東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

法人の運営理念は「おもいっきり遊ぶ・おもいっきり学ぶ」です。法人のビジョン・理念について、職員の理解を深める取り組みとして、入社時研修や職員会議の中で説明しています。また園の運営方針について保護者の理解を得る取り組みとして、入園説明会の際に入園案内兼重要事項説明書を用いて説明を行っています。全体的な計画については、保護者会で説明しています。

園長の役割と責任は、施設長業務マニュアルに記載され、職員会議などで職員に伝えています。園長は、園全体の施設運営および保育全般の統括の役割を担っています。また法人本部所属のスーパーバイザー(SV)が園長のサポートに入り、園の支援を行っています。経営層は年始や年度開始の際に、職員に対して動画や書面でメッセージを定期的に発信しています。園の運営方針については、園長が職員会議で職員に伝えています。

園内の重要な案件については、職員会議を中心に検討・決定しています。また経理に関する稟議については、所定のルールに基づき決裁を得ています。決定した内容と決定経過は、職員会議などで職員に伝えるようにしています。そのほか、法人で決定した事項については、法人で実施している施設長会議を経由して、職員に伝えるようにしています。また保護者には、園だよりや保育アプリなどで伝え、地域の方に向けては、書面を掲示してお知らせしています。

保護者の意向や要望は、運営委員会や個人面談、行事アンケートなどで把握し、職員会議で職員に報告しています。今年度は夕涼み会の際に、行事アンケートを実施しました。職員の意向については、個人面談などにより把握しています。また地域や福祉事業全体の福祉ニーズは、園長会や幼保小連携会議、日本子ども育成協議会などに参加し、情報収集に努めています。

園の中・長期事業計画(4年)および単年度事業計画は、年度末に法人が策定した素案を基に園長が作成しています。また、計画に合わせた予算編成は園長が作成し、計画の進捗状況は、職員会議で共有しています。なお、事業計画を年度途中で見直す場合には、園長が決定権を持っており、今年度は感染症の影響もあり、年間計画の見直しを実施しています。重点課題や重点目標は、事業計画書に明示されており、今年度最も優先順位の高いものは「職員の補充と保育の質の向上」としています。

法人職員または保育職員として守るべき法や規則についてまとめた書類として、コンプライアンスマニュアル・保育業務マニュアル・就業規則などを整備し、職員がいつでも閲覧できるようにしています。また、入職時研修やフォローアップ研修などを通して、職員の理解を深めるようにしています。また年1回、個人情報保護トレーニング(個人情報保護の意義や業務における心がけに関する研修)を実施し、職員の理解度を確認するようにしています。理解が不足している職員に対しては、個人面談などを通してフォローするようにしています。

苦情受付については、受付担当者は園長、解決責任者は本部が担っており、重要事項説明書や園内掲示で利用者に周知しています。利用者から意向や要望を伝えられた際は、職員で共有し、口頭や掲示による回答を行っています。また、職員の子どもに対する言葉遣いや立ち振る舞いの規範を示した保育業務マニュアルを整備し、不適切保育の撲滅研修などを実施しています。そのほか、人権擁護のためのセルフチェックリストを実施したり、法人に直接相談ができるホットラインや内部通報制度なども整備しています。

ボランティアや実習生、職場体験は、受け入れマニュアルや書類を整備し、受け入れを行っています。実習生や職場体験は、法人と連携しながら、大学や専門学校の学生を受け入れています。今後は、中学校や高校からの受け入れも行っていきたいと考えています。子育て支援事業としては、一時保育や月2回育児相談を実施しています。また事業の広報は、ホームページを通してPRしています。

