東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

当園は宗教法人最勝寺により地域・社会のために開園され、仏教の教えに基づいた保育運営がなされている。保護者に配布する入園のしおりにおいて、事業の目的、法人理念、運営方針、保育目標「おやくそく」を示している。心の保育である仏教保育を行い、調和のとれた人間形成と豊かな心の育成に努めている。また、保育の月ごとのねらいを定め、職員会議において園長が説明を行い理解を深めている。保護者に対しては、年度当初の懇談会において説明をしている。

組織として、園長の下に主任、5名の保育士リーダーを置いている。毎月、職員会議を開催し、翌月の予定の確認、行事の計画・反省、クラスや子どもの様子の情報共有、期毎の振り返りなどを行っている。職員会議の開催に当たっては、報告内容は事前に配付し、話し合いの時間を多く持てるように配慮している。職員会議前には、フロア会議で職員の意見を収集し、リーダー会議を通して、保育の質の向上など改善点を検討する体制となっている。

重要な案件を決定する際には職員会議にて問題を提起し、そこで検討をしたうえで園長が決定する。修理や工事などの事項は園長が決定し、職員にも周知して安全に努めている。重要な決定事項は、保護者に対しては、ICT（情報通信技術）のシステムによるメール配信・掲示物や父母会の総会などを通じて伝達している。父母会の総会は年度始・年度末の2回開催され、園長・主任が参加して意見交換を行っている。

定期的に福祉サービス第三者評価に取り組み、保護者の意向を把握している。そのほか、作品展や運動会などの行事の後にはアンケートを実施し、保護者の感想や意見を次回の企画に活かしている。保護者からの質問に対して、皆さんに知らせたほうがよい回答を掲示板に掲示している。今回の利用者調査結果も職員間で内容を伝え活用していきたいと考えている。地域の福祉ニーズは、近隣町会への働きかけにより把握し、園長会や行政・所属する協会などとの連携により、業界の動向などを収集し検討している。

工事や修繕に関する計画は、園長が検討し、園を運営する法人においても相談している。年度単位の事業計画書は、主として行政への提出用に作成しており、職員への配布などは行っていない。翌年度の事業計画は、年度末に当年度の反省を踏まえて策定していく。設備の改善として、今年度は別棟倉庫の建て替えに伴い、バリアフリー化やオストメイト対応のトイレの設置などを行った。今年度は、業務のICT化に取り組み、システムを導入している。来年度には、園の情報提供のために公式ホームページの開設し、園をPRしていく。

行事などの計画は、子どもの状況に合わせて参加する年齢を検討している。行事の担当者、会議の進行・記録者、各係などの役割分担を年度当初に明確にし、責任を持たせて実行に取り組んでいる。役割分担は話し合いで決定している。また、年度の計画は予算との連動を図っている。期毎に各クラスや担当部門の反省を職員会議で行い、次期の計画に反映している。予算の執行状況は、会計事務所と連携して随時経営層が把握している。

職員が守るべき規範や倫理は、就業規則に服務規律の章を設けて明示している。同章では、パソコンに関する遵守事項や携帯電話に関する遵守事項、機密情報管理など詳細に示している。新規職員に対して説明をするほか、リーダー的な職員が日頃から指導を行っている。職員の指示的な子どもへの声かけなどは、その都度園長から確認し指導している。虐待対応については、リーダー会で確認し、園長・主任で対応する体制を整え、関係機関との連携を取っている。

苦情解決の仕組みを整備し、入園のしおりに明示し、園内に掲示するほか父母会を通じて周知をしている。苦情解決のための第三者委員を2名の方に委嘱し、住所や電話番号を園内に掲示して周知している。意見箱を父母の会により設置している。経営層は年2回開催される父母会の総会に出席し、保護者からの意見や要望を把握するとともに、協議をしている。日ごろから保護者とのコミュニケーションを図り、苦情となる前に対応できるように信頼関係を築いている。

