東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

法人の運営理念は、ひとりひとりに、のびやか保育」で、運営方針は、愛情を持って愛情を育てる。創造力をもって創造力を育成する」です。法人の理念・方針について、入社時に職員へ理解を深める場を設けています。その後も3カ月後研修、3～4年研修などを定期的に行っています。また法人の運営方針について、保護者の理解を得るため、入園説明会で説明をしています。全体的な計画は、入園のご案内などで保護者に案内しています。

園長の役割と責任は、園運営・収支管理・職員育成・備品管理・子供の保育全般と、業務分担表に明確に記載されています。主任をはじめ、全ての職員に関しても明記されています。業務分担については、職員へ職員会議での周知、ならびに業務分担表の掲示で誰もがわかるようにしています。そのほか、年1回5月に開催される新年度会議で、新年度のスタートとして説明しています。

園内で発生した案件については、内容によって看護師などの専門職とともに検討し、改善へつなげています。最近では、けいれんで入院が続いている園児のお預かりについて検討しました。また園内で解決が困難な場合は、園長と主任で検討後、本部の担当者に相談しています。決定された重要な案件は、職員へは職員会議、保護者へは園だより、近隣住民へは園外掲示板で伝えています。また法人代表からも、法人内で使われているグループウエアの掲示板やメッセージで労いの言葉と共に、何かあった際には随時呼びかけています。

利用者のニーズはアンケートにより把握し、その結果は職員へも共有しています。保護者ニーズに対応した事例として、園から保護者への連絡をICT化し、個別に連絡できるように変更しました。またコロナ予防対策として、玄関での受け渡しとし、園内の様子や保護者面談はオンラインツールを活用しました。どの取り組みも、保護者からは好評を得ています。園としても、オンラインによりご家庭のお子さんの様子も把握できるようになりました。さらに職員のニーズは職員個別面談により把握し、その結果は職員会議で職員へ共有しています。

正職員だけでなく、パート職員も含め全ての職員と個別面談を実施しています。法人職員としての行動評価と保育園職員としての職能評価を自己評価・上司評価するだけでなく、面談時に職場での意向も把握しています。内容については職員会議で共有し、取り組める事例については検討し、実現へ向けています。例えば、職員から人数分の職員ロッカーが足りないので補充してほしいという要望があり、設置場所なども含め検討し、購入に至りました。

法人の中・長期事業計画は毎年度末に作成し、職員会議により職員に伝えています。事務所内キャビネット、社内グループウエアの掲示板に保管し、いつでも閲覧可能にしています。園の単年度事業計画も同様です。数値目標を定めている重点課題や重点目標は、事故を減らすため月に1人1枚気づきハットを提出することとしています。事業計画の進捗状況は職員会議で職員に伝え、法人の事業計画内容を年度途中で見直す場合は、園長会議で検討しています。単年度事業計画を見直す際は、園長が決定しています。

法人職員または保育職員として守るべき法や規則についてまとめた書類として、就業規則・研修資料・各種マニュアルを整備し、事務所内キャビネットに保管しています。職員へは新人研修および3カ月研修にて周知し、9月と1月に自己評価シートで理解度を確認しています。理解度が不足していると思われる職員に対しては、個人面談や研修を実施し、支援しています。また就業規則の内容を職員への分かりやすく周知するために、研修資料や各種マニュアルへも反映しています。

苦情解決制度を整備しており、苦情受付担当者を看護師、苦情解決責任者を園長が担っています。苦情解決制度の利用方法は、重要事項説明書を使用し、入園面談時に説明するとともに、担当者については、入園のご案内や玄関掲示で利用者へ伝えています。実際に利用者から意向や要望を伝えられた際は、クレーム対応マニュアルに沿って対応しています。受け止めた利用者の意向と対応した内容は、クレーム対応報告書に記録し保管しています。また、寄せられた意見や要望は、手紙や運営委員会議事録の配布で、回答・周知しています。

子育て支援事業として、リトミック・離乳食相談会・育児相談会を実施しています。地域懇談会や、地域の私立園長会などの地域ネットワーク会議にも参画しています。地域ネットワーク会議は4カ月ごとに開催しており、会議には園長が出席しています。直近の会議で議題となった地域課題として、「乳幼児保育について」「コロナ対策について」があり、その地域課題への対応として、園からはお便りを発行して周知しています。

