東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

本園は、「1.保護者との連携により、一体となってお子様を大切に育てます。2.子どもの気持ちや考えを受容する人間的なあたたかさと愛情あふれる保育士を育てます。3.保育所の機能と専門性を活かし、地域における子育て支援に積極的に協力します」の3つの運営理念を基に運営されてます。法人のビジョン・理念などについて職員理解を深める取り組みとして、新卒社員研修および入社時研修を行っています。また保護者の理解を得る取り組みとして、入園説明会や保護者会にて説明し、2週間に1回程度ホームページで活動を紹介しています。

運営手法として職務分担表があり、園長・主任以下各職級の役割と責任が明確に定められています。園長の役割は業務マニュアルにも記載されており、必要な情報は職員会議や昼礼などで職員に伝えています。経営層は、本社園長会議録の回覧・職員会議・毎日13時に行う昼礼・発信文書や配布などで、職員に必要なメッセージを発信しています。社長からオンラインで全園向けにメッセージや情報を発信されることもあり、それにより職員の意識統一を図っています。社長は社内研修にも関わり、本社として現場職員へ積極的な関わりを持つよう心がけています。

重要案件は重要案件検討手順マニュアルを活用して、職員会議・リーダー会議にて園長を中心に協議しています。最近検討した重要な案件は、園内の怪我・事故に対する対応の再確認や園としての保育の在り方について話し合っています。決定事項は職員会議・昼礼で共有されています。決裁された文書は、鍵付きキャビネットで5年間保管しています。各種文書は園長が閲覧サインをこまめにチェックすることで、職員の書類確認意識を高めています。保護者に対しては、保護者会・運営委員会・園内掲示・プリント配布などで必要な情報を開示しています。

利用者のニーズは、意見箱の設置・面談により把握し、昼礼や職員会議で職員に報告し共有しています。保護者には園側から声をかけ、積極的に相談できる時間の確保に努めています。具体的な取り組み事例として、栄養相談会を実施しています。職員の意向やニーズは、年3回の面談で聞く機会を設けていますが、園長は面談以外でも日常的に話し合えるようコミュニケーションを心がけ、職員会議でも発言しやすいよう配慮しています。また地域の福祉ニーズは、港区私立園長会や港区要保護児童対策委員会などにより把握に努めています。

園は、日本こども育成協議会・子育てひろば全国連絡協議会・日本保育保健協議会などの福祉ネットワークに参加しています。また福祉事業全体の動向を知るため、各種保育教育雑誌を購読しており、重要な情報は抜粋して園長が会議などで職員に共有しています。また保育力を高めるために、必要な研修資料や書籍なども職員からの申請により購入できる仕組みとなっています。そのほか、地域への取り組みとして、子育てひろば(あっぴぃ)との連携を図り、園を知ってもらうための親子授業を開催し、栄養相談会やリトミックなどを行いました。

長・中期事業計画は、法人内の各園長が重要事項を共有した上で作成しています。単年度事業計画は中長期事業計画に基づき、毎年度末に全職員で振り返りを行いながら作成してます。確定した内容は会議にて共有し、鍵付きキャビネットで保管していつでも確認できるようにしています。事業計画は3か月に1度振り返りを行うことになっており、リーダー会議にて意見交換しながら軌道修正や見直しを行っています。進捗状況は、職員会議・昼礼で職員に伝えています。重点課題や重点目標などの数値目標は、業務実績報告書にて共有されています。

法人職員、保育職員として守るべき法や規則については就業規則にまとめて記載されており、入社時研修で学んだ後も事務所の鍵付きキャビネットで保管してあり、いつでも確認することができます。学びの機会として法人全体でコンプライアンス研修を実施しており、理解度については毎年1回の理解度テストで確認しています。なおテストや研修内容は毎年変更しており、法改正などにも対応しています。園長はコンプライアンスについて世代によって理解度に差があると感じており、復習が必要な職員に対しては面談を実施し、支援・指導しています。

苦情受付担当者は園長、解決担当者は本社部長が担っており、入園前説明会などで利用者に伝えています。意向や要望を伝えられた際はゆらりんマニュアルに沿って対応しており、内容は苦情・要望などの受付票に記録し保管するとともに、掲示・口頭で回答し、アプリなどで情報開示しています。また虐待を未然に防ぐため、職員の子どもに対する言葉遣いなどの規範を示した虐待防止マニュアルを整備しており、その方法を学ぶ機会として園内外研修を実施しています。虐待が発覚した際は、速やかに子ども家庭支援センターと連携を図り、取り組んでいます。