盆踊りやバザーなどの行事に地域や近隣の方々に参加してもらい、園の様子を知ってもらっている。小学校6年生までの卒園生にも参加を呼び掛けている。また、2ヶ所の高齢者施設のお年寄りを訪問し、交流を深めている。地域の子育て家庭を対象に園庭開放を実施している。以上については、感染症の状況により休止とし、終息後に再開する。地域の方からの育児相談にも随時対応している。小・中学生の職場体験や実習生の受け入れについては主任が受け入れの窓口となり、事前のオリエンテーションにて留意事項などを伝えている。

感染症予防マニュアルを作成し対策を徹底しており、新型コロナウィルス感染症についても予防対策を講じている。今年度は、空気清浄機・玩具の消毒のための殺菌庫を各保育室に設定している。火災と地震に対する避難訓練を、毎月それぞれ別に実施している。「大地震に備えて」という冊子を作成し、保護者に配布している。園内にAEDを設置し、職員は救命救急の研修を受けている。発生した事故に対しては、職員会議にて現状報告と共に再発防止策を徹底し、ヒヤリハット事例の収集も行っている。園児対象の警察署や企業による交通安全教室を行っている。

防犯対策としては、年1回の警察協力による不審者対応の訓練・セキュリティカードの導入・防犯カメラの設置を行っている。倉庫を建替え、非常時に備え備蓄や調理器具などを収納している。事業継続計画については作成の手順など情報を収集しており、計画の着手が待たれる。情報の管理については、児童票など機密性の高い書類は、所定の場所に施錠管理している。一般の書類は事務室にて整理・保管し、その後、年度が終了したものは倉庫にて保管している。導入しているICTのシステムでは、アクセス権限を設定し情報を管理している。

保護者には、個人情報の取り扱いについて書面で明示している。入園時に説明して同意を確認し、署名をもらっている。職員については、守秘義務について職員会議などにおいて機会を設けて説明している。今後、ボランティアの受け入れを行うこともあるため、口頭による配慮事項の説明に加えて、書面でも確認できるよう体制のさらなる規程・体制の整備が期待される。

人事制度に関する方針は就業規則などに明示している。新規職員の採用にあたっては、ハローワークや学校などから公募し、有資格者を採用している。採用は、園長、主任による面接で決定している。歴史のある園のため、卒園児から保育実習を経て採用するケースもある。翌年のクラス配置は、事前に希望を把握し、それを踏まえて経営層が経験やバランスなども考慮して決定し、2月中に発表する。その後3月中に引き継ぎを行い、翌年に向けての指導計画を策定していく。例年、退職者がほとんど出ないため、厚めの職員配置ができている。

職員には、子ども一人ひとりを大切にし、心豊かな温かい保育を目指してほしいとしている。人材の育成については、面談を通して職員の意向を把握し、研修参加を通して行っている。外部研修は、研修の案内を決められた場所に置き、園からの指示はあまり出さず、自主的な参加を促し、年に2回程度は参加させたいと考えている。研修参加後は、報告書を提出させ、年に数回発表の機会を設け知識の共有を図っている。研修報告書のファイルの置き場所を決め、いつでも閲覧できるようにしている。園内研修では、AEDの使用方法や感染症の対応など学んでいる。

人事考課や、評価と報酬が連動する人材マネジメントは導入していない。就業状況の改善に関しては、休暇の取得状況について担当の職員が確認して休暇の消化を促している。リーダー層の職員からも声掛けを行い、園長の方針もありほぼ有給休暇の消化はできていると認識している。経営層と職員との個別の面談を行うようにして、職員の意向を把握している。リーダー会議だけではなく、職員層が厚く、チーム力により日頃の気づきや工夫から職員の意見が採用され、行事の立案や業務の改善に活かされている。

