東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

法人理念を本園・分園の各事務室に掲示して、職員に周知している。園の保育目標、年齢別の保育目標を、入園のしおりに記載しているほか、園のホームページにて対外的に公開している。今年度よりブログを始め、情報提供している。重要事項説明書は、園玄関でも閲覧することができる。園舎は第一分園については0歳児から3歳児が使用しており、本園は4・5歳児が使用している。令和4年度の4月より、第一分園の建物に本園機能を移転することとしている。計画の経緯や移転・園児の活動場所について保護者には、説明会を実施して伝えている。

経営層をはじめ職員の役割と責任は、園規則で明示し、組織表、職務分担表で明確にしている。また、経営層の役割は、法人内職員向けの職員報「やまぶき」でも伝えている。法人の新人研修では、法人の方針や接遇・マナーについて学び、配布されたマニュアルで理解を深めている。組織として、園長の下に主任、保育リーダー、クラスリーダーを置いている。法人でキャリアパスを明確にし、それの基づき法人が任命を行う。職員会議、リーダー会議、幼児・乳児会議、アレルギー会議、クラス会議の参加者・開催頻度を明文化している。

運営に関する重要事項は、法人内の各保育園の責任者が集まる園長会議で討議している。法人内の他園と合同で主任、看護師、栄養士など職種別に定期的に集まり、共通の課題に取り組んでいる。法人園長会議・主任会議を中心に作成していた法人内統一のマニュアルが完成したため、各園で加筆して10月より運用を開始する予定である。法人内の決定事項は、リーダー会議、職員会議において伝達・周知している。ICTのシステムを活用し、職員間の連絡事項や法人内の他園の情報を共有できるようにしている。

福祉サービス第三者評価を平成17年度より、毎年連続して受審している。利用者調査の結果は職員に開示し、会議で改善策を検討している。今年度の運動会は保護者の意向なども反映して、感染症対策として各家庭2名まで、小学校の校庭を借りて間隔を空けるなど工夫して実施している。職員の意向は、第三者評価の職員自己評価や、園長との個人面談等から把握している。

中長期の計画は、理事会を中心に検討している。職員の育成を図るため、キャリアパスの構築、人事考課を導入している。年度の事業計画は、行事等について職員の意見を聞いた上で園長が中心となり立案している。様々な係りを設置し、職員が協働して課題の達成に向けて取り組んでいる。新人職員も経験のある職員と組ませて担当させている。パソコン内に行事ごとにフォルダを作成し、今年度の内容と反省を記録して翌年の担当者に引き継いでいる。

予算の執行状況は、園長・事務長が確認し、必要に応じて補正予算を組んでいる。園長は、本園機能の移転等の業務全般に取り組んでいる。3月までは第一分園の一階部分を3歳児が使い、4・5歳児が使う予定の部屋が空いているため、ホールとして活用している。また、第一分園に園庭を設置した。令和4年4月から、0歳児から5歳児までが同じ建物の中で保育を行う体制に変わる。地域の福祉ニーズは、園長を中心として地域の福祉ニーズに関する情報収集や、行政や業界等の動向の把握・分析を行っている。必要に応じて諸会議での情報提供を行っている。

就業規則において服務の章を設け、職員の守るべき規範や倫理等を明示している。職員は守秘義務について誓約書を提出している。平成17年度より連続して第三者評価の受審に取り組み、開かれた組織づくりに努めている。地域の子育て家庭を対象の「どんぐり通信」を毎月発行し、幅広く情報提供を行っている。

苦情解決の仕組みを整備し、園のしおりに明示している。目的，受付担当者・解決責任者，第三者委員の氏名と連絡先，解決の方法等を記載し、保護者に説明している。苦情解決の第三者委員として、弁護士1名と地域の代表者2名に委嘱している。このほか日々の保護者からの要望は連絡帳や直接保育士を通じて収集している。本園・第一分園ともに、保護者からの意見や要望を収集するための、意見箱を設置している。保護者からも声をかけてもらえるよう、職員紹介の掲示を一年中行っている。

