東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

法人の運営理念は「おもいっきり遊ぶ・おもいっきり学ぶ」です。法人のビジョン・理念について、職員の理解を深める取り組みとして、入社時研修や職員会議の中で説明しています。また園の運営方針について、保護者の理解を得る取り組みとして、入園面談や懇談会の際に入園案内兼重要事項説明書を用いて説明を行っています。全体的な計画については、懇談会や運営委員会で説明しています。

園長の役割と責任は、施設長業務マニュアルに記載され、職員会議などで職員に伝えています。園長は、園全体の施設運営および保育全般の統括の役割を担っています。また、法人本部所属のスーパーバイザー(SV)が園長のサポートに入り、園の支援を行っています。経営層は年始や年度開始の際に、職員に対して動画や書面でメッセージを定期的に発信しています。運営方針については、園長が職員会議で職員に伝えています。

重要な案件については、クラス会議や職員会議を中心に、検討・決定しています。また経理に関する稟議については、所定のルールに基づき決裁を得ています。決定した内容と決定経過は、職員会議などで職員に伝えるようにしています。そのほか、法人で決定された事項については、法人で実施する施設長会議を経由して職員に伝えるようにしています。保護者には、園だよりや保育アプリなどで伝え、地域の方に向けては、書面を掲示してお知らせしています。

保護者の意向や要望は、送迎時の会話や運営委員会・個人面談・行事アンケートなどで把握し、職員会議で職員に報告しています。保護者には毎月、登園予定を確認していますが、家庭の状況などにより急な変更があっても柔軟に対応するようにしています。職員の意向については、個人面談などにより把握しています。また、地域や福祉事業全体の福祉ニーズは、区の事務連絡会や区のホームページ・広報誌のほか、日本子ども育成協議会や法人本部で実施しているVIPRO委員会の活動を通して情報収集を行っています。

園の中・長期事業計画(4年)および単年度事業計画は、年度末に法人が策定した素案を基に園長が作成しています。計画に合わせた予算編成は、法人が作成しています。計画の進捗状況は職員会議で共有しており、上期と下期それぞれで振り返りを行い、年度末に事業報告書を作成しています。なお保護者に対しては、自己評価総括表にて周知しています。重点課題や重点目標は、事業計画書に明示されており、最も優先順位の高いものは、「園児の獲得」としています。乳児対象の認証園ということもあり、転園児が多い点を重点課題としています。

法人職員または保育職員として守るべき法や規則についてまとめた書類として、コンプライアンスマニュアル・保育業務マニュアル・就業規則などを整備し、職員がいつでも閲覧できるようにしています。また入職時研修やフォローアップ研修などを通して、職員の理解を深めるようにしています。加えて、年1回個人情報保護トレーニング(個人情報保護の意義や業務における心がけに関する研修)を実施し、職員の理解度を確認するようにしています。なお理解が不足している職員に対しては、個人面談などを通してフォローするようにしています。

苦情受付については、受付担当者は園長、解決責任者は本部が担っており、重要事項説明書や園内掲示で利用者に周知しています。利用者から意向や要望を伝えられた際は、職員で共有し、口頭や掲示による回答を行ってるほか、運営委員会でも共有しています。また、職員の子どもに対する言葉遣いや立ち振る舞いの規範を示した保育業務マニュアルを整備し、不適切保育の撲滅研修などを実施しています。そのほか、人権擁護のためのセルフチェックリストを実施したり、法人に直接相談ができるホットラインや内部通報制度なども整備しています。

ボランティアや実習生、職場体験は、受け入れマニュアルや書類を整備し、受け入れを行っています。職場体験は、高校から受け入れを行っています(今年度は中止)。今後は、実習生や中学校からの職場体験などの受け入れも行っていきたいと考えています。また子育て支援事業として、一時保育や育児相談を実施しています。今後は、栄養士による離乳食講座や手遊び・読み聞かせなどの保育所体験を実施し、ホームページや地域の掲示板を通してPRしていきたいと考えています。

運営に係るリスクについて、「感染症対策」を最優先課題として挙げるとともに、2番目に「事故対策」、3番目には「災害対策」としています。これらの課題についてはマニュアルを作成するとともに、職員会議で対策を講じています。感染症対策は、園長を中心に日頃から消毒と清掃を徹底し、保護者に対しても健康チェックの協力をお願いしています。また事故対策として、お散歩マップを作成したり、園内の危険個所の共有を行っています。研修では、例えば滑り台などの1枚の写真を見ながら、危険個所について考える機会を持っています。