ホームページは4月に開設を予定している。園の基本情報や取り組みについては、しおりを作成して明示している。しおりは入園が決定した保護者向けのものと、見学者用に抜粋してまとめたものがある。また、行事や園での活動の様子を写真におさめ、入園を希望する保護者が見学に来園した際の説明に使用している。口頭での説明だけでなく、実際に写真で様子を見てもらうことで、園での様子や状況を把握しやすくしている。入園時の様子だけでなく成長した先の様子も見てもらい、保護者が先の見通しをつけることができている。

行政への情報の提供として、年間の運営の報告や区の保育園案内作成の協力などを行っている。園の情報は毎年伝えて更新している。区のホームページでも園の基本情報や空き情報を得ることができる。定期的に行われている区の園長会に行政の関係者が参加することもあり、その際に待機児についてなど様々な意見交換を行っている。

保護者からの問い合わせや見学の要望があった際には、主任保育士が対応している。事前に連絡を受け、見学日を設定する。例年は事前連絡がない場合にも、園での活動に影響のない日であれば受け付けている。見学の対応には、見学者用の入園案内を配布して説明をしている。園の概要や特色、年間の予定、保育園の1日などを中心に説明している。今年度は感染症対策のために、園内の見学は控えてもらっている。テレビ画面に行事の写真などを映して見てもらうようにしている。

例年は、保育を開始する際には、事前に説明会、健康診断、面接を行っている。園生活を始めるにあたり、基本的なルールや重要事項をしおりを利用しながら説明している。園全体の説明を行い、その後クラス毎に説明を行う。説明は副園長や主任保育士などが行うのに加え、クラスの担任がクラスでのより詳細な内容について説明をしている。また一方的な説明とならないよう保護者の話しに耳を傾けるよう心がけ、保育内容について保護者が納得できているかを確認するようにしている。今年度は感染症対策のため、個人での面談のみとして実施している。

入園が決定した保護者には、家庭の状況などについて記入してもらうために事前に書類を配布している。家族の情報や子どもの食事、排泄、要求表現などを確認している。その書類をもとに面接を行い、より細かい内容と保護者の意向について把握している。確認した様々な情報は、まとめてクラスごとに保管している。保護者への説明や面接では、状況に合わせた対応を取るように配慮している。

事前の面接で把握した情報をもとに保育を開始している。園の利用前の生活を踏まえて慣らし保育を実施している。1週間～10日程度を目安として、子ども一人ひとりに応じた期間で行っている。食事がしっかり摂れるか，昼寝の時間に落ち着いて休むことができるかなど、子どもの様子観察に努めている。保護者にも様子を細かく説明し話し合ったうえで通常の保育時間に移行する日を決めている。転園などの際には、要望に応じて面接を行っている。希望があれば園での子どもの様子を書類で提供することもあり、継続性のある支援に努めている。

子どもの心身の状況や生活の様子については、家庭との連絡帳、日誌、児童票などに記録している。連絡帳は0・1・2歳児が使用している。ICT（情報通信技術）のシステムを使って配信をしており、毎日保護者とやり取りをして、子どもの様子を確認している。保育日誌もシステムを使用してデータで管理しており、それぞれのクラスごとに記録している。児童票は紙ベースで作成しており、年齢ごとに定期的に発達の経過をまとめることで、入園時からの発達の推移がわかるようにしている。

各種計画については、ICTのシステムを使用して作成している。全体的な計画をもとに、年間、月、週ごとに各種指導計画を作成している。0・1・2歳児については、毎月個別にカリキュラムを立てている。年間を4期に分け、職員会議において各クラスごとにまとめて各期ごとの反省や翌期の計画の策定などの話し合いを行う。各クラスにおいて週に1度は保育内容の話し合いをそれぞれ行っている。また、仏教保育としての年間や月ごとの目標やねらいを定めている。

園全体の子どもの様子については、職員会議で全体に周知をしている。各クラスから子どもの様子や家庭の状況を報告している。その日の予定や子どもや保護者への対応で注意すべき点などは、朝礼で情報を伝えている。そのほかにICTのシステムや伝達ノートなどを活用し、職員間で引き継ぎを行っている。

