東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

法人の運営理念を、「個人の尊厳の保持を旨とし、利用者が心身ともに健やかに育成され、自立した日常生活を営むことができように、支援を行うで、運営方針は、子どもの人権・人格を尊重する」と掲げています。法人の基本理念は玄関に目立つように掲示されています。法人のビジョン・理念について、職員会議で確認したり、「入園・進級のしおり」に記載して配布して職員の理解を深めています。園訓については毎朝唱和しています。保護者には、入園・進級説明会で説明し、保護者の理解を得るようにしています。

園長の役割と責任は「業務分担表」に記載され、また年度初めの職員会議などで常勤職員に伝えられています。非常勤職員には年初に園長が直接伝えています。「業務分担表」には園長の職務として、園運営の統括、会計や苦情解決の責任者などの役割が記載されています。園長は今年度の自らの役割として、保育の見直しがスムーズにいくように研修の計画を立て、職員が市主催の外部研修などに積極的に参加するようにリードしています。

園内の重要な案件は、法人本部に相談しながら役職で検討し、各クラスの代表者などで構成されたチーフ会議で決定しています。決定された重要案件は職員会議や議事録の回覧で周知されます。最近決定された重要な案件にはBCP(災害時の事業継続計画)があります。法人内および園内の決裁の仕組みについては、園規則・就業規則に記載しています。決裁文書は、事務所の棚で10年間保管しています。保護者への重要な案件の周知は、掲示や個別の書面配付で行っています。

利用者のニーズは、行事後のアンケートや第三者利用者調査などから把握し、集計結果を職員会議で周知したり、書面で職員が閲覧できるようにしています。今年度は芋ほりの行事終了後にアンケートを実施ました。利用者ニーズに対応した最近の事例として、感染対策のため本園と分園、別々に行事を行いました。職員のニーズは、「意向調査」を実施したり、チーフ会議、個人面談などで把握しています。把握した職員のニーズは職員会議などで報告しています。

地域の福祉ニーズは、園長が市の園長会などに出席して把握しています。把握したニーズは朝礼や職員会議などで職員に伝えています。園は、東社協、民保協、全保協、日保協などの団体に加盟しています。福祉事業全体の動向を知るため、それらの業界団体から発行される情報誌を購読しています。予算や決算状況は理事会資料で職員に周知しています。

園は法人が策定した中・長期事業計画(期間3年)に内容を補足する形で、年度末までに事業計画を策定しています。単年度事業計画については、3月に開かれる法人理事会の前に策定し、3月の職員会議で職員に伝えています。今年度の単年度事業計画は、保育内容の充実、地域社会との連携などが柱になっています。策定した事業計画に応じた予算は、経理担当が編成しています。各計画には担当者を選任し、主任と担当者が計画の進捗状況を確認しています。

法人職員または保育職員として守るべき法や規則として「職員倫理規程」を整備し、冊子にして職員に配布したり、いつでも閲覧できるよう事務所に保管しています。また入職時にオリエンテーションを実施して、職員として守るべき法や規則を伝えています。守るべき法や規則に対する理解度が不足していると認められる職員に対しては、個人面談などを実施してフォローしています。

苦情解決制度の仕組みは園のしおりなどで利用者に伝えています。利用者からの意見や要望に対しては、園長や担任が直接対応して解決するようにしています。職員の子どもに対する言葉遣いや立ち振る舞いの規範・マナーは職員倫理規程に示しています。また「人権擁護のチェックリスト」を配布して、自己評価での振り返りを促しています。虐待が疑われる事例が生じた際は「不適切な保育の未然防止および発生時の対応についての手引き」に沿って対応し、状況に応じて速やかに子ども家庭支援家庭センターに通報するなど、対応する仕組みを整えています。

園の情報は、法人のホームページや園の玄関に備え置きの情報公開簿などを利用して、組織の透明性を図っています。中学生の夏ボランティアを毎年3名程度受け入れています。また保育実習生や職場体験の学生・生徒・児童も10名程度受け入れています。子育て支援事業として、保育所体験(9月～3月週1回)や離乳食講座(年1回)を実施しています。そのほか、要保護児童対策地域協議会(年2回)や市の園長会(毎月)などの地域ネットワーク会議に園長が出席しています。直近の主な議題は、「コロナ禍における保育」となっています。

