東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

事業の目的、保育特色、目標、運営方針など、園の運営上大切にしている事柄について、職員・保護者の双方が理解・共感した上で運営を進めていくための取り組みを行っている。職員に対しては、入職時の説明や会議などでの確認のほか、社会人として、人として心がけ、実践すべき事柄を園内に掲示し、日頃から意識できるよう取り組んでいる。保護者に対しては、園として大切にしている事柄に対する理解や納得を踏まえた上で利用開始してもらえるよう、十分に説明し、保護者の理解を図っている。

関連法人のグループとして、現在、認可保育2園、認証保育2園、小規模保育1園の計5園の運営を行っている。代表者は、長年地域の子育て支援に積極的に取り組み、行政や他の子育て支援機関と連携をとりながら、要保護の子どもの支援に取り組んできた。これまでの取り組みの中で実践されてきた理念や思いについて、各園の園長への浸透を図り、各園における実践に結び付けている。

市内・都内の保育施設間のネットワークや、特に代表者を中心に教育機関や行政など、広く子どもの育ちに関わる様々な機関と関わり、情報の収集・提供、地域の課題についての情報収集・分析に取り組んでいる。そして、ニーズの高い０歳児の受け入れや、特に支援を要するケースへの積極的な対応など、子どもの最善の利益のために、地域の拠点として子育ての総合的な推進、児童の福祉の向上に取り組んでいる。

グループとしての中長期な見通しに立った上で、各園における単年度の取り組みを計画として位置づけている。保育界を取り巻く環境の変化や、その中にあっての園の役割を踏まえた上で、児童の処遇に関すること、運営や職員育成に関することなど、それぞれの分野で重点的に取り組むべき内容を決定している。また、保護者の立場から見た園運営・保育実践に対する評価を運営の仕組みに組み込み、園運営の質の向上に活かしている。

子どもの権利擁護や一人ひとりの尊重に対し、使命感を持って取り組んでいる。地元行政や児童養護施設等関連機関と連携し、子ども第一の考え方に立ち、徹底した支援を行っている。また、子どもの権利擁護についての基本姿勢を明確化し（保育士としての心構え）、その趣旨の徹底を図っている。

地域に密着した施設作り、人材育成などの目的で、実習や職場体験など、学生を受け入れる体制を整えている。現在は新型コロナウイルス感染症対策の見地から、一時的に受け入れを休止している。そのほか、地域の子育て支援として、子育て相談のほか、一時保育預かりを実施している。コアタイム（９～１７時）をはじめ、早朝（７～９時）・ナイト（１７～１９時）・深夜（１９～２０時）タイムを設定している。コロナ禍でも途切れることなく地域の親子への支援を継続させている。

子どもの安全・安心を園運営の第一としている。自然災害や火災などの不測の事態に備えた対応の手順と留意事項を計画として明確化し、訓練や確認などを行っている。また、救命救急講習の受講のほか、乳幼児突然死症候群（SIDS）予防、保健・衛生・感染症対策、アレルギー対応などについても、日々の実践と検証・見直しを図っている。怪我についても、経緯を把握し振り返りを行い、その後の改善策を検討・決定するなど、安全な保育環境の維持・向上に日頃から取り組んでいる。　

個人情報保護規程、プライバシーポリシー、情報セキュリティポリシーなど、情報の取り扱いについて方針を明確化している。これらにより、目的外利用の制限、情報の取得、適正な管理、第三者提供の制限、開示手続きなどを定めている。パソコンで管理している情報については、パスワードを設定することで、アクセスに制限を設けている。紙媒体の情報については、その性質に応じて鍵付きキャビネット内に保管している。合わせて、誓約書や研修の活用などにより、情報保護に対する職員の意識の向上を図り、適正な情報の管理体制を確立している。

安心安全な保育、地域に愛される保育、子どもの最善の利益、保育士の自己研鑽など、日々心がけている事柄の実践を確かなものとするために、職員一人ひとりが目標を設定し、その達成に取り組んでいる。1年間を短期・中期・長期の3期に分けた上で自己目標を立て、目標を意識して日々の業務に取り組み、達成度の確認と省察を行っている。また、職員研修指導計画により、役職に応じた強化分野を設定し、必要な研修を受講している。こうした取り組みを通じて、保育の質の向上、一人ひとりの育成を図っている。

