東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

姉妹園も含め共通の保育目標を、一人ひとりの子供を大切にし、集団生活を通して「豊かな人間性の育成」として掲げています。特に園の保育方針である「健康な子、心身ともに健康な子」「思いやりのある子、友達と仲良くできるやさしい子」「意欲のある子、自分で考え、積極的に取り組み、最後までやり遂げる子」という3つを掲げ、事務所や各部屋に掲示するほか、職員会議等で再確認し徹底に務めています。保護者への説明を入園説明会や保護者会、保育参観の際に継続的に行い、周知を図り共に歩んでいく姿勢で関係を構築しています。

当園の保育サービスの質の向上を図るために、法人一丸となって環境整備を行っています。その際に全てを園長が担うのではなく法人本部と役割を分担して対応しています。施設面での環境整備を行っていく際に行政や業者との折衝は法人本部、保育内容の充実させていくプログラムの実施と質の安定は園で行うなど分けて実施しています。姉妹園を含めた多様な経営層の意見を各園に活かし、それぞれの特色を引き出せる成果となっています。今後も経営層のリーダーシップの発揮により、保育サービスの質を向上させていくことが期待されます。

施設整備等の園に関わることであっても、法人本部や姉妹園の園長や主任が参加する会議で決定しています。近隣に当園含め4園を展開していますが、それぞれの地域性や実情を考慮しながら、1園では入ってこない情報を強みとして保育に活かしています。また園内においては、園長自らが保護者を含め利用者対応における最終責任者としての自覚を持ってリーダーシップを発揮し、園の責任者として総括業務を行うほか、送迎時の機会を利用して園の保育について説明し、また、保護者等からの意見や苦情に対しては、解決責任者として取り組んでいます。

当法人は、近隣エリアに４園の保育所を展開しています。地域ニーズを広く収集し、園長・主任層は合同会議で情報共有を図っています。地域性や園児の個性を考慮しながら、近隣エリアの取組みを自園のことして活かすことが出来ています。また1園の個別の問題も法人が持つ他の園のノウハウを活かした解決策を導き出したりするなどしています。それぞれの地域や施設資源等を考慮しながら決定し、各園に落としていく情報網として整備しています。園においても、決定された事項を職員や関係者に即座に周知するようになっています。

法人では令和3年度から令和6年度の期間で計画を策定しています。計画策定の背景など分析状況を明らかにし、以下の重点項目を定めています。４つの重点項目を、経営組織・事業管理・財務管理・人事管理としています。的確な経営を行っていくために財務面では専門家の情報を収集し経営判断の材料としてします。特に人事管理面では、採用から育成面までの方針を掲げ、働きがいの創出を図っています。これらの重点目標を念頭に置きながら単年度の事業計画を策定し、さらに具体的な取り組みとして連動させています。

保護者からの移行把握は、日常におけるコミュニケーションや連絡ノートでのやり取り、また保育参観や各種行事の際のアンケートにより行っています。新型コロナウィルス環境下では様相が変化している状況ですが、意向把握に努めています。アンケートの結果については、経営層を中心に分析が行われ、必要に応じて対応すべき事柄は早急に対応したり、今後の行事計画に反映させたりするなどしています。更に、「園だより」「保健だより」「給食だより」で保護者に伝えたり、日々の保育に反映させると共に保護者等からの理解を得るように努めています。

子どもの気持ちを尊重し、気持ちを傷つけることが無いように配慮しながら保育をおこなっています。知識不足からの対応とならないように職員研修にも子どもに寄り添う視点の研修メニューを入れています。さらに児童虐待防止マニュアルを定めており、分かり易くなるよう虐待の類型を表記するなど一工夫しています。日常的にも、職員間で相互に言動を振り返ったり、ベテラン職員の方が指導するなど組織的な対応も行っています。また保護者との連携も図り家庭の状況を踏まえて園児に接するようにしています。

苦情解決の仕組みは入園時に保護者に説明し「利用者の意見・要望等の相談解決実施要領」をホームページに掲載し、入園のしおりや掲示版にも明示しています。また、苦情受付担当者を設け第三者委員への相談に関する事を通知しています。また個人面談を必要に応じて随時実施しており、個別の意見や要望・苦情に対応しています。さらに、行事等あとにはアンケートを実施するなどしています。姉妹園からの情報も共有する仕組みを確立しています。これらの仕組みや口頭により把握された保護者の意見には、クラスだよりや園内掲示板等で回答しています。

