東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

法人の運営理念は「子ども・保護者・職員の笑顔あふれるあたたかい“おうちのようなほいくえん”」で、運営方針は「愛情をたっぷり注ぎ、あわてず個性を伸ばす」です。法人のビジョン・理念について、職員の理解を深める取り組みとして、法人で作成している「みんなの保育指針」「大切なこと」を全職員に配布し、入職時研修などの機会に触れています。また運営方針や全体的な計画について、保護者の理解を得る取り組みとして、入園説明会や保護者会などで随時説明を行っています。

園長・主任の役割と責任は、職務分担表に記載され、職員会議などで職員に伝えています。園長は施設運営および管理の統括や職員の人事管理などの役割を担い、主任は保育計画の立案・指導や職員の指導などの役割を担っています。また、法人の運営本部担当者(エリア担当)は、園長の相談相手となって二人三脚での園運営に努めています。エリア担当は、運営・保育・調理の担当があり、直接園を巡回しているほか、年2回職員全員と面談を実施しフォローしています。経営層は、メールや動画、社内報などを使って職員に定期的にメッセージを発信しています。

園内の重要な案件については、園長・主任を中心に検討・決定しています。なお案件の内容に応じて、エリア担当とも相談をしています。また経理や人事については、稟議申請システムを使って法人内で決裁を得ています。決定された内容と決定経過は、職員会議や昼礼で職員に伝えるようにしているほか、緊急を要する場合には、連絡アプリなどを利用しています。そのほか、本部で決定した事項については、本部からのお知らせ文を掲示したり、園だよりや一斉メールで伝えています。地域の方に向けては、紙面などを使って周知しています。

保護者の意向や要望は、送迎時の会話や個人面談・行事アンケート・運営委員会などで把握し、職員会議で職員に報告しています。行事アンケートは集計後、保護者にフィードバックしているほか、次回の行事に活用しています。また送迎時の会話を大切にし、保護者の声に耳を傾けるようにしています。職員の意向については、日々の会話や個人面談などにより把握しています。

地域の福祉ニーズは、私立園長会などで情報収集に努めています。また、園見学の際には園の取り組みを説明すると共に、見学者の要望に合わせて子育て相談に応じるようにしています。重点課題や重点目標は、事業計画書に明示されています。その中で最も優先順位が高いものは、「リスクマネジメント」としており、事故や怪我などの報告の徹底と報告件数の減少を掲げています。

園の中・長期事業計画および単年度計画は、年度末に法人が策定した素案を基に作成しています。中・長期計画には目指すべき施設像が明示されており、単年度には取り組む課題を明記しています。また計画に合わせた予算編成は、本部主導で作成しています。職員には、年度初めの職員会議で説明しているほか、年度末には利用実績や事業計画に対する結果を記載した年度報告書を作成し、共有するようにしています。なお、事業計画の進捗状況は職員会議で共有し、年度の途中で見直す場合には、園長が決定しています。

法人職員または保育職員として守るべき法や規則についてまとめた書類として、「一般常識・マナーマニュアル」や、16の事例でビジネスマナーや公私混同などを分かりやすく解説した小冊子「コンプライアンスあるある大百科」を全職員に配布し、職員がマナーとモラルを身に付けるように指導しています。また今年度は、本部のコンプライアンス委員会が制作した動画を活用し、理解を深めるようにしています。さらに、全職員に年1回、コンプライアンス意識の認識度チェックを実施して、自己点検による意識向上に取り組んでいます。

苦情受付については、受付担当者は園長、解決責任者は本部が担っており、入園のしおりや玄関掲示で利用者に周知しています。利用者から意向や要望を伝えられた際は、職員で共有し、口頭や掲示・書面配布による回答のほか、運営委員会でも共有しています。また、職員の子どもに対する言葉遣いや立ち振る舞いの規範を示した保育マニュアルを整備しており、入職時研修などで説明を行っています。そのほか、虐待が疑われる事例が生じた際は、区の虐待発見対応マニュアルに沿って、子ども家庭支援センターや児童相談所と連携し、対応することとしています。

