東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

事業計画に基本方針を明示し、これを受け園長・理事が保育目標を掲げ年度の運営方針と保育方針を示している。保育目標は重要事項説明書に明示し、保護者に対しては、入園の際に沿革・施設環境・職員構成を説明し同意書を取り交わしている。入園のしおりや全体的な計画にも掲載している。ホームページにおいて、定款・役員報酬規程・役員名簿及び財務情報を公開している。職員に対しては、年度初めの職員会議で園長・副園長より当年度の保育方針等を提示しているほか、会議など機会ある毎に説明して周知している。今年度は入れ替え制で実施した。

職員会議は毎月、原則として全職員が参加して行っている。そこでは経営層がその役割と責任に基づき問題提起や課題抽出を行い検討することとしている。理事会議事や決定事項等は、職員会議で決定経緯とともに伝達して職員に周知している。規則の変更の際は職員会議にて代表者を選出している。副主任職を配置した組織体系の強化に取り組んでいる。議案の協議や周知において副主任が中継となることで、迅速な意思決定や的確な周知を図る。また、職員の意見が反映しやすくなるとしている。職員会議ではリモートを取り入れ全職員への直接周知に努めている。

翌年のクラス配置や職員の採用は、現場の職員の意見を聞きながら園長・副園長が決定している。行事内容や行事予定は、リーダーが予定を立て、具体的内容は各担当者と副園長が決定する。その他重要な案件は、リーダー会議を経て全職員が参加する職員会議で検討し決定する。会議等の議事録は理事会議事録も含め職員に公開しており、決定経緯など閲覧することができる。保護者に対しては、園だより・クラスだより・園内掲示等を通じて、園からのお知らせを伝えている。今年度はHPを改訂し、園の取り組みがわかるようマニュアルを掲載し周知している。

毎年度、第三者評価に取り組み保護者の意向を把握している。把握した保護者からの要望を検討し、改善に取り組んでいる。利用者調査の結果と改善計画は園内に掲示し、保護者に周知している。保護者懇談会では必ず質疑応答の時間を設けている。利用者調査から、行事日程については保護者参加行事の実施曜日に偏りのないよう配慮し計画している。年度計画は職員の自己評価結果を基に意向の把握に努め、その内容は全員に周知した上でリーダー会議や職員会議で協議・検討している。業界の動向は、所属する社会福祉協議会や保育協会などから収集している。

長期的な課題として、園舎の老朽化に伴う施設整備計画がある。耐震診断の結果から耐震性があると確認しているが、卒園まで在籍可能な定員構成を考慮したリフォーム計画を視野に入れ、引き続き安定した経営状況に取り組んでいく。全体の事業計画書は、運営方針等の長期的計画と、児童処遇・職員処遇・安全管理面の短期的計画から構成している。年度単位の事業計画書の策定では、各部門・クラス・行事ごとの担当者が、事業内容とそれに基づいた予算案を組み個別事業計画書としてまとめ、これらを積み上げて全体の計画書を策定し実効性を高めている。

行事に関しては、業務分担表、行事マニュアルを作成し、各担当の役割と活動内容を明確にしている。行事の内容は毎年度見直しを行い、行事マニュアルを更新している。行事の実施に当たっては、各担当者と経営層が個別事業計画に基づいて、日程の調整や予算を再検討している。毎月の予算の執行状況を確認し、必要に応じて補正予算を組むなど着実な計画の執行に取り組んでいる。行事については、年度当初に実施・中止・縮小を決定し、職員や保護者に周知し、行事直前に感染状況を把握し、区の対応を確認し園内で打ち合わせをして決定している。

福祉サービスに従事する者として遵守すべき規範や倫理は就業規則に服務の章を設けて明示しているほか、勤務マニュアルにまとめている。また、勤務マニュアルのなかで、職員としての心得、服装、保育上禁止事項を明示している。これらは新人職員のオリエンテーション用の資料や年度初めの職員会議で活用し、園長・副園長から説明し意識を高めている。就業規則の変更の際は、職員会議に図っている。継続して第三者評価に取り組んでおり、利用者調査の結果は職員内で周知し、改善策を検討して保育に役立てている。改善策は保護者にも伝えている。

