東京都福祉サービス第三者評価  評価結果





評価結果基本情報

評価年度 令和3年度
サービス名称 認証保育所A型・B型
法人名称 社会福祉法人純生喜狛会
事業所名称 喜多見こどもの家
評価機関名称 株式会社 にほんの福祉ネット

コメント

利用者アンケート、職員アンケートは、事業所に設置した回収箱への投函、回収箱の評価機関への郵送という流れで回収した。経営層による自己評価は、当園を含む系列4園それぞれの共通の取り組みと特色の整理を行いやすい書式上の工夫を施し、実施した。訪問調査は、法人・園の感染症対策の方針を踏まえ、オンライン形式で実施した。事前に質問を列挙し、また事後には追加資料の提供を受けた。それらの成果を踏まえて評価メンバーによる合議を経て評価結果を取りまとめ、事業者に報告を行った。


(内容)
 Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像
 Ⅱ 全体の評価講評
 Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み
 Ⅳ 利用者調査結果
 Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)
 Ⅵ サービス提供のプロセス項目


公益財団法人東京都福祉保健財団
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Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像

1 理念・方針  (関連 カテゴリー1 リーダーシップと意思決定)
  事業者が大切にしている考え(事業者の理念・ビジョン・使命など)

1) 児童福祉への貢献(思いやりの心、感謝の心を育む) 2) 地域における子ども一人ひとりの人権や主体性を尊重する保育(小学接続連携強化) 3) 多様化する保育需要に対応し子育支援強化(育児困難者への理解) 4) 要保育児童保育推進(現場と行政をつなぐことが柱) 5) 保育士が働き安い環境づくり(出産しやすい職場・子育中職員支援)

 
2 期待する職員像  (関連 カテゴリー5 職員と組織の能力向上)
  (1)職員に求めている人材像や役割

 自らが常に学習意欲を強化し保育士指針改正に伴い保育・教育・養護の専門的知識を獲得し保育力を高めること。保育者に課せられている責務は重大であり、子どもにとって保育環境整備や衛生管理等にも配慮をし、事故発生を未然に防ぐことを第一の目的とする。  そして何より保育士が対象とする業務は100%子どもであり、未成熟である子どもに対する思いやる心を中心に育みながら保育を進める。  また、保育園内のチームワークを重視し、多様な意見を取り入れ、互いの発信力、傾聴力を高め、計画実施のために、現状を把握する力と柔軟性を高める力を養いながら研修にも積極的に参加する。  そして基礎的な力として、児童の権利に関する条約や児童福祉法など関係法令を学び、保育指針などに対する共通の理解を深めるられる保育職員を目指す。  なお、子どもたちが自ら育つ力を伸ばすため、職員は援助をし過ぎず、かつ、計画通りにさせるのではなく、そのときの展開に応じて適切な保育環境を提供できるような知識・技術に加え、瞬間の判断力・対応力・柔軟性や協調性を身につけるられる人材を求めます。

 
(2)職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

 国際的な「子どもの権利条約」に基づき、子どもの権利を重んじ児童自らの発達について、生命を純粋に敬愛し自らが児童の手本となる保育行動に励んで欲しい。  保育・子育ての原点である「思いやりの心」を大切にして、常に保育児童とその家族への幸せを願って保育を実施する。そして、職員自身の心が崩れそうな不安を抱えた場合は、職員間で思いやりを主体に希望・輝く力を身につけ次世代を担うこども達が常に笑顔で過ごせる勇気を伝えて欲しい。  最も重要な「命」の大切さを職員が念頭に置いて、どんな場合においても「保育児」の命を守ることを最優先に考えていく。子ども一人ひとりに向き合い、子ども達を真ん中にして、保護者との信頼関係づくりを構築していく。  保育園は大家族のような雰囲気の中で、子どもの人権を尊重した保育を行っていく。これからも保護者との連携を中心に、一人ひとりの子どもの可能性や育つ力を認め、個性を伸ばしていけることを大切にする。  また、保育環境を整備し、感覚機能の発達を促し、個々の発達に応じた援助を行って欲しい。

 


Ⅱ 全体の評価講評

全体の評価講評

特に良いと思う点
1 目標に対して一丸となった職員集団が、日々連携し、主体性を発揮し、良き組織風土を作っている

園はチームワークを発揮して日々の保育を実践し、保育の質向上を意識し一丸となって取り組んでいる。職員は実務の中で良い事、改善したい事に気づいた時は互いに声を掛け合う事を意識し、常に子どもにとって良い事を実践し共有・連携している。園長は職員の主体性を育み尊重しており、上司と部下の枠を超えて意見交換出来る環境づくりに努め、職員からの提案や意見を積極的に受け入れている。コミュニケーションツール(LINE)を活用し、職員同士が速やかに共有するべき伝達内容も適宜行い、保育の質向上につなげている。
2 コロナ禍という困難な状況下にあって、感染対策と豊かな日常とを両立している

新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、これまでの園の日常生活のあり方に大きな制約を加えた。こうした状況下にあって、子どもの命を守ることを最優先にして、感染対策を徹底してきた。それと同時に、子どもの発達における乳児期の経験の重要性を踏まえ、時機を見ながら可能な限り様々な活動を工夫して行っている。地域の農園での農業体験、パン屋などでの買い物体験、保護者交流会の場を活用した運動会やハロウィンなどの行事がその典型例である。子どもには自然とのかかわりの機会を、保護者には子どもの育つ姿を見る機会を、それぞれ提供した。
3 働きやすさへの取り組みや良好なコミュニケーションなどが職員各自の力の発揮につながっている

職員が安心して各々の力を発揮し、長期にわたって働き続けることが出来るよう、就業環境の向上に継続的に取り組んでいる。その一環として、東京都の制度を活用し、働きやすい職場作りに取り組んでいる(TOKYO働きやすい福祉の職場宣言)。採用、人材育成、仕事の評価と処遇、ライフ・ワーク・バランス、職場環境・風土などの視点から取り組みを進めている。また、立場を問わず対等な人間関係を前提として活発なコミュニケーションを取り、風通しの良さを維持している。安心して働くことが出来る条件を整え、各自の力の発揮を支えている。