ボランティア・実習生・職場体験は、マニュアルや書類を整備し、受け入れを行っています。実習生は本部が主導しながら、大学や専門学校と連携を図り、受け入れを行っているほか、職場体験は周辺の中学校より受け入れを行っています。また子育て支援事業として、子育て相談を実施しています。さらに、区の園長会や幼・保・小連絡会など地域の関係機関ネットワークに参加し、地域の共通課題の把握と共有に努めています。今後は、子育てに関する講座を定期的に開催していきたいと考えています。

運営に係るリスクとして、最優先で対策に取り組んでいるリスクは「感染症」で、2番目が「災害」、3番目が「事故」です。これらのリスクは、中・長期事業計画に明示され、職員会議を中心に対策を講じています。また危機管理や感染症対応などのマニュアル類を整備し、常時閲覧出来るようにしたり、避難訓練や研修を通じて災害や事故への対応力の強化を目指しています。そのほか、事故・感染症などが発生した際は、ヒヤリハット・事故報告書などに記録し、発生要因は、園内の職員会議で分析し対策を講じているほか、法人内でも共有し活用しています。

事業継続計画(BCP)は、都市直下型地震・風水害を想定して作成しており、設定している対策本部は法人本部です。園は区の水害ハザードマップでは、浸水の可能性がある地域となっており、近年増えてきた風水害などの災害にも備えています。策定した計画は年度末に確認し、必要に応じて見直しをすることとしています。また今後の取り組みとして、感染症を想定した計画を策定していく予定です。職員には職員会議や研修で共有し、利用者には重要事項説明書や運営委員会を通して周知しています。

個人情報保護や情報セキュリティについては、入職時研修や会議で説明し、理解を深めています。また職員は、入職時に誓約書の取り交わしをしています。個人情報や機密性の高い情報を含む文書は、事務室内にある鍵のかかる書庫に保管しています。園内ではパソコンごとにパスワード設定によるアクセス制限を設け、文書は園内のみでの閲覧としています。加えて、機密文書はシュレッダーにより破棄するなど、情報の適切な管理に努めています。

園が求める職員像は、ホームページなどに記載しています。職員の採用は本部が一括で担当し、ホームページ・学校訪問・就職フェアで募集をしているほか、友達紹介も実施しています。また、「さくらスマイル」という情報提供サイトや動画による仕事紹介など、さまざまなツールを使って、採用活動に取り組んでいます。さらに、職員の定着に向けた取り組みとして、退職金制度や勤続祝い金、福利厚生施設の優待利用、家賃補助制度などの福利厚生があるほか、有給休暇の取得率は非常に高く、働きやすい環境が整っています。

法人や園全体の研修計画は、本部で実施している研修・園内研修・外部研修などがあります。本部の研修は、階層別に年3回実施されており、経験や実績に合わせて各職員が参加するようになっています。また、海外の保育を学ぶ機会として海外研修や、交換研修も実施しています。交換研修では職員が他の系列園に赴き、園の取り組みや同じ職種や役職の業務について知る機会としています。さらに今年度から、幼児教育プログラム(CLiP)をテーマにした拠点勉強会を実施しており、各園の保育士や園長が参加し、保育の質を高める機会になっています。

法人全体で相互評価を導入しており、年2回実施し、賞与や賃金に反映しています。評価は、組織力の向上に向けチームワークに重点を置き、評価者を上司だけでなく同僚職員など広範囲にし、より客観的な人事評価を目指しています。また休暇取得は、希望通りに取れるよう勤務シフトを調整したり、残業の削減など、就業状況の改善にも取り組んでいます。加えて、年1回のストレスチェックの実施や、年2回の園長およびエリア担当による個人面談を通して、各職員の状況や意欲を把握・分析しています。