苦情解決の第三者委員に2名の方を委嘱し、氏名と電話番号を開示している。苦情解決の仕組みは、重要事項説明書に明示し懇談会で説明している。相談に対しては、会議で検討し、結果はできるだけ早く園だよりや掲示にて周知している。虐待マニュアルを整備し、定期的に勉強会や連携機関の研修会に参加し意識を高めている。ホームページにて定款・役員報酬規程・役員名簿及び財務情報を公開している。ボランティアや実習生の受入れはマニュアルを整備し副園長が担当している。事前オリエンテーションでプライバシー配慮など留意事項を徹底している。

今年度の子育て支援活動はオンラインで実施している。園のHPや園外掲示板にて周知し、保育園体験、出産を迎える親の体験学習等を実施している。公益事業として看護師による応急手当講座を実施している。子育て電話相談は、相談内容により各分野の専門職が対応している。保育園見学は、1日1名・短時間で感染症対策のもと実施している。地域会議が中止となり地域交流の機会は限定されているが、区の園長会や行政関係部署を通して地域情報の把握に努めている。今後も保育の専門性を活かし、地域社会に貢献するを提供したいと考えている。

BCP（事業継続計画）を策定し、役員・職員に周知している。洪水時の避難確保計画を策定し区と連携を図っている。安全への取り組みについて園のHPで公開し避難場所やマニュアル類を明示している。リスクマネジメント委員を選任し、職員会議で危機管理マニュアルの見直しや徹底、侵入者対策や大地震、救急車要請等を想定したシミュレーションを行っている。年齢別ヒヤリハット事例の集計結果から対応策を検討し、園内に注意喚起するシールを貼って再発防止に努めている。事故発生報告書やヒヤリハット報告書は全職員に回覧し情報共有を図っている。

ICT化に伴い保育室内での個人情報の管理をなくし、事務所及びサーバー内で管理・保管場所の集約を図っている。基本情報の一部は事務所にて施錠できる場所にて管理し、書類の内容や使用の頻度等によって管理方法や場所を設定している。導入しているICTのシステムでは、使用者を限定しパスワードによるアクセス制限をし、業務上必要な閲覧や入力ができるように管理している。パソコン内には情報を残さず、外部の記憶媒体に記録して管理を徹底している。やむを得ずデータを持ち出す際にはデータ管理帳を作成し、返却まで事務職員が確認をしている。

個人情報保護規程及び規程細則を定めている。更に職員には、細則をわかりやすく説明した運用の手引きを作成して配布している。手引きは年に1・2回改訂し、身近な事例を取り入れて職員会議で指導している。保護者に対しては、個人情報の適切な管理と使用後の処分等についてお知らせに明示し、年度始めに配布している。個人情報の漏洩に対応する補償保険に加入している。被保険者の義務や補償範囲が定められているため、職員に対して教育を徹底していると共に、ルールに沿った管理を行っている。マイナンバー保護規程を定め管理徹底している。

働きやすい職場環境を整備することで職員の定着を図り、安定した人員確保に努めている。有給休暇の取得率向上には、定期的な休暇予定表の回覧・フリー職員の配置等を行っている。今年度は、正規職員が育児休業から復帰しやすいように、期間を定めた固定時間勤務や、看護休暇の時間単位取得を制度化している。さらに、保育体制を支える職員の負担感を抑制するために、シフト調整やクラスの業務管理に努め、園内のバランスに配慮し職員の意欲向上を図っている。また、早番や遅番のシフトに入ることが可能な職員にはシフト手当を支給している。

処遇改善に伴うキャリアアップ制度を導入し、自らのキャリアを見通せるように一覧表にしている。職位、役職、職責、職務の内容、求められる能力、任用の要件、手当金額を提示し、職員には職員会議等で説明している。業務目標制度を実施し、職員の評価と人材の育成に取り組み、評価を報酬に反映させている。職員は、業務目標シートを作成し年3回の管理者との業務面接を行い、設定した個人目標とその目標達成のため、業務内容の見直しや指導方法の改善を行っている。面談では職員の率直な意見を聞き取り、職員の育成やクラス配置等に活用している。

職員資質向上を目標とし、職種や担当業務に基づき職員の希望を考慮した個別の研修計画を作成している。事業所外研修を毎年1人1回は受講できるようにしている。研修受講後はレポートの提出を求め、PC上で共有し園全体のスキルアップを図っている。オンラインによる会議や研修スタイルが定着し、遠方の専門講師による勉強会も計画的に実施され、非常勤職員も受講することができた。懇談会や子育て事業においても活用が始まった。フリーのPCは予約表で管理しているが、職員の自己評価ではさらなる効率化のため、増設を提案する声が複数上げられた。