日頃の備えとして、避難訓練(毎月)、防犯訓練(隔月)で実施しています。避難訓練では年2回、水害に合わせた訓練を実施しています。また、救命救急・SIDS・嘔吐処理などについて園内研修を実施し、各職員が理解を深めるようにしています。さらに、事故・感染症などが発生した際は、ヒヤリハット・事故トラブル報告書などに記録し、発生要因は職員会議で分析して対策を講じているほか、法人内でも共有しています。なお事業継続計画(BCP)については、現在未作成のため、今後作成に向けて取り組む予定です。

個人情報保護や情報セキュリティについては、入職時研修などで説明するとともに、年1回「個人情報保護トレーニング(個人情報に関する理解度テスト)」を全職員を対象に実施しています。また職員は、入職時に個人情報の取り扱いに関する同意および誓約書の取り交わしをしています。個人情報や機密性の高い情報を含む文書は、事務室内にある鍵のかかる書庫に保管しています。園内では端末ごとにパスワード設定によるアクセス制限を設け、機密文書は園内のみでの閲覧としています。また文書を破棄する場合には、シュレッダー処理を行っています。

園が求める職員像については、「子供一人ひとりに寄り添い、発達過程に応じた保育や援助を行う」としています。職員の求人は、ホ－ムページ・就職フェア・求人サイトでの募集や、友人紹介を行っています。友人紹介をした際には、「ニチイマイレージポイント」が付与される仕組みになっており、ポイントは商品などに交換できる仕組みになっています。職員の定着に向けた取り組みとして、家賃補助・退職金制度・語学講座の受講割引などの福利厚生があります。また出産・育児休暇の実績もあり、平均勤続年数は6年と長く、働きやすい環境を整えています。

園全体の研修計画は、研修計画書に明示されており、園内研修・社内研修・外部研修を計画しています。受講した研修内容は報告書を回覧したり、職員会議の中で職員と共有しています。また会議や研修で意見を出しやすくするために、議題を事前に伝えたり、15分間ミーティングと題してクラスごとに分かれて意見交換する機会を設けています。そのほか新入職員が配属された際には、専門の研修を受講したOJTトレーナーがサポートします。トレーナーはOJTチェックシートを活用し、職員の習熟状況を確認しながら指導を行っています。

職員は、人事考課表と個人別目標チャレンジシートに基づき、自己評価を行っています。年2回、職員が掲げた目標の達成状況とその振り返りを園長が個別面談で確認しています。評価は園長とSVが実施し、年2回の賞与と昇格に反映しています。また年1回、職員満足度調査を実施したり、定期的な面談を通して、各職員の状況や意欲を把握・分析しているほか、園長は日頃から職員とのコミュニケーションを心がけ、働きやすい職場づくりに努めています。

園の情報発信として、ホームページでの情報公開や、法人としてリーフレットを発行しています。園のホームページには、園長あいさつ・保育の概要・施設の紹介・保育料金・子育て支援・お食事などの内容が紹介されており、定期的に更新し、保育内容を伝えています。また、ホームページには「園紹介動画」も掲載しており、園の様子を動画で見ることも可能となっています。三つ折りのリーフレットには、理念・目標・保育料などを記載し、写真を使用することでさらに分かりやすく情報を伝えています。

園の情報は、足立区の担当課に定期的に報告しており、同区のホームページや足立区保育施設申し込み案内差込チラシのほか、保育情報誌「あだち子育てガイドブック」に掲載されています。また法人で作成しているリーフレットは、近隣の地域センターにも設置し、地域に向けて情報を発信しています。

園見学は、年間通して随時受け付けており、主に園長が担当しています。見学者には園の情報を分かりやすく丁寧に伝え、質問や疑問にも細かく対応するよう配慮しています。基本的に、見学は活動時間内に設定していますが、夜や土曜日希望の見学にも可能な限り応じるよう努めています。見学日当日は、最初に事務所でリーフレットに沿って、基本的な保育内容や保育料の説明を行い、その後園見学を行っています。特徴として、送迎時は必ず対面で保育者と話すことが出来ること、持ち物の少なさ、外部講師のレッスンなどを説明しています。