入園または見学を希望する保護者は、中野区や園のホームページの閲覧や、担当課の窓口および区の情報媒体などから園の情報を入手することができます。園のホームページには、園の概要やブログ、運営法人としての思い(さくらの樹を子ども、さくらの花を笑顔と捉え子どもたちの元気いっぱいの笑顔を咲かせられるように、サポートしていきたいと考えています)や、保育(保育理念・保育方針・保育目標)と特徴的なロゴマークの意味(子ども・保護者・職員三者の笑顔が満ちた保育園を、３枚のハート型のさくらの花びらと笑顔で表現)を説明しています。

利用希望者や見学希望者に向けた分かりやすい情報の発信として、園のホームページでは、写真共有アプリで園児の作品や活動の様子を伝えています。またブログでは、日頃の活動内容や生活の様子、行事食や健康についてなどをわかりやすく毎日配信しています。ブログは、クラス担任・看護師・調理職員が分担んし担当することで、さまざまな視点から園の内容を伝え、園での活動や生活を知ってもらう機会として活用しています。また運営法人でも、系列の各園から園の活動などがわかる画像を集め、SNSで発信し、各園をフォローしています。

園見学は随時受け付けており、園長が案内を担当しています。特に毎年9月～10月の問い合わせが多く、月10組程度の見学と、電話での問い合わせが15組程あります。その際、見学者には園の方針である“おうちのような保育園”について説明するとともに、「子ども主体で、子どもに寄り添い、子どもたちと職員が穏やかに落ち着いて過ごせる保育園を目指していること」も伝えながら丁寧に案内しています。併せて、離乳食や卒乳の時期、お母さんの体調面のご質問や子育て相談にも応じています。

説明会前に入園が決まった保護者には、児童票や家庭状況調査票を送付し、記入を依頼しています。説明会は、園長が入園のしおり(重要事項説明書)に沿って、利用条件・保育内容・園生活における留意事項・緊急時の対応・個人情報の取り扱い方法・苦情解決の仕組みなどの基本事項を丁寧に説明しています。また、保護者が記入した書類の記載内容を確認するとともに、入園までの子どもの状況やアレルギーの有無、既往症などの聞き取りをしています。なお、入園のしおりには同意書が添付されており、保護者の同意を得ています。

説明会での入園前面接では、現状の園児の生活リズムや食事面について聞き取り、園児と家庭の情報や意向を生活状況表や児童票に記録しています。記録した内容は園内のミーティングで共有しています。また園児の現状や保護者の意向に応じて、入園当初から2週間を目安として慣れ保育を実施しています。慣れ保育については入園前面接で説明し、保護者の就労状況と子どもの様子を踏まえて、時間や期間を調整しています。慣れ保育中は、一人ひとりの様子を連絡帳や口頭で丁寧に伝えるとともに、クラス活動の様子はクラスボードや園ブログで伝えています。

転園や退園、卒園の際、保護者が不安を感じる場合は相談を受けるとともに、それを軽減するように努めています。卒園する園児については、保育所児童保育要録や就学支援シート(保護者の希望または同意のもと)を就学先の小学校に送付する仕組みを整えています。また卒園前に退園や転園する園児へは、自身の制作物として、担任が電車が好きなら電車のものなど、その子に合わせたアレンジをし、メッセージと写真を付けてプレゼントをしています。そのほか、見守りが必要な場合は、関係機関と連携して支援の継続を図っています。

入園前面接の前に、子どもの生活習慣について生活状況調査票を保護者に記入してもらいます。その内容を基に面接時に保護者から聞き取り、子ども一人ひとりの情報収集や意向把握を行っています。さらに保護者のニーズや要望は、日ごろの保護者との会話や個人面談・懇談会などで、保育の経過記録を記録しています。情報は、園が定めた統一様式の児童票にも記録し、適宜発達の目安の確認に役立てています。発達の経過記録は、0・1歳児は毎月、2歳児は2カ月に1回、幼児は3カ月ごとに作成しています。