さらなる改善が望まれる点
1 ICT(情報通信技術)の活用に向けて関連機器の操作に慣れていく

スマートフォン、携帯電話、パソコン、タブレットなどで使用することができるコミュニケーションツールを活用して、職員間の情報共有や保護者への情報発信を始めた。特に保護者に対しては、感染症対策の観点から保育室への入室を休止している現在、子どもの様子を伝えるため動画の配信も行っている。コロナ禍という社会状況の継続を前提とすると、子どもの様子の発信や保護者との面談などの場面で、オンラインなどの活用の可能性は高まることが見込まれる。こうした技術を有効に活用していけるよう、関連機器の操作に慣れていくことを課題としている。
2 コロナ禍という状況下でどのような活動をどの程度、どのような形態で行いうるか、検討と実践を積み重ねていく

コロナ禍という状況下において、これまで行ってきた行事も実施の見送りや形式の変更を余儀なくされてきた。そうした中でも、時機を慎重にうかがいながら園外での活動をはじめとして日常を豊かにするために工夫し、様々な実践を行ってきた。園としては、コロナ禍であっても行いことはたくさんあると認識している。どのような活動をどの程度、どのような形態で行いうるか、検討と実践を積み重ねていくことを課題としている。
3 子どもの発達に対する学びを今後も継続していく

令和5年度の認可化移行に向けて幼児の入園が始まることになる。令和4年度は、現在の2歳児の3歳児への成長を継続して援助することになる。従って。これまで継続してきた乳児に対する学びに加え、幼児保育についての理解を深めていくことになる。職員各自の経験、系列園との連携、研修なども活用しながら、5歳までの子どもの発達について学びを深めていくことを課題としている。

Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み

1 ★ 地域の子どもの命を守るために、持ちうる限りの力を発揮している

地域の子育て支援に積極的に取り組み、行政や他の子育て支援機関と連携をとりながら、要保護の子どもの支援に取り組んでいる。子育て相談への対応から、一時保護等の具体的な子どもの受け入れに至るまで、認証保育所の枠に捉われない様々な支援を行い、行政からの信頼も厚い。代表者の長年にわたる子育て支援に対する熱い想いやそれを継承する職員集団の共通認識により、「地域の子どもの健やかな育ちのために出来ること」を考えの起点に置き、在園・非在園問わず、子育て家庭を総合的に支援する取り組みを継続的に実施している。
関連評価項目(地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている)
2 ★ 職員が安心して就業できる環境を整えている

職員が安心して各々の力を発揮し、長期にわたって働き続けることが出来るよう、就業環境の向上に継続的に取り組んでいる。その一環として、東京都の制度を活用し、働きやすい職場作りに取り組んでいる(TOKYO働きやすい福祉の職場宣言)。採用、人材育成、仕事の評価と処遇、ライフ・ワーク・バランス、職場環境・風土などの視点から取り組みを進めている。また、立場を問わず対等な人間関係を前提として活発なコミュニケーションを取り、風通しの良さを維持している。安心して働くことが出来る条件を整え、各自の力の発揮を支えている。
関連評価項目(事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている)
3 ★ 多様な実体験を通して食に対する興味や関心を育んでいる

「健康で質の高い生活を送る基本として『食を営む力』を培う」事を目標に、安全で美味しい給食を提供し、子どもの食に対する興味や関心を育み、また健やかな育ちを支えている。旬の食材を取り入れ、季節感のあるバランスの良い食事の提供に努め、匂いや湯気、温かさなども味わっている。また、コロナ禍という困難な状況下にあっても、田植えや稲刈り、大根掘りや芋掘りの体験、パン屋への買い物体験など、子どもに実体験の機会を保障している。
関連評価項目(子どもが楽しく安心して食べることができる食事を提供している)

Ⅳ 利用者調査結果

調査概要
調査対象:複数児利用世帯は最低年齢児1人を対象として実施世帯数を絞り、17世帯を対象に実施。

調査方法:アンケート方式  
アンケート調査票の配付は保育園を通じて保護者へ手渡し、回収は園に設置した回収箱への投函という方法を採用した。

利用者総数 18人
利用者家族総数(世帯) 17世帯
アンケートや聞き取りを行った人数 17人
有効回答者数 16人
回答者割合(%) 94.1%

総括
<全体的な傾向について> ・「満足」100%という満足度が示された(平成30年度は「満足」60%、「まあまあ満足」40%、合わせて100%)。 ・いずれの項目においても、「いいえ」との回答は寄せられなかった。 <調査結果の講評について> ※肯定的な評価(「はい」との回答)が全体に占める割合についてのみ、記述した。

利用者調査結果

1.保育所での活動は、子どもの心身の発達に役立っているか
はい 16人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者全員が「はい」と回答した。
2.保育所での活動は、子どもが興味や関心を持って行えるようになっているか
はい 16人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者全員が「はい」と回答した。
3.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか
はい 15人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者の94%が「はい」と回答した。
4.保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか
はい 16人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者全員が「はい」と回答した。
5.保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか
はい 15人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
回答者の94%が「はい」と回答した。
6.安全対策が十分取られていると思うか
はい 13人  どちらともいえない 3人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者の81%が「はい」と回答した。
7.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か
はい 11人  どちらともいえない 2人  いいえ 0人  無回答・非該当 3人 
回答者の69%が「はい」と回答した。
8.子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があるか
はい 16人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者全員が「はい」と回答した。
9.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
はい 15人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
回答者の94%が「はい」と回答した。
10.職員の接遇・態度は適切か
はい 16人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者全員が「はい」と回答した。
11.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
はい 15人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者の94%が「はい」と回答した。
12.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
はい 16人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者全員が「はい」と回答した。
13.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
はい 16人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者全員が「はい」と回答した。
14.子どもと保護者のプライバシーは守られているか
はい 15人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
回答者の94%が「はい」と回答した。
15.保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか
はい 16人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者全員が「はい」と回答した。
16.利用者の不満や要望は対応されているか
はい 14人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 2人 
回答者の88%が「はい」と回答した。
17.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
はい 12人  どちらともいえない 2人  いいえ 0人  無回答・非該当 2人 
回答者の75%が「はい」と回答した。

Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)

※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー1  リーダーシップと意思決定
  サブカテゴリー1  事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている
  評価項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  標準項目2 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
  評価項目2 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている 実施状況
  標準項目1 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
  標準項目2 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
  評価項目3 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している 実施状況
  標準項目1 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
  標準項目2 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  標準項目3 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
講評
理念や方針、職員が実践すべき事柄を明示・発信している

事業の目的、保育特色、目標、運営方針など、園の運営上大切にしている事柄について、職員・保護者の双方が理解・共感した上で運営を進めていくための取り組みを行っている。職員に対しては、入職時の説明や会議などでの確認のほか、社会人として、人として心がけ、実践すべき事柄を園内に掲示し、日頃から意識できるよう取り組んでいる。保護者に対しては、園として大切にしている事柄に対する理解や納得を踏まえた上で利用開始してもらえるよう、十分に説明し、保護者の理解を図っている。

グループ内での共通認識を図っている

関連法人のグループとして、現在、認可保育2園、認証保育2園、小規模保育1園の計5園の運営を行っている。代表者は、長年地域の子育て支援に積極的に取り組み、行政や他の子育て支援機関と連携をとりながら、要保護の子どもの支援に取り組んできた。これまでの取り組みの中で実践されてきた理念や思いについて、各園の園長への浸透を図り、各園における実践に結び付けている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー2  事業所を取り巻く環境の把握・活用及び計画の策定と実行
  サブカテゴリー1  事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
  評価項目1 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している 実施状況
  標準項目1 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
  標準項目2 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
  標準項目3 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
  標準項目4 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
  標準項目5 事業所の経営状況を把握・検討している
  標準項目6 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
  サブカテゴリー2  実践的な計画策定に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している 実施状況
  標準項目1 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
  標準項目2 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
  標準項目3 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
  評価項目2 着実な計画の実行に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
  標準項目2 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
講評
社会的なニーズに応える取り組みを継続的に行っている

区内・都内の保育施設間のネットワークや、特に代表者を中心に教育機関や行政など、広く子どもの育ちに関わる様々な機関と関わり、情報の収集・提供、地域の課題についての情報収集・分析に取り組んでいる。そして、ニーズの高い0歳児の受け入れや、特に支援を要するケースへの積極的な対応など、子どもの最善の利益のために、地域の拠点として子育ての総合的な推進、児童の福祉の向上に取り組んでいる。

グループとしての中長期な見通しに基づき、単年度の取り組みを位置づけている

グループとしての中長期な見通しに立った上で、各園における単年度の取り組みを計画として位置づけている。保育界を取り巻く環境の変化や、その中にあっての園の役割を踏まえた上で、児童の処遇に関すること、運営や職員育成に関することなど、それぞれの分野で重点的に取り組むべき内容を決定している。また、保護者の立場から見た園運営・保育実践に対する評価を運営の仕組みに組み込み、計画に基づく園運営の向上に活かしている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー3  経営における社会的責任
  サブカテゴリー1  社会人・福祉サービス事業者として守るべきことを明確にし、その達成に取り組んでいる
  評価項目1 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
  標準項目2 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
  サブカテゴリー2  利用者の権利擁護のために、組織的な取り組みを行っている
  評価項目1 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている 実施状況
  標準項目1 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  標準項目2 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
  評価項目2 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている 実施状況
  標準項目1 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  標準項目2 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
  サブカテゴリー3  地域の福祉に役立つ取り組みを行っている
  評価項目1 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
  標準項目2 ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
  評価項目2 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
  標準項目2 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
  標準項目3 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
講評
保育施設としての社会的役割や職員の権利擁護の姿勢を明確化している

要保育児童保育推進を実現すべく、権利擁護や一人ひとりの尊重に対し、使命感を持って取り組んでいる。地元行政や児童養護施設等関連機関と連携し、子ども第一の考え方に立ち、時には認証保育所の枠を超えて対応することも含め、徹底した支援を行っている。また、子どもの権利擁護についての基本姿勢を明確化し(保育士としての心構え)、その趣旨の徹底を図っている。

子育て支援を通して社会的役割を果たしている

地域に密着した施設作り、人材育成などの目的で、実習や職場体験など、学生を受け入れる体制を整えている。現在は一時的に受け入れを休止している。そのほか、地域の子育て支援として、子育て相談のほか、一時保育預かりを実施している。コアタイム(9~17時)をはじめ、早朝(7~9時)・ナイト(17~19時)・深夜(19~20時)タイムを設定している。コロナ禍でも途切れることなく地域の親子への支援を継続させている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー4  リスクマネジメント
  サブカテゴリー1  リスクマネジメントに計画的に取り組んでいる
  評価項目1 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
  標準項目2 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
  標準項目3 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
  標準項目4 リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
  標準項目5 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
  サブカテゴリー2  事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
  評価項目1 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている 実施状況
  標準項目1 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
  標準項目2 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
  標準項目3 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
  標準項目4 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
講評
安全な保育環境の維持・向上に取り組んでいる

子どもの安全・安心を園運営の第一としている。自然災害や火災などの不測の事態に備えた対応の手順と留意事項を計画として明確化し、訓練や確認などを行っている。また、救命救急講習の受講のほか、乳幼児突然死症候群(SIDS)予防、保健・衛生・感染症対策、アレルギー対応などについても、日々の実践と検証・見直しを図っている。事故や事故に至らない事例についても、経緯を把握し振り返りを行い、その後の改善策を検討・決定するなど、安全な保育環境の維持・向上に日頃から取り組んでいる。

