東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

保育理念、保育方針、保育目標などを事業計画書に掲載している。それらは、情報公開用の閲覧ファイルとし、保護者や来訪者にも公開している。同ファイルには、事業報告書、予算書、決算書、園規則、就業規則、給与規程、経理規程、苦情解決記録などを盛り込んでいる。職員に対しては、年度当初の職員会議で読み合わせをしながら説明をし、周知を図っている。保護者には、入園・進級のしおりに掲載し、入園進級式・全体説明会・懇談会などでも説明をしている。対外的には法人のホームページやパンフレットなどで伝えている。

経営層を含む職員の役割と責任は、園規則や事業計画書の組織図，職務分担表に示している。組織として、園長のもとに副園長、主任、副主任、クラスチーフを配置している。園長は、会議での話し合いにおいては、子どもにとって最善の方法を選んでいきたいとし伝えている。また、職員構成については、中間層が少ない状況もあり、研修参加を通して若手職員の育成に力を入れている。毎月の職員会議では、毎月の反省や翌月の目標設定、給食・事務・保健の各報告が行われる。緊急時の対応では、主任・各チーフによるチーフ会議を随時開催している。

法人内各園の園長、主任、看護師、栄養士、経理担当者がそれぞれ会議を開き、法人内の共通の課題を協議している。当園に関する案件の決定は、主任・クラスチーフの意見を聞きながら、園長が最終の判断を行っている。事故や苦情など緊急の事態が発生した際には、対策委員会を設置し、意見や対応の統一を図っている。各会議の議事録は欠席した職員に回覧して周知している。決定事項について、保護者に対しては懇談会，園だよりなどで伝えるとともに、ICTシステムのアプリによる配信・資料の配布・掲示により情報の伝達漏れを防止している。

保護者の意向は、朝夕の送迎の際や個人面談などで把握に努めているが、感染症対策により十分な時間を確保できないため、今年度はクラス毎の懇談会に替えて質疑応答の時間を持った。利用者調査を毎年実施し、集計結果は職員内で分析し現状や課題を把握している。職員の意向は、チーフ会議や職員会議で意見交換して把握している。地域の子育てニーズは、市の園長会や地域の方々との交流の中で把握している。また、法人内には認可園5園、小規模保育所2園があり所在地も複数となるため、法人内園長会では様々な情報を共有することができる。

中長期の計画は、理事会・法人園長会で検討している。法人として社会福祉充実計画を公開しているが、今年度で実施期間が終了となり、それに伴う園舎の増改築工事を完了させている。引き続き、施設や設備の使いにくさを解消して安全性を高めるため、予算に基づいた修繕計画に向けて取り組んでいくとしている。今後に向けては、塀の修繕を検討しており、昨年度は、駐車場の照明・スロープの整備や備蓄の充実を図るための倉庫の移設をしている。事業計画と年度予算を連動させており、予算の執行状況は、月次資料により園長と事務担当者とで確認している。

法人内各園の園長、主任、看護師、栄養士、経理担当者がそれぞれ定期的に会議を開き、法人内の共通の課題を協議している。年度単位の事業計画では、行事、研修、購入予定物品、防災訓練、職員分掌などの計画を盛り込んでいる。各行事は、担当者の役割やスケジュールを明確にして、前年度の反省を踏まえて計画を立てている。行事の計画や内容については、子どもに無理がないようにし、楽しめるようにその都度目指す方向性を確認している。また、実施後は、職員会議で各年齢の発達に沿った計画が実践できたかを話し合っている。

職員が守るべき規範や倫理に関しては、就業規則に服務の章を設けて明示している。また園規則の中でも職務の心得を示している。就業規則は、新規職員が入職する前のオリエンテーションで園長より説明をしている。職員倫理規程を策定しているほか、「保育士の対応基準チェックシート」を職員会議で定期的に読み合わせしている。定期的に第三者評価や利用者調査に取り組み、結果をWEBサイトで開示するほか、園内掲示をしている。虐待が疑われるケースにも対応できるよう、子ども家庭支援センター等と連携を密にしている。