園の全体的な計画はホームページで、事業計画は運営委員会にて周知し、予算・決算報告や財務諸表は玄関に掲示することで、情報を開示して透明性のある運営に努めています。またボランティア受け入れマニュアルを整備しており、機会があればボランティアの受け入れも行う予定です。地域への子育て支援事業として、育児講座・異年齢児交流・保育園体験・プレママ講座を実施しており、前年度は17回実施しました。直近の地域ネットワーク会議では、新型コロナウイルス対応などについて話し合いと情報交換を行い、内容は社内でも共有されています。

運営に係るリスクとして、「新型コロナウイルス感染症対策」、「事故発生時のフロー」、「防災関連」に優先的に取り組んでいます。これらの項目はゆらりんマニュアル・感染症マニュアル・事故発生時対応マニュアルに明示され、リーダー会議で対策を検討しています。事故は事故発生報告書で記録し、軽微なヒヤリハットも報告書で共有しています。再発防止のための対策は会議などで検討し、内容は運営員会でも報告しています。園長は職員全体の危機管理意識を上げるため、系列園の事故内容や対策を共有して、対応力の向上を図っています。

事業継続計画(BCP)に災害時の対応策をまとめ、被災後20日間を復旧期間として設定し、マニュアル化しています。職員には会議で内容を共有し、利用者には入園のしおりや入園説明会などで災害時の対応について伝えています。危機管理マニュアルやBCPは鍵付きキャビネットに保管し、消防関係書類で関係機関に報告しています。防災については防災マニュアル・防災ガイドブック・消防計画を整備しており、避難訓練を毎月実施しています。避難訓練は担当する職員を持ち回りで交替し、全職員が主体的に行動できるよう共有化しています。

情報管理については、入社研修で情報管理規程や文書管理規程を使って学んでいます。法人としてプライバシーマークを取得しており、年に1回全職員で研修を行うことで重要性を共有しています。重要文書は管理台帳で一覧にまとめており、情報移送確認表で持ち出しや返却状況を確認しています。PC内データは本社サーバーで保存しており、ログインパスワードは定期的に変更しています。機密文書はシュレッダーや溶解処理により破棄することで、漏洩防止を徹底しています。情報開示についてはプライバシーマーク制度関係ルール集を整備しています。

園が求める職員像については、法人理念に記載しています。採用活動は園主体で行われ、最終的に人事課と相談して決定しています。求職者の応募を促す具体的な工夫として、職員に社内紹介制度を周知しており、人材を大切にする文化を共有しています。現在、職員の保育経験がまだ不足と感じており、今後採用する職員についても長く続けられる職員を優先条件と考えています。職員のキャリアパスシートでは階層が5等級に分かれており、それぞれの役割が明確化されています。職員はこの等級シートを基に、年に1回評価される体制となっています。

育成の基盤として、園全体の研修計画を策定しており、個々の受講研修は実施計画で管理しています。年度途中で案内が来る外部研修は、内容と職務に応じて園長が振り分けて各職員に促しています。また職員の成長を促進する仕組みとして、新卒社員と2年目社員がペアを組み、指導を図る指導体制を取り入れています。これによって、相談し合える関係性と指導し合うことでの成長を促進しています。そのほか、職員の意見交換の場として、昼礼・各種会議を行っており、意見を出しやすいように事前に聞き取りを行い、議題を告知しています。

職員が掲げた目標の達成状況の振り返りとして、年1回10月頃に園長面談を行っており、今後の働き方や現在の反省、これからの目標、意向などを自己申告書を活用して確認しています。育成状況は面談だけでなく日常の業務の様子も取り入れ、人事考課表に記録しています。人事のキャリアアップについては、園長が推薦した上で本社の人事課で協議され決定しています。また法人として、福利厚生として懇親会費用補助などがあるほか、有給休暇や出産・育児休暇の取得状況は100%となっており、園長は常に働きやすい環境作りに努めています。

法人は園の案内として、skip&smileゆらりんを発行しています。また利用者への案内として、園独自にリーフレットを作成しており、施設概要・園内図・写真などを記載しています。園(法人)のホームページには、おしらせ・おたより・ブログ・レシピ紹介・1日の流れなどが紹介されており、内容は2週間に1回更新しながら、保育内容を伝えています。外国籍など日本語が苦手な方に向けて、英語版の行事の手紙を用意するなど、多くの方に園での活動内容を知っていただく工夫をしています。