20時半までの延長保育、一時保育、病後児保育、子育て相談等に取り組んでいる。本園の近くに同法人のホールがあり、在園児が使用するほか、例年は、地域の子育て家庭を対象とした親子体操を行っている。また、給食体験も行っている。ボランティアは、中・高校生の職場体験を中心に受け入れている。以上の事業は今年度は中止しているが、実習生については受入れている。地域ネットワークは、区の園長会や私立保育園連合会への参画や、子ども家庭支援センターとの連携や協働体制を整えている。

火災・地震について様々なシナリオを想定した避難訓練を本園・第一分園ごとに実施している。月に1回、予告無しで訓練を行っている。地震発生時のマニュアル・不審者対応のマニュアル等を整備している。通院を要する事故は事故状況発生報告、通院しなくてもよい怪我等はけが報告書に記録している。事故発生時には原因の分析と再発防止策を検討して記録している。報告を集計し、職員会議で確認し再発防止につなげている。避難の際は一斉メールの配信、緊急掲示板などを利用することとしている。

本園・第一分園では施錠を徹底し、防犯カメラ・カメラ付インターフォン等を設置している。ＡＥＤを導入し、看護師が講師となって職員に救命救急の研修をしている。子どもや保護者に関する機密性の高い情報は、他の保護者の目に触れることのないよう、施錠のできる場所で保管している。法人としてICTのシステムを活用して、書式、会議録などのデータを共有している。パソコンは、アクセス権限をしパスワードを設定している。パソコンとタブレット端末は所定の場所で管理している。

法人で個人情報保護規程を制定し、職員内に周知を図っている。常勤・非常勤職員ともに、守秘義務に関する誓約書を提出させている。個人情報の取り扱いについて保護者には、園のしおりに明示し、承諾書を取り交わしている。プライバシーポリシー（個人情報保護方針）を法人のホームページで公開している。個人情報やプライバシーに関する書類は、鍵のかかる場所に保管し、園外への持ち出しを禁止している。取引業者等に対しても守秘義務を徹底している。

園の人事制度に関する方針は、就業規則に記載している。職員の採用は法人で行っている。採用面接には園長が参加し現場の意見を反映できるようにしている。保育士フェア等への参加、学校への公募、ホームページ等から募集している。職員配置は園長を中心に園長会議で検討し決定している。施設間の異動希望は事前に聞いている。等級制度を導入し、等級別の職務内容を一覧にして配布している。さらに、人事考課を導入し人材育成に活かしている。新入職の職員も多いため、職員を指導する立場のリーダ層の育成を図っていきたいと考えている。

職員の育成として、法人内合同で、新入職員研修、主任研修を行っている。今年度は職員が一番多く集まることができる職員会議の場で、研修報告の時間を作り、共有を図った。さらに保育リーダーを中心とした園内研修につながったため、今後も継続し充実させていきたいとしている。外部研修にも積極的に参加させている。

人事考課を行うため、リーダー層は担当する職員の観察記録ノートを記入している。義務教育の子どものいる職員には学校行事等に対応するため年5回の子育て支援休暇制度や看護休暇制度を設ける等、子育てしながらでも働きやすい環境を整えている。若手職員への住宅借上げ制度を拡充している。事業計画において、定時退社と有給休暇消化を掲げ、残業の削減や休暇の取得促進を図っている。

園のホームページを活用し、園の基本情報や最新情報を提供している。ホームページでは、施設案内、保育目標、デイリープログラムと年間行事、お散歩マップ、保育のとりくみ等を、写真やイラストを取り入れて詳しく紹介している。また、一時保育、病後児保育、子育て相談等についても掲載し、区のホームページへリンクにもリンクさせてサービス利用にむけての便宜を図っている。園のパンフレットやしおり等を刷新し、より親しみやすい内容に編集をし、ブログの更新は子どもたちの様子を中心に、クラス担当から園長承認を経て発信をしている。

子育て情報誌「どんぐり通信」を毎月発行している。保護者のほかに、地域の小・中学校にも配布して、園の情報を提供している。地域の子育て支援事業のお知らせは、園内や町会の掲示板に掲示して、参加を募っている。区の担当課等、行政や関係機関と連携をとり、園の情報については必要に応じて提供している。区のホームページでも、園の基本的な情報を公開している。

