東京都福祉サービス第三者評価  評価結果





評価結果基本情報

評価年度 令和3年度
サービス名称 認証保育所A型・B型
法人名称 有限会社CASA dei Bambini
事業所名称 モンテッソーリ学芸大学子どもの家
評価機関名称 株式会社 にほんの福祉ネット

コメント

利用者調査は、事業所を通じてアンケートの配布を行い、回収箱への投函、評価機関への回収箱の返送により回収した。職員調査は、動画を通して調査の趣旨や回答方法の説明を行った上で実施した。訪問調査は、調査の有効性を高めるべく自己評価を分析した上で質問の絞り込みを行った上で実施した。合議では、全体の講評や特に力を入れている取り組みの論点の的確性、論旨の明確性を検討した。


(内容)
 Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像
 Ⅱ 全体の評価講評
 Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み
 Ⅳ 利用者調査結果
 Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)
 Ⅵ サービス提供のプロセス項目


公益財団法人東京都福祉保健財団
Copyright©2003 Tokyo Metropolitan Foundation of Social Welfare and Public Health. All Rights Reserved.


Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像

1 理念・方針  (関連 カテゴリー1 リーダーシップと意思決定)
  事業者が大切にしている考え(事業者の理念・ビジョン・使命など)

1. 第1の運営理念としてモンテッソーリ教育の取り組み 私達の使命 生命の援助「ひとりでできるように手伝ってください」の保育方針に基づいた子ども達への援助 2. 第2の運営理念として、食育への取り組み 3. 第3の運営理念として、カウンセリングマインドをもって人が生きることを支援する 4. 安全・防災対策の取り組みー子どもの命を守る 5. 地域子育て支援への取り組み

 
2 期待する職員像  (関連 カテゴリー5 職員と組織の能力向上)
  (1)職員に求めている人材像や役割

「子どもを愛し、天職とされている方」「親切・尊重・協調性という社会性のある保育士であり、できればモンテッソーリ資格を有する方」「常に学び、自己を向上させようという意欲のある方」また採用時には「私が一番大切にしていること」の作文を提出してもらい、人が生きる上で何を大切にしているかという考え方を明確にもっている人を採用しており、行動指針・教師の12カ条に基づいて行動できる人材。

 
(2)職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

①事業所の3つの運営理念と行動指針をよく理解し実践すること。 ②モンテッソーリ教育の理念の基づき、教師の12カ条をよく理解すること。 ③子どもの安全を守ることができるよう危機管理能力を高めること。 ④個人情報を守り守秘義務の遵守 ⑤人と人の和を大切にし、保護者に信頼される職員であること。

 


Ⅱ 全体の評価講評

全体の評価講評

特に良いと思う点
1 子ども一人ひとりの成長・発達を見極め、必要な保育・教育の裏付けを明らかにして計画し実行している

モンテッソーリ教育の理念を基に、日常生活の中で子どもに必要な経験は何かを常に追求している。目の前の子どもから決して目を離さず、言葉での表現が難しい心の声に耳を傾け、気持ちに寄り添っている。一人ひとりの発達段階を見極め、適切な時期に必要な経験を積むことが出来るよう取り組んでいる。発達年表を基に相応しい教具・玩具を子どもの目線に合わせて整え、自主的・主体的な遊びや活動を環境面から支えている。季節や行事にちなんだ製作、散歩、野菜の栽培・収穫、クッキングなど、継続した様々な取り組みがある。
2 人と人との関わりの中で、カウンセリング・マインドを実践している

園長は受容や傾聴を軸とする「カウンセリングマインド」をもって職員一人ひとりが能力を最大限発揮出来るよう、常に話を聴く姿勢を持ち、相談しやすい環境を大切にしている。職員は「受け入れてもらっている」という安心感のもと、子どもの豊かな育ちを目指し、自分たちが何をするべきか常に考え、実践を積み重ねている。そして職員自身も、子どもや保護者と真摯に向き合い、温かく穏やかな対応を行っている。人と人との関わりの根底に、相手の気持ちを受け止めて心に寄り添う実践がある。
3 個々の成長・発達を踏まえて生活習慣の確立を援助している

様々な場面における生活習慣が身につくよう個別に援助している。食事については、実物の食べ物を見せる、食べこぼしの処理方法を伝える、食べ物のカードを使用するなどし、また、挨拶や食具の持ち方などのマナーが身に付くよう、必要に応じて声をかけている。排泄の方法や衣服の前後の認識・着脱など、年齢や個人の発達に応じて少しずつできるようになるよう援助している。食事の際は、当番による配膳をはじめ、エプロンをたたむ・拭く・拭いた布巾を洗って干すといった一連のお仕事を実践する子どもの姿がある。

さらなる改善が望まれる点
1 「知りたい」「見たい」という保護者のニーズに応えていく

保育向けのアプリケーションによる日々の連絡や子どもの様子の伝達、オンライン形式での保護者会の開催など、コロナ禍という困難な状況下でもいかに保護者と良好なコミュニケーションをとっていくか、工夫を重ねている。それでも、保護者の側には「知りたい」「見たい」というニーズが根強くある。写真の販売や電子化された連絡帳の製本化などの実現に向けて、取り組みを進めていくことを課題としている。
2 これまでの取り組みを踏まえて、事業継続計画の策定に向けて継続的に取り組んでいく

様々な災害や事故、感染症などを想定した対応策や留意事項などを明確化し、訓練や点検などを計画的に行うことで、安全な保育環境の維持に取り組んでいる。想定される様々な事態に応じた対策が進む一方、こうした単体の取り組みを線でつなげる、包括的な計画が必要となっている。そこで、年度当初にはどのように対処すべきか検討した。いかなる事態にあっても職員が迷うことなく安全確保の行動をとることが出来るよう、事業継続計画の策定に向けて継続的に取り組んでいくことを課題としている。
3 ICT(情報通信技術)の一層の活用に向けて操作に慣れていく

紙媒体の連絡帳に代えて保育向けのアプリケーションを導入し、保護者との連絡をより迅速かつ円滑に行えるようになっている。また、スマートフォンなどで使用することができる無料のコミュニケーションツール(LINE)の機能の活用を開始し、組織内での報告・連絡・相談や引き継ぎ、状況の把握やそれを踏まえた対応などを行えるようになっている。こうした技術の活用は、事務作業の効率化や業務の時短化、子どもと向き合う時間の一層の創出につながる。今後も実践を通して利用方法に習熟し、一層の活用を図っていくことを課題としている。

Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み

1 ★ 「見学の場」として教育者の学びに貢献している

「子どもに本来備わっている、人間としての可能性を引き出すこと」を主眼とする教育理念の下、子どもの健やかな成長を援助してきた。またその援助の質を高めるべく、職員の専門性の向上にも継続的に取り組んできた。年月の経過とともに子どもの入れ替わりはあっても、「共同体」としての園の性格は不変のまま、子どもが自立に向けて様々な能力を獲得し成長していく場としてあり続けている。こうした実践の積み重ねの結果、「モンテッソーリ教育実現の場」として専門家から見学の対象として選ばれるまでになっている。
関連評価項目(地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている)
2 ★ 感染症への対応方法を確立している

新型コロナウイルス感染症への対応・対策を通して、園としての対応方法を確立した。今年度はさらにそれを発展させ、園独自のフローチャートを保護者版、職員版として作成、周知を図っている。想定される事態を場合分けし、それぞれの場合における的確な行動を示すことで、平時における安心と有事における安全の確保を図っている。
関連評価項目(事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる)
3 ★ 自粛期間中においても生活リズムの維持への援助を継続した

「子どもの成長は待ったなし」-新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う様々な困難があるにせよ、成長し行く子どもにとってかけがえのない大切な時期に、必要な経験を保障していく保育者としての責任を踏まえ、登園自粛期間中の家庭と連携を図った。日常における細かな段取りの繰り返しが「当たり前」となり、そして習慣化することで、「次に何をしたらよいのか」を考えられるようになる。こうした経験を家庭でも積むことが出来るよう、クラス便りや教材などを準備・提供し、家庭でも園と同様にリズムを維持することが出来るよう援助した。
関連評価項目(子どもが心身の健康を維持できるよう援助している)

Ⅳ 利用者調査結果

調査概要
調査対象:全児童数38名、複数児利用世帯は最低年齢児1人を対象として実施世帯数を絞り、37世帯を対象に実施した。

調査方法:アンケート方式  
アンケート調査票の配付は保育園を通じて保護者へ手渡し、回収は回収箱への投函、および、評価機関への郵送を併用して行った。

利用者総数 38人
利用者家族総数(世帯) 37世帯
アンケートや聞き取りを行った人数 37人
有効回答者数 23人
回答者割合(%) 62.2%

総括
<総合的な満足度>  「満足」96%、「まあまあ満足」4%という満足度が示された。 <調査結果の講評について>  ・質問における各回答の割合については、無回答は除いた。  ・肯定的な評価(「はい」との回答)が全体に占める割合についてのみ、記述した。

利用者調査結果

1.保育所での活動は、子どもの心身の発達に役立っているか
はい 23人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者全員が「はい」と回答した。
2.保育所での活動は、子どもが興味や関心を持って行えるようになっているか
はい 23人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者全員が「はい」と回答した。
3.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか
はい 22人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者の96%が「はい」と回答した。
4.保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか
はい 23人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者全員が「はい」と回答した。
5.保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか
はい 20人  どちらともいえない 0人  いいえ 1人  無回答・非該当 2人 
回答者の87%が「はい」と回答した。
6.安全対策が十分取られていると思うか
はい 22人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者の96%が「はい」と回答した。
7.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か
はい 21人  どちらともいえない 0人  いいえ 1人  無回答・非該当 1人 
回答者の91%が「はい」と回答した。
8.子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があるか
はい 23人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者全員が「はい」と回答した。
9.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
はい 21人  どちらともいえない 1人  いいえ 1人  無回答・非該当 0人 
回答者の91%が「はい」と回答した。
10.職員の接遇・態度は適切か
はい 23人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者全員が「はい」と回答した。
11.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
はい 23人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者全員が「はい」と回答した。
12.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
はい 20人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 2人 
回答者の87%が「はい」と回答した。
13.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
はい 23人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者全員が「はい」と回答した。
14.子どもと保護者のプライバシーは守られているか
はい 23人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者全員が「はい」と回答した。
15.保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか
はい 23人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者全員が「はい」と回答した。
16.利用者の不満や要望は対応されているか
はい 22人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者の96%が「はい」と回答した。
17.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
はい 21人  どちらともいえない 2人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者の91%が「はい」と回答した。

Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)

※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー1  リーダーシップと意思決定
  サブカテゴリー1  事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている
  評価項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  標準項目2 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
  評価項目2 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている 実施状況
  標準項目1 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
  標準項目2 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
  評価項目3 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している 実施状況
  標準項目1 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
  標準項目2 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  標準項目3 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
講評
明確な理念に基づく園運営を行っている

ホームページやパンフレットへの記載、玄関や保育室への掲示などのより、当園の保育が「子どもに本来備わっている、人間としての可能性を引き出すこと」を「生命の援助」とする教育理念に基づくものであることを明示している。その上で、職員に対しては、年度当初のオリエンテーション、園内研修、日常の実践などを通して、理念に対する深い理解やそれに基づく行動を促している。保護者に対しては、入園説明会やオリエンテーションなどでの説明、懇談会や日々のコミュニケーションなどを通して、発信している。

理念に基づく職責の実践を図っている

カウンセラーでもある園長を中心に、傾聴や受容の姿勢を大事にする「カウンセリングマインド」をもって、「生きる」ことの援助を実践している。その実践は、日頃の保育はもとより、保護者とのかかわりや職員の姿勢にも表れている。自立に向けて様々な能力を獲得し成長していく子どもの姿、園の取り組みに対する保護者の理解や共感、職員の高い専門性と向上意欲など、随所に表れる園の特徴の根底は、確固たる理念に貫かれている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー2  事業所を取り巻く環境の把握・活用及び計画の策定と実行
  サブカテゴリー1  事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
  評価項目1 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している 実施状況
  標準項目1 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
  標準項目2 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
  標準項目3 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
  標準項目4 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
  標準項目5 事業所の経営状況を把握・検討している
  標準項目6 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
  サブカテゴリー2  実践的な計画策定に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している 実施状況
  標準項目1 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
  標準項目2 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
  標準項目3 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
  評価項目2 着実な計画の実行に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
  標準項目2 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
講評
ニーズを踏まえて保護者会を開催している

保護者会の開催に先立ち、保育アプリを活用してアンケートを取り、保護者のニーズの把握を行った。保護者が困っていること、知りたいこと、子どもとの関わりの中での困りごと、成長・発達に関することなど、寄せられた声からニーズを導き出し、それを踏まえてテーマを設定し、保護者会を開催した。これにより、より参加保護者の関心を踏まえた内容で実施することが出来、保護者により園の理解や園への信頼につなげている。

