東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

法人の理念は「みんなで子どもたちを抱きしめ、子育てとともに何でも挑戦でき、いろんな家族の笑顔があふれる社会」で、使命は「親子の笑顔をさまたげる社会問題を解決する」です。法人の理念・使命について、職員の理解を深める取り組みとして、入社時研修・代表週報・全社会議・全社ポータル・ホームページを利用しています。法人または園の運営方針について、保護者の理解を得る取り組みとして、入園説明会・運営委員会・配布物・保護者会を行っています。そのほか全体的な計画は、連絡帳アプリなどで保護者に説明しています。

園長や本部マネージャーの役割と責任は、重要事項説明書・期待役割に記載し、園ミーティング・スタッフ面談などで職員に伝えています。また運営方針についても、園ミーティング・ワークショップで職員に確認しています。そのほか経営層は、全社会議・代表週報・PDCA会議などで、職員にメッセージを発信しています。園の所属する事業部の全職員約200名が集まる全社会議は、代表理事の話に対して意見交換を行う場となっています。

重要な案件は、内容によってそれぞれ関係者会議・園ミーティング・スタッフ面談で検討・決定しています。最近検討した重要な案件は、定員数変更・医療的ケア児の保育所体験受け入れです。また法人内または園内の決裁の仕組みについては、決裁権限規程に記載しています。なお決裁された文書は、クラウドサーバー・全社ポータルで保管しています。重要な案件は、職員には掲示・チャットでのお知らせ・配布・園ミーティング・スタッフ面談で伝え、利用者には掲示・連絡帳アプリで伝えています。

利用者のニーズは、連絡帳アプリ・年2回アンケート・面談により把握し、職員のニーズは、年2回のアンケート・3ヶ月毎の面談で把握しています。また地域の福祉ニーズは、南部地域園長会・エリア園長会により把握しています。これらの把握したニーズについては、共有ノート・チャット・園ミーティングで職員と共有しています。ニーズを基に実践した事例として、連絡帳アプリの活用があります。アプリを使用することによって保護者から意見を言いやすい環境整備に整ったと同時に、職員間の情報共有の効率化に繋がっています。

園長は全国小規模保育協議会・江東区私立園長会に参加しており、これらの活動の中で上がった地域課題の解消や空き地活用について、積極的に検討・提案しています。またこれらの会議で得た情報から園としての重点課題や重点目標を定め、事業計画に明示しています。その中で最も優先順位が高いものは、定員数変更・医療的ケア児受け入れとなっています。地域ニーズを踏まえて、0歳児の定員変更や、併設している障害児保育と連携した医療的ケアが必要な子どもの受け入れなどを検討しています。

法人で3か年の中期事業計画を策定しており、それを基に単年度事業計画を策定しています。なお法人の中期事業計画及び園の単年度事業計画はクラウド管理するとともに書庫で保管しています。事業計画で数値目標を定めている重点課題や重点目標は稼働率で、事業計画の進捗状況は、園ミーティング・共有ノート・主任主任補佐ミーティングにより職員に伝えています。そのほか、事業計画の内容を年度途中で見直す場合は、園ミーティング・主任主任補佐ミーティングで検討しています。

法人職員または保育職員として守るべき法や規則についてまとめた書類として、就業規則を整備し、クラウド管理及び書庫に保管しています。また、入社時にコンプライアンス研修を実施しており、理解度については、コンプライアンステストにより確認しています。守るべき法や規則に対して理解度が不足している職員に対しては、面談・園ミーティングなどで支援しています。なおコンプライアンス研修については、説明動画も作成するなど、いつでも閲覧できる体制を整備しています。

法人は苦情解決制度を整備し、重要事項説明書、園内掲示、園だよりで利用者に伝えています。利用者から意向や要望を伝えられた際は、現場向けガイドブックに沿って対応し、受け止めた利用者の意向と対応した内容は、面談記録、運営委員会議事録などに記録し保管しています。また職員の子どもに対する言葉づかいや立ち振る舞いの規範を示した現場向けガイドブックを整備しており、その方法を学ぶ研修として、全社横断研修を実施しています。虐待が発覚した際は、速やかに江東区子ども家庭支援センターに報告することとしています。