入園が決まった利用者には、個別に入園説明会を実施しています。入園説明会では、丁寧に質疑応答できるよう配慮するとともに、保育内容を分かりやすく伝えています。その際に、入園案内兼重要事項説明書・入園申込書・児童表・契約書・入園時健康診断記録・個人情報の取り扱いに関する同意書・災害の連絡方法などを配布しています。保育内容は、重要事項の説明に関する同意書で確認し、プライバシーの保護については、個人情報の取り扱いに関する同意書で確認しています。

入園時には、保護者や子どもの不安・ストレスを緩和するため、数日をめどに慣れ保育を実施しています。慣れ保育期間中は、保護者の保育に対する理解や安心を深めるため、細かい情報の連絡ノートへの記載や、送迎の際に時間を取って話をするよう配慮しています。慣れ保育中は、子どもの慣れ親しんだスリーピングトイ(ガーゼやタオル)などの持ち込みを許可しています。

卒園前に退園や転園をする子どもには、担任制作のメッセージ入りカードをプレゼントしています。また購入してもらう必要がありますが、製作帳も用意し、1年間の振り返りを写真などでまとめています。なお、卒園児にはおおむね3年間、行事案内や年賀状を継続的に送付しています。加えて、いつでも遊びに来て良いことを伝えており、小学校に進級した子が遊びに来る様子を見ることもあります。

連絡ノート（保育アプリ）は全園児で毎日取り交わしており、保育日誌についても、全園児個別に記録欄を設け記載しています。また、児童票・保育経過記録・子どもの成長・状況資料を使用して、園児の成長を記載しています。加えて、家庭や保護者の個別のニーズや支援方針は、園日誌・保育支援システム・個人面談記録に記録しています。なお、子どもの成長の記録は、3カ月ごとに集約しながら記録しています。

全体的な計画は、毎年3月頃に法人で作成し、それを基に園で地域性や子どもの様子を踏まえて作成しています。また全体的な計画を基に、年・月・週・日を単位として指導計画を作成しています。なお全体的な計画は入園説明会の際に保護者に周知しており、個別の指導計画は送迎時のやりとりや個人面談で保護者に伝えています。なお、説明する際には保護者に配慮して専門用語を分かりやすく言い換えるなど工夫しています。

定期的な職員の情報共有の場として、毎月1回の職員会議や毎月1～2回のクラス会議のほか、毎日の朝礼・昼礼を実施しています。申し送りには、ホワイトボードや園日誌を活用しており、園日誌・クラス日誌や各種申し送り表は、タブレットに保管しています。職員会議録や申し送り表を閲覧した職員は、日誌・議事録へのサインを行い、閲覧状況を確認しています。

入園前の子どもの生活状況や、アレルギーの有無・既往歴などは、待機受付表・入園面談記録・確認表に記録し、保管しています。保育環境のコンセプトは、「子どもが安心できる生活環境」としています。園内には生活目的に応じたコーナーと、手の届くところに玩具を設置し、自由に出し入れしながら好きな遊びを楽しめる遊びのコーナーを設置して、子どもが主体的に活動できるような環境づくりを行っています。

当園は2歳児までの乳児園のため、基本的には全園児自由に交流できる環境を設けています。また、1・2歳児は日常の活動の中で一緒に過ごしていますが、0歳児についても安全を確保しながら、一緒にお散歩に出かけています。こうした異年齢交流の中で2歳児の行動を1歳児が見習い、生活動作の習得につながっています。一方で、年下の子どもがいることで、年上の子どもの自立心を高めています。また、外国語に親しむことが出来るように、外部講師による英語レッスンを行っています。

配慮が必要な子どもの保育に際しては、子ども発達支援センターなどの専門機関と連携しながら対応しています。発達の過程で生じる子ども同士のトラブルについては、物や場所の取り合いによる噛み付きや押し倒しに対して、職員がそばについて未然に防ぐように努めています。さらに玩具の取り合いの際には、子ども自身の気持ちに寄り添いながら、同じ物を用意するなど対応しています。また区の人権研修などに参加し、子どもの気持ちを尊重する知識や技術を学んでいます。