運営に係るリスクは、ケガなど対応マニュアル・環境委員会課題シート・感染症予防対策マニュアル・防災対策マニュアルと各種マニュアルに明示し、リーダー会議で対策を検討しています。職員は気づきハット・ヒヤリハット・リスクが発生した際の事故報告書へ記録し、発生要因を月1回の職員会議で分析後、再発防止策を策定しています。加えて、法人グループウエアの社内掲示板で、全園に件数や各園が伝えたい内容を共有しています。利用者へは、個別面談や保護者会で伝えています。コロナ禍での開催時は、オンラインツールを活用しました。

事業継続計画(BCP)は、地震・風水被害を想定して作成しており、想定している復旧期間は杉並区の休園判断基準に準じて定めています。園は海抜が高く、近くに海や川もない地域に立地し、洪水ハザードマップには指定されていない比較的安全な場所ですが、近年増えてきた想定外の自然災害に備えています。職員へは、マニュアルの読み合わせを実施し、周知徹底を図っています。利用者へは、運営委員会で説明しています。危機管理マニュアルやBCPは、事務所内キャビネットに保管し、いつでも確認できるようにしています。

事務室の個人情報など機密文書は鍵付きの書棚やキャビネットで管理し、管理書類一覧で整理しています。閲覧は、事務室内のみとしています。また園内PCで作成するデジタルデータは、運用ルールの基、パスワードを付けてUSBで保存しています。PCやクラウドにログインする際のパスワードは、半年に1度変更しています。利用者へ向けた個人情報の利用目的や開示請求の方法は、個人情報保護方針や個人情報保護規定を基に行っています。保護者に了承を得ずに園児の情報を外部機関に提供する事例としては、自治体・医療機関への情報提供があります。

園が求める職員像は、求人票・クレド・ホームページに記載し、入職時にミスマッチがないようしています。また人材確保対策として、お友達紹介キャンペーン(HOTOMO)を行っています。試用期間3カ月勤務した際に、入職者とその紹介者へ10万円ずつ謝礼が出るキャンペーンです。人材育成計画については、入職時に内容を伝え、なりたい自分への道筋を立てています。キャリアパスシートに設定されている階層の数は保育士の場合、8階層あり、内容は個別面談や人事評価研修で職員へ伝えています。

研修は、新人研修・1カ月研修・主任研修・園長研修があり、研修計画に明示されています。研修受講履歴は研修管理表に記録し、受講した内容は研修レポートを回覧し、他の職員と共有しています。チューターは入社2年目が担当し、1対1で行っています。チューターは年齢も近く、別のクラスを担当しているため、他のクラスの取り組みも聞けて、参考になります。職員の学びや気づきを取り入れる環境づくりとして、環境委員会の参画があります。園内に設けた職員の作業グループや研究チームで1年間、安全な環境を研究テーマとして取り組んでいます。

職員の目標管理は、人事評価シートの規程に沿って行っています。年2回9月と1月に職員が掲げた目標の達成状況の振り返りを行い、園長と主任が個別面談で確認しています。また福利厚生制度として、保養所の宿泊費補助や借り上げ社宅があります。また有給休暇の取得率は100%となっており、出産・育児休暇取得の実績もあります。職員の意識ややる気は個別面談で把握・分析し、就労環境向上のため職員ノートに記録するなど、職員の状況を都度把握しています。職員間の良好な人間関係についても、職員満足度調査を行い、客観的に把握しています。

園の基本理念・保育計画・年間行事などを記載した「ピノキオ幼児舎井草保育園入園のご案内」を発行しています。ホームページには、園の紹介やあいさつなどを掲載しており、適宜更新して保育内容を伝えています。案内に際しては、写真がきれいに見えるよう光沢紙を使用しています。また外国籍や日本語が苦手な方に向けて、ふりがな付きの資料も用意しています。

園の情報は、区役所子ども家庭部保育課に定期的に報告しています。地域交流会のポスターを児童館や病院に掲示して、地域の方にも園の情報を発信しています。

園見学は主に園長が担当しており、随時開催しています。見学者には、園の理念である「のびやか保育」について分かりやすく説明しています。また、保育体験の機会として地域交流会を設けていますが、コロナ禍でなかなか園内に入ることが出来ないため、今後はオンラインツールを使った見学会も検討しています。

入園が決まった利用者には、重要事項説明書・児童票・同意書・アレルギーや離乳食に関する書類・ICTアプリに関する書類・入園式のご案内を配布し、2月と3月の第1週に説明会および面談を開催しています。保育理念である「のびやか保育」の説明をはじめ、ゆとりを持った面談時間を設け、保護者の不安や疑問にしっかりと対応しています。サービス内容は「入園に関する同意書」で、プライバシーの保護については「写真・動画掲載に関する同意のお願い」で確認しています。保護者から把握した意見や園児の状況は、ノート・児童表に記録しています。