ボランティアの受け入れは、ボランティアガイドブックに沿って対応しており、前年度は保育補助・読み聞かせ・フラダンス・食育活動などのボランティアを13名受け入れています。加えて子育て支援事業として、妊娠中の方の保育園体験会を随時実施するとともに、養子縁組を希望する夫婦の研修受け入れを行っています。また東雲2丁目町会や南部地域園長会などの地域ネットワーク会議に参画し、地域課題を共有しています。

運営に係るリスクとして、最優先で対策に取り組んでいるリスクは、感染対策で、2番目が戸外活動中の安全、3番目が室内活動中の安全です。運営に係るリスクは、ガイドブックに明示し、主任主任補佐ミーティング・エリア園長会・園長会で対策を検討しています。また、これらのリスクに対しては各種ガイドラインに沿って対応しています。今年度は、戸外活動の安全確保に向けて、戸外活動共有シートを活用し、特に戸外活動時の職員の気づきを共有しています。

事業継続計画（BCP）は、園舎に危険・避難指示発出・ライフライン不備を想定して作成しています。この事業継続計画（BCP）は、対応表・園MTG・チャットなどで職員に伝え、利用者には、連絡帳アプリ・重要事項説明書で伝えています。また、事業継続計画（BCP）や危機管理マニュアルの内容は、避難確保計画で関係機関に伝えています。事故、感染症、侵入、災害などが発生した際は、アクシデント・レポート、インシデントレポートに記録し、発生要因は園ミーティングで分析しており、再発防止策はアクシデント報告で利用者に伝えています。

個人情報の利用目的や開示請求の方法を明示する資料として個人情報同意書を用意し、園長・副園長が確認しています。また、情報管理規程や文書管理規程の内容は、園長研修・事務連絡会・園ミーティングで確認するとともに、職員に伝えています。個人情報や気密性の高い情報を含む文書は、鍵付きの書庫・クラウド管理に保管しています。そのほか、情報管理の質を確保するため、法人内で情報セキュリティ委員会を取り入れるとともに、PCのセキュリティ管理は、法人の専門部門が担当しています。

法人または園が求める職員像については、ホームページ内の採用欄に記載されています。職員の求人は、主にホームページ、採用Webを活用しており、求職者の応募を促す具体的な工夫として、SNS、説明会、相談会、見学を行っています。現在優先的に採用したい職員の具体的なイメージは、長期働ける人材、保育理念への共感です。キャリアパスシートに設定されている階層の数は5段階で、キャリアパスシートの内容は説明会で職員に伝えています。なお求職者は人事制度ハンドブックで、キャリアパスを確認することができます。

法人または園全体の研修計画は、みらいの保育園事業部研修計画に、職種別の研修計画は、全社育成施策・研修体系に明示されています。加えて非常勤職員を対象に、園内研修や園長によるワークショップを実施しています。なお個人別研修計画は、フルタイム保育士を中心に作成しています。職員の指導方針は期待役割表に定め、職員の意向や経験はプロセス評価シートに記録しています。これらの人材育成計画については、研修計画・キャリアアップについての説明会で内容を職員に伝えています。

職員の意識ややる気は、1on1・保育者ケア面談・目標設定シート・eNPSアンケートで把握・分析し、記録しています。また職員間の良好な人間関係についても、面談記録やeNPSアンケート結果から客観的に把握しています。そのほか職員間の人間関係を育むため、職員の誕生会を園内で祝うとともに、園内ミーティングでは必ずワークショップを入れて、人間関係や自己覚知など保育以外の内容も取り入れるよう配慮しています。さらに独自にメンターを設定して、新人職員をフォローする体制を整備しています。

利用者への案内として独自にリーフレットを作成しており、保育理念・保育目標・1日の流れ・年間行事などの内容を記載しています。なお、外国籍など日本語が苦手な方に向けて、英語版の資料を用意するとともに、情報提供の際は、写真や、カラーで見やすいレイアウトにするなど工夫しています。

園のホームページには、保育内容として日々の子どもたちの様子や行事の様子などが紹介されており、内容に変更があるタイミングで随時更新し、保育内容を伝えています。また園の情報は、江東区子育て情報ポータルサイトにも定期的に報告しています。その他、地域に向けて、園での行事に関する情報などを1階玄関前に掲示して、お知らせしています。今後は独自のブログなどのSNSを通じて、情報発信をしていきたいと考えています。