園の情報は、園のホームページのほかに、区のホームページや区の発行する保育園ガイド等で提供している。園のホームページには、保育目標・方針・特色・食育や安全への取り組み・年間行事予定・デイリープログラム等の情報を掲載している。今年度はホームページを改訂し、ブログも掲載して最新の情報を提供している。入園希望者には、見学者用のパンフレットを用意している。当園は、定員構成における乳児の割合が多いため、ホームページやパンフレット等では、特に0歳児保育での取り組みを詳しく記載して、必要な情報を提供できるようにしている。

区のホームページに園の基本情報を提供したり、区内の私立保育園の園長会に参加する等、必要に応じて行政や関係機関と連絡を取り合っている。園長が出席する区内の私立保育園園長会は原則毎月開催され、区の担当課や関係機関等も出席して情報交換を行っている。また、南部地域の保育園と連携を深めて情報を得たり、児童館等から未就園児のニーズを把握している。子育て支援の情報はチラシを作成し、近隣の店舗や町内会の掲示板等に情報を掲示して参加を募っている。

問い合わせや見学希望には、主任保育士がその内容に応じて、できる限り個別に対応している。今年度は感染症対策のため、1日1組として実施している。見学者用のパンフレットを見てもらいながら、施設の説明、保育時間の相談や子どもの病気、離乳食等についての質問に細かく回答している。0歳児の入園希望者には、離乳食の時間に見学をしてもらっている。事前に申し出てもらえれば、試食にも対応している。感染症等の情報を開示し、状況に応じて見学を延期する場合もある。

入園にあたり事前に必要書類を配布し、個別に面接を行っている。園長・保育士・看護師・栄養士がそれぞれの分野ごとに面接を行っている。面接では、保育時間、生活リズム、食事の好き嫌い、アレルギー、保護者の意向等について詳しく聞き取り、得た情報を入園後の保育に活かしている。あわせて園の保育内容や約束事の説明、施設定員、延長保育未実施であること等を説明し、重要事項について内容確認の承諾を取っている。説明の際にはしおりを拡大したものを映し出し、視覚的に分かりやすく工夫している。

入園後は徐々に保育時間を延ばしていく、なかよし保育を実施している。実施期間は保護者と相談の上で決定している。また、0歳児の保護者には参加保育を1日設定している。可能な場合には参加してもらい、親子共に安心した状況で保育室を含む新しい環境に慣れるよう配慮している。入園時の面接で得た情報をクラスの職員間で共有し、個別の事情や個人の生活状況を確認して保育を行っている。

年齢が上がっていくと定員が減る構成となっており、途中で転園をしたり、幼稚園への入園等でサービスを終了する子どもがいる。そのため、園では進級お祝い会を開き、ともに進級を祝うことで子どもの不安を取り除くよう配慮している。保護者に対しては、副園長・園長が相談窓口となり、個別に話をして不安の軽減を図っている。

全体的な計画に基づき、年間指導計画、月案、週案を立てている。2歳児までは個別計画を作成している。連絡帳や児童票に個々の様子を記録している。計画の作成にあたっては、連絡帳や個人面談等で、保護者の要望や問題点を提示してもらい、反映させている。週案は週末に各クラスで話し合いを行い、月案は月初めにリーダー会で見直している。期案の反省はクラスリーダーが意見をまとめて記入し、年度末に職員会議で発表を行っている。

保育業務支援システムを導入して、記録・計画類のＩＣＴ化を図っている。連絡帳、児童票、各種指導計画等を保育ソフトを使って、パソコンで入力して管理している。子ども一人ひとりの様子は、連絡帳や送り迎えの際に口頭で保護者に伝えるとともに、日誌に記録をしている。連絡帳は、パソコンで入力したものを出力し、ファイルに挟んで渡している。保護者には、年度当初に年間指導計画を配布している。内容については懇談会にて説明を行い、質問にも応じている。