手順に基づく計画策定と実行を図っている

園として定めた手順に従い、年度末に職員会議を開き、全体で協議し、翌年度の事業計画を策定している。作成にあたっては、現状の職員体制などを考慮して、無理のない内容にしている。その上で、組織図や職員職務分担表などに基づき、園長以下それぞれの職務を明確にし、着実な計画の実行を図っている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー3  経営における社会的責任
  サブカテゴリー1  社会人・福祉サービス事業者として守るべきことを明確にし、その達成に取り組んでいる
  評価項目1 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
  標準項目2 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
  サブカテゴリー2  利用者の権利擁護のために、組織的な取り組みを行っている
  評価項目1 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている 実施状況
  標準項目1 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  標準項目2 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
  評価項目2 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている 実施状況
  標準項目1 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  標準項目2 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
  サブカテゴリー3  地域の福祉に役立つ取り組みを行っている
  評価項目1 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
  標準項目2 ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
  評価項目2 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
  標準項目2 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
  標準項目3 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
講評
則るべき事柄の明確化を図っている

モンテッソーリ教育に携わる者としての心得(教師の心得12か条)により、子どもに関わる姿勢や配慮について明示している。また、これとは別に、園として行動指針を定めている。理念を理解した行動、子どもへの対応、保護者への対応などのほか、規則や諸規定の遵守・社会人としての責任ある行動などを内容とする「規律」、相手を尊重した身だしなみや立ち振る舞いなどの「マナー」、モンテッソーリ教育法の理解、それに基づく子どもとの関わりなどについて、職員が踏まえるべき事柄について明確に定めている。

意向の収集・把握のための仕組みを整えている

苦情解決体制などを明示している苦情対応規程を完備している。苦情解決責任者を明示し、「苦情申出内容の原因、解決方策の検討」「苦情解決のための申出人との話し合い」など、具体的な職務を規定している。また、苦情受付担当者も定め、利用者からの苦情受付の体制を確立している。さらに、アンケートボックスの設置、「意見・要望等の受付書」の活用など、広く声を収集し、受け止め、活かしていくための仕組みを整えている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー4  リスクマネジメント
  サブカテゴリー1  リスクマネジメントに計画的に取り組んでいる
  評価項目1 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
  標準項目2 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
  標準項目3 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している ×
  標準項目4 リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる ×
  標準項目5 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
  サブカテゴリー2  事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
  評価項目1 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている 実施状況
  標準項目1 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
  標準項目2 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
  標準項目3 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
  標準項目4 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
講評
安全管理に対する計画的な取り組みを行っている

室内での安全管理、散歩時の安全確認、外遊びの安全習慣、避難訓練、プール前安全教育、安全な生活態度の習慣化などについて、年間を通して安全管理を推進している。また、不審者侵入対処、戸締り、地震時および火災時の対処、散歩時の危機管理などについて、対応マニュアルを完備している。さらに、震災を想定し、避難ルートや避難場所、避難グッズの再確認を行っている。消防署とも連携し、避難訓練を含め対応方法の充実を図っている。そのほか、施設の安全管理という面では、正面玄関の鍵をオートロック式にしている。

個人情報の適切な管理を行っている

園として個人情報保護方針を策定している。これは、職員会議などで話し合った上で策定した独自のものである。リスクマネジメントの観点からも的確な対応をしており、重要事項の説明の際にも用いている。また、電子化した記録と紙媒体での記録双方を適切に管理し、適正な利用と厳格な保護を両立している。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー5  職員と組織の能力向上
  サブカテゴリー1  事業所が目指している経営・サービスを実現する人材の確保・育成・定着に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている 実施状況
  標準項目1 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
  標準項目2 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
  評価項目2 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している 実施状況
  標準項目1 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
  標準項目2 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
  評価項目3 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
  標準項目2 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  標準項目3 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
  標準項目4 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
  評価項目4 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
  標準項目2 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
  標準項目3 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
  標準項目4 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
  サブカテゴリー2  組織力の向上に取り組んでいる
  評価項目1 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
  標準項目2 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
  標準項目3 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
講評
理念に基づく採用と育成を行っている

「子どもを愛し、天職とされている方」「親切・尊重・協調性という社会性のある保育士であり、できればモンテッソーリ資格を有する方」「常に学び、自己を向上させようという意欲のある方」などを理想の職員像として、採用にあたっている。その上で、モンテッソーリ教育やカウンセリングマインドをテーマとした園内研修を実施している。確固たる理論の学習、講師による実践的な指導、園長による職員に対するカウンセリングマインドの実践など、育成の面でも理念に基づく一貫した取り組みを行っている。