苦情解決の仕組みを整備し、その内容を園内に掲示している。さらに入園のしおりに掲載し、新入園児の面談や懇談会において説明をしている。苦情解決のための第三者委員を2名委嘱している。園玄関には意見箱を設置し、書面でも意見・要望を受け付けている。苦情があった場合には、緊急の職員会議やチーフ会議で内容を検討し、申出者に謝意と対応方法を示している。また公開できる苦情内容については、情報公開用ファイルや掲示板で解決結果報告書を開示している。保護者に職員体制を知ってもらうために、写真付きの職員紹介を掲示している。

実習生とボランティアの受け入れ規程を策定し、基本方針を明示している。社会福祉協議会を通じての夏体験ボランティアや中学生の職場体験は中止したが、高校生の職場体験は体調チェックを行い安全面に配慮し実施している。市内の保育園・幼稚園職員対象の「こどもすくすくのびのび学習会」が年数回実施され、参加している。地域の子育て家庭に対しての園庭開放や子育て相談については、同様のサービスが市などで実施されていることもあり利用者の減少が課題となっている。地域の子育てニーズに対応して、園舎の増改築時に定員を増やしている。

感染症対策を講じながら、地震や火災など避難訓練を毎月実施している。事故が発生した際には、事故報告書を作成して反省や今後の対応を明確化し、職員内で共有している。また、事故に至りそうになった事例をヒヤリ・ハット報告書に記録して事故の発生を予防している。安全性の向上のため、感染症予防、給食衛生管理、虐待対応、食物アレルギー対応など様々なマニュアルを作成して職員に周知している。AEDを導入し、職員は順次、上級救命講習を受講している。災害後の復旧再開の手順を示したBCPを作成し、会議等で説明している。

防犯対策として、防犯カメラを複数台設置し、門扉にオートロック、休日夜間にはセキュリティシステムを作動している。不審者対応について警察署の指導を受け、侵入防止の訓練を実施している。戸外活動の安全対策として、散歩コースの状況を確認し散歩マップを作成している。信号を渡る際は横断を急がないことや信号待ちをする場所などを職員間で検討し、園内で共有している。児童票など機密性の高い書類は施錠保管し、パソコンやタブレットは所定の場所で管理している。パソコンはアクセス制限をかけパスワードで管理している。

法人で個人情報保護規程を策定し、就業規則、運営規程、緊急時のマニュアルなどは、事務所で閲覧できる。入園時には、保護者から個人情報使用同意書をもらっている。園児の写真を使用する際には、その都度可否を確認している。保育室内の子どもたちの誕生日の掲示は、下の名前のみの表示としている。職員に対しては、保育園で知り得た情報は守秘義務があることを徹底し誓約書で確認している。ボランティアや実習生に対しても、事前のオリエンテーションで留意事項を伝え、事前に署名をしてもらう誓約書や活動の確認書の様式を整備している。

園が求める職員像を、事業計画書に明示している。学校訪問や就職相談会に積極的に参加するなど求人活動を行っている。園のWEBサイトからも求人情報を発信し、採用は法人一括で行っている。法人内の保育園は複数地域にあるため、選考は、希望地域の園長や本部担当者による面接を行っている。入職後のオリエンテーションや研修で徐々に社会人・保育士としての心構えを教育する方針であり、心身ともに健康であることを重視している。翌年のクラス配置は、事前に希望を把握したうえで、経験やバランスなどを考慮して決定している。

職員の能力向上の希望は、年1回の園長と職員との面談で把握している。職種・階層別の研修計画を策定しており、園外の研修にはどの職員も最低年1回は参加できるよう配慮している。研修の参加後は、報告書の作成と職員会議等での報告を行い知識の共有を図っている。リーダー層のキャリアアップ研修も積極的に参加させ、若い職員の指導や園内研修で情報提供してもらう。キャリアアップ研修の受講者から、主任・副主任となる人材を育てていきたいと考えている。内部研修として、危険予知をテーマとし園の内外の危険個所を確認し園内で共有している。