情報の保護と利用を図る適切な管理体制がある

個人情報保護規程、プライバシーポリシー、情報セキュリティポリシーなど、情報の取り扱いについて方針を明確化している。これらにより、目的外利用の制限、情報の取得、適正な管理、第三者提供の制限、開示手続きなどを定めている。パソコンで管理している情報については、パスワードを設定することで、アクセスに制限を設けている。紙媒体の情報については、その性質に応じて鍵付きキャビネット内に保管している。合わせて、誓約書や研修の活用などにより、情報保護に対する職員の意識の向上を図り、適正な情報の管理体制を確立している。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー5  職員と組織の能力向上
  サブカテゴリー1  事業所が目指している経営・サービスを実現する人材の確保・育成・定着に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている 実施状況
  標準項目1 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
  標準項目2 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
  評価項目2 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している 実施状況
  標準項目1 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
  標準項目2 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
  評価項目3 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
  標準項目2 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  標準項目3 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
  標準項目4 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
  評価項目4 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
  標準項目2 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
  標準項目3 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
  標準項目4 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
  サブカテゴリー2  組織力の向上に取り組んでいる
  評価項目1 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
  標準項目2 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
  標準項目3 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
講評
目標に基づく職員一人ひとりの成長を支援している

安心安全な保育、地域に愛される保育、子どもの最善の利益、保育士の自己研鑽など、日々心がけている事柄の実践を確かなものとするために、職員一人ひとりが目標を設定し、その達成に取り組んでいる。1年間を短期・中期・長期の3期に分けた上で自己目標を立て、目標を意識して日々の業務に取り組み、達成度の確認と省察を行っている。また、職員研修指導計画により、役職に応じた強化分野を設定し、必要な研修を受講している。こうした取り組みを通じて、保育の質の向上、一人ひとりの育成を図っている。

就業環境の向上に継続的に取り組んでいる

職員が安心して各々の力を発揮し、長期にわたって働き続けることが出来るよう、就業環境の向上に継続的に取り組んでいる。その一環として、東京都の制度を活用し、働きやすい職場作りに取り組んでいる(TOKYO働きやすい福祉の職場宣言)。採用、人材育成、仕事の評価と処遇、ライフ・ワーク・バランス、職場環境・風土などに関する分野の項目からなるガイドラインをもとに取り組みを進め、現在、全ての項目をクリアしている。また、組織内では活発なコミュニケーションを取り、風通しの良さを維持している。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー7  事業所の重要課題に対する組織的な活動
  サブカテゴリー1  事業所の重要課題に対して、目標設定・取り組み・結果の検証・次期の事業活動等への反映を行っている
  評価項目1 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ) コロナ禍という状況下でいかにして保護者支援を行っていくかを課題として設定し、系列園の取り組みなども参考にしながら工夫を重ねていくこととした。直接保育室内に入ることが出来ないため、日々のコミュニケーションに加え、無料のコミュニケーションツールを活用して、連絡事項の随時の発信、子どもの様子を捉えた動画の配信などの可能性を検討した。そして、できる部分で実行に移していくこととした。
評語
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
特に動画の配信は、「子どもの様子を見たい」という保護者の関心に応える上で大きな効果があった。また、時機を慎重に見極めながら保護者交流会の開催も成し遂げることが出来た。今後も、子どもの様子の発信や保護者との面談などの場面で、オンラインなどの活用の可能性は高まることが見込まれる。こうした技術を有効に活用していけるよう、関連機器の操作に慣れていけるよう取り組んでいく方針である。 
  評価項目2 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、これまでの園の日常生活のあり方に大きな制約が加わった。そこで安全安心を維持しつつ、いかにして豊かな日常を送ることが出来るか検討していくことを課題とした。そして、子どもの命を守ることを最優先にして、感染対策を徹底すると同時に、子どもの発達における乳児期の経験の重要性を踏まえ、時機を見ながら可能な限り様々な活動を工夫していくこととした。
評語
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
系列園合同での運動会や近隣の園への行事の参加が実現できないなど、難しい状況が続いた。そうした中に合っても、地域の農園での農業体験、パン屋などでの買い物体験、保護者交流会の場を活用した運動会やハロウィンなど、工夫・配慮・決断・実行力などにより実現することが出来た。コロナ禍以前は当たり前であった「子どもには自然とのかかわりの機会」、保護者が子どもの育つ姿を見る機会」をそれぞれ提供することが出来、子どものとっても保護者にとっても有益な取り組みを実現している。 

Ⅵ サービス提供のプロセス項目(カテゴリー6)

カテゴリー6 サービス提供のプロセス
  サブカテゴリー1 サービス情報の提供
  評価項目1 利用希望者等に対してサービスの情報を提供している 実施状況
  標準項目1 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  標準項目2 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  標準項目3 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  標準項目4 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
  標準項目5 事業所のサービス利用が困難な場合には、理由を説明したうえで、他の相談先紹介など支援の必要に応じた対応をしている
講評
インターネットや入園案内などにより情報を発信している

ホームページの開設、区のホームぺージへの情報提供などにより、保育方針のほか、職員体制、年間スケジュール、一日のスケジュール、保育の特色などについて、関心を持つ方が必要な情報を得られるようにしている。園のしおりである入園案内では、事業の目的、保育特色、目標、運営方針など、園の運営上大切にしている事柄を網羅的に説明している。また、保育時間や定員、基本保育票、毎日の持ち物、自主事業、非常時の対策といった概要について記した上で、運営や保育の質の向上、職員の育成に向けた取り組みについても発信している。

保育の実際についての説明、相談への対応、情報の提供を行っている

見学の希望に対しては、園長を中心に、感染症対策に配慮しつつ、希望の日時に合わせて実施・対応している。そして、対象者の関心を捉えて質問への回答や説明などを行うなど、一人ひとりに対しきめ細かい対応を実施している。特に、当園で重視している点や保育室の工夫、食育、保育の諸活動などについては、具体的に説明している。適宜相談にも応じている。事情により当園の利用が難しい場合は、系列園などの案内を行うなど、必要な情報の提供を行っている。


  サブカテゴリー2 サービスの開始・終了時の対応
  評価項目1 サービスの開始にあたり保護者に説明し、同意を得ている 実施状況
  標準項目1 サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を保護者の状況に応じて説明している
  標準項目2 サービス内容について、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目3 サービスに関する説明の際に、保護者の意向を確認し、記録化している
  評価項目2 サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 サービス開始時に、子どもの保育に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  標準項目2 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように配慮している
  標準項目3 サービスの終了時には、子どもや保護者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
講評
説明と同意を経て支援に必要な情報を収集している