当園の社会的な存在意義を発揮するために、保育所が持つ資源・機能を活用し地域に還元しています。地域エリアに溶け込むように自治会への参加、消費財の購入などを行っています。時期柄、イベント的な形での地域交流は控えていますが、地域への視点は常にある状況です。園内の取り組みでも地域に関連するような取り組みであったり、育児相談などの専門性の還元は継続して行っています。環境次第ですが今後も継続的に行い、当園の取組みが地域に浸透していくことを期待します。

安全対策に関しては各分野別に担当者を決め、感染症・火災・地震・不審者対策等について積極的に取り組んでいます。新型コロナウィルスや感染症対策については、当園だけなく法人の姉妹園からの情報、行政からの近隣情報を活用し、感染状況を毎日本部が集約し感染拡大が無いように各園に指示し対応しています。仮に疑いがある子が発生した場合、その子にどのような対応を取るのか一つ一つ手順を踏まえながら確認しています。他のリスク対応である火災や地震へ備えも、防災計画を定め想定した避難訓練を行っています。

職員に対しては入職の際守秘義務契約を締結し、違反行為の禁止と退職後も秘密を保持すべき義務が明確になっています。また、保護者に対しては子供の写真等を公表する場合などその都度確認する等、園のしおりの中で個人情報保護に関する方針（プライバシーポリシー）を伝えています。更に、「個人情報保護規程」「個人情報保護に関する方針」「個人情報の利用目的と取り扱いについて」が作成され、各職員が常時確認できるように整備しています。また実習生やボランティアには、守秘義務に関する同意書にサインを頂き保育に携わってもらっています。

当園では、リスクへの感度を高めるためにヒヤリハットに取り組んでいます。法人共通の報告書は発生箇所・時間等がわかるようになっており、集計や振り返りがし易くなっています。またリスクに対する日頃の振り返りや姉妹園の園長主任で行う会議では、事例共有などで学び園内での活かすように努めています。事故等が発生した際も情報経路が明確になっており対応を迅速に行っています。それがために、事業継続計画書としてまとめる必要がないほど動きの浸透が図れています。しかし、今回の調査を機にまとめていく機会とするのも良いでしょう

人事に関係することは、一園の取り組みではなく、法人として取り組んでいます。中でも法人本部と各園の園長・主任による会議を軸にして展開しています。採用、配置等、各園の状況をしっかりと把握しながら人事管理を行っています。地域ニーズに応えるために新規園開所や姉妹園の人事異動があった際も、リーダー層が不足していれば法人の課題として各園で育成したり、統括的な立場のリーダーが各園に回りフォローしたりしながら育成を行っています。複数園あるメリットを生かし配置転換なども行いながら育成・定着を図っています。

当園では、職員育成には力を入れており、自主的に研修計画を策定させ年間3回以上の研修参加を目標としています。更に、研修参加の記録等を義務化しており、研修成果を高めるため職員会議の時間を利用してそれらの報告会も開催し共有を図っています。これらの取り組みは、職員にも浸透しており、職員アンケートでも一定の評価を得ています。また人事考課制度を活用し育成課題を考課者と面談時に共有しながら取り組んでいます。また法人内の園内交流も盛んに行なわれており、保育実施時に学んだ良い点を取り入れることが出来ています。

就業環境の改善については、業務負担や研修日程に合わせて勤務表を作成したり、業務の質を落とさず効率化を図るためにマニュアルを作成したりする等を随時行っています。今回の新型コロナウィルス環境下においても動きの確認だけでなく園長が随時メンタル面の相談に応じています。さらに、職員の健康管理に関しては、感染症やインフルエンザの季節に職員健康管理調査表や看護師による健康相談を随時行い把握に努めています。よい保育サービスを提供するための職場環境作りに力を入れ、定着率が高まっているとの実感を得ています。

保育園の子どもの姿をインスタグラムの活用で情報発信しています。動画で子どもの遊んでいる姿が見ることができ、保育実態がリアルタイムで確認ができます。保育園の内容や様子を知りたい人がいつでも見られるようにしています。担当者と主任は、子どもの年齢のわかる成長の姿、保育者の子どもへの支援の様子と内容が分かるように日常活動の子どもの姿を情報提供しています。この情報を基に電話での問い合わせや保育内容の見学希望が寄せられています。

