターに連絡することとしている。子ども家庭支援センターの相談員に来園していただき、様子を観察してもらうなどの対応をしている。


  サブカテゴリー6 事業所業務の標準化
  評価項目1 手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  標準項目2 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
  標準項目3 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
  評価項目2 サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  標準項目2 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や保護者等からの意見や提案、子どもの様子を反映するようにしている
講評
各種マニュアルが揃っており、園長は必要に応じてマニュアルの活用を進めている

本社が策定している個人情報保護方針・防犯防災マニュアル等の各種マニュアルのほか、園は独自の食物アレルギーマニュアル・感染症対応マニュアル・保護者対応マニュアルなど多くのマニュアルを整備し、事務所内ロッカーに保管している。園長は職員から質問を受けた場合は、口頭で説明したあとマニュアルを読むことの大切さを伝えている。職員が自発的に探すということはまだ少ないようであるが、園長からマニュアルを確認することの大切さを説明されることで、自ら手に取って読む姿勢が出てきており、徐々に業務の標準化に繋がっている

職員の意見や保護者の意向を汲み入れてマニュアルの見直しを行っている

マニュアルの見直しは園長が定期的に行い、改正の必要があると思われるマニュアルについては、職員会議の場で逐次提案し、会議で出た意見を交えて改訂版を出している。令和4年度社会問題となった保育士による虐待や子どもの人権無視、散歩先やバス内への置き去り事故等について職員と十分に話し合い、園として独自に作成した「虐待防止マニュアル」「散歩マニュアル」を職員全員で再確認している。職員間で話し合った内容をおたより等で知らせ、虐待や人権侵害、置き去り等についての保護者の不安が解消されるよう努めている。

マニュアル活用により全職員が保育の質の向上を目指して取り組んでいる

質の高い保育園を目指し、園長は職員一人ひとりと対話するとともに、保護者からの要望に迅速に応えるよう努めている。令和4年度第三者評価の利用者調査では、「どの先生も、親身になって話を聞いてくださいます。」という保護者の声があり、職員が保護者との信頼関係を大切にし、保護者に丁寧に対応している様子がうかがえる。今回の職員調査でも「全員が一人ひとりの子どもに合わせて保育をしている所が特に良い所だと思います。」という一般職員からの評価があった。職員は保育の質の向上を実感して保育に取り組んでいる。