運営に係るリスクについて、最優先のリスクは「感染症」で、2番目は「事故」、3番目に「災害」という順位をつけ、対策に取り組んでいます。各リスクに対応する感染症マニュアル、事故防止マニュアル、事業継続計画(BCP)などを整備しています。感染症対策では看護師が中心となり、検温や消毒などを行っています。感染症の流行状況については、園医や市の園長会などから収集し、利用者に周知しています。事故防止では、ヒヤリハット事例を朝礼で情報共有しています。

BCPは震度6以上の地震が発生した場合を想定し、策定しています。復旧期間は3日間、対策本部は本園と定めています。BCPの内容は、職員には回覧や職員会議において周知し、利用者も閲覧できるようにしています。また事故が発生した際は、発生要因をチーフ会議や職員会議で分析し、再発防止策を各会議で周知しています。不審者対応については、訓練回数やその方法を検討して対応したいと考えています。

個人情報保護規程が記載されたマニュアルを作成し、個人情報の利用目的や開示などを明示しています。児童票など機密性の高い情報を含む文書は、鍵のかかる引き出しに保管しています。事務室の書棚やキャビネットにある文書は、事務所内でのみ閲覧できることとし、厳重に管理しています。パソコンで作成する電子データはパスワード管理され、アクセス権限が設けられています。利用者向けには、個人情報確認書に個人情報の利用目的や開示請求の方法などを明示しています。

職員の求人活動は、ホームページへの募集掲載・就職相談会への参加・養成校訪問・職員紹介などを活用して行っています。常勤職員の採用面接は法人担当者と園長が行い、人事権は法人本部が持っています。非常勤職員は園長が面談して採用しています。職員の有給休暇の取得状況は約95%と高く、出産・育児休暇の取得実績もあるほか、正規職員の平均勤続年数は11年と長く、就労環境は良好です。

研修計画は「研修計画表」に明示されており、園内および外部の研修が組まれています。外部研修の案内は閲覧形式にして、職員に研修への参加を勧めています。職員一人ひとりの育成の成果は、個人面談で確認しており、自己評価シートに記録しています。また年2回、各自の目標の達成状況を振り返るようにしています。そのほか、研修報告書を回覧したり、会議で研修の内容を報告する機会を持ち、研修の成果を共有するようにしています。

本園と分園との人事交流を定期的に実施したり、職員が悩みを抱えている時には主任などが必要に応じて面談を実施するなど、風通しの良い環境づくりに努めています。またクラス担当は複数担当制で、希望や相性などを総合的に勘案して配置しているほか、今年度は職員を新たに5名採用したことで、「保育内容や休みにゆとりができた」など、職員の好意的意見が多数聞かれました。そのほか、職員の日頃の気付きを職員会議などで共有し、クラス会議では月毎に座席を変えて、職員が意見を出しやすいように工夫しています。

利用者への案内としてリーフレットを発行し、園の目標や一日の流れなどを記載しています。またホームページには、園長挨拶、職員のコメント、基本情報が紹介されており、必要に応じて更新しています。外国籍など日本語が苦手な方に向けては、難しい字にフリガナをつけた資料も用意しています。また情報提供の際は、写真を活用しイメージしやすくしているほか、カラーで手に取りやすい大きさにするなど工夫しています。そのほか、市のホームページや、市報、市の保育園案内の冊子などを通じて情報提供しています。

見学は主に担当の職員が対応し、随時実施しています。見学者には特徴として、「子ども一人ひとりに丁寧に関わること」を基本として取り組んでいることを説明したり、日常の様子を見てもらい、イメージを持ってもらえるようにしています。また、毎週火曜日に入園前の保育体験を実施しています。体験会では在園児と一緒に遊んだりしながら、園生活を楽しんでもらうようにしています。対象が乳児のため、園生活だけでなく卒園後についても丁寧に説明するように心がけています。

入園が決まった利用者には、入園・進級ほけんのしおり・食事進行表を配付し、3月に入園説明会を実施しています。保育内容は「入園・進級に際しての確認書」で確認し、プライバシーの保護については「個人情報保護に関する確認書」で同意確認を得ています。入園説明会であがった意見や質問、保護者の意向や園児の状況は、児童票に記録しています。