利用希望者の見学や問い合わせについては、園長・主任保育士・リーダーの職員等が対応している。見学の趣旨を丁寧に確認して、疑問点を解消できるよう説明している。今年度は感染症予防対策として、見学者を1名に限定し、短時間で案内するようにしている。保育園の概要や保育内容についてはホームページやパンフレットを充実させることで事前の情報収集に役立ててもらい、見学ではポイントを絞った説明にしている。

入園前の説明会は感染症予防対策に努めながら、開催を2回に増やし、人数を分散して実施している。個人面接を実施し、担当職員が保護者の意向、子どもの状態、家庭での状況等を聞き取り、面接表に記録する。0歳児やアレルギー・病気を持つ子どもに対しては、看護師・栄養士が個別に聞き取っている。基本的なルールや重要事項は、入園のしおりを用いて、入園式後の保護者会で詳しく説明している。

入園直後は1週間程度の慣らし保育を実施し、子どもが新しい環境に慣れることができるように配慮している。保護者の就労状況や個別の状況に応じながら、保護者と連携に努めている。入園時の書類や面接等で、各家庭の状況・子どもの成育歴を把握し、入園前の生活環境との違いを少なくすることで、心身の負担を軽減できるよう配慮している。特に慣らし保育の期間は、職員は子どもと保護者に対して笑顔で接し、保護者には子どもの様子を詳細に報告することで、子どもと保護者ともに保育園が安心して過ごせる場となるように努めている。

引っ越しや転園先についての不安が生じた場合にも、子育て相談等を引き続き利用できることを伝え、退園する際には保護者との連携を密に取るようにし、支援の継続に努めている。例年、園行事に子どもと保護者を招待したり、園で収穫した野菜を一緒に収穫や調理する機会も作っているが、今年度は感染症対策優先のために卒園児と一緒に過ごす機会を中止している。

各種計画は、各クラスの担任が協議の上作成している。個別の月間指導計画（月案）には前月の子どもの様子を記入し、その反省・考察から、今月の目安、配慮する事項、援助内容を導き出している。子どもの日頃の様子を把握して、計画に反映している。毎日の状況は、クラスごとの日誌に記録し把握している。子ども一人ひとりの発達の経過を、児童票の発達記録表に記録している。乳児では言語・認識・手指・身体・食事・排泄・睡眠、幼児は人間関係・環境・言葉・表現など項目別に分け、確認月を記録して把握している。

乳児・障がい児には個別に、幼児では年齢毎に月案を作成している。週の予定はクラス毎にホワイトボードに記入して、保護者に伝えている。看護師・栄養士・担当職員によって計画の作成と見直しを行っている。緊急に計画を変更する際には、リーダー会議を開き、検討結果を計画に反映させている。毎月行うリーダー会議や職員会議で報告し、他の職員にも周知を図っている。年2回開催している保護者会や個人面談等で、保護者の意向や要望を聞き取っている。今年度は感染症の対策のため保護者会は中止とし、個人面談は希望者のみの実施となった。

業務負担の軽減を図る目的で計画・記録類のＩCＴ化が進み、日誌・計画等の記録類がデータ化されている。本園・分園間や、フロア間で各種情報を確認する際に効果を発している。ICTのシステムを使って登降園の管理ができ、その中で伝達事項も記入できるようになっている。職員会議・リーダー会・各クラスの打ち合わせ等を通して職員間で情報の共有を図るほか、延長保育日誌、職員用に全体及びクラス別の伝達ノート等を活用している。

子ども一人ひとりの生活環境や発達過程は、児童票の発達記録表に記録している。入園時の個別面談では、栄養士や看護師も同席してアレルギーの有無や健康上の配慮点を確認している。園での様子は各クラスの日誌に記録するほか、乳児は個別の連絡ノートで家庭と園での様子を共有している。連絡ノートは複写式となっており、一部を園の記録として保管している。複数担任制で子どもの状態を把握し、個別記録や各種会議等で情報を共有しながら保育を実施している。