職員は毎月、自己評価表を作成し、その結果を賞与に反映させている。奨学金返済支援手当、住宅手当、引越し手当、就職祝い金など処遇の改善に取り組み、人材の確保に努めている。働きやすい職場づくりとして、土曜日の3週2休の導入、ICTのシステムの導入による業務効率化等を行っている。職員配置を厚めにして、有給休暇を取りやすくしている。休憩の取り方については、職員の自己評価において改善を求める声が複数あがっているため、職員が自分事して捉える意識付けを図ると共に、各クラスの状況を把握し経営層による働きかけも検討されたい。

法人のホームページに、園の情報を掲載している。また、入園・進級のしおりやパンフレットなどを用意している。ホームページは今年度リニューアルして見やすいものとなっている。内容については今後充実させていくとしている。パンフレットは見学者に配布している。パンフレットには、園の概要、保育理念、保育目標、保育方針、園の特徴、デイリープログラムなどを明記し、また、季節の行事の様子を写真を盛り込み分かりやすく紹介している。

園の情報を定期的に市に提供して、協力体制を築いている。市が作成しているパンフレットに、園の所在地などの基本情報を掲載している。また、市の発行する子育て支援情報通信にも情報を提供しており、利用希望者や在宅で子育てをしている保護者に、必要な情報が届くようにしている。園では地域に向けた子育て支援事業として園庭開放（今年度は感染症対策のため休止）に取り組んでおり、参加した保護者に情報を提供することで、園の事業内容について理解してもらえるようにしている。

問い合わせや見学の要望があった場合には個別に対応している。見学の要望は事前に電話連絡を受け、見学希望者の都合に応じて日時を調整している。子ども達の普段の様子を見てもらえるよう、午前中の見学を勧めている。対応は、主に主任保育士が行っている。見学者にはパンフレットを用いて、保育時間、保育内容、持ち物などについて理解してもらえるように丁寧に説明を行っている。今年度は感染症対策として、園内には入らず外からの見学として対応した。

入園決定後、園長、主任保育士、担任保育士、看護師、栄養士が面談を行っている。入園のしおり、面接書類などを用いながら、重要事項や基本的ルールなどの説明を行っている。また、子どもの家庭での様子、既往歴、離乳食の進み具合、アレルギーなどの生活・健康面などについて、状況の把握と保護者の意向を確認して、保育に反映している。面談で聞き取った内容は、児童票に転記をして子どもの支援に必要な個別事情や要望を把握している。

利用開始直後は必要に応じて、保育時間を徐々に延ばしていく慣らし保育を実施している。慣らし保育は特に期間を設定していない。個々の子どもの様子や保護者の就労状況に配慮して、話し合いのうえで個別に日程を設定している。ミルクやオムツは家庭と同じものを用意するなど、家からの連続性を保ち、徐々に園に馴染むことができるように配慮している。連絡帳などを活用して保護者との連絡を密に取るようにしている。子どもの様子について家庭と情報の共有を図り、その後の支援に活かすことができるように配慮している。

途中退園や転園などでサービスを終了した場合には、希望があればいつでも相談に応じることができる旨を保護者に伝え、継続した支援に繋げている。例年であれば卒園児には小学校1年生まで、運動会や卒園児を対象とした交流会への招待の手紙を送付しているが、今年度は感染症対策のため中止としている。支援家庭に関しては、家庭支援センターや児童相談所に園での様子を伝えている。

入園時に、子どもの家庭での様子、アレルギーの有無、0歳児はミルクの種類など、一人ひとりの子どもの発達過程・生活環境について状況の把握をしている。保護者の意向を確認してニーズを把握し、保育に反映している。子どもに関する情報は、主に児童票に記録をする。日々の子どもの様子は、0・1歳児の連絡帳、写真の掲示、送り迎えの際に口頭で保護者に伝えると共に、保育日誌に記録する。保育日誌は、0・1・2歳児は個別に毎日の様子を記録している。ＩＣＴ化により、0・1歳児の連絡帳はシステムのアプリを活用して配信している。