運営に係るリスクについて、「感染症対策」を最優先課題として挙げるとともに、2番目に「保育の質の向上」、3番目には「離職防止」としています。これらの課題についてはマニュアルを作成するなど対策を講じています。感染症対策は看護師を中心に、日頃から消毒と清掃を徹底しています。また、保育の質の向上に向けて各種研修を実施しているほか、今後SVが講師となり、重点課題や目標に向けて研修に取り組む予定です。さらに離職防止に向けて、園長による定期的な面談やSVが巡回時にフォローするなど、職員の不安や心配の解消に努めています。

日頃の備えとして、避難訓練(月)、防犯訓練(隔月)を実施しています。また、危機管理マニュアルの確認、食物アレルギーや水遊びの危険性、アルコール消毒や嘔吐処理方法などについて園内研修を実施し、職員の各テーマについての理解を深めるようにしています。さらに、事故・感染症などが発生した際は、ヒヤリハット・事故トラブル報告書などに記録し、発生要因は職員会議で分析して対策を講じているほか、法人内でも共有しています。なお、事業継続計画(BCP)については、現在未作成のため、今後作成に向けて取り組む予定です。

個人情報保護や情報セキュリティについては、入職時研修などで説明するとともに、年1回「個人情報保護トレーニング(個人情報に関する理解度テスト)」を全職員を対象に実施しています。また職員は、入職時に秘密保持誓約書の取り交わしをしています。個人情報や機密性の高い情報を含む文書は、事務室内にある鍵のかかる書庫に保管しています。また、園内では端末ごとにパスワード設定によるアクセス制限を設け、機密文書は園内のみで閲覧としてます。重要文書を破棄する場合には、シュレッダーや溶解処理を行っています。

園が求める職員像については、「子供一人ひとりに寄り添い、発達過程に応じた保育や援助を行う」としています。職員の求人は、ホ－ムページ・就職フェア・求人サイトでの募集や、友人紹介を行っています。友人紹介をした際には、「ニチイマイレージポイント」が付与される仕組みになっており、ポイントは商品などに交換できる仕組みになっています。職員の定着に向けた取り組みとして、家賃補助・退職金制度・語学講座の受講割引などの福利厚生があるほか、有給休暇の取得率も高く、出産・育児休暇の実績もあるなど、働きやすい環境を整えています。

園全体の研修計画は、研修計画書に明示されており、園内研修・社内研修・外部研修が計画されています。受講した研修内容は報告書を回覧したり、職員会議の中で他の職員と共有しています。また、会議や研修で職員が意見を出しやすくするため、議題を事前に伝えたり、15分間ミーティングと題してクラスごとに分かれて意見交換する機会を作っています。そのほか、新入職員が配属された際には、専門の研修を受講したOJTトレーナーがサポートします。トレーナーはOJTチェックシートを活用し、職員の習熟状況を確認しながら指導を行っています。

職員は人事考課表と個人別目標チャレンジシートに基づき、自己評価を行っています。園長は年2回、職員が掲げた目標の達成状況とその振り返りを個別面談で確認しています。評価は園長とSVが実施し、年2回の賞与と昇格に反映しています。また年1回、職員満足度調査を実施したり、定期的な面談を通して、各職員の状況や意欲を把握・分析しています。

入園、または見学を希望する利用者は、園の情報を、区・法人・園のホームページ、区の窓口や区が発行している「保育園のご案内」(区のホームページからダウンロードできるほか、区役所・保健所・保健センターなどにも設置)から入手することが出来ます。区のホームページでは園の概要(所在地・電話・延長時間・最寄り駅など)や、保育目標・方針・定員・保育時間・持ち物・給食・行事などの情報や、施設のレイアウトが閲覧できるようになっています。

法人のホームページでは、法人の保育テーマ「おもいっきり遊ぶ、おもいっきり学ぶ」や、保育理念・保育方針・保育目標・多彩なカリキュラム・園での1日・年間スケジュールを配信しています。園のホームページでは、概要・施設紹介・食事(月ごとの献立)のほか、お知らせとしてその日の子どもの活動を写真を活用して伝えています。また、見学の際に渡す三つ折りのリーフレットは、「おもいっきり」と題してカリキュラムや食事への取り組みなど要所をまとめて作成しています。外国籍など日本語が苦手な方に向けたリーフレットは、現在制作中です。