毎月のリーダー会にて、月案を各クラスより発表して共有している。参加したリーダーが、内容や注意事項等の共有すべき事項をクラスで伝えている。毎月の職員会議には職員全員が参加し、子どもの変化や共通注意事項等の情報を共有している。パソコンを使用してオンラインの会議を行い、各クラスから参加することで密を避けた。職員間では、クラスノートとパソコン内の共有フォルダを併用して情報を共有している。

産休明けの生後43日からの子どもを受け入れており、月齢差による個々の子どもの発達や成長の変化が著しい。そのため、子どもの発達過程をマニュアル化して、日々の変化や発達の様子をマニュアルと照らし合わせながら、子どもの姿を個別に把握している。0・1・2歳児は月間の個別計画を作成して取り組み、3歳児以上は児童票に個々の様子を記録している。個人記録は2歳児までは毎月、3歳児以上は学期毎にまとめている。発達会議で子どもの様子を各クラスから報告し、担任以外の職員も把握するようにしている。

外国人児童の受け入れを通じて、子どもたちが様々な国の存在と文化の違いを知り認め合えるように、話をしたり絵本を使用して学び合う機会を作っている。外国の料理を給食メニューに盛り込んだり、幼児クラスで「国探しゲーム」を行う等、興味や理解を深める取り組みを行っている。障がい等で特別な配慮が必要な場合は、個別の指導計画を作成し発達に合った目標を立て支援している。障がいの特性により、担当職員の配置や配慮点等を検討し全職員に周知すると共に、区の巡回相談の助言・指導を受けて、日常保育に活かしている。

子ども同士のトラブルが生じた時は、職員がお互いの気持ちを受け止めている。乳児クラスでは言語が未成熟で、気持ちを伝えられず噛みついたり引っ掻いてしまう場合があるが、気持ちを汲み取り相手の気持ちを代弁する等して落ち着かせている。小学校進学に向けては、保幼小連携協議会等に参加し、小学校教諭との意見交換・情報共有を図っている。年長児は近隣の保育園と合同で小学校への見学（体験）に参加している。今年度は、感染症対策のため、小学校との交流行事は中止となっている。

登園時には保護者と一緒に視診を行い、怪我や体調の変化について直接確認している。また、連絡帳でも子どもの様子を確認している。お迎え時には1日の様子や、遊びの様子等を保護者に伝えている。乳児は保護者と一緒に連絡帳を見ながら直接口頭で伝えている。幼児はホワイトボードに1日の活動内容等を記載して伝えている。合同保育時には各クラスの様子や連絡事項を記録した「クラスノート」を移動させ、保護者への伝達漏れがないようにしている。感染症対策により、接触を最小限にしているため、電話や手紙を添える等、連携を取れる工夫をしている。

0歳児の離乳食移行会議、全園児対象の発達会議等で個々の発達状況を話し合い、個々の発達に応じて生活習慣を身につける支援を行っている。トイレトレーニングや箸の持ち方、衣類の着脱の方法等、年齢に応じた基本的な生活習慣の確立については園だけの対応でなく、家庭との連携を大切にして取り組んでいる。また、年齢に応じて各クラスで看護師・栄養士が保健指導・食育を行っている。ビジュアル教材や身体パネル等を使い、身体のしくみや栄養について子どもたちに伝えている。

子どもたちはクラス毎に保育室で午睡（お昼寝）をしている。乳児は一人ひとりの生活リズムや状況に合わせている。パーテーションやサークルを活用し、同じ室内でも個々のリズムに合わせた活動が行えるように環境を整えている。幼児クラスでは、眠れない子どもや早く目覚めた子どもには、絵本や玩具を使い布団の上で静かに過ごせるようにしている。年長児は、就学に向けて12月頃から徐々に午睡を減らし、生活リズムを調整している。午睡をしない時間は、絵本の読み聞かせやワークブックを使った文字・数の練習等をしている。

保育目標に「命を大切に明るく元気な子」「いたわりの気持ちを持つ優しい子」を掲げている。0・1・2歳児の乳児が全園児の3分の2を占める特色があり、健やかな育ちを促すために、運動遊びの充実に取り組んでいる。月齢・年齢に応じた玩具を揃え、静と動の遊びのバランスを考慮してコーナーを設定している。子どもの希望も取り入れながら環境設定をして、子どもが選んで活動できるようにしている。各クラスで製作活動を取り入れ、0・1歳児でも作る楽しさや表現する面白さを味わえるよう工夫している。