保育アプリを活用した連絡ノートは、全園児で毎日取り交わしており、登園時には毎回、保護者へ健康状態を確認しています。登園時に保護者から得た情報は、ホワイトボード・朝礼・日誌を使用し、職員間で共有しています。例えば、あまり眠れていなかった子どもは多く睡眠をとるようにしたり、朝ごはんが食べられなかった子どもには早めに昼食を提供するなど、保護者からの情報を基に柔軟に対応しています。また降園時にも毎回、保護者へ健康状態や園での様子を伝えているほか、保育アプリでもその日の様子を伝えています。

基本的な生活習慣については、法人の作成している保育業務マニュアルに基づき指導しています。声掛けと情報共有に配慮しながら、職員間で子ども一人ひとりの成長の度合いを共有し、年齢に合わせてゆっくり丁寧に指導を行っています。排せつ指導については、個々の排せつの間隔をチェックして、発達に応じてトイレトレーニングを実施しています。着替え指導については、排せつや外遊び、食事で汚れた服を着替える際に、手伝いながら出来ることを増やしていかれるよう声かけを行っています。

基本的な午睡時間は、11時45分～14時45分で設定していますが、眠りたい子どもはいつでも眠ることができます。午睡の際は、乳幼児突然死症候群予防のため、綿の寝具は使用していません。また午睡の際は、落ち着ける環境設定としてオルゴール調の音楽を流し、眠れない子がいた場合は、布団の上や職員のそばで静かに過ごしてもらっています。

室内は子どもの興味や関心、発達にあわせた玩具を準備し、ままごと・絵本スペース・マットなどのコーナーを設けています。また、子どもたちが主体的に取り組める集団プログラムとして、ごっこ遊びやおいかけっこなどを行っています。2歳児クラスでは、子どもたちがしたいことを自ら提案し、おみせ屋さんごっこを行う様子も見られます。職員は子どもの成長に合わせて、楽しく遊びが展開されるよう工夫しています。加えて、遊びの中で生じたけんかなどのトラブルに際して、子どもが気持ちを言葉で伝えられるように支援しています。

0歳児から月齢に合わせた優しい言葉がけや遊びの中で発語を促し、言葉のやり取りを楽しめるように援助しています。また音楽的な表現力を育む機会として、リトミック・英語レッスン・朝の会・帰りの会を行っています。外部講師によるリトミックは1・2歳児を対象に毎月1回実施し、スカーフや鈴、カスタネットなどの身近なアイテムを使用しながら、音楽に合わせて身体を使って楽しんでいます。そのほか、英語レッスンは各クラス別に毎月2回実施しており、聞き慣れた歌を英語で歌うなど、外国の言語にふれあう機会となっています。

当園は園庭がありませんが、積極的に戸外遊びを取り入れています。天気が良い日はほぼ毎日近隣の公園や外周散策に出かけ、追いかけっこ・茂み探索・遊具遊び(すべり台・鉄棒・砂場)などの活動を行っています。また天気が悪い日でも、エントランスで、シャボン玉・虫探し・かくれんぼなどを楽しんでいます。これらの園生活の中で、タンポポ・桜・さつき・落ち葉や、かたつむり・ダンゴ虫・セミ・とんぼ・バッタなどの生き物にふれることが出来ます。

年間行事として、七夕・夏祭り・ハロウィン・クリスマス会などの季節・伝承行事や、親子運動会・クリスマス会など子どもの成長や保育の成果を発表する行事を行っています。親子運動会では、地域の小学校の体育館を借りて実施しています。また行事に向けて、子どもたちの興味や関心を高めるため、壁面を使って季節に合わせた装飾を行ったり、行事にまつわる絵本の読み聞かせや歌を歌っています。

年間行事予定表は3月末と4月懇談会時に配布し、行事ごとの目的は、園便りや行事のお知らせで保護者に伝えています。なお、保護者が参加・見学できる行事として、保育参加・夏祭り･親子運動会・クリスマス会を計画しており、これらの行事では保護者間の交流も目的としています。親子運動会では、親子で参加するプログラムを用意し子どもと一緒に参加してもらったり、クリスマス会では保護者に劇や踊りなどの出し物をしてもらっています。また外部サービスを使って、職員が撮った行事や保育の様子の写真を閲覧・購入できる環境を整備しています。