全体的な計画をもとに、年間、月間、週ごとの指導計画を作成している。0・1・2歳児と障がい児に関しては、毎月個別の指導計画を作成している。子どもの年齢や発達過程に応じて計画作成を行っており、懇談会や個人面談時に寄せられた保護者の希望等も踏まえて作成する。毎日の生活状況や家庭での様子を日誌に記し、その内容を各年齢ごとに定期的に、児童票に保育経過記録としてまとめている。現在連絡帳や保育日誌等はICTのシステムを活用しているが、その他の計画・記録類については今後移行していく予定である。

毎朝の朝礼を行い、1日の流れ、前日の状況、その他の報告・連絡事項等について情報の共有を図っている。さらに、毎月の職員会議、必要に応じて随時開催されるチーフ会議、クラスごとの会議があり、その中で子どもに変化があった場合の情報共有も行っている。会議の内容について資料を配布して職員全員が共通認識のもと保育にあたっている。また各クラスに用意している引き継ぎ簿に子どもの1日の様子を記入して、お迎え時に担任以外の職員が対応する場合にも、その日の様子を伝えられるようにしている。

保育方針に「発達過程に応じた保育」を揚げ、子ども一人ひとりの発達の状況を把握し、それに合わせた保育を心がけている。発達の過程や生活環境は、入園時面接・個人面談、普段の保護者との会話から得た情報などで把握している。0・1・2歳児の乳児クラスは個別計画を毎月作成している。家庭や園での子どもの様子を日誌に記入し、それに基づき、児童票の保育経過記録を各年齢ごとに定期的にまとめている。これらの記録を職員間で共有し、担任以外の職員も子どもの状況を把握している。

毎日の自由遊びの時間に、子どもが園内・戸外、好きな遊びを選択できるようにして自主性を養っている。遊具・絵本は年齢や発達に応じたものを用意し、子どもが取り出しやすいよう配置する。遊びのスペースを確保し、コーナーを設置して遊びに集中できるように配慮している。年齢別のクラス編成だが、散歩・行事・給食などは異年齢児と縦割り保育（今年度は感染症対策のためクラス単位での保育）を行っている。年長児の就学に向けて地域の幼保小連絡協議会に参加している。小学校の教諭が来園し子どもの様子の聞き取りを行い、個々の特徴を伝えている。

特別な配慮が必要な子どもの保育は、園内でも子どもが過ごしやすい環境を整えるようにし、必要な場合はクラスに担当職員を配置している。個別の計画・記録を作成して、普段の生活や行事を他の子どもたちと同様に過ごせるように支援している。年4回巡回相談として専門家が来園し、子どもの様子を観察した後に指導を受けている。子ども同士のトラブルには、話をよく聞いて気持ちを共有している。互いが納得できるような声掛けをして、いけない事は理由を含めて伝えている。

登園時は家庭での様子や伝達事項を保護者に確認し、職員間の伝達に使う引き継ぎ簿に記録してクラス担任へ伝えている。降園時には、その日の様子を口頭で保護者に伝えるほか、ICTシステムのアプリ（0・1歳児が使う連絡帳）を活用して保護者と子どもの様子を共有している。また、保育室前にその日の活動を伝えるホワイトボードがあり、活動や行事の写真を掲示して、保護者に伝える工夫をしている。その他に、園だより・クラスだより・保健だより・給食だよりを毎月発行している。

基本的な生活習慣の支援（箸やスプーンの持ち方、排泄、着替え等）は、家庭での様子を聞き保護者と連携して進めている。職員は月齢・年齢別に目標を立て、個人差を考慮して個人計画を作成し対応している。箸の使用は、スプーンの持ち方が正しくできることを判断基準に取り組んでおり、給食には3歳児から箸をつけている。排泄の援助は、生活リズム・言葉の発達・体の成長等を個々に考慮し、便座に座る体験から始めるなど、子どもに負担がないように配慮している。