入園前の子どもの生活状況や、アレルギーの有無、既往歴などは、家族状況表・健康表・食事調査表などに記録します。また入園時には、保護者や子どもの不安やストレスを緩和するため、2週間をめどに慣れ保育を実施しています。慣れ保育の期間中は、保護者の保育に対する理解や安心を深めるため、送迎時に一日の内容を話す時間を設けるほか、面談も行っています。希望がある場合は、園児の慣れ親しんだタオルや玩具などの持ち込みを許可しています。

卒園前に退園や転園をする園児には、色紙やアルバム、個人で使用していたクレヨンやのりをプレゼントしています。転園先には必要に応じて、電話などで園児の情報を引き継いでいます。

保育日誌は０・1歳は個別に記録欄を設け、連絡ノートは全クラスで毎日家庭と取り交わしています。また個別指導計画にも園児の状況を記録しています。個別指導計画には園児の個別の保育目標を記録しており、職員が家庭や保護者の個別ニーズと支援方法について個別面談などで確認しながら支援をしています。

全体的な指導計画は2021年4月に見直しを行い、職員会議などで確認しています。各クラス毎の指導計画は、年・月・週・日を単位として作成しています。また全クラスで個別指導計画の作成を行っています。個人面談の際には、園で把握した子どもの姿とともに、一人ひとりの発達状況に合わせた個別支援の内容を伝えています。また全体的な指導計画はクラス懇談会で説明するとともに、エントランス付近に閲覧ファイルを設置し、周知しています。

職員間で情報を共有するために、各種会議や朝礼、日誌などを活用しています。また職員会議は月1回開催し、園長・主任・保育士・看護師・栄養士が参加し、保育目標の達成状況や指導計画の推進状況を確認しています。情報共有やコミュニケーションの強化を目的として、チーフ会議は本園・分園それぞれで行い、クラス別会議は今年度より実施回数を増やし、毎月2回実施しています。朝礼は、本園と分園で一緒に行っています。なお職員会議録や申し送り表を閲覧した職員は、サインまたは名前の欄に印をつけて、確認の漏れがないようにしています。

園内には、生活目的に応じた食事・着替え・排せつ・午睡などのコーナーや、遊びに応じたままごと・絵本・机上遊び・ブロックなどのコーナーを設けています。各クラス子どもの発達を考慮した環境構成づくりを心がけており、室内の家具やパーテーションを使って、状況に合わせてコーナーを作るようにしています。今後はパーソナルスペースや遊びに応じたコーナーを充実させ、園児が主体的に活動できるように工夫していきたいと考えています。

土曜日に1・2歳児の合同保育や本園・分園の合同保育で交流する機会を設けています。その中で、年上の子どもが年下の子どもの生活の手伝いをする経験をしています。また、年齢の違う子どもたちが一緒に散歩に出かける場面もあります。そのほか、わらべうたや七夕・クリスマス・節分などの季節行事を通じて、国内各地の文化に親しむ機会も設けています。

要支援児の保育に際しては、原則として統合保育を行っています。発達の過程で生じる園児同士のけんかやかみつきなどに対しては、職員は研修において子どもの気持ちを尊重する知識や技術を学びながら対応しています。園児同士のトラブルや事故が発生した際は、ヒヤリハット・事故記録簿に記録し、職員間で共有しています。

朝の受け入れの際には、職員が前日からの様子を聞き、子どもの顔色や表情を観察しています。登園時に保護者から得た情報は引継ぎ簿を使用し、職員間で引き継いでいます。降園時には、保護者へ園児の様子を口頭で伝えています。また当日の活動の様子は連絡帳以外にも、コメント入りの写真にまとめたものを掲示しています。なおコメント入りの写真は、送迎の保護者が異なることもあるため、翌日まで見ることができるように配慮しています。

園児の発達の段階と支援の方法は、年間計画・月案・個人指導計画に記載しています。基本的に生活習慣についても、同計画を目安としつつ、家庭の考え方や子ども一人ひとりの成長に合わせて援助しています。食事においては姿勢の指導、排せつについては保育者と一緒にトイレに行き便座に座るなどの経験を通じて指導しています。また着替えについては、園児が一人で出来たと思えるような励ましや褒める言葉かけを行っています。

午睡の時間については子どもの状況に配慮し、12時から14時30分で設定しています。どうしても眠れない子がいた場合は、絵本コーナーなどで静かに過ごしてもらっています。また寝具については、敷布団・タオルケット・毛布などの寝具を使用しています。