保育園ではどのように子どもたちが生活をしているのか、年間を通してどのような行事が行われているのかの情報が載っています。また、年齢によって異なる活動をしている様子を毎月の子どもの生活と遊びの紹介があり、「園だより」・「クラスだより」が充実した情報があります。さらに、保育園では、子どもたちの健康をどのように配慮しているのか、給食やおやつ作りなどで食に関する親子で楽しめる食育の情報提供もしています。子どもと保育者がどのような関りで保育園での生活があるのかが分かるような情報提供です。

コロナ禍において、最新の注意を双方で確認した上、人数を土曜日の2組ずつとし、時間差を設けて見学希望者の受け入れをしています。滞在時間帯の協力依頼をし、30分から45分前後で行っております。担当は主任と副主任が説明と案内を行い、質疑応答も受けております。受け入れ対象年齢が0・1歳児のみになっている現状の保育園です。全年齢児を受け入れていますが早い段階で入園が決まってしまいますので事情を説明して見学を行っています。電話の問い合わせも多く、見学者は40組前後になっています。

保育園への入園内定の通知後に入園に関する関係書類を一式届けています。関係書類は、子どもと保護者の個人情報になりますが、今後子どもの日常生活でのほとんどの時間を過ごすために必要な健康状態や生育過程、連絡事項および保護者の連絡先など就労に関する内容になります。子どもの健康に関する突発的な対応が速やかに保護者の了承を得て対応できる確認が求められる必要書類です。保護者は事前に内容を確認ができることより子どもの安全と健康への保育園の配慮が前提となっている必要な情報提出になります。

新入園児の健康診断を受診したのちに、コロナ禍での面接に時間差を設けて1組ずつ行います。一定の保育と保護者対応の経験値がある主任や副主任と新たな担任が面接を担当します。コロナ禍では1組ずつの面接ですので、保育園のしおりを一緒に読み、子どもの保育園での生活の様子が把握できるように丁寧な説明をいたします。特に、準備をいただくものがありますので、見本を用意し具体的に説明をしています。初めての保育園生活に入る乳児たちが対象ですので保護者共に集団での生活への移行をゆっくり進めたい希望も多くあります。

例年は就学や転居をした子どもたちを運動会や夏祭りなどの行事への招待を行っていましたが、ここ2年間はコロナ禍であり行事への招待を中止し、各自への手紙とプレゼントに変更をしての季節に挨拶を送っています。子どもと保護者からは現在の学校や転居先での様子を知らせてくれ、元気で励んでいる様子が伝わってきます。また、子どもが所属している学校や保育園からの要請により関係書類を保護者の了解のもとに情報提供をしています。

子どもの成長発達の記録簿類は、日常生活の日誌・日々を過ごすための週案・各月の指導計画及び年間指導計画などがあります。子どもの成長が年齢とともに把握できるように一定の書式に記載されています。担任は、子どもひとり一人の姿や状態を把握し記録を取り、毎週1回以上の話し合いをし、確認をしてから記録を取ります。日常の生活実態と発達状況を確認し合って記録簿に記載しています。また、クラス活動だけでない場での子どもの様子の情報を提供し合い、より成長を促進させるような課題も確認し、記録しています。

子どもに関する記録簿は個人の情報が満載しておりますので、取り扱いには最新の注意を払っています。
例えば、保育日誌や連絡帳の記録は、基本事務室において行われ、保育室での記録を余儀なくした場合に事務室の職員に書類の所在を明確に報告しています。また、家庭に返却する以外の記録簿は、事務室において管理しており、キャビネットの鍵の解除と施錠は役割が分担されています。最後には事務室自体の施錠をしています。持ち出し禁止の書類においては禁止シールを貼り管理を厳しくしています。

クラス単位の子どもの実態の確認や乳児・幼児別の話し合いでは毎月行い、他の職員からの多面的な視点からの内容を話し合っています。また、クラスリーダー会議や多職種における会議においても子どもの姿を健康面や食の場面より確認を行い、全職員での定期的な会議において確認をしています。これらの会議に参加できない職員は記録簿で内容を確認する、担任が伝えるなどの方法で情報共有することになっていますが一部の職員が不十分という意見もありますので情報共有に更なる工夫に期待します。