園の情報は、港区のゆらりんはぁと保育園にも掲載されています。また年に1回～2回程度、港区役所にて園での活動報告を行っています。その他の周知活動として、地域住民の方々を対象としたイベントを実施しています。イベント内容は、離乳食の試食会の開催、近隣の公園を会場にして地域の方々を招いて体操を実施するなど、多くの方々に園のことを知っていただくための取り組みを行っています。

見学・説明会は月に1回～2回開催しており、主に園長が担当しています。現在は1回の開催につき2組までを対象としているため、一人ひとりの家庭とじっくり向き合うことが出来ます。なお、入園前には保育体験の機会を設けています。見学者には園の特徴として、園庭は設置されていないが毎日近隣にお散歩に行くことで子どもたちの歩く力を育てていること、外部講師による体操・英語などのカリキュラムを用意していること、窓が設置されていないため24時間システムの換気を配備していることなどを説明しています。

入園が決まったご家庭には、入園前の園医健診日に説明会を開催しています。各家庭には事前に、園のしおり・重要事項説明書・運営規定・同意書を配付しています。保育内容は、保育の提供開始に関する同意書で確認し、プライバシーの保護については、個人情報取得時におけるご案内および個人情報同意書で確認しています。入園説明会であがった意見や質問は、新入園児健康調査票・児童票に記録します。また把握した保護者の意向や園児の状況は、新入園児情報に記録し、園内にて保管しています。

入園前の子どもの生活状況や、アレルギーの有無・既往歴などは、0歳児の保育に必要な事項・1歳児以上の保育に必要な事項・保健記録・入園前健康診断質問票に記録し、保管しています。状況に応じて、看護師・栄養士が個別で対応することもあります。また入園時には、保護者や子どもの不安やストレスを緩和するため、2週間をめどに慣れ保育を実施しています。慣れ保育の期間中は、保護者の保育に対する理解や安心を深めることを心掛けています。なお、園児の慣れ親しんだマグカップ・帽子・入眠儀式に必要なものなどの持ち込みを許可しています。

卒園前に退園や転園をする園児には、これまで制作してきた作品集に担任からのコメントを添えたものをプレゼントしています。転園先の保育園には、障害児など必要に応じて、状況表・最新の巡回指導報告書・巡回指導希望一覧表の当該児の部分のみを提供し、園児の情報を引き継いでいます。卒園児たちとの交流の機会として、7月に実施する夏祭りに招待しています。今後、卒園先の小学校との連携も視野に考えており、卒園後の支援の継続性に配慮しています。

0～2歳児の保育日誌については個別に記録欄を設けており、連絡ノートについては毎日取り交わしています。児童票・日誌・連絡ノート以外では、個別・月案・看護日誌を使用して園児の状態を記載しています。園児の個別の保育目標は、児童票・個別日誌・個別月案などに記録しており、家庭や保護者の個別のニーズや支援方針は児童票・保護者会記録などに記載しています。児童票は、0～2歳児の姿は月毎に、3～5歳児については3か月ごとにそれぞれ集約しながら記録しています。

指導計画は、年間指導計画(年1回)・月案(月1回)・週日案(週1回)毎に作成し、全体的な指導計画は園内に掲示しています。特に5歳児の指導計画については、港区の連絡会議での担任の情報共有・小学校の施設利用や見学の実施・就学支援シートの作成など、就学前教育カリキュラムとの整合性を意識しながら取り組んでいます。指導計画は毎月見直しを行い、家庭環境の変化などが発生した場合、クラス会議で検討した上で早急に見直しを行います。

職員全体会議は毎月1回開催し、園長・主任・保育士・看護師・調理・事務が参加しています。クラス別会議は毎月1回開催し、主任・クラス担任が参加しています。毎日の職員ミーティングは13：00～13：15に行い、これらの会議以外で情報を伝達する際は園日誌・昼礼ノート・伝達表などを活用しています。園日誌・クラス日誌や各種申し送り表は、全職員が目を通せるよう事務所キャビネットに保管しています。職員会議録や申し送り表を閲覧した職員はサイン欄にチェックし、情報共有の確認をしています。