誕生会は園全体でお祝いしており、誕生児の紹介や職員の出し物(パネルシアターなど)を行っています。また誕生児には、職員が作成した誕生日カードをプレゼントしています。加えて誕生会で出すおやつは、毎月手作りケーキを提供しています。誕生児の好きなキャラクターを模ったクッキーや、カタツムリを催した手作りケーキなど、毎回工夫を凝らしながら子どもたちを楽しませています。

子どもたちが安心してくつろげる環境整備として、子どもの手が届くところに布マットや手作りベンチを用意し、好きな時に休むことができるよう配慮しています。また職員配置を、見守る職員とそのほかの業務を行う職員とに分けて配置するよう工夫しています。職員1名が全体を見まわせる位置で子どもを見守ることで、子どもたちも安心し、落ち着いた雰囲気を作り出しています。

延長保育は、17時頃に年齢別保育から合同保育に切り替わります。延長時間帯の合同保育は、1歳児保育室または0歳児保育室で行っています。合同保育では、1・2歳児が普段使うことがない0歳児の玩具を使用することもできます。なお延長保育中は特に園児の行動制限を設けず、職員はゆったり過ごせるように配慮しながら関わっています。

食事は、0歳児クラスはクラス内のスペースで、1･2歳児クラスは2歳児保育室で行っています。また一斉に食べ始めるのではなく、準備ができた園児から食べ始めるようにしています。完食よりも楽しく食べることを優先しており、食べたいものを食べたいだけ食べられるよう、好きなものから食べ始めることも認めています。園児たちの喫食状況は、毎月の職員会議で栄養士と共有し、残食が多い献立については切り方や味付けを工夫しています。

法人の給食方針として、「おもいっきり給食」をコンセプトに昼食を提供しています。「おもいっきり給食」は三大アレルゲン(乳・卵・小麦)を排除した食事で、みんなで一緒に同じものを楽しく食べる時間にしていきたいという思いで取り組んでいます。なお、三大アレルゲン以外の食物アレルギーのある子どもの昼食やおやつについては、食物アレルギー対応マニュアルに沿って除去食を提供しています。アレルギー食の提供は、トレーや色違いの食器を用いるとともに、食札、配膳前のチェックを行い、誤食を防いでいます。

食について関心を深める機会として、食育計画に沿って調理体験を行っています。調理体験は主に2歳児が行い、おにぎり・クッキー作り・ケーキのデコレーションを体験したり、実際の野菜を使用し、触れたりバラバラにして中身を確認するなど、食材にふれあう機会を設けています。また栄養士や調理師は、随時子どもとふれあいながら配膳などに参加しています。そのほか、3大栄養素の表を掲示し、それに沿って給食のメニューの説明を行っています。今後、園内での水耕栽培に取り組んでいきたいと考えています。

子どもたちの防災・防犯意識を高める取り組みとして、避難訓練(毎月)や防犯訓練(隔月)を行っています。防犯訓練では、毎回担当の職員を変更し、園内に侵入してくる場合や、戸外活動時に遭遇した場合など、内容も担当職員が決めて実施しています。こうした取り組みにより、職員の当事者意識も芽生えて、危機管理意識が高まっていると感じています。そのほか、園内の事故・怪我防止に向けた対策として、ヒヤリハットの共有や、散歩注意箇所マップの作成を行っています。

子どもの健康状態を把握するため、年2回の内科健診と月1回の身体測定を実施しています。与薬は基本的に行っていませんが、風邪・皮膚炎など医師の処方の場合のみ、薬を預かっています。与薬を行う場合は、予薬依頼票を提出してもらっています。また現在は在籍していませんが、医療ケアが必要な子どもについて受け入れの要望があった場合には、全職員研修や専門機関と連携しながら検討したいと考えています。

保健だよりは、季節の感染症などの情報を掲載し、毎月発行しています。保護者会では、自宅でできる嘔吐処理方法の実演などを行っています。感染症が発生した場合は、玄関へ掲示するとともに、送迎時に口頭で情報提供しています。また午睡時には、午睡チェック表やタブレットを使用し、体位や呼吸を確認しています。なお職員の感染症やSIDSに関する研修として、嘔吐処理研修や区のSIDS研修などに参加しています。