午睡は発達過程に応じて時間を設定している。眠れない場合は無理強いはせず、静かに過ごして休息をとるよう配慮している。年長児は就学に向けて、年度の後半から午睡時間を短くしている。午睡をしない時間は、製作など室内で落ち着いて取り組む活動をしている。

保育の中で子どもたちが自由に遊べる時間を確保している。玩具や遊具等は発達に合ったものを揃えている。担任が季節ごとに入れ替え、取り出しやすい場所に収納している。子どもたちの興味に合わせ、クラス同士で玩具を入れ替えることもある。個々の遊びだけでなく、集団での遊びやゲームなどを意識して取り入れている。職員が主導するのではなく、子どもたちに希望を聞くようにして自主性・自発性を尊重している。子どもたちと一緒に遊び方・ルール等を作り、守れない時には一緒に関わり援助している。

職員は子どもが発する言葉を待ち、先読みしないように配慮している。また、子どもの発する言葉を受け止め、肯定することを意識している。普段からお話、読み聞かせ等で様々な言葉に触れ、言葉の感覚を養うことができるように取り組んでいる。体操教室（3・4・5歳児）、音楽指導（2から5歳児）、水泳指導（4・5歳児）、リズム遊び（2から5歳児）等、保育の中に様々な表現活動を取り入れている。また、廃材遊び、製作等で、子どもの自由な発想を活かし、楽しく取り組めるようにしている。

近隣の豊かな自然環境を活かして、戸外での活動を多く取り入れている。河川の遊歩道を散歩して公園で遊ぶ、農道を通って牛を見に行く、木の葉・どんぐりを拾って製作に使う、河原でスケッチを楽しむなど、目的に応じて出かける場所を変えている。園外に出ることで、道行く地域の人と挨拶や会話をしたり、自然に触れることで季節の変化を感じることができるようにしている。4・5歳児は興味を持った動植物をその場ですぐに調べることができるように、図鑑を持って出かけることもある。

遠足・ちびっこまつり（夏祭り）・運動会・クリスマス会・おもちつき・書初め・豆まき・おたのしみ会（生活発表会）等の年間行事を実施している。行事は子どもたちと話し合いながら作り上げることを心がけている。クラスで話し合いを持ち、何に参加したいか、どの様にしたいか等の子どもの意見を聞いている。今年度は、感染症対策を講じ開催方法の工夫や変更をしながら実施した。運動会では子どもが楽しく参加できるように、演目として全員リレー・玉入れなど取り入れた。

運動会やおたのしみ会は、毎月実施している体操教室や音楽指導の成果を発表する機会になっている。子どものペースで無理なく楽しく参加できるように、演目は子どもが主体となるように工夫している。行事に向けた練習では子どもを褒めたり、励ましたりすることで意欲を持って取り組めるようにしている。また、当日に必要な小道具などを子どもたち自らが作るなど、子どもの主体的な関わりを大切にしている。行事をやり遂げることで、満足感や達成感を感じられるようにしている。

保護者が参加する行事の日程は、年間行事予定表で伝えている。さらに日程が近づくと、園だより・クラスだより等で詳細を伝えている。保護者参加の行事は土曜日に設定するなど、できるだけ多くの保護者が参加しやすいように配慮している。今年度はクラスごとの入れ替え制、保護者の参加人数を制限するなど、できる限りの感染対策をして行事の実施に努めている。保護者の理解・協力を得られるよう、アプリやおたより等で行事の実施方法や詳細について伝えている。

子どもたちが長時間園で過ごすことを考慮して、リラックスできる雰囲気づくり、ゆったりとくつろげる室内環境の整備に取り組んでいる。保育室は冷暖房を完備して温度を調整し、冬場は加湿器を設置して湿度を管理している。感染症対策として、玩具の殺菌庫や空気清浄機を導入したり、換気のためサーキュレーターを活用するなどしている。