入園決定後は、保護者と面談を行い、園の利用や園生活に関わる留意事項などについて説明した上で、利用に関する意思を確認し、利用開始につなげている。また、健康状態やアレルギーなどの配慮事項、そのほか保育の実施に必要な情報を収集し、利用開始後の援助に活かすことができるよう、統一した書式に記録している。

思いを受け止め、生活リズムの確立を図り、新たな環境への適応を援助している

児童票をはじめとする入園から退園までの一人ひとりの子どもの家庭の状況や成長過程、健康状態などに関する記録類は、個人ファイルとして一括して管理し、日々の子どもの姿を踏まえて、随時追加・更新を行っている。新入園児については、新しい環境に慣れる、保育者との信頼関係を作っていくことなどを目指し、一人ひとりの思いを受け止め、徐々に関係を作り、保護者とも連携しながら、安心できる大人とのかかわりの中で無理なく新しい環境になじんでいけるように関わっている。


  サブカテゴリー3 個別状況の記録と計画策定
  評価項目1 定められた手順に従ってアセスメント(情報収集、分析および課題設定)を行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している 実施状況
  標準項目1 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し把握している
  標準項目2 子どもや保護者のニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  標準項目3 アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
  評価項目2 全体的な計画や子どもの様子を踏まえた指導計画を作成している 実施状況
  標準項目1 指導計画は、全体的な計画を踏まえて、養護(生命の保持・情緒の安定)と教育(健康・人間関係・環境・言葉・表現)の各領域を考慮して作成している
  標準項目2 指導計画は、子どもの実態や子どもを取り巻く状況(保護者の意向を含む)の変化に即して、作成、見直しをしている
  標準項目3 個別的な計画が必要な子どもに対し、子どもの状況(年齢・発達の状況など)に応じて、個別的な計画の作成、見直しをしている
  標準項目4 指導計画を保護者にわかりやすく説明している
  標準項目5 指導計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  評価項目3 子どもに関する記録が行われ、管理体制を確立している 実施状況
  標準項目1 子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  標準項目2 指導計画に沿った具体的な保育内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
  評価項目4 子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している 実施状況
  標準項目1 指導計画の内容や個人の記録を、保育を担当する職員すべてが共有し、活用している
  標準項目2 申し送り・引継ぎ等により、子どもや保護者の状況に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
講評
一人ひとりの成長に対する支援を計画に基礎づけている

全体的な計画に基づき年齢別の年間指導計画を作成し、それを踏まえて月間指導計画や週・日案を作成している。加えて、全園児を対象に個別の指導計画を立て、養護と教育の各領域に渡るねらいを踏まえて日々の活動を組み立てている。一人ひとりの発達の過程を踏まえ、子ども自身の力を的確に捉え、適切な援助や環境構成となるように取り組んでいる。体調や機嫌、睡眠、排泄、食事、活動の様子などの日々の子どもの様子は、詳細に観察した上で、連絡帳や保育日誌、活動表に記録している。

保育に対する評価、子どもの様子などを全体で共有している

日々の記録を基に一か月ごとに保育に対する評価を行い、児童票に記録を残した上で職員会議において振り返りを行い、翌月の計画立案につなげる仕組みがある。週・日案は、園の活動予定として保護者にも明示し、子育ての共有化を図っている。日々の打ち合わせや会議では、各クラスの様子や日々の子どもの様子、保護者からの連絡事項などについて検討・確認している。それらの内容は会議録やノートを活用して全体への周知に活用している。


  サブカテゴリー4 サービスの実施
  評価項目1 子ども一人ひとりの発達の状態に応じた保育を行っている 実施状況
  標準項目1 発達の過程や生活環境などにより、子ども一人ひとりの全体的な姿を把握したうえで保育を行っている
  標準項目2 子どもが主体的に周囲の人・もの・ことに興味や関心を持ち、働きかけることができるよう、環境を工夫している
  標準項目3 子ども同士が年齢や文化・習慣の違いなどを認め合い、互いを尊重する心が育つよう配慮している
  標準項目4 特別な配慮が必要な子ども(障害のある子どもを含む)の保育にあたっては、他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう援助している
  標準項目5 発達の過程で生じる子ども同士のトラブル(けんか・かみつき等)に対し、子どもの気持ちを尊重した対応をしている
  標準項目6 【5歳児の定員を設けている保育所のみ】 小学校教育への円滑な接続に向け、小学校と連携を図っている -
講評
子どもが生活や遊びの中で周囲に主体的に働きかけられるよう支援している

生活状況表、児童票から個々の生活リズムを把握し保育実践に繋げている。保育室は1階を2歳児が、2階を0,1歳児が使用しており、安全な保育環境の維持を第一とし、手先の発達を促す手作りり玩具や絵本を子どもの手の届く棚に置いている。棚には玩具の写真を貼付し子どもが自分で片付ける経験を重ねている。ままごとやお店屋さんごっこ、買い物体験からの買い物ごっこ等のごっこ遊び、近隣他園との交流、毎月の制作や歌、戸外に出かけて地域や自然に触れ、野菜の栽培、コロナ禍を意識した衛生管理等様々な事柄に働きかけている。

子ども同士が心の行き違いを経験しながら互いを認め合えるよう関わっている

園児全員をそれぞれ特徴のある子どもとして個性を尊重する支援に取り組み、子どものその子らしいくせ、性格等を把握して個性的な言動も特別扱いせずに受けとめ、子ども同士でも相手を受け入れられるよう関わっている。子どもの命を守り、思いやりのある心を大切に専門的な手腕を発揮しながら児童福祉へ貢献する良質な取り組みを実践している。子どもの心の行き違いや噛みつき・ひっかき等には職員が双方の子どもの気持ちに寄り添い、気持ちを代弁したり思いを言葉で伝える等子どもの気持ちを尊重して対応し、保護者に丁寧に説明し理解に繋げている。