保育環境のコンセプトは、保育室でのコーナー遊びなどの環境設定・子ども同士の関わりが持てるよう配慮した保育・散歩時に地域の方々との関わりを持てるような工夫などがあります。特にコーナー設定については、生活目的に応じたおむつ替えコーナー・食事コーナーなどのほか、遊びに応じた机上遊びコーナー・ままごとコーナー・ブロック・積み木などの模造コーナー・絵本コーナーなどを設けています。そのほか、園児が主体的に活動できるよう、好きな遊びを選んで出し入れできる棚の整備などにも工夫も凝らしています。

縦割り保育は、朝・夕と土曜日に行っています。また異年齢交流保育は、3歳児クラスと4歳児クラスにおいて行っています。異年齢の子どもが触れ合う機会を通して、身支度や玩具の片付けにの際に、年上の子どもが年下の子どもの生活の手伝いをするなどの光景も見られています。加えて、週に１回程度一緒に散歩に出かけています。そのほか、園児が外国語に親しむことが出来るように、1～5歳児を対象に月2回課外授業が行われています。

要支援児の保育に際して、区の児童発達支援センターや専門機関との連携に加えて、心理士などの専門職の指導・助言を受けながら対応しています。また園内では、かみつきなど、子ども同士の喧嘩やトラブルが発生する場合があります。その際はお互いの気持ちを尊重し、寄り添う姿勢を大切にしています。このようなトラブルの対応を行った際は、昼礼などで報告するとともに、軽傷記録簿・ヒヤリハット報告書・事故報告書に記録し保管しています

保護者とのやり取りで使用する連絡ノートは、0～2歳児で毎日取り交わしています。登園時には毎回、保護者へ自宅での子どもの様子や体調・お迎え時間・お迎えに来る方の確認をしています。なお登園時に保護者から得た情報は、伝達表を使用し、職員間で引き継いでいます。また降園時には毎回、保護者へ一日の様子・怪我などを報告しています。なお当日の活動の様子は、連絡ノート以外にも口頭(全クラス)・掲示・写真(3～5歳児)など、複数のツールを活用し伝えています。

園児の発達の段階と支援の方法は、発達記録に記載されています。生活習慣については、年間指導計画・月案・個別指導案に基づき指導しています。食事指導については、調理職員による食育活動(マナーなど)を実施しています。排せつについては、トイレトレーニングを行っています。また歯磨き指導については、年に1回歯科衛生士を招いて歯磨き指導を実施しています。そのほか着替え指導については、全裸にしない・外部から見える場所で行わない・腕を引っ張らない・衣服の状態を確認する・着替えた衣服は放置しないなどの指導を行っています。

午睡時間は、乳児は12:30～14:30、幼児は12:30～15:00で設定しています。なお午睡の際は、布団(0歳児)・コットベッド(1～5歳児)などの寝具を使用しており、就寝中の園児の様子は職員が確認しています。午睡時間に眠れない子どもがいた場合は、保育室などで過ごしてもらうなど、一人ひとりの生活リズムに合わせて対応しています。また就学に向けての準備として、5歳児は1月頃から午睡をなくしています。

保育室でのコーナー遊びや環境設定・子ども同士の関わりが持てるよう配慮した保育・散歩時に地域の方々との関わりを持てるような取り組みを心掛けています。クラス全体で取り組む活動として、外部講師による体操・HIP HOP・English・リトミック・ピアニーなどを行っています。また園児たち自身が取り組んでいる活動として、ルール決めなど主活動を行っています。そのほか、生活・遊び・対人関係のルール・自身の気持ちのコントロールなどは、日々の生活や遊びの中で学ぶ機会を設けています。

園児同士が意見交換をする機会として、朝・帰りの会(幼児クラス)を行っています。主にその日にあったことを園児たち同士で話を展開しています。また園児の言葉に対する感覚を養うためのプログラムとして、生活の中でお互いに言葉を伝え合うようにしています。そのほか、言葉を使った表現力を育む機会として、2月に生活発表会を行っています。英語・ヒップホップ・鍵盤ハーモニカなど、日頃から取り組んでいる活動の発表の場となっています。

散歩はほとんど毎日実施し、園の近くにある公園等などに出かけています。固定遊具や砂場遊びのほか、トンボやカマキリなどの昆虫や自然に触れ合いながら、1時間程度活動しています。園生活においても、きのこ・観葉植物・季節の花などの植物や、金魚・めだか・カブトムシなどの生物が飼育されており、植物や生物を常に身近で経験できる環境整備を行っています。