園庭の増設に伴い子どもの生活空間を見直しました。子どもの生活年齢の発達を豊かにするように遊びの動線を動きやすくしています。具体的に3歳未満児は年齢別の生活空間が保てるようになり、3歳児以上児の部屋は広くして子どもの活動がしやすいようになっています。乳児は特に安全な環境と設備が必要になりますので、保育者の目を遮る箇所が少なくなっています。幼児は年齢別の保育と異年齢児の活動がしやすくなり、室内を広々と使用して活動ができるようにしています。

子どもの生活実態は、子どもの生まれ育った環境や保護者の子育て観の違いを尊重しながら日本での集団保育の体験を徐々に慣れ親しんでいくように配慮しています。また、食事に関する配慮が必要な子どもへの対応もできる限り保護者の意見を尊重して進めています。生活や活動に配慮を要する子どもにはどのような支援内容と環境が整うとより豊かな生活ができるのかを専門機関や職員とも相談し、子どもたちが楽しく生活できるように進めています。

保育園では幼児クラスになると簡単なワークを利用して一定の時間帯と鉛筆を持って描き、書けるように段階を経て指導をしています。小学校のやり方を模倣して机と椅子に座っての活動になります。4歳児から文字と数字を徐々に入れています。並行して年長児には近隣の小学校からの情報を基に就学への意識を高めています。ここ2年ほどはコロナ禍でもあり、交流の機会を設けられませんが、小学校の教諭との連絡で情報を得ながら進めています。

保護者との情報のやり取りを掲示板や個々の連絡帳などで丁寧に伝えています。特にコロナ禍で会話を通してのやり取りを少なくするように行政指導も入っていますので、全保護者に伝わるように玄関の掲示に工夫をしています。掲示物が多くなりがちですが保護者にいかに伝わり、理解していただくかも検討を重ねております。特に、3歳未満児には連絡帳で生活リズ・食事内容・午睡時間なども家庭での情報も含めて細やかな記録になっています。

子どもの身体や指手の動かし方を確認し、家庭での生活実態に合わせて獲得できるように保護者と確認しながら進めています。例えば、おむつをとる時期は、子どものおむつの濡れ具合から家庭の事情も考慮して進めます。離乳食から幼児食への移行では口腔の状態を確認し、食物の形態や刻み、味などより試行し、保護者と確認して進めています。着脱は1歳児から脱ぐ・着ることを意識して手や足の動きに合わせての声をかけから始めています。幼児クラスでも生活習慣の獲得には個人差がありますので保護者と確認をし、子どもに無理なく導入しています。

子どもの生活年齢とともに午睡時間を検討し、時間帯を決めて導入しています。子どもの家庭での生活リズムもありますので無理なく集団生活のリズムに合うように整えながら進めます。子どもは体を動かしての遊びも行いますので体を休める時間帯としています。この時間帯は年齢によって午睡時の姿勢を5分間・10分・30分おきにチェックし安全に休めているかを確認します。5歳児は就学までの間、午睡を無くした静かな活動時間に移行していきますので日中活動の運動量や体力の様子を見て休息時間をとっていきます。

園庭を新設し面取りも施し、保育室の点検と遊びの動線を考慮にして各年齢別の保育室を整えました。例えば、3歳未満児は生活習慣を身に着けやすく、遊びと生活の流れが整え、壁を少なくし、クッションのある柵にしてあります。保育者の目が子ども全員を見渡せるように安全にも配慮しています。3歳以上児は庭に面した保育室で年齢別保育と交流を兼ねる合同保育も行なえる環境になっています。遊具や教材は、各年齢に即したおもちゃ類がとりやすい場所に置いてあります。絵本棚も表紙が見え、子どもが手にとりやすいように設置されています。

園庭の利用ができるようになり、小まめに外気に触れる機会を多く取り入れています。特に乳児は出かける準備が大変ですがわずかな時間でも外気に触れられるようにしています。近隣の散歩には歩く距離も伸びており2クラスで行くように計画し、異年齢交流ができるようにもしています。近隣の公園や商店街を通り季節ならでは木々の様子や商店街の雰囲気を体験しています。寒さの厳しい時期でも日差しが出てくると近隣の公園に出かけて探索を楽しんでいます。