法人として、職員が安心して各々の力を発揮し、長期にわたって働き続けることが出来るよう、就業環境の向上に継続的に取り組んでいる。園内では職員間の良好な関係を築き、ワンフロアという環境を活かして職員同士のコミュニケーションを積極的にとり、風通しの良さを維持している。経験豊富な職員が多数在籍していることは、働く職員から「選ばれ続ける事業所」であることを示している。

ホームページの開設、市のホームぺージへの情報提供などにより、保育方針のほか、職員体制、年間スケジュール、一日のスケジュール、保育の特色などについて、関心を持つ方が必要な情報を得られるようにしている。園のしおりである入園案内では、事業の目的、保育特色、目標、運営方針など、園の運営上大切にしている事柄を網羅的に説明している。また、保育時間や定員、基本保育票、毎日の持ち物、自主事業、非常時の対策といった概要について記した上で、運営や保育の質の向上、職員の育成に向けた取り組みについても発信している。

見学の希望に対しては、園長を中心に、感染症対策に配慮しつつ、希望の日時に合わせて実施・対応している。そして、対象者の関心を捉えて質問への回答や説明などを行うなど、一人ひとりに対しきめ細かい対応を実施している。特に、当園で重視している点や保育室の工夫、食育、保育の諸活動などについては、具体的に説明している。適宜相談にも応じている。事情により当園の利用が難しい場合は、系列園などの案内を行うなど、必要な情報の提供を行っている。

入園決定後は、保護者と面談を行い、園の利用や園生活に関わる留意事項などについて説明した上で、利用に関する意思を確認し、利用開始につなげている。また、健康状態やアレルギーなどの配慮事項、そのほか保育の実施に必要な情報を収集し、利用開始後の援助に活かすことができるよう、統一した書式に記録している。

児童票をはじめとする入園から退園までの一人ひとりの子どもの家庭の状況や成長過程、健康状態などに関する記録類は、個人ファイルとして一括して管理し、日々の子どもの姿を踏まえて、随時追加・更新を行っている。新入園児については、新しい環境に慣れる、保育者との信頼関係を作っていくことなどを目指し、一人ひとりの思いを受け止め、徐々に関係を作り、保護者とも連携しながら、安心できる大人とのかかわりの中で無理なく新しい環境になじんでいけるように関わっている。

全体的な計画に基づき年齢別の年間指導計画を作成し、それを踏まえて月間指導計画や週・日案を作成している。加えて、全園児を対象に個別の指導計画を立て、養護と教育の各領域に渡るねらいを踏まえて日々の活動を組み立てている。一人ひとりの発達の過程を踏まえ、子ども自身の力を的確に捉え、適切な援助や環境構成となるように取り組んでいる。体調や機嫌、睡眠、排泄、食事、活動など、日々の子どもの様子を詳細に観察した上で、連絡帳や保育日誌、活動表に記録している。

日々の記録を基に一か月ごとに保育に対する評価を行い、児童票に記録を残した上で職員会議において振り返りを行い、翌月の計画立案につなげる仕組みがある。週・日案は、園の活動予定として保護者にも明示し、子育ての共有化を図っている。日々の打ち合わせや会議では、各クラスの状況や日々の子どもの様子、保護者からの連絡事項などについて検討・確認している。それらの内容は会議録やノートを活用して全体への周知に活用している。

生活状況表、児童票などから個々の生活リズムを把握し、保育に活かしている。保育室には発達に応じた玩具や絵本などを子どもの手の届く場所に置き、また静的・動的な活動を保障する環境を整えている。幼児クラスでは紙や道具を収める場所を決め、次の人が使いやすいように全員で管理し、必要な道具を選択して使っている。ままごとやお店屋さんなどのごっこ遊び、毎月の制作や歌、自然に触れる戸外活動、野菜の栽培など、安全や衛生に配慮した上で多様な体験を保障している。

異なる高さの仕切りを活用することで、ワンフロアの保育室内にあって、自分たちの活動に集中し、また隣りの活動に刺激を受けるなどしている。合同保育や縦割り保育、クラス別保育など、年月齢を超えた活動を通して、互いの接し方を自然に身につけられるよう環境を整えている。合同保育では、可愛がる、玩具を貸す、遊び方を教える、遊びの様子を見ながら真似るなど、異年齢同士のかかわりを通して互いに育ち合っていくことが出来るよう援助している。