園見学は、主に副園長が担当しています。見学会は随時受け付けており、説明会は毎年7月下旬、または8月上旬に開催しています。見学者には、園の特徴として子ども主体の保育、サークルタイム、ピースフルスクールプログラムなどの取り組みを説明しています。

入園が決まった利用者には、重要事項説明書を配布し、入園決定後約1週間後に説明会を開催しています。入園説明会では、スライドを用いて、保育理念、保育内容、園の様子を分かりやすく伝えています。なお、これまで入園説明会内で受けた質疑については、説明スライドに反映して説明するなど工夫を凝らしています。その他、保育内容は、重要事項説明書に沿って説明し、プライバシーの保護については、個人情報同意書で確認しています。

入園前の子どもの生活状況や、アレルギーの有無、既往歴などは、「入園までの生活状況」に記録し、保管しています。入園時には、保護者や子どもの不安、ストレスを緩和するため、おおよそ5日を目途に、慣れ保育を実施しています。期間中は、保護者の保育に対する理解や安心を深めるため、園での様子を丁寧に伝えるよう心掛けています。また誤飲の可能性がないもの、他児を傷つけないものなど、危険を伴わないものであれば持ち込みを許可しています。

卒園前に退園や転園をする園児には、職員全員からのメッセージカードや在園児からの折り紙をプレゼントしています。転園先には、必要に応じて、児童票・健康診断票・在園証明書などを提供し、園児の情報を引き継いでいます。また卒園前に退園や転園をした園児にも、夏まつりやクリスマス会などの行事の案内を継続的に連絡しています。

保育日誌は、0歳児については個別に記録欄を設け、記載しています。連絡帳アプリは、0・1・2歳児で毎日取り交わしています。児童票・日誌・連絡帳アプリ以外では、「すくすく」を使用して園児の身体測定、定期健康診断、歯科検診、予防接種の結果を記載しています。園児の個別の保育目標は、個別月案に記録しており、家庭や保護者の個別ニーズや支援方針は、入園面接票に記録しています。児童票においては、2～5歳児の姿を、2～3か月毎に集約しながら記録しています。

全体的な指導計画は、2021年4月に見直しを行い、保護者会で説明を行っているほか、連絡帳アプリでも閲覧できるようになっています。その上で、指導計画は、年・月・週を単位として作成し、年度末に見直しを行っています。また緊急に見直しを行う際は、園ミーティングで検討しています。0～2歳児クラス及び、障害児・要支援児については個別にも作成しています。加えて、5歳児では、小学校見学、ピースフルスクールプログラムなどの就学前教育カリキュラムとの整合性を意識しながら取り組んでいます。

職員間で情報を共有するために、各種会議や共有ノート・メール・チャット・日誌を活用しています。また、園ミーティングは保育スタッフ・調理スタッフ・主任・副園長・園長が、クラス会議はクラス担任・主任・副園長が参加し、保育目標の達成状況や指導計画の推進状況を評価しています。日々の申し送りでは共有ノート・チャットを活用し、子どもや保護者の状況を職員間で共有しています。今後は、共有する情報量が多いこともあり、情報伝達の方法を重要度に応じて変更するなど、必要な情報が職員に確実に伝わるように工夫していきたいと考えています。

保育環境の構成において、遊びを自己選択できる環境を大切にしています。その上で、各クラス保育室内に、食事・着替え・午睡などの生活目的に応じたスペースを設けると共に、絵本・ブロック・ままごと・制作・話し合いなどのコーナーを設定しています。また子どもが主体的に活動できるよう、いつでも自由に選べるように玩具を配置するなど、工夫しています。

1・2歳児および3・4・5歳児の各組み合わせで縦割り保育を行うとともに、0歳児と各年齢の組み合わせで交流する機会を設けています。その中で、年上の子どもが年下の子どもの生活の手伝いをする経験をしています。また、年齢の違う子どもたちが一緒に散歩に出かける場面もあります。そのほか、英語が話せるスタッフによる英語プログラムや世界の料理をテーマにした食育活動などを通じて、海外および国内各地の文化に親しむ機会も設けています。