全体的な計画は法人のフォーマットをベースに、園の状況に応じて作り替え、毎年年度初めに見直しをしています。この全体的な計画に沿って、園児一人ひとりやクラス全体の姿に沿った年・月・週を単位とした指導計画を立案しています。全体的な計画は保護者会で説明し、個別指導計画は個別面談で伝えています。具体的な保育活動については、週案の中で表現し、保護者に分かりやすいようクラスごとに掲示して周知しています。併せて、行事計画・食育計画・保健計画なども作成し、園児の成長を支援する計画を具体化しています。

職員間の情報共有を目的とした会議として、職員会議(月1回)、クラス会議(月2、3回)、昼礼(毎日20分程度を実施しています。一人ひとりの状況は、連絡帳・保育日誌・児童票などで確認しています。保護者からの連絡事項があった場合や、日々の様子について変化が見られた場合は、昼礼や職員会議で報告して情報を共有し、園児に起きたことをどの先生でも対応できるようにしています。また出勤していなかった職員は、昼礼ノートを見て確認することとしています。そのほか、登降園記録の備考欄も活用し、記録を引き継いでいます。

法人の保育理念である「おうちのようなほいくえん」をコンセプトに、室内は無垢材を使用し優しさと温もりのある環境を整え、子どもたちを預かっています。また保育室のテーマとして、個々に応じて遊べる環境を掲げ、室内には物を多く配置せず目的に応じて、食事・着替え・午睡などの生活のコーナーや、ままごと、絵本、ブロックなどの遊びのコーナーを設置しています。また安全かつ衛生的な環境において、園児たちは園舎内ではだしで生活しています。

4、・歳児クラスにおいて定員に余裕があるため、常時縦割り保育を行っています。異年齢交流保育は、全年齢で朝と夕とで行っています。加えて、月に1・2回、異年齢の子ども同士で合同で散歩に出かけています。ただし異年齢交流保育では、4・5歳児が少ないため、年上の子どもが年下の子どもの生活の手伝いをするというよりは、クラスに入り一緒に遊ぶなどしています。今後は、5歳児が増えることで、生活や遊びで乳児の世話をする場面が自然と増えると考えられます。

職員は、園児の行動を主観や価値観だけで評価・判断せず、気持ちを理解することに努めながら、日々の保育を行なっています。園児と接する際は、特に抱っこなどのスキンシップを大切にし、園児が安心して職員に甘えられる環境を整えています。また発達に応じてみられるけんかやかみつきなど、子ども同士のトラブルがあった場合は、いったん双方の距離を離し、お互いの気持ちに寄り添って話を聞き入れるようにしています。さらに、要支援児を受け入れた場合は、療育センターアポロ園と連携し、区の心理士や理学療法士の巡回指導を受け、対応しています。

登園時、職員が視診と検温により、園児の健康状態・怪我・機嫌などを確認しています。併せて、0・1・2歳児の保護者とは連絡帳を毎日取り交わすとともに、口頭でも家庭と園での生活の様子や体調の変化を相互に確認しています。保護者との会話から得た情報は、検温・迎え記入表へ記載し、職員間で共有しています。また降園時、担任や引継ぎを受けた職員が対面し、連絡帳を返しながら体調・怪我・機嫌などの報告や、可能な限り当日のエピソードなどを伝えるとともに、クラス活動の様子をクラスボードやブログで伝えています。

子どもの発達の段階と支援の指針として発達記録を用い、基本的な生活習慣を身につけるために保育の経過記録で進めています。生活習慣については、年度始めのクラス懇談会やクラスだより、保健だよりなどで伝え、家庭と連携した支援に努めています。基本的な考えとして、発達状況や年齢に応じて、園児が可能タイミングで指導を行っています。食事は、栄養士が食べることの必要性や、栄養素・伝統食などを紙芝居や絵本で楽しく伝えています。排せつは便座に座る時間を作り、着替えについては、脱いだ服から着る、脱いだものはたたむなどを伝えています。