見学については事前に電話で予約し、室外から見学してもらっています(感染症対策のため)。見学の主な対応は園長が行い、パンフレットに沿って保育に対する考えなどを説明しています。保育テーマ「おもいっきり遊ぶ、おもいっきり学ぶ」(遊びや学びの中で人との関わり、自分のカラーを見つけていくなど)の説明や、別のリーフレットを活用して「おもいっきり給食」として食育に取り組み、三大アレルゲンを使用していないことや食育基本法にのっとった取り組みを実践していることを伝えています。

当園は認証保育施設のため、契約は園と保護者が直接行っています。見学後保護者の入園の意思を確認し、空きが出たら再度来園してもらい、入園面接を実施しています。面接では、入園案内兼重要事項説明書・児童表・生活状況調査票などを渡し、園長が入園案内に沿って、園の概要・保育方針・保育内容・食事・健康管理・保育料・持ち物などについて説明しています。その後、説明した旨の同意を得ています。加えて入園までの生活状況・アレルギーの有無・既往症などの聞き取りを行っています。

入園面接時に把握した保護者の意向や園児の状況は、個人ファイルにそれぞれ記録し保管しています。把握した内容は職員会議などで報告し、職員間で共有しています。入園当初には乳児は2週間、幼児は1週間を目安として慣れ保育を実施しています。慣れ保育については、保護者の就労状況と子どもの様子を踏まえて、時間や期間を調整しています。園での様子(食事やほかの子との関わりなど)は、保育アプリや口頭で伝え、安心できるように配慮しています。また、子どもの慣れ親しんだタオルやマグ、ぬいぐるみなどの預かりもしています。

転園や退園、卒園をする子どもには、アルバムや職員による寄せ書きをプレゼントしています。転園先には必要に応じて申し送り表を提供し、情報を引き継いでいます。不安を感じている保護者については相談を受けるとともに、その後の対処方法について説明しています。いつでも相談して良いことも伝え、不安を軽減するよう努めています。卒園する子どもについては、保育所児童保育要録や就学支援シートを就学先の小学校に送付(保護者の希望または同意のもと)しています。また行事招待状も送付しており、支援の継続性に配慮しています。

「全体的な計画」(法人が素案を作成)を基に、年齢ごとの年間・月間指導計画を作成しています。現状の子どもたちの状況を考慮しながら作成しており、具体的な保育活動は週案の中で表現しています。保育目標は「すくすく育つ、わくわく遊ぶ、いきいき過ごす」とし、食育(おもいっきり給食)なども含めて子どもの状況に合わせた活動を計画しています。0～2歳児の保育日誌は、個別の記録欄を設けて記録しています。子どの成長の記録は0～2歳児は隔月、3～5歳児は四半期ごとに児童票に集約しながら記録しています。

年度始めの保護者会で「全体的な計画」を示し、年齢ごとのこれからの子どもの成長や目標・取り組みなどを伝えているほか、園だよりやクラスだよりなどでも全体的な様子を伝えています。個別の計画は、0～2歳児と配慮を要する子どもについて作成しています。子どもの状況については、保育アプリや送迎時の会話などで伝え、発達や成長を共に確認しながら子育ての視点を共有しています。5歳児は午睡時間の短縮や読み書き練習など、就学前教育カリキュラムとの整合性を意識しながら取り組んでいます。

月間の計画については毎月の職員会議で共有し、全職員が同じ視点で支援や援助ができるようにしています。またクラス別会議を毎月10回(うち4回は園長も出席)開催し、年齢や子どもの状況に合わせた保育内容を検討しています。子どもや保護者のその日の状況については昼礼(10分)で報告し、内容を職員申し送りノートに記録し、職員間で共有しています。出席できなかった職員は、口頭での報告やノートの閲覧で確認し、確認後にはサインをしています。保護者からの連絡は保育アプリを活用し、全職員が確認できるようになっています。