子どもの心の行き違いや噛みつき・ひっかきなどは、成長の過程で起こりうる。そうした場合は双方の言い分を受け止め、思いを言葉で伝え、徐々に自分たちで乗り越えていくことが出来るよう対応している。年長児になると、就学をより意識した取り組みを行っている。自分の言葉で伝える、自分の名前を読める、立位で靴の脱ぎ履きを行う、ハンカチやティッシュを携帯する、マスクを管理するなど、徐々に自立や自己管理に向けた力を育んでいる。

登園時は玄関で子どもを預かり、生活の様子や伝達事項を確認している。表情や顔色、鼻水、咳などの健康観察を行い、気になることがあればその場で保護者に確認している。得た情報は活動表に記載し、職員間で共有している。連絡ノートには速やかに目を通し、食事・睡眠・排泄の状況などを確認して保育に反映している。保護者の表情や言動にも目を向け、必要に応じて個別面談につなげている。職員間の伝達ミスの防止のため、記録を残すことを徹底している。

言葉遣いや挨拶は大人が見本となっている。食事は、手洗いや挨拶などの習慣化を図り、手づかみ食べの時期を十分にとり、スプーンやフォークを使用して自分で食べることを大切にし、３歳児クラスからは箸を導入している。着脱は「自分で」という気持ちを大切に援助し、おむつ外しは個々の子どもの状況に配慮して進めている。歯みがきは４歳児から行っている。

望ましい生活リズムを確立できるよう、また体調に合わせて休息出来るよう、個々の状況に応じて休息できる環境を提供している。降園時には子どもの体調や怪我の有無やその状況、今日頑張ったこと、出来たこと、嬉しかったことなどのエピソードを伝えている。活動表に一日の子どもの様子を記録し、当番職員など担任以外の職員も同じ情報を踏まえて対応出来るようにしている。保護者からの相談事には、担任だけでなく園長や栄養士も対応している。

発達段階に応じた手作り玩具や教材を子どもの手の届く棚に置き、自分で選んで遊べる環境を整えている。玄関には子どもが「書きたい」と言い出して始めた日付ボードを設置し、制作物も展示している。朝夕の合同保育では、コーナー遊びや自由遊びを提供し、お気に入りの玩具や絵本などを楽しんでいる。幼児は毎日順番で当番活動に参加し、朝夕の会のリーダー・活動予定発表・活動時の手伝いなどの役割を担っている。ワンフロアを区切り、生活やあそびの中で必要に応じて年齢別・縦割りの小グループを作り、様々な人と関わる機会を作っている。

毎月の歌や子どもの好きな歌を楽しんでいる。毎月２回年齢毎の個人制作や、こいのぼりや運動会の横断幕、クリスマスツリーなど、合同で制作をしている。３歳児以上は朝の会、午睡前、帰りの会で絵本タイムを設け、保育者の読み聞かせに参加したり、自分で選んだ本を読んだりしている。近隣の公園や河川敷などの戸外では植物や生き物など、季節や自然を感じながら活動している。幼児は毎週専門講師による体育指導と音楽指導に参加し、様々な表現を楽しんでいる。

教育理念の一つ（モンテッソーリ教育）の考えに基づき、０歳児より指先機能を発展させるトレーニングや作業を取り入れ、全身の筋肉の発達を促し、また自己コントロール力を養っている。子ども同士の関係性を大切にし、他者を傷つけない、順番を守る、玩具を譲り合う、朝の支度をしてから活動に向かうなどの約束を伝えている。

七夕祭り、プール遊び、夏祭り、花火観賞、ハロウィン祭り、落ち葉拾い、クリスマス会、お正月あそび、節分豆まき、発表会、ひな祭りほか、時節に応じた行事を計画的に実施している。「行事のため保育」ではなく、日本の伝統文化を生活の中に取り入れ、四季の移ろいを感じながら自然な流れの中で子どもが行事に取り組むことができる環境を整えている。子どもが無限の可能性を発揮できることを目指し、「何歳はここまで」と決めず、チャレンジする大切さを伝えている。