研修による理念の浸透を図っている

モンテッソーリ教育の講師の協力を得て、モンテッソーリ教育の一層の浸透・深化を図るべく、園内研修を充実させている。子どもの発達心理、知的教育、大人の関わり方、観察の仕方など、子ども一人ひとりの理解とより望ましい教師のあり方について継続的に学んでいる。コロナ禍という状況下においてはオンライン形式で受講しており、ローテーションで参加している。そして、この学びを活かし、一人ひとりの自己実現や活動とはどんなものなのかをしっかりと観察し、そのための準備や誘導を行っている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー7  事業所の重要課題に対する組織的な活動
  サブカテゴリー1  事業所の重要課題に対して、目標設定・取り組み・結果の検証・次期の事業活動等への反映を行っている
  評価項目1 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、リモートワークや登園自粛を強いられた保護者の状況を踏まえ、「園として何ができるか」を検討した。そして、「子どもの成長は待ったなし」という認識の下、「自粛の中の園児に対してどのようなサービスを提供できるか」「職員の教師としての質の向上はどう取り組むべきか」を課題として設定した。その上で、登園自粛の期間中、園児を少人数預かる必要があったため、保育を担当する職員をクラス毎にグループ分けし、順番に出勤日を設定し、自粛中の園児に対してどのようなサービスを提供できるかを各クラスで話し合った。そして、園児の成長に少しでも関わることができるよう、数回に分けてクラス便りや教材などを準備・発送した。生活リズムを整える意義や具体的な秘訣・方法などを保護者に配信した結果、リズムの維持や保護者の負担の軽減につながり、好評だった。こうした取り組みを通して「園が継続して運営する事の必要性」を再認識し、「いかに日常の感染予防の徹底を家庭と連携して行うことが重要か」を再確認し、次期も引き続き保護者への協力を求めながら運営を続けていくこととした。
評語
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
成長し行く子どもにとってかけがえのない大切な時期に、必要な経験を保障していく保育者としての責任を踏まえ、当園自粛期間中の家庭と連携を図った。日常における細かな段取りの繰り返しが「当たり前」となり、そして習慣化することで、「次に何をしたらよいのか」を考えられるようになる。こうした経験を家庭でも積むことが出来るよう取り組んだことは、常に「子どもの最善の利益」を追求してきた当園だからこそ実現出来たものであると言える。 
  評価項目2 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ) 新型コロナウイルス感染症の感染予防のため、入園希望者への見学機会の提供や説明会の開催などへの対応の必要性を強く認識し、オンライン配信環境準備や技術の向上を課題として設定した。そして、ホームページのリニューアル作業に取り掛かった。リニューアル後のホームページでは、①運営理念をより具体的に可視化し、分かりやすく表現し、②園見学に代わる園内の紹介として、写真を厳選し、ポイントを効率良く紹介し、③入園の問い合わせに関する情報を充実し、直接申し込みフォームに進むことができるようにすることとした。令和3年9月に稼働予定のホームページでは、コロナ禍においても新入園児募集をスムーズに進められ、大勢が参加する見学会の開催を省くことが出来、感染予防につなげることが見込まれる。また、電話による入園の問い合わせ件数の減少も、時間や労力の削減につながることが見込まれる。さらに、運営理念を深く理解し、賛同した家庭からの入園申し込みの割合が増えることで、保護者と園とが協力し合って子どもの成長を支援できるようになることが見込まれる。職員もより専門性を向上させる努力が必要となるため、研修内容を深め実践につなげていく方針である。
評語
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
これまでは、年間を通して計8回、見学者を対象とした園の説明会(見学会)を開催してきた。園での子どもの様子をフォトギャラリーで見て頂き、子どもと保育士との関わりを含む保育環境を見て頂くようにしていた。そして高いニーズを踏まえ、より多くの方々が見学の機会を得られるように、見学会1回あたりの予約人数を倍増して対応していた。こうした丁寧な対応は当然、多大な労力を要するものであった。令和3年度後半から稼働する新たなシステムの下では、見学者のニーズを充足しつつ、組織内での省力化を実現することが見込まれる。 

Ⅵ サービス提供のプロセス項目(カテゴリー6)

カテゴリー6 サービス提供のプロセス
  サブカテゴリー1 サービス情報の提供
  評価項目1 利用希望者等に対してサービスの情報を提供している 実施状況
  標準項目1 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  標準項目2 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  標準項目3 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  標準項目4 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
  標準項目5 事業所のサービス利用が困難な場合には、理由を説明したうえで、他の相談先紹介など支援の必要に応じた対応をしている
講評
ホームページやパンフレットにより情報提供を行っている

ホームページやパンフレットでは、当園の保育が「子どもに本来備わっている、人間としての可能性を引き出すこと」を「生命の援助」とする教育理念に基づくことを明確に謳っている。そして、発達にあった環境を準備し、保護者と共に子どもの成長を手伝っていく姿勢を明確にしている。その上で、日常生活の練習や英会話教育、デイリープログラムの概要と各活動のねらい、保育室の状況や職員構成、定員および利用料などについて説明・紹介している。外国籍の利用者を想定し、英語版の案内も設けている。

理念や取り組みへの理解に資する発信を行っている

ホームページについては、今年度(令和3年度)大幅に内容を更新した。三つの運営理念-「モンテッソーリ教育を中心に取り入れて日々の保育に当たっている」「食育への取り組みをしている」「カウンセリングマインドをもって人と人が生きることを支え合う」-について大きく打ち出し、それぞれどのように実践を図っていくのか、動画や画像を活用して説明している。それらの内容は、当園の取り組みや、その背後に強固な理念があることを容易に理解できるものとなっている。

高い見学ニーズに応えうる体制を整えている

これまでは、多数の見学者を対象とした園の説明会(見学会)を年に数回開催してきた。新型コロナウイルス感染症の蔓延以降は、密を避けつつ高い見学ニーズに応えていくために、対応方法を大きく変えた。ホームページ上に入園申込のフォームや専用のメールアドレスを掲載し、多数の問い合わせに対する一元的な受付と集約の体制を整えた。また、入園申込者全員に対し、見学会に代えて園の紹介映像を提供することとした。これにより、組織内での省力化を図りつつ、見学ニーズに十分に応えている。


  サブカテゴリー2 サービスの開始・終了時の対応
  評価項目1 サービスの開始にあたり保護者に説明し、同意を得ている 実施状況
  標準項目1 サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を保護者の状況に応じて説明している
  標準項目2 サービス内容について、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目3 サービスに関する説明の際に、保護者の意向を確認し、記録化している
  評価項目2 サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 サービス開始時に、子どもの保育に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  標準項目2 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように配慮している
  標準項目3 サービスの終了時には、子どもや保護者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
講評
利用開始にあたり、新入園児保護者には対面にて説明を行っている

これまでは、入園後の年度初めには、新入園児および進級園児の保護者を対象に、オリエンテーションを実施してきた。新型コロナウイルス感染症の蔓延以降は、全員が集まる機会の設定は控えつつ、新入園児保護者には対面にて1年の行事予定や保護者の協力が必要な点について説明している。また、年間指導計画に加え、当園の特徴である①モンテッソーリ教育、②カウンセリングマインド、③食育などについて、重点的に説明している。

新たな環境になじんでいくことが出来るよう、丁寧なかかわりを持っている

入園直後は、家庭と連携して生活リズムを把握し、一人ひとりの家庭での生活リズムを引き継ぎつつ、特定の保育者が一対一で関わることで、安定して過ごすことが出来るようにしている。抱っこしたり、スキンシップを図ったり、言葉かけをするなど、子どもの思いを受け入れ、笑顔で温かく接することで、安心して過ごせるようにしている。保護者とは、健康状態や家庭と園での様子などを伝え合い、共通認識を持ち、相談にも応じながら安心につなげている。