一人ひとりの子どもの発達の過程や生活環境は、入園時の面談や送迎時の会話、保育アプリなどで全体的な姿を把握しています。園内には生活目的に応じたコーナーが設置され、手の届くところに玩具を設置し、自由に出し入れしながら好きな遊びを楽しみ、子どもが主体的に活動できるような環境づくりを行っています。

朝夕保育の時間帯や土曜保育のほか、3～5歳児は同じフロアのため常に異年齢で関わり、交流できるようになっています。担任同士の話し合いで、他クラスと一緒に散歩に出かける機会も設けています。午睡の寝かしつけなど、年上の子どもが年下の子どもの生活の手伝いをする中で、年上の子への憧れや年下の子への思いやりの気持ちを育んでいます。異文化に触れる機会として、外部講師による「英語の時間」(月2回)を設けており、0歳児から遊びながら英語を楽しんでいます。また国内各地の文化に親しむ機会として、献立に郷土料理を取り入れています。

園の状況を考慮しながら配慮が必要な子どもたちを受け入れ、日々の保育の中で一緒に過ごし、子ども同士刺激し合いながら共に成長しています。必要に応じて児童発達支援センターの専門職員に来てもらい、支援方法などの助言を受け保育に反映するようにしています。発達の過程で生じる子ども同士のトラブルについては、その都度ヒヤリハットなどに記録し、適切な対応を心掛けています。噛みつきなどを未然に防ぐ工夫として、遊び場所を分けるなどの配慮をしています。また就学に向けた取り組みとして、自治体から来た情報を保護者に周知しています。

登園時には視診とともに、保育アプリや保護者との会話から家庭での様子や体調などについて聞き取りをし、朝保育の担当保育士や担任が確認しています。保護者からの連絡事項は保育アプリに入力されており、全職員が確認できるようになっています。日中の子どもの様子は保育アプリや引継ぎノートで担任から担当職員に引継ぎ、出来る限り口頭でも伝えるようにしています。降園時には保育アプリやホームページで、その日の活動を写真やイラストなどで伝えています。また5歳児が書いたその日の活動の様子として、「園日誌」を掲示しています。

基本的な生活習慣ついては、保育業務マニュアルに基づき指導しています。保護者には、年度始めの懇談会やクラスだよりや保健だよりなどでその大切さを伝え、家庭と連携した支援が出来るようにしています。排せつについては家庭での様子を踏まえ、個々の間隔を把握して無理なくトイレに促しています。着脱は、さりげない手助けの中で自分でできた喜びを感じられるようにしています。箸についてはゲームを取り入れ、スプーンを正しく持ち、使えるようになった子どもから順次移行しています。

午睡は、年齢ごとに基本的な長さや時間帯は決めていますが、健康状態や家庭での生活リズムを考慮し、一人ひとりの状況に合わせて入眠時間や休息時間を調整しています。また必要に応じて、午前寝など休息が出来るように環境を整えています。眠れない子どもについては幼児室で静かに過ごしています。5歳児は12月には午睡をなくしています。希望を受け、3歳児から午睡をなくしている子どももいますが、活動内容や体調によって横になれるように配慮しています。午睡をしない時間の活動は、自由遊びやイベントに合わせた制作などをしています。

室内には子どもの興味や関心、発達にあわせた玩具を準備し、ままごと・絵本・積み木・制作コーナーなどを設置しています。子どもたちは自由に玩具や遊びを選んでじっくり遊び込んでいます。ブロックなどの作品は、子ども自身が保管し継続した遊びができるようにしています。制作コーナーでは空き箱などの素材を準備し、自由に制作が楽しめるようにしています。基本的に年齢に合わせた活動をしていますが、3～5歳児は同じフロアのため、子ども同士自由に関わり、年齢に合わせた無理のない声かけでみんなで遊ぶ楽しさを伝えています。