要支援児の受け入れ時は、臨床発達心理士や精神保健福祉士などの資格を有したスタッフが所属する、法人内ソーシャルワークチームや子ども発達支援センターなどの専門機関と連携しながら対応しています。発達の過程で生じる園児同士のトラブルとして、噛みつきや引っ掻きなどがあった場合は、その経過と対応をアクシデントレポートなどに記録しています。また職員は、ピースフルスクール・プログラム研修に参加し、子どもの気持ちを尊重する知識や技術を学んでいます。就学支援に向けた取り組みとして、学校訪問・見学を実施しています。

職員は登園時の視診や保護者とのコミュニケーションなどにより、子どもの心身の健康状態を確認しています。また保護者とは、連絡帳アプリ以外に、口頭でも家庭と園での生活の様子や体調の変化を相互に確認し合っています。登園時に保護者から得た情報は、共有ノートや各フロアミーティングを通して、職員間で引き継いでいます。降園時には、子どもの様子や健康状態を直接保護者へ伝えています。さらに園内の玄関に手書きの「今日のできごと」や、ドキュメンテーションを掲示したり、連絡帳アプリを通じて動画や写真を閲覧できるようにしています。

園児の発達の段階と支援の方法は、「ガイドブック」に記載されています。基本的に生活習慣についても「同ガイドブック」を目安としつつ、家庭の考え方や子ども一人ひとりの成長に合わせて援助しています。食事においては、手や指先を使う遊び(感触遊びや箸でつまむ遊び)を行っています。排せつについては、便座に座ってみる経験やオムツ替えをトイレで行う指導をしています。また歯磨きについては、仕上げ磨きまでを自分で行う経験や絵本やパペットを使った指導、着替えについては、上下順番に着替える指導などを行っています。

午睡時間について、デイリープログラムでは乳児は12時30分から15時、幼児は14時から15時で設定しています。午睡を取るかどうかは、子どもが自己選択できるようになっており、午睡をとらない場合は、玩具や絵本のコーナーなどで過ごすことができるようになっています。そのため、就学に向けて午睡をなくす時期は特に定めていません。また環境面では、コットおよびバスタオルまたはパッドシーツなどの寝具を使用しています。

保育環境のコンセプトは、遊びを自己選択できる環境としており、遊びに応じた絵本・ブロック・ままごと・制作・話し合いなどのコーナーを設けています。またクラス全体で取り組む活動として、サークルタイム、ピースフルスクールプログラム、朝の会などを行っています。これらの活動は日常的に行っており、子どもたちが主体的に取り組むことができるように環境を整えています。サークルタイムは3歳児以上を対象として毎日実施しており、子どもと保育者が車座になり、さまざまなテーマで話し合う時間を持つようにしています。

園児同士が意見交換をする機会として、ピースフルスクールプログラム、サークルタイム、朝の会などを行っています。ピースフルスクールプログラムは、建設的に議論し、自分たちで「決める」習慣を学ぶこと、子どもたちが自ら対立を解決することを軸にした教育プログラムで、4・5歳児を対象として、週1回実施しています。また、子ども自身が気持ちを表現することを目的として、「感情カード」を導入しています。このプログラムでは、登園時や園での生活の中で子どもが自らの感情を表現し、他の子どもの感情を知る術を育んでいます。

散歩は、悪天候でなければ毎日実施しています。東雲公園、辰巳の森緑道公園、豊洲公園など園周辺の公園に出かけて、探索やドッジボールなどの運動遊び、ブランコや滑り台などを使用して楽しんでいます。園内では、ベリー・トマト・ピーマン・ナスをプランターで育てているほか、区民農園でも野菜を栽培しています。また園の玄関では、金魚・昆虫などを飼育しています。

子どもの成長や保育の成果を発表する機会として、げんきまつりを行っています。げんきまつりには保護者も参加し、オリエンテーリングを実施しています。またこどもの日・七夕・クリスマスパーティー・お正月遊び・節分・ひなまつりなどの季節行事を行っています。行事開催に向けて園児の興味や関心を高めるための工夫として、サークルタイムやピースフルスクールプログラムを実施し、内容を決める時間を作るようにしています。お泊り会では、子どもたちの提案から、プラネタリウム・花火・夕食作り・ウォークラリーなどを実施しています。

保護者に対しては、年間行事予定表を毎年4月に配布し、園だよりや連絡帳アプリで行事の目的を伝え、理解を得ています。また各行事は、保護者の参加・見学は自由になっており、保護者の都合で参加を決められるようになっています。その他の活動を含めて、ドキュメンテーションの掲示や園だよりや連絡帳アプリを通じて、写真や動画で活動の様子を伝えています。