  評価項目2 子どもの生活が安定するよう、子ども一人ひとりの生活のリズムに配慮した保育を行っている 実施状況
  標準項目1 登園時に、家庭での子どもの様子を保護者に確認している
  標準項目2 発達の状態に応じ、食事・排せつなどの基本的な生活習慣の大切さを伝え、身につくよう援助している
  標準項目3 休息(昼寝を含む)の長さや時間帯は子どもの状況に配慮している
  標準項目4 降園時に、その日の子どもの状況を保護者一人ひとりに直接伝えている
講評
保護者との対話を大切に子どもの様子を把握してその日の保育実践に繋がている

登園時は玄関で子どもを預かり生活の様子や伝達事項を確認している。対話をしながら表情や顔色、鼻水、咳等の視診チェックに努め、気になる事があればその場で保護者に確認している。得られた情報は活動表に記載し、職員が共有している。連絡ノートは速やかに目を通し、食事・睡眠・排泄等を確認して保育に反映している。体調によってはお留守番保育を実施し食事形態の変更にも対応している。保護者の表情や言動にも目を向け、小さな変化にも個別面談に繋げたり職員の共有事項としている。職員間の伝達ミス防止の為記録を残す事を徹底している。

子どものやってみたい気持ちを大切に基本的生活習慣が身につくよう働きかけている

保護者と連携し、挨拶は大人が見本となり、食事はたくさん遊んで空腹感を感じ、美味しい匂いで子どもの五感を刺激し、食事前の手洗いや挨拶等給食への意欲向上を図っている。手掴み食べの時期を十分にとりスプーン・フォークを使用して自分で食べる事を大切にしている。着脱は「ジブンデ」の気持ちを大切に援助し、おむつ外しは個々の子どもの状況にも配慮して概ね1歳児から便座に座ることから始めている。2歳児は徐々に自分の荷物の出し入れ等身の回りの事を意識できるよう関わっている。

家庭保育が楽しめるよう一人ひとりの園生活を丁寧に伝えている

家庭と園が連続した生活リズムを送れることや子どもの体調に合わせた休息ができるよう、午前寝の習慣のある子どもた体調が万全でない子どもには園でも休息できるよう環境を提供している。降園時には子どもの体調や怪我、友だちとの心の行き違い等の心情をはじめ、今日頑張った事、出来た事、嬉しかった事等エピソードを伝えて楽しい家庭保育に繋げている。活動表に一日の子どもの様子を記録して申し送りに努め、当番職員等担任以外も対応可能となっている。保護者からの相談事には担任や園長、栄養士が対応している。

  評価項目3 日常の保育を通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開されるよう工夫している 実施状況
  標準項目1 子どもの自主性、自発性を尊重し、遊びこめる時間と空間の配慮をしている
  標準項目2 子どもが人と関わる力を養えるよう援助している
  標準項目3 子ども一人ひとりの状況に応じて、言葉に対する感覚を養えるよう配慮している
  標準項目4 子どもが様々な表現を楽しめるようにしている
  標準項目5 子どもの心身の発達が促されるよう、戸外・園外活動(外気浴を含む)を実施している
  標準項目6 生活や遊びを通して、子どもが自分の気持ちを調整する力を育てられるよう、配慮している
講評
子どもの自主性・自発性の発揮を目指した計画を立案し目標を保育実践に繋げている

保育室には発達段階に応じた手作り玩具や教材を子どもの手の届く棚に置き、子どもが自分で選んで遊べる環境を整えている。パズルや絵合わせ、積み木、紐通し等考えながら遊び達成感や満足感に繋げている。園の行事では、子どもの可能性の発揮を目指し「何歳はここまで」と決めず、チャレンジする大切さを伝えている。朝夕の合同保育では、コーナー遊びや自由遊びを提供し、お気に入りの玩具や絵本等を楽しんでいる。子ども同士の関わり合いの中から生まれる、共に遊び、助け、或いは思い思いのあそびに集中する様子を適度な距離感で見守っている。

日常的な経験を通して様々な表現を楽しむことができる環境を整えている

季節や行事歌、子どもたちの好きな歌を楽しみ、テーマに沿った年齢毎の個人制作、自由制作、こいのぼりや運動会の横断幕、クリスマスツリー等合同制作をしている。園では子どもが言葉を習得する大切な時期である事を念頭に子どもへの語りかけはより丁寧に行い、読み聞かせや自分で選んだ本を読む場を提供し言葉の発達を喚起している。日常的に近隣公園等戸外では植物や生き物等季節・自然を感じながら地域の方々と挨拶を交わしている。子どもの発見や喜び、驚きに共感したり、言葉を添えたりしながら、興味や関心、言葉の広がりを援助している。

様々な子どもと関わり心の調整を図りながら互いに認め合う豊かな育ちに取り組んでいる

子ども同士の関係性を大切に姉妹園が互いに関わりながら、子どもたちの社会性、人間関係性、自己肯定観等の発達に関与する取り組みが行われている。現在はコロナ禍のために見合わせているが、合同運動会や発表会等を行い、各園が協力して行っている。子どもたちには他者を傷つけない、玩具の譲り合い、手洗いやトイレの順番、ルールのあるあそびも提供する等心の調整に取り組んでいる。

  評価項目4 日常の保育に変化と潤いを持たせるよう、行事等を実施している 実施状況
  標準項目1 行事等の実施にあたり、子どもが興味や関心を持ち、自ら進んで取り組めるよう工夫している
  標準項目2 みんなで協力し、やり遂げることの喜びを味わえるような行事等を実施している
  標準項目3 子どもが意欲的に行事等に取り組めるよう、行事等の準備・実施にあたり、保護者の理解や協力を得るための工夫をしている
講評
子どもの興味や関心を刺激し、積極的に参加する多彩な行事を提供している

年間指導計画に基づき多彩な行事を実施している。入園・進級祝い、こどもの日お祝い、七夕祭り、プール遊び、夏祭り、合同運動会、ハロウィン会、クリスマス会、お正月遊び、節分豆まき、発表会、ひな祭り、発表会、卒園式等を計画している。園では行事に関して「行事のため保育」ではなく、日本の伝統文化が生活の中に当たり前に取り入れられ、四季を感じながら自然な流れの中で子どもたちが取り組む環境を整えている。