0歳児から月齢に合わせた優しい言葉がけや遊びの中で発語を促し、言葉のやり取りを楽しめるように援助しています。毎日絵本の読み聞かせを行い、絵本に親しんだり、季節の歌や今月の歌を歌い、音楽にも興味を持つようにしています。また「おもいっきり体操」としてさまざまな体操を取り入れ、体を使った表現を楽しんでいるほか、発表会で演劇を発表したり、年齢や季節に合わせた絵画や作品作りも実施しています。

当園は園庭はありませんが、積極的に戸外遊びを取り入れ、体を十分に動かし気分転換を図っています。近隣にはさまざまな公園が点在し年齢や目的に合わせて出かけています。園のすぐそばには川が流れており、桜並木で車の通りもなくゆっくり散策し季節の移り変わりを感じています。落ち葉など自然物は制作に活用しています。また、子どもが自身の気持ちをコントロールできるよう、帰りの会などでCAP(さまざまな暴力から自分の心とからだを守る、暴力防止のための予防教育プログラム)を取り入れています。

七夕・豆まき・ひなまつりなどの伝承行事のほか、運動会や発表会など、子どもの成長を感じられるもの、夕涼み会・ハロウィン・クリスマスなど季節を感じられる行事を実施しています。伝承行事ではその由来も伝えることで、日本の文化を知る機会にもなっており、子どもが興味を持ち自ら進んで楽しく取り組めるように、行事の内容を工夫して実施しています。夕涼み会は縁日をイメージして実施しました。なお、行事は日々の保育の一つとして捉え、子どもの成長や状況を踏まえて、無理なく実施できるように配慮しています。

今年度の運動会は感染症対策のため、園内でクラスごとに実施し、保護者は園外からの見学としました。(例年は小学校の校庭を借り、5歳児はパラバルーンを披露)。発表会は子どもの成長や興味・関心に合わせて、演目を選び実施しています。幼児クラスでは演目の内容・役・小道具などを子ども同士話し合いながら準備を進め、当日までの過程も大切にし、達成感を持てるように心がけています。お泊り保育は内容を変更し、「夜のお楽しみ会」として、花火やカレーライスづくりを楽しんでいます。

誕生会は園全体で行い、個別のインタビュー・歌・職員の出し物・王冠のプレゼントでお祝いしています。おやつにはケーキを提供しています。保護者には年度初めに年間行事予定表を配布し、行事の日程調整など見通しを持って参加できるように配慮しています。活動の内容や目的は、園だよりなどで保護者に伝えるとともに、子どもの成長の様子を見てもらう機会であると捉え、無理のない計画の中で普段の子どもの姿を伝えるように努めています。保護者が参加しない活動の様子は、園のホームページや写真を販売して伝えています。

0・1歳児は2～5歳児クラスとは別フロアで、年齢に合わせてゆっくり過ごせるようになっています。0・1歳児クラスには畳敷きのスペースもあり、少人数に分かれて家庭的な雰囲気の中でくつろげる環境を整えています。室内は子どもの興味関心、成長に合わせたコーナーを設置し、好きな玩具を選んで遊ぶことができるようになっています。日中も子どもの発達に合わせて無理のないプログラムで活動し、子どもの状況によって活動内容を決めています。部屋の隅には一人で休息する場所も確保しています。

17時45分には全クラスが合流し、0・1歳児クラスを使用して降園まで過ごしています。延長保育の時間は、普段遊べないままごとや大きなブロックなどの玩具を用意し安全にも考慮しながら、それぞれの年齢が楽しく遊べるように配慮しています。日頃から全年齢が交流する機会があり、年上の子どもが年下の子どもの面倒を見る姿が見られています。延長保育の時間帯は、保育士と1対1でのスキンシップを図っています。担当職員はシフト制で入れ替わりもありますが、日頃の顔なじみの中で、子どもが安心して過ごせるようにしています。