土曜日や平日の朝と夕方は合同保育を実施し、異年齢で一緒に過ごしている。それぞれの年齢や発達に応じた玩具を用意し、コーナーを設けて遊び込めるようにしたり、読み聞かせを行うなど、落ち着いた環境の中で過ごすことができるよう工夫している。例年は、普段の保育の中でも園庭での遊びや行事等で、異年齢で一緒に遊んだり交流する機会がある。今年度は感染症対策のため、クラス単位で保育を実施している。縦割り保育も休止している。

給食は国産の食材を中心に安全なものを使用し、旬の食材を取り入れて、素材の味を活かした薄味で提供している。日替わりで献立を作成し、行事食や子どもに人気のメニューを毎月盛り込んでいる。今年度は感染症対策のため、例年のようには実施できなかったものもあるが、例年は春の遠足では保育園で作った弁当を持って出かけたり、創立記念日は赤飯でお祝いする。ふれあい給食・バイキング給食では、異年齢児が一緒に食べる機会を設けて、楽しく食事ができるように工夫している。

離乳食は初期・中期・後期・完了期に分けて、子どもの発達過程、その日の体調や様子を見て、保護者と話し合いながら個別に提供している。食物アレルギーに関しては、医師の診断書と指導のもとに除去食・代替食で対応している。毎月、保護者・クラス担任・栄養士でアレルギー会議を開き、翌月の献立表で該当する食事・食材を確認し、さらに1週間のアレルギー献立表も作成している。他の子どもの食事と見た目が同じになるように配慮している。文化・習慣の違いに応じた食事にも対応している。

ピーマン・ラディッシュ等の野菜を栽培し、子どもたちがその成長を観察して収穫を体験している。幼児クラスは芋ほり（さつまいも）体験を実施している。また、2歳児はトウモロコシの皮むき、インゲンの鞘取り等で食材に直接触れる機会を設け、幼児クラスではお団子・クッキー・パフェ等の調理（今年度は感染症対策のため調理は中止）を行っている。毎月発行する給食だよりは食材の話や給食ができるまでの過程を紹介し、食への関心につながる情報を提供している。

園庭での外遊びでは、年齢ごとに使用できる遊具を決めたり、遊具の遊び方やルールを子どもたちに伝えている。散歩は行き先ごとに危険個所や注意点を確認しており、出かける際には交通ルール等を子どもたちに伝えている。交通安全教室の実施もある。感染症予防に向けては、看護師による手洗い指導を実施し、手洗い・うがいを習慣化している。

アレルギー対応は医師の診断に基づき行っている。園では原則、薬は預からないが、慢性疾患等で必要な場合は、主治医の指示書、保護者の与薬依頼書などの提出を受けて対応している。園内で子どもが怪我をした場合は、看護師、主任、園長が確認を行い、通院の必要性を判断するようにしている。通院が必要と判断した場合は受診前に保護者に連絡を取り、近くの医療機関に連れて行くなどの対応をしている。

園舎に入るときは手指消毒の協力を呼びかけて、感染症の予防に努めている。園内で感染症が発症した場合は、玄関や保育室にお知らせを掲示するとともにアプリでも伝え保護者に注意を促している。乳幼児突然死症候群(SIDS)の情報はポスターを掲示して伝えている。毎月保健だよりを発行し、健康管理の情報を保護者に伝えるほか、連絡帳や懇談会でも健康や生活習慣に関する情報を提供している。午睡中は全園児を対象に姿勢・顔色・呼吸・咳等の様子を観察して、睡眠チェック表に記録している。

1時間の延長保育を実施している。送迎が延長枠を超えても、できる限り対応している。保護者からの相談には、随時対応している。年間の行事予定を事前に配布したり、保護者が参加する行事について土曜日に設定するなど、保護者が参加しやすいように配慮している。今年度の行事は、感染症対策を講じ開催方法の工夫や内容変更をしながら実施している。園では保育参観日を年に1回秋頃に設けている。決められた保育参観日の日程以外でも、参観の希望があれば受け入れている。