子ども一人ひとりの発達過程や生活状況などは、児童票・日誌・連絡帳等に記録し把握している。クラスでの話し合いやフロア会議等で子ども様子や保育内容を共有し、その中から課題を明確にして指導計画を作成している。5歳児については、保育要録や就学支援シートを作成して小学校へ情報を引き継ぎ連携を図っている。また、巡回指導の職員から就学に向けたアドバイスや小学校の情報を聞き、保護者に情報提供している。例年は5歳児が小学校を訪問する機会を設けるなど、相互に交流して就学に向けた準備を行っている。

異年齢で関わることの楽しさを毎日の生活のなかで体験できるよう保育を行っている。園庭遊びや散歩で異年齢の関わりがあるほか、4・5歳児は集会やサッカー・体操などを一緒に行い、年齢を超えて集団で取り組むことの楽しさを体験している。年度後半には、2歳児と3歳児は一緒に行動することが多くなり、室内運動なども一緒に行っている。活動内容に合わせて保育室の使い方を変化させている。今年度は感染症予防のため、食事や活動は基本的にクラスごとの実施としている。

障がいのある子どもなど特別な配慮が必要な子どもの保育については、保護者との連携を密にして、医療機関や療育センター、区の巡回指導などの助言を受けながら援助している。必要に応じて職員を配置し、個別のカリキュラムを作成する。子ども同士のトラブルは、危険のないように仲裁に入っている。それぞれの気持ちを汲み取り、子どもの気持ちを尊重するように心掛けて対応している。取り合いやかみつきなどについては、発達の過程で見られる行為であることを子育ての情報として、あらかじめ保護者に伝えている。

登園時は出勤前で忙しい保護者もいるため、短時間で子どもの状況や連絡事項を確認できるように配慮している。自宅での様子や気になることなど、口頭での伝達以外に連絡帳を使用して情報を共有している。連絡帳は今年度12月よりICTのシステムを使用している。0・1・2歳は毎日、園と家庭での子どもの様子を記録する。3歳児以上も必要に応じて保護者との連絡や共有に活用している。各クラスの活動内容や様子もICTのシステムを使い配信している。お迎え時にはできるだけ個別の様子を保護者に伝えるよう努めている。

食事や排泄等の基本的な生活習慣については、月齢・年齢ごとに目標を立てて取り組んでいる。家庭での様子も参考にしながら、個々の発達に合わせて無理なく身に付くよう援助している。毎月発行している園だより・クラスだより、懇談会、個人面談などで、年齢ごとの発達の目安や身につけたい習慣、園での取り組みの状況などを保護者に伝え、連携して取り組めるよう働きかけている。

子どもが無理なく1日を過ごせるよう、休息（午睡）の時間を設けている。乳児は昼食後、速やかに午睡の時間に入っており、家庭での過ごし方や体調に配慮して対応している。体力がついてきた幼児は、午睡前に短い時間ではあるが園庭にて自由に体を動かす時間を設けている。5歳児は、就学に備えて2月頃から午睡の時間を無くしていき、生活リズムを整えるようにしている。入眠時間・起床時間をICTのシステムに入力しており、園での睡眠状況を保護者も確認できるようにしている。

全体的な計画に沿った年間指導計画が作られ、日々の保育内容は計画を反映したものとしている。仏教保育を行い、調和のとれた人間形成と豊かな心の育成を目指している。毎週月曜日に4・5歳児が3階のホールで朝の集会を行い、仏教を基としたわかりやすい話を子どもにしている。毎月1回実施の「がまん会」では話を聞くことを重視し、1年間をかけて正座する時間を5分から45分まで延ばしている。例年、5歳児は年に1回築地本願寺まで公共交通機関を使って行き、社会経験をしている。