幼児クラスの教室で子どもへの新たな体験を専門講師によって広げています。子どもの心身の成長発達に合わせての導入であり、活動や表現の展開が見られています。この活動は保育者の指導経験を積み上げることにつながり、日常生活と活動の過程で様々な体験できる内容の教室を用意しています。「教室」や「ワーク」では、参加が前提になりますので、子どもの気持ちが自主的であるかどうか、合意しているのかの選択も検討をする事項になり、子どもの主体的な活動や表現が増えるように期待します。

コロナ禍での行事の開催は、人数制限やクラス別など試行錯誤の状態があります。しかし子どもたちはひとり一人の持っている力を表現し、披露したい気持ちが生活年齢の高まるほど強くなっています。一昨年はクラス別で行いました運動会を今年度は3歳以上の幼児クラスを中心に開催しました。3歳未満児は感染状態が落ち着いていなかったこともあり運動会ごっこをして楽しみました。子どもは大人に見てもらうことで頑張りや自信を持ち、次の課題に挑戦する姿を見せています。年長児の姿は年齢の下の子どもにとって憧れの姿になっています。

年間を通して子どもたちに季節感を体験し、認識を強めるように例年多くの企画をし、開催しています。今年度は法人合同で行ってきた催しは、移動動物園の企画で行い、参加をしました。小動物との出会いと触れ合いは子どもたちに良い体験になり、小動物の様子を家庭において親子の会話になっています。また、園内で餅つき大会をし、もち米から杵をつきながら餅に変化する様子を体験しています。夏には野菜の栽培をし、野菜の成長を観察して、収穫して調理室で献立に加えてもらい茄子の味噌汁やミニトマトを食べる体験もしています。

コロナ禍での行事の開催には保護者の協力のもとに人数制限や時間差を設けて行うことができています。例年のように大勢で集まることを行政指導が多くあり難しく、職員間で検討を重ねて秋祭りや運動会が開催できました。保護者の意見は、開催後にアンケートで回収して今後の検討課題になっています。感染症の終息に期待をしながら以前のような活動ができるように励んでいます。一部の保護者の意見に応えられていませんが行政指導との絡みもあり、理解を得られるように情報提供の方法に期待します。

長時間保育園で過ごす子どもたちは少ないですが、日中の活動で心身ともに動いていますので、ゆったりと過ごせるようにしています。具体的には、子どもの好きなおもちゃを選んで遊んでいます。2階で3歳未満児が過ごしています。コロナ禍でもあり、幼児と合同にせず集団生活の疲れを休めるようにしています。3歳以上児は、広い部屋を使用して好きな遊びを展開できるように決めて行っています。安全に過ごせるように専任の職員が担当するようにもしています。

コロナ禍であるからこそ保護者の就業時間が不規則になっている現状があるようです。保育園では通常の保育時間帯から変化する場合に電話での連絡を受けています。職員は、概ねの変更時間を保護者と確認し合いながら子どもの安全を念頭に延長保育を行っています。この電話の対応に、一部の保護者から不満が述べられていますので職員の忙しい中でも電話での対応の方法や理由を問う聞き方などの検討が考えられます。また、保育者も家庭を持ち、子育てをしている状態もありますので働く者同士の心遣いに期待します

コロナ禍での黙食、机の前のシート使用、お代わりには手を挙げるなど自発的に行動していた事と食事を楽しむ会話が少なくなりました。しかし、子どもは自らの訴えをすることを止めたわけではありません。友達の様子を見ながらも各自の食事の態度を身に着けています。職員は別の机ではありますが箸の使い方・食器の持ち方・食物の3点食べなどを見せています。年齢が低ければ低いほど一緒に食べて、やり方を伝えてきたのですがコロナ禍で子どもから見える範囲の距離で見せています。

調理室は、子どもも楽しめる「ほかほか」たよりを毎月発行しています。通信は子どもが喜び、興味がもつ献立と食材についての情報です。また、子どものクッキング（調理体験）を写真入れで紹介します。通信の献立は、子どもが食べて人気のある・親子で食べてほしい献立が紹介されています。子どもの好きな毎月の誕生日ケーキや季節ごとのおやつも紹介されています。さらに、2～3月にかけて年長児のリクエストメニュを取り、子どものリクエストに応え、給食かおやつ時に出てきます。子どもの笑顔の姿と献立内容が桜の木に載せられています。