入園前の子どもの生活状況や、アレルギーの有無、既往歴などは、児童票に記録しています。入園時には10日間を目安に慣れ保育を実施しています。慣れ保育の期間中は特に保護者との会話やコミュニケーションを大切にしており、連絡帳以外にも当日の保育の様子を丁寧に説明して、保護者や子どもの不安、ストレスを緩和し、園生活を楽しく過ごせるよう配慮しています。

退園や転園をする子どもには、制作物をまとめた思い出帳をプレゼントしています。転園先には、必要に応じて児童票を提供し、情報を引き継いでいます。さらに、退園後も行事の招待状を送付するなど、継続したコミュニケーションを図っています。

子ども一人ひとりの様子を保育日誌に個別記入欄を設けて記録するとともに、連絡ノートを保護者と毎日取り交わしています。併せて、健康カードと保健日誌に心身の状況や生活状況を記載しています。園児の個別の保育目標は月間個別指導計画に記録し、家庭や保護者の個別のニーズや支援方針は個人面談票に記録しています。以上のような記録の仕組みをもって、子どもと家庭の状況を見極めて個別に適切な支援を進めています。

全体的な計画に基づき、年間・月間・週間ごとに指導計画を作成し、全園児個別に支援の方針を定めています。それに対し、年間指導計画は四半期ごと、月間指導計画は毎月、週間指導計画は毎週反省し、次期の計画に反映させています。そのような実践と振り返りに基づき、保護者会で保育目標と発達の目安について紹介するとともに、個別面談を年2回実施し園児一人ひとりの状況を保護者に伝えています。また感染症の流行などで緊急に指導案の見直しが必要となった場合は、臨時職員会議を催して検討しています。

職員全体会議には園長・保育士・看護師・栄養士・調理師・事務員ら正規職員が参加し、毎月1回開催しています。併せて、園長とクラス担当が参加するクラス別会議も毎月開催し、保育目標の達成状況や指導計画の推進状況を評価しています。さらに職員間の日々の情報共有に向けて、職員ミーティングを毎日15分間行うとともに、職員申し送り表を活用しています。職員会議録や申し送り表を閲覧した職員はサインをし、閲覧状況を確認しています。

入園前の子どもの生活状況やアレルギーの有無、既往歴などについては、児童票に記録しています。園生活が始まると、0～2歳児クラスでは保育日誌に個別の記録欄を設け、生活と成長の様子を記録しています。連絡ノートも同様に、毎日取り交わしています。そのように子どもの姿を把握し、園内は子どもが楽しく過ごせる環境としています。生活目的に応じた「食事・着替え・午睡」などのコーナーと、遊びに応じた「キッチン・ブロック」などのコーナーを設けて、園児が主体的に活動できるよう工夫しています。

乳児園であるため、日中は各年齢別に落ち着いて過ごせる環境を構成しています。早遅合同保育の時間帯には、異年齢合同で過ごしています。また、リトミックや当番活動で年上の子どもが年下の子どもの生活の手伝いをする際、そして一緒に散歩に出かける際なども、異年齢の子どもが触れ合う機会となっています。一方、海外の文化に親しむ機会として、給食メニューに海外の料理を取り入れています。日本文化については、お月見会やひな祭り、七夕会などの年中行事を通じて体感しています。

配慮が必要な子どもを受け入れる場合、杉並区の巡回相談を受けたり、発達支援センターなどの専門機関と連携しながら対応しています。心理士など専門職の指導・助言を受けながら、子ども一人ひとりに対する適切な支援の方法を確認しています。また園児同士のけんかやかみつきなどに対して、職員は年齢別保育研修に参加して、子どもの気持ちを尊重する知識や技術を学びながら対応しています。なお園児同士のトラブルや事故が発生した際は、事故簿やヒヤリハット報告書に記録しています。

登園時には、視診と検温を行うとともに、ICTアプリによる連絡ノートは、0から2歳児の全クラスで毎日取り交わしています。保護者から得た情報は、保育日誌や職員ノートを使用し、職員間で引き継いでいます。降園時には毎回、保護者へ子どもの体調を報告するとともに、一日の様子を伝えています。

子どもの発達と支援については、全体的な計画に記載しています。基本的な生活習慣については、全体的な計画・年間指導計画・月間指導計画・月間個別指導計画に基づき指導しています。排せつ指導として、オムツ交換時にトイレに座ることに慣れるようにしています。歯磨き指導については、絵本の読み聞かせをしています。着替え指導については、一人ひとり意欲的に取り組めるよう声を掛けています。