子どもが集団活動に主体的に関わる機会として、3・4・5歳児の縦割り保育では様々な取り組みがある。毎日、年長児1名、3・4歳児1名の2名がその日の当番になって活動している。製作活動や調理活動は年齢によって役割を分担する等、内容を考慮しながら行っている。1日の活動の見通しが立つように、写真カードを活用しながら活動内容を知らせている。高学齢の子どもたちが、低学齢の子どもたちに教えながら一緒に活動をすることで、いたわりの気持ちや大きい子への憧れる気持ちを育み、豊かな人間関係を築けるようにしている。

天気が良い時は毎日のように、0歳児から戸外に出ている。近隣に多摩川が流れ子どもが遊べる土手や公園等の自然環境に恵まれている。春は桜並木を散策をしたり、秋は落ち葉拾いをしている。四季の移り変わりを感じ、自然の中で様々な遊びができるよう、お散歩マップを使いながら場所を選んでいる。戸外活動の回数や内容は定期に見直しも行っている。夏場はテラスにプールを設置し、水遊びを楽しんでいる。今年度は感染症対策のため、できるだけ密や接触を避けるように、園庭のレイアウトを変更したりテラスを活用する等、園内の環境を工夫している。

乳児が過半数のため、行事は各クラス毎に目的に沿って内容を工夫している。日頃から製作、造形、合奏等に取り組み、七夕会、運動会、クリスマス会等で発表する。幼児クラスはリレー、バルーン、合奏等の練習を通して、みんなでやり遂げ達成した喜びを感じられるようにしている。親子遠足、芋掘り遠足、お別れ遠足は、仲間と一緒に園を離れて様々な経験ができる機会になっている。今年度は感染症の流行状況や行政からの指示等も鑑みながら、感染対策を講じた上でできる限り実施できるように工夫している。

運動会は秋に全園児、全家庭が参加して実施している。晴れている場合は公園で実施し、雨天時は小学校の体育館を借りる。また、クリスマス会を「子ども発表会」として区民プラザにて実施している。保護者も参観できる行事として子どもたちの意欲向上につながっており、日頃の成果を発揮できる場となっている。今年度は感染症対策として、クラス毎の入れ替え制や、保護者の参加人数を制限するなどの対策を取り開催している。幼児クラスはスイカ割りやハロウィンパーティー・お店屋さんごっこ等も企画・実施して楽しんでいる。

保護者が参加する行事は、運動会、親子遠足、子ども発表会等がある。行事予定は年度始めに提示して、保護者が参加しやすいように配慮している。行事の後に連絡帳等で寄せられた感想・意見を次年度の計画に活かすようにしている。生活の様子や行事への取り組みは、クラス毎におたより、写真等で保護者に伝えている。今年度は感染症の流行により例年通りの行事開催が行えないものもあるが、人数を制限しての観覧や映像の公開・回覧を行う等、保護者の理解を深められるように工夫して取り組んでいる。

発達段階に応じた遊びが展開できるように、室内の玩具やコーナー設定を工夫している。玩具マニュアルを作成しており、玩具毎の対象年齢、遊びのねらい、遊び方、配慮することを写真入りでまとめている。夕方の合同保育のコーナー設定も数パターン用意し、担任以外の職員でも設定できるようにしている。子どもが個々に好きな遊びを見つけられるように、使用する玩具は定期的に変更する。玩具や遊具は安全なもの・発達に合わせたものを購入し、充実を図っている。2階テラスは可動式の屋根や滑り止めシートを設置しており、雨天時も遊ぶことができる。

夕方からの合同保育の時間帯はパーテーションやサークルを活用して、年齢毎に落ち着いて遊ぶことができるようにしている。また、0歳児はどの時間にも必ず担任が保育に入るようにしたり、朝の時間帯はクラス保育ができるように職員配置を見直す等、安心・安全な保育環境となるように努めている。合同保育時にはクラスノートを移動させ、担任以外でも子どもの様子が把握できるようにしている。今年度は感染症対策として、決められた時間以外での合同保育は避け、人数に応じて保育室を分ける等、密にならないよう日々実状に合わせて対応している。