園児の誕生会は、乳児・幼児フロア単位でお祝いしており、手品やぺープサート、インタビューなどのプログラムを行っています。また3～5歳児では、食事の際に誕生祝い用のランチョンマットを使用したり、誕生児がアレンジしたフェルトのケーキを飾るほか、誕生カードをプレゼントしています。

園児が安心してくつろげる環境整備として、マット・ベンチ・ソファー・クッションなどを設置しています。日中疲れてしまった園児がいた場合は、室内にコーナーを設けたり、空いているスペースで休息することができます。一人きりになりたい園児がいた場合は、状況に応じて、室内の空いているスペースや廊下の一部で過ごすことができるようにしています。

3歳未満児のクラスでは、17時以降の延長保育時間帯に入ると、クラス別保育から合同保育に切り替えています。合同保育は、1・2歳児室で行っており、普段遊べない四輪車や手先を使う紐通しなどの玩具を用意しています。なお、同時間帯は3名の職員を配置し、個別対応を心がけながら子どもが安心して過ごせるようにしています。

幼児クラスではバイキング形式で食事を取っています。一斉に食べ始めるのではなく、各自テーブルに付いた順に食べ始めるようにしており、ストレスなく食事できる雰囲気と環境を作っています。一方、食物アレルギーのある園児については、給食アレルギーマニュアルに沿って除去食を提供しています。その際、テーブルを個別に用意し、食具を色分けし、調理スタッフと保育スタッフで配膳確認を行い、誤食を防いでいます。コロナ禍においては、感染予防のためバイキング形式は取っておらず、密にならないように間隔をあけて座るようにしています。

食事は、無農薬や低農薬の食材を中心に調達し、自園で調理し提供しています。郷土食を提供する際には、職員が郷土食の紹介をしながら、楽しく食事ができるように工夫しています。また、そうめん流し・スイカ割り・餅つき、餃子づくりなどの体験や魚さばきの見学などを通じて、調理や食物に興味・関心を持てるように工夫しています。なお餃子づくり体験や魚さばきの見学については保護者に協力を得ることで実施ができています。さらに乳児については、入園前から入園後の生活状況を把握し、それに合わせた食材を提供するように心がけています。

食文化を深める機会として、郷土食紹介・給食ボード・お手伝いボード・畑作業などのプログラムを実施しています。調理スタッフはほぼ毎日、園児と触れ合いながら配膳などに参加しています。食育を目的として、園内や区民農園でトマト・ナス・ピーマン・さつまいもを栽培しています。栽培した野菜は、ピザトースト・炒めもの・スイートポテトなどの料理に使用しています。調理体験は、1～5歳児が行い、野菜の皮むき・種取り・おにぎり作りなどを行っています。

園児の防災・防犯意識を高める取組みとして、地震・火災・津波・水害・不審者訓練などを行っています。また隣接したバス会社に協力を依頼し、交通安全教室を開催しています。さらに歯科医による講話や、朝の会・サークルタイムを使った健康指導をしています。園内の事故・怪我防止に向けた対策として、散歩ルートマップ、保育室内における職員配置図の作成したり、ヒヤリハットを職員で共有し対策を練るなど、対応を行っています。

園児の健康状態を把握するため、毎月の0歳児健診・年2回の全園児健康診断を実施しています。与薬は基本的に行っていませんが、医師から1日3回の処方をされている場合には、与薬連絡票とともに、薬を預かっています。日常的なケアが必要な園児については、嘱託医と連携しながら柔軟に対応しています。歯磨き指導は、嘱託歯科医と保育士が行っています。

保健だよりは隔月発行し、季節に応じた健康管理や定期健診などを紹介しています。感染症が発生した場合は、玄関への掲示と連絡帳アプリを通じて、状況報告をしています。午睡時は職員による視診のほか、保育アプリや午睡チェック表を使用し、健康状態を確認しています。

子育てに関する保護者の価値観や就労状況については、児童票に記録しています。日頃から連絡帳アプリでの情報提供、送迎時のコミュニケーションに加えて、個別面談を年1回実施しています。また日常的なサービスに関わる保護者の意向は、年1回アンケートを実施し、その結果により把握しています。なお保護者対応に関する接遇マニュアルとして、「ガイドブック」を整備しており、職員は研修や園ミーティングなどを通じて、保護者対応の方法を学んでいます。