保護者に園行事を理解いただき、子どもや職員と豊かに関わり育ちを喜び合っている。

子どもが興味・関心を示し、積極的な取り組みに繋げる事への実践として、行事前には絵本や紙芝居、行事歌、行事の謂れ等の話を伝えながら当日に臨んでいる。季節に合わせて制作にも力を入れ、行事に因んだ個人制作や合同制作に取り組んでいる。年間行事予定表は年度当初に保護者に伝えて園の行事の取り組みを理解していただいている。コロナ禍で保護者に参加していただける行事は減っているが、園内では感染予防を施しながら行事を経験している。

コロナ禍で工夫しながら保護者が子どもの姿に触れる機会をつくっている

コロナ禍で姉妹園との合同行事は開催を見合わせており姉妹園との横の繋がりは現在一時的に途切れている。園では運動会は中止とし、あそぼう会を企画開催して保護者同士の交流を図り、ハロウィン会では子どもが保護者と衣装を相談し、当日は保護者を招待して衣装で交流を図っている。

  評価項目5 保育時間の長い子どもが落ち着いて過ごせるような配慮をしている 実施状況
  標準項目1 保育時間の長い子どもが安心し、くつろげる環境になるよう配慮をしている
  標準項目2 保育時間が長くなる中で、保育形態の変化がある場合でも、子どもが楽しく過ごせるよう配慮をしている
講評
長時間保育の子どもが安心して遊びながら思いやりや慈しみを育む環境を整えている

園では長時間保育を指導計画に位置付け、安心できる保育を提供している。段階的な合同保育を実施し、人数やメンバーによってプログラム構成に配慮してあそびを提供している。日中における動的活動とゆっくり遊び込める静的活動をメリハリ良く組み合わせて思い思いの活動時間を保障し、疲れた子どもには抱っこやおんぶ等スキンシップを多めに対応してゴロゴロできる環境も整えている。異年齢での関わりから年下児が年上児に甘えたり、年上児が年下児に玩具を譲り、上手なあそびを教え、年下児をあやし慈しむ姿が見られている。

  評価項目6 子どもが楽しく安心して食べることができる食事を提供している 実施状況
  標準項目1 子どもが楽しく、落ち着いて食事をとれるような雰囲気作りに配慮している
  標準項目2 メニューや味付けなどに工夫を凝らしている
  標準項目3 子どもの体調(食物アレルギーを含む)や文化の違いに応じた食事を提供している                                                                                        
  標準項目4 食についての関心を深めるための取り組み(食材の栽培や子どもの調理活動等)を行っている
講評
子どもが意欲を持って健康的な食を楽しめるよう取り組んでいる

「健康で質の高い生活を送る基本として『食を営む力』を培う」事を目標に、子どもが楽しみながら食に取り組んでいる。献立は子どもが興味を示し楽しめるよう姉妹園の栄養士が工夫を凝らして作成し、全園共通で2サイクルとし、子どもの食材の広がりの過程を楽しみながら、好き嫌いへの改善へ配慮している。旬の食材を取り入れ、季節感のあるバランスの良い食事の提供に努め、温かいものは鍋を室内に持ち込みその場でよそい、匂いや湯気、温かさを味わっている。午前中の活動で身体を動かし、お腹を空かせての給食提供は、食の大切さを伝えている。

子どもが興味を持ち、食の大切さを実感できる機会を提供している

調理は食材が何かわかるよう形を残し、栄養士は食事の様子を観察し残食の原因を検討している。献立には行事食を取り入れ、お楽しみ料理として毎月1つの国を取り上げて世界の料理に触れ、給食・おやつを楽しんでいる。食物アレルギーには除去食・代替食を提供し、宗教に応じた食事提供も行っている。地域の農園で大根の収穫を体験し、スーパーやパン屋、豆腐屋、魚屋等の個人商店への買い物も体験している。パン屋へは2歳児が出向いている。「自分で買った物を食べる」経験が食べる事への意欲を高め、様々な食材を食べることに働きかけている。

  評価項目7 子どもが心身の健康を維持できるよう援助している 実施状況
  標準項目1 子どもが自分の健康や安全に関心を持ち、病気やけがを予防・防止できるように援助している
  標準項目2 医療的なケアが必要な子どもに、専門機関等との連携に基づく対応をしている
  標準項目3 保護者と連携をとって、子ども一人ひとりの健康維持に向けた取り組み(乳幼児突然死症候群の予防を含む)を行っている
  標準項目4 子どもの入退所により環境に変化がある場合には、入所している子どもの不安やストレスが軽減されるよう配慮している
講評
安心・安全な保育環境と子どもの危険に関する感度を高める取り組みを継続させている

保育室内は子どもが安全に快適に過ごすことができるよう、エアコンや空気清浄機、加湿器等で温度・湿度に気を配り水分補給をこまめに行い、コロナ禍においては更に換気や消毒に努めている。清潔に整えられたトイレや洗面台は子どもの発達や使い易さ等を考慮し、指挟み防止や怪我に繋がらないようにクッション材を使用する等環境を整えている。戸外では交通ルールや遊具での遊び方等、ルールや注意事項を子どもが理解できるように伝えている。帰園時は手洗いを励行し、大人が見本になって習慣化を目指して取り組み病気の予防に努めている。

保護者と連携しながら子どもの成長発達へ繋げる取り組みを実践している

園では障害の有無を問わない保育の提供をするために尽力しており、マニュアルを中心に園内研修を行い全職員が同じ認識を持てるように努めている。保護者へは嘱託医による定期的な健康診断、毎月の身体測定の結果を伝え、保健だよりには日常的な衛生、季節的な流行に関する注意点や対応、予防接種情報等を記載、行政・保健所からの情報を伝えて注意を喚起している。午睡時の睡眠チェックを実施し、0歳児はベビーセンサーも導入している。園内は整理整頓されており、玩具の消毒、園内の掃除等衛生管理を徹底して、子どもの健康維持に取り組んでいる。

  評価項目8 保護者が安心して子育てをすることができるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 保護者には、子育てや就労等の個々の事情に配慮して支援を行っている
  標準項目2 保護者同士が交流できる機会を設けている
  標準項目3 保護者と職員の信頼関係が深まるような取り組みをしている
  標準項目4 子どもの発達や育児などについて、保護者との共通認識を得る取り組みを行っている
  標準項目5 保護者の養育力向上のため、園の保育の活動への参加を促している
講評
就労や家庭環境等保護者の様々な事情を把握して安心な家庭保育を支援している