  サブカテゴリー3 個別状況の記録と計画策定
  評価項目1 定められた手順に従ってアセスメント(情報収集、分析および課題設定)を行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している 実施状況
  標準項目1 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し把握している
  標準項目2 子どもや保護者のニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  標準項目3 アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
  評価項目2 全体的な計画や子どもの様子を踏まえた指導計画を作成している 実施状況
  標準項目1 指導計画は、全体的な計画を踏まえて、養護(生命の保持・情緒の安定)と教育(健康・人間関係・環境・言葉・表現)の各領域を考慮して作成している
  標準項目2 指導計画は、子どもの実態や子どもを取り巻く状況(保護者の意向を含む)の変化に即して、作成、見直しをしている
  標準項目3 個別的な計画が必要な子どもに対し、子どもの状況(年齢・発達の状況など)に応じて、個別的な計画の作成、見直しをしている
  標準項目4 指導計画を保護者にわかりやすく説明している
  標準項目5 指導計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  評価項目3 子どもに関する記録が行われ、管理体制を確立している 実施状況
  標準項目1 子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  標準項目2 指導計画に沿った具体的な保育内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
  評価項目4 子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している 実施状況
  標準項目1 指導計画の内容や個人の記録を、保育を担当する職員すべてが共有し、活用している
  標準項目2 申し送り・引継ぎ等により、子どもや保護者の状況に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
講評
全体的な計画を基に、子どもの実態や子どもを取り巻く状況の変化に即している

全体的な計画に示した各要素を基に指導計画を作成している。クラス毎に年間指導計画を作成し、それを基に月案・週案を作成して評価・見直しを行っている。全園児に対し個別指導計画を立て、特別な援助が必要な時期にある子どもはクラス担任が個別で面談を実施し、会議で周知して全員で対応している。今年度よりモンテッソーリ園内研修でも個別の子どもの学期毎の計画作成を取り入れ、クラス内で統一した援助方法を明確化した。期毎に会議を行い、年間指導計画を見直し、年度末には全体的な計画等の各種計画の見直しを行っている。

子ども一人ひとりの情報を把握し、職員全員で共有している

園の理念であるモンテッソーリ教育について、保護者会や園だよりで分かりやすく説明している。子どもの情報は児童票、健康診断記録、身体測定表、健康管理登録票、連絡帳等で把握している。併せて、発達経過記録には個人別に発達状況を記録している。指導計画は保育アプリを導入し、各クラス担任が作成しいつでも見られるようにして保育に活用している。職員会議でクラスの様子を報告している。会議に出席しない職員には職員専用連絡アプリを導入して情報を共有しているため、朝夕の合同保育の際にも大きな事故が起きず、安心して過ごしている。


  サブカテゴリー4 サービスの実施
  評価項目1 子ども一人ひとりの発達の状態に応じた保育を行っている 実施状況
  標準項目1 発達の過程や生活環境などにより、子ども一人ひとりの全体的な姿を把握したうえで保育を行っている
  標準項目2 子どもが主体的に周囲の人・もの・ことに興味や関心を持ち、働きかけることができるよう、環境を工夫している
  標準項目3 子ども同士が年齢や文化・習慣の違いなどを認め合い、互いを尊重する心が育つよう配慮している
  標準項目4 特別な配慮が必要な子ども(障害のある子どもを含む)の保育にあたっては、他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう援助している
  標準項目5 発達の過程で生じる子ども同士のトラブル(けんか・かみつき等)に対し、子どもの気持ちを尊重した対応をしている
  標準項目6 【5歳児の定員を設けている保育所のみ】 小学校教育への円滑な接続に向け、小学校と連携を図っている -
講評
職員の姿を見て育つ子どもに人的環境を大切に、穏やかな室内環境を整えている

一人ひとりの子どもの成長発達を観察し把握して発達経過記録を作成し、日常の対話や面談、保育アプリ等から保護者と連携して子どもの生活環境を把握し保育に活かしている。玩具や教具は子どもの手が届く棚に整然と置き、どこに何があるか分かり、子どもに安心感を与えている。モンテッソーリ教育の考えを基に保育室内は子どもに不要な刺激を与えないよう配慮し、職員は清潔感や温かみのある身だしなみで、移動する姿も決して保育の妨げにならず、子どもへの声かけや職員同士の会話は相手のそばに寄り、程よい音声と笑顔で交わしている。

園生活の中で、子どもが主体的・自主的に取り組んでいる

登園後には自主選択活動の時間を設け、一人ひとりが自主的にお仕事を選び年齢毎にテーブル・椅子の配置を工夫し、提供しない遊具・玩具は目に触れないよう布を掛け、集中して取り組める環境を整えている。朝のお仕事は子どもが家庭から園へ生活の場面を切り替える大切な時間となっており、手指の発達を促しあそびの実現や食事、着脱の習得に確実につながっている。

子どもの気持ちに寄り添い、保護者と連携し、子どもの心の成長を丁寧に援助している

朝夕は段階的な合同保育で年齢枠を超えた関わりを持っている。外国籍の家庭も受け入れ、給食では多国籍メニューを取り入れ、英語にも触れている。配慮が必要な子どもは園医や行政に相談し専門機関と連携している。子ども同士の噛みつき・ひっかき等の心の行き違いには園で大切にしているカウンセリングマインドに基づき双方の気持ちを充分に受けとめている。必要に応じて園長、クラス担任、保護者が面談を行い、状況を説明している。

  評価項目2 子どもの生活が安定するよう、子ども一人ひとりの生活のリズムに配慮した保育を行っている 実施状況
  標準項目1 登園時に、家庭での子どもの様子を保護者に確認している
  標準項目2 発達の状態に応じ、食事・排せつなどの基本的な生活習慣の大切さを伝え、身につくよう援助している
  標準項目3 休息(昼寝を含む)の長さや時間帯は子どもの状況に配慮している
  標準項目4 降園時に、その日の子どもの状況を保護者一人ひとりに直接伝えている
講評
家庭保育との連続性に配慮し、登降園時の対話を大切にしている

登園時には一人ひとりに声を掛け、食事、睡眠、排便等健康状態や家庭での様子について聞き取り・観察等を通して確認している。降園時には体調や怪我、嬉しかった事、頑張った事等担任や、当番の時間帯であれば担任から引き継いだ事柄を伝えている。保育アプリの連絡帳を導入し、迎えに来る前に保護者が内容を確認出来るようになっており、日々の活動が分かりやすいと好評を得ている。今後も連絡ノートへの書き方(表現)の研修を続けていきたいと考えている。