年齢ごとの発達に応じて、歌や楽器、製作などの表現活動を取り入れている。運動会や発表会、音楽会で日頃の成果を披露したり、作品展に作品を展示している。4・5歳児は週2回の外部講師によるサッカーと体操の指導を行っている。サッカーの指導では、基礎体力作りから試合ができるまで計画的に指導している。また、鍵盤ハーモニカや文字や数の練習も保育に取り入れ、子どもの主体性や表現力を大事にしながら、様々な経験を通して成長することができるようにしている。今年度の発表会では感染症に配慮して歌の代わりに手話を使った表現に取り組んだ。

子どもが好きな遊びを選んで自由な発想で遊び込めるように、自由遊びの時間を確保し、子どもの自主性・自発性を養っている。隣接する公園や園庭も利用し十分に体を動かして遊ぶことができるように、外遊びの時間も多く設定している。園庭の砂場周りにベンチと道具棚を設置するなど、遊びに集中できる環境を整備している。雨の日以外は毎日散歩に出かけ、園児が自然に触れる機会を持つようにしている。夏には水遊びを楽しみ、5歳児は水泳教室にも参加している。園外での活動として、親子遠足、芋掘りなどを行っている。

行事は、子どもの成長に合わせて興味を持っている事柄を取り入れて進めるようにしている。毎月行う誕生会は、誕生月の子ども一人ひとりを紹介して、パネルシアター（パネルを使った貼り絵のお芝居）やみんなで楽しめるようにゲームなどを行い、園全体でお祝いするようにしている。（今年度は感染症予防のためフロアやクラスごとで実施）年間を通して、花まつり、おすもう大会、作品展、運動会、お芋掘り、発表会、お餅つき、豆まき、音楽会など各種行事を開催し、子どもたちが楽しみながら意欲的に関わることができるように取り組んでいる。

運動会や発表会、音楽会などは、日頃の取り組みの成果を披露する場となっている。運動会では、体操指導で取り組んだ成果を発表し、発表会では劇やお遊戯などにそれぞれのクラスが取り組んでいる。やりたい内容や劇の配役等は、子どもたちの意見も参考にしながら決定している。音楽会の発表では、楽器を選ぶことなどから子どもたちが関わり、歌、手遊び、合奏などに取り組んでいる。発表の機会を設けることで、みんなで協力して取り組む機会を作り、子どもの意見や発想を取り入れながら実施している。

保護者が園行事に参加しやすくするため、日時を入れた年間行事予定表をあらかじめ配布している。保護者の参加する親子遠足、運動会、発表会などの行事予定は、できるだけ変更がないように配慮している。保護者に行事や活動に関心を寄せてもらえるように、子どもの練習の様子などを伝えるようにしている。行事終了後はアンケートを実施して翌年の改善につなげており、保護者の意向を考慮するよう努めている。今年度はクラスごとの実施にして保護者の人数制限を設けるなど、感染症対策をしながら取り組んでいる。

保育室は全室南向きで採光がよく明るい。1階に小ホール、3階には広いホールとテラスがあり、食事や活動、集会、行事などで活用している。全保育室と小ホールには床暖房を整備している。また、各部屋に空気清浄機、加湿器を設置している。定期的に室内や共用部分の清掃、玩具等の消毒を行い清潔を保っている。今年度は玩具の除菌ボックスを各クラスに設置したり、玩具を増やして入れ替えをこまめに行うなど、感染症予防の強化を図っている。

室内にはコーナーを設置して、子どもが集中して遊ぶことができるように工夫している。1歳児は人数が多いため、2クラスに分けて保育を実施している。早朝・夕方保育、延長の保育は、異年齢の子どもが一緒に過ごしている。子どもの年齢や様子に合わせた玩具を用意したり、子どもの体調に合わせ、身体を休めるなど、落ち着いて過ごせるように配慮している。子どもや保護者の安心につながるよう、当番の時間帯の職員配置にも配慮している。子どもの様子や保護者への伝達事項は、伝達ノート等を使用して職員間で引き継いでいる。