乳児の午睡時間は、12時～14時45分で設定しています。寝具は、樹脂素材を使ったマットレスパッドを使用し、通気性が良く衛生的な環境としています。午睡時間に眠れない子がいた場合は、医務コーナーや保育室などで過ごしています。

法人のテーマとして、遊びや生活の中から子どもの好奇心を芽生えさせ、 創造力を養い、思いやりの心を育て、形に拘らず子どもたちの自主性を伸ばす「のびやか保育」を実践し、子ども一人ひとりに合わせた時間と空間を設定しています。また本園では、子どもが楽しく過ごせる環境づくりをコンセプトとし、キッチンやブロックなどの遊びに応じたコーナーを設けています。園児が自分自身の気持ちをコントロールできるように、室内でゆったりと過ごせるようにしたり、友だちとの物の貸し借りなどの約束事を確認しています。

ピノキオ幼児舎の特徴として、「PLP(ピノキオラーニングプログラム)」を導入し、リトミック・造形については外部の専門講師の指導を受けています。また、園児の言葉に対する感覚を養うためのプログラムとして、絵本の読み聞かせを行っています。

散歩は条件が整う限り積極的に出かけており、週4回程度出かけています。近隣の公園などに出かけて、探索活動・電車見学・砂場遊び・鬼ごっこなどの遊びを楽しんでいます。また、桜や紅葉を目にしたり、どんぐりを採集するなどして植物に触れています。カモや池の魚を見るなど、生き物にも出会っています。

子どもの成長や保育の成果を発表する機会として、ジャンボリー・作品展・発表会を催しています。また、七夕・お月見会・節分・ひな祭りなどの年中行事を行っています。お店屋さんごっこを行う際は、何をしたいか園児の声も聞くようにしています。行事開催に向けて、園児の興味や関心を高めるための工夫として、行事について事前に説明をし、自分たちでの話し合いも進めながら、当日を楽しみにできるようにしています。行事を終えた際は、帰りの会などで感想を聞き、追体験できるようにしています。

保護者が参加・見学できる行事として、保育参加・保護者会・ジャンボリー・お芋掘りを実施しています。年間行事予定表は年度初めに配布し、保護者の参加に向けて日程を調整しやすいよう配慮しています。また行事ごとの目的を園だよりで説明し、保護者にも理解を促しています。保護者が参加しない行事については、写真販売や連絡帳で子どもたちの表情を伝えています。

園児の誕生日は、0歳児はクラスで、1・2歳児は合同でお祝いしています。誕生日会ではインタビューをしたり、歌でお祝いしたりするとともに、写真・手形・メッセージが書かれたカードをプレゼントしています。また誕生会で出す食事は、誕生日会の特別なおやつを提供しています。

園児が安心してくつろげる環境整備として、整理整頓された部屋作りを心がけています。日中に園児が疲れてしまった場合は、マットで休息することが出来ます。また一人きりになりたいような場合は、医務コーナー兼事務所で過ごすことができるようにしています。

17時以降になると、クラス別保育から合同保育に切り替わります。そして延長時間帯に入ると、1歳児室で過ごすようになります。合同保育では、普段遊べないパズルやお絵かきコーナーなど、静的な遊びを用意しています。また、ゆとりのある職員数を配置して一人ひとりに寄り添い、子どもの要求を受け止められるよう配慮しています。現在は延長保育の利用実績も少ないため、個別対応をしっかり図ることが出来ています。

食事は専用のコーナーで行い、テーブルの配置など楽しく食事できる雰囲気・環境作りに努めています。食事の際の座席は固定しており、いつも同じ空間の中で落ち着いて食事ができるようにしています。

乳児園で子どもの年齢が低いため、食事については調理の方法を発達に合わせて段階的に設定しています。また、彩りよく薄味で調理して提供しています。行事食は、特に見た目から楽しめるよう、盛り付けを工夫しています。食物アレルギーのある園児に対しては、アレルギー対応マニュアルに沿って除去食を提供し、別テーブルで食事をしています。なおアレルギー食を提供する際は、色違いの食器やトレーを用い、誤食の防止に努めています。

食に対する関心を持つ機会として、食育活動を行っています。栄養士や調理師は、毎日園児と触れ合いながら配膳などに参加しています。またお楽しみ会では、昼食やおやつをバイキング形式で提供しています。さらに2歳児クラスになると、給食素材となるキャベツをちぎる手伝いを体験しています。今後は、苦手な食材が克服できるような工夫も取り入れたいと考えています。