園独自の献立を2週間サイクルで作成している。旬の食材を使用し、薄味で季節感のある彩り豊かな食事の提供を心がけている。子どもが無理なく食事に慣れるように、離乳食から幼児食まで発達段階に応じ提供している。栄養士が喫食状況を細かく把握し、献立に反映している。また、献立会議や離乳食移行会議、給食・アレルギー会議等を行い、各部門で連携しながら個々の対応を検討する。子どもの主体性を尊重し、苦手なものは無理強いせず、楽しんで食べることを優先している。献立表には、手づくりおやつにマークをつけるなど表記の工夫をしている。

食物アレルギーには主治医の指示書をもとに、除去食で対応する。事前に保護者・担任保育士・看護師・栄養士でアレルゲンとなる食材がないか献立表を確認している。個別の色付きトレーと子どもの写真入りの除去食材の記載された食札を用意し、盛り付け時と配膳時にチェック表と照らし合わせながら確認する等、誤食防止に努めている。一部、全園児が同じものを食べられるように、アレルギー食材を含まない献立にした「なかよし給食」を導入している。離乳食についてもアレルギーチェック表を用い、家庭で食べたことがない食材を保護者に確認している。

年齢別に食育のポイント等をまとめた食育マニュアルを作成し、子どもが食事を楽しめるようにしている。行事食の際には、食事の前に栄養士が行事の意味や献立の説明をする。幼児クラスでは季節の食べ物表を掲示し、旬の食材を実際に見せる等している。また、カレーやクッキー作り等の調理活動に取り組んでいる。普段の給食時におにぎりを握ったり自分でサンドイッチを作る等の機会も取り入れている。献立に海外のメニューを取り入れたり、プランターでの野菜栽培を行う等、さらに活動を広げ食への意欲向上を図っている。

0歳児から月齢・年齢に応じて手洗い、うがい、鼻のかみ方等の衛生教育を実施している。離乳食が12から18ヶ月食になると、歯ブラシを持たせて慣れるとともに、看護師による歯磨きを始める。年1・2回プラークテストで磨き残しをチェックし、磨き方を指導する。2歳児以上のクラスでは身体測定後の時間を利用して、看護師による保健指導が行われている。さらに5歳児は午睡時間を使い、就学に向けての保健指導を行う。園内の注意が必要な箇所には、子どもたちが危ないとわかるように、「ヒヤリハットマーク」を貼っている。

0歳児は月2回、1歳児は月1回、園医の回診がある。その他に毎月の身体測定、年2回の健康診断・歯科検診を実施して、子どもの健康状態を個別健康記録票に記録し把握している。保健衛生、感染症予防、乳幼児突然死症候群(ＳＩＤＳ）防止、アレルギー児対応等の各マニュアルがあり、看護師を中心にそれに基づく対応や処置を実施している。常勤の看護師は0歳児保育室に配置し、毎日各クラスを回って全園児の様子を観察し、保健日誌に記録している。今年度は玩具や園内の消毒、手洗い、検温等の徹底・強化を図り、感染症予防と早期対応に努めている。

定期的に保健だよりを発行して、病気の基礎知識、感染症の予防法など健康に関する情報を伝えている。また、懇談会でも園での対応方法や取り組みについて、看護師が写真や映像を用いて具体的に説明している。感染症の発生時には玄関や各クラスの入り口に掲示して、保護者に注意を呼び掛けている。今年度は感染症対策として保護者の入室を制限する等、園の対応への理解と協力をお願いしている。乳幼児突然死症候群の防止に向けては、入園時に映像を使って保護者に説明するとともに、園では午睡時の呼吸チェックを行っている。

保護者の事情による登降園の時間の変更については、事前に連絡してもらい、子どもの体調を考慮したうえで保育時間内で対応している。毎日の登降園時、連絡帳でのやり取り、全園児対象の個人面談等で、保護者と積極的にコミュニケーションを取るようにしている。行事予定表を作成し、年度の始めに配布して日程を早めにお知らせすることで、保護者が園の行事に参加しやすいよう配慮している。今年度よりホームページの担当を決め、行事や玩具紹介などをブログで公開してできる限り保育の様子を伝えるようにしている。

父母会は組織されていない。例年、親子運動会、2歳・3～5歳児の親子遠足等があり、行事に保護者が参加・協力することで、保護者同士が交流している。春と秋の年2回、懇談会（オンライン）を実施している。秋の懇談会は、親子遠足と同日に開催している。懇談会では、その時期に合った発達や生活面で大切なこと等を、保健・保育の面から伝えたり、保護者からの質問や相談等にも応じている。グループ討議もできるようにしている。今年度は実施が難しかったが、終息後は再開する予定である。