保護者と園が連携して基本的生活習慣の基礎の習得に取り組んでいる

家庭と連携して基本的生活習慣の基礎の習得に働きかけている。挨拶等は職員が見本となり、手洗い・2歳児からのうがい・食事は食材に触れる体験を重ね、手掴みを充分にスプーン・フォークを使い自分で食べる事を大切にしている。排泄は1歳児から保護者と連携して個別にスタートし、靴下を脱ぐ、上着を着る等年齢や個々の発達に応じて援助している。関心や状況を見極め、出来たら褒めを繰り返し、楽しみながら経験を重ねている。2歳児は自分で鏡を見ながら髪や鼻水等を確認し、身だしなみを整える大切さに気づけるよう職員が声を掛けている。

子どもの発達段階や状況に応じて身体を休める時間を提供している

午睡は年月齢や前日の睡眠、体調にも配慮しつつ、活動を楽しめるように身体を休める時間としている。入眠時には静かな音楽をかけて心地よいリズムと眠気を誘う柔らかな明かりで環境を整えている。職員はトントン等で眠りに誘い、0歳児は5分、1歳児は10分、2歳児は20分毎の午睡チェックで安全に配慮している。

  評価項目3 日常の保育を通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開されるよう工夫している 実施状況
  標準項目1 子どもの自主性、自発性を尊重し、遊びこめる時間と空間の配慮をしている
  標準項目2 子どもが人と関わる力を養えるよう援助している
  標準項目3 子ども一人ひとりの状況に応じて、言葉に対する感覚を養えるよう配慮している
  標準項目4 子どもが様々な表現を楽しめるようにしている
  標準項目5 子どもの心身の発達が促されるよう、戸外・園外活動(外気浴を含む)を実施している
  標準項目6 生活や遊びを通して、子どもが自分の気持ちを調整する力を育てられるよう、配慮している
講評
園の理念・方針を実現するために一貫した活動を継続している

子どもの活動を「お仕事」と捉え、一人ひとりの自己実現や活動を常に考え準備・誘導している。心理運動の発達段階に応じた教具や活動を一覧にした発達年表を基に一人ひとりの発達状況を見極め、個々の発達過程に合った教具を提供している。0歳児には目と手の協応性や追視のための道具類、1歳児にはスプーンでの移し替えなど3本指の強化のための道具類、型はめ・切る・貼る・紐通しなどの経験、2歳児では雑巾やタオルを絞る・室内を拭く・水を注ぐなどの日常生活の活動、色板などの感覚教具を活用している。

子どもの豊かな発達を視野に入れた多彩な保育実践に取り組んでいる

散歩では地域の方々と自然な挨拶と笑顔を交わし、手繋ぎ歩きにより交通ルールの大切さを学んでいる。正しく美しい日常語に加え、絵本を活用し、豊かな言葉に触れている。また、ピアノに合わせて歌を歌い、楽器演奏や専門講師によるリトミック、クレヨン・絵具・のり・はさみなどを利用した様々な表現活動を楽しんでいる。ひみつ袋は外から触り、「中身は何かな?」と感覚を研ぎ澄まし、指先に集中するワクワク感に溢れた遊びで、子どもや職員に笑顔が溢れている。

生活やあそびを通して健康的な心身の発達を援助している

公園ではかけっこやボール遊びなどで全身を動かし、忍耐力や助け合い、協調性、友だちや職員との絆を育み、また落ち葉を色分けして収集するなど季節を感じている。生活でのやり取りやルールのある遊びを通して職員は相手の気持ちを代弁して伝え、感謝の気持ちを持つ、約束を守ることなどを習慣にする、「お友だちが待っているからそろそろ貸してあげようね」など思いやりが育つよう言葉かけをしている。教具や玩具、手洗い、トイレなど、譲る、順番を待つ、友だち同士で誘う、謝る、など、折り合いのつけ方や心の調節などを経験している。

  評価項目4 日常の保育に変化と潤いを持たせるよう、行事等を実施している 実施状況
  標準項目1 行事等の実施にあたり、子どもが興味や関心を持ち、自ら進んで取り組めるよう工夫している
  標準項目2 みんなで協力し、やり遂げることの喜びを味わえるような行事等を実施している
  標準項目3 子どもが意欲的に行事等に取り組めるよう、行事等の準備・実施にあたり、保護者の理解や協力を得るための工夫をしている
講評
行事が園生活に自然に取り入れられ、楽しく積極的に参加している

子どもが興味や関心を示し、楽しく積極的に参加する年間行事に取り組んでいる。行事前には絵本や行事歌、成長に合った製作を準備して行事に向けて子どものワクワク感や期待を膨らませ、謂れや由来等も伝えている。子どもの日や七夕、ハロウィン、クリスマス、お正月、節分、ひな祭り等には行事食も楽しんでいる。1、2歳児クラスではクッキングやゲーム、植物栽培、金魚やメダカ、かぶと虫、ザリガニ、バッタ等の昆虫のお世話等、クラス全員が参加して達成感を味わえる機会を多くしている。

保護者に園行事を理解していただき、職員と共に子どもの育ちを喜んでいる

行事の日程は園だよりで伝えており、保護者に前学期までには日程を知らせている。季節行事は送迎時や連絡ノートを通じてクラスでの取り組みや、散歩で見かける飾りや、街や公園の風景の変化を日々楽しんで観察して過ごしてることを伝えたり、様子を写真で伝えている。準備が必要なものは早めにお願いしている。クリスマス会では、2歳児クラスの子どもたちが毎日歌ってきた歌を1歳児に披露し、その姿をオンラインで保護者に配信し好評を得ている。今後も子どもたちが自然な形で行事を経験できるように、計画を立てていこうと考えている。

  評価項目5 保育時間の長い子どもが落ち着いて過ごせるような配慮をしている 実施状況
  標準項目1 保育時間の長い子どもが安心し、くつろげる環境になるよう配慮をしている
  標準項目2 保育時間が長くなる中で、保育形態の変化がある場合でも、子どもが楽しく過ごせるよう配慮をしている
講評
長時間保育の子どもの心身の状態に配慮し、適切な環境を整えている

長時間保育年間計画を立て、期ごとにねらい、子どもの姿、配慮事項、家庭との連携等、必要な対応方法を定めている。その上で、人的環境に合わせて物的環境の大切さを重視し、特に保育室内の整理整頓・教具や用具は美しく、子どもたちにとっても使い易く配置し、、花や緑を飾って魅力的な室内作りを心がけている。モンテッソーリ教育の教具棚で仕切り、子どもが怪我なく集中して活動が出来るよう、効果的に配置している。合同保育では保育者の得意とする分野(ピアノ、美術指導、紙芝居等)を活かして、子どもの好奇心を育てる工夫をしている。