子育てに関する保護者の価値観や就労状況については、入園申込書に記録し把握しており、急な延長保育の依頼などもできるだけ柔軟に対応するよう努めています。また保育園の日常的なサービスに係る保護者の意向は、利用者アンケート(NPS調査)を実施し把握しています。加えて保護者とは年1回(秋)、個人面談を実施しています。そのほか、保護者対応に関する接遇マニュアルとして、保育業務マニュアルを整備しており、園内研修で職員に周知しています。

保護者間の交流を促進する取り組みとして、懇談会後に30分ほど雑談する時間を設けています。連絡先の交換や保育園外での交流に繋つながっており、卒園後も保護者同士で話を合わせて来園してくる様子も見受けられています。また、クリスマス会で保護者が出し物を行ってくれる際は、練習時にスペースを貸したり、子どもの見守りも引き受けるなどの支援を行っています。

子育ての考え方について、互いの理解を深めるための取り組みとして、個人面談を実施しています。またお誕生日会での保育参観や保育参加を開催し、保護者に園での保育を理解してもらう取り組みを行っています。保育参加では、リトミックなどの園活動を体験してもらった後、普段園で提供している食事を試食してもらっています。

地域資源を活かした取り組みとして、交番・消防署・図書館・児童館・地域センターなど近隣の公共施設を訪問しています。消防署には年1回見学に行き、緊急車両に乗せてもらったり訓練を見せてもらっています。また避難訓練では、園内だけではなく外で地震が起こった場合を想定し、近隣の図書館・保育園・商店・児童館に避難させてもらっています。加えてバレンタインには、交番や近隣施設に感謝の言葉と合わせて制作物をプレゼントしています。

地域向けに夏祭り・運動会を開催するとともに、地域で開催されるこどもフェスタ・夏祭りに参加することで、地域の方との交流を図っています。当園が地域との交流を継続して行っていることから、散歩中に近所の方に声をかけてもらう様子も多く見受けられます。そのほかにも、地域の未就学児や卒園児が訪れたり、系列園の子どもが遊びに来ることもあります。こうしたさまざまな交流を通して、子どもたちの交流の幅を広げています。

個人情報については、入園説明会で説明し、個人情報の取り扱いに関する同意書で双方確認しています。突発的に個人情報を提供する必要が発生した場合は、メディアに関しては社の広報と連携し、通院の場合は保護者にその都度連絡し、同意を得ることとしています。また園児の羞恥心に配慮した取り組みとして、玄関前は布マットを木柵にかけて外から見えないようにしたり、トイレの1つにドアを設置しています。

園児の権利を尊重する取り組みとして、保育業務マニュアル・児童虐待防止マニュアル・足立区教育・保育の質ガイドラインにのっとって対応しています。職員の人権教育に関しては、「東京都体罰によらない子育て」というDVDを閲覧するとともに、職員が自らの言動や行動を振り返る機会としてセルフチェックシートを年2回実施しています。また子どもと保護者の価値観や生活習慣を把握するため、保護者アンケートを行っています。

虐待の発見と対応のため、法人で「VIPRO委員会」を中心に対策を立てています。VIPRO委員会には、法人が運営する全国の保育園から代表として園長が参加し、虐待に関するテーマの議論を行い、現場にフィードバックしています。また年に2回、虐待防止月間を定め、不適切保育をテーマに研修を行ってます。そのほか、虐待に関するニュースなどが報道された際は、情報を朝礼などで共有し、回覧により周知しています。

法人内で共通して作成・活用しているマニュアルとして、保育業務マニュアル・保育衛生マニュアル・給食衛生マニュアル・児童虐待防止マニュアルなどを整備しています。また園で独自に、園の実態に即した職員マニュアルや調理業務マニュアルなどを作成し、職員は分からないことや手順に疑問が生じたときなどに活用して、基本事項を確認しています。業務の実施状況は、SV・園長を中心に4月に確認し、業務の標準化を図っています。また新入職員に対しては、OJTトレーナーがチェックシートを基に確認する機会を作っています。

法人のマニュアルは、本部で管理しており、法改正や運営の中で園長の意見を取り入れながら見直しています。また、子どもと保護者の価値観や生活習慣を把握するため、保護者アンケートを行っています。保護者の声を受けて見直した事例として、エプロン・口拭きタオルに関する対応があります。これまで各家庭で用意していたエプロン・口拭きタオルを一括して園で用意することで、保護者の負担軽減や衛生管理の向上につながりました。