給食は年齢ごとに落ち着いて食事をとれるよう、環境を整えています。特に乳児は、食事と午睡の場所を別にしています。椅子・テーブル・食具は年齢や発達に合わせて使用し、正しい姿勢や持ち方で食べられるように指導しています。3～5歳児は自由に好きな席に座り、会話を楽しみながら食事をしています。また子ども自身が作ったランチョンマットを使用し、雰囲気を変えて食事を楽しむ時間を持つようにしています。夜のお楽しみ会では、バイキング形式で食事を提供しています。

献立は季節の食材を取り入れ、栄養に配慮して和食・洋食・中華など内容が偏らない献立を提供しています。子どもの喫食状況は嗜好調査表で把握し、献立作成の参考にしています。行事の際には野菜の型抜きや盛り付けなどを工夫し、園オリジナルの見た目も楽しい給食の提供を行っています。また食育活動として、トマト・キュウリ・お米などの野菜をプランターで栽培し、成長を見守りながら収穫を行っています。3～5歳児は調理体験を実施し、カレーライス(夜のお楽しみ会)や月見団子を作り、食への関心を深めています。

法人の給食方針として、「おもいっきり給食」をコンセプトに昼食を提供しています。「おもいっきり給食」は三大アレルゲン(乳・卵・小麦)を排除した食事で、みんなで一緒に同じものを楽しく食べる時間にしていきたいという思いで取り組んでいます。なお、三大アレルゲン以外の食物アレルギーのある子どもの昼食やおやつの提供について個別テーブルで行い、給食職員と保育士によるダブルチェックにより誤食を防いでいます。

子どもたちの防災・防犯意識を高める取り組みとして、毎月の避難訓練(地震・火災時の避難の仕方や防災頭巾の被り方)や、隔月の防犯訓練を実施しています。交通安全教室は警察の協力の基、実施しています(今年度は中止)。また園内の事故や怪我防止に向け、子どもたちに遊び方のルールを伝えたり、棚などの転倒防止対策を行っています。加えて健康に関心が持てるよう、看護師がうがいや手洗いの正しい方法を伝えています。

嘱託医による年2回の内科健診と歯科検診、毎月の身体測定を実施し、専門機関と連携しながら子どもの健康管理に努めています。医療的なケアが必要な子どもに対しては、嘱託医や主治医と相談し適切な支援をしています。与薬については重要事項説明書に明記され基本的に行っていませんが、熱性けいれんや食物アレルギーなど慢性疾患については医師の指導のもと、与薬依頼書を提出してもらい預かっています。園には自動体外除細動器(AED)を設置しており、年1回看護師による講習会を実施し、全職員に正しい使い方を伝えています。

子どもの病気や感染症については、入園時の説明や毎月保健だよりを配布して保護者に伝えています。保健だよりでは、季節で流行する病気や予防法などの注意事項、子どもの健康に関する情報を伝えています。園での子どもの健康状態については、保育アプリを活用して保護者へ伝えています。園内で感染症が発症した際には、発生状況を速やかにメール配信や玄関掲示で注意喚起しています。午睡時には午睡チェック表やタブレットを使用し、体位や呼吸を確認しています。また職員を対象に、感染症や嘔吐した際の処理の方法などについて研修しています。

保護者の子育てや就労など、個々の事情に配慮して接するための取り組みとして、入園時に保護者の価値観や就労状況などを確認し、急な時間変更などにもできる限り柔軟に対応しています。保護者とは保育アプリや送迎時の会話、個人面談などを通して、子どもの成長などの情報を共有しています。日常の活動については、ホームページや写真販売などを活用してわかりやすく伝えています。保護者対応については、保護者マニュアルを整備するとともに、言葉使いや会話の内容などの研修を実施し適切な対応を心がけ、信頼関係構築に努めています。