行事前には絵本や紙芝居、歌などを取り入れ、また行事の由来などを伝えながら当日に臨んでいる。季節に合わせて制作にも力を入れ、行事にちなんだ個人制作や合同制作に取り組んでいる。こいのぼりや夏祭りのお神輿、クリスマスツリー、節分の鬼、発表会の装飾など、子どもの意見を取り入れながら合同で制作している。発表会の演目は子どもと相談して「うらしまたろう」に決定し、役割決めや小道具・装飾作りに皆で一緒に取り組んでいる。

年間の行事予定表は年度当初に保護者に伝え、取り組みのねらいや内容への理解に供している。コロナ禍という状況ゆえに保護者参加の行事は例年にはない困難がある中、子どもの成長を保護者と共有できる大切な機会と捉え、様々な行事に関して感染予防を施しながら実施方法を検討している。保育参観や発表会は数日に分けて実施し、保護者には窓から子どもの様子を観察し、成長を実感することが出来る機会とした。

段階的な合同保育を実施し、人数やメンバーによってプログラム構成に配慮し、あそびを提供している。日中における動的活動とゆっくり遊び込める静的活動とをメリハリ良く組み合わせ、思い思いの活動時間を保障している。疲れた子どもには抱っこやおんぶなどスキンシップをとり、ゴロゴロできる環境も整えている。異年齢での関わりから年下児が年上児に甘える、年上児が年下児に玩具を譲る、上手なあそびを教える、年下児をあやし慈しむ姿が見られている。

「健康で質の高い生活を送る基本として『食を営む力』を培う」ことを目標に、日々の食事提供に取り組んでいる。献立は姉妹園の栄養士が工夫を凝らして作成し、全園共通で２サイクルのメニューで提供している。旬の食材を取り入れ、季節感のあるバランスの良い食事を適温で提供し、匂いや湯気なども味わっている。

身体づくりに必要な栄養の話を栄養士から直接伝えている。調理は食材が何か分かるように形を残し、また食事の様子を観察し残食の原因を検討している。献立には行事食を取り入れ、お楽しみ料理として毎月１つの国を取り上げて世界の料理に触れ、給食やおやつを楽しんでいる。食物アレルギーには除去食・代替食により対応している。栄養だよりでは家庭で出来る食の工夫や献立の紹介などを行っている。

子どもが安全かつ快適に過ごすことができるよう、エアコンや空気清浄機、加湿器などで室内の温度や湿度に気を配り、特にコロナ禍以降は換気や消毒にも努めている。子どもの発達や使いやすさなどを考慮し、清潔に整えられたトイレや洗面台には指挟み防止やクッション材を活用するなど、怪我につながらないように環境を整えている。戸外では交通ルールや遊具での遊び方など、ルールや注意事項を子どもが理解できるように伝えている。帰園時は大人が見本になって手洗いを励行し、０歳児も自ら洗面台に向かう姿がある。

障がいの有無に関わらず保育を提供していけるよう、園内研修を中心に全職員が同じ認識を持てるように努めている。保護者には健康診断、歯科検診、身体測定などの結果を伝え、保健だよりには日常的な衛生管理や季節性の流行に関する注意点や対応、予防接種情報などを記載している。行政・保健所からの情報も伝え、注意を喚起している。午睡時は睡眠チェックを定期的に実施し、０歳児にはベビーセンサーも導入している。玩具の消毒、園内の掃除など、衛生管理を徹底し、子どもの健康維持に取り組んでいる。

園で起こり得る様々な危険を予知し、回避できる職員の力を育んでいる。年間を通して毎月様々な訓練を計画し実施している。日々の保育においては翌日の園内の状況・活動内容における危険予測を立てて翌日実際の環境設定や職員の行動等を予測内容と照らし合わせて評価・反省をしている。新入園児を迎える時には、予め在園児にその情報を伝え、皆で温かく迎え入れる雰囲気を作っている。新しい仲間が増えることによる在園児の心情に配慮し、抱っこや膝に乗せるなどのスキンシップを意識的にとっている。