メリハリある保育形態を工夫して長時間保育を行っている

早朝、夕方以降は3学年での合同保育となるため、低年齢児にストレスがかからないよう0歳児は小グループで保育を行っている。0歳児はクラスで慣れ親しんでいる玩具を用意し、1,2歳児は少人数で使える積み木やミニカー、絵本など、日中は用いない玩具を用意して特別感のあるお楽しみの時間になっている。夕方は子どもが落ち着いて保護者を待てる時間と環境に配慮し、抱っこやおんぶなど、出来る限りスキンシップを多くし、少し疲れた子どもはゆっくり休める環境を用意し、空腹は淋しさを感じることから補食を提供している。

  評価項目6 子どもが楽しく安心して食べることができる食事を提供している 実施状況
  標準項目1 子どもが楽しく、落ち着いて食事をとれるような雰囲気作りに配慮している
  標準項目2 メニューや味付けなどに工夫を凝らしている
  標準項目3 子どもの体調(食物アレルギーを含む)や文化の違いに応じた食事を提供している                                                                                        
  標準項目4 食についての関心を深めるための取り組み(食材の栽培や子どもの調理活動等)を行っている
講評
栄養バランスや味付け、季節感に配慮した食事を提供している

日常的に子どもが食材に触れ、楽しみながら食の大切さを実感できるよう取り組んでいる。多忙な保護者支援のため、ビタミン・ミネラルに富んだバランスの良い食事を提供出来るよう栄養士が「まめ・ごま・わかめ・やさい・さかな・しいたけ・いも」を取り入れた献立を作成し、旬を意識して季節を感じ、出しを利かせた薄味で、香り、彩り、テクスチャー等五感への刺激を十二分に発揮した調理を心がけ、調理中の匂いが調理室から子どもに届られる環境がある。午前の活動で身体を動かし、お腹を空かせての給食提供は、食の大切さを伝えている。

寛いだ雰囲気で健康で安心な食を楽しめるよう取り組んでいる

静かな雰囲気の中で快適に食事が出来るよう、お話や歌で落ち着ける工夫をしたり、花を飾ってテーブルセッティングをしたり、どんな食材か、どんな献立かなどを話をして楽しい食事になるようにしている。菱餅に見立てた三食ゼリーなど、行事食を楽しんでいる。食物アレルギーには保育士と調理員が確認用ボードで確認し除去食を提供している。可能な限り他の子どもと同じ物を食べられるよう工夫している。その日の子どもの体調を保護者から伺い、形状など栄養士と相談の上、個別に対応している。栄養士は食事中に子どもの様子を観察している。

様々な経験を通して食の大切さを理解できるよう取り組んでいる

2歳児は秋から毎日3人が当番を担い、配膳をすることで人の役に立つ実感や喜びを味わっている。本物の野菜や果物を見る、白菜ちぎり、おにぎり・梅ジュース・うどん作り、絵本からのおやつ作り、ケーキには苺やクリームをトッピング、ぶどう・りんごの食べ比べ、観察→手で触れ感触を確認→食べるの一連の流れで様々な食材に触れる体験を重ねている。「何歳だからここまで」と決めず、興味に応じて参加できる機会を提供している。2歳児クラスのクッキングや0歳児には調理スタッフが介助をし、子どもの発達状態を見ながら調理の工夫をしている。

  評価項目7 子どもが心身の健康を維持できるよう援助している 実施状況
  標準項目1 子どもが自分の健康や安全に関心を持ち、病気やけがを予防・防止できるように援助している
  標準項目2 医療的なケアが必要な子どもに、専門機関等との連携に基づく対応をしている
  標準項目3 保護者と連携をとって、子ども一人ひとりの健康維持に向けた取り組み(乳幼児突然死症候群の予防を含む)を行っている
  標準項目4 子どもの入退所により環境に変化がある場合には、入所している子どもの不安やストレスが軽減されるよう配慮している
講評
子ども自身が安全な生活を身をもって理解し、快適な生活の継続に繋げている

年間保健計画に基づき子ども自身が危険に気づき安全に生活できる力が身につくよう援助している。お仕事で使うはさみや針などの道具の正しい扱いや手洗い・クッキングでの包丁の扱いなどを丁寧に伝え、絵本を通して怪我や病気について学んでいる。散歩中は歩道でのマナーや飛び出しの危険を伝えている。保育室は温度・湿度の管理や換気に配慮し、空気除菌脱臭機や除菌ボックスを導入し、感染症予防に効果を上げている。足触りの良い柔らかな素材を利用し、突起物にはクッション材を施し、毎日の清掃や玩具の消毒を実施して安全な環境を提供している。

健康的な日常生活を支えるため専門機関と連携を図っている

子どもの健康を意識し、嘱託医による内科健診を0歳児は月1回、1、2歳児は年2回実施し、毎月の身長・体重を測定し保護者と共有している。嘱託医のアドバイスにより予防接種の進捗状況を把握するため「健康連絡カード」を作成し、保護者に記入の協力を依頼している。必要に応じて処方薬を預かり、医療的ケアは必要な子どもには嘱託医と連携を取る体制を整えている。子どもの病気や健康に関する情報は園だよりで伝えたりポスター掲示している。行政・保健所からの最新情報や園内での感染状況は保育アプリで速やかに知らせている。

日々の子どもの体調を把握し、子どもの環境変化に対応している

子どもの毎日の健康管理は体温と食事量、睡眠、排便等をチェックし、保護者に伝えている。健康に関する戸惑いや疑問には登降園時の対話を基本に対応している。午睡時には0歳児5分、1歳児10分、2歳児20分毎に呼吸などを確認している。新しい子どもを迎えた場合は在園児の甘えたい気持ちを汲み取り、我慢させず充分なスキンシップ等で寄り添い、在園児の気持ちに配慮している。

  評価項目8 保護者が安心して子育てをすることができるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 保護者には、子育てや就労等の個々の事情に配慮して支援を行っている
  標準項目2 保護者同士が交流できる機会を設けている
  標準項目3 保護者と職員の信頼関係が深まるような取り組みをしている
  標準項目4 子どもの発達や育児などについて、保護者との共通認識を得る取り組みを行っている
  標準項目5 保護者の養育力向上のため、園の保育の活動への参加を促している
講評
就労や家庭状況等保護者の様々な事情を把握して安心な家庭保育を支援している