遊びに応じたままごと・絵本・机上遊び・ブロックなどのコーナーを設けており、子どもが主体的に活動できるように配慮しています。またクラス全体で取り組む活動として、朝や帰りの集まりを行うほか、行事の内容を一緒に考える時間を持つようにしています。さらに2歳児クラスでは、担当の職員が人形を制作し、子どもたちがままごとに遊びこめるように工夫をしています。

音楽的な表現力を育む機会として、2歳児は月に一度外部講師によるリトミックを受けています。また身体的な表現力を育む機会として、マット・巧技台・トランポリンなどの使用や体操やダンスの実施、言葉を使った表現力を育む機会として、劇・オペレッタを行ったりしています。さらに絵画的な表現力を育む機会として、制作や自由画や行事の絵などに取り組んでいます。

園庭では、水遊び・砂場・泥んこ遊び・遊具・三輪車などの活動を行っています。散歩はほぼ毎日実施し、周辺にある広場・公園・商店街などに出かけ、遊具で遊んだり、追いかけっこ、虫や花を探すなどの活動を行っています。園生活では、桜・イチョウ・欅・朝顔・チューリップなどの植物やダンゴムシ・かたつむり・セミ・カブトムシなどの生き物に触れられます。

子どもの成長や保育の成果を発表する機会として、親子ふれあいデーやお楽しみ会を行っています。また年間行事として、鯉のぼり・七夕・クリスマス会・節分などの季節行事を行っています。なお行事開催に向けて、行事に合わせた歌や話をしたり、紙芝居をみたりして、園児の興味や関心を高める工夫をしています。またお楽しみ会では、園児自身が内容を考え、歌や表現遊び、踊りを発表しています。実施後には、思い出描画やごっご遊びなどを通じて行事の振り返る機会を作っています。

年間行事予定表は、年度当初に配布しています。保護者が参加・見学できる行事として、ふれあいデー・お楽しみ会・芋ほりを実施しています。保護者には事前に手紙を渡し、行事毎の目的を伝えるようにしています。また、園だよりや写真の掲示、連絡帳などで子どもの楽しんでいる様子を伝え、保護者も共感できるように配慮しています。

誕生会を迎えた園児は、誕生日当日に各クラスでお祝いしています。会では、誕生日カードをプレゼントしているほか、ミニシアターなどを行っています。

保育室内は、マットやベンチ、クッションなどを設置し、心身を落ち着けることができるよう配慮しています。日中疲れてしまった園児がいた場合は、畳風のマットで休息することが出来ます。また一人きりになりたい園児がいた場合は、段ボールハウスで過ごすことができます。

18時になると、1歳・2歳児クラスは合同保育に切り替わります。子どもが長時間園で過ごすことに配慮し、子どもが気に入っている玩具を用意したり、職員配置を通常よりも1名多く配置するなど、心身ともにゆったりと過ごせるようにしています。現在は延長保育の利用が少ないこともあり、個別対応が出来るようになっています。

食事の際は保育室内の家具などでコーナーを作り、保育士と共に食材や味などの会話を交えながら、楽しく食事できる雰囲気を心がけています。またクラスの中でも、子どもの発達の状況や体調などで違いがあることを踏まえ、クラスを2つのグループに分け時間差で食べるなど、落ち着いて食事できる雰囲気・環境作りを心がけています。

食事は旬の食材を使い、食べやすい大きさにカットするなど年齢に合わせた調理方法や食材を選び、提供しています。行事食では、七夕にオクラを星に見立てた料理、節分では鬼の顔に見立てた料理を提供するなど、行事に合わせてメニューの構成や飾りつけを行っています。食物アレルギーのある園児については、食事アレルギー対応ガイドブックに沿って代替え・除去食を用意し、個人用トレーにセットし個別のテーブル・いすで提供することで、誤食を防いでいます。

食育活動として、トマト、きゅうりを園内で栽培しているほか、そら豆のさややトウモロコシ、じゃがいもの皮をむく調理体験を行っています。調理体験は2歳児が対象ですが、興味がある0・1歳児でも参加できるように配慮しています。お楽しみ給食では、園児が好きなメニューを選び、お弁当箱に入ったプレートランチなどを提供しています。またクリスマス会では、バイキング形式で提供しています。今後は調理を担当する栄養士との関わりを深めていきたいと考えています。