0･1歳児クラスは月齢別に2つのグループに分かれて活動し、子ども一人ひとりの発達に応じた細やかな保育に努めている。食事と休息のエリアを分け、マット等を敷きコーナー遊びをしている。配慮が必要な子どもには、担当職員を配置する。保護者の意向や専門家の助言を取り入れて個別計画を作成し、他の子どもと一緒に過ごす中で成長を促している。保護者の了承が得られた時には、専門家に保育の様子を見てもらい助言を受けている。発達支援センター等の関係機関や保護者と連携を図り、情報を共有しながら個々に必要な援助をしている。

子ども同士のトラブルは、互いの気持ちを受容し寄り添うよう心がけている。乳児は、言葉でうまく伝えられない子どもの気持ちを目の動きや表情から読み取り、けがを未然に防ぐよう努めている。幼児は子ども同士で解決できるように話し合いの場を設け、職員はお互いが納得できるようにフォローしている。保護者への報告が必要と判断した場合には、降園時にトラブルの経緯を伝えている。年長児は就学に向けて、保育要録を作成して小学校へ引き継ぐとともに、電話連絡等で丁寧に申し送りをしている。例年は小学校の見学や給食体験等の交流がある。

登園時には視診・口頭・連絡ノート等で子どもの状態を確認している。補食の有無や連絡事項など、保護者より聞き取りした内容はＩＣＴ（情報通信技術）システムに記録し、職員間で情報を共有している。0歳児は保育中の体温、食事・水分の摂取量、排泄・睡眠の時間等を日課表に記録し、連絡ノートに転記して保護者へ伝えている。幼児は各クラスのボードに活動内容や子どもの様子を掲示している。降園時にはできるだけ保護者一人ひとりに声をかけ、コミュニケーションを図るよう努めている。緊急時や全体への連絡は一斉メール配信を活用している。

基本的な生活習慣が無理なく身につくように、個々の発達に応じて個別に援助している。園のしおりに月齢・年齢別の子どもの姿と目標を掲載し、保護者と共通認識を持って取り組むよう努めている。着替え・食事マナー等、0歳児から自分でできることに取り組んでいる。オムツからパンツへの移行は、家庭と園での様子を保護者と確認し合いながら進めている。また、年齢に応じて手洗い・歯磨き等の保健指導や箸の持ち方等の栄養指導を取り入れている。保護者にはおたよりの配付、動画配信、個人面談等で子どもの発達について伝える機会を設けている。

月齢や年齢に合わせて午睡時間を設定している。0歳児は一人ひとりの発達や生活リズムに合わせて、睡眠・授乳は個別に対応している。午睡中は0歳児は5分、1・2歳児は10分ごとに姿勢・呼吸等を確認し記録している。0歳児は職員の目視確認に加えて生体センサーを設置し、乳幼児突然死症候群の予防に取り組んでいる。年長児はプールが終了する9月より午睡を無くし、就学に向けて生活リズムを整えている。椅子に座って活動する時間を増やし、時間を意識して行動するよう働きかけている。体調不良時には、事務室で休むことができるようにしている。

玩具計画を作成し、月齢や季節に応じた玩具・絵本を定期的に入れ替えている。子どもが自ら玩具を選び、好きな場所で遊び込めるように、遊びのコーナーを設置している。乳児は手先を使って遊ぶ手作り玩具も取り入れている。子どもの成長に合わせて、ひとつ上のクラスの玩具で遊ぶ等の配慮もある。乳児は応答的な触れ合いや言葉かけを行い、子どもの要求を満たすことで安心して自分の気持ちを表現できるよう心がけている。幼児の当番活動では、挨拶等で人前で話す機会を設け、言葉への感覚を養っている。

外部講師による鍵盤ハーモニカ教室や体操教室を取り入れ、運動機能や感覚の発達を促すとともに協調性・自主性を育んでいる。5歳児の製作教室では、個々に遊べる手作り玩具を製作し、様々な表現を楽しみながら集中力を身につけている。幼児は子どもの主体性・自主性を育む当番活動があり、挨拶、給食の配膳、掃除、生き物の飼育等の役割を担う経験を積んでいる。例年、5歳児はリサイクル活動等も行っている。様々な活動や人との関わりを通して、人間性豊かな子どもの育成を図っている。