保護者が参加できる行事として、ちびっこまつり・運動会・おたのしみ会等を設定している。今年度は感染症対策のため難しかったが、例年は行事に参加したり、準備や運営等に協力するなかで、保護者同士が交流している。年3回実施している懇談会の際には、日々の生活面、遊び等の園から子どもの様子を伝えるだけでなく、保護者から話をしてもらう時間を設け、交流できるようにしている。今年度の懇談会は感染症の影響から2回の実施となった。クラス別に行い、30分程度で園からの伝達を中心とし、質問に答える形として実施した。

子どもの発達や育児に関して話すことができるように、普段から送迎時の保護者との会話を大切にしている。保護者の意見・要望を、懇談会や個人面談などの機会を通じて把握し、計画に反映している。また、保育方針や活動内容を説明することで家庭と保育園との連携の必要性を理解してもらい、共に子育てに取り組めるよう働きかけている。コロナ禍においては、感染症対策のために保護者と思うように意見交換ができないことを課題としている。

園の周囲は自然が豊かで、散歩に出かけて周囲の公園で遊ぶなど地域資源を活用している。今年度は感染症対策のため実施は難しかったが、例年は「にんじんくらぶ」として、園児（2から5歳児）の祖父母を招いて交流をしている。また、5歳児が定期的に高齢者施設へ訪問して、一緒にゲームをしたり、歌の披露・手遊び等をして、高齢者と触れ合っている。その他にも卒園児との交流会や就学を控えた5歳児が小学校へ行く機会なども設けているが、今年度は休止としている。感染症の状況を見て、再開をしたいと考えている。

今年度はコロナ禍ではあるが、実習生や高校生の職場体験などを受け入れ、関わることができた。また、地域住民の協力を得て、近隣の畑で3・4・5歳児が芋ほりを体験することもできた。例年は地域の子育て家庭を対象とした支援事業として、園庭開放を実施している。園庭開放「よっといで」は、毎週火曜日の10時から11時に行っている。園庭で自由に遊んでもらい、園児との交流もできるようにしているが、今年度は感染症対策のため休止とした。感染症の状況を見て、再開をしたいと考えている。

個人情報の取扱いについては、法人として個人情報保護規程を定めている。子どもに関する情報を外部とやり取りする場合には、公的機関からの要請や緊急を要する場合などの法的に認められたもの以外は、必ず保護者の同意を得ている。職員は子どもの年齢や発達に合わせて羞恥心に配慮した対応を心がけている。幼児トイレ（4・5歳）に扉を設置したり、水遊びの際には外部から着替えが見えないように、シート等で目隠しをしている。

入園時の面談や日々の保護者とのコミュニケーションなどで事前に把握した価値観・生活習慣などに配慮した対応を心がけている。日常の保育では子どもの心身の発達段階など個人差を踏まえ、一人ひとりの子どもの気持ちを尊重した保育に努めている。子どもの気持ちを傷つけるような職員の言動、放任、虐待、無視等が行われることのないように、職員会議などの場で保育士の対応基準チェックシートや虐待対応マニュアルなどをもとに、職員間で話し合いを行い理解を深めている。

虐待が疑われるケースがあった場合には、経過を観察した上で定期的に子ども家庭支援センターや児童相談所等の関係機関に報告を行い、連携できる体制を整えている。虐待の事実を把握した場合には、園内で状況の確認を行った後、園長の判断により、関係機関に連絡を行う体制を整えている。

各種規程や手順をまとめたマニュアルを整備している。緊急時対応、感染症対策などのマニュアルを整備している。各種規程やマニュアル類は事務室に整備し、職員がいつでも閲覧できるようにしている。また、手順などを各クラスに掲示することで、確認しながら業務を進めることができるようにしている。状況によっては、会議で取り上げるなどして見直しを行い、職員間で周知している。

法人内各園の園長、主任、看護師、栄養士など各担当ごとに定期的に会議を開き、法人内の共通の課題を協議している。懇談会や個人面談、日々の会話などから、保護者の意見や要望が出た場合には、職員会議の中で検討して対応している。職員一人ひとりの具体的なサービスの提供方法については、リーダー層が助言・指導・相談などを行っている。年度末に振り返りを行い、次年度の計画に反映させている。