午睡時間は、乳児は12時頃から14時30分、幼児は13時から15時と、年齢や個別のペースで順次入眠し、目覚めるようにしています。午睡の際は着替えるとともに、寝具は衛生面や安全面(SIDS防止)に配慮してコットベッドを使用しています。眠れない子や早く起きてしまった子には絵本を読んだり、机上遊びなどを行い、乳児はだっこするなど無理なく寝かしつけを行っています。そのほか、必要でに応じていつでも休息を取れるようにしています。なお就学準備として、5歳児は10月頃から個々に合わせて午睡をなくしていきます。

運営法人は新たに、法人独自で構築した幼児教育プログラム(子どもたちが遊びの中で学ぶ)を展開しています。これは、非認知能力と言われる「社会情動的スキル」を育みながら、まずは「ことば・もじ」「かず・かたち」それぞれの分野で、遊びや活動を通じ「学びの基礎に触れる経験」を自然と積み重ねることができるプログラムです。さまざまな発達領域に関する学びに興味関心を持てるよう、学びの基礎に触れる経験を自然と遊びの中に取り入れ、非認知能力との相互のつながりを重視しながら保育を展開しています。

法人独自の幼児教育プログラムを通して、「ことば・もじ」「かず・かたち」の分野で遊びや活動を通じ「学びの基礎に触れる経験」を自然と積み重ねています。特に、記憶力、読解力、理解力、見る・聞く・書く力、語彙力の基礎にふれる「ことば・もじ」の発達領域では、絵本やごっこ遊びなどの遊びから学んでいます。また園内には、さくらさくライブラリー、ワールドライブラリーがあり、国内外の図書を取り揃え、常に読み聞かせや読書ができる環境があります。さらに外部講師による運動遊びなど、遊びを通じて表現力も育める機会を設けています。

気候が良い季節には、積極的に戸外活動を取り入れています。散歩は週4回程度出かけ、年齢に応じた遊具がある公園など目的をもって行き先を決め、固定遊具や自然にふれる活動を行っています。園児が主体となって行き先を決めることもあります。また出かける公園のマップを作成し玄関に掲示することで、保護者にも案内しています。散歩中には、交通ルールや生活マナーを伝えています。さらに園生活では、プランター栽培などの植物やカブトムシ・クワガタムシなどの生き物にふれられます。園庭では、水遊び・自由遊びなどを楽しんでいます。

主な年間行事として、季節の行事として、七夕・クリスマス会・新年の集い・節分など、園児の成長や保育の成果を発表する行事として、運動をする会・保育参加、月例で行う誕生日会などを実施しています。行事開催に際して、あえて行事中心の保育は行わず、普段の保育の延長と捉え、行事を通じて季節や文化に親しみ、成長の段階を保護者と共に確認することを目的に取り組んでいます。またお誕生会クラス単位で行い、誕生児のインタビューやクラスのみんなでお祝いの歌を歌い、保育士が出し物で楽しませたりしながら実施してします。

保護者が参加できる行事も含めて、あらかじめ年間行事計画を4月に配布するとともに、行事ごとの目的は都度ブログを通して保護者へ伝えています。特に、保護者が参加・見学できる行事として、運動をする会、保護者参加があります。なお活動の様子は、ブログ・連絡帳・写真販売にて報告しています。保護者が参加した行事については、行事後にアンケート調査を実施し意見や感想をまとめ、次の開催に向けて参考にしています。

保育方針である「おうちのようなほいくえん」を目指し、園児一人ひとりが安心してくつろげる環境を整備しています。無垢の木をふんだんに使い、優しさと温もりを持ち、かつセキュリティーや安全環境も強化しています。保育室内は、園児が落ち着いて過ごせるようにマットを敷き、寝転ぶことができるよう整備しています。また、疲れた時に体を休めることができるコーナーを一角に作っています。乳児室には、一人きりになって心身を落ち着けることができる場所として段ボールハウスを設けています。

延長保育は18時15分より、合同保育へ切り替わります。延長保育時間帯は1歳児保育室で保育を行い、園児一人ひとりの様子に配慮しながら、少人数で落ち着いて過ごせるように配慮しています。合同保育中は、個々の好きな遊びや机上遊びなどで過ごしています。また、日中の疲れや少人数での寂しさ、孤独感を解消するため、園児への個別のスキンシップを多く取るよう意識し、安心して過ごせるよう心掛けています。職員体制については、保育サービスの均一性を保つために、いつも同じペアにならないよう工夫しています。