保護者間の交流を促進することを目的として、保育参加や保護者会の中でサークルタイムを実施しています。テーマを決めて情報交換をするなど、コミュニケーションをとる機会になっています。また、保護者と職員の信頼関係を深めるため、保育参加・保護者会・行事で交流を深めるとともに、面談・送迎時のコミュニケーションを大切にしています。今後は、園の理念や方針についてより深く理解してもらうために、保護者会の内容を工夫したいと考えています。

子どもの育ちや育児をする中での情報や知恵、知識を保護者と共有するために、日々のお便りや対話、連絡アプリ、面談、保護者会などを通じたコミュニケーションに努めています。また子育ての参考にして頂くことを目的に、保育参加、保育参観や保護者会を設定しています。保育参加、保育参観はそれぞれ年1回、保護者会は6月と2月の年2回実施しています。さらに保育参加や保育参観は、期間以外でも随時参加を受け付けています。そのような活動を通じニーズを把握することで、保護者の全体像を分析し、支援の有効性を捉えています。

地域資源を活かした取り組みとして、ハロウィンやお仕事体験を行っています。お仕事体験では、近隣にあるつくだ煮屋さんやハンバーガーショップなどの仕事を体験する機会を作っています。また図書館・児童館・消防署を訪問するなど、体験や交流できる機会を作っています。そのほか、他の保育園児や同じ建物内にある障害児保育施設との交流を実施したり、げんきまつりなどの行事を合同で実施しています。

夏祭りでは地域の方を招待すると共に、バザーへの出店の協力をしてもらっています。また保育実習生を受け入れているほか、毎月読み聞かせのボランティアを受け入れたり、未就園児も参加が可能なお話し会を実施するなど、地域と交流できる機会を増やしています。今後は保護者にもご協力いただき、保護者の仕事について話を聞く機会を持ったり、調理室内での調理の様子を動画で見る機会を作るなど、社会について知る機会を増やしていきたいと考えています。

個人情報の取り扱いについて、入園時に説明し、同意書に署名を得て確認しています。突発的に個人情報を提供する必要が発生した場合は、適宜保護者に確認しながら対応しています。園児の羞恥心に配慮した取組みとして、性別により着替えの空間を分けたり、乳児から着替えの手順を教えたり、幼児期になると読み聞かせによる性教育を行うなど、成長の段階に応じた意識づけを行っています。

園児の権利を尊重する視点や方法について、日常業務の会得や「人権擁護のためのセルフチェック」に則って確認しています。また、リーダー層を対象に人権研修を開催しています。そのような取り組みの上で、子どもと保護者の価値観や生活習慣を把握するために、利用者アンケートを行っています。個別の要望に応じて、「補食で牛乳を提供しない」「男児が女児用の服を着て過ごす」ことなどを認めた事例もあります。

虐待の早期発見と適切な対応を図るために、虐待防止や育児困難家庭への支援をテーマにした研修を実施するとともに、自治体や専門機関が主催する研修にも職員を派遣しています。虐待に関するニュースなどが報道された際は、園ミーティングやスタッフ共有アプリで情報共有し、意識の啓発を図っています。

法人内で共通して作成・活用しているマニュアルとして「ガイドブック」を整備し、園でも独自に「スタッフルール」などのマニュアルを作成しています。マニュアルに沿った業務の実施状況は、園長が中心となり、年度初めやガイドブック更新時に確認しています。また全職員に対して「ガイドブック」を配付し、職員は分からないことが起きた場合や業務点検の手段として活用しています。さらに園ミーティングにおいて、マニュアルの理解と活用を促しています。

今年度は「子ども主体の保育」、「伝える力」、「乳児担当と幼児担当がさらに繋がること」を重点テーマとして、学びを深めています。サービス手順については、職員や保護者からの意見、子どもの様子をもとに見直しています。保護者の声を受けて見直した事例として、「卒園しても遊びに来てね」事業の実施があります。この事業は卒園児が卒園した後も、園に来て遊ぶことを実現したものです。また職員の実践事例や研修成果をもとにサービス向上を図った事例として、公共の交通機関を使わない長距離の遠足などを実施しています。