給食で使用する食材は安全なものを使用している。旬の物を取り入れて季節感を出し、味付けは薄味を基本として提供する。メニューは区の献立を参考にし、2週間のサイクルメニューで提供している。季節の行事の際には、行事食を取り入れて子どもが食を楽しむことができるようにしている。食育活動として、プランターでミニトマト・なす・ピーマン・ゴーヤなどの野菜の栽培・収穫を行っている。秋にはさつまいも堀りを体験し、焼き芋パーティーをする。その他、カレー作りやパン作りなどのクッキングを取り入れ、食への興味や関心を深めている。

食物アレルギーについては医師の指示書をもとに、除去食で対応している。除去する食材がわかるように、献立表にマーカーで印を付けることで、明確にしている。保護者とも内容を確認している。他児の食事と間違えることのないよう、名前が貼られた専用のトレイを使用して区別して配膳している。朝礼時に栄養士からその日の除去食の有無を職員に伝えるとともに、食事を渡す際にチェック表を用いて給食室と担任で確認をしている。他の子どもとテーブルやふきんを分け、安全に食事できるよう配慮している。

家庭的な雰囲気を重視し、4・5歳児は給食室が見える小ホールで食事をしている。小ホールは「みのりレストラン」と名付け、円形のテーブルでお互いの顔を見ながら、楽しく食事ができるように工夫している。調理室の職員や担任も一緒に食事をしている。離乳食は入園時に確認を行い、保護者の意向や要望も踏まえて、子ども一人ひとりの発達に合わせた食形態や量を調整して提供している。離乳食担当の給食職員が実際の食事の様子を見ながら進めている。

園庭の遊具を使用する際の注意事項、道具の使用方法など、日々の保育の中で指導している。また、毎月の避難訓練や防犯訓練で身の回りの危険について知らせ、身を守れるように取り組んでいる。例年は警察による交通安全教室もあるが今年度は中止となったため、保育の中で年長児が小学校までの道を歩き交通ルールを学ぶ機会を設けた。感染症予防に向けて、外遊び後や食前・食後、トイレ使用後などの手洗いを徹底している。例年、歯磨きは4歳児から行い、0・1・2・3歳児は食後うがいをしている。（現在は感染症対策として中止。）

定期健診、歯科検診、毎月の身体測定などを実施し、一人ひとりの子どもの健康状態を記録して把握している。健診や身体測定の結果は保護者にも伝えている。発熱時の対応や汚れ物の取り扱い、緊急時の対応方法等は入園のしおりに記載し、保護者の理解・協力を得るようにしている。基本的に園での薬の預かりはしていない。与薬が必要な場合は、医師の指示書を提出してもらい看護師が対応している。園内にAED（自動体外式除細動器）を設置し、職員は救急救命講習を受けている。

日々の保健に関する情報や注意事項などは、掲示や毎月発行している園だよりなどで各家庭へ情報提供している。乳幼児突然死症候群（ＳＩＤＳ）予防のため、睡眠時に体勢、呼吸、顔色、咳などを0歳児は5分ごと、1・2歳児は10分ごとに確認して、ICTのシステムに記録している。感染症が発生した場合には、おたよりを配布・掲示をするなどして、保護者に注意を促している。新型コロナウィルス感染症に関する情報は、都度メール配信で状況を伝えている。

延長保育を18時30分から19時30分として実施している。保護者の事情による急な保育時間の延長には、開園時間内でできる限り対応をしており、スポットでの利用もできるようにしている。年度末に次年度の年間行事予定を配布し、事前に行事日程を知らせることで、保護者が園の行事に参加しやすいように配慮している。保護者参加の行事の多くは、土曜日に設定している。今年度の親子遠足は、感染症対策のため秋に日程を変更して実施した。作品展（クラスごと）、運動会、発表会などは、感染症対策をして保護者が参加することができた。