園児の防災・防犯意識を高める取り組みとして、避難訓練や消火訓練を行い、子どもたちは防災頭巾をスムーズにかぶれるようにしています。交通ルールは、散歩に出かけた際に体験を通じて身に着くようにしています。また日常の生活において手洗い指導を徹底し、健康が保たれるように配慮しています。一方職員は、園内の事故・怪我防止に向けた対策として、0歳児室の壁の角にカバーを施すとともに、医療ケアが必要な園児がいる場合は嘱託医と連携しながら対応しています。

園児の健康状態を把握するため、0歳児健診、健康診断(6月・1月)、歯科検診を実施しています。与薬は基本的に行っていませんが、熱性けいれんや食物アレルギーなど、どうしても園で対応が必要な場合は与薬依頼票・与薬確認票の提出とともに薬を預かっています。また職員を対象に、アレルギー対応や嘔吐処理をテーマとした研修を実施し、適切な健康管理の方法を学んでいます。

保健だよりを毎月発行し、季節に応じた健康管理の方法を案内しています。また保護者会に看護師が出席し、子どもの感染症や登園目安について説明しています。感染症が発生した場合は、玄関の専用掲示板で情報提供し、家庭と連携して蔓延防止に努めています。一方午睡時には、午睡センサーにより健康状態を確認し、業務支援アプリを活用して記録しています。

子育てに関する保護者の価値観や就労状況については、児童票に記録しています。保育園の日常的なサービスに係る保護者の意向は、利用者アンケートを実施し把握しています。また、保護者とは5月と1月に個人面談を実施しています。その際に保護者対応が適切に行えるよう、クレーム対応マニュアルと実務ガイドを整備しています。併せて、保護者対応研修や電話応対研修を実施しています。

子育ての考え方について園と保護者が相互に理解を共有するために、保護者会・個別面談・保育参加・保育参観などの機会を設けています。関連して、保護者と職員の信頼関係を深めるために、玄関に職員紹介の写真を掲示しています。また、保護者間の交流を促進する取り組みとして、保護者会で自己紹介などを実施しています。そのほか、運営委員会を各年2回実施し、多角的な視点で運営状況を振り返り、運営方法について見直しています。

地域資源を活かした取り組みとして、中核園交流を行っています。他の幼稚園児や保育園児との交流を目的とする地域懇談会も実施しています。また散歩に際して、図書館や児童館など近隣の公共施設を訪問しています。このような取り組みを通じて、子どもが職員以外の人々や地域と触れ合う機会を確保しています。

個人情報の取り扱いについて、保護者に対して入園時に、個人情報提供および園内取り扱いについて、写真・動画掲載に関する同意のお願い、入園に関する同意書などの書面で確認しています。また突発的に個人情報を提供する必要が発生した場合は、その都度おたよりや個別連絡で同意を得るようにしています。園児の羞恥心に配慮した取り組みとして、おむつ替えをする際は個室を使用するとともに、言葉かけの方法を学んで子どもの自尊心を傷つけないように配慮しています。

人権研修として、マルトリートメント研修を実施しています。併せて、児童虐待の早期発見対応マニュアルを作成し、園児の権利保護に取り組んでいます。また、子どもと保護者の価値観や生活習慣を把握するために、利用者アンケートを行っています。保護者の価値観に配慮した対応事例として、豚肉を除去した食事を用意し、子どもに提供したことがあります。園として可能な限り、保護者の要望に寄り添えるよう努めています。

虐待の発見と対応のため、年1回もしくは入社3カ月後研修を実施するとともに、児童虐待防止法をテーマに研修を行っています。自治体や専門機関が主催する研修にも機会があれば職員を派遣し、その学びを組織内で共有しています。虐待に関するニュースなどが報道された際は、社内の情報共有アプリにより周知しています。常に子ども一人ひとりを尊重し、大切にされていると感じられるような保育を実践するよう働きかけています。

マニュアルは法人内で統一的に整備しています。加えて、園独自に嘔吐処理マニュアル・気管内異物除去法などのマニュアルを整備しています。マニュアルに沿った業務の実施状況は園長が中心に随時確認するとともに、全職員にそれらのマニュアルを配布しています。職員は分からないことが起きた場合や会議での話し合いに際して、業務点検の手段として活用しています。

マニュアルは、職員会議の中で随時見直しを行っています。過去には保護者の声を受けて、園からの連絡事項を個別に伝えるよう徹底してきた事例があります。言葉遣いや電話応対の質の向上にも努めてきました。そして、今年度は「コロナ対応」について重点を置いて取り組んでいます。