給食は、法人の統一献立にし、保育園でのアレンジを行って子どもの食に関する興味関心を高められるようにしています。離乳食から幼児食に移行してからは、各自が食べきれる量を獲得するように進めています。特に、3歳以上児は一つの部屋で食べていますので各自が食べきれる量を決められるように段階を追って進め、各自の食べきれる量を決められるようになっています。また、苦手な食物や体験したことのない食材には抵抗を示しますが、みんなが美味しそうに食べているから一口から挑戦してみる姿も見せています。

感染症の予防対策は、従来の上に3蜜への配慮が入りました。マスクの着用も2歳児以上がするように変更し、行政の指導も加味しながら行っています。普段から手洗い・うがいなど感染症への指導がありますので子どもたちも抵抗なく率先して行っています。また、保育室や遊具の消毒は、3歳未満児での徹底を拡大して全クラスおよび階段など子どもの触れる場所を行っています。さらに毎日の検温を全園児が対象として午睡前後に行っています。看護師を増員して子どもの健康管理を複眼的にチェックできるように進めています。

全園児は、健康診断と歯科検診を年に2回受け、その結果について保護者に連絡がいきます。0歳児は毎月受診をしておりますので早目の対応を保護者に依頼しています。特に感染症ではコロナ禍でもありますので子どもひとり一人がり患しないように看護師の視診を丁寧にし、保護者と連絡を取って進めています。子どもたちは通常のようにうがいや手洗いを行い感染予防のためにより丁寧にしています。また、歯科健診結果では早目の治療を進め、例年ですと行っております歯磨き指は看護師が模型を使って子どもに見合った説明をしています。

看護師は子どもの体調管理と健康把握をするために毎朝各クラスを巡回しています。保育者の健康チャックを受けて看護師の視点での確認をしています。毎日の子どもの機嫌や食欲状態などを確認し、感染症に対する子どもと保育士の姿を見て点検をしています。子どもが体調を崩した時は経過を確認し、症状に見合う対応を主任と共に判断して保護者に連絡を取っています。また、日々の生活で健康に関する対応と嘔吐処理の仕方などを全職員ができるように機会を設けて指導します。さらに、保育室の玩具類や保育園舎全体の衛生管理もしています。

保護者との会話も行政からの制限がありますので十分にできない状態ではありますが、感染者数の減少時期に保育参観を行い、給食の試食と個人面談を実施しています。1日に1組という参加人数制限での実施ですが保育室内外での子どもの様子と一緒に給食を試食し、担任との面談をしています。前園の子どもの様子を観てもらうために2か月間を要しましたが、園舎に入れなかった分丁寧な観察をしています。保護者にとっても子どもの集団生活の姿と担任と子どもたちの関係が確認できた機会になり、好評を得ています。

保護者の声を毎日の送迎時に聴くようにしています。担任との出会いが少ない実態もありますが連絡帳と掲示および担当職員への伝達として行っています。時間を取ってほしい希望の保護者には個人面談をしています。電話相談も受け付けておりますので子どもの姿に変化を見た折や気になることを受け付けています。主任や副主任および専門の調理員・看護師との話もできるようにしています。どの職員とも気軽に話せるように努めていますがコロナ禍での現状では困難さもあり、折り合いをつけながら行っています。

保護者への連絡は、3歳未満児は、連絡帳を通して細やかに伝えていますが、3歳以上児は全体の子どもの姿になっています。また、コロナ禍において、保育室や園外での子どもの姿をインスタグラムや写真などを多く用いて紹介しています。個別の連絡事項は、担当職員や担任および主任が口頭で伝えることも多々あります。コロナ感染症に関する情報提供は、急なお知らせと変更などがありますのでその都度掲示していますが、徹底までには至っていないようです。この掲示の仕方にも工夫が求められています。