様々な家庭の事情に寄り添い、個別に柔軟に対応している。急な残業などに理由でお迎えに遅れる場合は、連絡を受けて柔軟に対応し、補食や夕食を提供している。全園児に対して毎日連絡ノートを利用して家庭との連携を図っている。ノートに記載する内容は単なる報告やアドバイスは避け、読んで子どもの様子が目に浮かび、保護者と子どもの育ちを共感でき、喜び合える内容を心がけている。

感染症対策に伴い園での子どもの姿が保護者に届きにくい状況にあることを配慮し、各種たよりなどの園からの配布物には子どもの写真を豊富に取り入れている。保護者参加の行事についても開催方法を検討し、保育参観や発表会は窓から様子を観察出来るようにしている。行事後のアンケートの実施、無記名の意見ボックスの設置、運営委員会の開催など、保護者の生の声を園運営に活かしている。行事開催に関しては、今後姉妹園とも連携し、コロナ禍において保護者へ子どもの姿・成長をどのように伝えていくか、検討していこうとしている。

現在はコロナ禍で見合わせているが、例年は近隣や福祉施設との交流、消防署見学などを行ってきた。卒園児や高校生などのボランティアの学生の来園や、シルバー人材センターの方との触れ合いもある。園の前を通る小中学生の「園に入ってみたい」という声をきっかけに職場体験にもつなげている。日常的には、様々な公園や河川敷などを活かした活動を実践し、地域農園での芋ほりも取り入れている。

例年、夏祭りのお神輿は、子どもたちが中心に創意工夫をして作りあげ、園の前の道路の使用許可を取り「わっしょい」の掛け声も賑やかに大人と子どもが練り歩き、地域の人も参加してきた。現在はコロナ禍で規模は縮小されており、再開を望んでいる。近隣幼稚園終了後の預かりなども実施しており、在園児以外の子どもと交流する機会もある。

同意を踏まえた上での個人情報の利用を確実に行っている。入園児には、個人情報の取り扱いについて文書で説明し、年度初めには保護者の同意を得た上で、園だよりやホームページへの写真の掲載や動画の配信を行っている。羞恥心への配慮について定めたマニュアルは、子どもの羞恥心が芽生えるタイミングの考察といった心理面に踏み込む視点から構成されており、単なる対処法に終わらないものとなっている。

子どもの呼び方は名前に「ちゃん」や「くん」をつけ、園内では子どもの羞恥心を意識した環境を整えている。おむつ交換などの排泄介助は他からの視線に配慮して行い、着替えの際は肌の露出が少なくなるよう「脱いだら着る」を子どもに伝えている。保育の中の声掛けは声のトーンに配慮し、否定せず子どもの気持ちに耳を傾ける対応をしている。注意が必要な時には他児からの視線を避けた落ち着いた環境で、視線を合わせ、子どもの心に届くような対話をしている。

保護者の生活習慣や価値観は日々のコミュニケーションや連絡ノート、個人面談などで理解し、子どもの健やかな育ちを共に考えることができるような関係づくりに努めている。「子どもの命を守る」という点を法人が徹底しており、園内では、子どもの権利擁護についての基本姿勢を明確化し（保育者の心構え）その趣旨を徹底している。こうした姿勢と実践に対し地元行政からも厚い信頼が寄せられている。在園・非在園問わず、代表者や園長が個別に育児相談を随時受け付け、虐待や育児困難家庭についての学びも深めている。

保育計画の作成をはじめ、障がい児の受け入れ、SIDS予防、保健・衛生・感染症対策、アレルギー対応、防災、危機管理、苦情対応、外国人の受け入れ、児童虐待防止など、事業全般に関わる手順や留意事項などについて明文化している。また、職員による業務の遂行状況を確認するチェックリストを活用して、毎月点検を行うなど、適正な業務の遂行を図る仕組みがある。この仕組みを活用することで、業務水準の確保を行っている。

会議や日々のコミュニケーションを通して職員の気づきや提案を受け止め、現状の見直しや向上につなげている。保護者に対しては、毎月、保護者の立場から見た園運営・保育実践に対する評価を行ってもらうなど、常日頃から現状の振り返りを行い、意向を踏まえた対応の向上を図っている。グループ園が全5園となった現在、園長会議では理念に対する共有認識を徹底するとともに、統一的に進めていくべき事柄について、手順書や規程類の周知を図っている。