年2回の保護者会や運営委員会などを通して、保護者同士が交流する機会を設けています。保護者会では、保護者同士の意見交換や育児についてアドバイスし合う時間を設けています。子どもの発達や育児について共通意識を持つ取り組みとして、保育参加や保育参観(今年度は中止)を実施し子どもと一緒に遊ぶなど、実際に園での生活の様子を間近で経験してもらうことで、子どもの様子とともに保育士の関わりを知ってもらう機会としています。現在は実施できていませんが今後、保護者向けの育児講座(育児相談)開催などの機会を検討しています。

近隣の公共施設など地域資源を活用した多様な体験を通して、子どもが職員以外の人と交流する機会を設けています。警察による交通安全指導の機会や、散歩時に交番や児童館を訪問しています。また、夏には近隣の公立の保育園でプールを貸してもらっています。ハロウィンでは仮装して商店街に行き、声をかけてもらい地域で働く人との交流を楽しむことが出来ました。今後、感染症が落ち着いた際にはさらに交流の幅を広げ、地域支援にも取り組みたいと考えています。

必要な情報の範囲と利用目的など、個人情報の取り扱いについては重要事項説明書に詳しく記載しているほか、入園説明会で説明し、同意を得ています。外部とやり取りをする必要がある場合は、その都度保護者の同意を得ることとしています。子どもの羞恥心への配慮として、トイレは年齢に合わせてドアを設置しています。おむつ替えは決まった場所で、パーテーションを使用して他児から見えないように行っています。着替えは部屋で行い、全裸にならない着替えの仕方を伝え、3～5歳児の着替えは男女分けて行っています。

「子どもの権利マニュアル」に基づき、子ども一人ひとりを尊重する保育を実践しています。保育目標の中にも「すくすく育つ、健全な心と健康な身体」とあり、子どもの成長や気持ちに寄り添った保育を心がけています。マニュアルには「名前の呼び捨てやあだ名をつける、笑う、からかうことがないようにする」などと明記されており、職員自身の言動について常に振り返る姿勢を持ち、適切な対応を心掛けています。人権に関する書籍や書類は、職員が手に取りやすい場所に保管し、確認できるようにしてるほか、園内研修として人権教室を実施しています。

子どもと保護者の価値観や生活習慣については、入園時の面接や保護者アンケ－トを参考に把握し、一人ひとりに配慮した保育を心掛けています。虐待防止や育児困難家庭への支援に向けては、「改正児童虐待防止法」をテーマに研修会を年2回実施しているほか、自治体や専門機関が主催した虐待防止研修に参加し理解を深めています。虐待を受けている疑いや、受けている情報を把握した時には「児童虐待防止マニュアル」に従い、適切な対応ができる仕組みを整えており、子ども家庭支援センターなどの関係機関と連携をとる体制が整備されています。

法人共通のマニュアルとして、保育業務マニュアル(食物アレルギー・保育者対応・危機管理・健康管理など)・運営の手引き・個人情報保護マニュアルなどを整備しています。園独自に作成したマニュアルとして「安全確認マップ」を作成し、職員は分からないことや手順に疑問が生じたときなどに活用し、基本事項を確認しています。業務着任時や入職時には研修を実施し、マニュアルの理解と活用を促しています。業務の実施状況は、SV・園長・主任を中心に4月に確認し、業務の標準化を図っています。

法人のマニュアルは本部で管理しており、法改正や運営の中で園長の意見を取り入れながら見直しています。園内で課題が生じた際などは、必要に応じてその都度話し合いの機会(職員会議)を設けています。保護者の要望や意見は、個人面談やアンケートを実施し、保育に反映しています。また職員からの提案は、職員会議で取り上げ、安全面などに考慮しながら柔軟に保育に反映しています。職員の意見を反映した事例として、小学校との連携や午睡時の職員体制、消毒の仕方などを見直し、サービス向上に取り組んでいます。