近隣には公園が多く、天気のいい日は積極的に戸外活動を取り入れている。自然に触れられる場所を選定し、多様な体験ができるよう工夫している。園の畑では子どもたちが野菜を栽培・収穫し、収穫した野菜を地元の品評会に出品している。園外保育では、例年、年長児が田植え・稲刈り、都外宿泊体験等を行う。他のクラスも年齢に応じてザリガニ釣り、動物園・水族館、大きな公園等に出かけ、園ではできない体験をしている。今年度は感染症対策として、公共交通機関を利用する園外保育は休止している。

毎月の誕生会や季節の伝承行事のほか、遠足・運動会・劇遊び・お楽しみ会・お店屋さんごっこ等、多彩な行事を企画している。行事は子どもに負担のないよう配慮し、日頃の保育との繋がりを大切に実施している。絵本・製作等を通して興味を深め、幼児クラスは子どもと話し合いながら企画や準備を進めている。宿泊保育（年長児）は秋祭りに変更し、子どもと職員が園内でゲーム等を楽しんている。運動会や劇遊びでは体操教室や鍵盤ハーモニカ教室の成果を披露するなど、目標に向けてみんなで協力し、達成感を味わえるよう取り組んでいる。

行事を進める際には、子どもの意見や思いを尊重し、子どもが主体となるよう努めている。お店屋さんごっこでは、2歳児から5歳児が各クラスで販売する商品を決めて製作に取り組み、複数日にちを設けてクラスごとに買い物を楽しんでいる。劇遊びで取り組む劇の題材は、職員がいくつか候補を挙げた中から子ども達が話し合って選択している。劇の配役等も子どものやりたい気持ちを尊重している。舞台の背景等は子どもが協同で製作しており、協力し合う大切さ、やり遂げることの喜び等を経験している。

年度初めに年間行事予定を保護者に配付し、日程を調整しやすいよう配慮している。運動会・劇遊び等、保護者が参加する行事は土曜日に開催している。行事の目的や取り組みを、園だより・連絡ノート・各クラスのボード等で保護者に伝えている。保護者参加の行事後にはアンケートを実施し、意見・感想を次年度の参考にしている。今年度は感染症対策として、運動会は幼児のみ行い、各家庭2名まで保護者が参加する形で実施した。劇遊びは映像に撮り配信する等、保護者の理解・協力を得ながら工夫して取り組んでいる。

本園と第一分園があり、各園に子どもの月齢・年齢・発達に応じた玩具・絵本を用意して、4･5歳児と0・1・2・3歳児に分かれて2ヶ所で保育をしている。第一分園には乳児の保育室があり、クッション素材の床材を全面に使用して、子どもが安全に過ごせるよう配慮している。新たに人工芝の園庭が完成し、乳児が安全に外遊びをすることができる。また、製作の後にはホールを活用して体を動かす活動を取り入れている。静と動の活動を組み合わせて生活にメリハリをつける等、子どもが楽しく過ごせるよう保育環境を整えている。

4･5歳児が過ごす本園は、朝・夕に合同保育を行う。遊びのコーナーを設置し、子どもの発達に応じた玩具等を用意している。子どもが自由に取り出しや片づけができるように、子どもの目線に合わせて玩具を収納している。子どもの状況や活動内容に応じてスペースを使い分け、室内にマットや遊具を設置して体を動かして遊べるよう工夫している。延長時は、職員と本を読んだり、カードゲームをする等、ゆったり過ごすようにしている。例年は散歩や給食・行事等で異年齢との交流を深め、年長児への憧れの気持ちや年下の子をいたわる気持ちを育んでいる。

法人全体で毎月給食会議を開催し、統一献立を作成している。食品添加物を含む食材はできるだけ使用せず、旬の食材を取り入れながら、素材の味を活かした薄味で調理している。季節や様々な食文化を取り入れた行事食や、3月には年長児のリクエストメニューを提供している。十分な栄養摂取のために1日4回食を推奨し、おやつは軽食を提供している。食事時には栄養士が各クラスを巡回し、食材等を伝えている。また、食に関する話をしたり、箸の使い方等の指導を実施している。