栄養士を配置し自園で調理した食事は、保育室の食事スペースで食べています。座席は固定せず、子ども同士で決めて座ることを基本としています。また子ども主体で、おうちで食べているように言葉掛けしながら、楽しく落ち着いた雰囲気作りを心掛けています。メニューは、郷土料理から多国籍料理など、とても豊富です。行事の際は、行事にちなんだ型どりや盛り付けをし、行事を盛り上げています。また月に1・2回、栄養士が食事の様子や喫食状態・食具の使い方などを実際に見て、園児や保育士とコミュニケーションを図っています。

食物アレルギーがある子どもへの対応については、代替食を提供しています。誤食防止策として、専用のテーブル・色を変えたトレー・食器を用いるとともに、園長・担任・栄養士によるトリプルチェックを行っています。配膳までに状況に応じて、対処薬を預かるようにしています。宗教上のニーズに対しては、除去食で対応するとともに、要望があれば相談の上弁当の持参を認めています。なお、食材は仕入れ業者から安全な食材を仕入れるとともに、米は新潟県の指定ブランド米を仕入れています。

園児の安全に対する意識を高める取り組みとして、毎月の避難訓練や警察指導による交通安全教室を実施しています。現在はコロナ禍のため、警察指導による交通安全教室は行わず、散歩の途中で職員が指導しています。また、遊びや散歩の際に約束事を確認したり、手洗いやうがいを習慣づけるよう日頃の関わりの中で衛生面の指導もしています。交通ルールや公共マナーについては、戸外活動の際に伝えています。さらに衛生管理の取り組みとして、空気清浄機を設置して空間の衛生を保つとともに、衛生チェックシートを用いて清潔の維持を徹底しています。

園児の成長と健康を管理するため、毎月の0歳児検診、年2回の健康診断と歯科検診を、嘱託の内科医や歯科医が行っています。また毎月1回身体測定を行い、身長と体重を測定しており、結果は成長のあゆみに記載しています。さらに日頃から職員による視診を行い、家庭と連携して子どもの様子を把握しています。急な病気や怪我が生じた際は、看護師が中心となって園内で応急処置を行い、園医やかかりつけ医と連携し、適切な処置が行える体制を整えています。

感染症の予防策として、ペーパータオルやコットベッドを使用して衛生の保持に努め、感染症が発生した際には、玄関の専用掲示板に掲示して情報提供します。また毎月、保健だよりに季節に応じた情報を掲載し保護者に注意喚起しています。SIDSについては、午睡予防チェック表を用いて0歳児は5分ごと、1歳児は10分ごとに体位・呼吸・顔色を確認しています。投薬は原則として行いませんが、熱性けいれん・食物アレルギーの場合は、医師の診断書と与薬依頼書を提出してもらい、個別に対応しています。

保護者と情報を共有する手段として、連絡帳を活用するとともに、日々の登降園時のコミュニケーションを大切にしています。2歳児までは食事・排せつ・睡眠を24時間連続して把握できる園の様式を活用し、3歳児以降は簡易的なノートを使用し必要事項を記入しています。さらに、クラスボードや園だより・クラスだより・園ブログなども活用し、活動内容を報告しています。特に園ブログでは、園児の表情が伝わるような写真を掲載し、毎日の更新に努めています。また、保護者の子育てに関する価値観や現在の就労状況は、面談などで共有しています。

利用者ニーズを把握するため、年1回のクラス懇談会と個別面談および年2回保護者の代表が参加する運営委員会を実施し、日々の保育や運営に対する意見を把握しています。併せて、福祉サービス第三者評価を受審することで、外部機関による利用者ニーズの分析を運営の改善に役立てています。そのほか、行事後にはアンケートを行い、次開催に向けてプログラムの内容や運営方法を見直すなど、改善に活かしています。またふれあい箱を設け、いつでもご意見・ご要望を投函できるようにしています。