園児の防災・防犯意識を高める取り組みとして、月1回避難訓練を行っています。避難訓練は火災、地震を想定し、引き取り訓練や抜き打ち訓練も実施しています。また園内の事故・怪我防止に向けた対策として、ヒヤリハットや事故記録簿を作成し、職員で共有しています。医療ケアが必要な園児については、公立昭和病院のアナフィラキシー対応ホットラインや嘱託医と連携しながら受け入れています。

園児の健康状態を把握するため、0歳児健診は毎月、1・2歳児の健診は年2回実施しています。与薬は基本的に行っていませんが、必要に応じて、医師の指示書や与薬依頼書を提出してもらった上で対応しています。

保健だよりは健康に関する内容を掲載し、月1回発行しています。日々の健康管理としては、午睡時の様子を睡眠チェック表に記録しています。仰向け、顔色、呼吸の有無を確認しています。0歳児は体動センサーを使用しています。また感染症やSIDSに関する研修として、看護師が中心となり、救命講習・エピペン対応・嘔吐物処理・感染症対策などを実施しています。感染症が発生した場合は玄関に掲示し、保護者に情報提供しています。

子育てに関する保護者の価値観や就労状況については、家庭状況表・保育時間届などに記録し把握しています。個人面談は年1回実施しているほか、必要に応じて随時行っています。また日常のサービスに係る保護者の意向は、行事のアンケートや送迎時のコミュニケーションにより把握しています。職員は、研修や職員会議などを通じて、保護者対応の方法を学んでいます。

保護者間の交流を促進する取り組みとして、クラス懇談会を年2回実施しています。保育参加の機会としては、親子ふれあいデー・お楽しみ会・芋ほりなどの行事や保育士体験を開催しています。また保育参観は、随時受け付けています。さらに保護者と職員の信頼関係を深めるため、保育参加・懇談会・行事のほか、面談・送迎時のコミュニケーションを大切にしています。今後は園での活動をより詳しく知ってもらうために、行事の動画配信を実施するなど、情報の発信や行事の内容を工夫したいと考えています。

近隣の公園に散歩に出かける時には、近隣の方に挨拶をし、良好な関係が出来るように努めています。地域資源を活かした取り組みとして、商店街での散策や農家の協力による芋ほりなどを行っています。また、散歩の途中に消防署・図書館・児童館・市役所などにも立ち寄る機会を作っています。さらに、近くの公園で、本園と分園の児童が集まって定期的に交流を図っています。

地域向けに離乳食講座を実施したり、園児による観劇などの行事に招待したり、園庭開放を行ったりしています。また専門学校や大学より保育実習生を受け入れているほか、ボランティアや近隣中学校の職場体験などの受け入れも行っています。

個人情報については、入園前・進級説明会で説明し、個人情報保護に関する確認書に署名を得て確認しています。突発的に個人情報を提供する必要が発生した場合は、事前に保護者に確認して対応しています。園児の羞恥心に配慮した取り組みとして、周囲に裸などを見せないよう着替えを行う、おむつ交換は囲いのある場所で行う、排せつは年齢に合わせて個室トイレを使用するようにしています。

園児の権利を尊重する取り組みとして、法人倫理規定に則って対応しています。また年1回、人権擁護チェックリストを全職員で実施しています。そのほか、市が主催している虐待防止研修に参加し、研修内容を職員で共有しているほか、虐待に関するニュースなどが報道された際は、紙面やWEBニュースを印刷して回覧したり、職員会議にて職員へ周知しています。

法人内で共通して作成・活用しているマニュアルとして、園外保育安全を整備し、園で独自に防災・誤嚥事故防止・感染症などのマニュアルを作成しています。マニュアルは、チーフ会議の中で見直しを行っています。園では、保育指針に基づいたマニュアルの改訂・更新を進めていきたいと考えています。またヒヤリハットは日誌に記入できるようにし、作成・共有がしやすい状況を整えることで、重大な事故にならないように工夫しています。

今年度は「職員間の連携、保護者とのコミュニケーション」を重点テーマとして、学びを深めています。サービス手順については、職員や保護者からの意見、子どもの様子を基に見直しています。保護者の声を受けて見直した事例として、本園・分園分かれて保護者参加の行事を行いました。また職員の実践事例を基にサービス向上を図った事例として、日中の活動を毎日コメント入り写真で保護者に伝えたり、迎えが集中する時間であっても、保護者に対して子どもの様子を必ず伝えるなど、保護者との信頼関係を深める取り組みを行っています。