食物アレルギーには、除去・代替食で個別に対応している。献立表の該当箇所に印をつけて、保育室内に掲示し毎日確認している。配膳時は子どもの名前を書いたボード、専用のトレイを使い、調理室から担任に直接手渡して内容を確認する。テーブルや食事席も他児とは分けて設置し、おかわりも別に用意している。乳児はミルクの量・時間・離乳食の進み具合等を確認し、個別に対応している。新しい食材は、家庭で食べているものを必ず保護者と確認してから提供する。法人全体で毎月給食会議を開催し、献立や食物アレルギーの対応を検討している。

園の畑「どんぐり畑」では、主に4・5歳児が野菜を栽培している。畑を区分けしてクラスごとに夏野菜等を栽培し、収穫した野菜は給食で提供する。品川蕪の栽培も行い、地元の品評会に出品している。3歳児はベランダで野菜を栽培し、成長を間近で感じられるようにしている。2歳児より簡単なクッキングがあり、きのこの房分け等で食材に触れるほか、個々におにぎりを作って食べる機会を設けている。例年は、年長児が田んぼを借りて田植えから稲刈りまで体験している。

公園の特徴や遊びの目的・危険箇所を一覧表にまとめ、子どもたちと危険な場所・行動を話し合い伝えている。園外保育や散歩の際は、公共交通機関の利用方法・マナー、信号機の見方、横断歩道の渡り方等を繰り返し説明している。感染症対策として、洗面所に手洗い方法のイラストを掲示し、看護師を中心に手洗い・うがいを指導している。幼児クラスは保健指導として、年度途中に歯磨き指導を実施する。様々な災害を想定した避難訓練や防犯訓練を毎月実施し、危険から身を守ることを意識付けている。

0歳児健診のほか、全園児を対象とした健康診断、歯科検診、身体測定を定期的に実施し、子どもの健康・発育状態を把握している。健診結果・身体測定値・予防接種の情報は、「健康カード」に記録して保護者と共有している。薬の預かりは原則行わないが、主治医が必要と判断した場合は、園長・看護師が対応する。感染症や傷病の対応マニュアルがあり、発生時に速やかに対処する体制を整えている。緊急時に備えて、AED（自動体外式除細動器）を設置し、職員は研修を受講している。

毎月保健だよりを発行し、感染症や健康管理に関する情報を保護者に提供している。感染症の予防強化のため、幼児クラスも検温カードを作成して体温を記録し、体調変化に留意している。玩具・用具は子どもの降園後に毎日消毒している。感染症の発生時には、各クラスに掲示するとともに一斉メール配信により保護者に注意を促している。嘔吐物処理に必要な用具を園内に設置して、感染性胃腸炎の流行にも備えている。

人数や時間、申込等の制限を設けない柔軟な延長保育を目指し、保護者の就労状況や家庭の事情に配慮して、当日や直前の申込でも対応している。園のお知らせや活動の様子は一斉メールで配信し、従来の紙ベースでのお知らせと併用して保護者への連絡を強化している。園のお知らせやおたよりには記事よりも子どもの写真を多く掲載するようにし、特に保護者に知ってほしい子どもの発達が伝わるような写真を選択するようにしている。

例年、年2回の保護者会を開催しているが、今年度は感染症防止対策のため前半は書面での開催とした。後半はより園での子どもの様子を伝えようと、クラスの様子を動画撮影し、個別に保護者に配信する方法をとった。例年は保護者が参加できる行事として、保育参加・参観、運動会、劇遊び会等を設定している。行事の日程は、なるべく多くの保護者が参加できるように土曜日を中心に設定している。また交流会として、祖父母と5歳児がふれあう機会も設けているが、今年度は多くの活動を感染症予防対策のために中止・縮小している。