例年、保育参観や保育参加を実施して保育を見てもらうことで、保護者に安心感や信頼感を持ってもらえるようにしている。0・1歳児の保育参観を6月に行い、参観後に面談を実施し、不安の軽減に繋げている。0歳児については、1月にも任意の保育参観を行っている。個人面談や懇談会では、職員と保護者で密な会話ができる環境設定を心掛けている。苦情対応の窓口を設置し、担当者が対応している。意見箱も設置している。保護者からの意見・要望は、会議等で議題に取り上げ、全体で話し合い検討や回答をしている。保護者から相談があれば随時対応する。

例年、運動会は地域に開放して、保護者や兄弟、町内の方、地域の未就学児、卒園児を招待している。参加できる競技を企画して交流が持てるようにしている。地域の方との交流は日常の散歩で触れ合うことが中心になる。消防署が散歩コースにあるため日々交流があり、3・4・5歳児は見学をしている。交通安全教室は、区や警察の協力で開催している。5歳児が小学校へ見学（体験）に行く機会もある。今年度は感染症の流行のため地域との交流は難しかったが、終息後は再開する予定で準備を進めている。

例年は、近隣園や児童館等の行事に園児が参加して交流することが多い。今年度はオンラインで、地域の子育て支援事業として、「こんにちは赤ちゃん講座」とした出産を迎える親の体験学習や保育園体験（体験保育）等を実施して交流を図った。保育園体験は曜日を決めて実施しており、見学や体験・試食のほかに、地域の方を呼び、職員が人形劇を披露する。見学に来た人も誘い、園児と交流できるよう取り組んでいる。今年度は実施が難しかったが、終息後は再開を予定している。

個人情報の取扱いについては、個人情報保護規程及び規程細則に沿って対応している。写真、誕生日、氏名が一致したものを公開しないようにしているほか、掲示物が外から見えないように室内側に掲示する等の配慮をしている。また、地域のイベントに参加した際の写真やコメント等を掲載する場合には、事前に保護者に確認して同意を得るようにしている。個人情報の漏洩に対応する補償保険に加入している。被保険者の義務や補償範囲が定められているため、職員に対して教育を行い、ルールに沿った管理を行っている。

子どもの羞恥心に配慮した保育に努めている。壁で仕切られているトイレの設置や、年長クラスでは個室トイレに入る習慣をつけるよう指導している。園庭でプールを使用する際には、目隠しを施して外部から見えないよう配慮している。幼児クラスの仕切りには目隠しを施している。職員の対応によって子どもが恥ずかしいと感じたり、傷つくことがないよう配慮している。職員の勤務マニュアルには、保育上やってはいけないこととして明記し、職員会議等において振り返りの機会を設けている。

子どもと保護者の価値観や生活習慣を把握し、可能な限り尊重している。乳児の割合が多い保育園であり、2歳児までは個別の計画を細かく立てて支援している。連絡帳を用いて家庭の様子を細かく把握している。また、複数担任による保育を行っており、0歳児は登降園時には担任が対応できるような勤務体制にしている。保護者が話したいことをすぐに聞く体制を整え、保護者の思いを汲み取るよう努めている。虐待マニュアルに基づき、虐待が疑われる場合には園長へ報告を行い、状況を確認した上で区や関係機関に報告することとしている。

サービスの基本事項や手順は、保育・食育・保健の分野に分けてマニュアルにまとめている。マニュアルの作成は、各分野の職員のリーダーが中心となって行っている。細かな配慮事項や保育現場における注意点等を、クラスの職員の意見を取り入れて作成している。散歩マニュアルや玩具マニュアル等は、必要時に活用できるようにするため、各クラスに設置している。行事マニュアルは、毎年担当者が変更しても、昨年の状況がわかるよう配慮している。

マニュアルの見直しは、行事や保育内容については、前年度の担当職員の反省や意見を聞いたり、連絡帳等での保護者の意見や子どもの様子を考慮して検討をすることとしている。年間の行事予定は、前年度末にリーダーを中心に時期を決定し、各担当がマニュアルに基づき手順を決めて実施している。マニュアルについては、副主任会議にて協議し、次年度の見直しの計画を立てている。