コロナ禍での地域活動は困難が伴いました。高齢者施設や図書館の会にも参加ができませんでしたが、
法人合同での「移動動物園」に参加し、小動物との触れ合いを楽しんできました。近隣の商店街とのかかわりも夏祭りが中止をせざるを得ず、秋祭りにして太鼓の披露をしました。ハロインでは協力可能な商店に依頼をし、実施できました。子どもの姿を近隣の商店街の皆さんが楽しみにしている反面、実施ができるか否かを行政指導での判断もありますが可能な限り継続できる内容を行っています。

保育園に入所できない待機児の保護者が仕事や家庭の事情で一時保育室を利用しています。また、家族の状況変化に伴う子育ての支援になっています。利用を希望する保護者は早めに申し込みになりますが、抽選になることが多い実態です。対象年齢は、0歳児から年長児までおりますが、通常は小さい子どもの利用が多い実態です。1・2歳児の子どもだけの一時保育室ですが落ち着いて遊んでいるときが多い状態があります。一時保育室の通信は、「りんごっこ通信」として発行し、100件以上の家庭に送っています。

開園当初より地域の子育ての支援事業として子育て支援センターを開催しています。子育て支援センターでは、コロナ禍では状況を見ながら可能な月の予定表を保育園の掲示板やホームページに載せて案内をしています。支援センターでの企画は季節ごとも催しであり、講座を開催しています。保育室の開放もコロナの発生状況で判断し、同年齢の子どもの動きを見て参加をしています。また、身体計測は好評ですので、各回の人数制限や時間での入れ替え制を取り来室しています。さらに支援センターの内容紹介を「さくらんぼだより」に載せています。

個人情報に関する対応については、入園時に書類で交わしておりますが、必要に応じて保護者の了解を得ています。コロナ禍では保育園に保護者が入れないため、日常生活の動画をインスタグラムで紹介していますのでより丁寧に保護者の了解を取るようにしています。通常における保育に関する書類簿である「児童票」、「健康記録」、「発達経緯記録」などの取り扱いも施錠をするなどの留意し、職員が記入するときには、事務所に置いて行い、書類の所在が明確にした管理をして個人情報の管理をしています。

文化の異なる諸外国の子どもたちが共に保育園での生活を営んでいます。保育園では日本の生活習慣や活動内容を体験し、徐々になじめるような導入をして配慮をしています。まずは、保護者の声を聞きながら可能な範囲での文化差を認識し、日本の文化や生活習慣にどのようになじめさせるかを確認し、子どもの家庭の価値観や文化に配慮をした導入をしています。また、食事や活動に絵本などの視聴覚を利用して子どもたちが異文化である他の国の様子や食事などを知る機会としています。

子どもの権利や虐待などに関する研修には全職員が学べるように研修や勉強会に参加しています。学んできた子どもの人権の内容を全職員が共有するように内容の回覧や学びの確認をしています。日常保育の中では子どもたちの言動に配慮していますので、気になったときに職員間で確認をし、関係機関に相談をするようにしています。職員や保護者など周りの大人が子どもの人権に関して学べるような機会が持てるように理解を広げるように努めています。

職員一人ひとりに「職員マニュアル」を配布していつでも確認できるようにしています。手引書でもあることより保育園の業務内容や服務規程等が網羅され、子どもの生活における細やかな視点でのマニュアルになっています。従って、乳児会議・幼児会議では、毎回読み合わせをして内容の確認と理解に努めています。近年の感染症に関してや子どもの状態における変化における内容の改正案が生じる場合にマニュアル会議へ提案をしています。

子どもへの支援が一定の水準になるように法人としての基準値を設けて各園の様子をはじめ「職員マニュアル」の点検を行っています。具体的には、保育環境が子どもにとってより良い状態になるような話し合いであり、保育内容が一定の水準を保つための子どもへの支援内容の点検でもあります。また、調理員や看護師などの専門職による同職種間の会議も行っています。これらの会議において話し合ったことや気になる点を加筆して会議において確認し更新しています。

子どもに関する関連帳簿類やその内容である子どもへの保育内容の点検を主任か副主任が日常的に各保育室を巡回し点検をしています。職員ひとり一人の子どもへの対応の仕方が気になる時にはその都度指導を行い、日常保育内容と子どもへの支援内容が豊になるようにしています。この視点は、法人の理念に基づく内容であり、保育指導計画の内容と反省を踏まえた視点にもなっています。クラス、乳幼児の会議など全てに参加して意見交換をして保育サービスが一定の水準で担保できるように進めています。