保護者との信頼関係を築くきっかけとして、園内の職員紹介コーナーがあります。さらに、保育参加・保育参観・保護者会・運営委員会を通じて、園の運営や保育についての理解を深めています。保護者会では、各クラスごとに事前にアンケートをとり、その内容に対して栄養士・看護師・保育士が回答しています。日ごろの連絡帳の要望についても、内容に応じて栄養士・看護師・保育士などが回答しています。また在園児のことだけでなく、園児の兄弟についてもふれるなど、幅広い支援を行うよう、心掛けています。

地域資源を活用した取り組みとして、日々の散歩途中に出会う地域の方々へのあいさつや、ペットとふれあうなど、現在できる交流を行っています。今後は、商店街・消防署・図書館などの地域の資源や施設との交流や、催し物への参加など、地域との関わりを多く持つ予定です。そのほか、園児にとって職員以外の人との関わりとして、保育実習生との交流があります。今年度は2名の保育実習生を受け入れ、実習生の指導のほか、園児にとっては園内でいつもと違う人と触れ合う機会となっています。

園児の羞恥心に配慮した取り組みとして、着替えの環境を整えるとともに、着脱の仕方を指導しています。排せつについては、乳児のおむつ交換は周囲から見えない場所で行い、幼児トイレには扉を設置しています。また着替えの際は、外部からの視線を遮るために、目隠しやカーテンを使用し、テントの中で着替えるようにしています。さらに、水遊び後の着替えはテラスのテントで一人ずつ着替える配慮をしています。

入園のしおりに、取得した個人情報の取扱いについて、1.取得および利用目的、2.預託・提供、3.情報の開示・訂正・削除、4.個人情報の管理、5.個人情報の任意性の項目が記載されており、保護者には個人情報についてのプライバシーポリシーを説明し、個人情報取り扱い方針確認同意書で同意を得ています。また、園児の受診が必要な場合は、保護者に直接連絡をし、受診に必要な情報を提供する同意を得るようにしています。そのほか、メディアの取材など個人情報を提供する必要性がある際は、その都度おたよりを配布し、同意を得ています。

園児や保護者の価値観や生活習慣について、入園時に生活状況調査で確認し、一人ひとりに寄り添った保育を心掛けています。また、虐待防止や育児困難家庭への支援に向けて理解を深めるために、年2回、各クラス単位で勉強会を実施するとともに、ネットニュースなどで取り上げられた虐待に関するニュースを昼礼で共有しています。さらに、子どもの権利を尊重する関わり方を示した法人独自の「保育マニュアル」「みんなの保育指針」「たいせつになこと」を活用し、適切な対応ができる仕組みを整えています。

「保育実践マニュアル」(日常業務、登園時の対応、給食・午睡・沐浴などの業務手順)や「人事制度・苦情対応・マナー・ブログ作成」など、法人の統一マニュアルを整備しています。また「みんなの保育指針」(基本的な生活習慣・乳幼児教育・さくらさくみらいの特徴やその他大切にしていること・計画の記録・評価など)を作成し、カラー印刷で全職員に配布しています。職員は、分からないことが起きた場合や手順に疑問が生じたときなどに、保育実践マニュアル・みんなの保育指針・大切なことなどのマニュアルを読み返し、基本事項を確認しています。

園では法人が作成した、災害時マニュアル・児童虐待防止マニュアル・危機管理マニュアル・事故防止ガイドライン・食物アレルギー対応マニュアル・衛生管理マニュアルなどを整備し、活用しています。業務の標準化のためマニュアルを活用し、誰が担当しても業務の質を保ようにしています。職員会議では、マニュアルに示された業務の実施方法の内容について、改善などの提案があった場合、適宜内容の見直しの検討に取り組んでいます。特に、日々の生活は当たり前ではない、という意識を持たせるため、災害時マニュアルを活用しています。