園では様々な家庭の事情に寄り添い、個別対応を行っている。急な残業等で降園時間が遅れる場合には柔軟に対応し、補食や夕食を提供している。コロナ禍で保護者同士の交流が積極的に出来ない状況ではあるが、あそぼう会やハロウィン会等で交流したり、登降園時には顔を合わせた保護者同士、挨拶や近況報告等行っている様子がうかがえる。毎日連絡ノートを利用して園と家庭での連携を図っている。保護者からの信頼は厚く、コミュニケーションは良好で、相談しやすい雰囲気がある。希望により個別面談を行っている。

保護者への情報発信方法を工夫し、子どもの育ちを理解し子育てできるよう支援している

コミュニケーションツール(LINE)を導入して情報を発信しており、メールではなかなか気づきにくい内容が速やかに届いている。コロナ禍で園の子どもの姿が保護者に届きにくい事に配慮してクリスマス会での子どもの様子を動画で配信した。今後も引き続き行事や日常生活の姿の映像配信やオンラインを活用した面談・保護者会の実施を検討している。保育計画や行事予定は園だよりに記載し、一週間の保育スケジュールや当日の活動は玄関に貼り出し保護者に伝えている。栄養だよりでは食に纏わる季節のコラム、給食のレシピ等を紹介している。

  評価項目9 地域との連携のもとに子どもの生活の幅を広げるための取り組みを行っている 実施状況
  標準項目1 地域資源を活用し、子どもが多様な体験や交流ができるような機会を確保している
  標準項目2 園の行事に地域の人の参加を呼び掛けたり、地域の行事に参加する等、子どもが職員以外の人と交流できる機会を確保している
講評
子どもの生活の幅が広がるような体験や交流に取り組んでいる

地域の保育関係者のネットワーク(保育ネット)を通して培った近隣保育園とのつながりを活かし、行事に招かれる関係を築いている。現在はコロナ禍で参加は見合わせとなっているものの、協力関係は維持している。また、コロナ禍により運動会は各園での開催となったが、例年であれば姉妹園計5園で800人規模の運動会を開催している。そのほか、近隣との協力により田植えや稲刈り、大根掘りや芋掘りの体験、パン屋への買い物体験なども実現している。困難な環境下にあっても工夫し、地域における子どもの豊かな体験の機会を保障している。


  サブカテゴリー5 プライバシーの保護等個人の尊厳の尊重
  評価項目1 子どものプライバシー保護を徹底している 実施状況
  標準項目1 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目2 子どもの羞恥心に配慮した保育を行っている
  評価項目2 サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、子どもの意思を尊重している 実施状況
  標準項目1 日常の保育の中で子ども一人ひとりを尊重している
  標準項目2 子どもと保護者の価値観や生活習慣に配慮した保育を行っている
  標準項目3 虐待防止や育児困難家庭への支援に向けて、職員の勉強会・研修会を実施し理解を深めている
講評
日常業務や保護者対応の中で個人情報を意識した取り組みが行われている

同意を踏まえた個人情報の利用を確実に行っている。入園児には、個人情報の取り扱いについて文書で説明し、年度初めには保護者の同意を得た上で、園だよりやホームページの写真掲載や動画配信を行っている。羞恥心への配慮について定めた羞恥心マニュアルは、子どもの羞恥心が芽生えるタイミングの考察といった心理面に踏み込む視点から構成されており、単なる対処法に終わらないものとなっている。

子どもの羞恥心を意識した環境を整え、プライバシーに配慮した支援が行われている

園内では子どもの羞恥心を意識した環境を整え、保育の中で働きかけている。おむつ交換等の排泄介助は他からの視線に配慮して行い、着替えは肌の露出が少なくなるよう「脱いだら着る」を子どもに伝えている。保育の中の声掛けは声のトーンを配慮し、否定せず子どもの気持ちに耳を傾ける対応をし、注意が必要な時には他児からの視線を避けた落ち着いた環境で視線を合わせ子どもの心に届くような対話をしている。

保護者と園が子どもの健やかな育ちを共に考えることができる関係をつくっている

保護者の生活習慣や価値観は日々のコミュニケーションや連絡ノート、個人面談で理解し、子どもの健やかな育ちを共に考えることができるような関係づくりに努めている。「子どもの命を守る」という点を法人が徹底しており、園内では、子どもの権利擁護についての基本姿勢を明確化し(保育者の心構え)その趣旨の徹底を図っている。この取り組みの姿勢に対して地元行政からも厚い信頼が寄せられており、在園・非在園問わず、代表者や園長が個別に育児相談を随時受け付けている。


  サブカテゴリー6 事業所業務の標準化
  評価項目1 手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  標準項目2 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
  標準項目3 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
  評価項目2 サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  標準項目2 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や保護者等からの意見や提案、子どもの様子を反映するようにしている
講評
グループ各園における業務水準の確保に努めている

保育計画の作成をはじめ、障害児の受け入れ、SIDS予防、保健・衛生・感染症対策、アレルギー対応、防災、危機管理、苦情対応、外国人の受け入れ、児童虐待防止など、事業全般に関わる手順や留意事項などについて明文化している。また、職員による業務の遂行状況を確認するチェックリストを活用して、毎月点検を行うなど、適正な業務の遂行を図る仕組みがある。この仕組みを活用することで、各園における業務水準の確保を行っている。

グループとしての共通事項や現場のニーズを踏まえて水準の見直しを図っている

会議や日々のコミュニケーションを通して職員の気づきや提案を受け止め、現状の見直しや向上につなげている。保護者に対しては、毎月、保護者の立場から見た園運営・保育実践に対する評価を行ってもらうなど、常日頃から現状の振り返りを行い、意向を踏まえた対応の向上を図っている。グループ園が全5園となった現在、園長会議では理念に対する共有認識を徹底するとともに、統一的に進めていくべき事柄について、手順書や規定類の周知を図っている。