感染症予防対策のために、今年度の保護者との個人面談は期間を限定し、希望者のみ実施する方法で実施した。感染症予防対策のために短時間での実施を心がけ、事前に話をする内容やポイントを保護者とも明確にして行うようにした。日常的な園での様子は、乳児は個別の連絡ノートに、幼児ではクラス毎に設置のホワイトボードを活用して知らせている。また、毎月、園だよりやクラスだより等も発行している。

例年は、実習生や中・高校生の職場体験、読み聞かせのボランティア等の受け入れ、地域の保育園や卒園児との交流、近隣の小学校への年長児による見学・体験等、様々な交流の機会を設定している。地域の子育て支援にも取り組み、子育て家庭と行事等で関わることもある。実施している一時保育でも、各クラスで受け入れることで在園児との交流ができるようにしている。今年度は感染症の影響で殆どの活動が中止となっているが、感染症の流行状況を鑑みながら、実施の範囲を縮小しながら機会の確保に努めている。

例年は、地域の祭りに参加して、4・5歳児は園のお神輿を担ぎ、3歳児は山車をひいて商店街を練り歩いている。また、5歳児はペットボトルのキャップを集め福祉施設に持っていく等の、リサイクル活動を経験している。行事の餅つきでは近隣の住民の方々に餅を届けている。今年度は感染症の影響で、地域行事自体が中止になり、思うように交流することができなかったが、可能な限り戸外活動を増やし、園以外の場所での経験を増やすように努めている。

ホームページでは最新情報を頻繁に更新させて、地域の子育て家庭にも活用してもらえるように努めている。病後児保育を実施し、受け入れ条件を明確にして、受け入れ体制を整えている。在園児家庭と地域向けに毎月「どんぐり通信」を発行し、保育園が持っているノウハウを地域や子育て家庭に提供し、地域の子育て環境に貢献している。

個人情報の取り扱いについては、入園時の説明会にて詳しく説明している。また、法人として個人情報保護規程を作成している。他機関への情報提供、ホームページやパンフレット等への写真の掲載、公の目に触れる書類等で情報を提供する場合には、その都度保護者に使用の承諾を得るようにしている。不都合のある場合には、前もって連絡してもらうよう伝えている。職員には、保育で知り得た情報を外部に漏らすことがないよう、誓約書を提出することを義務付けている。

幼児では、身体測定などの場面で男女に分けるようにしている。また、排泄の失敗の際には、他の子どもに気づかれないよう対応したり、プール遊びをする場合には、水着を着用し、ネットを張って外部から見えないようにしている。乳児のおむつ交換時には、視界に入りにくい場所におむつ台や場所を設定している。また、子どもを呼ぶときは名前で呼び、大きな声での呼びかけをしないようにしている。

虐待の疑いのある子どもの情報を得た場合や事実を把握した際には、根拠となる身体状況や行動記録を残し、クラス担任から主任・園長に報告を行い会議等で園内で情報共有し、状況によって関係機関に連絡をするルールを定めている。また、外部研修に参加する等して、職員間で共通理解を深めている。区の担当課や児童相談所等の関係機関との連携体制を整え、園内では虐待防止や育児困難家庭の支援に向けて、マニュアルを整備している。子どもを取り巻く事件・事故が報道された場合は会議で取り上げ、問題や課題を職員間で共有している。

法人内統一のマニュアルが完成したため、各園で加筆して10月より運用を開始する予定である。そのほか、安全チェックリストを備えた「事故ガイドブック」や、行事マニュアル、地震発生時マニュアル、不審者対応のマニュアル、防災マニュアル等を作成し、業務の標準化に努めている。マニュアルの内容はクラスリーダー、保育リーダー、主任保育士や園長等が確認を行い、必要があればマニュアル担当者への助言・指導等を行っている。

法人内の他園と合同で、主任、看護師、栄養士等が職種別に定期的に集まり、情報を共有したり共通の課題に取り組んでいる。事故発生時には原因の分析と再発防止策を検討して記録している。ヒヤリハット報告書はクラス毎に集計を行い、職員会議で取り上げている。口頭や連絡ノート、第三者評価の利用者調査、行事後のアンケート等で保護者から寄せられた意見・要望等は、職員間で見直し、話し合いの上で次年度の計画に反映するようにしている。