例年であれば父母会主催の行事（今年度中止）や懇談会などで、保護者同士が交流している。個人面談を実施して、子どもの園での様子を伝えるようにしている。0歳児と5歳児を対象として実施している。他の年齢でも、希望があれば対応している。保育参観は、例年は年2回実施して子どもの普段の様子を見ることができるようにしているが、今年度は感染症対策のため日常の様子や行事などの動画を配信する形とした。

行事後にアンケートを実施し、できる限り保護者の意見を計画に反映するようにしている。日常でも子どもの発達や育児などについて、毎日の連絡帳を通じてや登降園の際に家庭での様子を把握したり、園での様子を保護者に伝えている。また、毎月発行している園だより、クラスだよりなどでも紹介している。子どもの発達や育児などについては、懇談会で保護者と職員間での共通認識を図ったり、子どもの成長過程の理解を深めることなどに取り組んでいる。

近隣にある公園に散歩で出かけたり、近隣の畑で収穫体験をするなどして、地域資源を活用している。今年度は感染症対策のため中止となっているが、例年は父母会主催の盆踊りやバザーなどの行事は、地域の方が自由に参加できるようにしている。園の様子を知ってもらい、交流の機会としている。小学校6年生までの卒園生にもハガキを出して、参加を呼びかけている。中止となったものは、感染症の終息後は再開を予定している。

今年度は実習生を受け入れて交流することができた。例年は、世代間交流として近隣の高齢者施設2ヶ所を、4・5歳児が訪問して交流している。また、地区区民館のお楽しみ会に参加している。はなまつりでは、仏教にまつわる象の人形を子どもたちが引いて、近隣を回る。そのほか、小・中学生の職場体験を受け入れて一緒に遊んだり、5歳児が小学校に行き1年生と交流するなど、様々な人と交流する機会を設けていたが、いずれも感染症対策のため中止としている。感染症の終息後は再開を予定している。

保護者には、個人情報の取り扱いについて書面で明示している。入園時に説明して同意を確認し、署名をもらっている。行事の写真は、インターネットを通じて購入できるようにしており、パスワードを設定し保護者のみが閲覧できるように配慮している。日々の保育では、子どもの羞恥心に配慮した対応を心がけている。水遊びの際の外部からの視線や着脱、排泄の支援に配慮している。

子どもと保護者の価値観や生活習慣について、できる限り配慮をして支援している。入園時や日々の保育での様子、保護者との連絡帳や個別の面談などで把握し、個々の状況に合わせた支援を心掛けている。仏教保育を取り入れているが、行事など家庭の意向に沿わない場合には、無理に参加させないように配慮している。

職員は、保育の中で子どもの気持ちを傷つけるような言動がないように留意している。子どもや保護者への接し方について、職員会議などで話し合うこともある。日常の中でも、接し方のほかに声の大きさなどにも注意するようにしている。虐待を受けている疑いのある子どもと保護者の情報を職員が確認したときには、記録を取りクラス担任から主任・園長へ報告を行う。状況を確認したうえで関係機関に報告し、連携する体制を整えている。

業務で必要なものについては、マニュアルを作成している。基準を明確にしやすいものから作成し、感染症予防や衛生管理などがある。マニュアルでは目的や手順、保育士としてや栄養士など専門職員の役割を明確にしている。業務の中で変更点がある場合にはメモや口頭などで職員に周知している。その都度話し合いをする体制や雰囲気作りを整えており、状況に応じて柔軟な対応をするように努めている。

職員会議、リーダー会議、フロア会議などで、意見の交換や情報共有をして、業務の一定水準を確保している。発生した事故に対しては、職員会議にて現状報告ととともに再発防止策を立てている。職員への指導や助言については、リーダー層が中心となって行っている。連絡帳や日々の登降園時でのやり取り、行事後のアンケートなどによって寄せられた保護者の意見・要望は、職員間で検討して次回の行事や翌期への計画などに反映している。