入園時には保護者の就労や家庭の状況を丁寧に確認し、保育時間を決めている。急な残業などの事情で遅くなる場合にはメールでの申し出により随時受け入れている。保育アプリの導入により、連絡帳に写真を添付できるようになり、子どもの活動の姿を写真を通して見ることが出来るようになった。保護者は迎時前に連絡帳の内容の確認が可能となり、予めその日の活動や様子を知ることが出来るため、職員とのコミュニケーションを短時間で効率よく行えている。園長を中心にカウンセリングマインドを持って「人」に接しており、保護者の安心につながっている。

保護者と園が互いに関わり、信頼関係が築ける取り組みを実践している

子どもの日常生活の様子やお仕事に取り組む姿を写真に収め、フォトギャラリー展を開催している。写真は単なる記録ではなく一人ひとりの子どもが生き生きと今にも動き出しそうな現実味をおび、園の保育そのものを表している。また、今年度は保護者会を動画で配信した。子どもの成長や職員が日頃学び実践しているモンテッソーリ教育の理論について発表し、保護者が子どもの成長を実感したり成長の見通しを持てたりと安心につながっている。園での取り組みの意味、子どもがどんな能力を獲得し伸ばして自立していくのかを、具体的に説明している。

保護者が子どもの育ちを理解し、安心して子育てできるよう支援している

コロナ禍において、登園自粛の要請があった際には一人ひとりの保護者に連絡を取り、家庭での子育ての悩みを伺い必要に応じたアドバイスを行った。併せて、モンテッソーリ教育のお仕事に使う教材やお便りを各家庭に送って家庭保育を支援し、保護者からは家庭での生活に役だったと好評を得た。

  評価項目9 地域との連携のもとに子どもの生活の幅を広げるための取り組みを行っている 実施状況
  標準項目1 地域資源を活用し、子どもが多様な体験や交流ができるような機会を確保している
  標準項目2 園の行事に地域の人の参加を呼び掛けたり、地域の行事に参加する等、子どもが職員以外の人と交流できる機会を確保している
講評
地域資源を活用しながら、子どもたちが日常的に様々な体験や交流をしている

天気の良い日は散歩に出かけ、近隣の商店街を通る時には挨拶をしたり店先の果物を見せてもらうなど、地域の方との心の交流がある。神社ではマナーを守ってお参りし、地域の公園では馬に触れる、モルモットを抱っこするなど体験している。ハロウィンパレードでは八百屋・花屋・ペットショップ等に立ち寄り交流し、クッキング材料の買い出しのためスーパーや八百屋で買い物を体験している。シルバー人材の方には園の掃除や行事に参加していただいており、今年度はサンタクロースに扮して子どもたちにプレゼントを手渡していただいた。


  サブカテゴリー5 プライバシーの保護等個人の尊厳の尊重
  評価項目1 子どものプライバシー保護を徹底している 実施状況
  標準項目1 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目2 子どもの羞恥心に配慮した保育を行っている
  評価項目2 サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、子どもの意思を尊重している 実施状況
  標準項目1 日常の保育の中で子ども一人ひとりを尊重している
  標準項目2 子どもと保護者の価値観や生活習慣に配慮した保育を行っている
  標準項目3 虐待防止や育児困難家庭への支援に向けて、職員の勉強会・研修会を実施し理解を深めている
講評
個人情報や羞恥心に配慮した支援が出来るよう環境を整えている

子どもに関する情報を外部とやり取りする必要がある場合は必ず保護者の同意を得ている。保育アプリの導入や保護者会の動画配信、フォトギャラリー展の開催に伴い、園での様子が外部の方々に触れる可能性がある旨を記載した同意書を作成している。プール遊びは外から見えないバルコニーで行っている。子ども用トイレの扉にはシートを貼付して外からの視線を遮り、トイレの失敗には「大丈夫よ」と安心できる声掛けをしてさり気ない着替えを支援し、着替えは上下分けて行い肌の露出を少なくしている。子どもへの注意は他児から離れた場所で行っている。

日常の関わりの中で「子ども一人ひとりを尊重」という姿勢を実践している

個別の発達経過記録や個人の指導計画等では一人ひとりの保育への配慮を明確にしている。日常の園生活でも「子どもが自分で出来るように環境を整える」ことを全職員が共有し、一人ひとりの自立を援助するという理念を実践している。子どもに対する理解と明確な意図に裏付けられた一つひとつの生活場面、それらで構成される一日の生活、その中での物や人との関わりの積み重ねを通して、子どもは「自分でやる」「一人でやる」意思と能力を伸ばしている。

子どもの人格を尊重し、子どもたちが家庭や園で大切にされていると実感している

子どもの尊厳を大切に、子どもへの声掛けに配慮しており、常に複数の職員が同じスペースで保育にあたっており、互いにポジティブな声掛けになるよう見守っている。子どもの表情や仕草等小さなサインを見逃さず、保護者の子育ての不安や気がかりについても傾聴して育児困難や虐待防止への支援を実施している。虐待防止について全職員が学び知識向上に努め、早期発見出来るよう一人ひとりを把握している。子どもへの声掛けに配慮しており、職員は子どもの気持ちを傷つける不適切な言動はせず、正しく美しい日本語で優しく語り掛けている。


  サブカテゴリー6 事業所業務の標準化
  評価項目1 手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  標準項目2 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
  標準項目3 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
  評価項目2 サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  標準項目2 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や保護者等からの意見や提案、子どもの様子を反映するようにしている
講評
高い水準を維持していくための不断の取り組みを行っている

園長による面接のほか、日常的にも相談できる体制にある。リーダーなどによる的確な声かけや指導方法の助言などに加え、保育の実際の様子を講師が観察し、クラス運営のより良いあり方などについて振り返る機会を設けている。高い水準を維持していくべく、不断に取り組んでいる。これらの取り組みは、技術レベルにとどまらず、子どもを内面から理解し、発達や姿に対する観察眼を養い、日々の保育のあり方を自己反省するなど、職員一人ひとりの内面に働きかける有効なものとなっている。

職員の経験や習熟度などを踏まえて各自の成長を支援している

モンテッソーリ教育の講師の協力を得て、保育・教育の専門性の一層の浸透・深化を図るべく、園内研修を充実させている。園の保育・教育方針を深く理解し、保育実践につなげていくための独自の研修を実施している。