子どもの成長や保育の成果を発表する機会として、運動会・生活発表会・卒園式などがあります。また年間行事として、子どもの日集会・七夕集会・ハロウィン・お楽しみ会(クリスマス)・豆まき集会・ひな祭り集会などの季節行事を行っています。各行事に対して園児の興味や関心を高めるために、事前に絵本などを活用する機会を設けています。中でも生活発表会・運動会は園児たち自身が内容を決めています。そのほか、行事を振り返ったり記憶したりすることを支援する取り組みとして、印象に残っている部分を絵に描く経験画を描いています。

年間行事予定表は、4月に配布しています。行事毎の目的については、園だより・年2回開催する保護者会・おたよりなどで保護者に周知しています。なお保護者が見学・参加できる行事として、親子レクリエーション・ゆらりんまつり・運動会・生活発表会・誕生会・入園式・卒園式などを実施しています。保護者が参加していない活動については、おたよりや園内掲示にて活動の様子を伝えています。

園児の誕生会は、クラス単位ではなく園全体でお祝いをしています。誕生会の内容は、誕生児の紹介・歌・職員による出し物などを行っています。誕生会で提供する食事は、子どもが喜びそうなメニューや盛りつけなど、工夫を凝らしています。おやつのメニューはバースデーケーキを用意しており、誕生月の園児にはケーキにプレートがついています。また誕生月の園児には、園より誕生日カードをプレゼントしています。

園児が安心してくつろげる環境整備として、玩具毎のコーナーの設置や玩具の入れ替えを定期的に実施しています。日中疲れてしまった園児がいた場合は、事務所などの落ち着いたスペースを使って休息することが出来ます。また一人きりになりたい園児がいた場合は、廊下のスペースや部屋の隅で過ごすなど、園児一人ひとりの状況に合わせて柔軟に対応しています。

延長保育は、18時15分からクラス別保育から合同保育に切り替わります。延長保育は、1歳児保育室で行っています。合同保育の為、普段遊べないような玩具で遊ぶこともでき、一日の終わりの時間帯なので、ゆったりとしたコーナー環境作りを心がけています。職員体制は保育士(有資格者)2名以上で対応しています。現在、延長保育を利用している園児が1～2名のため、一人ひとりとじっくり関わることが出来ています。

食事は各クラス毎の部屋で行っています。食事の際は食事マナーを伝え、園児たちの家庭環境にも配慮しながら食事を進めていきます。場合によっては、保護者に自宅での食事の声かけのやり方などを伝達する場合もあります。また、園児たちが楽しく食事ができるような雰囲気を作るなど、食事を行う際の環境作りの工夫を心がけています。

園で提供するメニューについては、本社から配信される献立を基に、給食会議などで園長・栄養士・保育士の間で話し合い決定しています。園で行なう行事の際に提供する行事食は、栄養士と保育士で話し合い、盛り付けなどを工夫して提供しています。園児たちの嗜好把握については、児童票や入園前健康調査票を活用しており、食物アレルギーのある園児については、食物アレルギーマニュアル・食物アレルギー緊急時対応マニュアルに沿って、完全除去食を提供しています。

食文化を深める機会を設けるために年間食育計画を作成しており、栄養士や調理師は、毎日園児と触れ合いながら配膳などに参加しています。また食育を目的として、トマト・オクラ・しいたけを園内で栽培しています。場合によっては、系列園の場所を借りて栽培するケースもあります。なお栽培した野菜や果物は、味噌汁・サラダなどの料理に使用しています。そのほか、調理体験は、3・4・5歳児が行い、ピーラーでの皮むき、おにぎり作りなどを体験しています。

園児の防災・防犯意識を高める取り組みとして、地震・火災・津波の際の避難訓練を実施しています。交通安全に向けた取り組みとして、DVD鑑賞や信号の渡り方の指導や、健康指導として、咳エチケットや手洗い指導を行っています。またヒヤリハットの作成を通して、園内での事故や怪我の発生を防ぐための意識改革に努めています。そのほか、事故や怪我で医療ケアが必要な児童がいた場合は、病院受診や事故発生時対応マニュアルを活用しながら対応しています。

園児の健康状態を把握するため、健康診断を行っています。回数は年齢によって異なり、0歳児は月2回、1～2歳児は月1回、3～5歳時は半年に1回実施しています。また、歯科検診は年2回実施するとともに、歯科衛生士を招いて歯磨き指導も行っています。与薬は基本的に行っていませんが、医師の診断に基づき処方された場合は、薬を預かり与薬することもあります。その際、与薬依頼書と薬剤説明書を保護者に提出してもらっています。

保健だよりは月1回発行し、流行りやすい病気の紹介・前月の感染症報告・園医健診の日程などを掲載しています。また園内で感染症が発生した場合は、感染症名と人数を園内掲示で保護者に情報提供しています。そのほか園児の健康状態の確認については、午睡時に視診・触診を行っています。午睡時の様子は、午睡チェック表や保育アプリ(0歳児のみ)に記録しています。さらに、感染症やSIDSに関する知識を高める研修については、職員会議の中で実施する機会を設けています。

子育てに関する保護者の価値観や就労状況については、児童票や必要事項に記録し、把握しています。また保護者とは年1～2回個人面談を行い、家庭の現状や保護者の意向などを把握するようにしています。なお保護者対応に関する事項は、ゆらりん保育園マニュアルにまとめられています。そのほか、「新入社員研修」「子どもの心に寄り添える保育者になるために」などの社内研修や外部研修に参加する機会を設け、保護者対応の質の向上につなげています。

保護者間の交流を促進する取り組みとして、親子レクリエーション・保護者会を実施しています。父母会の活動は、おまつりや運動会などでの関わりや、個人面談や保育参加で話し合える機会を設定することで支援しています。またこれらの機会を活用し、職員との信頼関係を深める取り組みも行っています。保育参加・保育参観は毎年秋頃に、保護者会は年度初めと年度終わりにそれぞれ実施しています。そのほか運営委員会は、7月頃と2月頃の年2回実施しています。

地域資源を活かした取り組みとして、お散歩の際に消防署などを訪問しています。ハロウィンでは近隣にあるコンビニエンスストアの協力のもと、園児にお菓子を渡してもらっています。また、地元や行政などが主催するイベントにも積極的に参加しています。さらに地域の方向けに、ゆらりんまつり・リトミック・親子体操・保育園体験などを開催し、交流の機会を設けています。そのほか、系列園や他の幼稚園児・保育園児との交流を目的として、どろんこ遊び・芋ほり遠足・ハロウィン・プール遊びを楽しんでいます。

個人情報の取り扱いなどについては、入園前に保護者に書面で説明し、個人情報同意書で確認しています。緊急対応など、突発的に個人情報を関係機関に提供する必要が発生した場合は、保護者に電話し、承諾を得るなどの対応を行っています。また園児のプライバシー保護の取り組みの一つとして、着替え時にパーテーションを設置するなど、羞恥心に配慮した対応ができるよう環境を整えています。

園児の権利を尊重する取り組みについては、ゆらりん保育園マニュアルに則って対応しています。園で年に1回開催される人権研修や職員会議などでも、児童虐待などについての理解を深めています。また自治体や専門機関が主催した虐待防止研修に職員が計3名参加しています。なお研修受講後は、内容を他の職員に共有する機会を設けています。そのほか、子どもと保護者の価値観や生活習慣を把握するため、夏祭りや運動会、発表会などの後に実施するアンケート・保育園運営に関する調査・第三者利用者調査を行っています。

法人内で共通して作成・活用しているマニュアルとして、ゆらりん保育園マニュアル・お散歩マニュアルなどがあります。これらのマニュアル以外に園で独自に、事故発生マニュアルや業務マニュアルなどを作成しています。マニュアルに沿った業務の実施状況については、リーダー会議・職員会議を中心に確認し、場合によっては指導を行っています。また全職員に、事故発生マニュアルを配布しており、分からないことが起きた場合や、業務点検の手段として活用しています。

マニュアルはリーダー会議や職員会議で見直しを行ない、サービスの向上につなげています。今年度、特に重点を置いて取り組んでいるのは、子ども家庭支援センターとのつながりです。子どもと保護者の価値観や生活習慣を把握するため、イベント毎に行うアンケートや、 第三者利用者調査などを行っています。保護者からの意見を基に改善した事例として、掲示を貼る位置や延長時間の確認の仕方などが挙げられます。また、職員の研修成果を基にサービス向上を図った事例として、怪我発生時から病院受診後の経過までの一連の流れが挙げられます。